JP2000134847A - 固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造 - Google Patents

固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造

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JP2000134847A
JP2000134847A JP10296897A JP29689798A JP2000134847A JP 2000134847 A JP2000134847 A JP 2000134847A JP 10296897 A JP10296897 A JP 10296897A JP 29689798 A JP29689798 A JP 29689798A JP 2000134847 A JP2000134847 A JP 2000134847A
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Yoshihiko Ono
佳彦 大野
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Ebara Densan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱源や刃物などを用いなくても、容易且つ確
実にくさびを固定することが出来る固定子鉄心用スロッ
トへのくさび固定構造を提供する。 【解決手段】 コイル3を電動機の固定子鉄心4のスロ
ット41内に挿入するとともにその周囲に絶縁紙1a,
1b,1cを巻き、さらにスロット41内にくさび2を
挿入することでコイル3を固定する。絶縁紙1aの上下
端のスロット41から突出している部分を折り返し、該
折り返し部分50をくさび2の上下両端面に位置せしめ
ることによって、くさび2の位置決め固定を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機の固定子鉄
心用スロットへのくさび固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ワニス処理を行なう電動機では、
その固定子鉄心のスロットに挿入されるコイル及びくさ
びがワニスで固定されるため、振動によるコイル及びく
さびのずれは生じない。
【0003】しかしコイルとして耐水性の被覆を施した
耐水絶縁電線を用いた水封式の電動機は、ワニス処理を
行なわないため、くさびの圧迫でコイルを固定する。即
ち例えば図5に示すように、電動機の固定子鉄心4のス
ロット41内に挿入された耐水絶縁電線からなるコイル
3の周囲に絶縁紙1a,1b,1cを巻いた状態でスロ
ット41内にくさび2を挿入する。その際くさび2が振
動でずれないように、固定子鉄心4よりもくさび2の長
さを長くして固定子鉄心4の端面でくさび2を半田コテ
で溶かして突起30を作ることで固定する。
【0004】また他の方法として図6に示すように、く
さび2の両端(図では上端のみ示す)に切り込み35を
入れ、刃物を打ち込むことで該切り込み35を広げてス
ロット41の幅よりくさび2の幅を広げて固定する方法
もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記コイ
ル3に使用する耐水絶縁電線の被覆は熱に弱いのでコイ
ル3近傍にくさび2固定の為に熱源を近付けることは好
ましくなく、また刃物などを近付けることは該刃物など
によってコイル3の被覆に傷を付ける恐れがあるので好
ましくない。特に水封式の電動機の場合は、耐水絶縁電
線の被覆の劣化や傷がその寿命に大きく影響するので、
前記固定作業は慎重に行なわなければならず、電動機の
生産性に大きく影響していた。
【0006】さらにくさび2の固定が十分でないと、振
動でくさび2がずれることにより事故が発生する恐れが
あった。
【0007】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
ありその目的は、熱源や刃物などを用いなくても、容易
且つ確実にくさびを固定することが出来る固定子鉄心用
スロットへのくさび固定構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、コイルを電動機の固定子鉄心のスロット内
に挿入するとともにその周囲に絶縁紙を巻き、さらに該
スロット内にくさびを挿入することで前記コイルを固定
する固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造におい
て、前記絶縁紙の前記スロットから突出している部分を
折り返し、該絶縁紙の折り返した部分を前記くさびの端
面に位置せしめることによって、コイルを傷付けること
なく、くさびの位置決め固定を行なう。前記電動機は、
耐水性の被覆を施した耐水絶縁電線からなるコイルを用
いた水封式の電動機であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図4は本発明を適用する液封
式電動機の一例を示す全体概略断面図である。同図に示
すようにこの液封式電動機は、筒状のフレーム7内に固
定子鉄心4を取り付け、固定子鉄心4の中央に回転子5
を固定した主軸6を回転自在に挿入して構成されてい
る。そしてこの種の電動機の内部には水若しくは油など
の封入液13を封入し、さらに内外圧を調圧し且つモー
タ運転時の封入液13の熱膨張を吸収する目的でフレー
ム7の反負荷側にダイヤフラム14などからなる調圧機
構を設けている。
【0010】なお前記固定子鉄心4にはコイル3が取り
付けられている。また8a,8bはそれぞれ負荷側と反
負荷側のフレーム側板、9a,9bはそれぞれ負荷側と
反負荷側のブラケット、10a,10bはそれぞれラジ
アル軸受、11はスラスト軸受、12は軸受ケース、1
5は軸封装置、16a,16bはそれぞれボルトであ
る。
【0011】〔第一実施形態〕次に図1は本願の第一実
施形態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図であ
り、図4に示すA部分を拡大して示している。
【0012】即ちこのくさび固定構造は、3枚の絶縁紙
1a,1b,1cを挿入した固定子鉄心4のスロット4
1内に耐水絶縁電線からなるコイル3を挿入し、次に該
スロット41内にくさび2を挿入して構成される。
【0013】ここで絶縁紙1bはコイル3の外周にこれ
を囲むように巻き回されてコイル3挿入時及びくさび2
挿入時にコイル3が傷付くのを保護する目的の絶縁紙で
あり、絶縁紙1cは絶縁紙1aの上にコの字状に取り付
けられて固定子鉄心4の端面とコイル3の圧迫によって
絶縁紙1a,1bが破れて固定子鉄心4の端面のエッジ
でコイル3に傷が付くことを防止する目的の補強用の絶
縁紙である。
【0014】一方絶縁紙1aは、絶縁紙1bの上にほぼ
一巻き巻き付けた絶縁紙であり、その上端部を外側に向
けて折り返すことによって折り返し部50を形成してい
る。この折り返し部50は図示はしないが固定子鉄心4
の下端側から突出する絶縁紙1aの下端部においても同
様に設けられている。つまり絶縁紙1aの長さは、上下
の折り返し部50が固定子鉄心4の上下端よりも外側に
なる寸法としている。
【0015】その組み立ては、絶縁紙1aの上下両端を
予め折り返して折り返し部50を設けたものと絶縁紙1
b,1cとをスロット41に挿入した後、スロット41
にコイル3を挿入し、次に絶縁紙1aの片側部分(図の
向かって左側の部分)eをコイル3に押し付けるように
折り曲げた状態でくさび2をスロット41内に挿入す
る。
【0016】絶縁紙1aの片側部分eは、コイル3方向
への折り曲げの反発力によってくさび2側に起き上がろ
うとし、その折り返し部50の辺51はくさび2の端面
上に位置する。
【0017】この状態は固定子鉄心4の下端においても
同様であり、またくさび2の長さは絶縁紙1aの上下両
端の折り返し部50の辺51に突き当たる長さ以下とし
ており、従ってくさび2の上下両端面は絶縁紙1aの上
下の折り返し部50によってこの位置においてその動き
が制限されてスロット41内に位置決め固定される。
【0018】なおこの実施形態では絶縁紙1aの片側部
分eのみをコイル3に押し付けるように折り曲げたが、
その左右両側部分e,fをコイル3に押し付けるように
折り曲げて、該両側部分e,fの折り返し部50の辺5
1をくさび2の端面に当接させるように構成しても良
い。
【0019】〔第二実施形態〕図2は本願の第二実施形
態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。な
お第一実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳
細な説明は省略する。
【0020】このくさび固定構造において第一実施形態
と相違する点は、くさび2の長さを絶縁紙1aの上下両
端の折り返し部50の辺51間の距離よりも多少長い寸
法に構成し、これによってくさび2の上下端を上下の折
り返し部50の内部に収め、これによってくさび2の動
きを制限してスロット41内に位置決め固定するように
構成した点である。なお、第一実施形態との併用も可能
である。
【0021】〔第三実施形態〕図3は本願の第三実施形
態にかかるくさび固定構造の要部概略斜視図である。な
お第一実施形態と同一部分には同一符号を付してその詳
細な説明は省略する。
【0022】このくさび固定構造において第一実施形態
と相違する点は、絶縁紙1aの折り返し部50を内側を
向けて折り返し、挿入したくさび2の上下両端面におい
て起き上がった折り返し部50の左右両側の辺51によ
ってくさび2の動きを制限してスロット41内に位置決
め固定するように構成した点である。なおくさび2の長
さは絶縁紙1aの上下両端の辺51に突き当たる長さ以
下としている点は第一実施形態と同様である。
【0023】以上本発明の実施形態を詳細に説明したが
本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、例
えば以下のような種々の変形が可能である。 折り返し部を有する絶縁紙以外の絶縁紙は、絶縁紙の
補強やコイルの保護などの目的に応じ、その枚数や巻付
構造に種々の変更が可能である。
【0024】本発明はこれを耐水絶縁電線からなるコ
イルを用いた水封式の電動機に使用した場合、該耐水絶
縁電線の被覆をくさび固定時に熱や刃物によって劣化、
損傷させる恐れがなく、従って特にその効果が顕著であ
るが、耐水絶縁電線を用いていないコイルを用いた電動
機(水封式でなくても良い)に適用してもよい。この場
合も、前記熱や刃物によるコイルの劣化、損傷を防止で
きる。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、熱源や刃物などを用いなくても、容易且つ確実にく
さびを固定することが出来る。従ってコイルを傷付ける
こともなく、容易に作業が行なえるため、生産性が良
く、電動機の寿命を損ねることもなく、またくさびの脱
落による事故の防止にもなるため、経済的にも効果が大
きい。
【0026】特に水封式の電動機の場合は、耐水絶縁電
線の被覆の劣化や傷がその寿命に大きく影響するので、
上記効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態にかかるくさび固定構造の要部概
略斜視図である。
【図2】第二実施形態にかかるくさび固定構造の要部概
略斜視図である。
【図3】第三実施形態にかかるくさび固定構造の要部概
略斜視図である。
【図4】本発明を適用する液封式電動機の一例を示す全
体概略断面図である。
【図5】従来のくさび固定構造の一例を示す要部概略斜
視図である。
【図6】従来のくさび固定構造の一例を示す要部概略斜
視図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 絶縁紙 2 くさび 3 コイル 4 固定子鉄心 41 スロット 50 折り返し部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを電動機の固定子鉄心のスロット
    内に挿入するとともにその周囲に絶縁紙を巻き、さらに
    該スロット内にくさびを挿入することで前記コイルを固
    定する固定子鉄心用スロットへのくさび固定構造におい
    て、 前記絶縁紙の前記スロットから突出している部分を折り
    返し、該絶縁紙の折り返した部分を前記くさびの端面に
    位置せしめることによってくさびの位置決め固定を行な
    うことを特徴とする固定子鉄心用スロットへのくさび固
    定構造。
  2. 【請求項2】 前記電動機は、耐水性の被覆を施した耐
    水絶縁電線からなるコイルを用いた水封式の電動機であ
    ることを特徴とする請求項1記載の固定子鉄心用スロッ
    トへのくさび固定構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008029112A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Ebara Kiden Kk 電動機固定子鉄心スロットへのコイル固定構造、及び液封式電動機
CN111181333A (zh) * 2018-11-12 2020-05-19 本田技研工业株式会社 绝缘纸的安装方法、绝缘纸以及定子
CN114204709A (zh) * 2018-01-15 2022-03-18 博泽沃尔兹堡汽车零部件欧洲两合公司 电动马达和冷却器风扇

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