JP3571729B2 - パワーオンリセット回路及び方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体メモリの技術分野に関するものであって、更に詳細には、半導体メモリ用の特別テストモードへのエントリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば220ビット(1メガビット)以上を有すランダムアクセスメモリ等のような最近の高密度メモリにおいては、メモリ内の全てのビットのタイミング及び機能性をテストするために必要とされる時間及び装置は製造コストのうちのかなりの部分を占めている。従って、このようなテスト動作に必要とされる時間が増加すると、製造コストも増加する。同様に、メモリのテストに対して必要な時間が減少されると、メモリの製造コストも同様に減少される。メモリ装置の製造は一般的に大量に行なわれるので、装置当たり数秒の節約であっても、製造されるメモリ装置の数が多いことを考慮すると、著しいコストの減少となり且つ投下資本の回避を図ることが可能である。
【0003】
ランダムアクセスメモリ(RAM)は、特に、メモリ内の各ビットへデータを書込み且つ各ビットからデータを読取ることの必要性のためばかりでなく、RAMはしばしばパターン感度に起因して障害が発生する場合があるので、テストにかかるコストは著しいものである。パターン感度障害が発生するのは、格納したデータ状態を維持するためのビットの能力は、テスト中の特定のビットに物理的に隣接するビット内に格納されているデータ状態及びそれに関しての動作に依存する場合があるからである。このことは、RAM用のテスト時間を、その密度(即ち、格納のために使用可能なビット数)に線形的に依存させるばかりでなく、あるパターン感度テストの場合には、ビット数の二乗(又は、3/2乗)に依存させる。明らかに、RAM装置の密度乃至は集積度が増加すると(一般的には、世代毎に4倍)、生産される各装置の各ビットをテストするのに必要な時間は迅速に増加する。
【0004】
注意すべきことであるが、メモリチップ以外のその他の多くの集積回路装置はオンチップでメモリを使用する。このような集積回路の例としては、多くの最近のマイクロプロセサ及びマイクロコンピュータがあり、更にメモリを内部に埋込んだゲートアレイ等のようなカスタム装置がある。これらの製品の生産においても同様のコストに関しての圧力に直面し、メモリ部分のテストを行なうのに必要な時間及びテスト装置に関するコストが問題となる。
【0005】
RAM等のような半導体メモリのテストのために必要とされる時間及びテスト装置を減少させるために過去において使用されている解決方法は、特別の「テスト」モードを使用するものであり、その場合、メモリがその通常の動作とは異なる特別の動作にエンタする。このようなテストモードにおいて、メモリの動作は、通常動作と極めて異なったものとなる場合がある。なぜならば、内部テスト動作は、通常動作の拘束条件に課されることなしに実施することが可能だからである。
【0006】
特別テストモードの一例は内部「パラレル」乃至はマルチビットのテストモードである。従来のパラレルテストモードでは、単一のサイクルにおいて1つのメモリ位置を超えてアクセスすることを可能としており、複数個の位置へ共通のデータを同時的に書込んだり且つ読取ったりすることが可能である。複数個の入力/出力端子を有するメモリの場合、パラレルテスト動作を行なうために、入力/出力端子の各々に対してこのようなモードにおいて複数個のビットがアクセスされる。このパラレルテストモードは、勿論、通常動作モードにおいて使用することはできない。なぜならば、ユーザは、メモリの完全な能力を使用するためには、各ビットへ独立的にアクセスすることが可能でなければならないからである。このようなパラレルテストは、好適には、各サイクルにおいてアクセスされる複数個のビットが物理的に互いに離隔されており、従って同時的にアクセスされるビット間においてパターン感度干渉が発生する可能性が殆ど存在しないような態様で行なわれる。このようなパラレルテストに関する説明は、McAdams
et al.著「テスト機能用設計を有する1メガビットCMOSダイナミックRAM(A 1−Mbit CMOS Dynamic RAM With Design−For−Test Functions)」、IEEE・ジャーナル・オブ・ソリッド−ステート・サーキッツ、Vol.SC−21、No.5、1986年10月、pp.635−642の文献に記載されている。
【0007】
特定のメモリに対してその他の特別テストモードを使用することが可能である。このようなモードにおいて実施することの可能なテスト例としては、メモリセルデータ保持時間のテスト、例えばデコーダ又はセンスアンプ等のようなメモリ内の特定の回路のテスト、及びメモリが冗長行又は列をイネーブルさせたか否か等のような装置の属性を決定するための回路のある部分の検査等がある。上述したMcAdams et al.の文献は特別テスト機能に関するこれら及びその他の例を記載している。
【0008】
勿論、メモリ装置がこのような特別テストモードにある場合には、それは完全にランダムにアクセス可能なメモリとして動作するものではない。そうであるから、メモリが、例えば、システム内に据え付ける場合に、誤ってテストモードの1つとされると、そのようなメモリに対して予定されたような態様でデータを格納したり且つ検索したりすることは不可能である。例えば、パラレルテストモードにある場合に、メモリは同一のデータ状態を複数個のメモリ位置へ書込む。従って、パラレルテストモードにおいてアドレスが供給されると、メモリは格納されたデータ状態のみに依存するものではなくパラレル比較の結果にも依存する場合のあるデータを出力する。更に、パラレルテストモードは、データを書込み且つ検索することが可能な独立的なメモリ位置の数を減少させる。なぜならば、4つ又はそれ以上のメモリ位置が同時的にアクセスされるからである。従って、特別テストモードをイネーブルさせる場合には、特別テストモードが不本意にエンタされる可能性が低いような態様でなされるものであることが重要である。
【0009】
特別テストモードへのエントリのための従来の技術では、その所望の動作を表わすための特別の端子を使用している。テストモードへのエントリのための簡単な従来技術は、米国特許第4,654,849号に記載される如く、通常動作モードとパラレルテスト等のような特別テストモードの何れかを選択するための専用端子において高又は低の論理レベルを供給することである。このような専用端子を使用してテストモードへエントリするための別のアプローチは、Shimada et al.著「46nsの1メガビットCMOS SRAM(A 46−ns 1−Mbit CMOS SRAM)」、IEEE・ジャーナル・オブ・ソリッド−ステート・サーキッツ、Vol.23、No.1、1988年2月、pp.53−58に記載されており、その場合、書込み動作を実施中に高電圧を専用の制御パッドへ印加することによってテストモードがイネーブルされる。これらの技術は、比較的簡単であるが、通常メモリ動作のために必要なもの以外に付加的な端子が必要となることは勿論である。このような付加的な端子はウエハの形態でテストされる場合に使用可能であるが、パッケージングの後にかなりのテスト時間が発生し、その期間中にも特別テストモードが使用される。パッケージテストのためにこの専用テストイネーブル端子の技術を使用するために、パッケージがこの機能のためのピン又はその他の外部端子を有することが必要である。回路パッケージが可及的に小型であり且つ可及的に接続が少ないものであるというシステム設計者の願望のために、テストモードエントリのために専用のピンを使用することは望ましいことではない。更に、テストモードへエンタするための専用の端子がパッケージ化された形態で設けられる場合には、メモリのユーザは、テストモードがシステムを使用中に不本意にエンタされることがないようにこの専用の端子へ適切な電圧が供給されることを確保するための注意をせねばならない。
【0010】
特別テストモードをイネーブルするための別の技術は、通常動作期間中にその他の目的を有する1つ又はそれ以上の端子において過電圧信号を使用することであり、このような過電圧はテストモードがイネーブルされるべきであることを表わし、それは、例えば、米国特許第4,654,849号及び第4,860,259号(アドレス端子上で過電圧を使用)にも記載されている。米国特許第4,860,259号は、更に、共通アドレスストローブ端子における過電圧条件に及びそれに続いてこの端子上の電圧が低論理レベルへ降下することに応答して、ダイナミックRAMにおいて特別テストモードをイネーブルさせる方法を記載している。前述したMcAdams et al.の文献は、過電圧条件がクロックピン上に存在する間にアドレス入力上へのテスト番号のマルチプレクス動作を包含するテストモードにエンタする方法を記載しており、その場合、アドレス入力における該番号が幾つかの特別テストモードのうちの1つを選択する。このような特別テストモードの過電圧によるイネーブル構成は、その付加的な複雑性のために、テストモードをイネーブルさせるための専用の制御端子を使用することと対比して、特別テストモードが不本意にエンタされることがないことの付加的な安全性を付加している。
【0011】
しかしながら、1つの端子において過電圧信号を使用することは、その端子は、更に、通常動作期間中にある機能を有するものであり、特別モードを不本意にイネーブルさせる場合がある。このことは、メモリの「ホットソケット(hotsocket)」挿入期間中に発生する場合があり、それは、メモリ装置が既にパワーアップされている位置内に据え付けられる場合である。メモリ装置が物理的に電圧と接触した状態に配置される態様に依存して、電源端子がバイアスされる前に、過電圧がテストモードをイネーブルさせる端子が特定の電圧へバイアスされる可能性がある。このような端子のために従来使用されている過電圧検知回路は、該端子における電圧を電源又はその他の基準電圧と比較する。しかしながら、ホットソケット挿入の場合には、該端子における電圧は実際の電源電圧よりも高いものではないが、その端子が比較されるべき電源電圧を見る前に、該端子がこの電圧を受ける場合には、尚且つ特別モードをイネーブルさせる場合がある。従って、特別テストモードが1つの端子における過電圧信号によってイネーブルされる場合であっても、ホットソケット条件が特別モードを不本意にイネーブルさせる場合がある。
【0012】
更に注意すべきことであるが、電源電圧がメモリ装置に到達する前に、過電圧がテストモードを選択する端子へ電圧が供給されるようにシステム内の過渡状態が発生する場合には、メモリ装置のパワーアップ期間中に、同様なタイプの特別テストモードの不本意なイネーブル動作が発生する場合がある。更に、装置の内部ノードがパワーアップすることが可能な性質はランダムであるので、多くの従来の装置では、このような信号の提供なしであっても、特別テストモードへパワーアップすることが可能である。
【0013】
テストモードをディスエーブルさせるために同様のタイプの動作が必要とされる場合には、不本意なテストモードへのエントリは特に危険である。例えば、McAdams et al.文献に記載されているメモリは、テストモードから通常動作モードへ復帰するために、特定のコードと共に過電圧条件を必要とする。しかしながら、システムの観点からは、メモリ装置に過電圧を印加することが可能でない場合がある(メモリ装置を不本意にテストモード状態とさせたホットソケット又はパワーアップ条件以外)。従って、このようなシステムにおいては、メモリ装置がテストモードにある場合には、メモリの通常動作が回復可能であるにはメモリをパワーダウンする以外方法がない場合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的とするところは、短期間のパワーダウンイベントの後に集積回路装置のパワーアップ期間中に該装置における特別モードのイネーブル動作を禁止するための改良した回路及び方法を提供することである。更に、注意すべきことであるが、従来のパワーオンリセット回路はパワーアップが達成される迄装置内のテストモードへのエントリ以外のある動作の制御のために当該技術において使用されている。このような回路は、短期間の電力損失の場合にリセットしない場合があり、従って電源がその公称電圧へ復帰した場合に、パワーオンリセット機能が喪失される場合があることが分っている。従って、本発明の別の目的とするところは、電源電圧の喪失の場合に迅速にリセットし、従ってパワーアップ期間中における回路機能の禁止がこのような短期間の電力損失の後に発揮される改良型の回路及び方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電力損失の場合にパワーダウン状態へパワーオンリセット回路の状態を迅速にリセットさせるリセット回路を設けることによりパワーオンリセット回路内へ本発明を組込むことが可能である。パワーオンリセット回路は、優先状態にパワーアップし、且つパワーアップの後の所定の時間において計時型スイッチによってスイッチされるラッチを有することが可能である。このリセット回路は、該ラッチのノードへ接続されており、且つ電源電圧を喪失すると該ラッチがその優先状態へ迅速に復帰するように該ノードを放電するスイッチを有している。パワーオンリセット回路は、パワーアップ期間中に特別テストモードへのエンタ等のような機能を禁止するために使用することが可能である。
【0016】
【実施例】
図1を参照すると、本発明の好適実施例を組込んだ集積回路メモリ1のブロック図が示されている。メモリ1は、例えば、220、即ち1,048,576個の格納位置乃至はビットをもったスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等の集積回路メモリである。本例におけるメモリ1は各々が8ビットのアドレス可能な位置である217即ち128kとして組織されたワイドワードメモリである。従って、例えば、読取り動作においては、メモリ位置のうちの1つのアクセスにおいて、8個のデータビットが8個の入力/出力端子DQ0乃至DQ7において表われる。本例においては、メモリ1は、1024個の列の1024個の行を有するアレイ10を有しており、各通常のメモリ動作において8個の列がアクセスされる。
【0017】
この例のメモリ1においては、メモリアレイ10は8個のサブアレイ120 乃至127 に分割されており、該サブアレイの各々は1024個の行と128個の列とを有している。活性動作期間中に消費される電力を減少させる目的のために、この例においては、サブアレイ12のうちの1つのみが各活性サイクル期間中に付勢され、付勢されるべきサブアレイ12の選択は所望のメモリアドレス(即ち、列アドレスの3個のビット)によって決定される。従って、以下に更に詳細に説明する如く、例えば読取り等のような通常のメモリ動作期間中において、アクセスされるメモリ位置の全ての8個のビットは同一のサブアレイ12内に位置されている。
【0018】
メモリ1は、独特のメモリアドレスを特定するために必要とされる17個のアドレスビットを受取るために、17個のアドレス端子A0乃至A16を有している。従来の態様においては、これらの17個のアドレス端子からの信号はアドレスバッファ11によってバッファされる。このようなバッファ動作の後に、アドレス端子(A7乃至A16)の10個のものに対応する信号は行デコーダ14によって受取られ、バス15を介して行デコーダ14によって付勢されるべきアレイ10内の1024個の行のうちの1つを選択する。残りの7個のアドレス端子(A0乃至A6)に対応する信号は入力/出力回路及び列デコーダ16によって受取られ、制御ライン17によってサブアレイ12のうちの1つを選択し、且つ列アドレス値に従ってその中の所望の列を選択する。信号ラインはアドレスバッファ11から行デコーダ14へ及び入力/出力回路及び列デコーダ16へアドレス値を通信するために示されているが、多くの従来のメモリでは、デコード動作を簡単化するために、各アドレスビットの真値と補数値の両方を夫々のデコーダへ通信するものであることに注意すべきである。
【0019】
上述した如く、電力消費を減少させるために、本実施例に基づくメモリ1は、3個の最大桁列アドレスビットに従って選択されるサブアレイ12のうちの1つのみを付勢する。この実施例においては、サブアレイ12内の付勢されたワードラインの印加を制御するためにサブアレイ12間にリピータ(不図示)が設けられている。このように、列アドレス(特に、3個の最大桁ビット)がワードラインの印加を制御し、従って選択されたサブアレイ12におけるワードラインの部分のみがメモリ動作サイクルを介して付勢される。列デコーダ16も、列アドレスの残りのビットの値に従って、選択されたサブアレイ12における256個の列のうちの8個を選択する。本実施例においては、更に、アクティブな電力消費を減少させる目的のために、所望のメモリビットと関連する選択されたサブアレイ12内のセンスアンプ(不図示)のみが付勢される。次いで、列デコーダ16によってそのように選択されたセンスアンプは、局所的データライン18を介して入力/出力回路及び列デコーダ16と通信状態にあり、それを介して、アレイ10内の8個の選択されたメモリセルからのデータの読取り又はそれへのデータの書込みは従来の態様で行なうことが可能である。
【0020】
勿論、メモリ1の多くのその他の構成を、本明細書に説明する発明に関連して使用することが可能である。このような構成の例としては、バイワン(by−one)、即ち1によるメモリがあり、その場合、単一のビットが通常動作において入力されるか又は出力される。更に、各サブアレイが入力/出力端子の1つと関連しているワイドワード(Wide−word)メモリ、及び通常動作期間中アレイ全体が付勢されるメモリを交互に使用することが可能である。上述した如く、勿論、例えばダイナミックRAM、EPROM及び埋込み型メモリ等のようなその他のメモリタイプはそれら自身の構成を有しており、本発明から利点をうることが可能である。
【0021】
更に注意すべきことであるが、回路の電気的配置を示した本発明の実施例のブロック図は実際のメモリ1上の回路の物理的レイアウト及び配置に必ずしも対応するものではない。メモリチップ上のサブアレイ12の物理的レイアウト及び配置は図1に示したものと対応しない場合があることが意図されており、例えば、8個のサブアレイ12は、入力/出力回路及び列デコーダ16がサブアレイ12のグループの間に物理的に位置されるような態様で配置させることが可能であり、且つ同様に、行デコーダ14はサブアレイ12のグループ間に物理的に位置させることが可能である。このようなレイアウト最適化は特定のメモリ設計及び製造プロセスに対して興味のある特定のパラメータに従って当業者によって決定することが可能であることが意図されている。
【0022】
メモリ1の列デコーダ16と入力/出力回路との間でデータの通信を制御する回路が図1において概略示されている。従来技術におけるようなメモリ1の動作を制御するその他の制御回路をメモリ1内に設けることも可能であり、簡単化のためにこのような回路は図1においては示していない。本例においては8ビット幅である出力データバス20が読取り動作において入力/出力回路及び列デコーダ16によって駆動され、メモリ位置のデータ状態はメモリアドレスに従ってアクセスされる。出力データバス20の各ラインは非反転出力バッファ22によって受取られ、該バッファはメモリ1の明細に対応するレベル及び電流での正しいデータ状態で出力端子DQを駆動する。出力バッファ22の各々は、ANDゲート26からのライン24上の信号によってイネーブルされる。従って、ライン24上の信号は、出力データバス20上の論理レベルが端子DQに供給されるか、又は出力バッファ22が高インピーダンス状態を端子DQへ供給するかを制御する。
【0023】
本実施例においては、ANDゲート26は4つの入力端を有している。ANDゲート26の第一の入力端は、ANDゲート25及びORゲート33を介してチップイネーブル信号を受取る。ANDゲート25は、反転入力端において端子E1からの信号を受取り且つ非反転入力端において端子E2からの信号を受取り、ラインCE上のANDゲート25の出力は、端子E1が低であり且つ端子E2が高であることに応答して、高論理レベルにある。ラインCE上のANDゲート25の出力はORゲート33の第一入力端へ供給され、該ORゲート33は、以下に説明する如く、テストモードイネーブル回路29からラインT上の信号を受取る。通常動作期間中、ラインTは低論理レベルにあり、従ってORゲート33はANDゲート25からのラインCEの状態に直接的に応答する。従って、この実施例においては、ORゲート33の出力はチップイネーブル信号に対応し且つメモリ1の動作及び出力バッファ22の動作をイネーブルさせる。勿論、従来公知の如く、チップイネーブル信号は、従来技術における幾つかの回路にとって公知の如く、複数個のイネーブル信号の別の論理的組合わせから又は単一のチップイネーブル端子から発生させることも可能である。
【0024】
図1に示した如く、本発明のこの実施例に基づくメモリ1の例においては、ラインCEがORゲート19の1つの入力端へ接続されており、該ゲートの出力端は入力/出力回路及び列デコーダ16へ接続されておりそのイネーブル動作及びディスエーブル動作を制御する。その他の機能ブロックも、概略、同様の態様で、ORゲート19を介してチップイネーブル端子E1及びE2によって制御され、このような制御を実施する接続状態は簡単化のために図1には示されていない。ORゲート19の他の入力端はANDゲート21の出力を受取り、ANDゲート21は、テストモードイネーブル回路29からのラインTをその1つの入力端において受取り、且つその他方の入力端においては端子OEからの信号を受取る。後に更に詳細に説明する如く、この構成は、メモリ1がテストモードにある場合に、出力イネーブル端子OEがチップイネーブル機能を与えることを可能としている。
【0025】
ANDゲート26によって受取られる第二の入力は端子W において受取られる書込みイネーブル信号である。従って、ANDゲート25が、書込みイネーブル端子W が読取り動作を表わす高論理レベルにあることと結合されてメモリ1の選択を表わす場合には、ANDゲート26は出力バッファ22をイネーブルさせることが可能である。逆に、書込みイネーブル端子W が低論理レベルにあることによって表わされる書込み動作期間中においては、ANDゲート26は、必ず低論理レベルを有しており、且つ、従って、出力バッファ22をそれらの出力端において高インピーダンス状態とさせる。ANDゲート26によって受取られる第三の入力は、出力端子をイネーブルさせ且つディスエーブルをさせるために従来公知の如く、端子OEからの出力イネーブル信号であり、出力イネーブル信号を使用することは、複数個のメモリ1がそれらの出力端子をワイヤードORの態様で共通接続されている場合に、特に有用である。
【0026】
この実施例において、ANDゲート26により受取られる第四の入力は、パラレルテスト回路28によって発生され、該回路は、メモリ1が特別テストモードとされた場合に、複数個のデータワードの比較を行なう。パラレルテスト回路28は、ライン30上において、入力/出力回路及び列デコーダ16からの複数個の8ビットデータワードを受取り、これらのデータワードの各々は列アドレスの一部に従ってサブアレイ12の1つから読取られたデータに対応している。パラレルテスト回路28は、これらの複数個のデータワードの比較を行ない、且つその比較が成功したか否かに対応してライン32上に信号を発生する。
【0027】
パラレルテスト用の特別テストモードがそれに接続されているラインTE上の高論理レベルによってイネーブルされると、パラレルテスト回路28は、ライン30上でそれに供給された複数個のデータワードの比較を行ない、且つその比較が成功したか否かに対応してライン32上に信号を発生する。この実施例においては、複数個のデータワードの全てが同一のデータを供給する場合に、テストモードにあるパラレルテスト回路28によってライン32は高論理レベルへ駆動され、且つエラーが存在する場合、即ち比較された複数個のデータワードが同一のデータを供給するものではない場合には、ライン32はテストモードにおいて、低論理レベルへ駆動される。出力バッファ22が通常動作期間中に動作可能であるためには、パラレルテスト回路28は通常動作期間中、即ちパラレルテスト回路28がイネーブルされない場合に、高論理レベルを供給する。
【0028】
更に、より詳細に以下に説明する如く、特別テストモード期間中、ラインTは、テストモードイネーブル回路29によって高論理レベルへ駆動される。このことは、ORゲート33の出力を高レベルへ移行させ、端子E1が低で且つ端子E2が高であるチップイネーブル条件の不存在において出力バッファ22のイネーブル動作を可能とし、以下に説明する如く、このメモリ1の実施例においては、チップイネーブル条件は特別テストモードのディスエーブル動作を発生させる。従って、特別テストモードがイネーブルされると、出力イネーブル端子OEは、実際上、メモリ1に対しチップイネーブル機能を供給する。
【0029】
図1から明らかな如く、メモリ1は共通の入力/出力メモリであり、且つそうであるから、端子DQの両方は出力データを供給すると共に入力データを受取る。従って、端子DQは入力バッファ34へ接続されており、該バッファは、書込み動作期間中、入力データを入力データ制御回路36へ供給し、該入力データ制御回路は、入力データバス38を介して入力データを、入力/出力制御回路及び列デコーダ16を介して選択されたメモリセルへ供給する。入力バッファ34は上に説明した出力バッファ22と同様の態様で制御され、ライン40上のイネーブル用信号はANDゲート42によって発生され、該ANDゲートは端子CEからのチップイネーブル信号と端子W (インバータ44によって反転されている)からの書込みイネーブル信号との論理AND処理を実行する。パラレルテストモードにおいては、入力データは、複数個のメモリ位置をイネーブルさせ且つ同時的にそれらに対し同一のデータを書込むことにより、従来の態様で入力/出力回路及び列デコーダ16によってメモリ10内の複数個のメモリ位置へ書込むことが可能である。
【0030】
テストモードイネーブル回路29は、幾つかの特別テストモードのうちの1つをイネーブルさせるためにメモリ1内に設けられている。説明の便宜上、パラレル読取り及び書込み動作に対応する特別テストモードを図1におけるパラレルテスト回路28によって示してある。例えば上に掲載したMcAdams et
al.の文献に記載されるようなその他の特別テストモードも、テストモードイネーブル回路29によって、それに供給される入力に応答して、イネーブルさせることが可能である。
【0031】
テストモードイネーブル回路29は、アドレス端子A1及びA3から信号を受取り、且つラインTRST上をインバータ27を介してANDゲート29からの信号を受取る。以下に更に詳細に説明する如く、端子A1が特定の論理状態にある状態で端子A3における過電圧条件のシーケンスに応答し、且つANDゲート25がメモリ1がイネーブルされていないことを表わしている限り、テストモードイネーブル回路29はラインT上に高論理レベルを発生し、本実施例においてはパラレルテスト回路28に対して、且つ特定のテストモードによってイネーブルさせることの可能なメモリ1内の同様のその他の回路に対して、特別テストモードの動作がエンタされるべきであることを表わす。
【0032】
テストモードイネーブル回路
図2を参照して、テストモードイネーブル回路29の構成について詳細に説明する。本発明のこの実施例によれば、端子A3における過電圧条件の時において端子A1における論理状態に依存して、2つの別々の且つ相互に排他的な特別テストモードをイネーブルさせることが可能である。注意すべきことであるが、テストモードイネーブル回路29がアドレスバッファ11の前に端子A3において論理状態を受取る場合に、端子A3からのバッファした値を交互にテストモードイネーブル回路29へ供給することが可能である。上述した如く、テストモードイネーブル回路29はラインA1,A3及びTRST上の信号を入力として受取る。テストモードイネーブル回路29は、上述した如く、ラインT上の信号をパラレルテスト回路28へ供給して、パラレルテストモードがイネーブルされるか否かを表わす。更に、テストモードイネーブル回路29は、所望により、メモリ1内の第二の特別テストをイネーブルさせるために、ラインT2上に別の出力を与える。ラインT2はこのような付加的なテストを実施するために必要なメモリ1内のこのようなその他の回路へ接続されており、このようなその他の特別テストは、本実施例においては、ラインT上の信号によって表わされるパラレルテスト機能と相互に排他的なものである。図2においては単に2つの相互に排他的な特別テストモードが示されているに過ぎないが、このような付加的な特別テストモードの選択のためのアドレス入力等のような付加的な入力を使用することを包含して、テストモードイネーブル回路29内に設けられる論理の簡単な拡張によってより多くの特別テスト機能をイネーブルさせることが可能であることも勿論意図されている。このような拡張は、本願明細書を参照し当業者にとって自明なものである。更に、注意すべきことであるが、テストモードイネーブル回路29によってイネーブルされる特別テストモードは、互いに排他的なものである必要はない。なぜならば、ある機能は互いに共同的に動作することが可能だからである(例えば、特定の特別読取り機能は、パラレルテストモードと共にイネーブルさせることが可能であり、そのパラレルテストは別個に選択可能な特別読取り機能を有するものではない)。
【0033】
テストモードイネーブル回路29は評価論理30を有しており、該評価論理は、図2においてA1として示したライン上でアドレス端子A1からの信号を受取る。評価論理30は、更に、1つの入力として、チップイネーブル回路(即ち、インバータ27を介してANDゲート25)からのラインTRSTを受取り、従って、更に詳細に以下に説明する如く、チップイネーブル入力E1及びE2によるメモリ1の選択によって、特別テストモードがディスエーブルされ且つ通常動作モードがエンタされる。更に、本発明のこの実施例によれば、評価論理30は、過電圧検知器32によって発生されるラインCKBHV上の入力を受取る。過電圧検知器32は、対応するアドレス端子からラインA3を受取り、そこに印加される電圧が過電圧状態にあるか否かを決定する。
【0034】
更に、テストモードイネーブル回路29内にはパワーオンリセット回路40が設けられており、それは、電源Vccがパワーアップされた後の所定の時刻においてラインPOR上をイネーブル信号を評価論理30(更に、メモリ1内のその他の回路)へ供給する。以下に更に詳細に説明する如く、パワーオンリセット回路40は、評価論理30を介して、メモリ1のパワーアップ期間中にテストモードへのエントリをロックアウトする。
【0035】
テストモードイネーブル回路29は、更に、互いに直列接続されているD型フリップフロップ90及び92を有しており、それらのクロック及びリセット入力は評価論理によって制御される。上述した如く、本発明のこの実施例においては2つの特別テストモードが選択可能であり、テストモードイネーブル回路29は、従って、2対のフリップフロップ90及び92を有しており、各対はドライバ110を介して特定の特別テストモードの選択をイネーブルさせる。以下に更に詳細に説明する如く、テストモードイネーブル回路29において特別テストモードの各々に対し一連の複数個のフリップフロップ90,92を設けることは、単一のこのような信号又は過電圧の振れのみを必要とするのではなく、イネーブルされるべき特別テストモードに対し順番に供給されねばならない。特別テストモードをイネーブルさせるための2つ又はそれ以上のこのような信号のシーケンスに対する条件は、ノイズ、パワー損失及び回復、ホットソケット挿入又は同様の事象に起因して、このようなモードに不本意にエンタすることがない高い程度の安全性を与えている。
【0036】
過電圧検知
次に、図3を参照すると、過電圧検知器32の構成及び動作が詳細に示されている。本明細書から明らかな如く、過電圧条件を表わすためにどのラインCKBHVが高論理レベルへ移行するかということに応答して、過電圧検知器32によって検知される過電圧条件は、端子A3へ印加される電圧が接地、即ちVss以下のある値であるという条件である。注意すべきことであるが、正の過電圧条件(即ち、端子A3における電圧がメモリ1への正の供給電圧、即ちVccよりも大きなある値を超えること)は、適宜の設計変更を行なうことにより、過電圧検知器32によって検知することが可能である。
【0037】
対応するアドレス端子からのラインA3は、Pチャンネルトランジスタ340 のドレインへ接続されている。この実施例によれば、Pチャンネルトランジスタ340 乃至344 はダイオード形態で接続されており(即ち、ゲートがドレインへ接続されている)且つダイオード遅延を確立するために互いに直列的に接続されたPチャンネルトランジスタである。この過電圧検知器32の実施例においては5個のトランジスタ34が使用されているが、そのように使用されるトランジスタ34の数は、過電圧検知器32が過電圧信号を発生すべきトリップ電圧に依存する。使用されるトランジスタ34の数及びそれらのスレッシュホールド電圧は、勿論、この値を決定する。
【0038】
ノードN1において、ダイオード遅延におけるトランジスタ34のうちの最も上のものであるトランジスタ344 のソースは、Pチャンネルプルアットランジスタ36のドレインへ接続されている。トランジスタ36のソースはVccへ接続されており、且つそのゲートはVssへ接続されている。トランジスタ36は、幅対長さ比(W/L)において、トランジスタ34と比較してより小型のトランジスタである。例えば、本実施例におけるトランジスタ36のW/Lは1/250のオーダであり、一方トランジスタ34のW/Lは2のオーダである。従って、トランジスタ36が導通状態にある場合、それらは、トランジスタ36が導通状態に留まる場合であっても、ノードN1をプルダウンさせることが可能である。この実施例においては、ノードN1は更にPチャンネルトランジスタ38のドレインへ接続されており、該トランジスタのソースはVccへ接続され且つそのゲートは評価論理30(図2参照)からのラインRST 上の信号によって制御される。トランジスタ38はトランジスタ34及び36と比較して相対的に大型のトランジスタであり、W/Lは8の程度であり、従って、それが導通状態にある場合には、ノードN1は、トランジスタ34が導通状態にある場合であっても、それを介してVccへプルさせることが可能である。従って、トランジスタ38は、ラインA3上の電圧が過電圧条件にある場合であっても、ラインRST 上の低論理レベルに応答して、過電圧検知器32の状態をリセットさせることが可能である。
【0039】
ノードN1は従来の反転用シュミットトリガ回路40の入力端へ接続されている。このような回路にとって公知の如く、シュミットトリガ40は、その伝達特性におけるヒステリシスと共に論理反転を実行する。このようなヒステリシスは、Nチャンネルトランジスタ42n 及びPチャンネルトランジスタ42p によって与えられるものであり、過電圧検知器32に対して安定性を与え、従ってトリップ電圧の周りのラインA3の電圧における小さな変動は過電圧検知器32の出力を高論理レベルと低電位レベルとの間で振動させることはない。
【0040】
シュミットトリガ40の出力端は、反転用バッファを介して、交差結合型インバータ46及び48を構成するラッチの入力端へ接続されている。インバータ46の入力端はインバータ44の出力を受取り、且つインバータ46の出力は過電圧検知器32の出力であるラインCKBHVを駆動する。インバータ48は、その入力端をインバータ46の出力端へ接続しており、且つその出力端をインバータ46の入力端へ接続している。この実施例においては、インバータ46及び48の両方は従来のCMOSインバータであって、インバータ48におけるトランジスタのW/Lは、好適には、インバータ46のもの(即ち、W/Lが2.0の程度)よりもかなり小さなものである(例えば、W/Lが0.5の程度)。このような構成は、ラインCKBHVの状態がラッチされたままとすることを可能とし、更に、インバータ44(そのトランジスタのW/Lは1.0の程度)が比較的容易に該ラッチの状態を上書きすることも可能とする。インバータ46及び48のラッチが存在することは、更に、過電圧検知器32に対して付加的な安定性を与えており、従ってラインCKBHV上の出力における振動は、トリップ電圧の周りのラインA3の電圧の小さな変動から発生される可能性は低い。
【0041】
動作について説明すると、過電圧検知器32の通常の条件(即ち、端子A3における電圧がその公称範囲内のものである)は、トランジスタ36により、ノードN1をVccへプルアップさせる。このことは、シュミットトリガ40をしてその出力端において低論理レベルを有するものとさせ、そのことは、インバータ44及び46の動作により、ラインCKBHV上に低論理レベルを与える。インバータ48は、インバータ46と共に、この低論理レベルをラインCKBHV上にラッチする。この条件は、後に説明する如く、テストモードイネーブル回路29を介して、通常動作モードが選択されていることをメモリ1の残部に対して表示する。
【0042】
特別テストモードのイネーブル動作は、ノードN1を低へプルさせるためにVccの電圧よりも充分に低い電圧を端子A3において供給することによって実施される。端子A3がプルされねばならないトリップ電圧レベルは、トランジスタ34のダイオードが全て順方向バイアスされる電圧を決定することによって計算される。ノードN1がトランジスタ36によってVccへプルされると、トランジスタ34(この場合には、5個の数)は、端子A3における電圧が電圧Vtripにあるか又はそれより低い場合に、導通状態にある。
【0043】
Vtrip=Vcc−5(Vtp)
尚、VtpはPチャンネルトランジスタ34のスレッシュホールド電圧である。例えば、Vtpが2.4Vのオーダである場合、Vtripは公称的なVccの値が5.0Vである場合に、−7.0Vのオーダの値を有している。
【0044】
端子A3における電圧がVtripにあるか又はそれより低い場合、ノードN1は、端子A3の電圧へ向かって、低へプルされる。このことは、シュミットトリガ40をしてその出力端において高論理レベルを供給させ、それは、次いで、インバータ44によって反転される。前述した如く、インバータ44はインバータ48と比較して充分に大きく、インバータ46をして状態を変化させ、ラインCKBHV上に高論理レベルを供給し、テストモードイネーブル回路29の残部に対して端子A3が過電圧条件にあることを表わす。
【0045】
過電圧検知器32は、2つの方法の1つで通常動作条件へリセットされる。最初に、端子A3がVtripを超えた電圧へ復帰すると、トランジスタ34は非導通状態となり、トランジスタ36がノードN1をVccへ向けてプルアップすることを可能とする。ノードN1がシュミットトリガ40がスイッチする電圧に到達すると、再度低論理レベルがラインCKBHV上に供給される。後に説明する如く、本発明の好適実施例に基づくメモリ1の動作は、特別テストモードにエンタするためには、過電圧条件が少なくとも2回続いて発生されることを必要とし、従って、これは、過電圧検知器32がリセットされる通常の態様である。
【0046】
過電圧検知器32がリセットされる第二の態様は、ラインRFT 上の低論理レベルに応答して、トランジスタ38の動作による場合である。以下に説明する如く、ラインRFT は、種々のイベント(事象)によってトリガされる、テストモードから通常動作モードへの無条件のイグジット(抜け出し)に応答して、低論理レベルへ駆動される。上に説明した如く、トランジスタ38は、好適には、例えトランジスタ34が導通状態にある場合でも、それがノードN1を高へプルすることが可能であるように充分に大型なものであり、従って、シュミットトリガ40及びインバータ44,46,48をして、再度ラインCKBHV上に低論理レベルを供給するために必要な遷移を行なわせる。図2に示した如く、ラインCKBHVは評価論理30によって受取られる。
【0047】
パワーオンリセット
本発明のこの実施例によると、評価論理30は、更に、その入力端において、パワーオンリセット回路40からラインPOR上の信号を受取る。パワーオンリセット回路40の機能は、メモリ1のパワーアップ時に、特別テストモードへ誤ってエントリすることを防止することである。従って、メモリ1がパワーアップされる時等の期間中、パワーアップリセット回路40は、ラインPORを介してそのことを評価論理30へ表示し、且つ特別テストモードへのどのようなエントリもディスエーブルさせる。メモリ1が充分にパワーアップされると、パワーオンリセット回路40は、ラインPORを介してそのことを評価論理30へ表示し、且つ端子A3における過電圧条件、及び特別テストモードへの所望のエントリのこのような付加的な又は代替的な表示がテストモードをイネーブルさせることを許容する。
【0048】
図4を参照すると、本発明のこの実施例に基づいたパワーオンリセット回路40の好適な構成及び動作が示されている。パワーオンリセット回路40は電力供給電圧Vcc及び接地基準電圧Vssを受取る。Vcc及びVssは、CMOSラッチ42内のトランジスタをバイアスする。ラッチ42は交差結合型CMOSインバータから構成された従来のラッチであり、且つVccとその中の交差結合されたノードC1との間に接続されたコンデンサ44を有すると共に、Vssと他方の交差結合されたノードC2との間に接続されたコンデンサ46を有している。後に更に詳細に説明する如く、コンデンサ44及び46は、メモリ1のパワーアップ時にラッチ42をプリセットする。
【0049】
ラッチ42は、交差結合されたノードC2へ接続された一連のインバータ72を介して、ラインPORへその論理状態を通信する。この一連の接続されたインバータ72の数(本実施例においては6個)は、ラッチ42のスイッチングとラインPORの遷移との間の遅延時間を決定する。一連のインバータ72内において、コンデンサ50の一方のプレートがインバータ72の入力端へ接続されており、該インバータは、ノードC2から奇数番目のインバータであり(この場合は、ノードC2から5番目のインバータ72の入力端)、他方のプレートはVccへ接続されている。更に、この一連のインバータ72内において、コンデンサ74がその一方の側部が、複数個のインバータ72の1つ、好適にはノードC2から奇数番目のインバータであるインバータ72の入力端へ接続されており(この場合には、コンデンサ74はノードC2から3番目のインバータ72の入力端へ接続されている)、且つその他方のプレートはVccへ接続されている。コンデンサ74はパワーオンリセット回路40の動作を安定化すべく機能し、従って、それは、Vccが該回路のトリップ点の周りでの小さな振れを発生する場合に迅速に振動することはなく、コンデンサ74は、以下に更に詳細に説明する如く、インバータ72のチエーンの動作を遅滞化させる。
【0050】
パワーオンリセット回路40は、更に、VccとVssとの間でバイアスされる計時型スイッチ48を有している。VccがPチャンネルトランジスタ52のソースへ接続されており、該トランジスタのゲートはコンデンサ50のプレートへ接続されており、該コンデンサは複数個のインバータ72からなるチエーン内に接続されている。トランジスタ52のドレインはNチャンネルトランジスタ54のドレインへ接続されており、該トランジスタ54のゲートはVccへ接続されており且つそのソースはVssによってバイアスされる。トランジスタ52は、好適には、トランジスタ54よりも大型であり、夫々のトランジスタのW/Lは10及び4のオーダである。トランジスタ52及び54のドレインはコンデンサ56の一方のプレートへ接続されており、該コンデンサの他方のプレートはVssへ接続されており、且つトランジスタ58のゲートへ接続されており、トランジスタ58のドレインはラッチ42の交差結合されたノードC1へ接続されており、且つ該トランジスタのソースはVssに接続されている。以下に説明する動作の説明から明らかな如く、計時型スイッチ48は、ラッチ42をして、Vccのパワーアップの後、所定の周期でその状態を変化させる。
【0051】
注意すべきことであるが、ラッチ42、計時型スイッチ48及びインバータ72からなるチエーンを設けることは、パワーオンリセット回路においては、従来公知なものである。図4に示したリセット回路60等のようなリセット回路を包含することのないこのような従来のパワーオン回路は、電力損失の場合にパワーオン回路の状態が迅速にリセットされない場合には、短期間の電力損失の場合に不正確な動作を発生する場合がある。電源が失われ、次いでパワーオンリセット回路がその適切な初期状態へ復帰する前に回復されると、パワーオンリセット回路は、パワーオンが完全に発生したことの信号を本回路の残部へ直に供給し(即ち、電力損失時に供給したものと同一の信号)、且つ完全なパワーアップが発生する前に、本回路の通常動作をイネーブルさせる。このことは、本回路の残部がランダム、従って潜在的に望ましくない状態で初期化することを可能とする。このような不所望の状態の一例は特別テストモードである。
【0052】
しかしながら、本発明のこの実施例によれば、パワーオンリセット回路40は、更に、リセット回路60を有しており、それは、電源Vccがあるレベル以下に降下すると、パワーオンリセット回路40の状態が完全に且つ迅速にリセットされることを確保する。リセット回路60は、Nチャンネルトランジスタ62を有しており、そのソース対ドレイン経路は、ラッチ42の交差結合されたノードC2とVccとの間に接続されており、そのゲートはコンデンサ66の一方のプレートへ結合されており、且つ該コンデンサの他方のプレートはVssへ接続されている。トランジスタ62のゲートは、更に、トランジスタ68及び70のソースへ接続されている。Nチャンネルトランジスタ68及び70の各々は、それらのドレインをVccへ接続しており、トランジスタ68のゲートはトランジスタ62のゲートへ接続されており、且つトランジスタ70のゲートはVccへ接続されている。リセット回路60の動作に関して以下に説明する如く、トランジスタ62が、トランジスタ68のスレッシュホールド電圧よりも低いスレッシュホールド電圧を有するようにトランジスタ62を構成することが望ましい。従来公知の如く、このことは、トランジスタ62及び68に対する異なったスレッシュホールド調節イオン注入によって行なうことが可能であり、又は、トランジスタ62のW/L比をトランジスタ68のものよりも著しく大きくさせることによって行なうことが可能である。
【0053】
リセット回路60を包含するパワーオンリセット回路40の動作について、電力がVccへ印加されていない状態から開始して、メモリ1がパワーアップされる場合について説明する。Vccがパワーされていない条件からランプアップすると、コンデンサ44及び46はラッチ42をして、コンデンサ44及び46の作用に起因して、ノードC1が高レベルであり且つノードC2が低レベルにある状態にセットさせる。交差結合されたノードC2における低論理レベルは、6個のインバータ72を介して、ラインPORにおいて、低論理レベルを供給する。このことは、メモリ1の残部に対して、特に評価論理30に対して、メモリ1が未だ充分にパワーアップされていないことを表わす。以下に更に詳細に説明する如く、このことは、メモリ1が特別テストモードにエントリすることを防止する。この初期状態において、リセット回路60内のトランジスタ62はオフ状態を維持する。なぜならば、そのゲート(コンデンサ66における)はトランジスタ70を介して未だにチャージアップしていないからである。
【0054】
パワーアップが開始すると、ノードC2に続く奇数番目のインバータ72の入力端へも接続されているコンデンサ50のプレートへ接続されている計時型スイッチ48内のトランジスタ52のゲートは低論理レベルにある。なぜならば、ノードC2が低だからである。従って、パワーアップ期間中に、Vccがあるレベルを超えて上昇する際に、トランジスタ52はターンオンされ、トランジスタ52がトランジスタ54よりも著しく大型であるために、トランジスタ54がターンオンする場合に、トランジスタ52及び54のドレインにおけるノードはVccへ向かってプルされる。電源Vccがパワーアップされる場合にあるレベル、例えば3.3Vに到達した後に、且つトランジスタ58のゲートはトランジスタ52のドレインに追従するので、トランジスタ58がターンオンし、ノードC1をVssへ向かって低状態へプルする。このことは、交差結合されたノードC1を低論理レベルへプルし、且つラッチ42をスイッチし、従ってノードC2において高論理レベルが供給される。複数個のインバータ72からなるチエーンの中の5番目のインバータ72の入力端におけるコンデンサ50のチャージアップを包含してインバータ72のチエーンを介してリップルが通り過ぎるのに必要な時間の後、ラインPORは高論理レベルへ移行し、且つ評価論理30を包含するメモリ1の残部に対して、パワーアップが発生したことを表わす。Vccがトリップレベルに到達する時刻とラインPOR上の高論理レベルの発生との間の好適な遅延時間の一例は10ナノ秒のオーダである。
【0055】
ノードC2における高論理レベルがインバータ72からなるチエーンを介してリップル動作により通過すると、コンデンサ50は、トランジスタ52のゲートが高電圧にあり、そのことがPチャンネルトランジスタ52をターンオフさせる状態に充電される。この時において、ゲートがVccにあるトランジスタ54の動作に起因して、トランジスタ58のゲートは低状態へプルされ、トランジスタ58をターンオフさせる。このことは、ノードC1をラッチ42の動作によって低論理レベルに保持することを可能とするが、何等外部的な駆動電圧がそれに対して印加されるものではない。その結果、電源Vccにおける電圧損失の場合、リセット回路60は、容易に、ラッチ42をその前の状態にリセットさせることが可能である。
【0056】
更に、パワーアップの後に、Nチャンネルトランジスタ70の動作に起因してトランジスタ62のゲートは約Vcc−Vt70 にあり(尚、Vt70 はトランジスタ70のスレッシュホールド電圧である)、そのことは、トランジスタ62をターンオンさせる。このことは、ノードC2をトランジスタ62を介してVccへ接続させ、そのことは、更に、ノードC2を高状態に保持することを助け、且つ、ラッチ42の動作によって、ノードC1を低状態に保持することを助ける。従って、ラッチ42はVccがパワーアップされた状態を維持する限りこの状態に留まり、そのパワーアップされた状態はラインPOR上の高論理レベルによって表わされる。
【0057】
電源Vccの電圧がその公称動作レベルより低いあるレベルに降下した場合であっても、パワーオンリセット回路40はリセット回路60によってリセットされる。Vccが0Vへ向けて降下すると、トランジスタ62のゲートは、Vccの電圧より高い約Vt68 に留まりながらVccに追従する。この電圧は、コンデンサ66が前にVcc−Vt70 へ充電されており且つトランジスタ68が順方向バイアスされたダイオードとして作用することに起因して、電源Vccが0Vに到達すると、トランジスタ62のゲートにおいて留まる。前述した如く、トランジスタ62のスレッシュホールド電圧はトランジスタ68のスレッシュホールド電圧よりも低いので、電源Vccが0Vに到達する場合に、トランジスタ62はオン状態である。このことはラッチ42の交差結合したノードC2を、低論理レベル(0V)にあるVccへ放電させる。
【0058】
注意すべきことであるが、PチャンネルトランジスタではなくNチャンネルトランジスタ70を使用することは、図4の回路の殆どのCMOSへの具体化にとって重要なものである。CMOSにおいて公知の如く、Pチャンネルトランジスタが形成されるNウエル領域は、一般的に、Vccへバイアスされて、該Pチャンネルトランジスタのソース対ウエル接合が順方向バイアスされることがないことを確保する。このようなPチャンネルトランジスタがトランジスタ70の代わりに使用される場合には(勿論、そのゲートはトランジスタ62のゲートへ接続して同一の機能を行なわせる)、電源Vccが接地へ降下すると、トランジスタ62のゲーは、Vt68 ではなく、順方向バイアスされたPN接合電圧降下(0.7Vの程度)へクランプされる。トランジスタ62のスレッシュホールド電圧がこの電圧降下よりも一層高い場合には、トランジスタ62は導通状態にはなく、且つリセット回路60はラッチ42内のノードC2を迅速に放電するべく動作可能なものではない。従って、Nチャンネルトランジスタ70を使用することが望ましく、それは、Vccが降下すると、トランジスタ62のゲートへ逆バイアスされたダイオードを提供し、トランジスタ62のゲートがVt68 の電圧へ降下することを許容する。
【0059】
Vccが降下する場合のこのノードC2の接地への放電は、Vcc上の電圧の喪失が短いものであったとしても、パワーオンリセット回路40が適切に動作することを確保する。パワーオンリセット回路40の適切な動作は、パワーアップの後ある時間長さに亘りラインPOR上に低論理レベルが発生することであり、即ち、Vccがある時間の間あるレベルより高い状態にあり、その時間において、ラインPORが高状態へ復帰する。このような動作は、図4の回路の場合、ラッチ42は、パワーアップによって、ノードC1が高状態であり且つノードC2が低状態である状態へセットせねばならないことを必要とし、計時型スイッチ48はラッチ42のスイッチング及びその後のラインPOR上での高論理信号の発生を行なわせる。短期間の電力喪失でその後に適切なパワーオンリセット手順(特別テストモードのロックアウトを包含する)が所望される場合、リセット回路60は、トランジスタ62を介してノードC2(及びコンデンサ46)を放電することによりラッチ42のリセット動作を確保する。リセット回路60によって与えられるこの放電経路がない場合には、コンデンサ46はリークにより充分に放電することは不可能であり、従ってそれは、電源Vccにおける短期間の電圧喪失の後のパワーアップにより再度ノードC2を低状態にセットする。
【0060】
更に注意すべきことであるが、コンデンサ66は、更に、パワーアップが開始する場合にトランジスタ62がターンオンする速度を遅滞化させる。このことは、ラッチ42をしてパワーアップ時に状態を変化させるのは、トランジスタ62を介してのノードC2の時期尚早な充電動作ではなく、計時型スイッチ48の動作であることを確保する。従って、コンデンサ66によって、リセット回路60は、パワーアップシーケンス期間中に、パワーオンリセット回路40の動作を乱すことはない。
【0061】
図4a及び4bを参照すると、リセット回路60の代わりにパワーオンリセット回路40内に設けることの可能な別のリセット回路60a及び60bの構成及び動作を詳細に説明する。図4aは、ソース対ドレイン経路をラッチ42の交差結合したノードC2とVccとの間に接続しており且つ図4のリセット回路60における如く、ゲートがトランジスタ68のソースへ接続されているトランジスタ62を有する第一の代替的なリセット回路60aを示している。図4のリセット回路60と異なり、リセット回路60aは、トランジスタ62のゲートとVssとの間に接続されているコンデンサ66を有するものではない。図4の場合における如く、トランジスタ68は、ダイオード形態に形成されており、そのソース対ドレイン経路はVccとトランジスタ62のゲートとの間に接続されており、且つそのゲートはトランジスタ62のゲートへ接続されている。Nチャンネルトランジスタ70及び71はダイオード形態で構成されており、且つトランジスタ62のゲートと相対的にVcc正で順方向バイアスされるような方向に配向されて、Vccとトランジスタ62のゲートとの間に直列接続されている。
【0062】
図4aのリセット回路60aは、Vccとトランジスタ62のゲートとの間の直列トランジスタ70及び71に起因して、電源Vccのパワーアップ期間中トランジスタ62のゲートの充電動作を遅延させ且つクランプし、従ってトランジスタ62は、ラッチ42(図4に示してある)がスイッチされる後までターンオンすることはない。付加的なトランジスタを、トランジスタ70と71とに直列的に設けることが可能であり、所望により、トランジスタ62のターンオンを更に遅延させることが可能である。しかしながら、電源Vccが降下する場合にトランジスタ62がノードC2を放電することが可能であるためには、Vccとトランジスタ62のゲートとの間における直列的なトランジスタの数は、トランジスタ62のゲートにおける電圧がそのスレッシュホールド電圧よりも低い電圧においてクランプされるような大きなものとすることは不可能である。このような場合には、トランジスタ62はパワーアップ期間中にターンオンすることはなく、又パワーダウン期間中にオンすることもなく、リセット回路60の動作を排除する。注意すべきことであるが、クランプ電圧に影響を与えることなしに、パワーアップ期間中にトランジスタ62のゲートの充電における遅延を更に助けるために、図4aの直列接続における複数個のトランジスタ70,71と結合して、図4におけるコンデンサ66と同様の態様で、トランジスタ62のゲートへコンデンサを接続させることが可能である。
【0063】
図4bを参照すると、本発明の別の実施例に基づくリセット回路60bが示されており、リセット回路60の代わりに図4のパワーオンリセット回路40において使用するものである。リセット回路60bは、図4のリセット回路と同様に構成されており、トランジスタ62のソース対ドレイン経路はラッチ42の交差結合されたノードC2とVccとの間に接続されている。トランジスタ62のゲートはNチャンネルトランジスタ70へ接続されており、且つコンデンサ66の一方のプレートへ接続されている。図4における如く、トランジスタ70は、Vccとトランジスタ62のゲートとの間においてダイオード形態で接続されており、トランジスタ70のゲートはVccへ接続されている。リセット回路60bは、更に、Nチャンネルトランジスタ68及び73を有しており、それらのトランジスタのソース対ドレイン経路はVccとトランジスタ62のゲートとの間に直列接続されており、且つ該トランジスタの各々はそれらのゲートをトランジスタ62のゲートへ接続している。注意すべきことであるが、トランジスタ68及び73は、それらのスレッシュホールド電圧がトランジスタ62のスレッシュホールド電圧と同一であるように製造することが可能である。
【0064】
図4に関して上述した如く、リセット回路60(及び60a及び60b)が適切に動作するためには、トランジスタ62が、電源Vccがパワーダウンし0Vとなる場合であっても、オンせねばならない。リセット回路60において、このことは、トランジスタ62及び68のスレッシュホールド電圧が異なり、トランジスタ62のスレッシュホールド電圧がトランジスタ68のスレッシュホールド電圧よりも低いようにこれらのトランジスタを製造することによって達成される。しかしながら、このような製造上の要件は、メモリ1を製造するために使用される製造プロセスと適合性がない場合がある。更に、集積回路の製造プロセスにおける多数の変数はスレッシュホールド電圧に顕著な影響を有するものであることが知られている。代替的なリセット回路60bは、直列したトランジスタ68及び73を使用するために、リセット回路60よりも潜在的にプロセスの感度が低下されている回路を提供している。
【0065】
パワーアップにおいて、リセット回路60bは、図4のリセット回路60と同様に動作する。しかしながら、電源Vccがパワーダウンすると、トランジスタ62のゲートが降下する電圧はトランジスタ68及び73によって保持され且つVcc+Vt68 +Vds73であり、尚Vds73はトランジスタ73のソース対ドレイン経路の直列電圧降下である。従って、トランジスタ70がパワーダウンにおいて逆バイアスされると、トランジスタ62及び68のスレッシュホールド電圧が等しい場合(即ち、Vt62 =Vt68 )、トランジスタ62のゲートにおける電圧はそのスレッシュホールド電圧を超えてVccよりも一層高い(即ち、トランジスタ62のソース)。従って、トランジスタ62はノードC2をパワーダウンしたVccへ放電させるべく作用し、ラッチ42をリセットする。
【0066】
電源Vccがパワーアップされた場合に、トランジスタ62のゲートにおける電圧を制御する目的のためには、ダイオード形態ではなくトランジスタ73のゲートをトランジスタ62のゲートへ接続することがリセット回路60bにおいて望ましい。電圧Vds73は、トランジスタ73のスレッシュホールド電圧よりも大きさが小さく、従って、トランジスタ62のゲートにおける電圧は交差結合したノードC2を放電するのに必要なものよりもより高いものではない。このことは有益である。なぜならば、パワーアップする場合に、電源Vccの電圧はトランジスタ68,70,73を介して、トランジスタ62のゲートへ容量的に結合し、且つその時にトランジスタ62のゲートに存在する電圧と加算されるからである。上述した如く、トランジスタ62は計時的スイッチ48の動作の前にターンオンされないことが望ましい。なぜならば、このことは、ラッチ42をしてVccの完全なパワーアップの前にスイッチさせることがあるからである。このようなトランジスタ62を介しての時期尚早な導通の可能性は、電源Vccのパワーアップ時におけるそのゲートにおける電圧がより高いと増加する。従って、リセット回路60bはパワーダウン期間中に導通状態とするのに充分な高さにトランジスタ62のゲートにおける電圧を維持し、且つ異常に高くならないようにし、このような不所望な導通が発生する可能性を減少させている。
【0067】
代替的なリセット回路60bにおいては、プロセス感度の減少は、回路動作の差別的スレッシュホールド電圧に対する依存性を減少することによって得られている。トランジスタ62及び68は同一の寸法で且つ実質的に集積回路内の同一の位置に製造することが可能であり、従って、プロセスにおける変動はトランジスタ62及び68に対して同一な影響を与える傾向となる。直列トランジスタ73を挿入することにより、トランジスタ62はラッチがリセットされるのに充分長い間パワーダウン条件においてオン状態に留まる。
【0068】
勿論、図4のリセット回路60と相対的に、図4a及び4bのリセット回路60a及び60bの別の実施例は、1つ又はそれ以上の付加的なトランジスタを必要とする。当業者は、これらの変形例のうちの1つを選択するか、又は、製造プロセス変動、回路条件、及び設計中の特定の回路のその他の同様な要因に基づいて自明なその他の代替案から選択することが可能である。
【0069】
更に注意すべきことであるが、リセット回路60,60a及び60bは、それらの動作が特に有用であり且つ有益的なパワーオンリセット回路40をリセット動作することに関連して説明したが、それらの回路は、メモリ1内のその他の回路において使用することも可能であり、又メモリ機能を有するか否かに拘らず、その他の集積回路において使用することも可能である。例えば、このような回路においては、パワーアップリセット回路に依存することなしに、電源のパワーダウンによって迅速に放電することが所望される特定のノードがこのような回路内に存在する場合がある。リセット回路60,60a,60bは、上の説明において放電される交差結合したノードC2の代わりにこのようなノードへ接続することにより、このようなノードを放電するために使用することが可能である。
【0070】
評価論理
図5を参照して、評価論理30の構成及び動作について詳細に説明する。上述した如く、ラインPOR及びTRSTは評価論理30への入力であり、この実施例においては、ラインPOR及びTRSTはNANDゲート76の2つの入力端へ接続されており、該ゲート76は、インバータ78を介して、ラインRST を駆動する。ラインPORは、図4に関して上に説明した如く、所定期間の間メモリ1が安全にパワーアップされた後に高レベルにあり、且つ電源Vccが喪失されるか又はたった今パワーアップされたような場合には低論理レベルにある。図1に関して上に説明した如く、メモリ1がチップイネーブル入力E1及びE2を介して選択されない場合には、ラインTRSTは高論理レベルにあり、メモリ1が選択される場合には、ラインTRSTは低論理レベルにある。従って、ラインPOR又はTRSTの何れかが低論理レベルにあると、ラインRST は低論理レベルにあり、テストモードイネーブル回路29をリセットさせ且つ以下に説明する如く、テストモードへのエントリを防止する。メモリ1が完全にパワーアップされた場合でチップ選択入力E1及びE2を介して選択されたものではない場合には、ラインRST が高論理レベルとなり、例えば特別テストモード等のような特別動作モードへのエントリを許容する。
【0071】
更に、上述した如く、評価論理30はラインA1及びCKBHV上の入力を受取る。アドレス端子A1からのラインA1は、本実施例においては、2つの使用可能なテストモードの内の所望の1つを選択する。ラインCKBHV上の高論理レベルは、選択したアドレス入力A3上で過電圧条件を受取ったことを表わし、アドレス端子A1における状態を効果的にクロック入力し、所望のテストを選択する。このことは、NANDゲート801 及び800 により評価論理30内において達成される。尚、該NANDゲートの各々は、その入力端をラインCKBHVへ接続しており、且つその他方の入力端をラインA1へ結合しており、NANDゲート801 に対するものはインバータ82によって反転され、一方NANDゲート800 に対するものは反転されない。NANDゲート80の各々はインバータ81を介して相補的出力を供給する。従って、NANDゲート800 はラインCK4及びCK4 上の信号を駆動し、且つNANDゲート801 はラインCK1及びCK 1上の信号を駆動する。
【0072】
図5aを参照して、評価論理30の別の実施例である評価論理30aについて説明する。本明細書において説明する如く、テストモードへの不本意なエントリに対すセキュリティ(安全性)が望ましく、従って、例えばノイズ、パワーダウン及びパワーアップシーケンス、及びホットソケット挿入等のようなイベント(事象)は特別動作乃至はテストモードへのエントリを発生するものでないことが望ましい。評価論理30aは、特別テストモードを選択するための拡張コードを設けることを要求することにより、テストモードへのこのような不本意なエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。
【0073】
例えば、前に掲載したMcAdams et al.の文献に記載される如き従来技術は、幾つかの特別テストモードのうちの1つを選択するためのアドレス端子を使用していた。しかしながら、このような従来技術においては、特別テストモードの選択のために使用される端子数は最小とされており、検査される端子のみが使用可能なモードの全てを個別的に選択することが要求される。例えば、McAdams et al.の文献において、10個のモードから選択するために最小数の4個の端子が使用されている。従って、ノイズ、パワーアップ及びその他上述したものの状態において、過電圧又はその他の選択条件が存在する場合には、特別テストモードへのエントリの可能性は極めて高い。
【0074】
更に、McAdams et al.の文献に記載されるような従来技術においては、特別テストモードは、全ての端子が同一の論理レベルにある場合の、例えば全てが「0」である場合のコードによって選択可能である。このような条件はパワーアップ又はホットソケット挿入の期間中に発生する可能性があり、従って過電圧又はその他の選択条件が存在しており、且つ幾つかのモードのうちのどれかを選択するために使用される端子が同一の論理レベルにある場合に、特別テストモードの選択が発生する場合がある。
【0075】
評価論理30aは、メモリ1において選択可能なテスト(又はその他の)モードの数に対して必要とされる最小数のアドレス端子よりも多くのものを使用することにより、このようなテストモードへの不本意のエントリに対する付加的なセキュリティを与えており、即ち、アドレス端子から選択可能な使用可能な選択コードは動作可能なコードと共にまばらに設けられている。更に、評価論理30aは全てが「0」又は全てが[1」のコードは特別テストモードを選択すべく動作しないような態様で構成されている。
【0076】
評価論理30aはNANDゲート78を有しており、それはラインPOR及びTRSTを受取り、且つそれは図5の評価論理30と同様に、インバータ79を介して信号RST を供給する。ラインCK4及びCK4 によるパラレルテスト機能の選択のために、評価論理はNANDゲート840 を有しており、該ゲートの入力端はアドレスバッファ11からのアドレス端子A0,A2,A5へ接続されており(又は、別法として、アドレス端子から直接的に)、且つ過電圧検知回路32からラインCKBHVへ接続される入力端を有している。NANDゲート860 は、ラインCKBHVへ接続された入力端を有しており、且つアドレスバッファ11からアドレス端子A1及びA4へ接続されておりインバータ820 によって反転される入力端を有している。一方、アドレスバッファ11からの真及び補数ラインは、評価論理30aへ等価信号を通信することが可能である。NANDゲート840 及び860 の出力端は、NORゲート880 の入力端へ接続されている。NORゲート800 の出力端は、前述した評価論理30におけるのと同様に、クロックラインCK4及びインバータ810 を介してクロックラインCK4 を駆動する。
【0077】
クロックラインCK1及びCK1 を介して別のテスト機能を選択するために、評価論理30aは、その入力端においてラインCKBHVを受取ると共にアドレス端子A0,A2,A5の状態をインバータ821 によって反転した状態で受取るNANDゲート841 を有すると共に、その入力端においてラインCKBHVを受取り且つアドレス端子A1及びA4の状態を受取るNANDゲート861 を有している。NANDゲート841 及び861 の出力端はNORゲート881 の入力端へ接続されており、該NORゲートはラインCK1及びCK1 を駆動する(インバータ811 を介して)。
【0078】
評価論理30aの動作に関して、クロックラインCK4及びCK4 を介してパラレルテストモードを選択するための回路に関して説明する。NORゲート880 は、その入力が両方とも低論理レベルにある場合にのみ、ラインCK4及びCK4 上でイネーブル用クロックパルスを通信する(即ち、ラインCK4上に高論理レベルで且つラインCK 4上に低論理レベル)。NANDゲート840 及び860 は、それらの入力の全てが高論理レベルにある場合にのみ、それらの出力端において低論理レベルを供給する。従って、NORゲート880 は、過電圧検知回路32によって検知される過電圧エクスカーションに関連して、アドレス端子A5,A4,A2,A1,A0によってコードが供給される場合にのみ、イネーブル用クロック信号を供給する。注意すべきことであるが、過電圧検知回路32によって検知される過電圧エクスカーションに関連して、アドレス端子A5,A4,A2,A1,A0によって与えられるコードが01010に等しい場合にのみ、第二特別モードをイネーブルさせるために、評価論理30aが、NORゲート881 を介して、ラインCK1及びCK1 上のイネーブル用クロック信号を駆動する。上に特定した2つのコード(10101及び01010)以外のその他の条件を有する過電圧エクスカーションの場合には、イネーブル用クロックラインCK4又はCK1の何れも応答することはない。
【0079】
従って、評価論理30aは、2つの態様で、特別テスト又は動作モードへの不本意なエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。第一に、2つの特別テストモードのみを有するメモリ1においては、5個のアドレス端子が評価論理30aによって検査される。従って、本発明のこの実施例に基づいて特別テストモードが選択される確率(即ち、マルチクロック動作が必要とされる場合と相対的な上述した実施例においては、誤ったクロック動作の発生の確率)は32のうちの2の確率である。注意すべきことであるが、上述した評価論理30の場合における確率、即ち過電圧エクスカーションが夫々のクロックラインCK1又はCK4のイネーブルを発生させる確率は確実的なものである。なぜならば、使用可能な特別テストモード(即ち、2)の選択のために最小数のアドレス端子(即ち、1)が使用されているからである。前述したMcAdams et al.文献の場合と比較して、過電圧エクスカーションの場合に特別テストモードにエンタする確率は、少なくとも、16のうちの9である(該モードのうちの1つはリセットコードである)。
【0080】
第二に、注意すべきことであるが、このようなイネーブルのために評価論理30aのこの実施例において使用されるコードは全てが「0」又は全てが「1]ではなく、過電圧エクスカーションの場合における全てが「0」又は全てが「1」のコードの何れかを受取ることは、クロックラインCK1及びCK4においてイネーブル用クロック信号が表われることとはならない。上述した如く、アドレス端子における全てが「0」又は全てが「1」の状態は、パワーアップ又はホットソケット挿入期間中に最も可能性のある状態であると考えられる。注意すべきことであるが、McAdams et al.文献(表4はIV参照)における全てが「0」のコードはパラレル(並列的)の読取り及び書込み動作を選択し、全てが「1」のコードは何等特定された機能を有してするものではないが、明らかに、通常動作(これは0111によって選択される)へリセットするものではない。評価論理30aはこのようなコードに応答するものではないので、テストモードへの不本意なエントリに対するセキュリティの付加的なレベルが与えられる。
【0081】
注意すべきことであるが、評価論理30aは、別法として、テストモードイネーブル回路29において単一クロック動作構成と共に使用することが可能であり、即ち、その場合には、単一の過電圧エクスカーションがテストモードをイネーブルさせることが可能であり、且つ上述したテストモードエントリに対する付加的なセキュリティを与える。評価論理30aの特徴を組込んだメモリに対して2つを超えた特別テストモードを使用することが可能であり、選択コードにおけるまばら性の利点を維持するために、付加的なアドレス端子を検査することが望ましい。
【0082】
再度図2を参照すると、テストモードイネーブル回路29は、更に、Dフリップフロップ90及び92を有しており、それらはテストモードイネーブル回路29によって選択可能なテストモードの各々に対して直列的に接続されている。この実施例においては、2つのテストモードが、アドレス端子A1の状態に依存して、テストモードイネーブル回路29によって選択可能であるから、2対のDフリップフロップ90及び92がテストモードイネーブル回路29内に設けられている。メモリ1に対する付加的なテストモードを設ける場合には、付加的な対のDフリップフロップ90及び92を設ければよい。
【0083】
本発明によれば、アドレス端子A3における一連の過電圧条件が、特別テストモードへのエントリを行なわせるために必要である。このことは、必要な一連の過電圧条件の数が2つのこのようなサイクルである場合、各テストモードに対して2つのフリップフロップ90及び92を設けることにより、テストモードイネーブル回路29において達成される。付加的なセキュリティの目的のために、2つを超えた過電圧サイクルが特別テストモードへのエントリのために必要とされることが所望される場合には、付加的なフリップフロップが図2における2個のフリップフロップ90及び92の直列シーケンスへ付加される。ホットソケット挿入等の期間中の不本意なテストモードのエントリを回避するために、2つの過電圧サイクルが充分であると考えられ、従って本発明のこの実施例においてはフリップフロップ90及び92が設けられている。
【0084】
フリップフロップ
図6を参照して、Dフリップフロップ90及び92の好適な構成について、特にDフリップフロップ900 を参照して説明する。注意すべきことであるが、その他のラッチ、双安定マルチバイブレータ、又は種々のタイプのフリップフロップ(例えば、R−S及びJ−Kフリップフロップ、及び単一段クロック型ラッチ)を、ここに記載する如くDフリップフロップ90及び92の代わりに使用することも可能である。更に注意すべきことであるが、本発明のこの実施例においては、フリップフロップ90及び92の各々は図6に示した如くに構成されており、一方、所望により、本発明に基づいてテストモードイネーブル回路29におけるフリップフロップ92と対照的に、フリップフロップ90に対して異なった構成を使用することも可能である。
【0085】
フリップフロップ90及び92の各々は、相補的なクロック信号を受取るためのCK及びCK 入力を有しており、且つデータ入力D及びリセット入力R を有しており、フリップフロップ90及び92の各々は非反転出力Qを供給する。図6を参照すると、パスゲート94は相補的なクロック入力CK及びCK によってゲート動作される相補的なMOSトランジスタから構成されており、パスゲート94の一側部はD入力を受取る。パスゲート94の他側部はNANDゲート96の一方の入力端へ接続されており、該ゲートの他方の入力端はリセット入力R へ接続されている。パスゲート94及びNANDゲート96は、NANDゲート96の出力端へ入力端を接続しているインバータ97と共に、フリップフロップ900 の第一段として作用する。従って、インバータ97の出力端はこの第一段の出力端であり、且つパスゲート100における第二段の入力端へ接続されている。パスゲート94へ接続されているNANDゲート96の入力端も第二パスゲート98へ接続されており、該第二パスゲートは、パスゲート94と相補的にゲート動作され、パスゲート94におけるNチャンネル及びPチャンネルトランジスタは、夫々、クロック信号CK及びCK によってゲート動作され、一方パスゲート98におけるNチャンネル及びPチャンネルトランジスタは、夫々、クロック信号CK 及びCKによってゲート動作される。パスゲート98は、インバータ97の出力端へ接続されており、且つパスゲート94がターンオフされた後にNANDゲート96の状態をラッチするように作用し、従ってフリップフロップ900 の動作を安定化させる。
【0086】
フリップフロップ900 の第二段は第一段と同様に構成されているが、第一段と相補的にクロック動作する。パスゲート100もクロック入力CK及びCK によってゲート動作される相補的なMOSトランジスタから構成されているが、パスゲート94とは反対の態様でゲート動作される(即ち、クロック入力CK及びCK がパスゲート94において制御する場合にパスゲート100における反対のトランジスタを制御する)。パスゲート100の他方の側はNANDゲート102の入力端へ接続されており、該ゲートはその他方の入力端においてリセット入力R を受取る。NANDゲートの出力端は、インバータ103を介して、フリップフロップ900 のQ出力端へ接続されている。第一段における場合と同様に、パスゲート104は、インバータ103の出力端とパスゲート100へ接続されているNANDゲート102の入力端との間に接続されており、且つパスゲート104はパスゲート100と相対的にクロック入力CK及びCK によって相補的にクロック動作されインバータ103の出力と共にNANDゲート102の入力をラッチする。
【0087】
動作について説明すると、フリップフロップ900 は従来の二段D型フリップフロップとして動作する。クロック入力CKが高へ移行し且つCK が低へ移行すると、パスゲート94の両方のトランジスタがターンオンし、且つD入力端における論理状態をNANDゲート96へ送給する。高論理レベルがD入力端へ供給される例においては、図2に示した如く、且つ非リセット条件(即ち、リセット入力R が高)を仮定すると、D入力の補数(即ち、低論理レベル)がNANDゲート96の出力端へ供給され、且つインバータ97によって反転される。従って、高論理レベルがインバータ97の出力端において残存し、パスゲート98及び100がターンオフされる。
【0088】
クロック入力CK が高へ移行し且つクロック入力CKが低へ移行すると、パスゲート94がターンオフし、且つパスゲート98及び100がターンオンされる。従って、パスゲート98は、NANDゲート96の入力端をインバータ97の出力端へ接続させ、NANDゲート96の状態を安定化させる。パスゲート100は、インバータ97の出力端における高論理レベルをNANDゲート102の入力端へ送給し、該NANDゲートは、リセット入力R が高論理レベルにあると、NANDゲート102及びインバータ103によって2度反転される。従って、インバータ103は非反転Q出力端において高論理レベルを駆動する。クロック入力CK が低へ復帰し且つクロックCKが高へ復帰すると、パスゲート104がターンオンし、インバータ103がNANDゲート102の入力端を駆動してフリップフロップ900 のこの段を安定化することを可能とする。
【0089】
リセット入力R はフリップフロップ900 を無条件にリセットする。リセット入力R が低論理レベルへ移行すると、NANDゲート96及び102の両方が、それらの他方の入力の状態に無関係に、それらの出力端において高論理レベルを供給する。従ってインバータ97及び103の各々は、それらの出力端において低論理レベルを供給し、従ってフリップフロップ900 のQ出力端には低論理レベルが表われる。通常動作状態においては、クロック入力CKが低であり且つクロック入力CK が高であり、インバータ97の出力端における低論理レベルがNANDゲート96に対する他方の入力を駆動し、フリップフロップ900 をその初期状態にリセットする。この初期状態は、リセット入力R が高論理レベルへ復帰した後に残存する。
【0090】
種々のコンデンサ105及び106がフリップフロップ900 の特定のノードへ接続して設けられており、コンデンサ105はVccへ接続されており、且つコンデンサ106はVssへ接続されている。これらのコンデンサは、通常、従来のフリップフロップには設けられていないが、本発明のこの実施例に従ってフリップフロップ900 においては有用なものであり、それが設けられているメモリ1のパワーアップ時にその状態を提供する。上述した如く、メモリ1がパワーアップ時に特別テストモードにエンタすることは好ましいことではない。従って、適切なテストモードイネーブル信号を受取った場合にのみ(この場合は、2つの過電圧条件)、メモリ1が何れかの特別テストモードにエンタするものであるようにフリップフロップ90及び92の状態がセットされることが重要である。従って、パワーアップ時にコンデンサ105がNANDゲート96及び102の出力端をVccへ結合させ、且つコンデンサ106がNANDゲート96及び102の入力端及びインバータ97及び103の出力端をVssへ結合させる。このことは、過電圧エクスカーションを受取っていない初期条件において、パワーアップ時に、テストモードイネーブル回路29(全て同様に構成されている)におけるフリップフロップ90及び92をセットする。
【0091】
図2はテストモードイネーブル回路29におけるフリップフロップ90及び92の接続状態を示している。フリップフロップ900 及び920 の両方に関しては、評価論理30からのラインCK4及びCK4 が夫々相補的クロック入力端CK及びCK へ接続されており、且つ評価論理30からのラインRST がリセット入力端R へ接続されている。フリップフロップ900 の場合、データ入力端DはVccへ接続されており、従ってフリップフロップ900 によってクロック入力されるデータは常に高論理レベルである。図2に示した如く、フリップフロップ920 はそのD入力端をフリップフロップ900 の非反転Q出力端へ接続している。逆に、フリップフロップ901 及び921 の相補的クロック入力端CK及びCK は評価論理30からのラインCK1及びCK1 へ接続されており、フリップフロップ901 及び921 のD及びR 入力端はフリップフロップ900 及び920 と同様に接続されている。
【0092】
フリップフロップ920 及び921 の非反転Q出力端はドライバ110へ接続されている。ドライバ110は、実施すべき特別テスト機能のイネーブル及びディスエーブルを実行するのに必要な如く、フリップフロップ92のQ出力端の出力をメモリ1の残部へ送給するための従来のバッファ/ドライバである。例えば、この実施例においては、ラインTはフリップフロップ920 の出力に従ってドライバ110によって駆動され、且つパラレルテスト回路28へ接続されている。フリップフロップ920 の出力端における高論理レベルはパラレルテスト回路28へ送給されてパラレルテスト機能をイネーブルさせる。同様に、ラインT2 は本実施例においては第二の特別テストモード乃至は動作の選択のために、フリップフロップ921 のQ出力端の状態に従って、ドライバ110によって駆動される。
【0093】
テストモードイネーブル回路の動作
図7を参照して、種々の条件に従ってのテストモードイネーブル回路29の動作について説明する。この動作は、ラインTによるパラレルテスト回路28のイネーブル動作について説明するが、勿論、評価論理30によって検査することの可能な例えばラインA1等のようなその他の入力又はあるアドレスの状態に依存して、他の特別テスト機能を選択することが可能である。
【0094】
このテストモードイネーブル回路29の動作の説明は、時間t0 において、メモリ1が通常動作モードにある状態で開始するが、メモリ1はイネーブルされていない。従って、ラインPORは高(メモリ1が暫くの間パワーアップしている)、且つ、メモリ1がイネーブルされていないので、ラインTRSTは高である。従って、図2のテストモードイネーブル回路29におけるラインRST は高論理レベルにあり、従ってフリップフロップ90及び92は、それらが必要なクロック信号を受取った場合にそれらのD入力端に供給されるデータを受取り且つクロック動作することが可能である状態にある。
【0095】
時間t0 においては、アドレス端子A1及びA0がアドレスとしてそれらの通常状態にあり、このような動作期間中にこのような遷移を提供することを可能としている。従って、これらの端子の状態が特別テストモードへのエントリの目的のために「don’t care」であるが、これらの端子の状態は、勿論、メモリ1の動作において重要性を有している。アドレス端子A1及びA3がこの条件にある場合、評価論理30からのラインCK4及びCK4 は、夫々、低及び高である。フリップフロップ900 及び920 が初期条件にあり、且つ従って、それらの出力端Q(フリップフロップ920 の場合ラインTとして示してある)は低論理レベルにある。
【0096】
本実施例においてはパラレルテストモードである特別テストモードへのエントリは、アドレス端子A3が過電圧条件への最初の遷移で開始する。以下に説明する如く、本発明のこの実施例においては、この過電圧(オーバーボルテッジ、即ちovervoltage)条件は実際には「アンダーボルテッジ(undervoltage)」条件であり、その場合、アドレス端子A3における電圧は電圧Vtripへ駆動され、その電圧Vtripは低論理レベル電圧より低いある値であって、且つ実際には、Vssよりも数ボルト低い場合がある。アドレス端子A3は、この実施例においては、時間t1 においてVtripレベルに到達する。
【0097】
図3及び図5に関して上に説明した如く、アドレス端子A3がVtrip又はそれ以下の電圧に到達すると、ラインCKBHV上で高電圧レベルが駆動される。評価論理30におけるNANDゲート80によって、このことはアドレス端子A1において論理状態をクロック入力させる。この場合に、パラレルテスト回路28のイネーブル動作のために、アドレス端子A1は高論理レベルにある。その結果、図7において時間t2 において、クロックラインCK4及びCK4 は夫々高論理レベル及び低論理レベルへ移行する。
【0098】
フリップフロップ900 はそのD入力端をVccへ接続しているので、クロックラインCK4及びCK4 が夫々高及び低へ移行すると、「1」状態がその第一段内へクロック入力される。時間t3 においてアドレス端子A3がレベルVtripより高いその公称範囲内へ復帰すると、ラインCKBHVは低論理レベルへ復帰し、且つラインCK4及びCK4 は時間t4 において夫々低レベル及び高レベルへ復帰する。このことは、上述した如く、「1」状態をフリップフロップ900 の第二段内へクロック入力させ、従って、時間t5 において、その非反転Q出力端において高論理レベルが供給される。
【0099】
注意すべきことであるが、時間t5 において、アドレス端子A3における最初の過電圧エクスカーションの後に、ラインT上に高論理レベルのテストモードイネーブル信号は未だに発生されていない。これは、勿論、テストモードイネーブル回路29の構成に起因するものであって、該回路は、テストモードをイネーブルさせるための直列した複数個のラッチ(本実施例においては、2個のフリップフロップ90及び92)を有しており、特別テストモードをイネーブルさせるためには複数個の過電圧エクスカーションを必要としているからである。従って、この構成は、ホットソケット挿入、電力損失とその後のパワーアップ、等に起因してテストモードをイネーブルさせるために使用される特定の端子上のノイズに基づいて特別テストモードを不本意にイネーブルすることに対しセキュリティを与えている。このようなイベント(事象)は問題の端子(この場合は、アドレス端子A3)上に単一の過電圧イベントを発生させる場合があるが、このようなイベントの複数個のものを発生させる可能性は著しく低い。従って、特別テストモードの選択のために複数個の過電圧エクスカーションを必要とすることにより、本発明のこの実施例に基づくメモリ1は改良された信頼性を与えており、且つメモリ1がシステム内に据え付けた後、特別テスト又は特別動作モードにエンタして、その中に格納されているデータが回復不可能なように喪失されたり又は上書きされるような壊滅的な状態が発生することを回避している。
【0100】
時間t6 において、アドレス端子A3はVtripより低い電圧への2番目の過電圧遷移を行なっている。アドレス端子A1は未だに高論理レベルにあるので、このことは、時間t7 において、ラインCK4上において高論理レベル信号を発生させ且つラインCK4 上において低論理レベル信号を発生させ、そのことは、フリップフロップ900 のQ出力端における高論理レベルをフリップフロップ920 の第一段内にクロック入力させる。時間t8 において、アドレス端子A3が、電圧Vtripより高いその公称範囲内に復帰する。このことは、時間t9 において、クロックラインCK4及びCK4 を夫々低論理レベル及び高論理レベルへ復帰させ、そのことは、Q出力端の高論理レベルを第二段のフリップフロップ920 内へクロック入力させる。その結果、時間t10において、フリップフロップ920 のQ出力端からドライバ110によって駆動されるテストモードイネーブル信号ラインTが高論理レベルに到達する。このことは、パラレルテスト機能がイネーブルされたことを、パラレルテスト回路28、及びパラレルテスト機能をイネーブルさせるのに必要なメモリ1内のこのようなその他の回路へ通信する。注意すべきことであるが、本発明のこの実施例は、特別テストモードがエンタされるためには、同一の特別テストモード選択コードが両方の過電圧エクスカーションに対して存在することを必要とする。上の実施例においては、このコードはアドレス端子A1における高論理レベルである。例えば、アドレス端子A1がアドレス端子A3の2番目の過電圧エクスカーション期間中に低論理レベルにあると、クロックラインCK4及びCK4 は夫々高レベル及び低レベルへ駆動されることはない。なぜならば、NANDゲート800 は、無条件に、その出力端において高論理レベルを有しているからである(それは、クロックラインCK4 を直接的に駆動し、且つクロックラインCK4をインバータ82を介して駆動する)。この特別テストモードをイネーブルするためには同一のコードを2回必要とするということは、付加的なセキュリティ(安全性)を与えている。
【0101】
注意すべきことであるが、更なるセキュリティのため、且つ減少した数のピンで付加的な特別テスト機能を選択するために、評価論理30内に別のコーディングを容易に設けることが可能である。例えば、フリップフロップ90及び92の付加的なシリーズを設け評価論理へのそれらのクロック入力端への適宜の接続を設けることにより、このようなシーケンス動作を容易に達成することが可能である。例えば、第三対のフリップフロップ902 及び922 は、フリップフロップ902 が端子A1上の高論理レベルと共に、端子A3上の過電圧条件に応答してフリップフロップ902 がクロック動作され(即ち、そのクロック入力端はラインCK4及びCK4 へ接続されている)、且つそれと関連したフリップフロップ922 が端子A1上に低論理レベルが存在する状態で過電圧条件に応答してクロック動作する(即ち、そのクロック入力端はCK1及びCK1 へ接続されている)ような態様で設けることが可能である。本明細書を参照することにより、当業者が、多数のその他のこのような組合わせ、及び付加的なコーディング及び組合わせを適用することは自明である。
【0102】
次に、図2aと図5bとを共に参照して、本発明の別の実施例に基づく評価論理30b及びテストモードイネーブル回路29bについて説明する。この別の実施例に基づく評価論理30bは、複数個の特徴に基づいて、テストモードへの不本意のエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。注意すべきことであるが、評価論理39bはこれらの特徴の組合わせを有しているが、これらの特徴のうちの各々は個別的に使用可能なものであり、これらの特徴の組合わせはそれらの利点のうちの幾つかを得るために必ずしも必要なものではない。
【0103】
図2aのテストモードイネーブル回路29bは、過電圧検知回路32へ接続して第二リセット信号ラインRSTA を設けることにより、図2のテストモードイネーブル回路29と異なっており、以下の説明から明らかな如く、評価論理30bは、異なった組合せの信号に応答してリセット信号ラインRST 及びRSTA を発生する。ラインRSTA は上述したラインRST と同一の態様で過電圧検知回路32を制御する。テストモードイネーブル回路29bは、更に、フリップフロップ900 及び901 の出力端を評価論理30bへ接続しており、テストモードイネーブル回路29bの現在の状態を評価論理30bへフィードバックさせている。以下の説明から明らかな如く、このようなフィードバックは、不本意なテストモードエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。
【0104】
図5bを参照して、この実施例に基づく評価論理30bの構成について説明する。評価論理30bは、図5aの評価論理30aの場合における如く、ラインPOR,TRST,CKBHV上の入力を受取り、且つアドレス端子A0,A1,A2,A4,A5からの入力を受取る。評価論理30bは、ラインRST ,CK4,CK4 ,CK1,CK1 上に出力を供給する。更に、評価論理30bは、図2aのフリップフロップ900 及び901 からラインQ0及びQ1上の入力を受取り、且つ、上述した如く、ラインRSTA を介して過電圧検知回路32へ出力を供給する。
【0105】
ラインRST はフリップフロップ90及び92のR 入力端へ接続しており、高論理レベルになるとそれをリセットする。評価論理30及び30aにおける場合と同じく、ラインRST は、その入力端においてラインPOR及びTRSTを有するNANDゲート78の出力に従ってインバータ79により駆動される。同様に、ラインRSTA は、NANDゲート78Aの入力端におけるラインPOR及びTRSTと共に、NANDゲート78Aからインバータ79Aによって駆動される。更に、NANDゲート78は、第三入力端において、NANDゲート93の出力を受取り、そのNANDゲート93は、その入力端において、過電圧検知回路32からのラインCKBHVを受取ると共にORゲート77からの信号をインバータ91を介して受取る。
【0106】
ORゲート77は、評価論理30b内の論理の最後の出力端であり、それはそれに供給された信号を評価し且つ特別テストモードイネーブル動作が発生したか否かを決定する場合にテストモードイネーブル論理29bの状態を検知する。ラインQ0及びQ1は排他的ORゲート85の入力端へ接続されており、該ゲートの出力端はANDゲート87の第一入力端へ接続されている。ANDゲート87の第二入力端はD型フリップフロップ95のQ出力を受取り、該フリップフロップのD入力端はVccへ接続されており、且つそのR 入力端はラインRST へ接続されており、且つそのクロック及び補数クロック入力端(CK及びCK )はANDゲート89の出力端へ接続されており、CK 入力端へ接続されているラインの場合においてはインバータ99によって反転されている。ANDゲート89は一方の入力端においてラインCKBHVを受取り、且つ他方の入力端においてはORゲート77の出力を受取る。
【0107】
これらのアドレス端子のうちのあるものは、評価論理30aにおける如く、NANDゲート800 及び801 によって評価される。この場合においては、NANDゲート800 は、インバータ820 によって反転されアドレス端子A2へ接続された入力端を有しており、且つアドレス端子A0 及びA1へ接続された入力端を有している。一方、NANDゲート801 は、インバータ821 によって反転されアドレス端子A0及びA1へ接続された入力端を有しており、且つアドレス端子A2へ接続された入力端を有している。NANDゲート80の各々は、上述した如く、ANDゲート89の出力端へ接続された入力端を有している。NANDゲート800 及び801 は、上述した如く、直接的に且つインバータ81によって反転されて、相補的なラインCK4(及びCK4 )及びCK1(及びCK1 )を駆動する。
【0108】
この実施例に基づく評価論理30bにおいては、アドレス端子A4及びA5は、ラインQ0及びQ1によって通信されるフリップフロップ90の状態と共に、付加的な論理によって評価される。ANDゲート87の出力は、ANDゲート751 及び(インバータ832 による反転の後に)ANDゲート750 の夫々の一方の入力端を駆動する。ANDゲート75は、更に、所望のコードに依存して、両方共直接的に及びインバータ83によって反転されて、ラインA4及びA5の状態を受取る。図5bの実施例においては、ANDゲート750 は非反転状態でアドレスラインA4を受取り且つ反転した状態でアドレスラインA5を受取り、且つANDゲート751 は反転された状態でアドレスラインA4を受取り且つ非反転状態でアドレスラインA5を受取る。ANDゲートの出力端はORゲート77の入力端へ接続されている。
【0109】
メモリ1が通常動作モードにある後の特別動作モード選択動作と相対的に、評価論理30bの動作について説明する。この動作は、前述した実施例における如く、過電圧エクスカーションのシーケンスに従って実施される。しかしながら、この実施例においては、評価論理30bは、クロック信号CK4及びCK4 によってイネーブルされるパラレルテストモードの選択のためにアドレス端子(A5,A4,A2,A1,A0の順番)へシーケンス01011及び10011が供給されることを必要とする。
【0110】
初期状態においては、ラインPOR及びTRSTが高論理レベルにあり、従ってラインRST は高論理レベルにあり、テストモードイネーブル回路29bが特別動作モード(即ち、特別テストモード)の初期化に応答することを可能としている。フリップフロップ900 及び901 の出力端からのラインQ0及びQ1は、両方とも、低論理レベルにあり、従って、排他的ORゲート85は、低論理レベルをANDゲート87へ供給している。更に、この状態において(この場合には、メモリ1がチップイネーブル端子E1及びE2からイネーブルされるものではないと仮定する)、フリップフロップ95のQ出力も低論理レベルにある。従って、ANDゲート87の出力は低論理レベルであり、そのことは、ANDゲート751 の出力を低論理レベルとさせる。従って、アドレス端子A4及びA5はANDゲート750 によって評価され、それは、ラインA4が高であり且つラインA5が低である場合には、高論理レベルを供給する。この場合においては、コード01011が供給されると、ORゲート77はその出力端において高論理レベルを供給する。
【0111】
端子A3における過電圧エクスカーションの場合には、ラインCKBHVが高論理レベルにある。このことは、ANDゲート89をして、その出力端において高論理レベルを発生させ、Vccの高論理レベルをフリップフロップ95内にクロック入力させる。更に、ANDゲートの出力端がNANDゲート80の各々の1つの入力端へ接続されており、アドレス端子A0 ,A1,A2の状態を評価することを可能としている。更に、ORゲート77の出力は高であるので(コード01011が供給されるため)、インバータ79の出力端からのラインRST は、NANDゲート93の出力によって高であり、且つラインPOR及びTRSTの全ては高論理レベルにある。
【0112】
過電圧エクスカーションと関連してアドレス端子にコード01011が供給されると、ラインCK4及びCK4 は、夫々、NANDゲート800 及びインバータ810 によって高及び低へ駆動される。以下に説明する如く、アドレス端子A3における過電圧エクスカーションの終りにおいて、フリップフロップ900 は高論理レベルをクロック入力し且つそれを、図5bのラインQ0によって排他的ORゲート85へ接続されているそのQ出力端へ供給する。ラインQ1は低状態に留まる。なぜならば、この状態はフリップフロップ901 内にクロック入力されていないからである。従って、適宜のアドレス端子へ有効なコードの01011が供給された状態でラインA3上に過電圧エクスカーションが発生した後に、フリップフロップ95のQ出力端及び排他的ORゲート85の出力端の両方は高論理レベルにあり、ANDゲート87の出力端を高状態とさせ、且つANDゲート751 をイネーブルさせて次のエクスカーションに対しアドレス端子A4及びA5を評価する。このように、アドレス端子A5及びA4が第一サイクルにおける01ではなくコード10を受取ることに応答して今やORゲート77は高論理レベルを供給するに過ぎないので、評価論理30bは1つの過電圧エクスカーションから次のものへ有効コードを変更する。
【0113】
注意すべきことであるが、最初のエクスカーションにおいて有効コードを受取ったことによってのみ、評価論理30bはそのコードを変更させる。このことはANDゲート87に基づいており、該ゲートはフリップフロップ95をセットするために有効コードを有する過電圧エクスカーション、及び単に1つの有効コードが受取られていること(即ち、ラインQ0及びQ1の一方のみが高であることが可能である)の両方を必要とする。
【0114】
過電圧エクスカーションと関連して2番目の有効コード(10011)を受取ると、クロックラインCK4及びCK4 が、高及び低へ夫々駆動され、且つ復帰する。以下に更に詳細に説明する如く、このようなシーケンスはラインT上に信号を発生し、パラレルテストモードの選択を行なう。
【0115】
複数個の過電圧エクスカーションに対し異なったコードを必要とするこの選択方法は、不本位なテストモードエントリに対し付加的なセキュリティを与えている。例えば、過電圧エクスカーションがノイズ又はホットソケット挿入に起因するものである場合には、過電圧エクスカーションと同一の時間に該アドレス端子において適切なコードシーケンス(例えば、01011に続いて10011)が存在する可能性は殆どない。必要とされる有効コードのシーケンスは、該有効コードがアドレス端子における1組の使用可能な値の中で極めてまばらであるということを考慮にいれると、更なるセキュリティを提供している。
【0116】
評価論理30bは、更に、種々のリセット機能により付加的なセキュリティを与えている。最初に、過電圧エクスカーションと共に、アドレス端子A4及びA5において無効なコードが受取られる場合には、ORゲート77の出力は低論理レベルにあり、そのことは、インバータ91による反転の後に、NANDゲート93の出力を低論理レベルへ移行させる。このことは、ラインRST 上に低論理レベルを出現させ、そのことは、テストモードイネーブル回路29内のフリップフロップ90及び92、及び評価論理30b内のフリップフロップ95をリセットさせる。従って、評価論理30bは、特別テストモードをイネーブルさせるためには2つの異なった有効なコードが受取られることを必要とするばかりではなく、これら2つのコードが、それらの間において、無効なコードを受取ることなしに、互いに直接的に前後していることを必要とする。このことは、特別テストモードを選択する場合のセキュリティを更に向上させている。
【0117】
注意すべきことであるが、このような無効コードの場合には過電圧検知回路32はイネーブルされたままであり、そのことは、無効コードを受取った後引き続き過電圧エクスカーションの受領を行なうことを可能とする。
【0118】
勿論、適宜の論理を付加することにより、より長い又は異なったシーケンスのコードを評価論理30b内に設けることが可能である。例えば、アドレス端子A4及びA5の場合における如く、ANDゲート87によって選択される付加的なAND又はNAND機能と共に、アドレス端子の全てを評価することが可能であり、従ってイネーブルされるべき特別テストモードに対して全てのビットが変化せねばならない。本明細書を参照することにより、当業者がその他の変形例及び修正例を使用することは自明である。
【0119】
図2b及び図5cを共に参照して、本発明の更に別の実施例に基づく評価論理30c及びテストモードイネーブル回路29cについて説明する。この別の実施例に基づく評価論理30cは、特別テストモードコードを与える最小数の端子のみが使用可能である場合に、テストモードへの不本意のエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。例えば、単に1つの端子が特別テストモードコードの供給に対して使用可能である場合、図2b及び図5cの実施例は、テストモードへエントリする前に特定のシリアルシーケンスを要求することによりテストモードへの不本意なエントリに対するセキュリティを与えている。図2bを参照すると、テストモードイネーブル回路29cは、単一アドレス端子A1のみが評価論理30cへ接続されている状態を示している。評価論理30cは、過電圧エクスカーションと共に端子A1において受取られる直列データを評価し、且つこのシーケンスに従ってフリップフロップ90及び92のクロック動作を制御するための回路を有している。
【0120】
図5cを参照して、アドレス端子A1からの直列データストリームを評価し且つテストモードイネーブル回路29内のフリップフロップ90及び92のクロック動作を制御するための評価論理30cの構成について説明する。評価論理30cはシフトレジスタ100を有しており、それは、過電圧検知回路32によって検知され且つラインCKBHV上を伝達される過電圧エクスカーションによってクロック入力されて、アドレス端子A1上の一連(シリーズ)のデータ状態を受取り且つ格納する。評価論理30cは、以下に詳細に説明する如く、シフトレジスタ100の状態を評価し、且つ有効データ状態に関連してラインCKBHVの別のパルスを受領すると、テストモードイネーブル回路29c内のフリップフロップ90へ最初のクロックパルスを供給する。
【0121】
評価論理30cは、更に、カウンタ102を有しており、それは、この実施例においては、最初のクロックパルスが評価論理30cによって発生されると、ラインCKBHV上のパルスのカウント動作を開始する。このシーケンスの終了時に(この実施例においては4個のパルス)、カウンタ102は、最後のデータ状態とシフトレジスタ100の状態との比較をイネーブルし、有効データが受取られた場合であって、且つそれがテストモードイネーブル回路29c内のフリップフロップ90へ最初のクロックパルスを発生したコードと同一のものである場合には、2番目のクロックパルスが発生され且つ特別テストモードがイネーブルされる。この2番目のコードが有効なものではないか、又はそれが受付けられた前の有効コードとは異なったものである場合にはシフトレジスタ100及びテストモードイネーブル回路29c内のフリップフロップ90及び92は、ラインRST を介してリセットされ、且つ特別動作乃至はテストモードへ再度エンタするためのシーケンスが再度開始せねばならない。
【0122】
図5cを参照して、評価論理30cの詳細な構成、及びそれが特別テストモードをイネーブルさせる場合の動作について詳細に説明する。フリップフロップ900 及び901 からのラインQ0及びQ1は、インバータ107によって反転された後に、NANDゲート106の入力端で受取られており、従って、ラインQOR上のNANDゲート106の出力はラインQ0及びQ1の論理的ORである。ラインQORはNANDゲート108の第一入力端へ接続されており、該ゲートの出力端はNANDゲート118の入力端へ接続されている。初期条件においては、フリップフロップ90の両方がそれらの出力端において論理低状態を有しており、ラインQORは低であって、NANDゲート108の出力を高論理レベルとさせている。ラインQ0及びQ1は、更に、NANDゲート1141 及び1140 の夫々の入力端へ接続されている。
【0123】
シフトレジスタ100は、互いに直列接続されている3個のD型フリップフロップ101を有しており、且つフリップフロップ1011 ,1012 ,1013 の出力を、夫々、出力ラインS1,S2,S3上に供給する。フリップフロップ101はラインCKBHVによってクロック動作される(フリップフロップ101のCK 入力端はインバータ123によって反転した後にラインCKBHVによってクロック動作される)。第一フリップフロップ1011 の入力端はアドレス端子A1へ接続されている。従って、端子A3上の過電圧エクスカーションを表わすラインCKBHV上の各パルスに対して、アドレス端子A1における論理状態はシフトレジスタ100の相継ぐ段の中にクロック入力される。注意すべきことであるが、シフトレジスタ100は上述した図5bの場合における場合と同様に、NANDゲート78からのラインRST によってリセットされる(インバータ79を介して)が、以下に更に詳細に説明する如く、カウンタ102からの付加的な入力が与えられている。
【0124】
本実施例においてラインCKBHVの3つのパルスによって、3ビットコードがアドレス端子A1からシフトレジスタ100内へシフト入力されている。出力S1,S2,S3が所望のコードに従って、あるラインに対してはインバータ109を介してNANDゲート104へ供給される。従って、NANDゲート1040 は、シフトレジスタ100内へシフト入力されたコードが101である場合には(出力S3,S2 ,S1に夫々対応している)、ラインSR4上の高レベルをNANDゲート1140 へ供給する(インバータ105を介して)。本実施例においては、ラインSR1上に高レベルを供給するためのNANDゲート1041 に対するコードは110である。この時にフリップフロップ90に対しては何等クロックパルスが発生されていないので、NANDゲート114に対する他方の入力は、インバータ107によって反転されたラインQ0及びQ1からの高論理レベルである。シフトレジスタ100がコード101を供給するこの例においては、ラインRDY4は高論理レベルにあり、NANDゲート1041 からのラインSR1が低であるのでラインRDY1は低である。
【0125】
ラインCKBHV上の4番目のパルスにおいて、アドレス端子A1が高論理レベルにあると、NANDゲート118の出力は低である。インバータ119による反転の後、ラインPLS4は高論理レベルにあり、それは、ラインRDY4上の高論理レベルと共に、NANDゲート1160 (その入力端においてラインPLS4及びRDY4を有している)をして、図2b内のテストモードイネーブル回路29cのフリップフロップ900 へのラインCK4及びCK4 上に夫々高論理レベル及び低論理レベルを供給する。従って、本実施例においては、パラレル(並列)読取り/書込みの特別テストモードをイネーブルさせるために必要とされる第一シリアルコードは、アドレス端子A3における過電圧エクスカーションによりクロック入力されるアドレス端子をA1における1011のシリアルコードである。従って、フリップフロップ900 の出力端からのラインQ0は高論理レベルにある(端子A3における過電圧エクスカーションの終了時においてラインCKBHVが低レベルへ復帰した場合)。
【0126】
ラインQ0が高であると、ラインQORも高論理レベルにある。ラインQORもNANDゲート110の入力端へ接続されており、該ゲートは、インバータ111を介して、カウンタ102をクロック動作させる。カウンタ102は従来の2ビットカウンタであり、それはDフリップフロップ1031 及び1032 を有している。フリップフロップ103の出力端は、インバータ121を介して、それらのD入力端へ接続されており、且つフリップフロップ1031 の出力端はDフリップフロップ1032 のクロック動作を制御するために、NANDゲート112及びインバータ113を介してインバータ111の出力でゲート動作される。フリップフロップ1031 及び1032 の出力は、夫々、ラインCT1及びCT2上に供給される。従って、ラインCKBHVの各パルスと共に、カウンタ102は、00,01,10,11のシーケンスに従ってカウントする(ラインCT2は該カウントにおけるより高い桁位置のビットである)。
【0127】
従って、ラインCKBHVの3個のパルスの次のシーケンスがカウンタ102をしてその11状態へカウントさせる。ラインCT1及びCT2はNANDゲート126の入力端へ接続されており、該ゲートは、従って、該カウントが11に到達する迄、ラインCTN上のその出力端において高論理レベルを駆動する。他方の入力端がラインCTNに接続されているNANDゲート108の出力端は低論理レベルにある。なぜならば、ラインQORも高論理レベルにあるからである(ラインQ0は高である)。従って、カウンタ102はこの期間中においてラインCKBHV上のクロックパルスがラインPLS4上に高論理レベルを発生することを禁止しており、このように、誤ったコードがフリップフロップ90及び92に対してクロックパルスを時期尚早に発生させることはない。注意すべきことであるが、ラインCKBHV上のこれらのパルスは継続してシフトレジスタ100内へデータをシフトさせており、以下に説明する如く、シーケンスの終了時に比較を行なう。
【0128】
カウンタ102が11状態に到達すると、ラインCTNは低論理レベルへ移行する。従って、NANDゲート108はNANDゲート118へ高論理レベルを供給し、該ゲート118は、ラインA1及びCKBHVの状態がNANDゲート118の出力を制御することを可能としている。ラインCKBHVの4番目のパルスの時に端子A1において高論理レベルが存在すると、ラインPLS4は再度高論理レベルへ移行する。従って、ラインCK4及びCK4 (本実施例における場合)上の2番目のクロックパルスは、ラインRDY4が再度高論理レベルにあり(即ち、シフトレジスタ100がコード101を供給している)、且つラインQ1が低論理レベルにある場合に、NANDゲート1160 によって発生される。注意すべきことであるが、フリップフロップ900 からのラインQ1が低論理レベルにあるという条件は、最初のクロックパルスがフリップフロップ90及び92の一方のシリーズへ発生された後に、フリップフロップ90及び92の別のシリーズへクロックパルスが発生されることを防止する。
【0129】
評価論理30cは、更に、コードの第二シーケンスが誤っている場合のリセット回路を有している。上述した例において、シフトレジスタ100が101コードを発生しない場合、ラインRBY4は低論理レベルにある。フリップフロップ900 及び920 への最初のクロックパルスからラインQ0が高であると、ラインRDY1は、シフトレジスタ100内のコードとは無関係に、低論理レベルにある。NORゲート120は、その入力端をラインRDY1及びRDY4へ接続しており、且つ従って、NANDゲート124に対してその出力端において高論理レベルを発生する。NANDゲート124は、更に、ラインCKBHVと共に、その入力端においてラインCT1及びCT2上でカウンタ102の状態を受取り、且つその出力端をNANDゲート78の入力端へ接続しており、該ゲートはインバータ119を介してラインRST を駆動し、且つそれはインバータ79からシフトレジスタ100をリセットする。従って、カウンタ102の状態が11であり、且つ有効なコードがラインCKBHVの4番目のパルスの時に受取られない場合(即ち、ラインRDY1及びRDY4の両方が低)、NANDゲート124の出力は低論理レベルへ移行し、NANDゲート78及びインバータ79をしてシフトレジスタ100内のフリップフロップ101をリセットさせ、且つラインRST を介してテストモードイネーブル回路29c内のフリップフロップ90及び92をリセットさせる。従って、誤ったコードを受取ると、例え最初のクロックパルスがフリップフロップ90及び92へ送給された後であっても、評価論理30cは、テストモードへエントリする前に、完全なシーケンスを受取ることを強制する。
【0130】
従って、本発明のこの別の実施例に基づく評価論理30cは、更に、単に1つの端子がコードを受取るために使用可能な場合であっても、特別テストモードへ不本意にエントリすることに対する付加的なセキュリティを与えている。この付加的なセキュリティは、まばらなシリアルコード、即ち使用可能なテストモードから個別的に選択するために必要な最小数よりも大きなビット数のシリアルコードによって与えられる。この実施例においては、各々が4個のビットの2つのシーケンスが2つのテストモードの内の1つを選択するために要求される。更に、注意すべきことであるが、全てが「0」又は全てが「1」以外のコードが必要とされ、そのことは更にセキュリティのレベルを増加させている。
【0131】
特別テストモードの選択及びイネーブル動作に対するモードに拘らず、特別テストモード(特に、パラレルテストの場合)がイネーブルされると、アドレス端子A1及びA3は、例えば特別テストモードにおいて書込まれるべき又は読取られるべきアドレス位置の選択等のような付加的な機能を有する場合がある。従って、アドレス端子A1及びA3は、このようなイネーブル動作が発生した場合には、特別テストモードをイネーブルする目的のためには「don’t care」であるが(且つそのような場合を図7に示してある)、アドレス端子A1及びA3の状態は所望のテストを達成する場合に重要性を有する場合がある。
【0132】
図7を参照して、チップイネーブルによってメモリ1の選択により特別テストモードをディスエーブルさせる場合について説明する。上述した如く、特別テストモードが通常動作期間中に不本意にエンタされると、最初の考え得る結果は、該メモリ内に格納されているデータ、即ちそれが格納されるという予測の下でメモリ内に書込まれるデータが喪失される場合がある。従って、テストモードをイネーブルするために複数個の過電圧エクスカーションが必要とされる上述した特徴は、このようなデータの喪失に対し付加的なセキュリティを与えている。
【0133】
しかしながら、更に、このような不本意なエントリは、テストモードをディスエーブルさせ且つ通常動作モードへ再度エンタする制御可能な方法が存在しない場合には、更に一層深刻な問題となる。前述のMcAdams et al.の文献に記載されている如く、過電圧条件によってイネーブルされる特別テストモードを有するメモリにおいては、メモリを通常動作モードとさせる以前の技術は、通常動作モードを再度エンタさせるべきことを表わすコードと共に、付加的な過電圧エクスカーションを実施することによるものである。しかしながら、テストモードが不本意にエンタされる場合、特にシステムの文脈における場合には、通常動作モードへの再エントリは、最初に、不適切なモードが検知されることを必要とし、且つ2番目に、適切なコードで過電圧エクスカーションが該装置へ印加されることを必要とし、そのようにして通常動作を再生させることが可能である。しかしながら、予想以外にテストモードにあることによって発生されるエラーを検知するための能力は、そのエラーがテストモードにあることに起因することを決定することと勝るとも劣らず、多くのシステムにとって比較的複雑な操作である。更に、そのシステムは、テストモードを抜け出るために必要な過電圧能力を有するものでない場合がある。従って、このようなイネーブル動作が検知されるものと仮定して、不本意にイネーブルされた特別テストモードを抜け出るためには、このようなシステムにおいては全く完全なシステムシャットダウンが必要とされる。
【0134】
本発明のこの実施例に従うと、図1及び図2及び評価論理30に関して上述した如く、メモリ1は特別テストモード内に配置させることが可能であり、且つ、メモリ1がイネーブルされないような時間の間にそこに留まることが可能である。図1に関して上述した如く、この実施例に基づくメモリ1は、端子E1を低論理レベルとし且つ端子E2を高論理レベルとすることによってイネーブルされる。このイネーブルされた条件に応答して、ラインTRSTは低論理レベルにあり、そのことは、評価論理30におけるラインRST を低論理レベルとさせる。上に説明した如く、このような状態は、フリップフロップ90及び92の全てをリセット状態とさせ且つその状態に保持させ、フリップフロップ92のQ出力を無条件に低論理レベルとさせる。このような場合、特別テストモードはイネーブルされることができず、それらがイネーブルされた状態に留まることもできない。
【0135】
図7を参照して、メモリ1の脱選択に起因して特別テストモードからのイグジット、即ち抜出ることについて説明する。時間t11において、パラレルテスト用の特別テストモードがイネーブルされた状態で示されており、ラインTが高論理レベルにある。しかしながら、時間t12において、ラインTRSTは高から低への遷移を行ない、このような遷移は、メモリ1をイネーブルさせるために適切な論理レベルを受取るチップイネーブル入力端子E1及びE2の両方に応答して、図1に示したANDゲート25及びインバータ27によって発生される。ラインTRSTが低論理レベルへ移行することに応答して、評価論理30はラインRST 上に低論理レベルを発生する。図6に関して上述した如く、テストモードイネーブル回路29内のフリップフロップ90及び92は、全て、ラインRST に応答して、それらがそれらの夫々のQ出力端において低論理レベルを供給する状態へリセットされる。その結果、ドライバ110は、フリップフロップ922 のQ出力がラインRST 上の低論理レベルによって低へ駆動されることに応答して、時間t13においてラインT(且つ、ラインT2)上の低論理レベルを駆動する。
【0136】
従って、本発明のこの実施例によれば、特別テストモードからのイグジット(抜け出し)は、単に、チップイネーブル機能によりメモリ1のイネーブル動作によって実施される。このようなイネーブル動作は、勿論、メモリ1のシステムユーザに対して使用可能なものである。なぜならば、チップイネーブルによるイネーブル動作は、メモリ1のこの実施例の必要且つ特定された機能だからである。更に、例えば、単に1つのメモリバンクが使用されている場合のようなバス競合の可能性がない特に簡単なシステムにおいては、チップイネーブル端子E1及びE2はイネーブル状態へハードワイヤード構成とさせることが可能である。このようなハードワイヤード構成は、このメモリ1の実施例の場合、ラインTRSTが低論理レベルに留まる場合、システム動作期間中に特別テストモードへ不本意にエンタする可能性を否定する。テストモードへのエントリに起因するデータ損失は、このような適用においては、発生することはない。
【0137】
次に、図8を参照して、パワーアップシーケンスに応答するテストモードイネーブル回路29の動作について説明する。以下に説明する如く、テストモードイネーブル回路29はパワーオンリセット回路40を有しており、それはパワーアップ時に初期的にラインPOR上に低論理レベルを発生し、且つVcc電圧スレッシュホールドに到達した後の時刻においてその上に高論理レベルを発生する。
【0138】
時間t0 において、メモリ1は、電源電圧Vccを示した上部ラインによって示される如く、パワーダウン状態にあり、端子A3には負の電圧が印加されている。上述した如く、このような状態は、電源Vccのパワーアップ期間中、又はメモリ1の「ホットソケット」を前にパワーアップした位置内へ挿入する場合に発生する場合があり、電源電圧Vccはその電圧が端子A3へ印加される後にメモリ1に到達する。何れの場合においても、アドレス端子A3は、Vccに対して、更に多分Vssに対して、この時点において過電圧状態にある。端子A3におけるこの状態に応答し、且つアドレス端子A1がコード(パワーアップ期間中に有り得る如く、低論理レベルにおけるものとしてこの説明の目的のために任意的に選択される)を表わす場合、評価論理30はラインCK1及びCK1 上に夫々高信号及び低信号を発生する。注意すべきことであるが、上述した理由のために、端子A3における過電圧条件は意図的に供給されるものではなく、この状態において、特別テストモードがこの条件でイネーブルされることを意図されているものでもない。その代わりに、端子A3におけるこの過電圧エクスカーションは、パワーアップ又はホットソケット条件によって発生されるアドレス端子A3と相対的な電源Vccのステータスの属性である。
【0139】
ラインCK1及びCK1 上のこれらの信号は、テストモードイネーブル回路29内のパワーオンリセット回路40が存在しなかったならば、フリップフロップ901 をしてそのD入力端において高論理レベルへラッチさせる。Vccが図8に示した電圧Vonより低い低レベルにある期間中で、且つ図8においてtd として示したその後の時間期間の間、ラインPORはパワーオンリセット回路40によって低論理レベルに維持される。従って、評価論理30は、テストモードイネーブル回路29内のフリップフロップ90及び92へのラインRST 上に低論理レベル信号を発生し、そのQ出力が低論理レベルに維持することを確保する。図8に示した如く、ドライバ110によって駆動されるフリップフロップ921 のQ出力に対応して、フリップフロップ901 のQ出力及びラインT2の両方が、端子A3における過電圧エクスカーションとは無関係に、この時間期間中低論理レベルに留まる。
【0140】
電源電圧Vccがパワーオンリセット回路40がトリップする限界Vonを超えた後であって、且つパワーオンリセット回路40内に組込んだ時間遅延td の後に、ラインPORは時間t1 において高論理レベルへ駆動される。ラインPORが高レベルへ移行することに応答して、評価論理30はフリップフロップ90及び92へのラインRST 上に高論理レベルを供給する。その結果、フリップフロップ90及び92は、それらのクロック入力端における信号に応答する。更に、電源電圧Vccが公称レベルに到達することに応答して、上述した状況に起因して過電圧状態にあったアドレス端子A3も公称レベルに復帰する。次いで、メモリ1の通常動作が継続することが可能である。
【0141】
図8の動作実施例においては、過電圧エクスカーション期間中に低レベルにあるアドレス端子A1によって選択されるテストモードイネーブルラインT2と関連する特別テストモードがイネーブルされる。従って、前の場合における如く、時間t2 において、第一過電圧(この場合は、アンダー電圧)条件が、アドレス端子A1が低論理レベルにあるような期間中にアドレス端子A3へ意図的に供給され、この特別テストモードを選択する。この条件に応答して、評価論理30が、時間t3 において、ラインCK1及びCK1 上に夫々高論理レベル及び低論理レベルを供給する。このことは、フリップフロップ901 の第一段の遷移を発生し、従って、それはその出力端に高論理レベルを供給する。アドレス端子A3が時間t4 において公称レベルに復帰すると、時間t5 において低論理レベル及び高論理レベルが夫々ラインCK1及びCK1 上に供給され、そのことは、高論理レベルを、フリップフロップ901 の第二段及びQ出力端へクロック入力させる。
【0142】
注意すべきことであるが、時間t1 において発生したアドレス端子A3の過電圧エクスカーションはこのシーケンスにおける2番目のこのようなエクスカーションであるが、テストモードイネーブル回路29はこのエクスカーションを最初のそのようなシーケンスとして取扱っており、そのことは、ラインT2が低論理レベルに留まることから明らかである。従って、テストモードイネーブル回路29はパワーアップ又はパワーダウン期間中の過電圧状態が、実際上、テストモードイネーブル回路29に関するこのような条件の効果をロックアウトすることにより、特別テスト機能の不本意のイネーブル動作を発生することを防止している。従って、完全なパワーアップの後に発生する過電圧条件乃至は状態のみがテストモードイネーブル回路29によって有効なものとして受付けられる。図8に示した如く、端子A3における2番目のそのようなエクスカーションが最初のものとしてカウントされるに過ぎない。
【0143】
従って、特別テストモードは、時間t6 において発生する端子A3における2番目の過電圧エクスカーションによってイネーブルされ、それは、時間t7 における端子A3が公称レベルへ復帰することと一体となって、図7に関して上述したのと同一の態様で、ラインT2において高論理レベル信号を発生する。
【0144】
テストモードにおける出力イネーブル
図1及び図9を参照して、テストモードイネーブル回路29による特別テストモードのイネーブル動作の結果としての、出力バッファ22の制御について説明する。図1に示し且つ上に説明した如く、メモリ1のこの実施例は、ORゲート33を有しており、それは、その入力端において、ANDゲート25の出力端からのラインCEを受取り且つテストモードイネーブル回路29からのラインTを受取る。ORゲート33の出力端はANDゲート26の入力端へ接続されており、且つANDゲート26の出力端は出力バッファ22のイネーブル動作及びディスエーブル動作を制御する。説明の便宜上、出力バッファ22がANDゲート26の出力端における高論理レベルによってこの実施例においてはイネーブルされる。
【0145】
注意すべきことであるが、図2乃至7に関して上述した如く、ラインTは、メモリ1内の2つの特別テストモードのうちの1つをイネーブルする信号を担持する。メモリ1内の出力バッファ22を制御する目的のためには、テストモードイネーブル信号(本実施例においてはラインT及びT2)の論理的ORを図1のORゲート33の入力端へ送給することが有用である場合がある。このことは、以下に説明するような態様で出力バッファ22を制御するために特別テストモードの何れか1つの選択を行なうことを可能とする。一方、特に2つを超えた特別テストモードが使用可能な場合においては、特別テストモードのうちのある選択したもののみのイネーブル動作が出力バッファ22のイネーブル動作及びディスエーブル動作に影響を与えることが可能であるように適宜の論理を実現することが可能であり、このような論理の構成は、勿論、テストモードにおける出力バッファ22の所望の制御に基づいて当業者にとって自明なものである。
【0146】
更に注意すべきことであるが、ORゲート33によるラインCE及びラインTの論理的結合とそれに続くANDゲート26による出力バッファ22のイネーブル動作の制御はこの機能の比較的簡単な具体例である。その他の回路、例えば、出力バッファ22のイネーブル動作及びディスエーブル動作のタイミングを制御し、又は更に出力バッファ22のイネーブル動作をその他の目的のためにメモリ1内の付加的な内部信号とゲート動作させる遅延段を本回路の特定の条件に基づいてこの機能の具体化において設けることが可能であることは勿論である。更に、正論理について示したが、本発明の実施において負論理(即ち、ORとANDの実現化ではなくMORとNANDの実現化)も等価的に使用可能であることは勿論である。
【0147】
ラインT上のテストモードイネーブル信号による出力バッファ22の制御は、本発明のこの実施例に基づいて構成されたメモリ1において特に有益的な機能を与えている。このような構成の第一の機能は、メモリ1がその特別のテストモードステータスを通信することが可能であり、ユーザ(又は検査を行なうテスト装置)に対して特別テスト動作を実施する時点の前に、本装置が特別テストモードにあることのアクノレッジメント(通知)を与えることが可能であるということである。このようなアクノレッジメントは、例えば上述した過電圧エクスカーション等の異常なサイクルによって特別テストモードへのエントリが開始される場合には特に重要である。なぜならば、このようなサイクルは、テスト装置乃至はシステムの公称的な能力範囲のものでない場合があり、従ってこのようなサイクルが所望通りに実施されるということは常に確かではないからである。更に、特別テストモードにおけるテストが装置の製造又はテスト期間中に不合格となる場合には、テストモードへのエントリのアクノレッジメントは、テスト装置及びオペレータが、該メモリが実際にテストに不合格であったのか又はそれが単にテストモードにエンタすることを失敗したのかについて質問しないことを可能とする。注意すべきことであるが、テストモードエントリ手順は該装置(メモリ)が販売される明細に合致するものでない場合があるので、予定通り特別テストモードにエンタすることに失敗する集積回路は通常動作モードにおいて完全にテストされ且つ全てのその特定された条件に合致するものである場合がある。
【0148】
更に、特別テストモードのイネーブル動作の通信は、このようなモードへの不本意なエントリの検知を行なうことを可能とし、従ってユーザは、該装置の通常動作モードへの復帰のために要求される必要なサイクルを実施することが可能である。
【0149】
しかしながら、上述した如く、パッケージ化した集積回路装置、特にメモリ1等のようなメモリ装置の外部端子の数は、パッケージ化したメモリ装置、且つ該装置のために必要な回路基板空間の寸法を可及的に小さなものに維持するために最小値に維持される。更に、回路基板の複雑性を最小とするためにパッケージ化したメモリ装置に対しての接続を可及的に少ないものとすることが望ましい。従って、集積回路のステータスは該装置の専用端子において供給される信号によって通信されることが可能であるが、特にパッケージ化した回路の場合、このような端子を設けることは望ましいことではない。
【0150】
図9を参照して、端子DQによる特別テストモードのイネーブル動作の通信について説明する。この例の場合には、端子W が高論理レベルに留まるものと仮定されており、従って出力バッファ22のイネーブル動作はラインT及びCE及び端子OEの状態によって制御される。上述した如く、特別テストモードは、メモリ1がチップイネーブル端子E1及びE2からイネーブルされるものではない場合、即ちANDゲート25の出力端におけるラインCEが低論理レベルにある場合にのみイネーブルさせることが可能である。図9における時間t0 において、ラインTは低論理レベルにある。又、この実施例において時間t0 において、端子OEは高論理レベルにあるので(図9には示していないが、端子W と共に)、データ出力端子DQは活性状態にある。端子E1及びE2からの脱選択によるメモリ1の動作を図9に表示してあり、ラインCEは時間t1 において低論理レベルへ移行し、次いで端子DQが時間t2 において高インピーダンス状態へ移行するが、それは、ANDゲート25、ORゲート33及びANDゲート26の動作による出力バッファ22のディスエーブル動作の結果である。メモリ1の脱選択に応答しての出力バッファ22のディスエーブル動作及びその結果得られる端子DQにおける高インピーダンス状態は、メモリ及びチップイネーブル機能及び端子をもったその他の集積回路において公知のものである。
【0151】
本発明のこの実施例に基づいて構成されたメモリ1においては、図9の時間t3 における特別テストモードへのエントリ時に、ラインTはテストモードイネーブル回路29によって高論理レベルへ駆動される。高論理レベルにあるラインTに応答して、ORゲート33が高論理レベルをANDゲート26へ供給する。端子OE及びW が高論理レベルにあり且つパラレルテスト回路28からのライン32が高状態に留まるので(即ち、パラレルテストが合格したか又は未だに実施されていないかの何れか)、端子DQは時間t4 において活性状態となる。この条件は、チップイネーブル端子E1及びE2がメモリ1を選択していない状態で端子DQが低インピーダンスを与える場合、従来のメモリ動作においては予定されないものである。なぜならば、該回路がイネーブルされない場合には、端子DQは高インピーダンス状態に留まるものと予定されているからである。従って、メモリ1がイネーブルされない場合に端子DQにおいて低インピーダンス状態が与えられることは、このような通信のためにメモリ1に対して付加的な端子を必要とすることなしに、特別テストモードへのエントリをアクノレッジ即ち通知する。
【0152】
注意すべきことであるが、テストモードへのエントリを通信する目的のためには、端子DQに供給されるデータ状態は重要なものではなく、本発明のこの実施例においては、テストモードへのエントリは、端子DQにおける低インピーダンス条件によって通信される。しかしながら、所望により、付加的な情報をこの時点において端子DQに供給することが可能であり、このような付加的な情報は、例えば、どのテストモードがイネーブルされたかの識別等である。更に、注意すべきことであるが、メモリ1等のようなワイドワードメモリにおける出力バッファの全てが上述した態様で制御することが必要とされるものではない。なぜならば、特別テストモードのイネーブル動作は、低インピーダンス状態を与える端子DQのうちの選択した1つによって適切に通信することが可能だからである。
【0153】
テストモードイネーブル回路29による出力バッファ22の制御は、特別動作乃至はテストモードにおいてメモリ1の別の機能を可能とする。ラインTが高論理レベルにあると、通常動作において出力イネーブルとして作用する端子OEがテストモードにおいてチップイネーブル機能として作用する。このようなチップイネーブル機能は出力端子DQの制御のためにテストモードにおいて有用であり、特に端子DQをワイヤードOR態様で接続した状態でシステム内に据え付けた場合に特別テストモードがメモリに対してイネーブルされる場合に有用である。更に、メモリ1内の付加的な論理が最小の状態で、テストモード期間中の端子OEからの信号がテストモード期間中にメモリ1の内部動作を制御することも可能であり、そのことは、システムテスト適用において有用である。
【0154】
図1を参照して、このような付加的な論理の簡単な例について説明する。ANDゲート21が1つの入力端においてテストモードイネーブル回路29からのラインTを受取り、且つ別の入力端(所望によりバッファされている)における出力イネーブル端子OEにおける状態を受取る。ANDゲート21の出力端はORゲート19の1つの入力端へ接続されており、該ゲート19は、その他方の入力端においてANDゲート26の出力端からのラインCEを受取る。ORゲート19の出力端は入力/出力制御及び列デコーダ16としてこのような機能的回路へ接続されており、且つ従来のチップイネーブル態様でこのような回路をイネーブルし且つディスエーブルさせる。従って、出力イネーブル端子OEは、出力バッファ22のイネーブル動作及びディスエーブル動作を制御するばかりでなく、テストモード期間中にチップイネーブル端子としても作用する。このような機能は、複数個のメモリ1が並列接続されており且つメモリ1のうちの1つ(又は1つのバンク)のみがテストされるべき場合に、例えば特別テストモード等のような特別動作モードをイネーブルさせるべき場合に特に有用である。この実施例におけるチップイネーブル端子E1及びE2はテストモードからのイグジット即ち抜け出しを与えるので、この実施例においては、出力イネーブル端子OEがメモリ1のチップイネーブル制御を与えるものであることが特に有用である。このような制御を達成する図1に示した論理のその他の実施例も当業者に自明なものである。
【0155】
図9の実施例においては、時間t5 において、端子OEは、メモリ1がテストモードにある場合に(ラインTが高論理レベルにある)、低論理レベルへ外部的に駆動される。この信号に応答して、ANDゲート26の出力は低論理レベルへ移行し、出力バッファ22をディスエーブルさせ且つ時間t6 において示した如く、端子DQを高インピーダンス状態とさせる。テストモードにおけるメモリ1の再選択は、端子OEを高論理レベルへ外部的に駆動することによって達成される(時間t7 において示してある)、それに応答して、端子DQは、再度、活性状態となり且つ時間t8 において該端子においてデータを供給することが可能である。上述した如く、メモリ1は、チップイネーブルコードを受取る端子E1及びE2によりテストモードをイグジット即ち抜け出すことが可能である。
【0156】
従って、本発明のこの実施例に基づくメモリ1は、通常動作においてある機能を有する例えば端子DQ等のような端子を使用することによりそのテストモードステータスを通信することが可能である。更に、この実施例に基づくメモリ1は、チップイネーブルを使用することにより特別テストモードをイグジット即ち抜け出す簡単な方法を与えており、更に通常動作において異なった機能を有する更に別の端子を使用することにより特別テストモードにある間にチップイネーブル機能を与える。従って、特別テストモードの制御及びアクノレッジメント(通知)のための付加的な端子を設けることの必要性は本発明に基づくメモリ1においては回避されている。
【0157】
以上、本発明の具体的実施の態様について詳細に説明したが、本発明はこれら具体例にのみ限定されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱することなしに種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例を組込んだメモリ装置の概略図。
【図2】図1のメモリのテストモードイネーブル回路の概略図。
【図2a】図1のテストモードイネーブル回路の別の実施例の概略図。
【図2b】図1のテストモードイネーブル回路の更に別の実施例の概略図。
【図3】図2のテストモードイネーブル回路内の過電圧検知器回路の概略図。
【図4】図2のテストモードイネーブル回路において使用された場合のリセット回路を具備するパワーオンリセット回路の第一実施例の概略図。
【図4a】図4のパワーオンリセット回路に対するリセット回路の別の実施例の概略図。
【図4b】図4のパワーオンリセット回路用のリセット回路の更に別の実施例の概略図。
【図5】図2のテストモードイネーブル回路における評価論理の概略図。
【図5a】図2のテストモードイネーブル回路における評価論理の別の実施例の概略図。
【図5b】図2のテストモードイネーブル回路における更に別の実施例の概略図。
【図5c】図2のテストモードイネーブル回路における評価論理の更に別の実施例の概略図。
【図6】図2のテストモードイネーブル回路において使用されたフリップフロップの概略図。
【図7】図1のメモリにおける図2のテストモードイネーブル回路の動作を示したタイミング線図。
【図8】図1のメモリにおける図2のテストモードイネーブル回路の動作を示したタイミング線図。
【図9】図1のメモリにおける図2のテストモードイネーブル回路の動作を示したタイミング線図。
【符号の説明】
29 テストモードイネーブル回路
40 パワーオンリセット回路
90,92 D型フリップフロップ
OE 出力イネーブル端子
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体メモリの技術分野に関するものであって、更に詳細には、半導体メモリ用の特別テストモードへのエントリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば220ビット(1メガビット)以上を有すランダムアクセスメモリ等のような最近の高密度メモリにおいては、メモリ内の全てのビットのタイミング及び機能性をテストするために必要とされる時間及び装置は製造コストのうちのかなりの部分を占めている。従って、このようなテスト動作に必要とされる時間が増加すると、製造コストも増加する。同様に、メモリのテストに対して必要な時間が減少されると、メモリの製造コストも同様に減少される。メモリ装置の製造は一般的に大量に行なわれるので、装置当たり数秒の節約であっても、製造されるメモリ装置の数が多いことを考慮すると、著しいコストの減少となり且つ投下資本の回避を図ることが可能である。
【0003】
ランダムアクセスメモリ(RAM)は、特に、メモリ内の各ビットへデータを書込み且つ各ビットからデータを読取ることの必要性のためばかりでなく、RAMはしばしばパターン感度に起因して障害が発生する場合があるので、テストにかかるコストは著しいものである。パターン感度障害が発生するのは、格納したデータ状態を維持するためのビットの能力は、テスト中の特定のビットに物理的に隣接するビット内に格納されているデータ状態及びそれに関しての動作に依存する場合があるからである。このことは、RAM用のテスト時間を、その密度(即ち、格納のために使用可能なビット数)に線形的に依存させるばかりでなく、あるパターン感度テストの場合には、ビット数の二乗(又は、3/2乗)に依存させる。明らかに、RAM装置の密度乃至は集積度が増加すると(一般的には、世代毎に4倍)、生産される各装置の各ビットをテストするのに必要な時間は迅速に増加する。
【0004】
注意すべきことであるが、メモリチップ以外のその他の多くの集積回路装置はオンチップでメモリを使用する。このような集積回路の例としては、多くの最近のマイクロプロセサ及びマイクロコンピュータがあり、更にメモリを内部に埋込んだゲートアレイ等のようなカスタム装置がある。これらの製品の生産においても同様のコストに関しての圧力に直面し、メモリ部分のテストを行なうのに必要な時間及びテスト装置に関するコストが問題となる。
【0005】
RAM等のような半導体メモリのテストのために必要とされる時間及びテスト装置を減少させるために過去において使用されている解決方法は、特別の「テスト」モードを使用するものであり、その場合、メモリがその通常の動作とは異なる特別の動作にエンタする。このようなテストモードにおいて、メモリの動作は、通常動作と極めて異なったものとなる場合がある。なぜならば、内部テスト動作は、通常動作の拘束条件に課されることなしに実施することが可能だからである。
【0006】
特別テストモードの一例は内部「パラレル」乃至はマルチビットのテストモードである。従来のパラレルテストモードでは、単一のサイクルにおいて1つのメモリ位置を超えてアクセスすることを可能としており、複数個の位置へ共通のデータを同時的に書込んだり且つ読取ったりすることが可能である。複数個の入力/出力端子を有するメモリの場合、パラレルテスト動作を行なうために、入力/出力端子の各々に対してこのようなモードにおいて複数個のビットがアクセスされる。このパラレルテストモードは、勿論、通常動作モードにおいて使用することはできない。なぜならば、ユーザは、メモリの完全な能力を使用するためには、各ビットへ独立的にアクセスすることが可能でなければならないからである。このようなパラレルテストは、好適には、各サイクルにおいてアクセスされる複数個のビットが物理的に互いに離隔されており、従って同時的にアクセスされるビット間においてパターン感度干渉が発生する可能性が殆ど存在しないような態様で行なわれる。このようなパラレルテストに関する説明は、McAdams
et al.著「テスト機能用設計を有する1メガビットCMOSダイナミックRAM(A 1−Mbit CMOS Dynamic RAM With Design−For−Test Functions)」、IEEE・ジャーナル・オブ・ソリッド−ステート・サーキッツ、Vol.SC−21、No.5、1986年10月、pp.635−642の文献に記載されている。
【0007】
特定のメモリに対してその他の特別テストモードを使用することが可能である。このようなモードにおいて実施することの可能なテスト例としては、メモリセルデータ保持時間のテスト、例えばデコーダ又はセンスアンプ等のようなメモリ内の特定の回路のテスト、及びメモリが冗長行又は列をイネーブルさせたか否か等のような装置の属性を決定するための回路のある部分の検査等がある。上述したMcAdams et al.の文献は特別テスト機能に関するこれら及びその他の例を記載している。
【0008】
勿論、メモリ装置がこのような特別テストモードにある場合には、それは完全にランダムにアクセス可能なメモリとして動作するものではない。そうであるから、メモリが、例えば、システム内に据え付ける場合に、誤ってテストモードの1つとされると、そのようなメモリに対して予定されたような態様でデータを格納したり且つ検索したりすることは不可能である。例えば、パラレルテストモードにある場合に、メモリは同一のデータ状態を複数個のメモリ位置へ書込む。従って、パラレルテストモードにおいてアドレスが供給されると、メモリは格納されたデータ状態のみに依存するものではなくパラレル比較の結果にも依存する場合のあるデータを出力する。更に、パラレルテストモードは、データを書込み且つ検索することが可能な独立的なメモリ位置の数を減少させる。なぜならば、4つ又はそれ以上のメモリ位置が同時的にアクセスされるからである。従って、特別テストモードをイネーブルさせる場合には、特別テストモードが不本意にエンタされる可能性が低いような態様でなされるものであることが重要である。
【0009】
特別テストモードへのエントリのための従来の技術では、その所望の動作を表わすための特別の端子を使用している。テストモードへのエントリのための簡単な従来技術は、米国特許第4,654,849号に記載される如く、通常動作モードとパラレルテスト等のような特別テストモードの何れかを選択するための専用端子において高又は低の論理レベルを供給することである。このような専用端子を使用してテストモードへエントリするための別のアプローチは、Shimada et al.著「46nsの1メガビットCMOS SRAM(A 46−ns 1−Mbit CMOS SRAM)」、IEEE・ジャーナル・オブ・ソリッド−ステート・サーキッツ、Vol.23、No.1、1988年2月、pp.53−58に記載されており、その場合、書込み動作を実施中に高電圧を専用の制御パッドへ印加することによってテストモードがイネーブルされる。これらの技術は、比較的簡単であるが、通常メモリ動作のために必要なもの以外に付加的な端子が必要となることは勿論である。このような付加的な端子はウエハの形態でテストされる場合に使用可能であるが、パッケージングの後にかなりのテスト時間が発生し、その期間中にも特別テストモードが使用される。パッケージテストのためにこの専用テストイネーブル端子の技術を使用するために、パッケージがこの機能のためのピン又はその他の外部端子を有することが必要である。回路パッケージが可及的に小型であり且つ可及的に接続が少ないものであるというシステム設計者の願望のために、テストモードエントリのために専用のピンを使用することは望ましいことではない。更に、テストモードへエンタするための専用の端子がパッケージ化された形態で設けられる場合には、メモリのユーザは、テストモードがシステムを使用中に不本意にエンタされることがないようにこの専用の端子へ適切な電圧が供給されることを確保するための注意をせねばならない。
【0010】
特別テストモードをイネーブルするための別の技術は、通常動作期間中にその他の目的を有する1つ又はそれ以上の端子において過電圧信号を使用することであり、このような過電圧はテストモードがイネーブルされるべきであることを表わし、それは、例えば、米国特許第4,654,849号及び第4,860,259号(アドレス端子上で過電圧を使用)にも記載されている。米国特許第4,860,259号は、更に、共通アドレスストローブ端子における過電圧条件に及びそれに続いてこの端子上の電圧が低論理レベルへ降下することに応答して、ダイナミックRAMにおいて特別テストモードをイネーブルさせる方法を記載している。前述したMcAdams et al.の文献は、過電圧条件がクロックピン上に存在する間にアドレス入力上へのテスト番号のマルチプレクス動作を包含するテストモードにエンタする方法を記載しており、その場合、アドレス入力における該番号が幾つかの特別テストモードのうちの1つを選択する。このような特別テストモードの過電圧によるイネーブル構成は、その付加的な複雑性のために、テストモードをイネーブルさせるための専用の制御端子を使用することと対比して、特別テストモードが不本意にエンタされることがないことの付加的な安全性を付加している。
【0011】
しかしながら、1つの端子において過電圧信号を使用することは、その端子は、更に、通常動作期間中にある機能を有するものであり、特別モードを不本意にイネーブルさせる場合がある。このことは、メモリの「ホットソケット(hotsocket)」挿入期間中に発生する場合があり、それは、メモリ装置が既にパワーアップされている位置内に据え付けられる場合である。メモリ装置が物理的に電圧と接触した状態に配置される態様に依存して、電源端子がバイアスされる前に、過電圧がテストモードをイネーブルさせる端子が特定の電圧へバイアスされる可能性がある。このような端子のために従来使用されている過電圧検知回路は、該端子における電圧を電源又はその他の基準電圧と比較する。しかしながら、ホットソケット挿入の場合には、該端子における電圧は実際の電源電圧よりも高いものではないが、その端子が比較されるべき電源電圧を見る前に、該端子がこの電圧を受ける場合には、尚且つ特別モードをイネーブルさせる場合がある。従って、特別テストモードが1つの端子における過電圧信号によってイネーブルされる場合であっても、ホットソケット条件が特別モードを不本意にイネーブルさせる場合がある。
【0012】
更に注意すべきことであるが、電源電圧がメモリ装置に到達する前に、過電圧がテストモードを選択する端子へ電圧が供給されるようにシステム内の過渡状態が発生する場合には、メモリ装置のパワーアップ期間中に、同様なタイプの特別テストモードの不本意なイネーブル動作が発生する場合がある。更に、装置の内部ノードがパワーアップすることが可能な性質はランダムであるので、多くの従来の装置では、このような信号の提供なしであっても、特別テストモードへパワーアップすることが可能である。
【0013】
テストモードをディスエーブルさせるために同様のタイプの動作が必要とされる場合には、不本意なテストモードへのエントリは特に危険である。例えば、McAdams et al.文献に記載されているメモリは、テストモードから通常動作モードへ復帰するために、特定のコードと共に過電圧条件を必要とする。しかしながら、システムの観点からは、メモリ装置に過電圧を印加することが可能でない場合がある(メモリ装置を不本意にテストモード状態とさせたホットソケット又はパワーアップ条件以外)。従って、このようなシステムにおいては、メモリ装置がテストモードにある場合には、メモリの通常動作が回復可能であるにはメモリをパワーダウンする以外方法がない場合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的とするところは、短期間のパワーダウンイベントの後に集積回路装置のパワーアップ期間中に該装置における特別モードのイネーブル動作を禁止するための改良した回路及び方法を提供することである。更に、注意すべきことであるが、従来のパワーオンリセット回路はパワーアップが達成される迄装置内のテストモードへのエントリ以外のある動作の制御のために当該技術において使用されている。このような回路は、短期間の電力損失の場合にリセットしない場合があり、従って電源がその公称電圧へ復帰した場合に、パワーオンリセット機能が喪失される場合があることが分っている。従って、本発明の別の目的とするところは、電源電圧の喪失の場合に迅速にリセットし、従ってパワーアップ期間中における回路機能の禁止がこのような短期間の電力損失の後に発揮される改良型の回路及び方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電力損失の場合にパワーダウン状態へパワーオンリセット回路の状態を迅速にリセットさせるリセット回路を設けることによりパワーオンリセット回路内へ本発明を組込むことが可能である。パワーオンリセット回路は、優先状態にパワーアップし、且つパワーアップの後の所定の時間において計時型スイッチによってスイッチされるラッチを有することが可能である。このリセット回路は、該ラッチのノードへ接続されており、且つ電源電圧を喪失すると該ラッチがその優先状態へ迅速に復帰するように該ノードを放電するスイッチを有している。パワーオンリセット回路は、パワーアップ期間中に特別テストモードへのエンタ等のような機能を禁止するために使用することが可能である。
【0016】
【実施例】
図1を参照すると、本発明の好適実施例を組込んだ集積回路メモリ1のブロック図が示されている。メモリ1は、例えば、220、即ち1,048,576個の格納位置乃至はビットをもったスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等の集積回路メモリである。本例におけるメモリ1は各々が8ビットのアドレス可能な位置である217即ち128kとして組織されたワイドワードメモリである。従って、例えば、読取り動作においては、メモリ位置のうちの1つのアクセスにおいて、8個のデータビットが8個の入力/出力端子DQ0乃至DQ7において表われる。本例においては、メモリ1は、1024個の列の1024個の行を有するアレイ10を有しており、各通常のメモリ動作において8個の列がアクセスされる。
【0017】
この例のメモリ1においては、メモリアレイ10は8個のサブアレイ120 乃至127 に分割されており、該サブアレイの各々は1024個の行と128個の列とを有している。活性動作期間中に消費される電力を減少させる目的のために、この例においては、サブアレイ12のうちの1つのみが各活性サイクル期間中に付勢され、付勢されるべきサブアレイ12の選択は所望のメモリアドレス(即ち、列アドレスの3個のビット)によって決定される。従って、以下に更に詳細に説明する如く、例えば読取り等のような通常のメモリ動作期間中において、アクセスされるメモリ位置の全ての8個のビットは同一のサブアレイ12内に位置されている。
【0018】
メモリ1は、独特のメモリアドレスを特定するために必要とされる17個のアドレスビットを受取るために、17個のアドレス端子A0乃至A16を有している。従来の態様においては、これらの17個のアドレス端子からの信号はアドレスバッファ11によってバッファされる。このようなバッファ動作の後に、アドレス端子(A7乃至A16)の10個のものに対応する信号は行デコーダ14によって受取られ、バス15を介して行デコーダ14によって付勢されるべきアレイ10内の1024個の行のうちの1つを選択する。残りの7個のアドレス端子(A0乃至A6)に対応する信号は入力/出力回路及び列デコーダ16によって受取られ、制御ライン17によってサブアレイ12のうちの1つを選択し、且つ列アドレス値に従ってその中の所望の列を選択する。信号ラインはアドレスバッファ11から行デコーダ14へ及び入力/出力回路及び列デコーダ16へアドレス値を通信するために示されているが、多くの従来のメモリでは、デコード動作を簡単化するために、各アドレスビットの真値と補数値の両方を夫々のデコーダへ通信するものであることに注意すべきである。
【0019】
上述した如く、電力消費を減少させるために、本実施例に基づくメモリ1は、3個の最大桁列アドレスビットに従って選択されるサブアレイ12のうちの1つのみを付勢する。この実施例においては、サブアレイ12内の付勢されたワードラインの印加を制御するためにサブアレイ12間にリピータ(不図示)が設けられている。このように、列アドレス(特に、3個の最大桁ビット)がワードラインの印加を制御し、従って選択されたサブアレイ12におけるワードラインの部分のみがメモリ動作サイクルを介して付勢される。列デコーダ16も、列アドレスの残りのビットの値に従って、選択されたサブアレイ12における256個の列のうちの8個を選択する。本実施例においては、更に、アクティブな電力消費を減少させる目的のために、所望のメモリビットと関連する選択されたサブアレイ12内のセンスアンプ(不図示)のみが付勢される。次いで、列デコーダ16によってそのように選択されたセンスアンプは、局所的データライン18を介して入力/出力回路及び列デコーダ16と通信状態にあり、それを介して、アレイ10内の8個の選択されたメモリセルからのデータの読取り又はそれへのデータの書込みは従来の態様で行なうことが可能である。
【0020】
勿論、メモリ1の多くのその他の構成を、本明細書に説明する発明に関連して使用することが可能である。このような構成の例としては、バイワン(by−one)、即ち1によるメモリがあり、その場合、単一のビットが通常動作において入力されるか又は出力される。更に、各サブアレイが入力/出力端子の1つと関連しているワイドワード(Wide−word)メモリ、及び通常動作期間中アレイ全体が付勢されるメモリを交互に使用することが可能である。上述した如く、勿論、例えばダイナミックRAM、EPROM及び埋込み型メモリ等のようなその他のメモリタイプはそれら自身の構成を有しており、本発明から利点をうることが可能である。
【0021】
更に注意すべきことであるが、回路の電気的配置を示した本発明の実施例のブロック図は実際のメモリ1上の回路の物理的レイアウト及び配置に必ずしも対応するものではない。メモリチップ上のサブアレイ12の物理的レイアウト及び配置は図1に示したものと対応しない場合があることが意図されており、例えば、8個のサブアレイ12は、入力/出力回路及び列デコーダ16がサブアレイ12のグループの間に物理的に位置されるような態様で配置させることが可能であり、且つ同様に、行デコーダ14はサブアレイ12のグループ間に物理的に位置させることが可能である。このようなレイアウト最適化は特定のメモリ設計及び製造プロセスに対して興味のある特定のパラメータに従って当業者によって決定することが可能であることが意図されている。
【0022】
メモリ1の列デコーダ16と入力/出力回路との間でデータの通信を制御する回路が図1において概略示されている。従来技術におけるようなメモリ1の動作を制御するその他の制御回路をメモリ1内に設けることも可能であり、簡単化のためにこのような回路は図1においては示していない。本例においては8ビット幅である出力データバス20が読取り動作において入力/出力回路及び列デコーダ16によって駆動され、メモリ位置のデータ状態はメモリアドレスに従ってアクセスされる。出力データバス20の各ラインは非反転出力バッファ22によって受取られ、該バッファはメモリ1の明細に対応するレベル及び電流での正しいデータ状態で出力端子DQを駆動する。出力バッファ22の各々は、ANDゲート26からのライン24上の信号によってイネーブルされる。従って、ライン24上の信号は、出力データバス20上の論理レベルが端子DQに供給されるか、又は出力バッファ22が高インピーダンス状態を端子DQへ供給するかを制御する。
【0023】
本実施例においては、ANDゲート26は4つの入力端を有している。ANDゲート26の第一の入力端は、ANDゲート25及びORゲート33を介してチップイネーブル信号を受取る。ANDゲート25は、反転入力端において端子E1からの信号を受取り且つ非反転入力端において端子E2からの信号を受取り、ラインCE上のANDゲート25の出力は、端子E1が低であり且つ端子E2が高であることに応答して、高論理レベルにある。ラインCE上のANDゲート25の出力はORゲート33の第一入力端へ供給され、該ORゲート33は、以下に説明する如く、テストモードイネーブル回路29からラインT上の信号を受取る。通常動作期間中、ラインTは低論理レベルにあり、従ってORゲート33はANDゲート25からのラインCEの状態に直接的に応答する。従って、この実施例においては、ORゲート33の出力はチップイネーブル信号に対応し且つメモリ1の動作及び出力バッファ22の動作をイネーブルさせる。勿論、従来公知の如く、チップイネーブル信号は、従来技術における幾つかの回路にとって公知の如く、複数個のイネーブル信号の別の論理的組合わせから又は単一のチップイネーブル端子から発生させることも可能である。
【0024】
図1に示した如く、本発明のこの実施例に基づくメモリ1の例においては、ラインCEがORゲート19の1つの入力端へ接続されており、該ゲートの出力端は入力/出力回路及び列デコーダ16へ接続されておりそのイネーブル動作及びディスエーブル動作を制御する。その他の機能ブロックも、概略、同様の態様で、ORゲート19を介してチップイネーブル端子E1及びE2によって制御され、このような制御を実施する接続状態は簡単化のために図1には示されていない。ORゲート19の他の入力端はANDゲート21の出力を受取り、ANDゲート21は、テストモードイネーブル回路29からのラインTをその1つの入力端において受取り、且つその他方の入力端においては端子OEからの信号を受取る。後に更に詳細に説明する如く、この構成は、メモリ1がテストモードにある場合に、出力イネーブル端子OEがチップイネーブル機能を与えることを可能としている。
【0025】
ANDゲート26によって受取られる第二の入力は端子W において受取られる書込みイネーブル信号である。従って、ANDゲート25が、書込みイネーブル端子W が読取り動作を表わす高論理レベルにあることと結合されてメモリ1の選択を表わす場合には、ANDゲート26は出力バッファ22をイネーブルさせることが可能である。逆に、書込みイネーブル端子W が低論理レベルにあることによって表わされる書込み動作期間中においては、ANDゲート26は、必ず低論理レベルを有しており、且つ、従って、出力バッファ22をそれらの出力端において高インピーダンス状態とさせる。ANDゲート26によって受取られる第三の入力は、出力端子をイネーブルさせ且つディスエーブルをさせるために従来公知の如く、端子OEからの出力イネーブル信号であり、出力イネーブル信号を使用することは、複数個のメモリ1がそれらの出力端子をワイヤードORの態様で共通接続されている場合に、特に有用である。
【0026】
この実施例において、ANDゲート26により受取られる第四の入力は、パラレルテスト回路28によって発生され、該回路は、メモリ1が特別テストモードとされた場合に、複数個のデータワードの比較を行なう。パラレルテスト回路28は、ライン30上において、入力/出力回路及び列デコーダ16からの複数個の8ビットデータワードを受取り、これらのデータワードの各々は列アドレスの一部に従ってサブアレイ12の1つから読取られたデータに対応している。パラレルテスト回路28は、これらの複数個のデータワードの比較を行ない、且つその比較が成功したか否かに対応してライン32上に信号を発生する。
【0027】
パラレルテスト用の特別テストモードがそれに接続されているラインTE上の高論理レベルによってイネーブルされると、パラレルテスト回路28は、ライン30上でそれに供給された複数個のデータワードの比較を行ない、且つその比較が成功したか否かに対応してライン32上に信号を発生する。この実施例においては、複数個のデータワードの全てが同一のデータを供給する場合に、テストモードにあるパラレルテスト回路28によってライン32は高論理レベルへ駆動され、且つエラーが存在する場合、即ち比較された複数個のデータワードが同一のデータを供給するものではない場合には、ライン32はテストモードにおいて、低論理レベルへ駆動される。出力バッファ22が通常動作期間中に動作可能であるためには、パラレルテスト回路28は通常動作期間中、即ちパラレルテスト回路28がイネーブルされない場合に、高論理レベルを供給する。
【0028】
更に、より詳細に以下に説明する如く、特別テストモード期間中、ラインTは、テストモードイネーブル回路29によって高論理レベルへ駆動される。このことは、ORゲート33の出力を高レベルへ移行させ、端子E1が低で且つ端子E2が高であるチップイネーブル条件の不存在において出力バッファ22のイネーブル動作を可能とし、以下に説明する如く、このメモリ1の実施例においては、チップイネーブル条件は特別テストモードのディスエーブル動作を発生させる。従って、特別テストモードがイネーブルされると、出力イネーブル端子OEは、実際上、メモリ1に対しチップイネーブル機能を供給する。
【0029】
図1から明らかな如く、メモリ1は共通の入力/出力メモリであり、且つそうであるから、端子DQの両方は出力データを供給すると共に入力データを受取る。従って、端子DQは入力バッファ34へ接続されており、該バッファは、書込み動作期間中、入力データを入力データ制御回路36へ供給し、該入力データ制御回路は、入力データバス38を介して入力データを、入力/出力制御回路及び列デコーダ16を介して選択されたメモリセルへ供給する。入力バッファ34は上に説明した出力バッファ22と同様の態様で制御され、ライン40上のイネーブル用信号はANDゲート42によって発生され、該ANDゲートは端子CEからのチップイネーブル信号と端子W (インバータ44によって反転されている)からの書込みイネーブル信号との論理AND処理を実行する。パラレルテストモードにおいては、入力データは、複数個のメモリ位置をイネーブルさせ且つ同時的にそれらに対し同一のデータを書込むことにより、従来の態様で入力/出力回路及び列デコーダ16によってメモリ10内の複数個のメモリ位置へ書込むことが可能である。
【0030】
テストモードイネーブル回路29は、幾つかの特別テストモードのうちの1つをイネーブルさせるためにメモリ1内に設けられている。説明の便宜上、パラレル読取り及び書込み動作に対応する特別テストモードを図1におけるパラレルテスト回路28によって示してある。例えば上に掲載したMcAdams et
al.の文献に記載されるようなその他の特別テストモードも、テストモードイネーブル回路29によって、それに供給される入力に応答して、イネーブルさせることが可能である。
【0031】
テストモードイネーブル回路29は、アドレス端子A1及びA3から信号を受取り、且つラインTRST上をインバータ27を介してANDゲート29からの信号を受取る。以下に更に詳細に説明する如く、端子A1が特定の論理状態にある状態で端子A3における過電圧条件のシーケンスに応答し、且つANDゲート25がメモリ1がイネーブルされていないことを表わしている限り、テストモードイネーブル回路29はラインT上に高論理レベルを発生し、本実施例においてはパラレルテスト回路28に対して、且つ特定のテストモードによってイネーブルさせることの可能なメモリ1内の同様のその他の回路に対して、特別テストモードの動作がエンタされるべきであることを表わす。
【0032】
テストモードイネーブル回路
図2を参照して、テストモードイネーブル回路29の構成について詳細に説明する。本発明のこの実施例によれば、端子A3における過電圧条件の時において端子A1における論理状態に依存して、2つの別々の且つ相互に排他的な特別テストモードをイネーブルさせることが可能である。注意すべきことであるが、テストモードイネーブル回路29がアドレスバッファ11の前に端子A3において論理状態を受取る場合に、端子A3からのバッファした値を交互にテストモードイネーブル回路29へ供給することが可能である。上述した如く、テストモードイネーブル回路29はラインA1,A3及びTRST上の信号を入力として受取る。テストモードイネーブル回路29は、上述した如く、ラインT上の信号をパラレルテスト回路28へ供給して、パラレルテストモードがイネーブルされるか否かを表わす。更に、テストモードイネーブル回路29は、所望により、メモリ1内の第二の特別テストをイネーブルさせるために、ラインT2上に別の出力を与える。ラインT2はこのような付加的なテストを実施するために必要なメモリ1内のこのようなその他の回路へ接続されており、このようなその他の特別テストは、本実施例においては、ラインT上の信号によって表わされるパラレルテスト機能と相互に排他的なものである。図2においては単に2つの相互に排他的な特別テストモードが示されているに過ぎないが、このような付加的な特別テストモードの選択のためのアドレス入力等のような付加的な入力を使用することを包含して、テストモードイネーブル回路29内に設けられる論理の簡単な拡張によってより多くの特別テスト機能をイネーブルさせることが可能であることも勿論意図されている。このような拡張は、本願明細書を参照し当業者にとって自明なものである。更に、注意すべきことであるが、テストモードイネーブル回路29によってイネーブルされる特別テストモードは、互いに排他的なものである必要はない。なぜならば、ある機能は互いに共同的に動作することが可能だからである(例えば、特定の特別読取り機能は、パラレルテストモードと共にイネーブルさせることが可能であり、そのパラレルテストは別個に選択可能な特別読取り機能を有するものではない)。
【0033】
テストモードイネーブル回路29は評価論理30を有しており、該評価論理は、図2においてA1として示したライン上でアドレス端子A1からの信号を受取る。評価論理30は、更に、1つの入力として、チップイネーブル回路(即ち、インバータ27を介してANDゲート25)からのラインTRSTを受取り、従って、更に詳細に以下に説明する如く、チップイネーブル入力E1及びE2によるメモリ1の選択によって、特別テストモードがディスエーブルされ且つ通常動作モードがエンタされる。更に、本発明のこの実施例によれば、評価論理30は、過電圧検知器32によって発生されるラインCKBHV上の入力を受取る。過電圧検知器32は、対応するアドレス端子からラインA3を受取り、そこに印加される電圧が過電圧状態にあるか否かを決定する。
【0034】
更に、テストモードイネーブル回路29内にはパワーオンリセット回路40が設けられており、それは、電源Vccがパワーアップされた後の所定の時刻においてラインPOR上をイネーブル信号を評価論理30(更に、メモリ1内のその他の回路)へ供給する。以下に更に詳細に説明する如く、パワーオンリセット回路40は、評価論理30を介して、メモリ1のパワーアップ期間中にテストモードへのエントリをロックアウトする。
【0035】
テストモードイネーブル回路29は、更に、互いに直列接続されているD型フリップフロップ90及び92を有しており、それらのクロック及びリセット入力は評価論理によって制御される。上述した如く、本発明のこの実施例においては2つの特別テストモードが選択可能であり、テストモードイネーブル回路29は、従って、2対のフリップフロップ90及び92を有しており、各対はドライバ110を介して特定の特別テストモードの選択をイネーブルさせる。以下に更に詳細に説明する如く、テストモードイネーブル回路29において特別テストモードの各々に対し一連の複数個のフリップフロップ90,92を設けることは、単一のこのような信号又は過電圧の振れのみを必要とするのではなく、イネーブルされるべき特別テストモードに対し順番に供給されねばならない。特別テストモードをイネーブルさせるための2つ又はそれ以上のこのような信号のシーケンスに対する条件は、ノイズ、パワー損失及び回復、ホットソケット挿入又は同様の事象に起因して、このようなモードに不本意にエンタすることがない高い程度の安全性を与えている。
【0036】
過電圧検知
次に、図3を参照すると、過電圧検知器32の構成及び動作が詳細に示されている。本明細書から明らかな如く、過電圧条件を表わすためにどのラインCKBHVが高論理レベルへ移行するかということに応答して、過電圧検知器32によって検知される過電圧条件は、端子A3へ印加される電圧が接地、即ちVss以下のある値であるという条件である。注意すべきことであるが、正の過電圧条件(即ち、端子A3における電圧がメモリ1への正の供給電圧、即ちVccよりも大きなある値を超えること)は、適宜の設計変更を行なうことにより、過電圧検知器32によって検知することが可能である。
【0037】
対応するアドレス端子からのラインA3は、Pチャンネルトランジスタ340 のドレインへ接続されている。この実施例によれば、Pチャンネルトランジスタ340 乃至344 はダイオード形態で接続されており(即ち、ゲートがドレインへ接続されている)且つダイオード遅延を確立するために互いに直列的に接続されたPチャンネルトランジスタである。この過電圧検知器32の実施例においては5個のトランジスタ34が使用されているが、そのように使用されるトランジスタ34の数は、過電圧検知器32が過電圧信号を発生すべきトリップ電圧に依存する。使用されるトランジスタ34の数及びそれらのスレッシュホールド電圧は、勿論、この値を決定する。
【0038】
ノードN1において、ダイオード遅延におけるトランジスタ34のうちの最も上のものであるトランジスタ344 のソースは、Pチャンネルプルアットランジスタ36のドレインへ接続されている。トランジスタ36のソースはVccへ接続されており、且つそのゲートはVssへ接続されている。トランジスタ36は、幅対長さ比(W/L)において、トランジスタ34と比較してより小型のトランジスタである。例えば、本実施例におけるトランジスタ36のW/Lは1/250のオーダであり、一方トランジスタ34のW/Lは2のオーダである。従って、トランジスタ36が導通状態にある場合、それらは、トランジスタ36が導通状態に留まる場合であっても、ノードN1をプルダウンさせることが可能である。この実施例においては、ノードN1は更にPチャンネルトランジスタ38のドレインへ接続されており、該トランジスタのソースはVccへ接続され且つそのゲートは評価論理30(図2参照)からのラインRST 上の信号によって制御される。トランジスタ38はトランジスタ34及び36と比較して相対的に大型のトランジスタであり、W/Lは8の程度であり、従って、それが導通状態にある場合には、ノードN1は、トランジスタ34が導通状態にある場合であっても、それを介してVccへプルさせることが可能である。従って、トランジスタ38は、ラインA3上の電圧が過電圧条件にある場合であっても、ラインRST 上の低論理レベルに応答して、過電圧検知器32の状態をリセットさせることが可能である。
【0039】
ノードN1は従来の反転用シュミットトリガ回路40の入力端へ接続されている。このような回路にとって公知の如く、シュミットトリガ40は、その伝達特性におけるヒステリシスと共に論理反転を実行する。このようなヒステリシスは、Nチャンネルトランジスタ42n 及びPチャンネルトランジスタ42p によって与えられるものであり、過電圧検知器32に対して安定性を与え、従ってトリップ電圧の周りのラインA3の電圧における小さな変動は過電圧検知器32の出力を高論理レベルと低電位レベルとの間で振動させることはない。
【0040】
シュミットトリガ40の出力端は、反転用バッファを介して、交差結合型インバータ46及び48を構成するラッチの入力端へ接続されている。インバータ46の入力端はインバータ44の出力を受取り、且つインバータ46の出力は過電圧検知器32の出力であるラインCKBHVを駆動する。インバータ48は、その入力端をインバータ46の出力端へ接続しており、且つその出力端をインバータ46の入力端へ接続している。この実施例においては、インバータ46及び48の両方は従来のCMOSインバータであって、インバータ48におけるトランジスタのW/Lは、好適には、インバータ46のもの(即ち、W/Lが2.0の程度)よりもかなり小さなものである(例えば、W/Lが0.5の程度)。このような構成は、ラインCKBHVの状態がラッチされたままとすることを可能とし、更に、インバータ44(そのトランジスタのW/Lは1.0の程度)が比較的容易に該ラッチの状態を上書きすることも可能とする。インバータ46及び48のラッチが存在することは、更に、過電圧検知器32に対して付加的な安定性を与えており、従ってラインCKBHV上の出力における振動は、トリップ電圧の周りのラインA3の電圧の小さな変動から発生される可能性は低い。
【0041】
動作について説明すると、過電圧検知器32の通常の条件(即ち、端子A3における電圧がその公称範囲内のものである)は、トランジスタ36により、ノードN1をVccへプルアップさせる。このことは、シュミットトリガ40をしてその出力端において低論理レベルを有するものとさせ、そのことは、インバータ44及び46の動作により、ラインCKBHV上に低論理レベルを与える。インバータ48は、インバータ46と共に、この低論理レベルをラインCKBHV上にラッチする。この条件は、後に説明する如く、テストモードイネーブル回路29を介して、通常動作モードが選択されていることをメモリ1の残部に対して表示する。
【0042】
特別テストモードのイネーブル動作は、ノードN1を低へプルさせるためにVccの電圧よりも充分に低い電圧を端子A3において供給することによって実施される。端子A3がプルされねばならないトリップ電圧レベルは、トランジスタ34のダイオードが全て順方向バイアスされる電圧を決定することによって計算される。ノードN1がトランジスタ36によってVccへプルされると、トランジスタ34(この場合には、5個の数)は、端子A3における電圧が電圧Vtripにあるか又はそれより低い場合に、導通状態にある。
【0043】
Vtrip=Vcc−5(Vtp)
尚、VtpはPチャンネルトランジスタ34のスレッシュホールド電圧である。例えば、Vtpが2.4Vのオーダである場合、Vtripは公称的なVccの値が5.0Vである場合に、−7.0Vのオーダの値を有している。
【0044】
端子A3における電圧がVtripにあるか又はそれより低い場合、ノードN1は、端子A3の電圧へ向かって、低へプルされる。このことは、シュミットトリガ40をしてその出力端において高論理レベルを供給させ、それは、次いで、インバータ44によって反転される。前述した如く、インバータ44はインバータ48と比較して充分に大きく、インバータ46をして状態を変化させ、ラインCKBHV上に高論理レベルを供給し、テストモードイネーブル回路29の残部に対して端子A3が過電圧条件にあることを表わす。
【0045】
過電圧検知器32は、2つの方法の1つで通常動作条件へリセットされる。最初に、端子A3がVtripを超えた電圧へ復帰すると、トランジスタ34は非導通状態となり、トランジスタ36がノードN1をVccへ向けてプルアップすることを可能とする。ノードN1がシュミットトリガ40がスイッチする電圧に到達すると、再度低論理レベルがラインCKBHV上に供給される。後に説明する如く、本発明の好適実施例に基づくメモリ1の動作は、特別テストモードにエンタするためには、過電圧条件が少なくとも2回続いて発生されることを必要とし、従って、これは、過電圧検知器32がリセットされる通常の態様である。
【0046】
過電圧検知器32がリセットされる第二の態様は、ラインRFT 上の低論理レベルに応答して、トランジスタ38の動作による場合である。以下に説明する如く、ラインRFT は、種々のイベント(事象)によってトリガされる、テストモードから通常動作モードへの無条件のイグジット(抜け出し)に応答して、低論理レベルへ駆動される。上に説明した如く、トランジスタ38は、好適には、例えトランジスタ34が導通状態にある場合でも、それがノードN1を高へプルすることが可能であるように充分に大型なものであり、従って、シュミットトリガ40及びインバータ44,46,48をして、再度ラインCKBHV上に低論理レベルを供給するために必要な遷移を行なわせる。図2に示した如く、ラインCKBHVは評価論理30によって受取られる。
【0047】
パワーオンリセット
本発明のこの実施例によると、評価論理30は、更に、その入力端において、パワーオンリセット回路40からラインPOR上の信号を受取る。パワーオンリセット回路40の機能は、メモリ1のパワーアップ時に、特別テストモードへ誤ってエントリすることを防止することである。従って、メモリ1がパワーアップされる時等の期間中、パワーアップリセット回路40は、ラインPORを介してそのことを評価論理30へ表示し、且つ特別テストモードへのどのようなエントリもディスエーブルさせる。メモリ1が充分にパワーアップされると、パワーオンリセット回路40は、ラインPORを介してそのことを評価論理30へ表示し、且つ端子A3における過電圧条件、及び特別テストモードへの所望のエントリのこのような付加的な又は代替的な表示がテストモードをイネーブルさせることを許容する。
【0048】
図4を参照すると、本発明のこの実施例に基づいたパワーオンリセット回路40の好適な構成及び動作が示されている。パワーオンリセット回路40は電力供給電圧Vcc及び接地基準電圧Vssを受取る。Vcc及びVssは、CMOSラッチ42内のトランジスタをバイアスする。ラッチ42は交差結合型CMOSインバータから構成された従来のラッチであり、且つVccとその中の交差結合されたノードC1との間に接続されたコンデンサ44を有すると共に、Vssと他方の交差結合されたノードC2との間に接続されたコンデンサ46を有している。後に更に詳細に説明する如く、コンデンサ44及び46は、メモリ1のパワーアップ時にラッチ42をプリセットする。
【0049】
ラッチ42は、交差結合されたノードC2へ接続された一連のインバータ72を介して、ラインPORへその論理状態を通信する。この一連の接続されたインバータ72の数(本実施例においては6個)は、ラッチ42のスイッチングとラインPORの遷移との間の遅延時間を決定する。一連のインバータ72内において、コンデンサ50の一方のプレートがインバータ72の入力端へ接続されており、該インバータは、ノードC2から奇数番目のインバータであり(この場合は、ノードC2から5番目のインバータ72の入力端)、他方のプレートはVccへ接続されている。更に、この一連のインバータ72内において、コンデンサ74がその一方の側部が、複数個のインバータ72の1つ、好適にはノードC2から奇数番目のインバータであるインバータ72の入力端へ接続されており(この場合には、コンデンサ74はノードC2から3番目のインバータ72の入力端へ接続されている)、且つその他方のプレートはVccへ接続されている。コンデンサ74はパワーオンリセット回路40の動作を安定化すべく機能し、従って、それは、Vccが該回路のトリップ点の周りでの小さな振れを発生する場合に迅速に振動することはなく、コンデンサ74は、以下に更に詳細に説明する如く、インバータ72のチエーンの動作を遅滞化させる。
【0050】
パワーオンリセット回路40は、更に、VccとVssとの間でバイアスされる計時型スイッチ48を有している。VccがPチャンネルトランジスタ52のソースへ接続されており、該トランジスタのゲートはコンデンサ50のプレートへ接続されており、該コンデンサは複数個のインバータ72からなるチエーン内に接続されている。トランジスタ52のドレインはNチャンネルトランジスタ54のドレインへ接続されており、該トランジスタ54のゲートはVccへ接続されており且つそのソースはVssによってバイアスされる。トランジスタ52は、好適には、トランジスタ54よりも大型であり、夫々のトランジスタのW/Lは10及び4のオーダである。トランジスタ52及び54のドレインはコンデンサ56の一方のプレートへ接続されており、該コンデンサの他方のプレートはVssへ接続されており、且つトランジスタ58のゲートへ接続されており、トランジスタ58のドレインはラッチ42の交差結合されたノードC1へ接続されており、且つ該トランジスタのソースはVssに接続されている。以下に説明する動作の説明から明らかな如く、計時型スイッチ48は、ラッチ42をして、Vccのパワーアップの後、所定の周期でその状態を変化させる。
【0051】
注意すべきことであるが、ラッチ42、計時型スイッチ48及びインバータ72からなるチエーンを設けることは、パワーオンリセット回路においては、従来公知なものである。図4に示したリセット回路60等のようなリセット回路を包含することのないこのような従来のパワーオン回路は、電力損失の場合にパワーオン回路の状態が迅速にリセットされない場合には、短期間の電力損失の場合に不正確な動作を発生する場合がある。電源が失われ、次いでパワーオンリセット回路がその適切な初期状態へ復帰する前に回復されると、パワーオンリセット回路は、パワーオンが完全に発生したことの信号を本回路の残部へ直に供給し(即ち、電力損失時に供給したものと同一の信号)、且つ完全なパワーアップが発生する前に、本回路の通常動作をイネーブルさせる。このことは、本回路の残部がランダム、従って潜在的に望ましくない状態で初期化することを可能とする。このような不所望の状態の一例は特別テストモードである。
【0052】
しかしながら、本発明のこの実施例によれば、パワーオンリセット回路40は、更に、リセット回路60を有しており、それは、電源Vccがあるレベル以下に降下すると、パワーオンリセット回路40の状態が完全に且つ迅速にリセットされることを確保する。リセット回路60は、Nチャンネルトランジスタ62を有しており、そのソース対ドレイン経路は、ラッチ42の交差結合されたノードC2とVccとの間に接続されており、そのゲートはコンデンサ66の一方のプレートへ結合されており、且つ該コンデンサの他方のプレートはVssへ接続されている。トランジスタ62のゲートは、更に、トランジスタ68及び70のソースへ接続されている。Nチャンネルトランジスタ68及び70の各々は、それらのドレインをVccへ接続しており、トランジスタ68のゲートはトランジスタ62のゲートへ接続されており、且つトランジスタ70のゲートはVccへ接続されている。リセット回路60の動作に関して以下に説明する如く、トランジスタ62が、トランジスタ68のスレッシュホールド電圧よりも低いスレッシュホールド電圧を有するようにトランジスタ62を構成することが望ましい。従来公知の如く、このことは、トランジスタ62及び68に対する異なったスレッシュホールド調節イオン注入によって行なうことが可能であり、又は、トランジスタ62のW/L比をトランジスタ68のものよりも著しく大きくさせることによって行なうことが可能である。
【0053】
リセット回路60を包含するパワーオンリセット回路40の動作について、電力がVccへ印加されていない状態から開始して、メモリ1がパワーアップされる場合について説明する。Vccがパワーされていない条件からランプアップすると、コンデンサ44及び46はラッチ42をして、コンデンサ44及び46の作用に起因して、ノードC1が高レベルであり且つノードC2が低レベルにある状態にセットさせる。交差結合されたノードC2における低論理レベルは、6個のインバータ72を介して、ラインPORにおいて、低論理レベルを供給する。このことは、メモリ1の残部に対して、特に評価論理30に対して、メモリ1が未だ充分にパワーアップされていないことを表わす。以下に更に詳細に説明する如く、このことは、メモリ1が特別テストモードにエントリすることを防止する。この初期状態において、リセット回路60内のトランジスタ62はオフ状態を維持する。なぜならば、そのゲート(コンデンサ66における)はトランジスタ70を介して未だにチャージアップしていないからである。
【0054】
パワーアップが開始すると、ノードC2に続く奇数番目のインバータ72の入力端へも接続されているコンデンサ50のプレートへ接続されている計時型スイッチ48内のトランジスタ52のゲートは低論理レベルにある。なぜならば、ノードC2が低だからである。従って、パワーアップ期間中に、Vccがあるレベルを超えて上昇する際に、トランジスタ52はターンオンされ、トランジスタ52がトランジスタ54よりも著しく大型であるために、トランジスタ54がターンオンする場合に、トランジスタ52及び54のドレインにおけるノードはVccへ向かってプルされる。電源Vccがパワーアップされる場合にあるレベル、例えば3.3Vに到達した後に、且つトランジスタ58のゲートはトランジスタ52のドレインに追従するので、トランジスタ58がターンオンし、ノードC1をVssへ向かって低状態へプルする。このことは、交差結合されたノードC1を低論理レベルへプルし、且つラッチ42をスイッチし、従ってノードC2において高論理レベルが供給される。複数個のインバータ72からなるチエーンの中の5番目のインバータ72の入力端におけるコンデンサ50のチャージアップを包含してインバータ72のチエーンを介してリップルが通り過ぎるのに必要な時間の後、ラインPORは高論理レベルへ移行し、且つ評価論理30を包含するメモリ1の残部に対して、パワーアップが発生したことを表わす。Vccがトリップレベルに到達する時刻とラインPOR上の高論理レベルの発生との間の好適な遅延時間の一例は10ナノ秒のオーダである。
【0055】
ノードC2における高論理レベルがインバータ72からなるチエーンを介してリップル動作により通過すると、コンデンサ50は、トランジスタ52のゲートが高電圧にあり、そのことがPチャンネルトランジスタ52をターンオフさせる状態に充電される。この時において、ゲートがVccにあるトランジスタ54の動作に起因して、トランジスタ58のゲートは低状態へプルされ、トランジスタ58をターンオフさせる。このことは、ノードC1をラッチ42の動作によって低論理レベルに保持することを可能とするが、何等外部的な駆動電圧がそれに対して印加されるものではない。その結果、電源Vccにおける電圧損失の場合、リセット回路60は、容易に、ラッチ42をその前の状態にリセットさせることが可能である。
【0056】
更に、パワーアップの後に、Nチャンネルトランジスタ70の動作に起因してトランジスタ62のゲートは約Vcc−Vt70 にあり(尚、Vt70 はトランジスタ70のスレッシュホールド電圧である)、そのことは、トランジスタ62をターンオンさせる。このことは、ノードC2をトランジスタ62を介してVccへ接続させ、そのことは、更に、ノードC2を高状態に保持することを助け、且つ、ラッチ42の動作によって、ノードC1を低状態に保持することを助ける。従って、ラッチ42はVccがパワーアップされた状態を維持する限りこの状態に留まり、そのパワーアップされた状態はラインPOR上の高論理レベルによって表わされる。
【0057】
電源Vccの電圧がその公称動作レベルより低いあるレベルに降下した場合であっても、パワーオンリセット回路40はリセット回路60によってリセットされる。Vccが0Vへ向けて降下すると、トランジスタ62のゲートは、Vccの電圧より高い約Vt68 に留まりながらVccに追従する。この電圧は、コンデンサ66が前にVcc−Vt70 へ充電されており且つトランジスタ68が順方向バイアスされたダイオードとして作用することに起因して、電源Vccが0Vに到達すると、トランジスタ62のゲートにおいて留まる。前述した如く、トランジスタ62のスレッシュホールド電圧はトランジスタ68のスレッシュホールド電圧よりも低いので、電源Vccが0Vに到達する場合に、トランジスタ62はオン状態である。このことはラッチ42の交差結合したノードC2を、低論理レベル(0V)にあるVccへ放電させる。
【0058】
注意すべきことであるが、PチャンネルトランジスタではなくNチャンネルトランジスタ70を使用することは、図4の回路の殆どのCMOSへの具体化にとって重要なものである。CMOSにおいて公知の如く、Pチャンネルトランジスタが形成されるNウエル領域は、一般的に、Vccへバイアスされて、該Pチャンネルトランジスタのソース対ウエル接合が順方向バイアスされることがないことを確保する。このようなPチャンネルトランジスタがトランジスタ70の代わりに使用される場合には(勿論、そのゲートはトランジスタ62のゲートへ接続して同一の機能を行なわせる)、電源Vccが接地へ降下すると、トランジスタ62のゲーは、Vt68 ではなく、順方向バイアスされたPN接合電圧降下(0.7Vの程度)へクランプされる。トランジスタ62のスレッシュホールド電圧がこの電圧降下よりも一層高い場合には、トランジスタ62は導通状態にはなく、且つリセット回路60はラッチ42内のノードC2を迅速に放電するべく動作可能なものではない。従って、Nチャンネルトランジスタ70を使用することが望ましく、それは、Vccが降下すると、トランジスタ62のゲートへ逆バイアスされたダイオードを提供し、トランジスタ62のゲートがVt68 の電圧へ降下することを許容する。
【0059】
Vccが降下する場合のこのノードC2の接地への放電は、Vcc上の電圧の喪失が短いものであったとしても、パワーオンリセット回路40が適切に動作することを確保する。パワーオンリセット回路40の適切な動作は、パワーアップの後ある時間長さに亘りラインPOR上に低論理レベルが発生することであり、即ち、Vccがある時間の間あるレベルより高い状態にあり、その時間において、ラインPORが高状態へ復帰する。このような動作は、図4の回路の場合、ラッチ42は、パワーアップによって、ノードC1が高状態であり且つノードC2が低状態である状態へセットせねばならないことを必要とし、計時型スイッチ48はラッチ42のスイッチング及びその後のラインPOR上での高論理信号の発生を行なわせる。短期間の電力喪失でその後に適切なパワーオンリセット手順(特別テストモードのロックアウトを包含する)が所望される場合、リセット回路60は、トランジスタ62を介してノードC2(及びコンデンサ46)を放電することによりラッチ42のリセット動作を確保する。リセット回路60によって与えられるこの放電経路がない場合には、コンデンサ46はリークにより充分に放電することは不可能であり、従ってそれは、電源Vccにおける短期間の電圧喪失の後のパワーアップにより再度ノードC2を低状態にセットする。
【0060】
更に注意すべきことであるが、コンデンサ66は、更に、パワーアップが開始する場合にトランジスタ62がターンオンする速度を遅滞化させる。このことは、ラッチ42をしてパワーアップ時に状態を変化させるのは、トランジスタ62を介してのノードC2の時期尚早な充電動作ではなく、計時型スイッチ48の動作であることを確保する。従って、コンデンサ66によって、リセット回路60は、パワーアップシーケンス期間中に、パワーオンリセット回路40の動作を乱すことはない。
【0061】
図4a及び4bを参照すると、リセット回路60の代わりにパワーオンリセット回路40内に設けることの可能な別のリセット回路60a及び60bの構成及び動作を詳細に説明する。図4aは、ソース対ドレイン経路をラッチ42の交差結合したノードC2とVccとの間に接続しており且つ図4のリセット回路60における如く、ゲートがトランジスタ68のソースへ接続されているトランジスタ62を有する第一の代替的なリセット回路60aを示している。図4のリセット回路60と異なり、リセット回路60aは、トランジスタ62のゲートとVssとの間に接続されているコンデンサ66を有するものではない。図4の場合における如く、トランジスタ68は、ダイオード形態に形成されており、そのソース対ドレイン経路はVccとトランジスタ62のゲートとの間に接続されており、且つそのゲートはトランジスタ62のゲートへ接続されている。Nチャンネルトランジスタ70及び71はダイオード形態で構成されており、且つトランジスタ62のゲートと相対的にVcc正で順方向バイアスされるような方向に配向されて、Vccとトランジスタ62のゲートとの間に直列接続されている。
【0062】
図4aのリセット回路60aは、Vccとトランジスタ62のゲートとの間の直列トランジスタ70及び71に起因して、電源Vccのパワーアップ期間中トランジスタ62のゲートの充電動作を遅延させ且つクランプし、従ってトランジスタ62は、ラッチ42(図4に示してある)がスイッチされる後までターンオンすることはない。付加的なトランジスタを、トランジスタ70と71とに直列的に設けることが可能であり、所望により、トランジスタ62のターンオンを更に遅延させることが可能である。しかしながら、電源Vccが降下する場合にトランジスタ62がノードC2を放電することが可能であるためには、Vccとトランジスタ62のゲートとの間における直列的なトランジスタの数は、トランジスタ62のゲートにおける電圧がそのスレッシュホールド電圧よりも低い電圧においてクランプされるような大きなものとすることは不可能である。このような場合には、トランジスタ62はパワーアップ期間中にターンオンすることはなく、又パワーダウン期間中にオンすることもなく、リセット回路60の動作を排除する。注意すべきことであるが、クランプ電圧に影響を与えることなしに、パワーアップ期間中にトランジスタ62のゲートの充電における遅延を更に助けるために、図4aの直列接続における複数個のトランジスタ70,71と結合して、図4におけるコンデンサ66と同様の態様で、トランジスタ62のゲートへコンデンサを接続させることが可能である。
【0063】
図4bを参照すると、本発明の別の実施例に基づくリセット回路60bが示されており、リセット回路60の代わりに図4のパワーオンリセット回路40において使用するものである。リセット回路60bは、図4のリセット回路と同様に構成されており、トランジスタ62のソース対ドレイン経路はラッチ42の交差結合されたノードC2とVccとの間に接続されている。トランジスタ62のゲートはNチャンネルトランジスタ70へ接続されており、且つコンデンサ66の一方のプレートへ接続されている。図4における如く、トランジスタ70は、Vccとトランジスタ62のゲートとの間においてダイオード形態で接続されており、トランジスタ70のゲートはVccへ接続されている。リセット回路60bは、更に、Nチャンネルトランジスタ68及び73を有しており、それらのトランジスタのソース対ドレイン経路はVccとトランジスタ62のゲートとの間に直列接続されており、且つ該トランジスタの各々はそれらのゲートをトランジスタ62のゲートへ接続している。注意すべきことであるが、トランジスタ68及び73は、それらのスレッシュホールド電圧がトランジスタ62のスレッシュホールド電圧と同一であるように製造することが可能である。
【0064】
図4に関して上述した如く、リセット回路60(及び60a及び60b)が適切に動作するためには、トランジスタ62が、電源Vccがパワーダウンし0Vとなる場合であっても、オンせねばならない。リセット回路60において、このことは、トランジスタ62及び68のスレッシュホールド電圧が異なり、トランジスタ62のスレッシュホールド電圧がトランジスタ68のスレッシュホールド電圧よりも低いようにこれらのトランジスタを製造することによって達成される。しかしながら、このような製造上の要件は、メモリ1を製造するために使用される製造プロセスと適合性がない場合がある。更に、集積回路の製造プロセスにおける多数の変数はスレッシュホールド電圧に顕著な影響を有するものであることが知られている。代替的なリセット回路60bは、直列したトランジスタ68及び73を使用するために、リセット回路60よりも潜在的にプロセスの感度が低下されている回路を提供している。
【0065】
パワーアップにおいて、リセット回路60bは、図4のリセット回路60と同様に動作する。しかしながら、電源Vccがパワーダウンすると、トランジスタ62のゲートが降下する電圧はトランジスタ68及び73によって保持され且つVcc+Vt68 +Vds73であり、尚Vds73はトランジスタ73のソース対ドレイン経路の直列電圧降下である。従って、トランジスタ70がパワーダウンにおいて逆バイアスされると、トランジスタ62及び68のスレッシュホールド電圧が等しい場合(即ち、Vt62 =Vt68 )、トランジスタ62のゲートにおける電圧はそのスレッシュホールド電圧を超えてVccよりも一層高い(即ち、トランジスタ62のソース)。従って、トランジスタ62はノードC2をパワーダウンしたVccへ放電させるべく作用し、ラッチ42をリセットする。
【0066】
電源Vccがパワーアップされた場合に、トランジスタ62のゲートにおける電圧を制御する目的のためには、ダイオード形態ではなくトランジスタ73のゲートをトランジスタ62のゲートへ接続することがリセット回路60bにおいて望ましい。電圧Vds73は、トランジスタ73のスレッシュホールド電圧よりも大きさが小さく、従って、トランジスタ62のゲートにおける電圧は交差結合したノードC2を放電するのに必要なものよりもより高いものではない。このことは有益である。なぜならば、パワーアップする場合に、電源Vccの電圧はトランジスタ68,70,73を介して、トランジスタ62のゲートへ容量的に結合し、且つその時にトランジスタ62のゲートに存在する電圧と加算されるからである。上述した如く、トランジスタ62は計時的スイッチ48の動作の前にターンオンされないことが望ましい。なぜならば、このことは、ラッチ42をしてVccの完全なパワーアップの前にスイッチさせることがあるからである。このようなトランジスタ62を介しての時期尚早な導通の可能性は、電源Vccのパワーアップ時におけるそのゲートにおける電圧がより高いと増加する。従って、リセット回路60bはパワーダウン期間中に導通状態とするのに充分な高さにトランジスタ62のゲートにおける電圧を維持し、且つ異常に高くならないようにし、このような不所望な導通が発生する可能性を減少させている。
【0067】
代替的なリセット回路60bにおいては、プロセス感度の減少は、回路動作の差別的スレッシュホールド電圧に対する依存性を減少することによって得られている。トランジスタ62及び68は同一の寸法で且つ実質的に集積回路内の同一の位置に製造することが可能であり、従って、プロセスにおける変動はトランジスタ62及び68に対して同一な影響を与える傾向となる。直列トランジスタ73を挿入することにより、トランジスタ62はラッチがリセットされるのに充分長い間パワーダウン条件においてオン状態に留まる。
【0068】
勿論、図4のリセット回路60と相対的に、図4a及び4bのリセット回路60a及び60bの別の実施例は、1つ又はそれ以上の付加的なトランジスタを必要とする。当業者は、これらの変形例のうちの1つを選択するか、又は、製造プロセス変動、回路条件、及び設計中の特定の回路のその他の同様な要因に基づいて自明なその他の代替案から選択することが可能である。
【0069】
更に注意すべきことであるが、リセット回路60,60a及び60bは、それらの動作が特に有用であり且つ有益的なパワーオンリセット回路40をリセット動作することに関連して説明したが、それらの回路は、メモリ1内のその他の回路において使用することも可能であり、又メモリ機能を有するか否かに拘らず、その他の集積回路において使用することも可能である。例えば、このような回路においては、パワーアップリセット回路に依存することなしに、電源のパワーダウンによって迅速に放電することが所望される特定のノードがこのような回路内に存在する場合がある。リセット回路60,60a,60bは、上の説明において放電される交差結合したノードC2の代わりにこのようなノードへ接続することにより、このようなノードを放電するために使用することが可能である。
【0070】
評価論理
図5を参照して、評価論理30の構成及び動作について詳細に説明する。上述した如く、ラインPOR及びTRSTは評価論理30への入力であり、この実施例においては、ラインPOR及びTRSTはNANDゲート76の2つの入力端へ接続されており、該ゲート76は、インバータ78を介して、ラインRST を駆動する。ラインPORは、図4に関して上に説明した如く、所定期間の間メモリ1が安全にパワーアップされた後に高レベルにあり、且つ電源Vccが喪失されるか又はたった今パワーアップされたような場合には低論理レベルにある。図1に関して上に説明した如く、メモリ1がチップイネーブル入力E1及びE2を介して選択されない場合には、ラインTRSTは高論理レベルにあり、メモリ1が選択される場合には、ラインTRSTは低論理レベルにある。従って、ラインPOR又はTRSTの何れかが低論理レベルにあると、ラインRST は低論理レベルにあり、テストモードイネーブル回路29をリセットさせ且つ以下に説明する如く、テストモードへのエントリを防止する。メモリ1が完全にパワーアップされた場合でチップ選択入力E1及びE2を介して選択されたものではない場合には、ラインRST が高論理レベルとなり、例えば特別テストモード等のような特別動作モードへのエントリを許容する。
【0071】
更に、上述した如く、評価論理30はラインA1及びCKBHV上の入力を受取る。アドレス端子A1からのラインA1は、本実施例においては、2つの使用可能なテストモードの内の所望の1つを選択する。ラインCKBHV上の高論理レベルは、選択したアドレス入力A3上で過電圧条件を受取ったことを表わし、アドレス端子A1における状態を効果的にクロック入力し、所望のテストを選択する。このことは、NANDゲート801 及び800 により評価論理30内において達成される。尚、該NANDゲートの各々は、その入力端をラインCKBHVへ接続しており、且つその他方の入力端をラインA1へ結合しており、NANDゲート801 に対するものはインバータ82によって反転され、一方NANDゲート800 に対するものは反転されない。NANDゲート80の各々はインバータ81を介して相補的出力を供給する。従って、NANDゲート800 はラインCK4及びCK4 上の信号を駆動し、且つNANDゲート801 はラインCK1及びCK 1上の信号を駆動する。
【0072】
図5aを参照して、評価論理30の別の実施例である評価論理30aについて説明する。本明細書において説明する如く、テストモードへの不本意なエントリに対すセキュリティ(安全性)が望ましく、従って、例えばノイズ、パワーダウン及びパワーアップシーケンス、及びホットソケット挿入等のようなイベント(事象)は特別動作乃至はテストモードへのエントリを発生するものでないことが望ましい。評価論理30aは、特別テストモードを選択するための拡張コードを設けることを要求することにより、テストモードへのこのような不本意なエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。
【0073】
例えば、前に掲載したMcAdams et al.の文献に記載される如き従来技術は、幾つかの特別テストモードのうちの1つを選択するためのアドレス端子を使用していた。しかしながら、このような従来技術においては、特別テストモードの選択のために使用される端子数は最小とされており、検査される端子のみが使用可能なモードの全てを個別的に選択することが要求される。例えば、McAdams et al.の文献において、10個のモードから選択するために最小数の4個の端子が使用されている。従って、ノイズ、パワーアップ及びその他上述したものの状態において、過電圧又はその他の選択条件が存在する場合には、特別テストモードへのエントリの可能性は極めて高い。
【0074】
更に、McAdams et al.の文献に記載されるような従来技術においては、特別テストモードは、全ての端子が同一の論理レベルにある場合の、例えば全てが「0」である場合のコードによって選択可能である。このような条件はパワーアップ又はホットソケット挿入の期間中に発生する可能性があり、従って過電圧又はその他の選択条件が存在しており、且つ幾つかのモードのうちのどれかを選択するために使用される端子が同一の論理レベルにある場合に、特別テストモードの選択が発生する場合がある。
【0075】
評価論理30aは、メモリ1において選択可能なテスト(又はその他の)モードの数に対して必要とされる最小数のアドレス端子よりも多くのものを使用することにより、このようなテストモードへの不本意のエントリに対する付加的なセキュリティを与えており、即ち、アドレス端子から選択可能な使用可能な選択コードは動作可能なコードと共にまばらに設けられている。更に、評価論理30aは全てが「0」又は全てが[1」のコードは特別テストモードを選択すべく動作しないような態様で構成されている。
【0076】
評価論理30aはNANDゲート78を有しており、それはラインPOR及びTRSTを受取り、且つそれは図5の評価論理30と同様に、インバータ79を介して信号RST を供給する。ラインCK4及びCK4 によるパラレルテスト機能の選択のために、評価論理はNANDゲート840 を有しており、該ゲートの入力端はアドレスバッファ11からのアドレス端子A0,A2,A5へ接続されており(又は、別法として、アドレス端子から直接的に)、且つ過電圧検知回路32からラインCKBHVへ接続される入力端を有している。NANDゲート860 は、ラインCKBHVへ接続された入力端を有しており、且つアドレスバッファ11からアドレス端子A1及びA4へ接続されておりインバータ820 によって反転される入力端を有している。一方、アドレスバッファ11からの真及び補数ラインは、評価論理30aへ等価信号を通信することが可能である。NANDゲート840 及び860 の出力端は、NORゲート880 の入力端へ接続されている。NORゲート800 の出力端は、前述した評価論理30におけるのと同様に、クロックラインCK4及びインバータ810 を介してクロックラインCK4 を駆動する。
【0077】
クロックラインCK1及びCK1 を介して別のテスト機能を選択するために、評価論理30aは、その入力端においてラインCKBHVを受取ると共にアドレス端子A0,A2,A5の状態をインバータ821 によって反転した状態で受取るNANDゲート841 を有すると共に、その入力端においてラインCKBHVを受取り且つアドレス端子A1及びA4の状態を受取るNANDゲート861 を有している。NANDゲート841 及び861 の出力端はNORゲート881 の入力端へ接続されており、該NORゲートはラインCK1及びCK1 を駆動する(インバータ811 を介して)。
【0078】
評価論理30aの動作に関して、クロックラインCK4及びCK4 を介してパラレルテストモードを選択するための回路に関して説明する。NORゲート880 は、その入力が両方とも低論理レベルにある場合にのみ、ラインCK4及びCK4 上でイネーブル用クロックパルスを通信する(即ち、ラインCK4上に高論理レベルで且つラインCK 4上に低論理レベル)。NANDゲート840 及び860 は、それらの入力の全てが高論理レベルにある場合にのみ、それらの出力端において低論理レベルを供給する。従って、NORゲート880 は、過電圧検知回路32によって検知される過電圧エクスカーションに関連して、アドレス端子A5,A4,A2,A1,A0によってコードが供給される場合にのみ、イネーブル用クロック信号を供給する。注意すべきことであるが、過電圧検知回路32によって検知される過電圧エクスカーションに関連して、アドレス端子A5,A4,A2,A1,A0によって与えられるコードが01010に等しい場合にのみ、第二特別モードをイネーブルさせるために、評価論理30aが、NORゲート881 を介して、ラインCK1及びCK1 上のイネーブル用クロック信号を駆動する。上に特定した2つのコード(10101及び01010)以外のその他の条件を有する過電圧エクスカーションの場合には、イネーブル用クロックラインCK4又はCK1の何れも応答することはない。
【0079】
従って、評価論理30aは、2つの態様で、特別テスト又は動作モードへの不本意なエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。第一に、2つの特別テストモードのみを有するメモリ1においては、5個のアドレス端子が評価論理30aによって検査される。従って、本発明のこの実施例に基づいて特別テストモードが選択される確率(即ち、マルチクロック動作が必要とされる場合と相対的な上述した実施例においては、誤ったクロック動作の発生の確率)は32のうちの2の確率である。注意すべきことであるが、上述した評価論理30の場合における確率、即ち過電圧エクスカーションが夫々のクロックラインCK1又はCK4のイネーブルを発生させる確率は確実的なものである。なぜならば、使用可能な特別テストモード(即ち、2)の選択のために最小数のアドレス端子(即ち、1)が使用されているからである。前述したMcAdams et al.文献の場合と比較して、過電圧エクスカーションの場合に特別テストモードにエンタする確率は、少なくとも、16のうちの9である(該モードのうちの1つはリセットコードである)。
【0080】
第二に、注意すべきことであるが、このようなイネーブルのために評価論理30aのこの実施例において使用されるコードは全てが「0」又は全てが「1]ではなく、過電圧エクスカーションの場合における全てが「0」又は全てが「1」のコードの何れかを受取ることは、クロックラインCK1及びCK4においてイネーブル用クロック信号が表われることとはならない。上述した如く、アドレス端子における全てが「0」又は全てが「1」の状態は、パワーアップ又はホットソケット挿入期間中に最も可能性のある状態であると考えられる。注意すべきことであるが、McAdams et al.文献(表4はIV参照)における全てが「0」のコードはパラレル(並列的)の読取り及び書込み動作を選択し、全てが「1」のコードは何等特定された機能を有してするものではないが、明らかに、通常動作(これは0111によって選択される)へリセットするものではない。評価論理30aはこのようなコードに応答するものではないので、テストモードへの不本意なエントリに対するセキュリティの付加的なレベルが与えられる。
【0081】
注意すべきことであるが、評価論理30aは、別法として、テストモードイネーブル回路29において単一クロック動作構成と共に使用することが可能であり、即ち、その場合には、単一の過電圧エクスカーションがテストモードをイネーブルさせることが可能であり、且つ上述したテストモードエントリに対する付加的なセキュリティを与える。評価論理30aの特徴を組込んだメモリに対して2つを超えた特別テストモードを使用することが可能であり、選択コードにおけるまばら性の利点を維持するために、付加的なアドレス端子を検査することが望ましい。
【0082】
再度図2を参照すると、テストモードイネーブル回路29は、更に、Dフリップフロップ90及び92を有しており、それらはテストモードイネーブル回路29によって選択可能なテストモードの各々に対して直列的に接続されている。この実施例においては、2つのテストモードが、アドレス端子A1の状態に依存して、テストモードイネーブル回路29によって選択可能であるから、2対のDフリップフロップ90及び92がテストモードイネーブル回路29内に設けられている。メモリ1に対する付加的なテストモードを設ける場合には、付加的な対のDフリップフロップ90及び92を設ければよい。
【0083】
本発明によれば、アドレス端子A3における一連の過電圧条件が、特別テストモードへのエントリを行なわせるために必要である。このことは、必要な一連の過電圧条件の数が2つのこのようなサイクルである場合、各テストモードに対して2つのフリップフロップ90及び92を設けることにより、テストモードイネーブル回路29において達成される。付加的なセキュリティの目的のために、2つを超えた過電圧サイクルが特別テストモードへのエントリのために必要とされることが所望される場合には、付加的なフリップフロップが図2における2個のフリップフロップ90及び92の直列シーケンスへ付加される。ホットソケット挿入等の期間中の不本意なテストモードのエントリを回避するために、2つの過電圧サイクルが充分であると考えられ、従って本発明のこの実施例においてはフリップフロップ90及び92が設けられている。
【0084】
フリップフロップ
図6を参照して、Dフリップフロップ90及び92の好適な構成について、特にDフリップフロップ900 を参照して説明する。注意すべきことであるが、その他のラッチ、双安定マルチバイブレータ、又は種々のタイプのフリップフロップ(例えば、R−S及びJ−Kフリップフロップ、及び単一段クロック型ラッチ)を、ここに記載する如くDフリップフロップ90及び92の代わりに使用することも可能である。更に注意すべきことであるが、本発明のこの実施例においては、フリップフロップ90及び92の各々は図6に示した如くに構成されており、一方、所望により、本発明に基づいてテストモードイネーブル回路29におけるフリップフロップ92と対照的に、フリップフロップ90に対して異なった構成を使用することも可能である。
【0085】
フリップフロップ90及び92の各々は、相補的なクロック信号を受取るためのCK及びCK 入力を有しており、且つデータ入力D及びリセット入力R を有しており、フリップフロップ90及び92の各々は非反転出力Qを供給する。図6を参照すると、パスゲート94は相補的なクロック入力CK及びCK によってゲート動作される相補的なMOSトランジスタから構成されており、パスゲート94の一側部はD入力を受取る。パスゲート94の他側部はNANDゲート96の一方の入力端へ接続されており、該ゲートの他方の入力端はリセット入力R へ接続されている。パスゲート94及びNANDゲート96は、NANDゲート96の出力端へ入力端を接続しているインバータ97と共に、フリップフロップ900 の第一段として作用する。従って、インバータ97の出力端はこの第一段の出力端であり、且つパスゲート100における第二段の入力端へ接続されている。パスゲート94へ接続されているNANDゲート96の入力端も第二パスゲート98へ接続されており、該第二パスゲートは、パスゲート94と相補的にゲート動作され、パスゲート94におけるNチャンネル及びPチャンネルトランジスタは、夫々、クロック信号CK及びCK によってゲート動作され、一方パスゲート98におけるNチャンネル及びPチャンネルトランジスタは、夫々、クロック信号CK 及びCKによってゲート動作される。パスゲート98は、インバータ97の出力端へ接続されており、且つパスゲート94がターンオフされた後にNANDゲート96の状態をラッチするように作用し、従ってフリップフロップ900 の動作を安定化させる。
【0086】
フリップフロップ900 の第二段は第一段と同様に構成されているが、第一段と相補的にクロック動作する。パスゲート100もクロック入力CK及びCK によってゲート動作される相補的なMOSトランジスタから構成されているが、パスゲート94とは反対の態様でゲート動作される(即ち、クロック入力CK及びCK がパスゲート94において制御する場合にパスゲート100における反対のトランジスタを制御する)。パスゲート100の他方の側はNANDゲート102の入力端へ接続されており、該ゲートはその他方の入力端においてリセット入力R を受取る。NANDゲートの出力端は、インバータ103を介して、フリップフロップ900 のQ出力端へ接続されている。第一段における場合と同様に、パスゲート104は、インバータ103の出力端とパスゲート100へ接続されているNANDゲート102の入力端との間に接続されており、且つパスゲート104はパスゲート100と相対的にクロック入力CK及びCK によって相補的にクロック動作されインバータ103の出力と共にNANDゲート102の入力をラッチする。
【0087】
動作について説明すると、フリップフロップ900 は従来の二段D型フリップフロップとして動作する。クロック入力CKが高へ移行し且つCK が低へ移行すると、パスゲート94の両方のトランジスタがターンオンし、且つD入力端における論理状態をNANDゲート96へ送給する。高論理レベルがD入力端へ供給される例においては、図2に示した如く、且つ非リセット条件(即ち、リセット入力R が高)を仮定すると、D入力の補数(即ち、低論理レベル)がNANDゲート96の出力端へ供給され、且つインバータ97によって反転される。従って、高論理レベルがインバータ97の出力端において残存し、パスゲート98及び100がターンオフされる。
【0088】
クロック入力CK が高へ移行し且つクロック入力CKが低へ移行すると、パスゲート94がターンオフし、且つパスゲート98及び100がターンオンされる。従って、パスゲート98は、NANDゲート96の入力端をインバータ97の出力端へ接続させ、NANDゲート96の状態を安定化させる。パスゲート100は、インバータ97の出力端における高論理レベルをNANDゲート102の入力端へ送給し、該NANDゲートは、リセット入力R が高論理レベルにあると、NANDゲート102及びインバータ103によって2度反転される。従って、インバータ103は非反転Q出力端において高論理レベルを駆動する。クロック入力CK が低へ復帰し且つクロックCKが高へ復帰すると、パスゲート104がターンオンし、インバータ103がNANDゲート102の入力端を駆動してフリップフロップ900 のこの段を安定化することを可能とする。
【0089】
リセット入力R はフリップフロップ900 を無条件にリセットする。リセット入力R が低論理レベルへ移行すると、NANDゲート96及び102の両方が、それらの他方の入力の状態に無関係に、それらの出力端において高論理レベルを供給する。従ってインバータ97及び103の各々は、それらの出力端において低論理レベルを供給し、従ってフリップフロップ900 のQ出力端には低論理レベルが表われる。通常動作状態においては、クロック入力CKが低であり且つクロック入力CK が高であり、インバータ97の出力端における低論理レベルがNANDゲート96に対する他方の入力を駆動し、フリップフロップ900 をその初期状態にリセットする。この初期状態は、リセット入力R が高論理レベルへ復帰した後に残存する。
【0090】
種々のコンデンサ105及び106がフリップフロップ900 の特定のノードへ接続して設けられており、コンデンサ105はVccへ接続されており、且つコンデンサ106はVssへ接続されている。これらのコンデンサは、通常、従来のフリップフロップには設けられていないが、本発明のこの実施例に従ってフリップフロップ900 においては有用なものであり、それが設けられているメモリ1のパワーアップ時にその状態を提供する。上述した如く、メモリ1がパワーアップ時に特別テストモードにエンタすることは好ましいことではない。従って、適切なテストモードイネーブル信号を受取った場合にのみ(この場合は、2つの過電圧条件)、メモリ1が何れかの特別テストモードにエンタするものであるようにフリップフロップ90及び92の状態がセットされることが重要である。従って、パワーアップ時にコンデンサ105がNANDゲート96及び102の出力端をVccへ結合させ、且つコンデンサ106がNANDゲート96及び102の入力端及びインバータ97及び103の出力端をVssへ結合させる。このことは、過電圧エクスカーションを受取っていない初期条件において、パワーアップ時に、テストモードイネーブル回路29(全て同様に構成されている)におけるフリップフロップ90及び92をセットする。
【0091】
図2はテストモードイネーブル回路29におけるフリップフロップ90及び92の接続状態を示している。フリップフロップ900 及び920 の両方に関しては、評価論理30からのラインCK4及びCK4 が夫々相補的クロック入力端CK及びCK へ接続されており、且つ評価論理30からのラインRST がリセット入力端R へ接続されている。フリップフロップ900 の場合、データ入力端DはVccへ接続されており、従ってフリップフロップ900 によってクロック入力されるデータは常に高論理レベルである。図2に示した如く、フリップフロップ920 はそのD入力端をフリップフロップ900 の非反転Q出力端へ接続している。逆に、フリップフロップ901 及び921 の相補的クロック入力端CK及びCK は評価論理30からのラインCK1及びCK1 へ接続されており、フリップフロップ901 及び921 のD及びR 入力端はフリップフロップ900 及び920 と同様に接続されている。
【0092】
フリップフロップ920 及び921 の非反転Q出力端はドライバ110へ接続されている。ドライバ110は、実施すべき特別テスト機能のイネーブル及びディスエーブルを実行するのに必要な如く、フリップフロップ92のQ出力端の出力をメモリ1の残部へ送給するための従来のバッファ/ドライバである。例えば、この実施例においては、ラインTはフリップフロップ920 の出力に従ってドライバ110によって駆動され、且つパラレルテスト回路28へ接続されている。フリップフロップ920 の出力端における高論理レベルはパラレルテスト回路28へ送給されてパラレルテスト機能をイネーブルさせる。同様に、ラインT2 は本実施例においては第二の特別テストモード乃至は動作の選択のために、フリップフロップ921 のQ出力端の状態に従って、ドライバ110によって駆動される。
【0093】
テストモードイネーブル回路の動作
図7を参照して、種々の条件に従ってのテストモードイネーブル回路29の動作について説明する。この動作は、ラインTによるパラレルテスト回路28のイネーブル動作について説明するが、勿論、評価論理30によって検査することの可能な例えばラインA1等のようなその他の入力又はあるアドレスの状態に依存して、他の特別テスト機能を選択することが可能である。
【0094】
このテストモードイネーブル回路29の動作の説明は、時間t0 において、メモリ1が通常動作モードにある状態で開始するが、メモリ1はイネーブルされていない。従って、ラインPORは高(メモリ1が暫くの間パワーアップしている)、且つ、メモリ1がイネーブルされていないので、ラインTRSTは高である。従って、図2のテストモードイネーブル回路29におけるラインRST は高論理レベルにあり、従ってフリップフロップ90及び92は、それらが必要なクロック信号を受取った場合にそれらのD入力端に供給されるデータを受取り且つクロック動作することが可能である状態にある。
【0095】
時間t0 においては、アドレス端子A1及びA0がアドレスとしてそれらの通常状態にあり、このような動作期間中にこのような遷移を提供することを可能としている。従って、これらの端子の状態が特別テストモードへのエントリの目的のために「don’t care」であるが、これらの端子の状態は、勿論、メモリ1の動作において重要性を有している。アドレス端子A1及びA3がこの条件にある場合、評価論理30からのラインCK4及びCK4 は、夫々、低及び高である。フリップフロップ900 及び920 が初期条件にあり、且つ従って、それらの出力端Q(フリップフロップ920 の場合ラインTとして示してある)は低論理レベルにある。
【0096】
本実施例においてはパラレルテストモードである特別テストモードへのエントリは、アドレス端子A3が過電圧条件への最初の遷移で開始する。以下に説明する如く、本発明のこの実施例においては、この過電圧(オーバーボルテッジ、即ちovervoltage)条件は実際には「アンダーボルテッジ(undervoltage)」条件であり、その場合、アドレス端子A3における電圧は電圧Vtripへ駆動され、その電圧Vtripは低論理レベル電圧より低いある値であって、且つ実際には、Vssよりも数ボルト低い場合がある。アドレス端子A3は、この実施例においては、時間t1 においてVtripレベルに到達する。
【0097】
図3及び図5に関して上に説明した如く、アドレス端子A3がVtrip又はそれ以下の電圧に到達すると、ラインCKBHV上で高電圧レベルが駆動される。評価論理30におけるNANDゲート80によって、このことはアドレス端子A1において論理状態をクロック入力させる。この場合に、パラレルテスト回路28のイネーブル動作のために、アドレス端子A1は高論理レベルにある。その結果、図7において時間t2 において、クロックラインCK4及びCK4 は夫々高論理レベル及び低論理レベルへ移行する。
【0098】
フリップフロップ900 はそのD入力端をVccへ接続しているので、クロックラインCK4及びCK4 が夫々高及び低へ移行すると、「1」状態がその第一段内へクロック入力される。時間t3 においてアドレス端子A3がレベルVtripより高いその公称範囲内へ復帰すると、ラインCKBHVは低論理レベルへ復帰し、且つラインCK4及びCK4 は時間t4 において夫々低レベル及び高レベルへ復帰する。このことは、上述した如く、「1」状態をフリップフロップ900 の第二段内へクロック入力させ、従って、時間t5 において、その非反転Q出力端において高論理レベルが供給される。
【0099】
注意すべきことであるが、時間t5 において、アドレス端子A3における最初の過電圧エクスカーションの後に、ラインT上に高論理レベルのテストモードイネーブル信号は未だに発生されていない。これは、勿論、テストモードイネーブル回路29の構成に起因するものであって、該回路は、テストモードをイネーブルさせるための直列した複数個のラッチ(本実施例においては、2個のフリップフロップ90及び92)を有しており、特別テストモードをイネーブルさせるためには複数個の過電圧エクスカーションを必要としているからである。従って、この構成は、ホットソケット挿入、電力損失とその後のパワーアップ、等に起因してテストモードをイネーブルさせるために使用される特定の端子上のノイズに基づいて特別テストモードを不本意にイネーブルすることに対しセキュリティを与えている。このようなイベント(事象)は問題の端子(この場合は、アドレス端子A3)上に単一の過電圧イベントを発生させる場合があるが、このようなイベントの複数個のものを発生させる可能性は著しく低い。従って、特別テストモードの選択のために複数個の過電圧エクスカーションを必要とすることにより、本発明のこの実施例に基づくメモリ1は改良された信頼性を与えており、且つメモリ1がシステム内に据え付けた後、特別テスト又は特別動作モードにエンタして、その中に格納されているデータが回復不可能なように喪失されたり又は上書きされるような壊滅的な状態が発生することを回避している。
【0100】
時間t6 において、アドレス端子A3はVtripより低い電圧への2番目の過電圧遷移を行なっている。アドレス端子A1は未だに高論理レベルにあるので、このことは、時間t7 において、ラインCK4上において高論理レベル信号を発生させ且つラインCK4 上において低論理レベル信号を発生させ、そのことは、フリップフロップ900 のQ出力端における高論理レベルをフリップフロップ920 の第一段内にクロック入力させる。時間t8 において、アドレス端子A3が、電圧Vtripより高いその公称範囲内に復帰する。このことは、時間t9 において、クロックラインCK4及びCK4 を夫々低論理レベル及び高論理レベルへ復帰させ、そのことは、Q出力端の高論理レベルを第二段のフリップフロップ920 内へクロック入力させる。その結果、時間t10において、フリップフロップ920 のQ出力端からドライバ110によって駆動されるテストモードイネーブル信号ラインTが高論理レベルに到達する。このことは、パラレルテスト機能がイネーブルされたことを、パラレルテスト回路28、及びパラレルテスト機能をイネーブルさせるのに必要なメモリ1内のこのようなその他の回路へ通信する。注意すべきことであるが、本発明のこの実施例は、特別テストモードがエンタされるためには、同一の特別テストモード選択コードが両方の過電圧エクスカーションに対して存在することを必要とする。上の実施例においては、このコードはアドレス端子A1における高論理レベルである。例えば、アドレス端子A1がアドレス端子A3の2番目の過電圧エクスカーション期間中に低論理レベルにあると、クロックラインCK4及びCK4 は夫々高レベル及び低レベルへ駆動されることはない。なぜならば、NANDゲート800 は、無条件に、その出力端において高論理レベルを有しているからである(それは、クロックラインCK4 を直接的に駆動し、且つクロックラインCK4をインバータ82を介して駆動する)。この特別テストモードをイネーブルするためには同一のコードを2回必要とするということは、付加的なセキュリティ(安全性)を与えている。
【0101】
注意すべきことであるが、更なるセキュリティのため、且つ減少した数のピンで付加的な特別テスト機能を選択するために、評価論理30内に別のコーディングを容易に設けることが可能である。例えば、フリップフロップ90及び92の付加的なシリーズを設け評価論理へのそれらのクロック入力端への適宜の接続を設けることにより、このようなシーケンス動作を容易に達成することが可能である。例えば、第三対のフリップフロップ902 及び922 は、フリップフロップ902 が端子A1上の高論理レベルと共に、端子A3上の過電圧条件に応答してフリップフロップ902 がクロック動作され(即ち、そのクロック入力端はラインCK4及びCK4 へ接続されている)、且つそれと関連したフリップフロップ922 が端子A1上に低論理レベルが存在する状態で過電圧条件に応答してクロック動作する(即ち、そのクロック入力端はCK1及びCK1 へ接続されている)ような態様で設けることが可能である。本明細書を参照することにより、当業者が、多数のその他のこのような組合わせ、及び付加的なコーディング及び組合わせを適用することは自明である。
【0102】
次に、図2aと図5bとを共に参照して、本発明の別の実施例に基づく評価論理30b及びテストモードイネーブル回路29bについて説明する。この別の実施例に基づく評価論理30bは、複数個の特徴に基づいて、テストモードへの不本意のエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。注意すべきことであるが、評価論理39bはこれらの特徴の組合わせを有しているが、これらの特徴のうちの各々は個別的に使用可能なものであり、これらの特徴の組合わせはそれらの利点のうちの幾つかを得るために必ずしも必要なものではない。
【0103】
図2aのテストモードイネーブル回路29bは、過電圧検知回路32へ接続して第二リセット信号ラインRSTA を設けることにより、図2のテストモードイネーブル回路29と異なっており、以下の説明から明らかな如く、評価論理30bは、異なった組合せの信号に応答してリセット信号ラインRST 及びRSTA を発生する。ラインRSTA は上述したラインRST と同一の態様で過電圧検知回路32を制御する。テストモードイネーブル回路29bは、更に、フリップフロップ900 及び901 の出力端を評価論理30bへ接続しており、テストモードイネーブル回路29bの現在の状態を評価論理30bへフィードバックさせている。以下の説明から明らかな如く、このようなフィードバックは、不本意なテストモードエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。
【0104】
図5bを参照して、この実施例に基づく評価論理30bの構成について説明する。評価論理30bは、図5aの評価論理30aの場合における如く、ラインPOR,TRST,CKBHV上の入力を受取り、且つアドレス端子A0,A1,A2,A4,A5からの入力を受取る。評価論理30bは、ラインRST ,CK4,CK4 ,CK1,CK1 上に出力を供給する。更に、評価論理30bは、図2aのフリップフロップ900 及び901 からラインQ0及びQ1上の入力を受取り、且つ、上述した如く、ラインRSTA を介して過電圧検知回路32へ出力を供給する。
【0105】
ラインRST はフリップフロップ90及び92のR 入力端へ接続しており、高論理レベルになるとそれをリセットする。評価論理30及び30aにおける場合と同じく、ラインRST は、その入力端においてラインPOR及びTRSTを有するNANDゲート78の出力に従ってインバータ79により駆動される。同様に、ラインRSTA は、NANDゲート78Aの入力端におけるラインPOR及びTRSTと共に、NANDゲート78Aからインバータ79Aによって駆動される。更に、NANDゲート78は、第三入力端において、NANDゲート93の出力を受取り、そのNANDゲート93は、その入力端において、過電圧検知回路32からのラインCKBHVを受取ると共にORゲート77からの信号をインバータ91を介して受取る。
【0106】
ORゲート77は、評価論理30b内の論理の最後の出力端であり、それはそれに供給された信号を評価し且つ特別テストモードイネーブル動作が発生したか否かを決定する場合にテストモードイネーブル論理29bの状態を検知する。ラインQ0及びQ1は排他的ORゲート85の入力端へ接続されており、該ゲートの出力端はANDゲート87の第一入力端へ接続されている。ANDゲート87の第二入力端はD型フリップフロップ95のQ出力を受取り、該フリップフロップのD入力端はVccへ接続されており、且つそのR 入力端はラインRST へ接続されており、且つそのクロック及び補数クロック入力端(CK及びCK )はANDゲート89の出力端へ接続されており、CK 入力端へ接続されているラインの場合においてはインバータ99によって反転されている。ANDゲート89は一方の入力端においてラインCKBHVを受取り、且つ他方の入力端においてはORゲート77の出力を受取る。
【0107】
これらのアドレス端子のうちのあるものは、評価論理30aにおける如く、NANDゲート800 及び801 によって評価される。この場合においては、NANDゲート800 は、インバータ820 によって反転されアドレス端子A2へ接続された入力端を有しており、且つアドレス端子A0 及びA1へ接続された入力端を有している。一方、NANDゲート801 は、インバータ821 によって反転されアドレス端子A0及びA1へ接続された入力端を有しており、且つアドレス端子A2へ接続された入力端を有している。NANDゲート80の各々は、上述した如く、ANDゲート89の出力端へ接続された入力端を有している。NANDゲート800 及び801 は、上述した如く、直接的に且つインバータ81によって反転されて、相補的なラインCK4(及びCK4 )及びCK1(及びCK1 )を駆動する。
【0108】
この実施例に基づく評価論理30bにおいては、アドレス端子A4及びA5は、ラインQ0及びQ1によって通信されるフリップフロップ90の状態と共に、付加的な論理によって評価される。ANDゲート87の出力は、ANDゲート751 及び(インバータ832 による反転の後に)ANDゲート750 の夫々の一方の入力端を駆動する。ANDゲート75は、更に、所望のコードに依存して、両方共直接的に及びインバータ83によって反転されて、ラインA4及びA5の状態を受取る。図5bの実施例においては、ANDゲート750 は非反転状態でアドレスラインA4を受取り且つ反転した状態でアドレスラインA5を受取り、且つANDゲート751 は反転された状態でアドレスラインA4を受取り且つ非反転状態でアドレスラインA5を受取る。ANDゲートの出力端はORゲート77の入力端へ接続されている。
【0109】
メモリ1が通常動作モードにある後の特別動作モード選択動作と相対的に、評価論理30bの動作について説明する。この動作は、前述した実施例における如く、過電圧エクスカーションのシーケンスに従って実施される。しかしながら、この実施例においては、評価論理30bは、クロック信号CK4及びCK4 によってイネーブルされるパラレルテストモードの選択のためにアドレス端子(A5,A4,A2,A1,A0の順番)へシーケンス01011及び10011が供給されることを必要とする。
【0110】
初期状態においては、ラインPOR及びTRSTが高論理レベルにあり、従ってラインRST は高論理レベルにあり、テストモードイネーブル回路29bが特別動作モード(即ち、特別テストモード)の初期化に応答することを可能としている。フリップフロップ900 及び901 の出力端からのラインQ0及びQ1は、両方とも、低論理レベルにあり、従って、排他的ORゲート85は、低論理レベルをANDゲート87へ供給している。更に、この状態において(この場合には、メモリ1がチップイネーブル端子E1及びE2からイネーブルされるものではないと仮定する)、フリップフロップ95のQ出力も低論理レベルにある。従って、ANDゲート87の出力は低論理レベルであり、そのことは、ANDゲート751 の出力を低論理レベルとさせる。従って、アドレス端子A4及びA5はANDゲート750 によって評価され、それは、ラインA4が高であり且つラインA5が低である場合には、高論理レベルを供給する。この場合においては、コード01011が供給されると、ORゲート77はその出力端において高論理レベルを供給する。
【0111】
端子A3における過電圧エクスカーションの場合には、ラインCKBHVが高論理レベルにある。このことは、ANDゲート89をして、その出力端において高論理レベルを発生させ、Vccの高論理レベルをフリップフロップ95内にクロック入力させる。更に、ANDゲートの出力端がNANDゲート80の各々の1つの入力端へ接続されており、アドレス端子A0 ,A1,A2の状態を評価することを可能としている。更に、ORゲート77の出力は高であるので(コード01011が供給されるため)、インバータ79の出力端からのラインRST は、NANDゲート93の出力によって高であり、且つラインPOR及びTRSTの全ては高論理レベルにある。
【0112】
過電圧エクスカーションと関連してアドレス端子にコード01011が供給されると、ラインCK4及びCK4 は、夫々、NANDゲート800 及びインバータ810 によって高及び低へ駆動される。以下に説明する如く、アドレス端子A3における過電圧エクスカーションの終りにおいて、フリップフロップ900 は高論理レベルをクロック入力し且つそれを、図5bのラインQ0によって排他的ORゲート85へ接続されているそのQ出力端へ供給する。ラインQ1は低状態に留まる。なぜならば、この状態はフリップフロップ901 内にクロック入力されていないからである。従って、適宜のアドレス端子へ有効なコードの01011が供給された状態でラインA3上に過電圧エクスカーションが発生した後に、フリップフロップ95のQ出力端及び排他的ORゲート85の出力端の両方は高論理レベルにあり、ANDゲート87の出力端を高状態とさせ、且つANDゲート751 をイネーブルさせて次のエクスカーションに対しアドレス端子A4及びA5を評価する。このように、アドレス端子A5及びA4が第一サイクルにおける01ではなくコード10を受取ることに応答して今やORゲート77は高論理レベルを供給するに過ぎないので、評価論理30bは1つの過電圧エクスカーションから次のものへ有効コードを変更する。
【0113】
注意すべきことであるが、最初のエクスカーションにおいて有効コードを受取ったことによってのみ、評価論理30bはそのコードを変更させる。このことはANDゲート87に基づいており、該ゲートはフリップフロップ95をセットするために有効コードを有する過電圧エクスカーション、及び単に1つの有効コードが受取られていること(即ち、ラインQ0及びQ1の一方のみが高であることが可能である)の両方を必要とする。
【0114】
過電圧エクスカーションと関連して2番目の有効コード(10011)を受取ると、クロックラインCK4及びCK4 が、高及び低へ夫々駆動され、且つ復帰する。以下に更に詳細に説明する如く、このようなシーケンスはラインT上に信号を発生し、パラレルテストモードの選択を行なう。
【0115】
複数個の過電圧エクスカーションに対し異なったコードを必要とするこの選択方法は、不本位なテストモードエントリに対し付加的なセキュリティを与えている。例えば、過電圧エクスカーションがノイズ又はホットソケット挿入に起因するものである場合には、過電圧エクスカーションと同一の時間に該アドレス端子において適切なコードシーケンス(例えば、01011に続いて10011)が存在する可能性は殆どない。必要とされる有効コードのシーケンスは、該有効コードがアドレス端子における1組の使用可能な値の中で極めてまばらであるということを考慮にいれると、更なるセキュリティを提供している。
【0116】
評価論理30bは、更に、種々のリセット機能により付加的なセキュリティを与えている。最初に、過電圧エクスカーションと共に、アドレス端子A4及びA5において無効なコードが受取られる場合には、ORゲート77の出力は低論理レベルにあり、そのことは、インバータ91による反転の後に、NANDゲート93の出力を低論理レベルへ移行させる。このことは、ラインRST 上に低論理レベルを出現させ、そのことは、テストモードイネーブル回路29内のフリップフロップ90及び92、及び評価論理30b内のフリップフロップ95をリセットさせる。従って、評価論理30bは、特別テストモードをイネーブルさせるためには2つの異なった有効なコードが受取られることを必要とするばかりではなく、これら2つのコードが、それらの間において、無効なコードを受取ることなしに、互いに直接的に前後していることを必要とする。このことは、特別テストモードを選択する場合のセキュリティを更に向上させている。
【0117】
注意すべきことであるが、このような無効コードの場合には過電圧検知回路32はイネーブルされたままであり、そのことは、無効コードを受取った後引き続き過電圧エクスカーションの受領を行なうことを可能とする。
【0118】
勿論、適宜の論理を付加することにより、より長い又は異なったシーケンスのコードを評価論理30b内に設けることが可能である。例えば、アドレス端子A4及びA5の場合における如く、ANDゲート87によって選択される付加的なAND又はNAND機能と共に、アドレス端子の全てを評価することが可能であり、従ってイネーブルされるべき特別テストモードに対して全てのビットが変化せねばならない。本明細書を参照することにより、当業者がその他の変形例及び修正例を使用することは自明である。
【0119】
図2b及び図5cを共に参照して、本発明の更に別の実施例に基づく評価論理30c及びテストモードイネーブル回路29cについて説明する。この別の実施例に基づく評価論理30cは、特別テストモードコードを与える最小数の端子のみが使用可能である場合に、テストモードへの不本意のエントリに対する付加的なセキュリティを与えている。例えば、単に1つの端子が特別テストモードコードの供給に対して使用可能である場合、図2b及び図5cの実施例は、テストモードへエントリする前に特定のシリアルシーケンスを要求することによりテストモードへの不本意なエントリに対するセキュリティを与えている。図2bを参照すると、テストモードイネーブル回路29cは、単一アドレス端子A1のみが評価論理30cへ接続されている状態を示している。評価論理30cは、過電圧エクスカーションと共に端子A1において受取られる直列データを評価し、且つこのシーケンスに従ってフリップフロップ90及び92のクロック動作を制御するための回路を有している。
【0120】
図5cを参照して、アドレス端子A1からの直列データストリームを評価し且つテストモードイネーブル回路29内のフリップフロップ90及び92のクロック動作を制御するための評価論理30cの構成について説明する。評価論理30cはシフトレジスタ100を有しており、それは、過電圧検知回路32によって検知され且つラインCKBHV上を伝達される過電圧エクスカーションによってクロック入力されて、アドレス端子A1上の一連(シリーズ)のデータ状態を受取り且つ格納する。評価論理30cは、以下に詳細に説明する如く、シフトレジスタ100の状態を評価し、且つ有効データ状態に関連してラインCKBHVの別のパルスを受領すると、テストモードイネーブル回路29c内のフリップフロップ90へ最初のクロックパルスを供給する。
【0121】
評価論理30cは、更に、カウンタ102を有しており、それは、この実施例においては、最初のクロックパルスが評価論理30cによって発生されると、ラインCKBHV上のパルスのカウント動作を開始する。このシーケンスの終了時に(この実施例においては4個のパルス)、カウンタ102は、最後のデータ状態とシフトレジスタ100の状態との比較をイネーブルし、有効データが受取られた場合であって、且つそれがテストモードイネーブル回路29c内のフリップフロップ90へ最初のクロックパルスを発生したコードと同一のものである場合には、2番目のクロックパルスが発生され且つ特別テストモードがイネーブルされる。この2番目のコードが有効なものではないか、又はそれが受付けられた前の有効コードとは異なったものである場合にはシフトレジスタ100及びテストモードイネーブル回路29c内のフリップフロップ90及び92は、ラインRST を介してリセットされ、且つ特別動作乃至はテストモードへ再度エンタするためのシーケンスが再度開始せねばならない。
【0122】
図5cを参照して、評価論理30cの詳細な構成、及びそれが特別テストモードをイネーブルさせる場合の動作について詳細に説明する。フリップフロップ900 及び901 からのラインQ0及びQ1は、インバータ107によって反転された後に、NANDゲート106の入力端で受取られており、従って、ラインQOR上のNANDゲート106の出力はラインQ0及びQ1の論理的ORである。ラインQORはNANDゲート108の第一入力端へ接続されており、該ゲートの出力端はNANDゲート118の入力端へ接続されている。初期条件においては、フリップフロップ90の両方がそれらの出力端において論理低状態を有しており、ラインQORは低であって、NANDゲート108の出力を高論理レベルとさせている。ラインQ0及びQ1は、更に、NANDゲート1141 及び1140 の夫々の入力端へ接続されている。
【0123】
シフトレジスタ100は、互いに直列接続されている3個のD型フリップフロップ101を有しており、且つフリップフロップ1011 ,1012 ,1013 の出力を、夫々、出力ラインS1,S2,S3上に供給する。フリップフロップ101はラインCKBHVによってクロック動作される(フリップフロップ101のCK 入力端はインバータ123によって反転した後にラインCKBHVによってクロック動作される)。第一フリップフロップ1011 の入力端はアドレス端子A1へ接続されている。従って、端子A3上の過電圧エクスカーションを表わすラインCKBHV上の各パルスに対して、アドレス端子A1における論理状態はシフトレジスタ100の相継ぐ段の中にクロック入力される。注意すべきことであるが、シフトレジスタ100は上述した図5bの場合における場合と同様に、NANDゲート78からのラインRST によってリセットされる(インバータ79を介して)が、以下に更に詳細に説明する如く、カウンタ102からの付加的な入力が与えられている。
【0124】
本実施例においてラインCKBHVの3つのパルスによって、3ビットコードがアドレス端子A1からシフトレジスタ100内へシフト入力されている。出力S1,S2,S3が所望のコードに従って、あるラインに対してはインバータ109を介してNANDゲート104へ供給される。従って、NANDゲート1040 は、シフトレジスタ100内へシフト入力されたコードが101である場合には(出力S3,S2 ,S1に夫々対応している)、ラインSR4上の高レベルをNANDゲート1140 へ供給する(インバータ105を介して)。本実施例においては、ラインSR1上に高レベルを供給するためのNANDゲート1041 に対するコードは110である。この時にフリップフロップ90に対しては何等クロックパルスが発生されていないので、NANDゲート114に対する他方の入力は、インバータ107によって反転されたラインQ0及びQ1からの高論理レベルである。シフトレジスタ100がコード101を供給するこの例においては、ラインRDY4は高論理レベルにあり、NANDゲート1041 からのラインSR1が低であるのでラインRDY1は低である。
【0125】
ラインCKBHV上の4番目のパルスにおいて、アドレス端子A1が高論理レベルにあると、NANDゲート118の出力は低である。インバータ119による反転の後、ラインPLS4は高論理レベルにあり、それは、ラインRDY4上の高論理レベルと共に、NANDゲート1160 (その入力端においてラインPLS4及びRDY4を有している)をして、図2b内のテストモードイネーブル回路29cのフリップフロップ900 へのラインCK4及びCK4 上に夫々高論理レベル及び低論理レベルを供給する。従って、本実施例においては、パラレル(並列)読取り/書込みの特別テストモードをイネーブルさせるために必要とされる第一シリアルコードは、アドレス端子A3における過電圧エクスカーションによりクロック入力されるアドレス端子をA1における1011のシリアルコードである。従って、フリップフロップ900 の出力端からのラインQ0は高論理レベルにある(端子A3における過電圧エクスカーションの終了時においてラインCKBHVが低レベルへ復帰した場合)。
【0126】
ラインQ0が高であると、ラインQORも高論理レベルにある。ラインQORもNANDゲート110の入力端へ接続されており、該ゲートは、インバータ111を介して、カウンタ102をクロック動作させる。カウンタ102は従来の2ビットカウンタであり、それはDフリップフロップ1031 及び1032 を有している。フリップフロップ103の出力端は、インバータ121を介して、それらのD入力端へ接続されており、且つフリップフロップ1031 の出力端はDフリップフロップ1032 のクロック動作を制御するために、NANDゲート112及びインバータ113を介してインバータ111の出力でゲート動作される。フリップフロップ1031 及び1032 の出力は、夫々、ラインCT1及びCT2上に供給される。従って、ラインCKBHVの各パルスと共に、カウンタ102は、00,01,10,11のシーケンスに従ってカウントする(ラインCT2は該カウントにおけるより高い桁位置のビットである)。
【0127】
従って、ラインCKBHVの3個のパルスの次のシーケンスがカウンタ102をしてその11状態へカウントさせる。ラインCT1及びCT2はNANDゲート126の入力端へ接続されており、該ゲートは、従って、該カウントが11に到達する迄、ラインCTN上のその出力端において高論理レベルを駆動する。他方の入力端がラインCTNに接続されているNANDゲート108の出力端は低論理レベルにある。なぜならば、ラインQORも高論理レベルにあるからである(ラインQ0は高である)。従って、カウンタ102はこの期間中においてラインCKBHV上のクロックパルスがラインPLS4上に高論理レベルを発生することを禁止しており、このように、誤ったコードがフリップフロップ90及び92に対してクロックパルスを時期尚早に発生させることはない。注意すべきことであるが、ラインCKBHV上のこれらのパルスは継続してシフトレジスタ100内へデータをシフトさせており、以下に説明する如く、シーケンスの終了時に比較を行なう。
【0128】
カウンタ102が11状態に到達すると、ラインCTNは低論理レベルへ移行する。従って、NANDゲート108はNANDゲート118へ高論理レベルを供給し、該ゲート118は、ラインA1及びCKBHVの状態がNANDゲート118の出力を制御することを可能としている。ラインCKBHVの4番目のパルスの時に端子A1において高論理レベルが存在すると、ラインPLS4は再度高論理レベルへ移行する。従って、ラインCK4及びCK4 (本実施例における場合)上の2番目のクロックパルスは、ラインRDY4が再度高論理レベルにあり(即ち、シフトレジスタ100がコード101を供給している)、且つラインQ1が低論理レベルにある場合に、NANDゲート1160 によって発生される。注意すべきことであるが、フリップフロップ900 からのラインQ1が低論理レベルにあるという条件は、最初のクロックパルスがフリップフロップ90及び92の一方のシリーズへ発生された後に、フリップフロップ90及び92の別のシリーズへクロックパルスが発生されることを防止する。
【0129】
評価論理30cは、更に、コードの第二シーケンスが誤っている場合のリセット回路を有している。上述した例において、シフトレジスタ100が101コードを発生しない場合、ラインRBY4は低論理レベルにある。フリップフロップ900 及び920 への最初のクロックパルスからラインQ0が高であると、ラインRDY1は、シフトレジスタ100内のコードとは無関係に、低論理レベルにある。NORゲート120は、その入力端をラインRDY1及びRDY4へ接続しており、且つ従って、NANDゲート124に対してその出力端において高論理レベルを発生する。NANDゲート124は、更に、ラインCKBHVと共に、その入力端においてラインCT1及びCT2上でカウンタ102の状態を受取り、且つその出力端をNANDゲート78の入力端へ接続しており、該ゲートはインバータ119を介してラインRST を駆動し、且つそれはインバータ79からシフトレジスタ100をリセットする。従って、カウンタ102の状態が11であり、且つ有効なコードがラインCKBHVの4番目のパルスの時に受取られない場合(即ち、ラインRDY1及びRDY4の両方が低)、NANDゲート124の出力は低論理レベルへ移行し、NANDゲート78及びインバータ79をしてシフトレジスタ100内のフリップフロップ101をリセットさせ、且つラインRST を介してテストモードイネーブル回路29c内のフリップフロップ90及び92をリセットさせる。従って、誤ったコードを受取ると、例え最初のクロックパルスがフリップフロップ90及び92へ送給された後であっても、評価論理30cは、テストモードへエントリする前に、完全なシーケンスを受取ることを強制する。
【0130】
従って、本発明のこの別の実施例に基づく評価論理30cは、更に、単に1つの端子がコードを受取るために使用可能な場合であっても、特別テストモードへ不本意にエントリすることに対する付加的なセキュリティを与えている。この付加的なセキュリティは、まばらなシリアルコード、即ち使用可能なテストモードから個別的に選択するために必要な最小数よりも大きなビット数のシリアルコードによって与えられる。この実施例においては、各々が4個のビットの2つのシーケンスが2つのテストモードの内の1つを選択するために要求される。更に、注意すべきことであるが、全てが「0」又は全てが「1」以外のコードが必要とされ、そのことは更にセキュリティのレベルを増加させている。
【0131】
特別テストモードの選択及びイネーブル動作に対するモードに拘らず、特別テストモード(特に、パラレルテストの場合)がイネーブルされると、アドレス端子A1及びA3は、例えば特別テストモードにおいて書込まれるべき又は読取られるべきアドレス位置の選択等のような付加的な機能を有する場合がある。従って、アドレス端子A1及びA3は、このようなイネーブル動作が発生した場合には、特別テストモードをイネーブルする目的のためには「don’t care」であるが(且つそのような場合を図7に示してある)、アドレス端子A1及びA3の状態は所望のテストを達成する場合に重要性を有する場合がある。
【0132】
図7を参照して、チップイネーブルによってメモリ1の選択により特別テストモードをディスエーブルさせる場合について説明する。上述した如く、特別テストモードが通常動作期間中に不本意にエンタされると、最初の考え得る結果は、該メモリ内に格納されているデータ、即ちそれが格納されるという予測の下でメモリ内に書込まれるデータが喪失される場合がある。従って、テストモードをイネーブルするために複数個の過電圧エクスカーションが必要とされる上述した特徴は、このようなデータの喪失に対し付加的なセキュリティを与えている。
【0133】
しかしながら、更に、このような不本意なエントリは、テストモードをディスエーブルさせ且つ通常動作モードへ再度エンタする制御可能な方法が存在しない場合には、更に一層深刻な問題となる。前述のMcAdams et al.の文献に記載されている如く、過電圧条件によってイネーブルされる特別テストモードを有するメモリにおいては、メモリを通常動作モードとさせる以前の技術は、通常動作モードを再度エンタさせるべきことを表わすコードと共に、付加的な過電圧エクスカーションを実施することによるものである。しかしながら、テストモードが不本意にエンタされる場合、特にシステムの文脈における場合には、通常動作モードへの再エントリは、最初に、不適切なモードが検知されることを必要とし、且つ2番目に、適切なコードで過電圧エクスカーションが該装置へ印加されることを必要とし、そのようにして通常動作を再生させることが可能である。しかしながら、予想以外にテストモードにあることによって発生されるエラーを検知するための能力は、そのエラーがテストモードにあることに起因することを決定することと勝るとも劣らず、多くのシステムにとって比較的複雑な操作である。更に、そのシステムは、テストモードを抜け出るために必要な過電圧能力を有するものでない場合がある。従って、このようなイネーブル動作が検知されるものと仮定して、不本意にイネーブルされた特別テストモードを抜け出るためには、このようなシステムにおいては全く完全なシステムシャットダウンが必要とされる。
【0134】
本発明のこの実施例に従うと、図1及び図2及び評価論理30に関して上述した如く、メモリ1は特別テストモード内に配置させることが可能であり、且つ、メモリ1がイネーブルされないような時間の間にそこに留まることが可能である。図1に関して上述した如く、この実施例に基づくメモリ1は、端子E1を低論理レベルとし且つ端子E2を高論理レベルとすることによってイネーブルされる。このイネーブルされた条件に応答して、ラインTRSTは低論理レベルにあり、そのことは、評価論理30におけるラインRST を低論理レベルとさせる。上に説明した如く、このような状態は、フリップフロップ90及び92の全てをリセット状態とさせ且つその状態に保持させ、フリップフロップ92のQ出力を無条件に低論理レベルとさせる。このような場合、特別テストモードはイネーブルされることができず、それらがイネーブルされた状態に留まることもできない。
【0135】
図7を参照して、メモリ1の脱選択に起因して特別テストモードからのイグジット、即ち抜出ることについて説明する。時間t11において、パラレルテスト用の特別テストモードがイネーブルされた状態で示されており、ラインTが高論理レベルにある。しかしながら、時間t12において、ラインTRSTは高から低への遷移を行ない、このような遷移は、メモリ1をイネーブルさせるために適切な論理レベルを受取るチップイネーブル入力端子E1及びE2の両方に応答して、図1に示したANDゲート25及びインバータ27によって発生される。ラインTRSTが低論理レベルへ移行することに応答して、評価論理30はラインRST 上に低論理レベルを発生する。図6に関して上述した如く、テストモードイネーブル回路29内のフリップフロップ90及び92は、全て、ラインRST に応答して、それらがそれらの夫々のQ出力端において低論理レベルを供給する状態へリセットされる。その結果、ドライバ110は、フリップフロップ922 のQ出力がラインRST 上の低論理レベルによって低へ駆動されることに応答して、時間t13においてラインT(且つ、ラインT2)上の低論理レベルを駆動する。
【0136】
従って、本発明のこの実施例によれば、特別テストモードからのイグジット(抜け出し)は、単に、チップイネーブル機能によりメモリ1のイネーブル動作によって実施される。このようなイネーブル動作は、勿論、メモリ1のシステムユーザに対して使用可能なものである。なぜならば、チップイネーブルによるイネーブル動作は、メモリ1のこの実施例の必要且つ特定された機能だからである。更に、例えば、単に1つのメモリバンクが使用されている場合のようなバス競合の可能性がない特に簡単なシステムにおいては、チップイネーブル端子E1及びE2はイネーブル状態へハードワイヤード構成とさせることが可能である。このようなハードワイヤード構成は、このメモリ1の実施例の場合、ラインTRSTが低論理レベルに留まる場合、システム動作期間中に特別テストモードへ不本意にエンタする可能性を否定する。テストモードへのエントリに起因するデータ損失は、このような適用においては、発生することはない。
【0137】
次に、図8を参照して、パワーアップシーケンスに応答するテストモードイネーブル回路29の動作について説明する。以下に説明する如く、テストモードイネーブル回路29はパワーオンリセット回路40を有しており、それはパワーアップ時に初期的にラインPOR上に低論理レベルを発生し、且つVcc電圧スレッシュホールドに到達した後の時刻においてその上に高論理レベルを発生する。
【0138】
時間t0 において、メモリ1は、電源電圧Vccを示した上部ラインによって示される如く、パワーダウン状態にあり、端子A3には負の電圧が印加されている。上述した如く、このような状態は、電源Vccのパワーアップ期間中、又はメモリ1の「ホットソケット」を前にパワーアップした位置内へ挿入する場合に発生する場合があり、電源電圧Vccはその電圧が端子A3へ印加される後にメモリ1に到達する。何れの場合においても、アドレス端子A3は、Vccに対して、更に多分Vssに対して、この時点において過電圧状態にある。端子A3におけるこの状態に応答し、且つアドレス端子A1がコード(パワーアップ期間中に有り得る如く、低論理レベルにおけるものとしてこの説明の目的のために任意的に選択される)を表わす場合、評価論理30はラインCK1及びCK1 上に夫々高信号及び低信号を発生する。注意すべきことであるが、上述した理由のために、端子A3における過電圧条件は意図的に供給されるものではなく、この状態において、特別テストモードがこの条件でイネーブルされることを意図されているものでもない。その代わりに、端子A3におけるこの過電圧エクスカーションは、パワーアップ又はホットソケット条件によって発生されるアドレス端子A3と相対的な電源Vccのステータスの属性である。
【0139】
ラインCK1及びCK1 上のこれらの信号は、テストモードイネーブル回路29内のパワーオンリセット回路40が存在しなかったならば、フリップフロップ901 をしてそのD入力端において高論理レベルへラッチさせる。Vccが図8に示した電圧Vonより低い低レベルにある期間中で、且つ図8においてtd として示したその後の時間期間の間、ラインPORはパワーオンリセット回路40によって低論理レベルに維持される。従って、評価論理30は、テストモードイネーブル回路29内のフリップフロップ90及び92へのラインRST 上に低論理レベル信号を発生し、そのQ出力が低論理レベルに維持することを確保する。図8に示した如く、ドライバ110によって駆動されるフリップフロップ921 のQ出力に対応して、フリップフロップ901 のQ出力及びラインT2の両方が、端子A3における過電圧エクスカーションとは無関係に、この時間期間中低論理レベルに留まる。
【0140】
電源電圧Vccがパワーオンリセット回路40がトリップする限界Vonを超えた後であって、且つパワーオンリセット回路40内に組込んだ時間遅延td の後に、ラインPORは時間t1 において高論理レベルへ駆動される。ラインPORが高レベルへ移行することに応答して、評価論理30はフリップフロップ90及び92へのラインRST 上に高論理レベルを供給する。その結果、フリップフロップ90及び92は、それらのクロック入力端における信号に応答する。更に、電源電圧Vccが公称レベルに到達することに応答して、上述した状況に起因して過電圧状態にあったアドレス端子A3も公称レベルに復帰する。次いで、メモリ1の通常動作が継続することが可能である。
【0141】
図8の動作実施例においては、過電圧エクスカーション期間中に低レベルにあるアドレス端子A1によって選択されるテストモードイネーブルラインT2と関連する特別テストモードがイネーブルされる。従って、前の場合における如く、時間t2 において、第一過電圧(この場合は、アンダー電圧)条件が、アドレス端子A1が低論理レベルにあるような期間中にアドレス端子A3へ意図的に供給され、この特別テストモードを選択する。この条件に応答して、評価論理30が、時間t3 において、ラインCK1及びCK1 上に夫々高論理レベル及び低論理レベルを供給する。このことは、フリップフロップ901 の第一段の遷移を発生し、従って、それはその出力端に高論理レベルを供給する。アドレス端子A3が時間t4 において公称レベルに復帰すると、時間t5 において低論理レベル及び高論理レベルが夫々ラインCK1及びCK1 上に供給され、そのことは、高論理レベルを、フリップフロップ901 の第二段及びQ出力端へクロック入力させる。
【0142】
注意すべきことであるが、時間t1 において発生したアドレス端子A3の過電圧エクスカーションはこのシーケンスにおける2番目のこのようなエクスカーションであるが、テストモードイネーブル回路29はこのエクスカーションを最初のそのようなシーケンスとして取扱っており、そのことは、ラインT2が低論理レベルに留まることから明らかである。従って、テストモードイネーブル回路29はパワーアップ又はパワーダウン期間中の過電圧状態が、実際上、テストモードイネーブル回路29に関するこのような条件の効果をロックアウトすることにより、特別テスト機能の不本意のイネーブル動作を発生することを防止している。従って、完全なパワーアップの後に発生する過電圧条件乃至は状態のみがテストモードイネーブル回路29によって有効なものとして受付けられる。図8に示した如く、端子A3における2番目のそのようなエクスカーションが最初のものとしてカウントされるに過ぎない。
【0143】
従って、特別テストモードは、時間t6 において発生する端子A3における2番目の過電圧エクスカーションによってイネーブルされ、それは、時間t7 における端子A3が公称レベルへ復帰することと一体となって、図7に関して上述したのと同一の態様で、ラインT2において高論理レベル信号を発生する。
【0144】
テストモードにおける出力イネーブル
図1及び図9を参照して、テストモードイネーブル回路29による特別テストモードのイネーブル動作の結果としての、出力バッファ22の制御について説明する。図1に示し且つ上に説明した如く、メモリ1のこの実施例は、ORゲート33を有しており、それは、その入力端において、ANDゲート25の出力端からのラインCEを受取り且つテストモードイネーブル回路29からのラインTを受取る。ORゲート33の出力端はANDゲート26の入力端へ接続されており、且つANDゲート26の出力端は出力バッファ22のイネーブル動作及びディスエーブル動作を制御する。説明の便宜上、出力バッファ22がANDゲート26の出力端における高論理レベルによってこの実施例においてはイネーブルされる。
【0145】
注意すべきことであるが、図2乃至7に関して上述した如く、ラインTは、メモリ1内の2つの特別テストモードのうちの1つをイネーブルする信号を担持する。メモリ1内の出力バッファ22を制御する目的のためには、テストモードイネーブル信号(本実施例においてはラインT及びT2)の論理的ORを図1のORゲート33の入力端へ送給することが有用である場合がある。このことは、以下に説明するような態様で出力バッファ22を制御するために特別テストモードの何れか1つの選択を行なうことを可能とする。一方、特に2つを超えた特別テストモードが使用可能な場合においては、特別テストモードのうちのある選択したもののみのイネーブル動作が出力バッファ22のイネーブル動作及びディスエーブル動作に影響を与えることが可能であるように適宜の論理を実現することが可能であり、このような論理の構成は、勿論、テストモードにおける出力バッファ22の所望の制御に基づいて当業者にとって自明なものである。
【0146】
更に注意すべきことであるが、ORゲート33によるラインCE及びラインTの論理的結合とそれに続くANDゲート26による出力バッファ22のイネーブル動作の制御はこの機能の比較的簡単な具体例である。その他の回路、例えば、出力バッファ22のイネーブル動作及びディスエーブル動作のタイミングを制御し、又は更に出力バッファ22のイネーブル動作をその他の目的のためにメモリ1内の付加的な内部信号とゲート動作させる遅延段を本回路の特定の条件に基づいてこの機能の具体化において設けることが可能であることは勿論である。更に、正論理について示したが、本発明の実施において負論理(即ち、ORとANDの実現化ではなくMORとNANDの実現化)も等価的に使用可能であることは勿論である。
【0147】
ラインT上のテストモードイネーブル信号による出力バッファ22の制御は、本発明のこの実施例に基づいて構成されたメモリ1において特に有益的な機能を与えている。このような構成の第一の機能は、メモリ1がその特別のテストモードステータスを通信することが可能であり、ユーザ(又は検査を行なうテスト装置)に対して特別テスト動作を実施する時点の前に、本装置が特別テストモードにあることのアクノレッジメント(通知)を与えることが可能であるということである。このようなアクノレッジメントは、例えば上述した過電圧エクスカーション等の異常なサイクルによって特別テストモードへのエントリが開始される場合には特に重要である。なぜならば、このようなサイクルは、テスト装置乃至はシステムの公称的な能力範囲のものでない場合があり、従ってこのようなサイクルが所望通りに実施されるということは常に確かではないからである。更に、特別テストモードにおけるテストが装置の製造又はテスト期間中に不合格となる場合には、テストモードへのエントリのアクノレッジメントは、テスト装置及びオペレータが、該メモリが実際にテストに不合格であったのか又はそれが単にテストモードにエンタすることを失敗したのかについて質問しないことを可能とする。注意すべきことであるが、テストモードエントリ手順は該装置(メモリ)が販売される明細に合致するものでない場合があるので、予定通り特別テストモードにエンタすることに失敗する集積回路は通常動作モードにおいて完全にテストされ且つ全てのその特定された条件に合致するものである場合がある。
【0148】
更に、特別テストモードのイネーブル動作の通信は、このようなモードへの不本意なエントリの検知を行なうことを可能とし、従ってユーザは、該装置の通常動作モードへの復帰のために要求される必要なサイクルを実施することが可能である。
【0149】
しかしながら、上述した如く、パッケージ化した集積回路装置、特にメモリ1等のようなメモリ装置の外部端子の数は、パッケージ化したメモリ装置、且つ該装置のために必要な回路基板空間の寸法を可及的に小さなものに維持するために最小値に維持される。更に、回路基板の複雑性を最小とするためにパッケージ化したメモリ装置に対しての接続を可及的に少ないものとすることが望ましい。従って、集積回路のステータスは該装置の専用端子において供給される信号によって通信されることが可能であるが、特にパッケージ化した回路の場合、このような端子を設けることは望ましいことではない。
【0150】
図9を参照して、端子DQによる特別テストモードのイネーブル動作の通信について説明する。この例の場合には、端子W が高論理レベルに留まるものと仮定されており、従って出力バッファ22のイネーブル動作はラインT及びCE及び端子OEの状態によって制御される。上述した如く、特別テストモードは、メモリ1がチップイネーブル端子E1及びE2からイネーブルされるものではない場合、即ちANDゲート25の出力端におけるラインCEが低論理レベルにある場合にのみイネーブルさせることが可能である。図9における時間t0 において、ラインTは低論理レベルにある。又、この実施例において時間t0 において、端子OEは高論理レベルにあるので(図9には示していないが、端子W と共に)、データ出力端子DQは活性状態にある。端子E1及びE2からの脱選択によるメモリ1の動作を図9に表示してあり、ラインCEは時間t1 において低論理レベルへ移行し、次いで端子DQが時間t2 において高インピーダンス状態へ移行するが、それは、ANDゲート25、ORゲート33及びANDゲート26の動作による出力バッファ22のディスエーブル動作の結果である。メモリ1の脱選択に応答しての出力バッファ22のディスエーブル動作及びその結果得られる端子DQにおける高インピーダンス状態は、メモリ及びチップイネーブル機能及び端子をもったその他の集積回路において公知のものである。
【0151】
本発明のこの実施例に基づいて構成されたメモリ1においては、図9の時間t3 における特別テストモードへのエントリ時に、ラインTはテストモードイネーブル回路29によって高論理レベルへ駆動される。高論理レベルにあるラインTに応答して、ORゲート33が高論理レベルをANDゲート26へ供給する。端子OE及びW が高論理レベルにあり且つパラレルテスト回路28からのライン32が高状態に留まるので(即ち、パラレルテストが合格したか又は未だに実施されていないかの何れか)、端子DQは時間t4 において活性状態となる。この条件は、チップイネーブル端子E1及びE2がメモリ1を選択していない状態で端子DQが低インピーダンスを与える場合、従来のメモリ動作においては予定されないものである。なぜならば、該回路がイネーブルされない場合には、端子DQは高インピーダンス状態に留まるものと予定されているからである。従って、メモリ1がイネーブルされない場合に端子DQにおいて低インピーダンス状態が与えられることは、このような通信のためにメモリ1に対して付加的な端子を必要とすることなしに、特別テストモードへのエントリをアクノレッジ即ち通知する。
【0152】
注意すべきことであるが、テストモードへのエントリを通信する目的のためには、端子DQに供給されるデータ状態は重要なものではなく、本発明のこの実施例においては、テストモードへのエントリは、端子DQにおける低インピーダンス条件によって通信される。しかしながら、所望により、付加的な情報をこの時点において端子DQに供給することが可能であり、このような付加的な情報は、例えば、どのテストモードがイネーブルされたかの識別等である。更に、注意すべきことであるが、メモリ1等のようなワイドワードメモリにおける出力バッファの全てが上述した態様で制御することが必要とされるものではない。なぜならば、特別テストモードのイネーブル動作は、低インピーダンス状態を与える端子DQのうちの選択した1つによって適切に通信することが可能だからである。
【0153】
テストモードイネーブル回路29による出力バッファ22の制御は、特別動作乃至はテストモードにおいてメモリ1の別の機能を可能とする。ラインTが高論理レベルにあると、通常動作において出力イネーブルとして作用する端子OEがテストモードにおいてチップイネーブル機能として作用する。このようなチップイネーブル機能は出力端子DQの制御のためにテストモードにおいて有用であり、特に端子DQをワイヤードOR態様で接続した状態でシステム内に据え付けた場合に特別テストモードがメモリに対してイネーブルされる場合に有用である。更に、メモリ1内の付加的な論理が最小の状態で、テストモード期間中の端子OEからの信号がテストモード期間中にメモリ1の内部動作を制御することも可能であり、そのことは、システムテスト適用において有用である。
【0154】
図1を参照して、このような付加的な論理の簡単な例について説明する。ANDゲート21が1つの入力端においてテストモードイネーブル回路29からのラインTを受取り、且つ別の入力端(所望によりバッファされている)における出力イネーブル端子OEにおける状態を受取る。ANDゲート21の出力端はORゲート19の1つの入力端へ接続されており、該ゲート19は、その他方の入力端においてANDゲート26の出力端からのラインCEを受取る。ORゲート19の出力端は入力/出力制御及び列デコーダ16としてこのような機能的回路へ接続されており、且つ従来のチップイネーブル態様でこのような回路をイネーブルし且つディスエーブルさせる。従って、出力イネーブル端子OEは、出力バッファ22のイネーブル動作及びディスエーブル動作を制御するばかりでなく、テストモード期間中にチップイネーブル端子としても作用する。このような機能は、複数個のメモリ1が並列接続されており且つメモリ1のうちの1つ(又は1つのバンク)のみがテストされるべき場合に、例えば特別テストモード等のような特別動作モードをイネーブルさせるべき場合に特に有用である。この実施例におけるチップイネーブル端子E1及びE2はテストモードからのイグジット即ち抜け出しを与えるので、この実施例においては、出力イネーブル端子OEがメモリ1のチップイネーブル制御を与えるものであることが特に有用である。このような制御を達成する図1に示した論理のその他の実施例も当業者に自明なものである。
【0155】
図9の実施例においては、時間t5 において、端子OEは、メモリ1がテストモードにある場合に(ラインTが高論理レベルにある)、低論理レベルへ外部的に駆動される。この信号に応答して、ANDゲート26の出力は低論理レベルへ移行し、出力バッファ22をディスエーブルさせ且つ時間t6 において示した如く、端子DQを高インピーダンス状態とさせる。テストモードにおけるメモリ1の再選択は、端子OEを高論理レベルへ外部的に駆動することによって達成される(時間t7 において示してある)、それに応答して、端子DQは、再度、活性状態となり且つ時間t8 において該端子においてデータを供給することが可能である。上述した如く、メモリ1は、チップイネーブルコードを受取る端子E1及びE2によりテストモードをイグジット即ち抜け出すことが可能である。
【0156】
従って、本発明のこの実施例に基づくメモリ1は、通常動作においてある機能を有する例えば端子DQ等のような端子を使用することによりそのテストモードステータスを通信することが可能である。更に、この実施例に基づくメモリ1は、チップイネーブルを使用することにより特別テストモードをイグジット即ち抜け出す簡単な方法を与えており、更に通常動作において異なった機能を有する更に別の端子を使用することにより特別テストモードにある間にチップイネーブル機能を与える。従って、特別テストモードの制御及びアクノレッジメント(通知)のための付加的な端子を設けることの必要性は本発明に基づくメモリ1においては回避されている。
【0157】
以上、本発明の具体的実施の態様について詳細に説明したが、本発明はこれら具体例にのみ限定されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱することなしに種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例を組込んだメモリ装置の概略図。
【図2】図1のメモリのテストモードイネーブル回路の概略図。
【図2a】図1のテストモードイネーブル回路の別の実施例の概略図。
【図2b】図1のテストモードイネーブル回路の更に別の実施例の概略図。
【図3】図2のテストモードイネーブル回路内の過電圧検知器回路の概略図。
【図4】図2のテストモードイネーブル回路において使用された場合のリセット回路を具備するパワーオンリセット回路の第一実施例の概略図。
【図4a】図4のパワーオンリセット回路に対するリセット回路の別の実施例の概略図。
【図4b】図4のパワーオンリセット回路用のリセット回路の更に別の実施例の概略図。
【図5】図2のテストモードイネーブル回路における評価論理の概略図。
【図5a】図2のテストモードイネーブル回路における評価論理の別の実施例の概略図。
【図5b】図2のテストモードイネーブル回路における更に別の実施例の概略図。
【図5c】図2のテストモードイネーブル回路における評価論理の更に別の実施例の概略図。
【図6】図2のテストモードイネーブル回路において使用されたフリップフロップの概略図。
【図7】図1のメモリにおける図2のテストモードイネーブル回路の動作を示したタイミング線図。
【図8】図1のメモリにおける図2のテストモードイネーブル回路の動作を示したタイミング線図。
【図9】図1のメモリにおける図2のテストモードイネーブル回路の動作を示したタイミング線図。
【符号の説明】
29 テストモードイネーブル回路
40 パワーオンリセット回路
90,92 D型フリップフロップ
OE 出力イネーブル端子
Claims (19)
- パワーオンリセット回路において、
電源電圧供給端子における電圧のパワーアップ開始時にエントリされる第一状態をもったラッチ、
前記電源電圧供給端子及び前記ラッチへ結合されており前記電源電圧供給端子における電圧が第一スレッシュホールドレベルに到達した時に第二状態へ前記ラッチをスイッチさせるスイッチ回路、
前記電源電圧供給端子及び前記ラッチへ結合されており前記電源電圧供給端子における電圧が第二スレッシュホールドレベル以下に降下した時に前記ラッチを前記第一状態へリセットさせるリセット回路、
を有しており、前記ラッチが交差結合されている第一及び第二インバータを具有しており且つ前記リセット回路が前記第一インバータの入力端とリセットノードとの間に接続された導電経路を具備すると共に制御端子を具備する放電トランジスタを具有している、ことを特徴とするパワーオンリセット回路。 - 請求項1において、前記第一状態が前記ラッチの初期状態であることを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項2において、前記ラッチが、交差結合された第一及び第二インバータ、前記第一インバータの入力端と基準電圧ノードとの間に結合されているコンデンサを有していることを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項3において、前記基準電圧ノードが前記電源電圧供給端子へ結合されていることを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項3において、前記基準電圧ノードが接地電圧端子へ結合されていることを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項1において、前記リセット回路が、更に、前記電源電圧供給端子と前記放電トランジスタの制御端子との間に結合されている電圧降下装置を具有していることを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項6において、前記電圧降下装置がダイオードを有することを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項6において、前記電圧降下装置が前記電源電圧供給端子と前記放電トランジスタの制御端子との間に結合された導電経路を具備すると共に前記放電トランジスタの制御端子における電圧が少なくとも前記電源電圧供給端子における電圧より高い順方向バイアスされた接合電圧降下であるようにその導電経路の一端へ接続した制御端子を具備するバイアストランジスタを有することを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項8において、前記放電トランジスタが電界効果トランジスタであり且つ前記順方向バイアスされた接合電圧降下が前記放電トランジスタのスレッシュホールド電圧よりも大きいことを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項6において、更に、前記放電トランジスタの制御端子と基準電圧ノードとの間に接続してコンデンサが設けられていることを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項10において、前記基準電圧ノードが接地電圧端子であることを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項6において、更に、前記放電トランジスタの制御端子と前記電源電圧供給端子との間に結合されており前記電源電圧供給端子における電圧が前記第一スレッシュホールド電圧を超える場合に前記放電トランジスタの制御端子のバイアスを制限するクランプ装置が設けられていることを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項12において、前記クランプ装置がダイオードを有することを特徴とするパワーオンリセット回路。
- 請求項12において、前記クランプ装置が、クランプトランジスタを有しており、該クランプトランジスタは、前記電源電圧供給端子と前記放電トランジスタの制御端子との間に結合された導電経路を有すると共に、前記放電トランジスタの制御端子における電圧が、前記電源電圧供給端子における電圧が前記第一スレッシュホールド電圧を超える場合に前記電源電圧供給端子における電圧より低い順方向バイアスされた接合電圧降下へクランプされるようにその導電経路の一端へ接続した制御端子を有していることを特徴とするパワーオンリセット回路。
- パワーオンリセット方法において、
パワーアップの開始時にラッチの出力ノードを第一状態に設定し、
電源電圧供給端子における電圧が第一スレッシュホールド電圧に到達すると前記出力ノードを前記第一状態から第二状態へセットし、
前記電源電圧供給端子における電圧が第二スレッシュホールドレベル以下に降下すると前記出力ノードを前記第一状態へリセットさせ、
前記出力ノードの状態に応答してパワーオンリセット信号を駆動する、
上記各ステップを有しており、前記リセットを行う場合に、前記電源電圧供給端子における電圧が前記第二スレッシュホールドレベル以下に降下することに応答して前記出力ノードを前記電源電圧供給端子へ接続させて前記出力ノードにおける電圧を放電させることを特徴とするパワーオンリセット方法。 - 請求項15において、前記放電させる場合に、前記電源電圧供給端子における電圧が前記第二スレッシュホールドレベル以下に降下することに応答して前記出力ノードと前記電源電圧供給端子との間に結合されている放電トランジスタの制御端子をオン状態へバイアスさせることを特徴とするパワーオンリセット方法。
- 請求項16において、前記バイアスさせる場合に、前記電源電圧供給端子における電圧が前記第二スレッシュホールドレベル以下に降下した後に前記制御端子における電圧を所定期間の間オン状態に維持することを特徴とするパワーオンリセット方法。
- 請求項16において、前記セットするステップの後に前記電源電圧供給端子が前記第一スレッシュホールドレベルに到達することに応答して前記放電トランジスタの制御端子の充電を遅延させることを特徴とするパワーオンリセット方法。
- 請求項17において、更に、前記第一スレッシュホールドレベルよりも高い場合に、前記放電トランジスタの制御端子を前記電源電圧供給端子における電圧より低い電圧へクランプさせることを特徴とするパワーオンリセット方法。
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