JP3571426B2 - 移動閉そく方式の列車停車位置制御方法及び装置 - Google Patents

移動閉そく方式の列車停車位置制御方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車群を停車させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、鉄道輸送においては、列車運行密度を高めることによって輸送能力を高めることが行われている。この場合、従来の固定閉そく制御に変えて、移動閉そく制御においては、列車の速度を低下させることによって、閉そく境界を前方へ移動させ、後続列車を先行列車にできるだけ近づけて運行密度のアップを図っている。
【0003】
この移動閉そく方式では、停車中の先行列車の最後尾から一定の安全マージン距離(例えば、15m)離した位置まで後続列車を徐行運転させてから停車することとしている。
この結果、先行列車が何等かの異常により長時間停車してしまうと、この停車した列車に続いて、各15mずつ離して高密度の停車列車群が形成されることとなる。
【0004】
このような状況において異常が回復し、各列車を再出発させようとするとき、後続列車は直前の列車がある程度加速してくれるまで出発できない。また、出発できたとしても加速ができないこととなる。
このため、従来の移動閉そく制御においては、先行列車が何等かの異常で停車してしまったとき、異常回復がなされた後も、後続列車を直ちに出発させることができず、この結果、さらに後ろからくる列車に停車を与儀なくさせてしまうおそれもあり、停車列車群を解消させるばかりかさらにこれを増長させてしまい、ダイヤの正常化が遅くなるという問題があった。こうした問題は高密度化が進むほど顕著となる。
【0005】
そこで、本発明は、異常によって停車列車群が形成されてしまったような場合、異常回復時におけるダイヤの正常化を迅速に行い得るようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発明の効果】
かかる目的を達成するためになされた本発明の移動閉そく方式の列車停車位置制御方法は、移動閉そく方式の列車停車位置制御方法において、先行列車が停車したときの後続列車の停車目標位置を、該先行列車の停車位置から最高運行速度での停車可能距離以上に離れた位置とするように停車目標位置の算出条件を定めておくことを特徴とする。
【0007】
この列車停車位置制御方法によれば、後続列車の停車条件として、従来の様な安全マージン距離ではなく、最高運行速度での停車可能距離以上離れた位置とするように停車目標位置を算出する。この結果、後続列車は先行列車に対して十分な距離をおいて停車することとなり、先行列車が出発すると同時にフルノッチで加速を開始したとしても、先行列車に対して近付き過ぎることがない。よって、停車列車群を全て同時にフルノッチ加速にて再出発させることができ、回復運転の開始と共にさらに後続の列車が停車させられてしまうのを防止することができる。
【0008】
ここで、停車可能距離は、下記式にて算出することができる。
【0009】
【数1】
停車可能距離Dmax =(Vmax /2B)
なお、Vmax :最高運行速度、B:列車の減速度である。列車の減速度は、列車の編成車両数やブレーキ能力といった列車側の能力と、線路勾配などといった地上設備側の条件によって決ってくる。
【0010】
この場合、最高運行速度Vmax は、各列車毎に異なる値を用いて算出してもよいが、線区における最高運行速度を基準にしてもよい。即ち、急行列車か普通列車かといった種別によって各列車毎に最高運行速度が異なる場合に、それぞれの個別の最高運行速度に基づいて停車目標位置を算出するようにしてもよいし、そのような個別の最高運行速度ではなく線区における最速列車の最高運行速度を上記の算出条件に使用するようにしてもよいのである。
【0011】
また、減速度Bについても、最も減速度の悪い条件を線区内の共通条件として設定するようにしてもよい。
ここで、特に、先行列車の停車原因が、線区内で生じた異常に起因する場合には、前記算出条件に代えて、先行列車の停車位置から前記最高運行速度での停車可能距離だけ離れた位置と後続列車の現在位置との間に存在する駅又は退避所のうちのいずれか一つを、後続列車の停車目標位置とするとよい。
【0012】
駅や退避所であれば、長時間停車することとなっても乗客に不安を与えないし、乗客が他の交通機関へ乗り換えたりしたい場合の便宜を図ることができ、後続列車の停車目標位置として最適な位置である
また、これらの制御方法において、停車列車群を同時に再出発させることができるように、線区の設備能力を考慮して各列車の停車目標位置を決定するようにするとよい。
【0013】
例えば、き電境界を考慮することによって一つのき電区間内に多数の列車群が停車してしまわないようにしてやれば、ダイヤ回復運転に際して直ちに各停車列車をフルノッチ加速で再出発させることができ、停車列車群の最後尾の列車によってさらに次の列車が停車させられてしまうという事態を回避することができるようになる。
【0014】
また、この制御方法において、さらに、停車列車群の長さを最短にすることができるように各列車の停車目標位置を決定するようにするとよい。いたずらに停車列車群の長さが大きくなってしまわないように考慮することで、さらに後続の列車に対して影響を与えないようにしておくのことが、線区全体のダイヤの乱れをできるだけ少なくする上で望ましいからである。
【0015】
上記の様な本発明の列車停車位置制御方法を実現するに当たっては、次の様なシステム構成を採用するとよい。
即ち、移動閉そく方式の列車停車位置制御装置において、線区の最高運行速度に応じた停車可能距離を設定する停車可能距離設定手段と、先行列車の停車を検知する停車検知手段と、先行列車の停車が検知されたとき、先行列車の停車位置から前記設定されている停車可能距離だけ離れた位置を、後続列車の停車目標位置として設定する停車目標位置設定手段と、該停車目標位置における列車速度を0とするように、後続列車の速度制御曲線を算出する速度制御曲線算出手段と、該算出された速度制御曲線に従って、後続列車の速度制御を行う速度制御手段とを備えていることを特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御装置を採用するとよい。
【0016】
停車検知手段が先行列車の停車を検知すると、停車可能距離設定手段の設定内容に基づいて後続列車に対する停車目標位置が算出され、そこに向かって列車速度が制御され、後続列車が停車させられる。ここで、停車可能距離設定手段に設定されているのが線区の最高運行速度に応じた停車可能距離であるから、後続列車が急行列車であろうと普通列車であろうと、再出発をフルノッチ加速で行ったときに先行列車に近付き過ぎるということがない。従って、各停車列車の再出発を最も速いタイミングにて開始することができる。また、必要以上に離し過ぎないので、停車列車群の長さを長大化することもない。
【0017】
この列車停車位置制御装置において、先行列車の停車原因を検知する停車原因検知手段と、先行列車の停車原因が線区内で発生した異常に起因するものであるときの後続列車の停車候補地点を記憶しておく停車候補地点記憶手段と、先行列車の停車原因が線区内で発生した異常に起因するものであると検知されたとき、前記停車目標位置算出手段に代えて、前記停車候補地点記憶手段の記憶内容を参照し、先行列車の停車位置から前記停車可能距離だけ離れた位置と、後続列車の現在位置との間に存在する前記停車候補地点のうちいずれか一つを停車目標位置として算出する異常時停車目標位置算出手段とを備えているとよい。
【0018】
ここでの停車候補地点としては、カーブのような見通しの悪いところに停車するのは好ましくないことから直線部としてもよいし、また、異常時に踏切内で列車が停車して動かなくなってしまうと道路交通が著しく妨げられるおそれがあることから踏切を避けるように設定してもよく、長時間の停車によって不具合の生じない様な地点を候補として設定しておけばよいが、少なくとも、線区内に存在する駅又は退避所のいずれかを設定するとよい。駅や退避所であれば、長時間停車することとなっても乗客に不安を与えないし、乗客が他の交通機関へ乗り換えたりしたい場合の便宜を図ることができるからである。
【0019】
また、異常による停車か否かを検知する方法としては、例えば、先行列車の停車位置が駅であるのか駅中間部であるのかを判別し、駅中間部であるような場合に異常と検知するようにしてもよい。また、駅での停車時間がダイヤ上の停車時間に比べて著しく長い様な場合に異常による停車と検知するようにしてもよい。また、駅、駅中間部に限らず、停車時間の長短から異常によるものか否かを検知するようにしてもよい。あるいは、各列車に異常によって停車した場合に運転者が操作する報知手段のようなものを設けておき、これを制御中枢側へ送信して異常停車か否かを検知するように構成してもよいことはもちろんである。
【0020】
この列車停車位置制御装置において、線区内の各変電所の能力と、それぞれの変電所の受持ち区間との関係を記憶する変電所情報記憶手段と、既に停車しているか停車目標位置が算出されている他列車の位置を検知する他列車位置検知手段とを備え、前記異常時停車目標位置算出手段は、前記変電所情報記憶手段の記憶内容及び前記他列車位置検知手段の検知結果を考慮して、異常回復後に停車列車群を同時に出発させるのに必要な電力負担が変電所の能力を越えないように、各列車の停車目標位置を算出するようにしておくとよい。また、この列車停車位置制御装置において、前記異常時停車目標位置算出手段が、さらに、先頭列車から再後尾の列車までの距離を最短にするように各列車の停車目標位置を算出するようにしておくとよい。
【0021】
なお、先行列車の停車を検知する手段としては、例えば、各列車に速度発電機を装備しておき、これからの速度信号を取得し、車速を検知して停車中なのか走行中なのかを判別するようにしてもよいし、この速度信号を積分して走行距離を求め、キロ程(東京駅を0キロとした距離)に換算して位置を取得し、この位置が移動しているかどうかから停車周か否かを検知するといった構成を採用することもできる。また、地上側に位置検出装置を設置しておき、各列車の位置を常時検出しておき単位時間当りの位置の変化から速度を求め、停車中か否かを検知するようにしてもよい。他の列車の位置を検知する手段についても上述の様な構成で各列車の位置を取得してやれば、簡単にこれを実現することができる。停車検知手段や列車位置検知手段は、もちろん、これらに限る必要はなく、いかなる手段を用いても構わない。
【0022】
以上説明した本発明によれば、先行列車が停車したとき、回復運転に際して後続列車をフルノッチ加速できるように十分に距離を離して停車させるという移動閉そく方式制御における逆転の発想により、従来の安全マージン距離まで近付けることとしていた制御の場合よりも、遅延回復を迅速化し、また、遅延が後方へ波及してしまい先頭がダイヤ回復運転を開始しているのに遅延が後方へ後方へと波及してしまうといった問題を生じさせない。
【0023】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
実施例は、電気鉄道における地上制御方式のATO(automatic train operation)システムに係り、図1に示す様に、各列車TR0,TR1,…とATOコンピュータ10との間での情報を伝送するための地上車上間情報伝送装置20が軌道RLに沿って設置されている。この地上車上間情報伝送装置20を介して、ATOコンピュータ10は、各列車TR0,TR1,…の位置・速度情報Q1を入力し、各列車TR0,TR1,…に対しての速度制御指令Q0を出力する。なお、地上車上間情報伝送装置20は、例えば軌道RLに沿って敷設される誘導線や、列車無線などによって構成することができる。
【0024】
ATOコンピュータ10は概念的にいうと、図2に示す様に、各列車からの位置・速度情報Q1を入力し、情報の統合を行う情報統合部11と、この情報統合部11において統合された情報に基づいて、各列車の停車目標位置を論理的に決定する停車目標位置決定論理部13と、こうして決定された停車目標位置に従って、各列車に対する速度制御指令Q0を出力する列車制御部15とを備えている。なお、こうした停車目標位置を算出するための演算処理以外にも、ATOコンピュータ10は、情報統合部11で統合した情報に基づいて、各列車に対する速度制限等のATOシステムにおいて通常行われている各種制御をも行っていることはもちろんであるが、それらの制御については一般的なシステムと同様であるので、説明は省略する。
【0025】
停車目標位置決定論理部13には、当該線区に対する正常運転時の各列車の位置・速度制御条件が、時間軸に対して登録された運行ダイヤグラムを記憶した正常ダイヤ記憶部31と、駅や退避所の位置、踏切の位置、き電境界の位置、線路の勾配に関する情報等の線区内の地点に関する情報を記憶した線区内地点情報記憶部33と、線区の最高運行速度Vmax 及び各列車のブレーキ能力などから定まる列車固有の減速度Btなどの運行上参照すべき条件(以下、「運行条件」という。)を記憶した運行条件記憶部35とが接続されている。
【0026】
停車目標位置決定論理部13は、情報統合部11から入力される各列車の位置・速度情報に基づいて、次のような論理により、先行列車に対する各列車の停車目標位置を決定する。図3に示す様に、まず、位置・速度情報に基づいて、停車中の列車があるか否かを判定する(S10)。停車中の列車がいなければ、そのまま本ルーチンの処理を終了する。
【0027】
停車中の列車がある場合には、当該列車の位置・速度情報と正常ダイヤ記憶部31に記憶されている運行ダイヤグラムとを比較し、停車が予定通りのものであるか否かを判定する(S20)。停車が予定通りのものである場合には、運行条件記憶部35から最高運行速度Vmax 及び列車固有の減速度Btを読み出し(S30)、線区内地点情報記憶部33から線路の勾配条件を読み出して、線路の勾配条件から減速度係数Kbを算出し(S40)、下記式にて停車可能距離Dmax を算出する(S50)。なお、勾配=0のときにKb=1、上り勾配においてKb>1、下り勾配においてKb<1となるように勾配に対して予めテーブル化した情報を記憶しておき、これを勾配にて参照して算出するようにしておく。
【0028】
【数2】
Dmax ={Vmax /(2Bt・Kb)}
こうして停車可能距離が算出できたら、先行列車の停車位置からこの停車可能距離Dmax だけ後方の位置を後続列車の停車目標位置に設定し(S60)、この位置において速度=0となるように後続列車の速度制限曲線を形成し(S70)、これを該当する後続列車に出力する(S80)。
【0029】
一方、S20において、停車が予定通りではないと判定された場合には、まず、S30〜S60と同様の処理を行って、後続列車の停車可能距離Dmax を算出し、先行列車に対して当該停車可能距離Dmax だけ後方の位置を仮の停車目標位置に設定する(S90〜S120)。
【0030】
次に、線区内地点情報記憶部33から、駅や退避所の位置、踏切の位置を読み出す(S130)。そして、前述の仮の停車目標位置と後続列車の現在位置との間に、存在する駅及び退避所の位置を第1種候補地点とし、直線部の位置を第2候補地点とし、踏切を避けた位置を第2種候補地点として停車候補地点の抽出を行う(S140)。停車候補地点が抽出できた場合には、それらの中で、第1種候補地点の先頭側から第1優先順位、第2優先順位、…といった具合いに優先順位を設定し、第1種候補地点に対する優先順位の割当が完了したら、これに続いて第2候補地点の先頭側から同様に優先順位を設定していく(S150,S160)。そして、線区内地点情報記憶部33から、き電境界の位置を読み出し(S170)、停車候補地点の中の第1優先順位から順番にどのき電区間内に属するかを特定していく(S180)。
【0031】
次に、この後続列車を第1優先順位の停車候補地点に停車させた場合に、当該地点を包含するき電区間内に停車することとなる列車数を算出する(S190)。そして、列車数が所定の数字を越えているか否かを判定し(S200)、越えていない場合には、第1優先順位の停車候補地点を停車目標位置に設定する(S210)。一方、列車数が所定の数字を越えている場合には、次のき電区間内に属する停車候補地点の中で最も優先順位の高い地点を停車目標位置に設定する(S220)。
【0032】
一方、S150で「NO」、即ち、停車候補地点を抽出できなかった場合には、S170と同様にき電境界の位置を読み出し(S230)、仮設定した停車目標位置に当該後続列車を停車させた場合に、当該地点を包含するき電区間内に停車することとなる列車数を算出する(S240)。そして、列車数が所定の数字を越えているか否かを判定し(S250)、越えていない場合には、当該仮設定の停車目標位置を正式な停車目標位置に設定する(S260)。一方、列車数が所定の数字を越えている場合には、次のき電区間の先頭位置を停車目標位置に設定する(S270)。
【0033】
後は、この停車目標位置にしたがって、後続列車の速度制限曲線を形成し(S70)、これを該当する後続列車に出力する(S80)。
後続列車は、この速度制限曲線を越えない様に列車の位置・速度制御曲線(いわゆるランカーブ)を決定し、これに基づいて、列車の位置・速度制御を実行する。なお、ランカーブの決定方法としては、公知のATOシステムにおける手法をそのまま適用すればよい。
【0034】
以上の様に構成した結果、本実施例によれば、先行列車が停車したとき、後続列車は必ず、線区の最高運行速度Vmax に対する停車可能距離Dmax 以上離して停車させられる。この結果、先行列車が再出発するとき、後続列車も同時にフルノッチ加速によって再出発させることができ、回復運転を迅速に開始することができる。
【0035】
また、先行列車の停車が異常による場合には、さらに、駅や退避所を優先しつつ十分な距離離れた停車目標位置を設定し、そこに後続列車を停車させる。この結果、停車させられた後続列車の乗客は、不安を感じることなく待機することができる。そして、この場合も停車間隔が十分にとられているので、先頭列車が再出発するときに後続列車群を同時にフルノッチ加速で再出発させることができ、ダイヤの遅延回復を迅速に行うことができる。
【0036】
しかも、異常時には多数の列車が停車してしまうことを考慮し、変電所のき電能力を越えてしまわないように列車をばらして停車させるので、ダイヤ回復を行うときに同時フルノッチ加速を設備能力によって阻害されることがない。
また、S140で抽出した停車候補地点の中から正式な停車目標位置を決定するに当り、先頭側の地点を優先順位の高いものとして決定する方法を採用したので、いたずらに停車列車群の長さが大きくなり過ぎない。これもまた、後方への遅延の波及を防止し、線区全体のダイヤの乱れを少なくする点で効果を発揮している。
【0037】
以上、本発明の一実施例を説明したが、他の態様にて本発明を実施してもよく、そうした態様も本発明の要旨を逸脱しない限りは本発明の技術的範囲内に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のシステムの全体構成図である。
【図2】実施例のシステムのATOコンピュータの要部の構成図である。
【図3】実施例におけるメインルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10・・・ATOコンピュータ、11・・・情報統合部、13・・・停車目標位置決定論理部、15・・・出発制御部、20・・・地上車上間情報伝送装置、31・・・正常ダイヤ記憶部、33・・・線区内地点情報記憶部、35・・・運行条件記憶部、TR0〜TR3・・・列車。

Claims (9)

  1. 移動閉そく方式の列車停車位置制御方法において、先行列車が停車したときの後続列車の停車目標位置を、該先行列車の停車位置から最高運行速度での停車可能距離以上に離れた位置とするように停車目標位置の算出条件を定めておくことを特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御方法。
  2. 請求項1記載の移動閉そく方式の列車停車位置制御方法において、先行列車の停車原因が、線区内で生じた異常に起因する場合には、前記算出条件に代えて、先行列車の停車位置から前記最高運行速度での停車可能距離だけ離れた位置と後続列車の現在位置との間に存在する駅又は退避所のうちのいずれか一つを、後続列車の停車目標位置とすることを特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御方法。
  3. 請求項1又は2記載の移動閉そく方式の列車停車位置制御方法において、停車中の列車群を同時に再出発させることができるように、線区の設備能力を考慮して各列車の停車目標位置を決定することを特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御方法。
  4. 請求項3記載の移動閉そく方式の列車停車位置制御方法において、さらに、停車中の列車群の長さを最短にすることができるように各列車の停車目標位置を決定することを特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御方法。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の移動閉そく方式の列車停止位置制御方法において、前記停車可能距離をD max 、最高運行速度をV max 、列車の減速度をBとした場合、前記停車可能距離D max は下記式にて算出されることを特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御方法。
    max =(V max 2 /2B)
  6. 移動閉そく方式の列車停車位置制御装置において、
    線区の最高運行速度に応じた停車可能距離を設定する停車可能距離設定手段と、
    先行列車の停車を検知する停車検知手段と、
    先行列車の停車が検知されたとき、先行列車の停車位置から前記設定されている停車可能距離だけ離れた位置を、後続列車の停車目標位置として設定する停車目標位置設定手段と、
    該停車目標位置における列車速度を0とするように、後続列車の速度制御曲線を算出する速度制御曲線算出手段と、
    該算出された速度制御曲線に従って、後続列車の速度制御を行う速度制御手段と
    を備えていることを特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御装置。
  7. 請求項6記載の移動閉そく方式の列車停車位置制御装置において、
    先行列車の停車原因を検知する停車原因検知手段と、
    先行列車の停車原因が線区内で発生した異常に起因するものであるときの後続列車の停車候補地点として、少なくとも、線区内に存在する駅又は退避所のいずれかを記憶しておく停車候補地点記憶手段と、
    先行列車の停車原因が線区内で発生した異常に起因するものであると検知されたとき、前記停車目標位置算出手段に代えて、前記停車候補地点記憶手段の記憶内容を参照し、先行列車の停車位置から前記停車可能距離だけ離れた位置と、後続列車の現在位置との間に存在する前記停車候補地点のうちいずれか一つを停車目標位置として算出する異常時停車目標位置算出手段と
    を備えていることを特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御装置。
  8. 請求項7記載の移動閉そく方式の列車停車位置制御装置において、
    線区内の各変電所の能力と、それぞれの変電所の受持ち区間との関係を記憶する変電所情報記憶手段と、
    既に停車しているか停車目標位置が算出されている他列車の位置を検知する他列車位置検知手段とを備え、
    前記異常時停車目標位置算出手段は、前記変電所情報記憶手段の記憶内容及び前記他列車位置検知手段の検知結果を考慮して、異常回復後に停車列車群を同時に出発させるのに必要な電力負担が変電所の能力を越えないように、各列車の停車目標位置を算出すること
    を特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御装置。
  9. 請求項8記載の移動閉そく方式の列車停車位置制御装置において、前記異常時停車目標位置算出手段が、さらに、先頭列車から再後尾の列車までの距離を最短にするように各列車の停車目標位置を算出することを特徴とする移動閉そく方式の列車停車位置制御装置。
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