JP3571857B2 - ポンプ運転支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプの運転支援・制御を実施するポンプ運転支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上下水道設備などに設置されるポンプなどの運転制御は、その時のポンプ井水位と降雨状態とを判断しながら、ポンプの運転台数を増減することが行われている。
【0003】
また、従来、最適なポンプの選択を行うにあたり、例えばM台あるポンプの中からN台を選択するとき、M CN =M!/{(M−N)!}通りの選択方法があるが、そのうちポンプ井の流入量やユーザ仕様にあったものを選択する方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、以上のようなポンプの運転制御は、ポンプ井水位に直接左右するポンプ井への流入量を何ら考慮していないので、必ずしも適切なポンプの運転を実施しているとは言えなかった。また、ポンプの運転作業は、時間交代制の作業者に任されているので、以後、任された個々の作業者の判断の下にポンプの運転作業を行うことになり、過去の運転状況を正確に引継ぎながら運転作業および管理を行うことが難しい。
【0005】
また、従来、最適なポンプの選択にあたり、ポンプ井の流入量やユーザ仕様にあったものを選択する方法であるので、時間のかかる処理を行う必要があり、非常に厄介な作業となっていた。
【0006】
請求項1ないし請求項3に記載される発明は、ポンプの運転実績データおよびトレンドデータから、迅速、かつ、的確に将来のポンプの稼動・停止支援を推定しポンプ制御を行うポンプ運転支援装置を提供することにある。
請求項4、請求項5に記載される発明は、短時間に最適なポンプの選択を行うポンプ運転支援装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1ないし請求項3に対応する発明は、運転実績データおよびトレンドデータを取り込むデータ取得手段と、このデータ取得手段によって取得される運転実績データおよびトレンドデータから所定時間先の積算値を求めるとともに、当該所定時間よりも短い刻み時刻の時点で前記トレンドデータの1つであるポンプ井水位と基準水位との大小関係からポンプの稼動・停止支援を推定する運転支援手段と、この運転支援手段によってポンプの稼動・停止の支援推定を受けたとき、前記所定時間先の前記トレンドデータであるポンプ井流入量積算値と前記運転実績データである各ポンプの吐出量積算値との大小関係から支援の適否を判断し、支援適正と判断された場合、前記稼動・停止の支援結果のトレンドデータを再算出するトレンドデータ再算出手段と、このトレンドデータ再算出手段によって再算出されるトレンドデータおよび前記稼動・停止の支援結果に基づいてポンプの稼動・停止制御を実施するポンプ制御手段とを設けたポンプ運転支援装置である。
【0008】
そして、前記運転支援手段は、前記運転実績データである各ポンプの吐出量積算値と前記トレンドデータであるポンプ井流入量積算値を算出する積算値算出手段と、前記トレンドデータであるポンプ井水位と基準水位との大小関係を判断する両水位判断手段と、この両水位判断手段の判断結果から前記ポンプ井水位が基準水位の基準上位を越えるか、または基準下位を下回るとき、支援対象と推定する支援推定判断手段とからなり、
また、当該支援推定判断手段においては、前記ポンプ井水位が基準水位の基準上位を越えたとき、所定時間先のポンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも大きいときポンプ稼動支援と推定する第1の支援推定手段と、前記ポンプ井水位が基準水位の基準下位を下回ったとき、所定時間先のポンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも小さいときポンプ停止支援と推定する第2の支援推定手段とが設けられている。
【0009】
従って、以上のような手段を講じたことにより、データ取得手段によって取得される運転実績データである各ポンプの吐出量およびトレンドデータであるポンプ井流入量から所定時間先の積算値を求めた後、トレンドデータであるポンプ井水位と基準水位との大小関係を判断する。しかる後、この判断結果からポンプ井水位が基準水位の基準上位を越えたとき、所定時間先のポンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも大きいときポンプ稼動支援と推定し、またポンプ井水位が基準水位の基準下位を下回ったとき、所定時間先のポンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも小さいときポンプ停止支援と推定し、将来のポンプ運転制御に用いるので、迅速、かつ、的確に将来のポンプの稼動・停止支援データを予測することができ、しかも作業者の判断に依存することなく正確にポンプの運転台数制御を実現できる。
【0010】
また、請求項4、請求項5に対応する発明は、前記第1および第2の支援推定手段として、吐出量の大きい順にポンプを選択する吐出量昇順ポンプ選択手段と、この選択されたポンプを含む稼動中のポンプの吐出量合計値とポンプ井流入量とに基づき、ポンプ井流入量<吐出量合計量またはポンプ井流入量>吐出量合計値となるまで対象ポンプの交換を行う最適流量交換手段とを設けるか、或いは吐出量の大きい順にポンプを選択する吐出量昇順ポンプ選択手段と、この選択されたポンプを含む稼動中のポンプの吐出量合計値とポンプ井流入量とに基づき、ポンプ井流入量<吐出量合計値またはポンプ井流入量>吐出量合計値となるまで対象ポンプの交換を行う最適流量交換手段と、この最適流量交換手段によるポンプの交換に際し、ユーザ仕様にあったポンプに交換するユーザ仕様交換手段とを設けた構成となっている。
このような手段を講じたことにより、迅速に最適なポンプを選択できるだけでなく、ユーザの仕様にあったポンプを選択できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係わるポンプ運転支援装置の基本構成を示す図である。すなわち、このポンプ運転支援装置は、オペレータが必要な操作指示を入力するキーボード,マウス,タッチスイッチなどのマンマシンインターフェース装置(以下、MMI装置と指称する)1と、このMMI装置1からの指示を受けてプログラムデータに基づいて所定のポンプ運転処理を実行するポンプ運転支援装置本体2と、稼動中のポンプの吐出量などの実績データを記憶する実績データ格納装置3と、ポンプ井水位や流入量などからトレンドデータを作成し記憶するトレンドデータ作成装置4と、処理中データを記憶する処理データ格納装置5と、表示装置6と、ポンプ運転支援装置本体2の出力に基づいてポンプの運転台数を制御するポンプ制御装置7とによって構成されている。
【0012】
図2は図1に示すポンプ運転支援装置本体2をより具体化した機能ブロック図である。
このポンプ運転支援装置本体2は、運転実績データ、各トレンドデータが時々刻々変化するので、一定時間間隔例えば5分ごとに最新の運転実績データ、各トレンドデータの下にループ処理21を実施するものであって、具体的には、プラント設備を構成するポンプの起動状況やポンプ井水位、ポンプ井流入量等の各種データを受信する各種データ受信部22と、この各種データ受信部22を介して入力される各種データのうち、ポンプの運転実績データである例えば吐出量データなどを取り込んで実績データ格納装置3に格納し、かつ、ポンプ運転支援時に実績データ格納装置3から該当するポンプの運転実績データを取り出して処理中データ格納装置5に一時格納して運転支援処理可能とする実績データ取得部23と、各種データ受信部22を介して入力される各種データのうち、ポンプ井水位や流入量などのトレンドデータを取り出してトレンドデータ作成装置4に格納し、かつ、ポンプ運転支援時にトレンドデータ作成装置4から該当するトレンドデータを読み出して処理中データ格納装置5に一時格納し運転支援処理可能とするトレンドデータ読込み部24と、運転実績データの他、ポンプ井水位、ポンプ井流入量,等の各トレンドデータから将来的なポンプの稼動・停止支援を算出予測し、かつ、支援後の各トレンドデータに変化を予想し、支援時の各トレンドデータを再算出する運転支援部25と、支援後、運転支援データ、支援時トレンドデータを処理中データ格納装置5に書き込むデータ書込み部26と、制御データ送信部27とによって構成されている。
【0013】
次に、以上のように構成された装置のうち、特にポンプ運転支援装置本体2の中の運転支援部25の動作について図3を参照して説明する。
図2に示す装置本体2では例えば5分ごとにループ処理21を実行するが、運転支援部25では例えば10秒刻み時間毎にループ処理ST1を実行する。つまり、10秒ごとの刻み時間ごとに、トレンドデータ作成装置4によって作成されるトレンドデータである例えばポンプ井の流入量およびポンプ起動状況等から、図4(a)に示すように一定時間△t分の流入量積算値を算出し、また各稼働ポンプ(支援分を含む)の吐出量から、図4(b)に示すように一定時間△t分の吐出量積算値(吐出量合計値)を算出する(ST2)。なお、稼働ポンプの吐出量積算値は、各ポンプのQ−H特性によって異なるので、一定時間分の各ポンプごとの吐出量を合計することにより求める。
【0014】
以上のようにして一定時間△t分後の流入量積算値および吐出量積算値を算出したならば、引き続き、ポンプ井水位と所定の水位幅をもつ基準水位とを比較し、両水位の大小関係を判断する(ST3)。ポンプ井水位が基準水位の基準上位を越えているとき、または基準水位のの基準下位を下回っているとき、それぞれ流入量積算値と吐出量積算値とを比較し、両値の大小関係を判断する(ST4,ST5)。
【0015】
このステップST4において流入量積算値>吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプの追加稼動を必要とするので、ポンプ稼動の支援処理を実施する(ST6)。また、ステップST5において流入量積算値<吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプ停止の支援処理を実施する(ST7)。そして、ポンプ稼動支援またはポンプ停止支援を確認した後(ST8)、再度トレンドデータを算出する(ST9)。
【0016】
なお、ポンプ井水位が基準水位内であるか、または支援なしのとき、トレンドデータに変化が起こらないので、トレンドデータの再算出を行う必要がない。つまり、現状通りのポンプ台数でポンプの運転を継続する。
【0017】
次に、本発明装置におけるポンプの稼動および停止の概念について図5を参照して説明する。なお、同図(a)はポンプ井の概略図であって、31はポンプ井、32,…はポンプ、33は幹線流入路である。同図(b)はポンプ稼動・停止の概念を説明する図である。
【0018】
今、地上に降った雨水等が幹線流入路33に流入し、幹線流入路33を通ってポンプ井31に流れ込む。このポンプ井31では、ポンプ32,…によって貯留水が吐出されている。ここで、流入量>吐出量の関係にあれば、ポンプ井31の水位が上がり、流入量<吐出量の関係にあれば、ポンプ井31の水位が下がる。
【0019】
そこで、図5(b)のような考えの下にポンプの稼動・停止支援を予測する。つまり、前記図3のステップST3に示すように、ポンプ井水位が基準上位を越えたとき、ポンプ井31から水が溢れることからポンプ32の追加稼動を実施し、ポンプ井31の水位を下げる。ポンプ井水位が基準下位を下回るとき、ポンプ井31の水が枯渇してポンプ32の空運転となるのでポンプ32の停止を実施し、ポンプ井31の水位をこれ以上下げないように制御する。ポンプ井水位が基準下位と基準上位との間にあるとき、現状の稼動状況でよく、ポンプ32の稼動・停止を行わない。
【0020】
図6はポンプの稼動・停止を行う点およびその稼動・停止の予測判断例を説明する図である。なお、同図(a)はポンプ井水位が基準上位を越えようとしたときの例であり、同図(b)はポンプ井水位が基準下位を下回ろうとしたときの例である。
【0021】
すなわち、同図(a)に示すように、ポンプ井水位が基準上位を越えるとき(31)、刻み時間(時刻)から所定の時間△tまでのポンプ井31の流入量積算値と吐出量積算値とを比較し、大小関係を判断する(図3のステップST4)。ここで、流入量積算値<吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプ井水位が現時点以上に上昇しないので、支援は行わない(32)。逆に、流入量積算値>吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプ井水位は現時点以上に上昇するので、支援を実施する(33)。
【0022】
一方、同図(b)に示すように、ポンプ井水位が基準下位を下回るとき(34)、同様に刻み時間(時刻)から所定の時間△tまでのポンプ井31の流入量積算値と吐出量積算値とを比較し、大小関係を判断する(図3のステップST5)。ここで、流入量積算値>吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプ井水位が現時点以下に下降しないので、支援は行わない(35)。逆に、流入量積算値<吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプ井水位は現時点以下に下降するので、支援を実施する(36)。
【0023】
図7はポンプ稼動の判断例とトレンドデータの再算出例を説明する図である。図7(a)の41に示すように、現在稼動中のポンプがNO.2とNO.5であるとし、またポンプ井水位が基準上位にまるまで支援を行わない。今、ポンプ井水位が、図示42に示すように時点t1にて基準上位を越えるものとする。そこで、刻み時刻である時点t1から所定時間△tまでのポンプ井の流入量積算値と吐出量積算値とを比較すると、図示43の(イ)に示すように流入量積算値<吐出量積算値の関係になるので、支援を行わず、トレンドデータの再算出も行わない。
【0024】
しかし、ポンプ井水位が時点t2にて再度基準上位を越えるものとする。そこで、刻み時刻である時点t2から所定時間△tまでのポンプ井の流入量積算値と吐出量積算値とを比較すると、図示(ロ)に示すように流入量積算値>吐出量積算値の関係になるので、流入量積算値<吐出量積算値の関係になるような最適なポンプNO.8を稼動支援する(44)。
【0025】
この稼動支援を行った後、図示45に示すように各トレンドデータに変化が起こる。そこで、図3のステップST9に示すように、トレンドデータの再算出を行うことにより、図示46に示すような結果が得られる。
【0026】
従って、以上のように構成された実施の形態によれば、ポンプの運転実績データおよびトレンドデータから所定時間先の積算値を求めた後、所定時間先のポンプの稼動・停止支援を算出し、この支援結果に基づいてトレンドデータを再算出するので、迅速、かつ、適切にポンプの稼動・停止を予測できる。また、運転支援の算出に際し、運転実績データである各ポンプの吐出量積算値とトレンドデータであるポンプ井流入量積算値を算出するとともに、前記トレンドデータであるポンプ井水位と基準水位との大小関係を判断し、ポンプ井水位が基準水位の基準上位を越えたとき、所定時間先の流入量積算値が吐出量積算値よりも大きいときポンプ稼動支援と推定し、ポンプ井水位が基準水位の基準下位を下回ったとき、所定時間先の流入量積算値が吐出量積算値よりも小さいときポンプ停止支援と推定するので、実情に沿った支援を正確に算出できる。
【0027】
このことは、作業者自身の判断を必要とせずに自動的にポンプの運転制御を実施でき、交代作業者が過去の運転状況を正確に引継ぎながら運転作業および管理を行うことができる。
【0028】
さらに、図8は運転支援部25の処理のうち、特に図3に示すステップST6,ST7のポンプ稼動支援処理およびポンプ停止支援処理時のポンプ選択処理を示す機能ブロック図である。図8(a)はポンプの追加稼動支援を行うときのポンプの選択処理例を示す図であり、同図(b)はポンプの停止支援を行うときのポンプの選択処理例を示す図である。
【0029】
図8(a)に示すポンプの追加稼動支援時のポンプ選択処理は、稼動中および追加選択ポンプの吐出量の合計値とポンプ井流入量とを比較し、流入量<吐出量となるまでポンプ選択を行うループ処理61を実行するものである。具体的には、停止または稼動選択されていないポンプのうち、最大吐出量のポンプを選択し、現在稼動中および当該選択されたポンプの吐出量の合計値とポンプ井流入量とを比較し、流入量<吐出量となるか否かを判断する吐出量昇順ポンプ選択手段62と、この選択手段62によって流入量<吐出量となるが吐出量が流入量に比べて極端に大きいときに不経済であり、また1台のポンプでは流入量<吐出量とならないとき、或いは他の条件成立を予定しているとき、最適流量となるようにポンプの対象を交換する最適流量交換手段63と、この交換手段63によってポンプ対象を交換するに際し、ユーザ仕様にあったポンプに交換するユーザ仕様交換手段64と、最終的に支援対象となるポンプを決定する支援決定手段65とにより、追加ポンプを選択するものである。
【0030】
図8(b)に示すポンプ停止支援時のポンプ選択処理は、稼動中から停止選択されたものを除いたポンプの吐出量の合計値とポンプ井流入量とを比較し、流入量>吐出量となるまでポンプ選択を行うループ処理71を実行するものである。具体的には、停止ポンプの対象として稼動中または稼動選択されていないポンプのうち、最大吐出量のポンプを選択する。そして、この停止対象ポンプを除いた稼働中または稼働選択されたポンプの吐出量の合計値とポンプ井流入量とを比較し、流入量>吐出量となるか否かを判断する吐出量昇順ポンプ選択手段72と、最適流量となるようにポンプの対象を交換する最適流量交換手段73と、この交換手段73によってポンプ対象を交換するに際し、ユーザ仕様にあったポンプに交換するユーザ仕様交換手段74と、最終的に支援対象となるポンプを決定する支援決定手段75とにより、停止ポンプを選択するものである。
【0031】
図9は、最適流量交換手段63の具体的な処理例を説明する図である。なお、ユーザ仕様交換手段64、最適流量交換手段73およびユーザ仕様交換手段74も図9と同様な処理例で処理するので、ここでは省略する。
【0032】
この最適流量交換手段63による処理例は、被交換対象がなくなるまでループ処理631を実施するものであって、具体的には、吐出量昇順ポンプ選択手段62で選択されたポンプのうち最大吐出量のポンプBを選択する被交換ポンプ選択機能632と、選択されなかったポンプのうち最小吐出量のポンプAを選択する交換ポンプ選択機能633と、これら最大吐出量のポンプと最小吐出量のポンプとを交換したときの吐出量を算出する交換後吐出量算出機能634と、この算出された吐出量とポンプ井流入量との大小関係を比較する比較判断機能635と、この比較結果、吐出量<流入量の関係にあるときには交換不可と判断し、ポンプAは交換対象でなくなり、固定状態とする被交換固定処理機能636と、吐出量>流入量の関係にあるときポンプAとBとを交換する交換処理機能637とからなっている。
【0033】
次に、ポンプ運転支援前の状況からいかなる稼動支援を行うかについて説明する。
図10(a)に示すように、ポンプ井水位が上昇し、同図(b)のようにポンプ井流入量が吐出量合計を越える場合、ポンプ運転の稼動支援を行う必要がある。先ず、停止中のポンプのうち、吐出量の大きい順に流入量を越えるまで稼動対象の選択を行う。この場合、同図(c)に示すごとく、NO.1、NO.3、NO.4のポンプを選択するとすれば、流入量10.0m3 /sに対し、吐出量合計が11.6m3 /sとなる。このままでは、吐出量合計が流入量よりも大きすぎるので、最適な支援である言えない。
【0034】
そこで、稼動対象のポンプの変更を行う必要がある。先ず、図11(a)に示すように、稼動対象のポンプのうち、吐出量の大きいポンプNO.1が停止中のポンプと交換可能か否かを調べる。停止中のポンプの吐出量が1.0〜2.0
m3 /sであるので、ポンプNO.1と交換を行ったとしても、吐出量合計が8.5〜9.6m3 /sとなり、流入量を越えない。よって、ポンプN0.1の交換対象となるものはない。
【0035】
次に、図11(b)のように稼動対象ポンプのうち吐出量の大きいNO.3の交換対象を調べる。停止中のポンプのうち、ポンプNO.6と交換を行うと、吐出量合計が10.5m3 /sとなり、流入量に最も近い値となる。よって、NO.3とNO.6の稼動対象の交換を行う(同図c)。このようにして流入量<吐出量(流入量に最も近い値)を満たしたポンプの稼動選択が可能となる。
【0036】
次に、図12に示すように、ユーザ仕様にあったポンプ運転の稼動対象の変更を行う。一例として、例えばポンプがあるグループごとに分けられており、同じグループ内でポンプの運転回数の平均化を行うことをユーザ仕様としている場合について説明する。
【0037】
先ず、ポンプNO.1から調べると、当該NO.1はグループaであり、停止しているポンプがないので、変更は行われない。次に、ポンプNO.4を調べる。このポンプNO.4はグループbであり、同図(b)に示すように、停止しているポンプNO.5がある。そこで、NO.4とNO.5とを見ると、稼動回数がNO.4>NO.5となっているので、変更の対象となる。よって、NO.4とNO.5とを交換する。交換後の吐出量合計と流入量とを比較すると、吐出量合計10.5>10.0となり、交換可能であることが分かる。このようにしてユーザ仕様にあったポンプの選択を行う(同図c)。
なお、ポンプの停止選択も同様の要領で行うものである。
【0038】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ポンプの運転実績データおよびトレンドデータから、迅速、かつ的確に将来のポンプ稼動・停止の支援を推定できる。
【0039】
請求項2,3の発明によれば、ポンプの稼動・停止を支援を正確に推定できる。
請求項4の発明によれば、ポンプの吐出量を考慮しつつ短時間に最適流量となるポンプを選択できる。
請求項5の発明によれば、ポンプの吐出量およびユーザ仕様を考慮しつつ短時間に最適流量となるポンプを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるポンプ運転支援装置を示す基本構成図。
【図2】図1に示すポンプ運転支援装置本体を具体化した機能ブロック図。
【図3】図2に示す運転支援部の動作を説明する図。
【図4】一定時間の流入量積算値と吐出量積算値を求めるための説明図。
【図5】ポンプの稼動・停止の概念説明図。
【図6】ポンプの稼動・停止の判断例を説明する図。
【図7】トレンドデータの再算出例を説明する図。
【図8】図3に示すポンプ稼動支援処理および停止支援処理を説明する図。
【図9】図8の最適流量交換手段の機能構成図。
【図10】ポンプ井水位の上昇時におけるポンプ運転の稼動支援の状況を説明する図。
【図11】各ポンプの吐出量から最適なポンプの選択例を説明する図。
【図12】ユーザ仕様にあった最適なポンプの選択例を説明する図。
【符号の説明】
2…ポンプ運転支援装置本体
3…実績データ格納装置
4…トレンドデータ作成装置
7…ポンプ制御装置
23…実績データ取得部
24…トレンドデータ読込み部
25…運転支援部
Claims (5)
- 運転実績データおよびトレンドデータを取り込むデータ取得手段と、
このデータ取得手段によって取得される運転実績データおよびトレンドデータから所定時間先の積算値を求めるとともに、当該所定時間よりも短い刻み時刻の時点で前記トレンドデータの1つであるポンプ井水位と基準水位との大小関係からポンプの稼動・停止支援を推定する運転支援手段と、
この運転支援手段によってポンプの稼動・停止の支援推定を受けたとき、前記所定時間先の前記トレンドデータであるポンプ井流入量積算値と前記運転実績データである各ポンプの吐出量積算値との大小関係から支援の適否を判断し、支援適正と判断された場合、前記稼動・停止の支援結果のトレンドデータを再算出するトレンドデータ再算出手段と、
このトレンドデータ再算出手段によって再算出されるトレンドデータおよび前記稼動・停止の支援結果に基づいてポンプの稼動・停止制御を実施するポンプ制御手段とを備えたことを特徴とするポンプ運転支援装置。 - 運転支援手段は、前記運転実績データである各ポンプの吐出量積算値と前記トレンドデータであるポンプ井流入量積算値を算出する積算値算出手段と、前記トレンドデータであるポンプ井水位と基準水位との大小関係を判断する両水位判断手段と、この両水位判断手段の判断結果から前記ポンプ井水位が基準水位の基準上位を越えるか、または基準下位を下回るとき、ポンプの稼動・停止支援を推定する支援推定判断手段とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ運転支援装置。
- 支援推定判断手段は、前記ポンプ井水位が基準水位の基準上位を越えたとき、所定時間先のポンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも大きいときポンプ稼動支援と推定する第1の支援推定手段と、前記ポンプ井水位が基準水位の基準下位を下回ったとき、所定時間先のポンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも小さいときポンプ停止支援と推定する第2の支援推定手段とを設けたことを特徴とする請求項2に記載のポンプ運転支援装置。
- 支援推定手段は、吐出量の大きい順にポンプを選択する吐出量昇順ポンプ選択手段と、この選択されたポンプを含む稼動中のポンプの吐出量合計値とポンプ井流入量とに基づき、ポンプ井流入量<吐出量合計量またはポンプ井流入量>吐出量合計値となるまで対象ポンプの交換を行う最適流量交換手段とを設けたことを特徴とする請求項3に記載のポンプ運転支援装置。
- 支援推定手段は、吐出量の大きい順にポンプを選択する吐出量昇順ポンプ選択手段と、この選択されたポンプを含む稼動中のポンプの吐出量合計値とポンプ井流入量とに基づき、ポンプ井流入量<吐出量合計値またはポンプ井流入量>吐出量合計値となるまで対象ポンプの交換を行う最適流量交換手段と、この最適流量交換手段によるポンプの交換に際し、ユーザ仕様にあったポンプに交換するユーザ仕様交換手段とを設けたことを特徴とする請求項3に記載のポンプ運転支援装置。
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JP (1) | JP3571857B2 (ja) |
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1996
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