JPH1030573A - ポンプ運転支援装置 - Google Patents

ポンプ運転支援装置

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JPH1030573A
JPH1030573A JP18485896A JP18485896A JPH1030573A JP H1030573 A JPH1030573 A JP H1030573A JP 18485896 A JP18485896 A JP 18485896A JP 18485896 A JP18485896 A JP 18485896A JP H1030573 A JPH1030573 A JP H1030573A
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倫幸 萩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプの運転実績データおよびトレンド
データから、迅速、かつ、的確に将来のポンプ稼動・停
止支援データを予測することにある。 【解決手段】 運転実績データ・トレンドデータを取り
込むデータ取得手段23,24と、ここで取得される運
転実績データ・トレンドデータの積算値を算出する積算
値算出手段ST2と、トレンドデータであるポンプ井水
位と基準水位との大小関係を判断する両水位判断手段S
T3と、この判断結果からポンプ井水位が基準水位の基
準上位を越えるか、または基準下位を下回るとき、支援
対象と推定する支援推定判断手段ST4〜ST7と、こ
の推定されたポンプ稼動・停止の支援結果のトレンドデ
ータを再算出する再算出手段ST9と、この再算出され
るトレンドデータおよび前記稼動・停止支援の算出結果
に基づいてポンプの稼動・停止制御を実施するポンプ制
御手段7とを設けたポンプ運転支援装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプの運転支援
・制御を実施するポンプ運転支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上下水道設備などに設置されるポ
ンプなどの運転制御は、その時のポンプ井水位と降雨状
態とを判断しながら、ポンプの運転台数を増減すること
が行われている。
【0003】また、従来、最適なポンプの選択を行うに
あたり、例えばM台あるポンプの中からN台を選択する
とき、MN =M!/{(M−N)!}通りの選択方法
があるが、そのうちポンプ井の流入量やユーザ仕様にあ
ったものを選択する方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、以上のような
ポンプの運転制御は、ポンプ井水位に直接左右するポン
プ井への流入量を何ら考慮していないので、必ずしも適
切なポンプの運転を実施しているとは言えなかった。ま
た、ポンプの運転作業は、時間交代制の作業者に任され
ているので、以後、任された個々の作業者の判断の下に
ポンプの運転作業を行うことになり、過去の運転状況を
正確に引継ぎながら運転作業および管理を行うことが難
しい。
【0005】また、従来、最適なポンプの選択にあた
り、ポンプ井の流入量やユーザ仕様にあったものを選択
する方法であるので、時間のかかる処理を行う必要があ
り、非常に厄介な作業となっていた。
【0006】請求項1ないし請求項4に記載される発明
は、ポンプの運転実績データおよびトレンドデータか
ら、迅速、かつ、的確に将来のポンプの稼動・停止支援
データを予測するポンプ運転支援装置を提供することに
ある。請求項5ないし請求項6に記載される発明は、短
時間に最適なポンプの選択を行うポンプ運転支援装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1ないし請求項4に対応する発明は、運転実
績データおよびトレンドデータを取り込むデータ取得手
段と、このデータ取得手段によって取得される運転実績
データおよびトレンドデータから所定時間先の積算値を
求め、ポンプの稼動・停止支援を算出する運転支援手段
と、この運転支援手段によって算出される稼動・停止の
支援結果のトレンドデータを再算出するトレンドデータ
再算出手段と、このトレンドデータ再算出手段によって
再算出されるトレンドデータおよび前記稼動・停止支援
の算出結果に基づいてポンプの稼動・停止制御を実施す
るポンプ制御手段とを設けたポンプ運転支援装置であ
る。
【0008】そして、前記運転支援手段は、前記運転実
績データである各ポンプの吐出量積算値と前記トレンド
データであるポンプ井流入量積算値を算出する積算値算
出手段と、前記トレンドデータであるポンプ井水位と基
準水位との大小関係を判断する両水位判断手段と、この
両水位判断手段の判断結果から前記ポンプ井水位が基準
水位の基準上位を越えるか、または基準下位を下回ると
き、支援対象と推定する支援推定判断手段とからなり、
また、当該支援推定判断手段においては、前記ポンプ井
水位が基準水位の基準上位を越えたとき、所定時間先の
ポンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出
し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも大きいとき
ポンプ稼動支援と推定する第1の支援推定手段と、前記
ポンプ井水位が基準水位の基準下位を下回ったとき、所
定時間先のポンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積
算値を算出し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも
小さいときポンプ停止支援と推定する第2の支援推定手
段とが設けられている。
【0009】従って、以上のような手段を講じたことに
より、データ取得手段によって取得される運転実績デー
タである各ポンプの吐出量およびトレンドデータである
ポンプ井流入量から所定時間先の積算値を求めた後、ト
レンドデータであるポンプ井水位と基準水位との大小関
係を判断する。しかる後、この判断結果からポンプ井水
位が基準水位の基準上位を越えたとき、所定時間先のポ
ンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出
し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも大きいとき
ポンプ稼動支援と推定し、またポンプ井水位が基準水位
の基準下位を下回ったとき、所定時間先のポンプ井流入
量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出し、当該流入
量積算値が吐出量積算値よりも小さいときポンプ停止支
援と推定し、将来のポンプ運転制御に用いるので、迅
速、かつ、的確に将来のポンプの稼動・停止支援データ
を予測することができ、しかも作業者の判断に依存する
ことなく正確にポンプの運転台数制御を実現できる。
【0010】また、請求項5および請求項6に対応する
発明は、前記第1および第2の支援推定手段として、吐
出量の大きい順にポンプを選択する吐出量昇順ポンプ選
択手段と、この選択されたポンプを含む稼動中のポンプ
の吐出量合計値とポンプ井流入量とに基づき、ポンプ井
流入量<吐出量合計値またはポンプ井流入量>吐出量合
計値となるまで対象ポンプの交換を行う最適流量交換手
段とを設けるか、或いは吐出量の大きい順にポンプを選
択する吐出量昇順ポンプ選択手段と、この選択されたポ
ンプを含む稼動中のポンプの吐出量合計値とポンプ井流
入量とに基づき、ポンプ井流入量<吐出量合計値または
ポンプ井流入量>吐出量合計値となるまで対象ポンプの
交換を行う最適流量交換手段と、このユーザ仕様にあっ
たポンプに交換するユーザ仕様交換手段とを設けた構成
となっている。このような手段を講じたことにより、迅
速に最適なポンプを選択できるだけでなく、ユーザの仕
様にあったポンプを選択できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明に係わるポ
ンプ運転支援装置の基本構成を示す図である。すなわ
ち、このポンプ運転支援装置は、オペレータが必要な操
作指示を入力するキーボード,マウス,タッチスイッチ
などのマンマシンインターフェース装置(以下、MMI
装置と指称する)1と、このMMI装置1からの指示を
受けてプログラムデータに基づいて所定のポンプ運転処
理を実行するポンプ運転支援装置本体2と、稼動中のポ
ンプの吐出量などの実績データを記憶する実績データ格
納装置3と、ポンプ井水位や流入量などからトレンドデ
ータを作成し記憶するトレンドデータ作成装置4と、処
理中データを記憶する処理データ格納装置5と、表示装
置6と、ポンプ運転支援装置本体2の出力に基づいてポ
ンプの運転台数を制御するポンプ制御装置7とによって
構成されている。
【0012】図2は図1に示すポンプ運転支援装置本体
2をより具体化した機能ブロック図である。このポンプ
運転支援装置本体2は、運転実績データ、各トレンドデ
ータが時々刻々変化するので、一定時間間隔例えば5分
ごとに最新の運転実績データ、各トレンドデータの下に
ループ処理21を実施するものであって、具体的には、
プラント設備を構成するポンプの起動状況やポンプ井水
位、ポンプ井流入量等の各種データを受信する各種デー
タ受信部22と、この各種データ受信部22を介して入
力される各種データのうち、ポンプの運転実績データで
ある例えば吐出量データなどを取り込んで実績データ格
納装置3に格納し、かつ、ポンプ運転支援時に実績デー
タ格納装置3から該当するポンプの運転実績データを取
り出して処理中データ格納装置5に一時格納して運転支
援処理可能とする実績データ取得部23と、各種データ
受信部22を介して入力される各種データのうち、ポン
プ井水位や流入量などのトレンドデータを取り出してト
レンドデータ作成装置4に格納し、かつ、ポンプ運転支
援時にトレンドデータ作成装置4から該当するトレンド
データを読み出して処理中データ格納装置5に一時格納
し運転支援処理可能とするトレンドデータ読込み部24
と、運転実績データの他、ポンプ井水位、ポンプ井流入
量,等の各トレンドデータから将来的なポンプの稼動・
停止支援を算出予測し、かつ、支援後の各トレンドデー
タに変化を予想し、支援時の各トレンドデータを再算出
する運転支援部25と、支援後、運転支援データ、支援
時トレンドデータを処理中データ格納装置5に書き込む
データ書込み部26と、制御データ送信部27とによっ
て構成されている。
【0013】次に、以上のように構成された装置のう
ち、特にポンプ運転支援装置本体2の中の運転支援部2
5の動作について図3を参照して説明する。図2に示す
装置本体2では例えば5分ごとにループ処理21を実行
するが、運転支援部25では例えば10秒刻み時間毎に
ループ処理ST1を実行する。つまり、10秒ごとの刻
み時間ごとに、トレンドデータ作成装置4によって作成
されるトレンドデータである例えばポンプ井の流入量お
よびポンプ起動状況等から、図4(a)に示すように一
定時間△t分の流入量積算値を算出し、また各稼働ポン
プ(支援分を含む)の吐出量から、図4(b)に示すよ
うに一定時間△t分の吐出量積算値(吐出量合計値)を
算出する(ST2)。なお、稼働ポンプの吐出量積算値
は、各ポンプのQ−H特性によって異なるので、一定時
間分の各ポンプごとの吐出量を合計することにより求め
る。
【0014】以上のようにして一定時間△t分後の流入
量積算値および吐出量積算値を算出したならば、引き続
き、ポンプ井水位と所定の水位幅をもつ基準水位とを比
較し、両水位の大小関係を判断する(ST3)。ポンプ
井水位が基準水位の基準上位を越えているとき、または
基準水位のの基準下位を下回っているとき、それぞれ流
入量積算値と吐出量積算値とを比較し、両値の大小関係
を判断する(ST4,ST5)。
【0015】このステップST4において流入量積算値
>吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプの追加稼動を
必要とするので、ポンプ稼動の支援処理を実施する(S
T6)。また、ステップST5において流入量積算値<
吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプ停止の支援処理
を実施する(ST7)。そして、ポンプ稼動支援または
ポンプ停止支援を確認した後(ST8)、再度トレンド
データを算出する(ST9)。
【0016】なお、ポンプ井水位が基準水位内である
か、または支援なしのとき、トレンドデータに変化が起
こらないので、トレンドデータの再算出を行う必要がな
い。つまり、現状通りのポンプ台数でポンプの運転を継
続する。
【0017】次に、本発明装置におけるポンプの稼動お
よび停止の概念について図5を参照して説明する。な
お、同図(a)はポンプ井の概略図であって、31はポ
ンプ井、32,…はポンプ、33は幹線流入路である。
同図(b)はポンプ稼動・停止の概念を説明する図であ
る。
【0018】今、地上に降った雨水等が幹線流入路33
に流入し、幹線流入路33を通ってポンプ井31に流れ
込む。このポンプ井31では、ポンプ32,…によって
貯留水が吐出されている。ここで、流入量>吐出量の関
係にあれば、ポンプ井31の水位が上がり、流入量<吐
出量の関係にあれば、ポンプ井31の水位が下がる。
【0019】そこで、図5(b)のような考えの下にポ
ンプの稼動・停止支援を予測する。つまり、前記図3の
ステップST3に示すように、ポンプ井水位が基準上位
を越えたとき、ポンプ井31から水が溢れることからポ
ンプ32の追加稼動を実施し、ポンプ井31の水位を下
げる。ポンプ井水位が基準下位を下回るとき、ポンプ井
31の水が枯渇してポンプ32の空運転となるのでポン
プ32の停止を実施し、ポンプ井31の水位をこれ以上
下げないように制御する。ポンプ井水位が基準下位と基
準上位との間にあるとき、現状の稼動状況でよく、ポン
プ32の稼動・停止を行わない。
【0020】図6はポンプの稼動・停止を行う点および
その稼動・停止の予測判断例を説明する図である。な
お、同図(a)はポンプ井水位が基準上位を越えようと
したときの例であり、同図(b)はポンプ井水位が基準
下位を下回ろうとしたときの例である。
【0021】すなわち、同図(a)に示すように、ポン
プ井水位が基準上位を越えるとき(31)、刻み時間
(時刻)から所定の時間△tまでのポンプ井31の流入
量積算値と吐出量積算値とを比較し、大小関係を判断す
る(図3のステップST4)。ここで、流入量積算値<
吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプ井水位が現時点
以上に上昇しないので、支援は行わない(32)。逆
に、流入量積算値>吐出量積算値の関係にあるとき、ポ
ンプ井水位は現時点以上に上昇するので、支援を実施す
る(33)。
【0022】一方、同図(b)に示すように、ポンプ井
水位が基準下位を下回るとき(34)、同様に刻み時間
(時刻)から所定の時間△tまでのポンプ井31の流入
量積算値と吐出量積算値とを比較し、大小関係を判断す
る(図3のステップST5)。ここで、流入量積算値>
吐出量積算値の関係にあるとき、ポンプ井水位が現時点
以下に下降しないので、支援は行わない(35)。逆
に、流入量積算値<吐出量積算値の関係にあるとき、ポ
ンプ井水位は現時点以下に下降するので、支援を実施す
る(36)。
【0023】図7はポンプ稼動の判断例とトレンドデー
タの再算出例を説明する図である。図7(a)の41に
示すように、現在稼動中のポンプがNO.2とNO.5
であるとし、またポンプ井水位が基準上位にまるまで支
援を行わない。今、ポンプ井水位が、図示42に示すよ
うに時点t1にて基準上位を越えるものとする。そこ
で、刻み時刻である時点t1から所定時間△tまでのポ
ンプ井の流入量積算値と吐出量積算値とを比較すると、
図示43の(イ)に示すように流入量積算値<吐出量積
算値の関係になるので、支援を行わず、トレンドデータ
の再算出も行わない。
【0024】しかし、ポンプ井水位が時点t2にて再度
基準上位を越えるものとする。そこで、刻み時刻である
時点t2から所定時間△tまでのポンプ井の流入量積算
値と吐出量積算値とを比較すると、図示(ロ)に示すよ
うに流入量積算値>吐出量積算値の関係になるので、流
入量積算値<吐出量積算値の関係になるような最適なポ
ンプNO.8を稼動支援する(44)。
【0025】この稼動支援を行った後、図示45に示す
ように各トレンドデータに変化が起こる。そこで、図3
のステップST9に示すように、トレンドデータの再算
出を行うことにより、図示46に示すような結果が得ら
れる。
【0026】従って、以上のように構成された実施の形
態によれば、ポンプの運転実績データおよびトレンドデ
ータから所定時間先の積算値を求めた後、所定時間先の
ポンプの稼動・停止支援を算出し、この支援結果に基づ
いてトレンドデータを再算出するので、迅速、かつ、適
切にポンプの稼動・停止を予測できる。また、運転支援
の算出に際し、運転実績データである各ポンプの吐出量
積算値とトレンドデータであるポンプ井流入量積算値を
算出するとともに、前記トレンドデータであるポンプ井
水位と基準水位との大小関係を判断し、ポンプ井水位が
基準水位の基準上位を越えたとき、所定時間先の流入量
積算値が吐出量積算値よりも大きいときポンプ稼動支援
と推定し、ポンプ井水位が基準水位の基準下位を下回っ
たとき、所定時間先の流入量積算値が吐出量積算値より
も小さいときポンプ停止支援と推定するので、実情に沿
った支援を正確に算出できる。
【0027】このことは、作業者自身の判断を必要とせ
ずに自動的にポンプの運転制御を実施でき、交代作業者
が過去の運転状況を正確に引継ぎながら運転作業および
管理を行うことができる。
【0028】さらに、図8は運転支援部25の処理のう
ち、特に図3に示すステップST6,ST7のポンプ稼
動支援処理およびポンプ停止支援処理時のポンプ選択処
理を示す機能ブロック図である。図8(a)はポンプの
追加稼動支援を行うときのポンプの選択処理例を示す図
であり、同図(b)はポンプの停止支援を行うときのポ
ンプの選択処理例を示す図である。
【0029】図8(a)に示すポンプの追加稼動支援時
のポンプ選択処理は、稼動中および追加選択ポンプの吐
出量の合計値とポンプ井流入量とを比較し、流入量<吐
出量となるまでポンプ選択を行うループ処理61を実行
するものである。具体的には、停止または稼動選択され
ていないポンプのうち、最大吐出量のポンプを選択し、
現在稼動中および当該選択されたポンプの吐出量の合計
値とポンプ井流入量とを比較し、流入量<吐出量となる
か否かを判断する吐出量昇順ポンプ選択手段62と、こ
の選択手段62によって流入量<吐出量となるが吐出量
が流入量に比べて極端に大きいときに不経済であり、ま
た1台のポンプでは流入量<吐出量とならないとき、或
いは他の条件成立を予定しているとき、最適流量となる
ようにポンプの対象を交換する最適流量交換手段63
と、この交換手段63によってポンプ対象を交換するに
際し、ユーザ仕様にあったポンプに交換するユーザ仕様
交換手段64と、最終的に支援対象となるポンプを決定
する支援決定手段65とにより、追加ポンプを選択する
ものである。
【0030】図8(b)に示すポンプ停止支援時のポン
プ選択処理は、稼動中から停止選択されたものを除いた
ポンプの吐出量の合計値とポンプ井流入量とを比較し、
流入量>吐出量となるまでポンプ選択を行うループ処理
71を実行するものである。具体的には、停止ポンプの
対象として稼動中または稼動選択されていないポンプの
うち、最大吐出量のポンプを選択する。そして、この停
止対象ポンプを除いた稼働中または稼働選択されたポン
プの吐出量の合計値とポンプ井流入量とを比較し、流入
量>吐出量となるか否かを判断する吐出量昇順ポンプ選
択手段72と、最適流量となるようにポンプの対象を交
換する最適流量交換手段73と、この交換手段73によ
ってポンプ対象を交換するに際し、ユーザ仕様にあった
ポンプに交換するユーザ仕様交換手段74と、最終的に
支援対象となるポンプを決定する支援決定手段75とに
より、停止ポンプを選択するものである。
【0031】図9は、最適流量交換手段63の具体的な
処理例を説明する図である。なお、ユーザ仕様交換手段
64、最適流量交換手段73およびユーザ仕様交換手段
74も図9と同様な処理例で処理するので、ここでは省
略する。
【0032】この最適流量交換手段63による処理例
は、被交換対象がなくなるまでループ処理631を実施
するものであって、具体的には、吐出量昇順ポンプ選択
手段62で選択されたポンプのうち最大吐出量のポンプ
Bを選択する被交換ポンプ選択機能632と、選択され
なかったポンプのうち最小吐出量のポンプAを選択する
交換ポンプ選択機能633と、これら最大吐出量のポン
プと最小吐出量のポンプとを交換したときの吐出量を算
出する交換後吐出量算出機能634と、この算出された
吐出量とポンプ井流入量との大小関係を比較する比較判
断機能635と、この比較結果、吐出量<流入量の関係
にあるときには交換不可と判断し、ポンプAは交換対象
でなくなり、固定状態とする被交換固定処理機能636
と、吐出量>流入量の関係にあるときポンプAとBとを
交換する交換処理機能637とからなっている。
【0033】次に、ポンプ運転支援前の状況からいかな
る稼動支援を行うかについて説明する。図10(a)に
示すように、ポンプ井水位が上昇し、同図(b)のよう
にポンプ井流入量が吐出量合計を越える場合、ポンプ運
転の稼動支援を行う必要がある。先ず、停止中のポンプ
のうち、吐出量の大きい順に流入量を越えるまで稼動対
象の選択を行う。この場合、同図(c)に示すごとく、
NO.1、NO.3、NO.4のポンプを選択するとす
れば、流入量10.0m3 /sに対し、吐出量合計が1
1.6m3 /sとなる。このままでは、吐出量合計が流
入量よりも大きすぎるので、最適な支援である言えな
い。
【0034】そこで、稼動対象のポンプの変更を行う必
要がある。先ず、図11(a)に示すように、稼動対象
のポンプのうち、吐出量の大きいポンプNO.1が停止
中のポンプと交換可能か否かを調べる。停止中のポンプ
の吐出量が1.0〜2.0m3 /sであるので、ポンプ
NO.1と交換を行ったとしても、吐出量合計が8.5
〜9.6m3 /sとなり、流入量を越えない。よって、
ポンプN0.1の交換対象となるものはない。
【0035】次に、図11(b)のように稼動対象ポン
プのうち吐出量の大きいNO.3の交換対象を調べる。
停止中のポンプのうち、ポンプNO.6と交換を行う
と、吐出量合計が10.5m3 /sとなり、流入量に最
も近い値となる。よって、NO.3とNO.6の稼動対
象の交換を行う(同図c)。このようにして流入量<吐
出量(流入量に最も近い値)を満たしたポンプの稼動選
択が可能となる。
【0036】次に、図12に示すように、ユーザ仕様に
あったポンプ運転の稼動対象の変更を行う。一例とし
て、例えばポンプがあるグループごとに分けられてお
り、同じグループ内でポンプの運転回数の平均化を行う
ことをユーザ仕様としている場合について説明する。
【0037】先ず、ポンプNO.1から調べると、当該
NO.1はグループaであり、停止しているポンプがな
いので、変更は行われない。次に、ポンプNO.4を調
べる。このポンプNO.4はグループbであり、同図
(b)に示すように、停止しているポンプNO.5があ
る。そこで、NO.4とNO.5とを見ると、稼動回数
がNO.4>NO.5となっているので、変更の対象と
なる。よって、NO.4とNO.5とを交換する。交換
後の吐出量合計と流入量とを比較すると、吐出量合計1
0.5>10.0となり、交換可能であることが分か
る。このようにしてユーザ仕様にあったポンプの選択を
行う(同図c)。なお、ポンプの停止選択も同様の要領
で行うものである。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ポンプの運転
実績データおよびトレンドデータから、迅速に将来のポ
ンプ稼動・停止支援データを予測できる。請求項2の発
明によれば、ポンプの運転実績データおよびトレンドデ
ータから、迅速、かつ、的確に将来のポンプ稼動・停止
支援データを予測できる。
【0039】請求項3,4の発明によれば、ポンプの稼
動・停止支援データを正確に推定できる。請求項5の発
明によれば、ポンプの吐出量を考慮しつつ短時間に最適
流量となるポンプを選択できる。請求項6の発明によれ
ば、ポンプの吐出量およびユーザ仕様を考慮しつつ、短
時間に最適なポンプを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるポンプ運転支援装置を示す基
本構成図。
【図2】 図1に示すポンプ運転支援装置本体を具体化
した機能ブロック図。
【図3】 図2に示す運転支援部の動作を説明する図。
【図4】 一定時間の流入量積算値と吐出量積算値を求
めるための説明図。
【図5】 ポンプの稼動・停止の概念説明図。
【図6】 ポンプの稼動・停止の判断例を説明する図。
【図7】 トレンドデータの再算出例を説明する図。
【図8】 図3に示すポンプ稼動支援処理および停止支
援処理を説明する図。
【図9】 図8の最適流量交換手段の機能構成図。
【図10】 ポンプ井水位の上昇時におけるポンプ運転
の稼動支援の状況を説明する図。
【図11】 各ポンプの吐出量から最適なポンプの選択
例を説明する図。
【図12】 ユーザ仕様にあった最適なポンプの選択例
を説明する図。
【符号の説明】
2…ポンプ運転支援装置本体 3…実績データ格納装置 4…トレンドデータ作成装置 7…ポンプ制御装置 23…実績データ取得部 24…トレンドデータ読込み部 25…運転支援部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転実績データおよびトレンドデータを
    取り込むデータ取得手段と、 このデータ取得手段によって取得される運転実績データ
    およびトレンドデータから所定時間先の積算値を求め、
    ポンプの稼動・停止支援を算出する運転支援手段と、 を備え、この稼動・停止支援の算出結果をポンプの稼動
    ・停止制御に用いることを特徴とするポンプ運転支援装
    置。
  2. 【請求項2】 運転実績データおよびトレンドデータを
    取り込むデータ取得手段と、 このデータ取得手段によって取得される運転実績データ
    およびトレンドデータから所定時間先の積算値を求め、
    ポンプの稼動・停止支援を算出する運転支援手段と、 この運転支援手段によって算出される稼動・停止の支援
    結果のトレンドデータを再算出するトレンドデータ再算
    出手段と、 このトレンドデータ再算出手段によって再算出されるト
    レンドデータおよび前記稼動・停止支援の算出結果に基
    づいてポンプの稼動・停止制御を実施するポンプ制御手
    段と、 を備えたことを特徴とするポンプ運転支援装置。
  3. 【請求項3】 運転支援手段は、前記運転実績データで
    ある各ポンプの吐出量積算値と前記トレンドデータであ
    るポンプ井流入量積算値を算出する積算値算出手段と、
    前記トレンドデータであるポンプ井水位と基準水位との
    大小関係を判断する両水位判断手段と、この両水位判断
    手段の判断結果から前記ポンプ井水位が基準水位の基準
    上位を越えるか、または基準下位を下回るとき、支援対
    象と推定する支援推定判断手段とを設けたことを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のポンプ運転支援装
    置。
  4. 【請求項4】 支援推定判断手段は、前記ポンプ井水位
    が基準水位の基準上位を越えたとき、所定時間先のポン
    プ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値を算出し、
    当該流入量積算値が吐出量積算値よりも大きいときポン
    プ稼動支援と推定する第1の支援推定手段と、前記ポン
    プ井水位が基準水位の基準下位を下回ったとき、所定時
    間先のポンプ井流入量積算値と各ポンプの吐出量積算値
    を算出し、当該流入量積算値が吐出量積算値よりも小さ
    いときポンプ停止支援と推定する第2の支援推定手段と
    を設けた請求項3に記載のポンプ運転支援装置。
  5. 【請求項5】 支援推定手段は、吐出量の大きい順にポ
    ンプを選択する吐出量昇順ポンプ選択手段と、この選択
    されたポンプを含む稼動中のポンプの吐出量合計値とポ
    ンプ井流入量とに基づき、ポンプ井流入量<吐出量合計
    値またはポンプ井流入量>吐出量合計値となるまで対象
    ポンプの交換を行う最適流量交換手段とを設けたことを
    特徴とする請求項4に記載のポンプ運転支援装置。
  6. 【請求項6】 支援推定手段は、吐出量の大きい順にポ
    ンプを選択する吐出量昇順ポンプ選択手段と、この選択
    されたポンプを含む稼動中のポンプの吐出量合計値とポ
    ンプ井流入量とに基づき、ポンプ井流入量<吐出量合計
    値またはポンプ井流入量>吐出量合計値となるまで対象
    ポンプの交換を行う最適流量交換手段と、このユーザ仕
    様にあったポンプに交換するユーザ仕様交換手段とを設
    けたことを特徴とする請求項4に記載のポンプ運転支援
    装置。
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