JP3571565B2 - 楽音信号発生装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽音信号発生装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子ピアノに代表される電子鍵盤楽器には、楽音信号を生成する複数の楽音発生チャネル、各楽音発生チャネルの動作状態を記憶するチャネル状態記憶手段、キーオンが検出されると、チャネル状態記憶手段の記憶内容を参照して楽音発生チャネルの一対を選択し、選択された楽音発生チャネルの一方をLチャネルとしてステレオ演奏のための左楽音信号を割当て、他方をRチャネルとしてステレオ演奏のための右楽音信号を割当てる割当手段、左楽音信号を出力する左出力系及び右楽音信号を出力する右出力系を備える楽音信号発生装置を持ち、左出力系からの楽音信号により左スピーカを駆動し、右出力系からの楽音信号により右スピーカを駆動することによってステレオ演奏するものがある。
【0003】
ステレオ演奏するためには、1つの鍵の操作(キーオン)に対して2つの楽音発生チャネル(L/Rチャネル)が必要となる。こうしたL/Rチャネルの対を鍵数だけ用意すればチャネル不足になることはないが、楽音発生チャネルの数を増やすことはコストアップになるので、楽音発生チャネルの数をある程度に抑えて(例えば32チャネル)、限られた数の楽音発生チャネルの有効利用が研究されてきた。
【0004】
そのような楽音発生チャネルの有効利用技術の一つとして、特開平10−49159号公報に開示されている楽音発生装置がある。この楽音発生装置では、楽音発生チャネルの全数が使用されているときに新たなキーオンがなされると、L/Rチャネルの対を2つ選び、それら対をなしている楽音発生チャネルの片方をトランケート(急速減衰)させ、残りのチャネルはそのまま動作させる。これにより、2つの楽音発生チャネルが空きになるので、それらを新たにキーオンされた鍵に対応するL/Rチャネルとして使用できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平10−49159号公報の技術では、ステレオ発音のうちの一方(片側チャネル)の発音のみが残るので、左右で音量バランスがばらつくおそれがある。これを防ぐには、例えばトランケート処理するチャネルを「前回はLチャネルだったから今回はRチャネルにする」というような制御を行う必要があり、制御が複雑化するのでCPUも高性能(普通は高価格)のものを使用しなければならない。すなわち、特開平10−49159号公報の技術にも改善の余地があった。
【0006】
本発明は、ステレオ発音が可能な楽音信号発生装置において、楽音発生チャネルを一層良好に有効利用することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための請求項1記載の楽音信号発生装置は、楽音信号を生成する複数の楽音発生チャネルと、前記各楽音発生チャネルの動作状態を記憶するチャネル状態記憶手段と、新たなキーオンが検出されると該新たなキーオンに対応した楽音信号を生成する前記楽音発生チャネルを前記チャネル状態記憶手段の記憶内容を参照してアサインするアサイン手段と、前記楽音発生チャネルが生成した楽音信号を出力する左右の出力系とを備える楽音信号発生装置において、アサイン手段は、前記新たなキーオンが検出された際に、前記楽音発生チャネルに2チャネル以上の空きがあれば左右独立波形をそれぞれ生成するために一対の前記楽音発生チャネルをアサインし(以下、ステレオアサインという。)、2チャネル以上の空きがなければ前記左右独立波形のいずれか一方だけを生成するために1つの前記楽音発生チャネルをアサインする(以下、モノラルアサインという。)構成とし、該アサイン手段によりモノラルアサインされた前記楽音発生チャネルの楽音信号を前記左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定するパンニング設定手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
この楽音信号発生装置においては、アサイン手段は、新たなキーオンが検出された際に、楽音発生チャネルに2チャネル以上の空きがあれば、ステレオアサインとして左右独立波形をそれぞれ生成するために一対の楽音発生チャネルをアサインする。
【0009】
しかし、2チャネル以上の空きがなければモノラルアサインとして左右独立波形のいずれか一方だけを生成するために1つの楽音発生チャネルをアサインする。このとき、空きチャネルがなければ、請求項6記載のように、アサイン手段は、新たなキーオンが検出された際に該新たなキーオンをアサインする楽音発生チャネルが不足するときには、既にアサインされている楽音発生チャネルのいずれかを選択し、該選択した楽音発生チャネルに新たなキーオンをアサインすることで対処できる。なお、既にアサインされている楽音発生チャネルを2チャネル選択して、それらにステレオアサインすることも可能である。
【0010】
そして、パンニング設定手段は、アサイン手段によりモノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号を左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定する。
普通、ステレオアサインの場合には、L側チャネルについてはL=70、R=0、R側チャネルについてはR=70、L=0のように設定されているので、L側チャネルの楽音信号が右出力系から出力されることはなく、R側チャネルの楽音信号が左出力系から出力されることはない。ところが、このパンニング係数は例えば音域やキーナンバに対応して固定されているのが普通であるため、単に1つの楽音発生チャネルをアサインしただけでは、その楽音信号に基づく音声出力が左または右の出力系だけから出力されてしまうので、左右の音量のバランスをとることができない。
【0011】
しかしながら、アサイン手段によりモノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号のパンニング係数を、例えばL=X、R=Y(X、Yはともに正数値)と設定すれば、モノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号を左右の出力系から出力させることができる。
【0012】
このときのパンニング係数(上記X、Y)の設定は、請求項5記載のように、新たなキーオンの音域に基づいて設定するとよい。具体的には、低音側(すなわち演奏者の左手側)のキーならXを相対的に大きくしてYを相対的に小さくし、高音側(演奏者の右手側)のキーならXを相対的に小さくしYを相対的に大きくし、中音部ではX、Yをほぼ等しくするといった設定にすると、左右の音量分布により擬似的にステレオ効果を生じさせることができる。なお、音域に基づいて設定する場合に、ここで例示したように低音域、中音域、高音域という分け方に限るものではなく、より細かく分けることもできる。したがって、究極の形態としてはキーナンバ毎にパンニング係数の設定を変えることもできる。
【0013】
このように、楽音信号発生チャネルの有効利用としてモノラルアサインした場合にも左右で音量バランスがばらつくことはないし、パンニング係数の設定次第で疑似ステレオ効果も得られるから、演奏者や聴衆が違和感を感じることもない。
【0014】
しかも、パンニング係数の設定だけで済むからCPUの負担増は小さく、高性能(高価)なCPUを採用する必要もない。
請求項2記載の楽音信号発生装置は、楽音信号を生成する複数の楽音発生チャネルと、前記各楽音発生チャネルの動作状態を記憶するチャネル状態記憶手段と、新たなキーオンが検出されると該新たなキーオンに対応した楽音信号を生成させる前記楽音発生チャネルを前記チャネル状態記憶手段の記憶内容を参照してアサインするアサイン手段と、前記楽音発生チャネルが生成した楽音信号を出力する左右の出力系とを備える楽音信号発生装置において、前記アサイン手段は、前記新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値を超えていれば左右独立波形をそれぞれ生成するために一対の前記楽音発生チャネルをアサインし(以下、ステレオアサインという。)、前記新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値以下なら前記左右独立波形のいずれか一方だけを生成するために1つの前記楽音発生チャネルをアサインする(以下、モノラルアサインという。)構成とし、該アサイン手段によりモノラルアサインされた前記楽音発生チャネルの楽音信号を前記左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定するパンニング設定手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
電子鍵盤楽器では、あらゆるキーオンに対応してすべてをステレオ発音とすれば臨場感に優れることは言うまでもない。ところが、それぞれのキーオンにはベロシティの違い(キー操作の強弱と見てよい)があり、ベロシティが小さい場合には小さい音量とされる。そして、音量が小さい場合にはステレオ発音とモノラル発音との差も小さくなるので、モノラル発音にしても差し支えない。
【0016】
そこで、請求項2記載の楽音信号発生装置は、上記の構成を採用したものであり、アサイン手段は、新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値を超えていれば(すなわちベロシティが相対的に大きければ)、ステレオ発音が好ましいから、ステレオアサインする。一方、新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値以下なら(すなわちベロシティが相対的に小さければ)、モノラルアサインする。
【0017】
このとき、請求項6記載のように、アサイン手段は、新たなキーオンが検出された際に該新たなキーオンをアサインする楽音発生チャネルが不足するときには、既にアサインされている楽音発生チャネルのいずれかを選択し、該選択した楽音発生チャネルに新たなキーオンをアサインすることで対処できる。なお、既にアサインされている楽音発生チャネルを2チャネル選択して、それらにステレオアサインすることも可能である。
【0018】
そして、パンニング設定手段は、アサイン手段によりモノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号を左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定する。
請求項1について述べたとおり、ステレオアサインの場合には、L側チャネルについてはR側のパンニング値が0に、R側チャネルについてはL側のパンニング値が0に設定されているのが普通で、単に1つの楽音発生チャネルをアサインしただけでは、左右の出力系の一方でしか音声出力されないから、左右の音量のバランスをとることができない。
【0019】
しかしながら、アサイン手段によりモノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号のパンニング係数を、例えばL=X、R=Y(X、Yはともに正数値)と設定すれば、モノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号を左右の出力系から出力させることができる。
【0020】
このときのパンニング係数(上記X、Y)の設定は、請求項5記載のように、新たなキーオンの音域に基づいて設定するとよい。具体的には、低音側(すなわち演奏者の左手側)のキーならXを相対的に大きくしてYを相対的に小さくし、高音側(演奏者の右手側)のキーならXを相対的に小さくしYを相対的に大きくし、中音部ではX、Yをほぼ等しくするといった設定にすると、左右の音量分布により擬似的にステレオ効果を生じさせることができる。なお、音域に基づいて設定する場合に、ここで例示したように低音域、中音域、高音域という分け方に限るものではなく、より細かく分けることもできる。したがって、究極の形態としてはキーナンバ毎にパンニング係数の設定を変えることもできる。
【0021】
このように、楽音信号発生チャネルの有効利用としてモノラルアサインした場合にも左右で音量バランスがばらつくことはないし、パンニング係数の設定次第で疑似ステレオ効果も得られるから、演奏者や聴衆が違和感を感じることもない。
【0022】
しかも、パンニング係数の設定だけで済むからCPUの負担増は小さく、高性能(高価)なCPUを採用する必要もない。
なお、ベロシティ基準値は、予め設定しておいてもよいし、請求項3または4記載のように、既に楽音発生チャネルがアサインされているキーのベロシティに基づいて決めてもよい。
【0023】
すなわち、請求項3記載の楽音信号発生装置は、請求項2記載の楽音信号発生装置において、前記ベロシティ基準値は、前記新たなキーオンが検出された際に既に楽音発生チャネルがアサインされているキーのベロシティに基づいて決められることを特徴とする。
【0024】
また、請求項4記載の楽音信号発生装置は、請求項3記載の楽音信号発生装置において、前記ベロシティ基準値は、前記新たなキーオンが検出された際に既に楽音発生チャネルがアサインされているキーのベロシティの平均値であることを特徴とする。
【0025】
これら請求項3または4記載のように、他のキーのベロシティに基づいて決めることにより、例えば他のいずれのキーよりもベロシティが小さいときにモノラルアサインとしたり、キーのベロシティの平均値よりもベロシティが小さいときにモノラルアサインとすることができる。つまり、キーオンに対応する音量が全体から見て比較的小さいときにモノラルアサインとすることができるから、請求項2の構成による効果(特に違和感の防止)を一層良好とすることができる。特に、請求項4ではベロシティ基準値として他のキーのベロシティの平均値を採用するので、全体的な音量バランスも良好となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の2つの実施例を図面を参照して説明することにより発明の実施の形態を説明する。
【0027】
【実施例1】
図1は、楽音信号発生装置を備える鍵盤式の電子楽器の全体的な構成を示すブロック図である。
この鍵盤式の電子楽器10は、鍵盤12とパネル14を備えており、演奏者は鍵盤12の鍵(キー)及びパネル14のスイッチ類を操作できる。
【0028】
鍵盤12の鍵が操作されると、キースキャン回路16が押鍵、離鍵すなわちキーオン、キーオフを検出し、検出したオン/オフ情報をそのキーナンバとともにバスライン17に送出する。バスライン17に送出されたキーオン/オフ情報及びキーナンバは、CPU24及び楽音信号発生装置40に取込まれ、またCPU24の制御下でCPUワークRAM30に記憶される。なお、CPUワークRAM30は、後述する楽音発生チャネルの動作状態を記憶し、チャネル状態記憶手段として機能する。
【0029】
パネル14のモード選択スイッチ、音色選択スイッチ、ボリュームコントローラのオン/オフやポジション等はパネルスキャン18にて検出される。それらのスイッチ情報は、パネルスキャン18からバスライン17に送出され、CPU24の制御下でCPUワークRAM30に記憶される。
【0030】
また、パネル14にはパネル表示20が付属しており、パネル表示20はCPU24の指示を受けて電子楽器10の状態等を表示するためのLEDを点灯、消灯させる。
さらに、バスライン17には、シリアル入出力回路であるUART22が接続されており、MIDI信号が入力される。
【0031】
CPU24はCPUプログラムROM26に格納されている動作プログラムに従って動作し、電子楽器10の各部の動作を制御する。
音色パラメータROM28には、図4に示される構造のステレオ音色パラメータと図5に示されるモノラル音色パラメータが格納されている。図4に示すように、ステレオ音色パラメータは、音色毎にL側DCOとR側DCOとが対になり、それぞれのDCOはウェーブスタートアドレス(Wave Start Address)、L側並びにR側パンニング係数、アタック(Attack)、ディケイ(Decay )及びリリース(Release )の各エンベロープデータ(Ebv. data )を含んでいる。なお、本実施例の場合、L側DCOのL側パンニング係数は低音、中音、高音とも70、R側パンニング係数は低音、中音、高音とも0に設定され、R側DCOではこれと逆にL側パンニング係数は低音、中音、高音とも0、R側パンニング係数は低音、中音、高音とも70に設定されている。
【0032】
また、図5に示すように、モノラル音色パラメータには、L/R共通DCOとしてウェーブスタートアドレス、L側並びにR側パンニング係数、アタック、ディケイ及びリリースの各エンベロープデータが含まれている。本実施例ではモノラル音色パラメータのパンニング係数は図6に示されるパンニングカーブ(低音側80−高音側40のカーブ(L)と低音側40−高音側80のカーブ(R))に従っており、低音はL側が80でR側が40、中音はL側、R側とも70、高音はL側が40でR側が80となるように設定されている。
【0033】
図1に戻り、バスライン17には、楽音信号発生装置40が接続されている。楽音信号発生装置40は、サンプル波形データを格納している波形ROM42、波形ROM42から読み込んだサンプル波形データに基づいてサンプル波形(楽音信号)を生成するサンプル波形発生器44、サンプル波形発生器44の一部となるRAMのアサイメントメモリ46、サンプル波形発生器44が生成したサンプル波形にパンニング処理を施すパンニング回路50、パンニング処理されたサンプル波形を系列累算処理するための系列累算回路60等から構成されている。
【0034】
なお、本実施例の楽音信号発生装置40においては、サンプル波形発生器44はサンプル波形を生成する楽音発生チャネルを32チャネル備えており、各チャネルが1音のサンプル波形を生成する。
そして、アサイメントメモリ46は、各チャネル毎に、図3に示されるとおりのキーアサイメント情報を記憶する。すなわち、キーナンバ、そのオン/オフ情報、ウェーブスタートアドレス、L側及びR側パンニング係数、アタック、ディケイ及びリリースの各エンベロープデータ、ラウドネスデータが1チャネル分のアサイメント情報であり、それを32チャネル分記憶できる。
【0035】
記憶されるキーナンバとそのオン/オフ情報は、上述のキースキャン回路16がバスライン17に送出したものである。ウェーブスタートアドレス、L側及びR側パンニング係数及びエンベロープデータは、パネル14の音色選択スイッチに基づいて音色パラメータROM28から獲得したものである。ラウドネスデータは、ボリュームコントローラのポジションをパネルスキャン18が検出し、それを数値化してバスライン17に送出したデータである。すなわち、アサイメントメモリ46は、それぞれのチャネルが生成しているサンプル波形が対応しているキーナンバ、音色及び音量に関するデータを記憶すると言える。
【0036】
図1に戻り、系列累算回路60にはディジタルアナログコンバータ(DAC)62L、アンプ(Amp)64L及びスピーカ(SP)66Lからなる左出力系と同様にDAC62R、Amp64R及びSP66Rからなる右出力系とが接続されており、左右出力系は、それぞれ系列累算回路60から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅し、音声出力することができる。
【0037】
図2に示すように、サンプル波形発生器44にはFナンバROM70、Fナンバ累算器72、サンプル補間器74、エンベロープ発生器76、アサイメントメモリ46(図2には示さない)等が備わっている。これらのうちでFナンバ累算器72、サンプル補間器74及びエンベロープ発生器76が1組となって1つのサンプル波形を生成するので、そうした1組が1つの楽音信号発生チャネルに該当し、本実施例ではこれらの組が32組(すなわち楽音発生チャネルが32チャネル)ある。
【0038】
FナンバROM70にはアサイメントメモリ46からのキーナンバが入力され、そのキーナンバに対応するFナンバがFナンバ累算器72に読み込まれる。また、アサイメントメモリ46からのキーオン/オフ情報もFナンバ累算器72に入力される。Fナンバ累算器72は、Fナンバの整数部分を加算器ADD1に送出し、小数部分をサンプル補間器74に送出する。加算器ADD1では、Fナンバの整数部分にアサイメントメモリ46からのウェーブスタートアドレスが加算され、その加算後のデータが波形ROM42のアドレスを指定する。サンプル補間器74は、このアドレス指定されたサンプル波形データを読込み、Fナンバの小数部分を用いてサンプル波形データに補間処理を施す。
【0039】
サンプル補間器74から出力されたサンプル波形データは、乗算器MLT1に送られる。乗算器MLT1には、エンベロープ発生器76からのエンベロープデータが入力され、サンプル波形データにエンベロープデータが乗算される。このエンベロープデータは、アサイメントメモリ46からエンベロープ発生器76に供給されるアタック、ディケイ及びリリースのエンベロープデータに基づいている。さらに、サンプル波形データには、乗算器MLT2において、アサイメントメモリ46からのラウドネスデータが乗算される。
【0040】
このようにエンベロープデータとラウドネスデータが乗算されたサンプル波形データはパンニング回路50に送られる。
パンニング回路50は、L側パンニング値補間回路50Lと乗算器MLT3とで構成されるL側系列及びR側パンニング値補間回路50Rと乗算器MLT4とで構成されるR側系列からなり、その下流側の系列累算回路60も加算器ADD3とラッチ60LとからなるL側系列と加算器ADD4とラッチ60RからなるR側系列とからなっている。
【0041】
L側パンニング値補間回路50L及びR側パンニング値補間回路50Rは、CPU24から補間の有無を指示され、補間有りならアサイメントメモリ46から取得したパンニング係数(パン値)を乗算器MLT3、MLT4に送出する。乗算器MLT3、MLT4にパンニング係数が送出された際には、そのパンニング係数がサンプル波形データに乗算される。
【0042】
さらにサンプル波形データは、加算器ADD3、ADD4を経てラッチ60L、60Rに送られ、全チャネル分の累算処理が行われる。累算されたデータは、上述したように左右出力系において、アナログ変換され、増幅され、音声として出力される。
【0043】
さて、この電子楽器10においては、図7に示すように、電子楽器10の電源がオンされると、CPU24は各種の初期化処理を行う(S101)。
以後は、パネル14のモード選択スイッチ、音色選択スイッチ、ボリュームコントローラのオン/オフやポジション等に応じて、音色、音量等を設定するためのパネル処理(S102)、キーオン/オフに対応しての発音、消音を実行するための処理であるキーイベント(S103)、その他の処理(S104)を繰り返し実行する。
【0044】
キーイベント(S103)に含まれるサブルーチンとして、本発明に関わりの深いキーアサイン処理が行われるので、その処理を図8に従って説明する。
キーアサイン処理では、CPU24はまずキーオンの有無を判断し(S120)、キーオンがあればCPUワークRAM30を検索して空チャネルが2チャネル以上あるか否かを判断する(S121)。
【0045】
空チャネルが2チャネル以上あるときには(S121:YES)、その中から2チャネルを選択して、それぞれに新たなキーオンのL及びRチャネルをアサインする(S127)。詳しくは、アサイメントメモリ46上の2つの空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。
【0046】
空チャネルが2チャネル未満の場合には(S121:NO)、空チャネルが1チャネルあるか否かを判断する(S122)。
ここで否定判断の場合(S122:NO)、新たなキーオンをアサインするために次のようにして空チャネルを確保する。
【0047】
まず、ステレオ発音のペアチャネルを1ペア選択する(S123)。この選択基準は適宜設定されればよく、本実施例では最も古く発音を開始したペアチャネルを選択する。
続いて、CPU24は、楽音信号発生装置40に指示して、選択したペアチャネルの一方(本実施例ではLチャネル)を高速リリース(すなわちトランケート)させる(S124)。また、CPU24は、楽音信号発生装置40に指示して、選択したペアチャネルの他方(本実施例ではRチャネル)のパンニング係数をキーナンバに基づいて変更させ、Rチャネルのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S125)。このパンニング係数は、例えば図6(この図6の例はモノラルピアノ音のパンニングカーブである)に示すパンニングカーブ(本実施例の場合、80−40のパンニングカーブと40−80のパンニングカーブ)により、キーナンバに対応するパンニング係数が決定される。この実施例では前述のパンニングカーブを採用しているが、他の形態のパンニングカーブ、例えばフルパンニングカーブ(L、R)を用いてもよい。また、パンニング係数の設定により、例えば一方のチャネルが高速リリースされる直前の音量を、残されたチャネルで確保できるから、総音量の低下も防止できる。
【0048】
なお、高速リリースはエンベロープ発生器76の働きによって実現され、パンニングの変更はパンニング回路50の働きによって実現される。
そして、高速リリースされたチャネルまたはS122で空チャネルであったチャネルに、新たなキーオンのL用波形をアサインし、パンニング係数をキーオンされたキーナンバに基づいて設定するすることにより、そのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S126)。
【0049】
すなわち、CPU24は、例えば図6に示すパンニングカーブ(本実施例の場合、80−40のパンニングカーブと40−80のパンニングカーブ)により、キーナンバに対応するパンニング係数を決定し、そのパンニング係数を含めて、アサイメントメモリ46上の空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。なお、この実施例では前述のパンニングカーブを採用しているが、他の形態のパンニングカーブ、例えばフルパンニングカーブ(L、R)を用いてもよい。
【0050】
このように、新たなキーオンが検出された際に、空チャネルが2チャネル以上あれば、その中から2チャネルを選択して、それぞれに新たなキーオンのL及びRチャネルをアサインする(S127)ので、新たなキーオンに対応するステレオ発音が行われる。
【0051】
一方、1チャネルだけ空いているときには、その1チャネルに新たなキーオンのL用波形をアサインし、パンニング係数をキーオンされたキーナンバに基づいて設定して、モノラル音(この例ではL用波形に基づく音)を、左右の出力系から出力させるので、左右の音量バランスが崩れることはない。その際にキーナンバに応じてパンニング係数を設定するので、擬似的にステレオ効果を生じさせることができるから、演奏者や聴衆が違和感を感じることもなくなる。しかも、パンニング係数の設定だけで済むからCPU24の負担増はほとんどなく、高性能(高価)なCPUを採用する必要もない。
【0052】
なお、この実施例では、CPU24は、アサイン手段として機能すると共にパンニング回路50と共同してパンニング設定手段として機能している。
【0053】
【実施例2】
上記の実施例1例は空チャネル数に基づいてステレオアサインまたはモノラルアサインを選択する例であるが、キーベロシティに基づいてステレオアサインまたはモノラルアサインを選択することもできるので、それを実施例2として説明する。なお、ハード構成やメイン処理等は実施例1と同様であるので実施例1と同じ符号を用いて説明は省略する。また、キーアサイン処理がキーイベントのサブルーチンとして実行される点も実施例1と同様である。
【0054】
この実施例2のCPU24のキーアサイン処理は図9に示すとおりであり、まずキーオンの有無を判断し(S130)、キーオンがあればCPUワークRAM30からベロシティ平均値AKVを読込み、そのベロシティ平均値AKVと新たなキーオンのベロシティNKVとを比較し、新たなキーオンのベロシティNKVがベロシティ平均値AKVを超えているか否かを判断する(S131)。なお、ベロシティ平均値は、新たなキーオンが検出された際に既にアサインされている各キーのベロシティの平均値であり、現在発音中のキーのベロシティの平均値と言える。
【0055】
新たなキーオンのベロシティNKVがベロシティ平均値AKVを超えている場合には(S131:YES)、CPU24は、CPUワークRAM30を検索して空チャネルが2チャネル以上あるか否かを判断する(S132)。
空チャネルが2チャネル以上あるときには(S132:YES)、その中から2チャネルを選択して、それぞれに新たなキーオンのL及びRチャネルをアサインする(S134)。詳しくは、アサイメントメモリ46上の2つの空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。
【0056】
しかし、空チャネルが2チャネル未満の場合には(S132:NO)、現在アサインされているチャネルのいずれかを新たなキーオン用に用いるためのチャネル確保処理(S133)を実行してから、上述のS133を実行する。
チャネル確保処理は図10に示すとおりであり、まず、ステレオ発音のペアチャネルを1ペア選択する(S140)。この選択基準は適宜設定されればよく、本例では最も古く発音を開始したペアチャネルを選択する。
【0057】
続いて、CPU24は、楽音信号発生装置40に指示して、選択したペアチャネルの一方(本実施例ではLチャネル)を高速リリース(すなわちトランケート)させる(S141)。また、CPU24は、楽音信号発生装置40に指示して、選択したペアチャネルの他方(本実施例ではRチャネル)のパンニング係数をキーナンバに基づいて変更させ、Rチャネルのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S142)。このパンニング係数は、例えば図6(この図6の例はモノラルピアノ音のパンニングカーブである)に示すパンニングカーブ(本実施例の場合、80−40のパンニングカーブと40−80のパンニングカーブ)により、キーナンバに対応するパンニング係数が決定される。この例では前述のパンニングカーブを採用しているが、他の形態のパンニングカーブ、例えばフルパンニングカーブ(L、R)を用いてもよい。また、パンニング係数の設定により、例えば一方のチャネルが高速リリースされる直前の音量を、残されたチャネルで確保できるから、総音量の低下も防止できる。
【0058】
なお、高速リリースはエンベロープ発生器76の働きによって実現され、パンニングの変更はパンニング回路50の働きによって実現される。
そして、もう1チャネルの確保が必要なら(S143:YES)、S140に回帰して上述と同様に、ステレオ発音のもう1つのペアチャネルを選択し(S140)、選択したペアチャネルの一方(本実施例ではLチャネル)を高速リリースさせ(S141)、そのペアチャネルの他方(本実施例ではRチャネル)のパンニング係数をキーナンバに基づいて変更させ、そのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S142)。
【0059】
このようにして1チャネルまたは2チャネルを空チャネルとでき、それによって2つの空チャネルを確保したので、図9に示すように、それらに2チャネルのそれぞれに新たなキーオンのL及びRチャネルをアサインする(S134)。詳しくは、アサイメントメモリ46上の2つの空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。
【0060】
続いて、CPU24は、新たにキーオンされたキーのベロシティNKVとベロシティ平均値AKVとによって新たなベロシティ平均値AKVを算出し、それをCPUワークRAM30に記憶させる(S135)。
一方、S131で否定判断、すなわち新たなキーオンのベロシティNKVがベロシティ平均値AKV以下の場合には、CPU24は、CPUワークRAM30を検索して空チャネルが1チャネル以上あるか否かを判断する(S136)。
【0061】
空チャネルが1チャネル以上あるときには(S136:YES)、その中から1チャネルを選択して、それぞれに新たなキーオンのL用波形をアサインし、パンニング係数をキーオンされたキーナンバに基づいて設定するすることにより、そのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S138)。
【0062】
すなわち、CPU24は、例えば図6に示すパンニングカーブ(本実施例の場合、80−40のパンニングカーブと40−80のパンニングカーブ)により、キーナンバに対応するパンニング係数を決定し、そのパンニング係数を含めて、アサイメントメモリ46上の空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。なお、この例では前述のパンニングカーブを採用しているが、他の形態のパンニングカーブ、例えばフルパンニングカーブ(L、R)を用いてもよい。
【0063】
また、空チャネルが1チャネルもない場合には(S136:NO)、現在アサインされているチャネルのいずれかを新たなキーオン用に用いるためのチャネル確保処理(S137)を実行してから、上述のS138を実行する。ここで実行するチャネル確保処理は、S133で実行されるもの(図10参照)と同じである。ただし、ここでは1チャネルを確保できればよいので、S143で肯定判断となってS140に回帰することはない。
【0064】
このように、新たなキーオンがなされたときに、そのキーのベロシティNKVがベロシティ平均値AKV以下のときには(キーベロシティが比較的小さいときには)、モノラル発音とするので楽音信号発生チャネルの有効利用が可能になる。
【0065】
モノラルアサインした場合にも、パンニング係数の設定によって左右両出力系から音声出力できるから、左右で音量バランスがばらつくことはないし、パンニング係数の設定次第で疑似ステレオ効果も得られるから、演奏者や聴衆が違和感を感じることもない。
【0066】
しかも、パンニング係数の設定だけで済むからCPU24の負担増は小さく、高性能(高価)なCPUを採用する必要もない。
その上、チャネル確保のためにペアチャネルの一方を高速リリースした際には、残ったチャネルによってペアチャネル分の音量を出力することができるから、総音量の低下を防止でき、例えばダンパペダルを踏んだ状態でキーオンが連続した場合などでも、キーオンに応じて総音量を増加させることが可能である。
【0067】
なお、この実施例では、CPU24は、アサイン手段として機能すると共にパンニング回路50と共同してパンニング設定手段として機能している。
以上、実施例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
【0068】
例えば上述の2つの実施例では、チャネル確保のためにペアチャネルの一方を高速リリースする手法を採用しているが(S124、S141)、高速リリースに代えてパンニング係数を0にする手法を採用しても、両実施例と同様に空チャネルを作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2の電子楽器の全体的な構成のブロック図である。
【図2】実施例1、2の電子楽器の楽音信号発生装置の詳細を説明するブロック図である。
【図3】実施例1、2の楽音信号発生装置のアサイメントメモリの構造の説明図である。
【図4】実施例1、2の電子楽器の音色パラメータROM内のステレオ音色パラメータの構造の説明図である。
【図5】実施例1、2の電子楽器の音色パラメータROM内のモノラル音色パラメータの構造の説明図である。
【図6】実施例1、2の電子楽器におけるモノラルピアノ音のパンニングカーブのグラフである。
【図7】実施例1、2の電子楽器のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。
【図8】実施例1の電子楽器のCPUが実行するキーアサイン処理のフローチャートである。
【図9】実施例2の電子楽器のCPUが実行するキーアサイン処理のフローチャートである。
【図10】実施例2の電子楽器のCPUが実行するチャネル確保処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10…電子楽器
24…CPU(アサイン手段、パンニング設定手段)
26…CPUプログラムROM
28…音色パラメータROM
30…CPUワークRAM(チャネル状態記憶手段)
40…楽音信号発生装置
42…波形ROM
44…サンプル波形発生器
46…アサイメントメモリ
50…パンニング回路(パンニング設定手段)
50L…L側パンニング値補間回路(パンニング設定手段)
50R…R側パンニング値補間回路(パンニング設定手段)
60…系列累算回路
60L…ラッチ
60R…ラッチ
62L…ディジタルアナログコンバータ(左出力系)
62R…ディジタルアナログコンバータ(右出力系)
64L…アンプ(左出力系)
64R…アンプ(右出力系)
66L…スピーカ(左出力系)
66R…SP(右出力系)
70…FナンバROM
72…Fナンバ累算器(楽音発生チャネル)
74…サンプル補間器(楽音発生チャネル)
76…エンベロープ発生器(楽音発生チャネル)
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽音信号発生装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子ピアノに代表される電子鍵盤楽器には、楽音信号を生成する複数の楽音発生チャネル、各楽音発生チャネルの動作状態を記憶するチャネル状態記憶手段、キーオンが検出されると、チャネル状態記憶手段の記憶内容を参照して楽音発生チャネルの一対を選択し、選択された楽音発生チャネルの一方をLチャネルとしてステレオ演奏のための左楽音信号を割当て、他方をRチャネルとしてステレオ演奏のための右楽音信号を割当てる割当手段、左楽音信号を出力する左出力系及び右楽音信号を出力する右出力系を備える楽音信号発生装置を持ち、左出力系からの楽音信号により左スピーカを駆動し、右出力系からの楽音信号により右スピーカを駆動することによってステレオ演奏するものがある。
【0003】
ステレオ演奏するためには、1つの鍵の操作(キーオン)に対して2つの楽音発生チャネル(L/Rチャネル)が必要となる。こうしたL/Rチャネルの対を鍵数だけ用意すればチャネル不足になることはないが、楽音発生チャネルの数を増やすことはコストアップになるので、楽音発生チャネルの数をある程度に抑えて(例えば32チャネル)、限られた数の楽音発生チャネルの有効利用が研究されてきた。
【0004】
そのような楽音発生チャネルの有効利用技術の一つとして、特開平10−49159号公報に開示されている楽音発生装置がある。この楽音発生装置では、楽音発生チャネルの全数が使用されているときに新たなキーオンがなされると、L/Rチャネルの対を2つ選び、それら対をなしている楽音発生チャネルの片方をトランケート(急速減衰)させ、残りのチャネルはそのまま動作させる。これにより、2つの楽音発生チャネルが空きになるので、それらを新たにキーオンされた鍵に対応するL/Rチャネルとして使用できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平10−49159号公報の技術では、ステレオ発音のうちの一方(片側チャネル)の発音のみが残るので、左右で音量バランスがばらつくおそれがある。これを防ぐには、例えばトランケート処理するチャネルを「前回はLチャネルだったから今回はRチャネルにする」というような制御を行う必要があり、制御が複雑化するのでCPUも高性能(普通は高価格)のものを使用しなければならない。すなわち、特開平10−49159号公報の技術にも改善の余地があった。
【0006】
本発明は、ステレオ発音が可能な楽音信号発生装置において、楽音発生チャネルを一層良好に有効利用することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための請求項1記載の楽音信号発生装置は、楽音信号を生成する複数の楽音発生チャネルと、前記各楽音発生チャネルの動作状態を記憶するチャネル状態記憶手段と、新たなキーオンが検出されると該新たなキーオンに対応した楽音信号を生成する前記楽音発生チャネルを前記チャネル状態記憶手段の記憶内容を参照してアサインするアサイン手段と、前記楽音発生チャネルが生成した楽音信号を出力する左右の出力系とを備える楽音信号発生装置において、アサイン手段は、前記新たなキーオンが検出された際に、前記楽音発生チャネルに2チャネル以上の空きがあれば左右独立波形をそれぞれ生成するために一対の前記楽音発生チャネルをアサインし(以下、ステレオアサインという。)、2チャネル以上の空きがなければ前記左右独立波形のいずれか一方だけを生成するために1つの前記楽音発生チャネルをアサインする(以下、モノラルアサインという。)構成とし、該アサイン手段によりモノラルアサインされた前記楽音発生チャネルの楽音信号を前記左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定するパンニング設定手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
この楽音信号発生装置においては、アサイン手段は、新たなキーオンが検出された際に、楽音発生チャネルに2チャネル以上の空きがあれば、ステレオアサインとして左右独立波形をそれぞれ生成するために一対の楽音発生チャネルをアサインする。
【0009】
しかし、2チャネル以上の空きがなければモノラルアサインとして左右独立波形のいずれか一方だけを生成するために1つの楽音発生チャネルをアサインする。このとき、空きチャネルがなければ、請求項6記載のように、アサイン手段は、新たなキーオンが検出された際に該新たなキーオンをアサインする楽音発生チャネルが不足するときには、既にアサインされている楽音発生チャネルのいずれかを選択し、該選択した楽音発生チャネルに新たなキーオンをアサインすることで対処できる。なお、既にアサインされている楽音発生チャネルを2チャネル選択して、それらにステレオアサインすることも可能である。
【0010】
そして、パンニング設定手段は、アサイン手段によりモノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号を左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定する。
普通、ステレオアサインの場合には、L側チャネルについてはL=70、R=0、R側チャネルについてはR=70、L=0のように設定されているので、L側チャネルの楽音信号が右出力系から出力されることはなく、R側チャネルの楽音信号が左出力系から出力されることはない。ところが、このパンニング係数は例えば音域やキーナンバに対応して固定されているのが普通であるため、単に1つの楽音発生チャネルをアサインしただけでは、その楽音信号に基づく音声出力が左または右の出力系だけから出力されてしまうので、左右の音量のバランスをとることができない。
【0011】
しかしながら、アサイン手段によりモノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号のパンニング係数を、例えばL=X、R=Y(X、Yはともに正数値)と設定すれば、モノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号を左右の出力系から出力させることができる。
【0012】
このときのパンニング係数(上記X、Y)の設定は、請求項5記載のように、新たなキーオンの音域に基づいて設定するとよい。具体的には、低音側(すなわち演奏者の左手側)のキーならXを相対的に大きくしてYを相対的に小さくし、高音側(演奏者の右手側)のキーならXを相対的に小さくしYを相対的に大きくし、中音部ではX、Yをほぼ等しくするといった設定にすると、左右の音量分布により擬似的にステレオ効果を生じさせることができる。なお、音域に基づいて設定する場合に、ここで例示したように低音域、中音域、高音域という分け方に限るものではなく、より細かく分けることもできる。したがって、究極の形態としてはキーナンバ毎にパンニング係数の設定を変えることもできる。
【0013】
このように、楽音信号発生チャネルの有効利用としてモノラルアサインした場合にも左右で音量バランスがばらつくことはないし、パンニング係数の設定次第で疑似ステレオ効果も得られるから、演奏者や聴衆が違和感を感じることもない。
【0014】
しかも、パンニング係数の設定だけで済むからCPUの負担増は小さく、高性能(高価)なCPUを採用する必要もない。
請求項2記載の楽音信号発生装置は、楽音信号を生成する複数の楽音発生チャネルと、前記各楽音発生チャネルの動作状態を記憶するチャネル状態記憶手段と、新たなキーオンが検出されると該新たなキーオンに対応した楽音信号を生成させる前記楽音発生チャネルを前記チャネル状態記憶手段の記憶内容を参照してアサインするアサイン手段と、前記楽音発生チャネルが生成した楽音信号を出力する左右の出力系とを備える楽音信号発生装置において、前記アサイン手段は、前記新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値を超えていれば左右独立波形をそれぞれ生成するために一対の前記楽音発生チャネルをアサインし(以下、ステレオアサインという。)、前記新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値以下なら前記左右独立波形のいずれか一方だけを生成するために1つの前記楽音発生チャネルをアサインする(以下、モノラルアサインという。)構成とし、該アサイン手段によりモノラルアサインされた前記楽音発生チャネルの楽音信号を前記左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定するパンニング設定手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
電子鍵盤楽器では、あらゆるキーオンに対応してすべてをステレオ発音とすれば臨場感に優れることは言うまでもない。ところが、それぞれのキーオンにはベロシティの違い(キー操作の強弱と見てよい)があり、ベロシティが小さい場合には小さい音量とされる。そして、音量が小さい場合にはステレオ発音とモノラル発音との差も小さくなるので、モノラル発音にしても差し支えない。
【0016】
そこで、請求項2記載の楽音信号発生装置は、上記の構成を採用したものであり、アサイン手段は、新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値を超えていれば(すなわちベロシティが相対的に大きければ)、ステレオ発音が好ましいから、ステレオアサインする。一方、新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値以下なら(すなわちベロシティが相対的に小さければ)、モノラルアサインする。
【0017】
このとき、請求項6記載のように、アサイン手段は、新たなキーオンが検出された際に該新たなキーオンをアサインする楽音発生チャネルが不足するときには、既にアサインされている楽音発生チャネルのいずれかを選択し、該選択した楽音発生チャネルに新たなキーオンをアサインすることで対処できる。なお、既にアサインされている楽音発生チャネルを2チャネル選択して、それらにステレオアサインすることも可能である。
【0018】
そして、パンニング設定手段は、アサイン手段によりモノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号を左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定する。
請求項1について述べたとおり、ステレオアサインの場合には、L側チャネルについてはR側のパンニング値が0に、R側チャネルについてはL側のパンニング値が0に設定されているのが普通で、単に1つの楽音発生チャネルをアサインしただけでは、左右の出力系の一方でしか音声出力されないから、左右の音量のバランスをとることができない。
【0019】
しかしながら、アサイン手段によりモノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号のパンニング係数を、例えばL=X、R=Y(X、Yはともに正数値)と設定すれば、モノラルアサインされた楽音発生チャネルの楽音信号を左右の出力系から出力させることができる。
【0020】
このときのパンニング係数(上記X、Y)の設定は、請求項5記載のように、新たなキーオンの音域に基づいて設定するとよい。具体的には、低音側(すなわち演奏者の左手側)のキーならXを相対的に大きくしてYを相対的に小さくし、高音側(演奏者の右手側)のキーならXを相対的に小さくしYを相対的に大きくし、中音部ではX、Yをほぼ等しくするといった設定にすると、左右の音量分布により擬似的にステレオ効果を生じさせることができる。なお、音域に基づいて設定する場合に、ここで例示したように低音域、中音域、高音域という分け方に限るものではなく、より細かく分けることもできる。したがって、究極の形態としてはキーナンバ毎にパンニング係数の設定を変えることもできる。
【0021】
このように、楽音信号発生チャネルの有効利用としてモノラルアサインした場合にも左右で音量バランスがばらつくことはないし、パンニング係数の設定次第で疑似ステレオ効果も得られるから、演奏者や聴衆が違和感を感じることもない。
【0022】
しかも、パンニング係数の設定だけで済むからCPUの負担増は小さく、高性能(高価)なCPUを採用する必要もない。
なお、ベロシティ基準値は、予め設定しておいてもよいし、請求項3または4記載のように、既に楽音発生チャネルがアサインされているキーのベロシティに基づいて決めてもよい。
【0023】
すなわち、請求項3記載の楽音信号発生装置は、請求項2記載の楽音信号発生装置において、前記ベロシティ基準値は、前記新たなキーオンが検出された際に既に楽音発生チャネルがアサインされているキーのベロシティに基づいて決められることを特徴とする。
【0024】
また、請求項4記載の楽音信号発生装置は、請求項3記載の楽音信号発生装置において、前記ベロシティ基準値は、前記新たなキーオンが検出された際に既に楽音発生チャネルがアサインされているキーのベロシティの平均値であることを特徴とする。
【0025】
これら請求項3または4記載のように、他のキーのベロシティに基づいて決めることにより、例えば他のいずれのキーよりもベロシティが小さいときにモノラルアサインとしたり、キーのベロシティの平均値よりもベロシティが小さいときにモノラルアサインとすることができる。つまり、キーオンに対応する音量が全体から見て比較的小さいときにモノラルアサインとすることができるから、請求項2の構成による効果(特に違和感の防止)を一層良好とすることができる。特に、請求項4ではベロシティ基準値として他のキーのベロシティの平均値を採用するので、全体的な音量バランスも良好となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の2つの実施例を図面を参照して説明することにより発明の実施の形態を説明する。
【0027】
【実施例1】
図1は、楽音信号発生装置を備える鍵盤式の電子楽器の全体的な構成を示すブロック図である。
この鍵盤式の電子楽器10は、鍵盤12とパネル14を備えており、演奏者は鍵盤12の鍵(キー)及びパネル14のスイッチ類を操作できる。
【0028】
鍵盤12の鍵が操作されると、キースキャン回路16が押鍵、離鍵すなわちキーオン、キーオフを検出し、検出したオン/オフ情報をそのキーナンバとともにバスライン17に送出する。バスライン17に送出されたキーオン/オフ情報及びキーナンバは、CPU24及び楽音信号発生装置40に取込まれ、またCPU24の制御下でCPUワークRAM30に記憶される。なお、CPUワークRAM30は、後述する楽音発生チャネルの動作状態を記憶し、チャネル状態記憶手段として機能する。
【0029】
パネル14のモード選択スイッチ、音色選択スイッチ、ボリュームコントローラのオン/オフやポジション等はパネルスキャン18にて検出される。それらのスイッチ情報は、パネルスキャン18からバスライン17に送出され、CPU24の制御下でCPUワークRAM30に記憶される。
【0030】
また、パネル14にはパネル表示20が付属しており、パネル表示20はCPU24の指示を受けて電子楽器10の状態等を表示するためのLEDを点灯、消灯させる。
さらに、バスライン17には、シリアル入出力回路であるUART22が接続されており、MIDI信号が入力される。
【0031】
CPU24はCPUプログラムROM26に格納されている動作プログラムに従って動作し、電子楽器10の各部の動作を制御する。
音色パラメータROM28には、図4に示される構造のステレオ音色パラメータと図5に示されるモノラル音色パラメータが格納されている。図4に示すように、ステレオ音色パラメータは、音色毎にL側DCOとR側DCOとが対になり、それぞれのDCOはウェーブスタートアドレス(Wave Start Address)、L側並びにR側パンニング係数、アタック(Attack)、ディケイ(Decay )及びリリース(Release )の各エンベロープデータ(Ebv. data )を含んでいる。なお、本実施例の場合、L側DCOのL側パンニング係数は低音、中音、高音とも70、R側パンニング係数は低音、中音、高音とも0に設定され、R側DCOではこれと逆にL側パンニング係数は低音、中音、高音とも0、R側パンニング係数は低音、中音、高音とも70に設定されている。
【0032】
また、図5に示すように、モノラル音色パラメータには、L/R共通DCOとしてウェーブスタートアドレス、L側並びにR側パンニング係数、アタック、ディケイ及びリリースの各エンベロープデータが含まれている。本実施例ではモノラル音色パラメータのパンニング係数は図6に示されるパンニングカーブ(低音側80−高音側40のカーブ(L)と低音側40−高音側80のカーブ(R))に従っており、低音はL側が80でR側が40、中音はL側、R側とも70、高音はL側が40でR側が80となるように設定されている。
【0033】
図1に戻り、バスライン17には、楽音信号発生装置40が接続されている。楽音信号発生装置40は、サンプル波形データを格納している波形ROM42、波形ROM42から読み込んだサンプル波形データに基づいてサンプル波形(楽音信号)を生成するサンプル波形発生器44、サンプル波形発生器44の一部となるRAMのアサイメントメモリ46、サンプル波形発生器44が生成したサンプル波形にパンニング処理を施すパンニング回路50、パンニング処理されたサンプル波形を系列累算処理するための系列累算回路60等から構成されている。
【0034】
なお、本実施例の楽音信号発生装置40においては、サンプル波形発生器44はサンプル波形を生成する楽音発生チャネルを32チャネル備えており、各チャネルが1音のサンプル波形を生成する。
そして、アサイメントメモリ46は、各チャネル毎に、図3に示されるとおりのキーアサイメント情報を記憶する。すなわち、キーナンバ、そのオン/オフ情報、ウェーブスタートアドレス、L側及びR側パンニング係数、アタック、ディケイ及びリリースの各エンベロープデータ、ラウドネスデータが1チャネル分のアサイメント情報であり、それを32チャネル分記憶できる。
【0035】
記憶されるキーナンバとそのオン/オフ情報は、上述のキースキャン回路16がバスライン17に送出したものである。ウェーブスタートアドレス、L側及びR側パンニング係数及びエンベロープデータは、パネル14の音色選択スイッチに基づいて音色パラメータROM28から獲得したものである。ラウドネスデータは、ボリュームコントローラのポジションをパネルスキャン18が検出し、それを数値化してバスライン17に送出したデータである。すなわち、アサイメントメモリ46は、それぞれのチャネルが生成しているサンプル波形が対応しているキーナンバ、音色及び音量に関するデータを記憶すると言える。
【0036】
図1に戻り、系列累算回路60にはディジタルアナログコンバータ(DAC)62L、アンプ(Amp)64L及びスピーカ(SP)66Lからなる左出力系と同様にDAC62R、Amp64R及びSP66Rからなる右出力系とが接続されており、左右出力系は、それぞれ系列累算回路60から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅し、音声出力することができる。
【0037】
図2に示すように、サンプル波形発生器44にはFナンバROM70、Fナンバ累算器72、サンプル補間器74、エンベロープ発生器76、アサイメントメモリ46(図2には示さない)等が備わっている。これらのうちでFナンバ累算器72、サンプル補間器74及びエンベロープ発生器76が1組となって1つのサンプル波形を生成するので、そうした1組が1つの楽音信号発生チャネルに該当し、本実施例ではこれらの組が32組(すなわち楽音発生チャネルが32チャネル)ある。
【0038】
FナンバROM70にはアサイメントメモリ46からのキーナンバが入力され、そのキーナンバに対応するFナンバがFナンバ累算器72に読み込まれる。また、アサイメントメモリ46からのキーオン/オフ情報もFナンバ累算器72に入力される。Fナンバ累算器72は、Fナンバの整数部分を加算器ADD1に送出し、小数部分をサンプル補間器74に送出する。加算器ADD1では、Fナンバの整数部分にアサイメントメモリ46からのウェーブスタートアドレスが加算され、その加算後のデータが波形ROM42のアドレスを指定する。サンプル補間器74は、このアドレス指定されたサンプル波形データを読込み、Fナンバの小数部分を用いてサンプル波形データに補間処理を施す。
【0039】
サンプル補間器74から出力されたサンプル波形データは、乗算器MLT1に送られる。乗算器MLT1には、エンベロープ発生器76からのエンベロープデータが入力され、サンプル波形データにエンベロープデータが乗算される。このエンベロープデータは、アサイメントメモリ46からエンベロープ発生器76に供給されるアタック、ディケイ及びリリースのエンベロープデータに基づいている。さらに、サンプル波形データには、乗算器MLT2において、アサイメントメモリ46からのラウドネスデータが乗算される。
【0040】
このようにエンベロープデータとラウドネスデータが乗算されたサンプル波形データはパンニング回路50に送られる。
パンニング回路50は、L側パンニング値補間回路50Lと乗算器MLT3とで構成されるL側系列及びR側パンニング値補間回路50Rと乗算器MLT4とで構成されるR側系列からなり、その下流側の系列累算回路60も加算器ADD3とラッチ60LとからなるL側系列と加算器ADD4とラッチ60RからなるR側系列とからなっている。
【0041】
L側パンニング値補間回路50L及びR側パンニング値補間回路50Rは、CPU24から補間の有無を指示され、補間有りならアサイメントメモリ46から取得したパンニング係数(パン値)を乗算器MLT3、MLT4に送出する。乗算器MLT3、MLT4にパンニング係数が送出された際には、そのパンニング係数がサンプル波形データに乗算される。
【0042】
さらにサンプル波形データは、加算器ADD3、ADD4を経てラッチ60L、60Rに送られ、全チャネル分の累算処理が行われる。累算されたデータは、上述したように左右出力系において、アナログ変換され、増幅され、音声として出力される。
【0043】
さて、この電子楽器10においては、図7に示すように、電子楽器10の電源がオンされると、CPU24は各種の初期化処理を行う(S101)。
以後は、パネル14のモード選択スイッチ、音色選択スイッチ、ボリュームコントローラのオン/オフやポジション等に応じて、音色、音量等を設定するためのパネル処理(S102)、キーオン/オフに対応しての発音、消音を実行するための処理であるキーイベント(S103)、その他の処理(S104)を繰り返し実行する。
【0044】
キーイベント(S103)に含まれるサブルーチンとして、本発明に関わりの深いキーアサイン処理が行われるので、その処理を図8に従って説明する。
キーアサイン処理では、CPU24はまずキーオンの有無を判断し(S120)、キーオンがあればCPUワークRAM30を検索して空チャネルが2チャネル以上あるか否かを判断する(S121)。
【0045】
空チャネルが2チャネル以上あるときには(S121:YES)、その中から2チャネルを選択して、それぞれに新たなキーオンのL及びRチャネルをアサインする(S127)。詳しくは、アサイメントメモリ46上の2つの空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。
【0046】
空チャネルが2チャネル未満の場合には(S121:NO)、空チャネルが1チャネルあるか否かを判断する(S122)。
ここで否定判断の場合(S122:NO)、新たなキーオンをアサインするために次のようにして空チャネルを確保する。
【0047】
まず、ステレオ発音のペアチャネルを1ペア選択する(S123)。この選択基準は適宜設定されればよく、本実施例では最も古く発音を開始したペアチャネルを選択する。
続いて、CPU24は、楽音信号発生装置40に指示して、選択したペアチャネルの一方(本実施例ではLチャネル)を高速リリース(すなわちトランケート)させる(S124)。また、CPU24は、楽音信号発生装置40に指示して、選択したペアチャネルの他方(本実施例ではRチャネル)のパンニング係数をキーナンバに基づいて変更させ、Rチャネルのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S125)。このパンニング係数は、例えば図6(この図6の例はモノラルピアノ音のパンニングカーブである)に示すパンニングカーブ(本実施例の場合、80−40のパンニングカーブと40−80のパンニングカーブ)により、キーナンバに対応するパンニング係数が決定される。この実施例では前述のパンニングカーブを採用しているが、他の形態のパンニングカーブ、例えばフルパンニングカーブ(L、R)を用いてもよい。また、パンニング係数の設定により、例えば一方のチャネルが高速リリースされる直前の音量を、残されたチャネルで確保できるから、総音量の低下も防止できる。
【0048】
なお、高速リリースはエンベロープ発生器76の働きによって実現され、パンニングの変更はパンニング回路50の働きによって実現される。
そして、高速リリースされたチャネルまたはS122で空チャネルであったチャネルに、新たなキーオンのL用波形をアサインし、パンニング係数をキーオンされたキーナンバに基づいて設定するすることにより、そのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S126)。
【0049】
すなわち、CPU24は、例えば図6に示すパンニングカーブ(本実施例の場合、80−40のパンニングカーブと40−80のパンニングカーブ)により、キーナンバに対応するパンニング係数を決定し、そのパンニング係数を含めて、アサイメントメモリ46上の空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。なお、この実施例では前述のパンニングカーブを採用しているが、他の形態のパンニングカーブ、例えばフルパンニングカーブ(L、R)を用いてもよい。
【0050】
このように、新たなキーオンが検出された際に、空チャネルが2チャネル以上あれば、その中から2チャネルを選択して、それぞれに新たなキーオンのL及びRチャネルをアサインする(S127)ので、新たなキーオンに対応するステレオ発音が行われる。
【0051】
一方、1チャネルだけ空いているときには、その1チャネルに新たなキーオンのL用波形をアサインし、パンニング係数をキーオンされたキーナンバに基づいて設定して、モノラル音(この例ではL用波形に基づく音)を、左右の出力系から出力させるので、左右の音量バランスが崩れることはない。その際にキーナンバに応じてパンニング係数を設定するので、擬似的にステレオ効果を生じさせることができるから、演奏者や聴衆が違和感を感じることもなくなる。しかも、パンニング係数の設定だけで済むからCPU24の負担増はほとんどなく、高性能(高価)なCPUを採用する必要もない。
【0052】
なお、この実施例では、CPU24は、アサイン手段として機能すると共にパンニング回路50と共同してパンニング設定手段として機能している。
【0053】
【実施例2】
上記の実施例1例は空チャネル数に基づいてステレオアサインまたはモノラルアサインを選択する例であるが、キーベロシティに基づいてステレオアサインまたはモノラルアサインを選択することもできるので、それを実施例2として説明する。なお、ハード構成やメイン処理等は実施例1と同様であるので実施例1と同じ符号を用いて説明は省略する。また、キーアサイン処理がキーイベントのサブルーチンとして実行される点も実施例1と同様である。
【0054】
この実施例2のCPU24のキーアサイン処理は図9に示すとおりであり、まずキーオンの有無を判断し(S130)、キーオンがあればCPUワークRAM30からベロシティ平均値AKVを読込み、そのベロシティ平均値AKVと新たなキーオンのベロシティNKVとを比較し、新たなキーオンのベロシティNKVがベロシティ平均値AKVを超えているか否かを判断する(S131)。なお、ベロシティ平均値は、新たなキーオンが検出された際に既にアサインされている各キーのベロシティの平均値であり、現在発音中のキーのベロシティの平均値と言える。
【0055】
新たなキーオンのベロシティNKVがベロシティ平均値AKVを超えている場合には(S131:YES)、CPU24は、CPUワークRAM30を検索して空チャネルが2チャネル以上あるか否かを判断する(S132)。
空チャネルが2チャネル以上あるときには(S132:YES)、その中から2チャネルを選択して、それぞれに新たなキーオンのL及びRチャネルをアサインする(S134)。詳しくは、アサイメントメモリ46上の2つの空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。
【0056】
しかし、空チャネルが2チャネル未満の場合には(S132:NO)、現在アサインされているチャネルのいずれかを新たなキーオン用に用いるためのチャネル確保処理(S133)を実行してから、上述のS133を実行する。
チャネル確保処理は図10に示すとおりであり、まず、ステレオ発音のペアチャネルを1ペア選択する(S140)。この選択基準は適宜設定されればよく、本例では最も古く発音を開始したペアチャネルを選択する。
【0057】
続いて、CPU24は、楽音信号発生装置40に指示して、選択したペアチャネルの一方(本実施例ではLチャネル)を高速リリース(すなわちトランケート)させる(S141)。また、CPU24は、楽音信号発生装置40に指示して、選択したペアチャネルの他方(本実施例ではRチャネル)のパンニング係数をキーナンバに基づいて変更させ、Rチャネルのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S142)。このパンニング係数は、例えば図6(この図6の例はモノラルピアノ音のパンニングカーブである)に示すパンニングカーブ(本実施例の場合、80−40のパンニングカーブと40−80のパンニングカーブ)により、キーナンバに対応するパンニング係数が決定される。この例では前述のパンニングカーブを採用しているが、他の形態のパンニングカーブ、例えばフルパンニングカーブ(L、R)を用いてもよい。また、パンニング係数の設定により、例えば一方のチャネルが高速リリースされる直前の音量を、残されたチャネルで確保できるから、総音量の低下も防止できる。
【0058】
なお、高速リリースはエンベロープ発生器76の働きによって実現され、パンニングの変更はパンニング回路50の働きによって実現される。
そして、もう1チャネルの確保が必要なら(S143:YES)、S140に回帰して上述と同様に、ステレオ発音のもう1つのペアチャネルを選択し(S140)、選択したペアチャネルの一方(本実施例ではLチャネル)を高速リリースさせ(S141)、そのペアチャネルの他方(本実施例ではRチャネル)のパンニング係数をキーナンバに基づいて変更させ、そのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S142)。
【0059】
このようにして1チャネルまたは2チャネルを空チャネルとでき、それによって2つの空チャネルを確保したので、図9に示すように、それらに2チャネルのそれぞれに新たなキーオンのL及びRチャネルをアサインする(S134)。詳しくは、アサイメントメモリ46上の2つの空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。
【0060】
続いて、CPU24は、新たにキーオンされたキーのベロシティNKVとベロシティ平均値AKVとによって新たなベロシティ平均値AKVを算出し、それをCPUワークRAM30に記憶させる(S135)。
一方、S131で否定判断、すなわち新たなキーオンのベロシティNKVがベロシティ平均値AKV以下の場合には、CPU24は、CPUワークRAM30を検索して空チャネルが1チャネル以上あるか否かを判断する(S136)。
【0061】
空チャネルが1チャネル以上あるときには(S136:YES)、その中から1チャネルを選択して、それぞれに新たなキーオンのL用波形をアサインし、パンニング係数をキーオンされたキーナンバに基づいて設定するすることにより、そのモノラル音を左右の出力系から出力させる(S138)。
【0062】
すなわち、CPU24は、例えば図6に示すパンニングカーブ(本実施例の場合、80−40のパンニングカーブと40−80のパンニングカーブ)により、キーナンバに対応するパンニング係数を決定し、そのパンニング係数を含めて、アサイメントメモリ46上の空チャネルに対応する領域に、図3に示される内容のデータを書込み、CPUワークRAM30の楽音発生チャネルの動作状態の記憶を更新させる。なお、この例では前述のパンニングカーブを採用しているが、他の形態のパンニングカーブ、例えばフルパンニングカーブ(L、R)を用いてもよい。
【0063】
また、空チャネルが1チャネルもない場合には(S136:NO)、現在アサインされているチャネルのいずれかを新たなキーオン用に用いるためのチャネル確保処理(S137)を実行してから、上述のS138を実行する。ここで実行するチャネル確保処理は、S133で実行されるもの(図10参照)と同じである。ただし、ここでは1チャネルを確保できればよいので、S143で肯定判断となってS140に回帰することはない。
【0064】
このように、新たなキーオンがなされたときに、そのキーのベロシティNKVがベロシティ平均値AKV以下のときには(キーベロシティが比較的小さいときには)、モノラル発音とするので楽音信号発生チャネルの有効利用が可能になる。
【0065】
モノラルアサインした場合にも、パンニング係数の設定によって左右両出力系から音声出力できるから、左右で音量バランスがばらつくことはないし、パンニング係数の設定次第で疑似ステレオ効果も得られるから、演奏者や聴衆が違和感を感じることもない。
【0066】
しかも、パンニング係数の設定だけで済むからCPU24の負担増は小さく、高性能(高価)なCPUを採用する必要もない。
その上、チャネル確保のためにペアチャネルの一方を高速リリースした際には、残ったチャネルによってペアチャネル分の音量を出力することができるから、総音量の低下を防止でき、例えばダンパペダルを踏んだ状態でキーオンが連続した場合などでも、キーオンに応じて総音量を増加させることが可能である。
【0067】
なお、この実施例では、CPU24は、アサイン手段として機能すると共にパンニング回路50と共同してパンニング設定手段として機能している。
以上、実施例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
【0068】
例えば上述の2つの実施例では、チャネル確保のためにペアチャネルの一方を高速リリースする手法を採用しているが(S124、S141)、高速リリースに代えてパンニング係数を0にする手法を採用しても、両実施例と同様に空チャネルを作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2の電子楽器の全体的な構成のブロック図である。
【図2】実施例1、2の電子楽器の楽音信号発生装置の詳細を説明するブロック図である。
【図3】実施例1、2の楽音信号発生装置のアサイメントメモリの構造の説明図である。
【図4】実施例1、2の電子楽器の音色パラメータROM内のステレオ音色パラメータの構造の説明図である。
【図5】実施例1、2の電子楽器の音色パラメータROM内のモノラル音色パラメータの構造の説明図である。
【図6】実施例1、2の電子楽器におけるモノラルピアノ音のパンニングカーブのグラフである。
【図7】実施例1、2の電子楽器のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。
【図8】実施例1の電子楽器のCPUが実行するキーアサイン処理のフローチャートである。
【図9】実施例2の電子楽器のCPUが実行するキーアサイン処理のフローチャートである。
【図10】実施例2の電子楽器のCPUが実行するチャネル確保処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10…電子楽器
24…CPU(アサイン手段、パンニング設定手段)
26…CPUプログラムROM
28…音色パラメータROM
30…CPUワークRAM(チャネル状態記憶手段)
40…楽音信号発生装置
42…波形ROM
44…サンプル波形発生器
46…アサイメントメモリ
50…パンニング回路(パンニング設定手段)
50L…L側パンニング値補間回路(パンニング設定手段)
50R…R側パンニング値補間回路(パンニング設定手段)
60…系列累算回路
60L…ラッチ
60R…ラッチ
62L…ディジタルアナログコンバータ(左出力系)
62R…ディジタルアナログコンバータ(右出力系)
64L…アンプ(左出力系)
64R…アンプ(右出力系)
66L…スピーカ(左出力系)
66R…SP(右出力系)
70…FナンバROM
72…Fナンバ累算器(楽音発生チャネル)
74…サンプル補間器(楽音発生チャネル)
76…エンベロープ発生器(楽音発生チャネル)
Claims (6)
- 楽音信号を生成する複数の楽音発生チャネルと、前記各楽音発生チャネルの動作状態を記憶するチャネル状態記憶手段と、新たなキーオンが検出されると該新たなキーオンに対応した楽音信号を生成する前記楽音発生チャネルを前記チャネル状態記憶手段の記憶内容を参照してアサインするアサイン手段と、前記楽音発生チャネルが生成した楽音信号を出力する左右の出力系とを備える楽音信号発生装置において、
アサイン手段は、前記新たなキーオンが検出された際に、前記楽音発生チャネルに2チャネル以上の空きがあれば左右独立波形をそれぞれ生成するために一対の前記楽音発生チャネルをアサインし(以下、ステレオアサインという。)、2チャネル以上の空きがなければ前記左右独立波形のいずれか一方だけを生成するために1つの前記楽音発生チャネルをアサインする(以下、モノラルアサインという。)構成とし、
該アサイン手段によりモノラルアサインされた前記楽音発生チャネルの楽音信号を前記左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定するパンニング設定手段を設けた
ことを特徴とする楽音信号発生装置。 - 楽音信号を生成する複数の楽音発生チャネルと、前記各楽音発生チャネルの動作状態を記憶するチャネル状態記憶手段と、新たなキーオンが検出されると該新たなキーオンに対応した楽音信号を生成させる前記楽音発生チャネルを前記チャネル状態記憶手段の記憶内容を参照してアサインするアサイン手段と、前記楽音発生チャネルが生成した楽音信号を出力する左右の出力系とを備える楽音信号発生装置において、
前記アサイン手段は、前記新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値を超えていれば左右独立波形をそれぞれ生成するために一対の前記楽音発生チャネルをアサインし(以下、ステレオアサインという。)、前記新たなキーオンのベロシティがベロシティ基準値以下なら前記左右独立波形のいずれか一方だけを生成するために1つの前記楽音発生チャネルをアサインする(以下、モノラルアサインという。)構成とし、
該アサイン手段によりモノラルアサインされた前記楽音発生チャネルの楽音信号を前記左右の出力系から出力させるべくパンニング係数を設定するパンニング設定手段を設けた
ことを特徴とする楽音信号発生装置。 - 請求項2記載の楽音信号発生装置において、
前記ベロシティ基準値は、前記新たなキーオンが検出された際に既に楽音発生チャネルがアサインされているキーのベロシティに基づいて決められることを特徴とする楽音信号発生装置。 - 請求項3記載の楽音信号発生装置において、
前記ベロシティ基準値は、前記新たなキーオンが検出された際に既に楽音発生チャネルがアサインされているキーのベロシティの平均値であることを特徴とする楽音信号発生装置。 - 請求項1ないし4のいずれか記載の楽音信号発生装置において、
前記パンニング設定手段は、前記モノラルアサインされた前記楽音発生チャネルの楽音信号のパンニング係数を前記新たなキーオンの音域に基づいて設定することを特徴とする楽音信号発生装置。 - 請求項1ないし5のいずれか記載の楽音信号発生装置において、
前記アサイン手段は、前記新たなキーオンが検出された際に該新たなキーオンをアサインする前記楽音発生チャネルが不足するときには、既にアサインされている前記楽音発生チャネルのいずれかを選択し、該選択した楽音発生チャネルに前記新たなキーオンをアサインすることを特徴とする楽音信号発生装置。
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