JP3572206B2 - 固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワニス処理を行なう電動機では、その固定子鉄心のスロットに挿入されるコイル及びくさびがワニスで固定されるため、振動によるコイル及びくさびのずれは生じない。
【0003】
しかしコイルとして耐水性の被覆を施した耐水絶縁電線を用いた水封式の電動機は、ワニス処理を行なわないため、くさびの圧迫でコイルを固定する。即ち例えば図5に示すように、電動機の固定子鉄心4のスロット41内に挿入された耐水絶縁電線からなるコイル3の周囲に絶縁紙1a,1b,1cを巻いた状態でスロット41内にくさび2を挿入する。その際くさび2が振動でずれないように、固定子鉄心4よりもくさび2の長さを長くして固定子鉄心4の端面でくさび2を半田コテで溶かして突起30を作ることで固定する。
【0004】
また他の方法として図6に示すように、くさび2の両端(図では上端のみ示す)に切り込み35を入れ、刃物を打ち込むことで該切り込み35を広げてスロット41の幅よりくさび2の幅を広げて固定する方法もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記コイル3に使用する耐水絶縁電線の被覆は熱に弱いのでコイル3近傍にくさび2固定の為に熱源を近付けることは好ましくなく、また刃物などを近付けることは該刃物などによってコイル3の被覆に傷を付ける恐れがあるので好ましくない。特に水封式の電動機の場合は、耐水絶縁電線の被覆の劣化や傷がその寿命に大きく影響するので、前記固定作業は慎重に行なわなければならず、電動機の生産性に大きく影響していた。
【0006】
さらにくさび2の固定が十分でないと、振動でくさび2がずれることにより事故が発生する恐れがあった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、熱源や刃物などを用いなくても、容易且つ確実にくさびを固定することが出来る固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明は、コイルを電動機の固定子鉄心のスロット内に挿入するとともにその周囲に絶縁紙を巻き、さらに該スロット内にくさびを挿入することで前記コイルを固定する固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造において、前記絶縁紙の前記スロットから突出している上下両端の部分を折り返して折り返し部を形成し、且つ前記くさびの長さをこれら絶縁紙の上下両端の折り返し部の辺に突き当たる長さ以下とし、前記絶縁紙の上下両端の折り返し部の間に前記くさびの上下両端面を位置して位置決め固定することで、くさびの振動による上下方向への脱落を防止することを特徴とする。
前記電動機は、耐水性の被覆を施した耐水絶縁電線からなるコイルを用いた水封式の電動機であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図4は本発明を適用する液封式電動機の一例を示す全体概略断面図である。同図に示すようにこの液封式電動機は、筒状のフレーム7内に固定子鉄心4を取り付け、固定子鉄心4の中央に回転子5を固定した主軸6を回転自在に挿入して構成されている。そしてこの種の電動機の内部には水若しくは油などの封入液13を封入し、さらに内外圧を調圧し且つモータ運転時の封入液13の熱膨張を吸収する目的でフレーム7の反負荷側にダイヤフラム14などからなる調圧機構を設けている。
【0010】
なお前記固定子鉄心4にはコイル3が取り付けられている。また8a,8bはそれぞれ負荷側と反負荷側のフレーム側板、9a,9bはそれぞれ負荷側と反負荷側のブラケット、10a,10bはそれぞれラジアル軸受、11はスラスト軸受、12は軸受ケース、15は軸封装置、16a,16bはそれぞれボルトである。
【0011】
〔第一実施形態〕
次に図1は本願の第一実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図であり、図4に示すA部分を拡大して示している。
【0012】
即ちこのくさび固定構造は、3枚の絶縁紙1a,1b,1cを挿入した固定子鉄心4のスロット41内に耐水絶縁電線からなるコイル3を挿入し、次に該スロット41内にくさび2を挿入して構成される。
【0013】
ここで絶縁紙1bはコイル3の外周にこれを囲むように巻き回されてコイル3挿入時及びくさび2挿入時にコイル3が傷付くのを保護する目的の絶縁紙であり、絶縁紙1cは絶縁紙1aの上にコの字状に取り付けられて固定子鉄心4の端面とコイル3の圧迫によって絶縁紙1a,1bが破れて固定子鉄心4の端面のエッジでコイル3に傷が付くことを防止する目的の補強用の絶縁紙である。
【0014】
一方絶縁紙1aは、絶縁紙1bの上にほぼ一巻き巻き付けた絶縁紙であり、その上端部を外側に向けて折り返すことによって折り返し部50を形成している。この折り返し部50は図示はしないが固定子鉄心4の下端側から突出する絶縁紙1aの下端部においても同様に設けられている。つまり絶縁紙1aの長さは、上下の折り返し部50が固定子鉄心4の上下端よりも外側になる寸法としている。
【0015】
その組み立ては、絶縁紙1aの上下両端を予め折り返して折り返し部50を設けたものと絶縁紙1b,1cとをスロット41に挿入した後、スロット41にコイル3を挿入し、次に絶縁紙1aの片側部分(図の向かって左側の部分)eをコイル3に押し付けるように折り曲げた状態でくさび2をスロット41内に挿入する。
【0016】
絶縁紙1aの片側部分eは、コイル3方向への折り曲げの反発力によってくさび2側に起き上がろうとし、その折り返し部50の辺51はくさび2の端面上に位置する。
【0017】
この状態は固定子鉄心4の下端においても同様であり、またくさび2の長さは絶縁紙1aの上下両端の折り返し部50の辺51に突き当たる長さ以下としており、従ってくさび2の上下両端面は絶縁紙1aの上下の折り返し部50によってこの位置においてその動きが制限されてスロット41内に位置決め固定される。
【0018】
なおこの実施形態では絶縁紙1aの片側部分eのみをコイル3に押し付けるように折り曲げたが、その左右両側部分e,fをコイル3に押し付けるように折り曲げて、該両側部分e,fの折り返し部50の辺51をくさび2の端面に当接させるように構成しても良い。
【0019】
〔第二実施形態〕
図2は本願の第二実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。なお第一実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0020】
このくさび固定構造において第一実施形態と相違する点は、くさび2の長さを絶縁紙1aの上下両端の折り返し部50の辺51間の距離よりも多少長い寸法に構成し、これによってくさび2の上下端を上下の折り返し部50の内部に収め、これによってくさび2の動きを制限してスロット41内に位置決め固定するように構成した点である。なお、第一実施形態との併用も可能である。
【0021】
〔第三実施形態〕
図3は本願の第三実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。なお第一実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0022】
このくさび固定構造において第一実施形態と相違する点は、絶縁紙1aの折り返し部50を内側を向けて折り返し、挿入したくさび2の上下両端面において起き上がった折り返し部50の左右両側の辺51によってくさび2の動きを制限してスロット41内に位置決め固定するように構成した点である。なおくさび2の長さは絶縁紙1aの上下両端の辺51に突き当たる長さ以下としている点は第一実施形態と同様である。
【0023】
以上本発明の実施形態を詳細に説明したが本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
▲1▼折り返し部を有する絶縁紙以外の絶縁紙は、絶縁紙の補強やコイルの保護などの目的に応じ、その枚数や巻付構造に種々の変更が可能である。
【0024】
▲2▼本発明はこれを耐水絶縁電線からなるコイルを用いた水封式の電動機に使用した場合、該耐水絶縁電線の被覆をくさび固定時に熱や刃物によって劣化、損傷させる恐れがなく、従って特にその効果が顕著であるが、耐水絶縁電線を用いていないコイルを用いた電動機(水封式でなくても良い)に適用してもよい。この場合も、前記熱や刃物によるコイルの劣化、損傷を防止できる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、熱源や刃物などを用いなくても、容易且つ確実にくさびを固定することが出来る。従ってコイルを傷付けることもなく、容易に作業が行なえるため、生産性が良く、電動機の寿命を損ねることもなく、またくさびの脱落による事故の防止にもなるため、経済的にも効果が大きい。
【0026】
特に水封式の電動機の場合は、耐水絶縁電線の被覆の劣化や傷がその寿命に大きく影響するので、上記効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。
【図2】第二実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。
【図3】第三実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。
【図4】本発明を適用する液封式電動機の一例を示す全体概略断面図である。
【図5】従来のくさび固定構造の一例を示す要部概略斜視図である。
【図6】従来のくさび固定構造の一例を示す要部概略斜視図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 絶縁紙
2 くさび
3 コイル
4 固定子鉄心
41 スロット
50 折り返し部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワニス処理を行なう電動機では、その固定子鉄心のスロットに挿入されるコイル及びくさびがワニスで固定されるため、振動によるコイル及びくさびのずれは生じない。
【0003】
しかしコイルとして耐水性の被覆を施した耐水絶縁電線を用いた水封式の電動機は、ワニス処理を行なわないため、くさびの圧迫でコイルを固定する。即ち例えば図5に示すように、電動機の固定子鉄心4のスロット41内に挿入された耐水絶縁電線からなるコイル3の周囲に絶縁紙1a,1b,1cを巻いた状態でスロット41内にくさび2を挿入する。その際くさび2が振動でずれないように、固定子鉄心4よりもくさび2の長さを長くして固定子鉄心4の端面でくさび2を半田コテで溶かして突起30を作ることで固定する。
【0004】
また他の方法として図6に示すように、くさび2の両端(図では上端のみ示す)に切り込み35を入れ、刃物を打ち込むことで該切り込み35を広げてスロット41の幅よりくさび2の幅を広げて固定する方法もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記コイル3に使用する耐水絶縁電線の被覆は熱に弱いのでコイル3近傍にくさび2固定の為に熱源を近付けることは好ましくなく、また刃物などを近付けることは該刃物などによってコイル3の被覆に傷を付ける恐れがあるので好ましくない。特に水封式の電動機の場合は、耐水絶縁電線の被覆の劣化や傷がその寿命に大きく影響するので、前記固定作業は慎重に行なわなければならず、電動機の生産性に大きく影響していた。
【0006】
さらにくさび2の固定が十分でないと、振動でくさび2がずれることにより事故が発生する恐れがあった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、熱源や刃物などを用いなくても、容易且つ確実にくさびを固定することが出来る固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明は、コイルを電動機の固定子鉄心のスロット内に挿入するとともにその周囲に絶縁紙を巻き、さらに該スロット内にくさびを挿入することで前記コイルを固定する固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造において、前記絶縁紙の前記スロットから突出している上下両端の部分を折り返して折り返し部を形成し、且つ前記くさびの長さをこれら絶縁紙の上下両端の折り返し部の辺に突き当たる長さ以下とし、前記絶縁紙の上下両端の折り返し部の間に前記くさびの上下両端面を位置して位置決め固定することで、くさびの振動による上下方向への脱落を防止することを特徴とする。
前記電動機は、耐水性の被覆を施した耐水絶縁電線からなるコイルを用いた水封式の電動機であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図4は本発明を適用する液封式電動機の一例を示す全体概略断面図である。同図に示すようにこの液封式電動機は、筒状のフレーム7内に固定子鉄心4を取り付け、固定子鉄心4の中央に回転子5を固定した主軸6を回転自在に挿入して構成されている。そしてこの種の電動機の内部には水若しくは油などの封入液13を封入し、さらに内外圧を調圧し且つモータ運転時の封入液13の熱膨張を吸収する目的でフレーム7の反負荷側にダイヤフラム14などからなる調圧機構を設けている。
【0010】
なお前記固定子鉄心4にはコイル3が取り付けられている。また8a,8bはそれぞれ負荷側と反負荷側のフレーム側板、9a,9bはそれぞれ負荷側と反負荷側のブラケット、10a,10bはそれぞれラジアル軸受、11はスラスト軸受、12は軸受ケース、15は軸封装置、16a,16bはそれぞれボルトである。
【0011】
〔第一実施形態〕
次に図1は本願の第一実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図であり、図4に示すA部分を拡大して示している。
【0012】
即ちこのくさび固定構造は、3枚の絶縁紙1a,1b,1cを挿入した固定子鉄心4のスロット41内に耐水絶縁電線からなるコイル3を挿入し、次に該スロット41内にくさび2を挿入して構成される。
【0013】
ここで絶縁紙1bはコイル3の外周にこれを囲むように巻き回されてコイル3挿入時及びくさび2挿入時にコイル3が傷付くのを保護する目的の絶縁紙であり、絶縁紙1cは絶縁紙1aの上にコの字状に取り付けられて固定子鉄心4の端面とコイル3の圧迫によって絶縁紙1a,1bが破れて固定子鉄心4の端面のエッジでコイル3に傷が付くことを防止する目的の補強用の絶縁紙である。
【0014】
一方絶縁紙1aは、絶縁紙1bの上にほぼ一巻き巻き付けた絶縁紙であり、その上端部を外側に向けて折り返すことによって折り返し部50を形成している。この折り返し部50は図示はしないが固定子鉄心4の下端側から突出する絶縁紙1aの下端部においても同様に設けられている。つまり絶縁紙1aの長さは、上下の折り返し部50が固定子鉄心4の上下端よりも外側になる寸法としている。
【0015】
その組み立ては、絶縁紙1aの上下両端を予め折り返して折り返し部50を設けたものと絶縁紙1b,1cとをスロット41に挿入した後、スロット41にコイル3を挿入し、次に絶縁紙1aの片側部分(図の向かって左側の部分)eをコイル3に押し付けるように折り曲げた状態でくさび2をスロット41内に挿入する。
【0016】
絶縁紙1aの片側部分eは、コイル3方向への折り曲げの反発力によってくさび2側に起き上がろうとし、その折り返し部50の辺51はくさび2の端面上に位置する。
【0017】
この状態は固定子鉄心4の下端においても同様であり、またくさび2の長さは絶縁紙1aの上下両端の折り返し部50の辺51に突き当たる長さ以下としており、従ってくさび2の上下両端面は絶縁紙1aの上下の折り返し部50によってこの位置においてその動きが制限されてスロット41内に位置決め固定される。
【0018】
なおこの実施形態では絶縁紙1aの片側部分eのみをコイル3に押し付けるように折り曲げたが、その左右両側部分e,fをコイル3に押し付けるように折り曲げて、該両側部分e,fの折り返し部50の辺51をくさび2の端面に当接させるように構成しても良い。
【0019】
〔第二実施形態〕
図2は本願の第二実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。なお第一実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0020】
このくさび固定構造において第一実施形態と相違する点は、くさび2の長さを絶縁紙1aの上下両端の折り返し部50の辺51間の距離よりも多少長い寸法に構成し、これによってくさび2の上下端を上下の折り返し部50の内部に収め、これによってくさび2の動きを制限してスロット41内に位置決め固定するように構成した点である。なお、第一実施形態との併用も可能である。
【0021】
〔第三実施形態〕
図3は本願の第三実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。なお第一実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0022】
このくさび固定構造において第一実施形態と相違する点は、絶縁紙1aの折り返し部50を内側を向けて折り返し、挿入したくさび2の上下両端面において起き上がった折り返し部50の左右両側の辺51によってくさび2の動きを制限してスロット41内に位置決め固定するように構成した点である。なおくさび2の長さは絶縁紙1aの上下両端の辺51に突き当たる長さ以下としている点は第一実施形態と同様である。
【0023】
以上本発明の実施形態を詳細に説明したが本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
▲1▼折り返し部を有する絶縁紙以外の絶縁紙は、絶縁紙の補強やコイルの保護などの目的に応じ、その枚数や巻付構造に種々の変更が可能である。
【0024】
▲2▼本発明はこれを耐水絶縁電線からなるコイルを用いた水封式の電動機に使用した場合、該耐水絶縁電線の被覆をくさび固定時に熱や刃物によって劣化、損傷させる恐れがなく、従って特にその効果が顕著であるが、耐水絶縁電線を用いていないコイルを用いた電動機(水封式でなくても良い)に適用してもよい。この場合も、前記熱や刃物によるコイルの劣化、損傷を防止できる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、熱源や刃物などを用いなくても、容易且つ確実にくさびを固定することが出来る。従ってコイルを傷付けることもなく、容易に作業が行なえるため、生産性が良く、電動機の寿命を損ねることもなく、またくさびの脱落による事故の防止にもなるため、経済的にも効果が大きい。
【0026】
特に水封式の電動機の場合は、耐水絶縁電線の被覆の劣化や傷がその寿命に大きく影響するので、上記効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。
【図2】第二実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。
【図3】第三実施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。
【図4】本発明を適用する液封式電動機の一例を示す全体概略断面図である。
【図5】従来のくさび固定構造の一例を示す要部概略斜視図である。
【図6】従来のくさび固定構造の一例を示す要部概略斜視図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 絶縁紙
2 くさび
3 コイル
4 固定子鉄心
41 スロット
50 折り返し部
Claims (2)
- コイルを電動機の固定子鉄心のスロット内に挿入するとともにその周囲に絶縁紙を巻き、さらに該スロット内にくさびを挿入することで前記コイルを固定する固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造において、
前記絶縁紙の前記スロットから突出している上下両端の部分を折り返して折り返し部を形成し、且つ前記くさびの長さをこれら絶縁紙の上下両端の折り返し部の辺に突き当たる長さ以下とし、前記絶縁紙の上下両端の折り返し部の間に前記くさびの上下両端面を位置して位置決め固定することで、くさびの振動による上下方向への脱落を防止することを特徴とする固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造。 - 前記電動機は、耐水性の被覆を施した耐水絶縁電線からなるコイルを用いた水封式の電動機であることを特徴とする請求項1記載の固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29689798A JP3572206B2 (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29689798A JP3572206B2 (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000134847A JP2000134847A (ja) | 2000-05-12 |
JP3572206B2 true JP3572206B2 (ja) | 2004-09-29 |
Family
ID=17839588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29689798A Expired - Fee Related JP3572206B2 (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP4914668B2 (ja) * | 2006-07-20 | 2012-04-11 | 株式会社荏原製作所 | 電動機固定子鉄心スロットへのコイル固定構造、及び液封式電動機 |
DE102018200598A1 (de) * | 2018-01-15 | 2019-07-18 | Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. Kommanditgesellschaft, Würzburg | Elektromotor und Kühlerlüfter |
JP7058208B2 (ja) * | 2018-11-12 | 2022-04-21 | 本田技研工業株式会社 | 絶縁紙の装着方法、絶縁紙及びステータ |
-
1998
- 1998-10-19 JP JP29689798A patent/JP3572206B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000134847A (ja) | 2000-05-12 |
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