JP2005060159A - 無機系廃棄物を活用した保水、透水性セラミックスブロック及びその製造方法 - Google Patents

無機系廃棄物を活用した保水、透水性セラミックスブロック及びその製造方法 Download PDF

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常利 山崎
Tsutomu Takeuchi
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Abstract

【課題】 ヒートアイランド現象緩和に効果のある保水、透水性セラミックスブロックブロックを無機系廃棄物を活用して提供すること。
【解決手段】 骨材として耐火度の高いフライアッシュ、結合材として300μm以下に粉砕した廃ガラス粉末、成形助剤や骨材と結合材との結合促進剤として低級粘土あるいは砕石廃泥からなる原料を混合し、成形後、焼成することにより得られた、見かけ気孔率20〜30%、曲げ強さ8MPa以上、圧縮強さが40N/mm2以上で、直径が1〜20μmの気孔で構成される多孔質の保水、透水性セラミックスブロック、およびその製造方法。原料の80mass%以上が廃棄物よりなることをとくちょうとする。フライアッシュを30〜50mass%、300μm以下に粉砕した廃ガラス粉末を30〜50mass%、さらに低級粘土あるいは砕石廃泥を5〜35mass%の範囲で混合した粉末を原料とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無機系廃棄物を活用した保水、透水性セラミックスブロック及びその製造方法に関する。
地球環境問題がクローズアップされてからかなりの年月が経過しているが、地球環境は悪化の一途をたどっており、その一つに大都市におけるヒートアイランド現象がある。東京の平均気温は過去100年で2.9℃上昇しており、また他の大都市での平均上昇気温が2.4℃であるのに比べて、中小規模の都市の平均上昇気温は1℃程度である。この様な気温上昇の一部は、地球温暖化の影響もあるが、ヒートアイランド現象によるものが主であるといわれている。ヒートアイランド現象の原因としては、舗装道路や建築物による蓄熱量の増大等地表面被覆の人工化、建物や自動車からの廃熱等人工廃熱の増加、さらに大規模な緑地や水面の減少等、都市形態の変化などが挙げられる。このため、様々なヒートアイランド現象緩和対策が検討されており、その一つに舗装道路、舗道あるいは建物屋上等に透水性を付与し、雨水や散水により吸水させた水の蒸発潜熱によりヒートアイランド現象を緩和することが提案されている。
先に述べた様に、舗装道路や舗道は、ヒートアイランド現象の緩和や地下水減少対策の一つとして、最近では透水舗装や透水ブロックが施工されている。透水舗装は粒径の揃った粗骨材をアスファルトで、また透水ブロックは細骨材をセメントで結合させた物で、骨材間に気孔を形成させたものである。しかし、気孔径は骨材の粒径に依存することから、構成される気孔径が数百ミクロン以上と大きく、透水性には優れているものの、保水性や揚水性に劣っている。すなわち、気孔径の小さい多孔質体ほど、毛細管力が大きく保水性や揚水性に優れている。従って、これまでの透水舗装や透水ブロックは、地下水増加には寄与しても、水の蒸発潜熱によるヒートアイランド現象緩和には効果が期待できない。さらに、気孔が大きいと砂塵等が気孔に進入しやすく、最終的には透水ブロック表面近傍は目潰れし、透水機能も低減する。
特許文献1には、上述したようなブロックを製造する方法として、粒径が5.6〜0.5mmの範囲内にある、廃磁器質タイル、廃磁器質食器、廃磁器質ブロック、廃碍子、鉄鋼スラグ、下水汚泥スラグ、ゴミ溶融スラグ、浄水汚泥、浄水汚泥スラグおよび廃ガラスからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いる無機質粒体を50〜95重量部の範囲内で含み、かつ、粒径が0.5mm未満の、50重量%以上が上水沈砂、鉄鋼スラグ、下水汚泥スラグ、ゴミ溶融スラグからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる無機質粒体を5〜50重量部の範囲内で含み合計が100重量部とした骨材原料と、この骨材原料に対してそれぞれ5〜20重量%の範囲内の成型助剤、焼結バインダおよび水とを混合し、プレス成形して成型体を得た後、この成型体を700〜1,300℃の範囲内の温度で焼成する保水性ブロックの製造方法が開示されている。
一方、火力発電所のボイラー等で石炭を燃料として燃焼させると産業廃棄物として多量のフライアッシュが発生する。環境保全、資源の有効活用の立場からも、フライアッシュの有効利用が更に促進されることが望まれる。フライアッシュをコンクリート骨材として用いる試みは種々なされているが、その一つとして、廃ガラスとフライアッシュあるいは高炉スラグ等の鉱物質微粉末の混合粉体を主原料として成形、焼成し、比重2以上とした特に人工骨材として用いるガラス質硬化体が提案されている(特許文献2)。また、フライアッシュの焼成製造温度を経済性のある1300度以下で製造でき、製造管理温度をこえても急激な発泡現象による低密度化高吸水率化が生じない高密度高強度フライアッシュ人工骨材の製造方法として、フライアッシュと融点1500℃以上のシリカ−アルミナ含有微粉末とを混合し、該混合物を造粒した後、焼成することを特徴とするフライアッシュ人工骨材の製造方法が提案されている(特許文献3)。
特開2003−146772号公報 特開平9−77530号公報 特開平10−251048号公報
本発明の目的は、ヒートアイランド現象緩和に効果のある適度な透水性を有し、保水性、揚水性、強度面で優れたブロックを、無機系廃棄物を活用した保水、透水性セラミックスブロックとして提供することにある。
本発明は、以下の(1)ないし(3)の多孔質の保水、透水性セラミックスブロックを要旨としている。
(1) 骨材として耐火度の高いフライアッシュ、結合材として300μm以下に粉砕した廃ガラス粉末、成形助剤や骨材と結合材との結合促進剤として低級粘土あるいは砕石廃泥からなる原料を混合し、成形後、焼成することにより得られた、見かけ気孔率20〜30%、曲げ強さ8MPa以上、圧縮強さが40N/mm2以上で、直径が1〜20μmの気孔で構成される多孔質の保水、透水性セラミックスブロック。
(2) 原料の80mass%以上が廃棄物よりなる上記の(1)の多孔質の保水、透水性セラミックスブロック。
(3) フライアッシュを30〜50mass%、300μm以下に粉砕した廃ガラス粉末を30〜50mass%、さらに低級粘土あるいは砕石廃泥を5〜35mass%の範囲で混合した粉末を原料とする上記の(1)または(2)の多孔質の保水、透水性セラミックスブロック。
また、本発明は、以下の(4)ないし(7)の多孔質の保水、透水性セラミックスブロックの製造方法を要旨としている。
(4) 耐火度の高いフライアッシュおよび300μm以下に粉砕した廃ガラス粉末からなる原料を混合し、成形し、焼成する多孔質保水・透水性セラミックスブロックの製造方法において、低級粘土あるいは砕石廃泥を原料に混合することで、焼成工程におけるガラスの溶融量を調整することを特徴とする製造方法。
(5) 原料の80mass%以上が廃棄物よりなる上記(4)の多孔質の保水、透水セラミックスブロックの製造方法。
(6) 骨材としてフライアッシュを30〜50mass%、結合材として廃ガラスの粉砕粉末を30〜50mass%、さらに成形助剤や骨材と結合材の結合促進材として粘土瓦や赤煉瓦の原料である低級粘土あるいは砕石廃泥を5〜35mass%の範囲で混合した粉末を原料として使用する上記の(4)または(5)の多孔質の保水、透水性セラミックスブロックの製造方法。
(7) 製造工程は、原料を混合し、成形し、その後、従来粘土瓦や赤煉瓦などの焼成に使用されてきたトンネル炉等を使用して焼成するものである上記の(4)、(5)または(6)の多孔質の保水、透水性セラミックスブロックの製造方法。
一般廃棄物や産業廃棄物を80%以上原料として活用し、粘土瓦や赤煉瓦の既存製造設備を使用することにより、ヒートアイランド現象緩和に効果のある土木・建築資材である多孔質の保水セラミックスブロックを製造することができる。
原料として使用する廃棄物について説明する。
火力発電所のボイラー等で燃料として石炭を用いると、いわゆる産業廃棄物として多量のフライアッシュが発生する。一年間に発生するフライアッシュはおよそ400万トンであり、そのうちの約半分がセメントコンクリート等の建設、土木分野、窯業分野で有効利用されている。しかしながら、近年の動向をみると、フライアッシュの発生量は確実に増加しつつあるにも関わらず、有効利用率は50%以下で推移しており、環境保全の立場からも、フライアッシュの有効利用が更に促進されることが望まる。
本発明で用いるフライアッシュは、骨材として最適な耐火度の高いフライアッシュであり、主として石英とムライトで構成さる高融点物質であり、平均粒子径は20〜30μmで、その80mass%が2〜100μmの粒子径分布を有している。
JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」に規定されている4種類のフライアッシュは、いずれの物でも本発明の原料として使用可能である。実施例においては、最も粒径の粗いIV種を使用したが、測定した平均粒子径は26μmで、4.6〜83μmの粒子が80%であった。フライアッシュI種からIV種にかけて粒子径は粗くなることから、小さいフライアッシュを使用することにより本発明の保水・透水ブロックを構成する気孔の径が小さくなる。
廃ガラス、特に廃ビンガラスのリサイクルは、リターナブルビンの再利用とワンウェイビンのガラスカレットとしてのガラスビン原料への再利用という二つの方法がある。全量リターナブルとて再利用されるなら、廃棄物としての問題はないが、国内のリターナブルビンは減少傾向にある。また、カレットの再利用は、回収や運搬に費用がかかるほか、カレットの品質向上のために異物の除去処理が必要であり、リサイクルするために多大な費用と労力を必要とする。
廃ガラスには大別してガラス瓶と板ガラスの二種類があり、主要な化学組成は、SiO270〜73%、Al23 1〜3%、CaO 8〜12%、Na2O 12〜14%であり、軟化点は710〜740℃である。本発明の原料として使用できる廃ガラス粉末は、上記種類の廃ガラスを300μm以下に粉砕した物であり、粉砕した廃ガラス粉末の平均粒子径は、測定結果によれば300μm以下で65μm、200μm以下で42μm、100μm以下で22μmである。廃ガラスの軟化点は上記のように710〜740℃であるが、粉末の粒子径が小さくなるほど低温から徐々に溶融することから、出来れば100μm以下の廃ガラス粉末を使用することが望ましい。
瓦用等の低級粘土あるいは砕石廃泥は、いずれも石英、長石、雲母及び粘土鉱物等で構成されており、砕石廃泥は瓦用等低級粘土に比べて粘土鉱物の含有量が少なく、長石の含有量が多い。この粘土鉱物の存在が成形助剤としての役割を果たし、また微細な粘土鉱物や長石、石英の存在が本発明の焼成過程において、廃ガラスの溶融を徐々に生じせしむものである。すなわち、廃ガラスより融点が高く、微細な粘土鉱物等の存在が、昇温と共に、廃ガラスによる溶融物の量を徐々に増加させ、骨材であるフライアッシュ同士をガラスで橋かけ結合させることが、本発明の原料系で多孔質体の製造を可能にした。
本発明は、耐火度の高いフライアッシュを骨材、300μm以下に粉砕した廃ガラス粉末を結合材、これに粘土瓦及び赤煉瓦等の原料である低級粘土あるいは砕石廃泥を成形助剤や骨材と結合材との結合促進剤として使用し、原料混合、プレス成形あるいは押出成形などの成形後、焼成することにより、原料の80mass%以上が廃棄物を使用でき、かつ骨材であるフライアッシュの平均粒子径の1/2〜1/4の平均気孔直径を有し、ヒートアイランド現象緩和に効果のある多孔質の保水・透水セラミックスブロックを提供するものである。
本発明の特徴は、見かけ気孔率が20〜30%、曲げ強さが8MPa以上、圧縮強さが40N/mm2以上で、直径が1〜20μmの気孔で構成されるヒートアイランド現象緩和に効果のある多孔質の保水、透水セラミックスブロックを、300μm以下に粉砕された廃ガラス粉末、石炭火力発電所等から排出されるフライアッシュ、及び粘土瓦や赤煉瓦の原料である低級粘土あるいは砕石廃泥を使用して、成形後900〜1100℃で焼成することにより製造することである。
すなわち、骨材としてフライアッシュ(石炭灰)を30〜50mass%、結合材として廃ガラスの粉砕粉末を30〜50mass%、さらに成形助剤や骨材と結合材の結合促進材として粘土瓦や赤煉瓦の原料である低級粘土あるいは砕石廃泥を5〜35mass%の範囲で混合した粉末を原料として使用する。これまでの粘土瓦や赤煉瓦の低級粘土を成形し、800〜1000℃で焼成することにより、素焼きと称される多孔質ブロックを製造することは可能であるが、強度や耐摩耗性の点で実用に供し得る製品にはなり得ない。
本発明は、研削砥石の一種であるビトリファイド砥石の製造方法を参考に考案したものである。すなわち、砥粒(骨材)と砥粒を結合材であるガラス溶融物で橋架け結合させることにより製造される多孔質のビトリファイド砥石の製造技術である。ビトリファイド砥石の焼成は厳密な焼成温度管理がなされて製造されているが、本発明のような土木・建築資材は研削砥石に比較して付加価値が低いことから、焼成条件の管理にコストをかけることは不可能である。そこで、石英、長石、粘土鉱物で構成される粘土瓦や赤煉瓦の原料である低級粘土あるいは採石廃泥を配合し、成形助剤としての役割だけでなく、焼成過程におけるガラス溶融量の調整を行うことにより、フライアッシュを骨材とした多孔質ブロックの製造を可能にしたものである。
本発明による保水・透水ブロックは、原料混合、成形、焼成という、これまでの窯業製品の工程と同じ方法で製造できる。すなわち、フライアッシュ、廃ガラス粉末、低級粘土あるいは砕石廃泥の混合粉末に2〜6mass%の水を添加し、よく混合した後、10〜50MPaの圧力で一軸プレス成形し、トンネル窯や単独窯などの既存の焼成炉を用いて900〜1100℃で焼成することにより製造できる。
成形助剤の添加量は、上記骨材原料の総量に対して5〜35重量%の範囲内であるが、この添加量が5重量%を下回ると、成形後の強度が低くなり取り扱いが困難となる。また20重量%を超えると、添加後の混合物の粘性が高くなり、成形機などへの充填がスムーズにできない。
300μm以下(平均粒子径65μm)、200μm以下(平均粒子径42μm)、100μm以下(平均粒子径22μm)に分級した廃ガラス瓶粉砕粉末を30mass%、平均粒子径26μmで、4.6〜83μmが80mass%の粒子径分布幅を有するフライアッシュを50mass%、及び香川県で粘土瓦用に使用されている低級粘土を20mass%を混合し、これに5mass%の水を添加した後、30MPaの圧力で50×15×8mmに一軸プレス成形した成形体を、950〜1100℃の25℃毎に、昇温速度100℃/時間、各温度での保持時間30分の条件で焼成した。各焼成体について試験した見かけ気孔率および曲げ強さを表1に示す。
Figure 2005060159
いずれのガラス粉末を用いた場合においても、見かけ気孔率は29〜40%の間にあり、いずれの材料も多孔質体となっている。また、使用するガラス粉末の粒子径が小さくなるほど、また焼成温度が高くなるほど小さい見かけ気孔率となっている。一方、曲げ強さは見かけ気孔率が小さくなると共に、大きい値となっており、多孔質セラミックスとしては十分な強度特性を示している
平均粒子径が26μmで、4.6〜83μmが80mass%の粒子径分布幅を有するフライアッシュ、100μm以下に粉砕、分級した一般家庭ゴミである廃ガラスの粉砕粉末、及び香川県で粘土瓦用に使用されている低級粘土粉末を、表2に示す配合表に基づいて、秤量、混合し、これに5mass%の水を添加した後、30MPaの圧力で50×15×8mmに一軸プレス成形した。次に、電気炉を使用して成形体を、900〜1100℃の25℃毎に、昇温速度100℃/時間、各温度での保持時間30分の条件で焼成した後、各焼成体について見かけの気孔率及び曲げ強さを測定した。見かけ気孔率はアルキメデス法で、曲げ強さは三点曲げ法、支柱間距離30mmで試験した。結果を表3に示す。
Figure 2005060159
Figure 2005060159
見かけ気孔率は一部の試験体を除いては20%以上の値を示しており、多孔質セラミックスとなっている。また焼成温度が高くなるに従って見かけ気孔率は小さくなっているが、気孔率20%までの減少率は小さく、概ね焼成温度幅の大きい、焼成しやすい配合原料となっている。
曲げ強さについては、本発明品が舗道や屋上等の床材としての用途が考えられることから、JIS A5209「陶磁器質タイル」に規定されている床タイルの基準値を参考に検討を行 う。JISによれば床タイルの幅1cm当たりの曲げ破壊荷重は120N/cm以上となっており、床タイルの一般的な厚みである15mmで計算した曲げ強さは7.3MPaとなる。表3において、ほとんどの試験体の曲げ強さは7.3MPa以上の値を示しており、見かけ気孔率が30%前後の値を示すもので、曲げ強さは7.3MPaの2〜3倍の値となっている。これらの結果から、本発明の保水、透水セラミックス材料は、多孔質材料でありながら実用に供し得る強度を有しているといえる。
試料番号1〜4の試料で見かけ気孔率が24〜30%の試験体について、水銀ポロシーメータを使用して気孔径分布を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2005060159
表4において、いずれの試験体の平均気孔径(50%値)も7〜11μmの間にあり、また全気孔の内80%は1〜16μmの直径の気孔で構成されている。したがって、本発明品は、数百ミクロン以上の気孔径である従来の透水ブロックと比較すると、極めて小さい気孔径で構成されており、毛細管力による揚水性も十分に期待し得る材料である。
本発明品は土木・建築用の床材として使用されることから、JIS A5209「陶磁器質タイル」に規定されている磨耗試験を実施すべく、試料番号1、2、3、4について先に述べた方法と同一の方法で50×50×10mmの試験体を成形し、二種類の温度で焼成した試験体について磨耗減量と見かけ気孔率を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2005060159
表5において、見かけ気孔率は表3の同条件で作製された試験体の結果とほぼ同じ値を示しており、データの再現性があることが分かる。磨耗減量は、JIS A5209の規定では0.1g以下であり、表5の結果ではいずれの試験体も十分にJIS A5209の値を満足しており、耐摩耗性の点でも本発明の保水・透水ブロックは実用に供し得るといえる。
次に、試料番号2及び4について、110×110×50mmの試験体を作製し、JIS R1250「普通れんが」に基づく吸水率及び圧縮強さを測定すると共に、110×110mmの一面を残し、他の5面については樹脂で被覆した試料番号4について、一昼夜吸水させた後、50℃の乾燥機中に置き、未被覆面の温度の経時変化を測定した。なお、この時吸水させていない同質の保水、透水ブロックについても表面温度の経時変化をあわせて測定した。表6に吸水率と圧縮強さの値を示す。吸水率は12.1及び15.7%と大きい値を示しており、一般的に見かけ気孔率は吸水率の約2倍の値を示すことから、表3及び表5の見かけ気孔率の値と合致している。また、圧縮強さについては、いずれの試験体についても50N/mm2以上の値となっている。JIS R1250では、2種で吸水率15%以下、圧縮強さ15.0N/mm2以上、3種で13%以下、20.0N/mm2以上、4種で10%以下、30.0N/mm2以上となっている。表6の結果から、本開発品は強度の点ではJISに規定されている最も高品質製品である4種以上の値を示しており、また表5の磨耗試験の結果についても、陶磁器質タイルのJIS基準を満足していることから、開発した多孔質体は、多くの気孔を含有しているにもかかわらず、実用に供し得る材料であるといえる。
Figure 2005060159
図1に吸水させたブロック表面温度の経時変化を示す。吸水させていないブロックの表面温度が約48℃であるのに対して、吸水させたブロックの表面温度は約5時間の間30〜32℃あることから、本発明の保水、透水ブロックは十分な揚水性を有し、舗道路等に施工された場合、夏季に舗道表面温度上昇の緩和に十分期待し得る製品である。
平均粒子径が26μmで、4.6〜83μmが80mass%の粒子径分布幅を有するフライアッシュ、100μm以下に分級した一般家庭ゴミである廃ガラスの粉砕粉末、及び香川県の砕石工場から排出される砕石廃泥を、表7に示す配合表に基づいて、秤量、混合し、これに5mass%の水を添加した後、30MPaの圧力で50×15×8mmに一軸プレス成形した。
次に、成形体を電気炉を使用して、1000〜1100℃の25℃毎に、昇温速度100℃/時間、各温度での保持時間30分の条件で焼成した後、各焼成体について見かけの気孔率及び曲げ強さを測定した。見かけ気孔率はアルキメデス法で、曲げ強さは三点曲げ法、支柱間距離30mmで試験した。結果を表8に示す。
Figure 2005060159
Figure 2005060159
表8において、砕石廃泥の配合量が多く、焼成温度が高い領域では気孔率の低い試験体があるが、1000〜1100℃の焼成温度で、見かけ気孔率が約30%で、JIS A5209の基準値から計算した7.5MPa以上の曲げ強さを示す試験体が確認され、実施例2で使用した粘土瓦や赤煉瓦の原料である低級粘土の代わりに、砕石廃泥を使用しても、本発明の保水ブロックを製造し得る。したがって、本発明によれば、原料すべてを一般廃棄物や産業廃棄物を活用して製造し得るといえる。
一般廃棄物や産業廃棄物を80%以上原料として活用し、粘土瓦や赤煉瓦の既存製造設備を使用することにより、製造した適度な透水性を有し、保水性、揚水性、強度面で優れたブロック、保水性ブロックが、ヒートアイランド現象緩和に効果のある土木・建築資材として有効に利用できる可能性がある。
吸水させた保水ブロック表面温度の経時変化を示す図面である。

Claims (7)

  1. 骨材として耐火度の高いフライアッシュ、結合材として300μm以下に粉砕した廃ガラス粉末、成形助剤や骨材と結合材との結合促進剤として低級粘土あるいは砕石廃泥からなる原料を混合し、成形後、焼成することにより得られた、見かけ気孔率20〜30%、曲げ強さ8MPa以上、圧縮強さが40N/mm2以上で、直径が1〜20μmの気孔で構成される多孔質の保水、透水性セラミックスブロック。
  2. 原料の80mass%以上が廃棄物よりなる請求項1の多孔質の保水、透水性セラミックスブロック。
  3. フライアッシュを30〜50mass%、300μm以下に粉砕した廃ガラス粉末を30〜50mass%、さらに低級粘土あるいは砕石廃泥を5〜35mass%の範囲で混合した粉末を原料とする請求項1または2の多孔質の保水、透水性セラミックスブロック。
  4. 耐火度の高いフライアッシュおよび300μm以下に粉砕した廃ガラス粉末からなる原料を混合し、成形し、焼成する多孔質保水・透水性セラミックスブロックの製造方法において、低級粘土あるいは砕石廃泥を原料に混合することで、焼成工程におけるガラスの溶融量を調整することを特徴とする製造方法。
  5. 原料の80mass%以上が廃棄物よりなる請求項4の多孔質の保水、透水セラミックスブロックの製造方法。
  6. 骨材としてフライアッシュを30〜50mass%、結合材として廃ガラスの粉砕粉末を30〜50mass%、さらに成形助剤や骨材と結合材の結合促進材として粘土瓦や赤煉瓦の原料である低級粘土あるいは砕石廃泥を5〜35mass%の範囲で混合した粉末を原料として使用する請求項4または5の多孔質の保水、透水性セラミックスブロックの製造方法。
  7. 製造工程は、原料を混合し、成形し、その後、従来粘土瓦や赤煉瓦などの焼成に使用されてきたトンネル炉等を使用して焼成するものである請求項4、5または6の多孔質の保水、透水性セラミックスブロックの製造方法。
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