JP3571115B2 - ウエッブの巻取・巻返方法およびその装置 - Google Patents

ウエッブの巻取・巻返方法およびその装置 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ウエッブを巻出軸から繰り出し、端縁を整列して巻取軸に巻き取り、次いで、巻き取ったウエッブを逆に巻取軸から繰り出し、端縁を整列して巻出軸に巻き返すようにできるウエッブの巻取・巻返方法およびその装置に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、例えば、ウエッブへの印刷状態を検査しながらウエッブの端縁を整列して巻取軸に巻き取り、次いで、ウエッブを巻取時とは逆方向に走行させ、端縁を整列して巻出軸に巻き返すことのできるウエッブの巻取・巻返方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙、フィルム、箔等のウエッブの加工においては、ウエッブの汚れ、傷等の有無を検査したり、ウエッブへの印刷状態の良否を検査するために巻き戻す必要がある。また、スリット等の工程に先立ち、ウエッブの蛇行を修正して巻き戻し、ウエッブロールの端面が均一になるように巻取修正したりする必要がある。そのためには巻替機が用いられる。これは、ウエッブロールから繰り出されたウエッブの端縁位置を検出し、それに基づきウエッブの蛇行を修正し、必要に応じウエッブの走行中に所定の検査を行い、巻取端縁を整列してウエッブを巻き取るようにしたものである。巻替機は、通常以下の巻戻摺動台方式と巻取摺動台方式の2方式が採用されている。すなわち、図13に示されたものは、巻出軸を軸支する摺動台(81)を、アクチュエータによって矢印Pで示すウエッブの幅方向に往復動可能とし、基台側に設けられた端縁位置検出器(82)によって、繰り出されてきたウエッブ(83)端縁の端縁位置検出器(82)の基準位置からの偏差を検出し、ウエッブの端縁が端縁位置検出器の基準位置を通過するように、アクチュエータにより摺動台(81)を摺動させてウエッブ(83)の蛇行を修正し、巻取軸(図示せず)にウエッブの端面を均一に巻き取らせるように制御するものである。また、図14に示されたものは、ウエッブロールの巻取軸を軸支する摺動台(91)を、アクチュエータによって矢印Qで示すウエッブの幅方向に往復動可能にし、摺動台(91)に設けられた端縁位置検出器(92)によって、ウエッブ(93)端縁の端縁位置検出器(92)の基準位置からの偏差を検出し、ウエッブの端縁が端縁位置検出器(92)の基準位置を通過するように、アクチュエータにより摺動台(91)を摺動させて、ウエッブ(93)の蛇行を修正し、巻取軸にウエッブの端縁を均一に巻き取らせるように制御するものである。未加工のウエッブの汚れ、傷の有無等の検査を行う場合、単にウエッブの巻取端面の修正を行う場合、あるいは、ウエッブに印刷等が施されていても印刷絵柄等に方向性がないものの印刷状態の良否判断と巻取端面の修正等を行う場合であれば、これらの方式の何れかを採用して巻取端面の整ったウエッブロールを得、次の加工工程に供給することができる。しかしながら、印刷絵柄等に方向性のあるウエッブの印刷状態の良否検査と蛇行修正による巻取端面の修正等とを行う場合には、巻取軸にウエッブを巻き取った後、再度巻き戻すことが必要となる。そのためには、巻取軸ごとウエッブロールを取り外し、巻戻側に装着し直し、再度、ウエッブの端縁を検出しながら端縁を整列して巻き取る巻き戻し工程を採用することとなる。このような巻き戻し工程においては、重量のあるウエッブを巻取軸ごと取り外し、これを適宜の搬送手段に載置し、巻出側に搬送して装着し直さなければならず、作業能率が悪く、手間がかかり、作業者にとって安全とはいえない。また、巻取軸ごとウエッブロールを取り外し、巻戻側への搬送、装着し直しのための作業スペースが必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記のような従来技術の欠点を解決するために創案されたものであり、ウエッブの端縁を整列して巻取軸に均一に巻き取らせたり、検出装置等によって不良箇所を検出した場合、巻き取りを停止させ、目視検査部までウエッブを送ったり戻したりして、間欠的にウエッブを巻取・巻返して肉眼による検査を行ったり、さらには、不良箇所の切断、削除、紙継ぎ等を行う通常の使用に加え、方向性のあるウエッブ、例えば、方向性のある印刷絵柄等を有するウエッブ、の汚れ、傷等の有無の検査、印刷状態の検査とウエッブロールの端面の巻取修正等とを行った後、ウエッブの端縁を整列して巻出軸に巻き返すようにしたウエッブの巻取・巻返方法およびそのための装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明のウエッブの巻取・巻返方法は、巻出部のウエッブロールから繰り出されて走行するウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を第2端縁位置検出器によって検出し、前記第2端縁位置検出器によって検出された検出信号に基づき、制御装置によってアクチュエータを作動させ、巻出部の巻出軸を回転可能に軸架する一対の巻出軸支持手段と巻出軸回転駆動用の第1駆動手段とウエッブの端縁を検出する第1端縁位置検出器とが設けられた往復可動ベースを、巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御し、ウエッブ搬送部を経たウエッブを、巻取軸を回転可能に軸架する一対の巻取軸支持手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段とを備えた巻取部の巻取軸に整列して巻き取らせ、次いで、前記巻取部の巻取軸に巻き取られたウエッブを逆方向に走行させ、巻取部から繰り出されてウエッブ搬送部を経たウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を、前記巻出部の第1端縁位置検出装置によって検出し、前記第1端縁位置検出装置によって検出された検出信号に基づき、制御装置によってアクチュエータを作動させ前記往復可動ベースを巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御して、ウエッブを巻出軸に整列して巻き返すようにしたことを特徴とする。
そして、巻取または巻返は、巻出軸回転駆動用の第1駆動手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段のトルクおよび回転速度を制御して行うようにしてもよいし、または、巻取を巻取軸回転駆動用の第2駆動手段によって行い、巻返を巻出軸回転駆動用の第1駆動手段によって行うように制御してもよい。
巻取または巻返に当たっては、運転または確認動作用の第1選択手段の切換によって運転を選択した場合は、巻取・巻返の2方向反転駆動若しくは巻取または巻返の何れかの一方向駆動用の第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転を行うか若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転を行うように制御装置により制御し、第1選択手段の切換によって確認動作を選択した場合は、第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転のための確認動作若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転のための確認動作を制御装置により行うようにすることが好ましい。
次に、この発明のウエッブの巻取・巻返装置は、往復可動ベースに、巻出軸を回転可能に軸架する一対の巻出軸支持手段と、該巻出軸回転駆動用の第1駆動手段と、ウエッブの端縁を検出する第1端縁位置検出器とが設けられた巻出部と、前記往復可動ベースを巻出軸の軸線方向と平行に摺動させるアクチュエータと、ウエッブの端縁を検出する第2端縁位置検出器と、ウエッブ搬送部と、巻取軸を回転可能に軸架する一対の巻取軸支持手段と、該巻取軸回転駆動用の第2駆動手段とを備えた巻取部と、ウエッブが巻取軸に巻き取られる時は、巻出部のウエッブロールから繰り出されて走行するウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を第2端縁位置検出器によって検出し、前記第2端縁位置検出器によって検出された検出信号に基づき、アクチュエータを作動させ、往復可動ベースを巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御し、ウエッブ搬送部を経たウエッブを、巻取軸を回転可能に軸架する一対の巻取軸支持手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段とを備えた巻取部の巻取軸に整列して巻き取らせ、ウエッブが巻出軸に巻き返される時は、前記巻取部の巻取軸に巻き取られたウエッブを逆方向に走行させ、巻取部から繰り出されてウエッブ搬送部を経たウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を、前記巻出部の第1端縁位置検出装置によって検出し、前記第1端縁位置検出装置によって検出された検出信号に基づき、アクチュエータを作動させ前記往復可動ベースを巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御して、ウエッブを巻出軸に整列して巻き返すようにする制御装置とを具備してなることを特徴とする。
そして、制御装置は、巻取または巻返を、巻出軸回転駆動用の第1駆動手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段のトルクおよび回転速度を制御して行うようにしたものであってもよいし、または、巻取を巻取軸回転駆動用の第2駆動手段によって行い、巻返を巻出軸回転駆動用の第1駆動手段によって行うように制御するものであってもよい。
また、運転または確認動作用の第1選択手段と、巻取・巻返の2方向反転駆動若しくは巻取または巻返の何れかの一方向駆動用の第2選択手段とが制御装置に設けられており、第1選択手段の切換によって運転を選択した場合は、巻取・巻返の2方向反転駆動若しくは巻取または巻返の何れかの一方向駆動用の第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転を行うか若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転を行うように制御装置により制御し、第1選択手段の切換によって確認動作を選択した場合は、第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転のための確認動作若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転のための確認動作を制御装置により制御するようにしたものであることが好ましい。
そして、ウエッブ搬送部に、ウエッブの品質検査用の検出手段が設けられていてることが好ましく、そのウエッブの品質検査用の検出手段は、反射光型表面検出装置、および/または、透過光型検出装置であってもよい。また、ウエッブ搬送部に、目視検査用部が設けられていてもよい。
また、巻出軸支持手段が巻出軸の軸線方向と平行に往復可動ベース上で摺動可能であって、固定手段によって往復可動ベースの所定位置に固定されるとともに、巻取軸支持手段が巻取軸の軸線方向と平行に摺動可能であって、固定手段によって所定位置に固定され、巻出軸および巻取軸の軸長に応じ、一対の巻出軸支持手段の間隔および一対の巻取軸支持手段の間隔が変更可能となっていることが好ましい。
そして、第1端縁位置検出器および第2端縁位置検出器がウエッブの幅方向に移動し、所定位置に位置決め可能に支持手段によって支持されていることが好ましい。
【0005】
【作用】
巻出部のウエッブロールから繰り出されて走行するウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を第2端縁位置検出器によって検出し、前記第2端縁位置検出器によって検出された検出信号に基づき、制御装置によってアクチュエータを作動させ、往復可動ベースを、巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御し、ウエッブ搬送部を経たウエッブを、巻取軸を回転可能に軸架する一対の巻取軸支持手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段とを備えた巻取部の巻取軸に整列して巻き取らせることができる。次いで、前記巻取部の巻取軸に巻き取られたウエッブを逆方向に走行させ、巻取部から繰り出されてウエッブ搬送部を経たウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を、前記巻出部の第1端縁位置検出装置によって検出し、前記第1端縁位置検出装置によって検出された検出信号に基づき、制御装置によってアクチュエータを作動させ前記往復可動ベースを巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御して、ウエッブを巻出軸に整列して巻き返すことができる。
そして、ウエッブの巻取または巻返は、第1駆動手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段のトルクおよび回転速度を制御して行うこと、または、巻取を巻取軸回転駆動用の第2駆動手段によって行い、巻返を巻出軸回転駆動用の第1駆動手段によって行うことができる。
また、巻取または巻返に当たっては、運転または確認動作用の第1選択手段の切換によって運転を選択した場合は、巻取・巻返の2方向反転駆動若しくは巻取または巻返の何れかの一方向駆動用の第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転を行うか若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転を行うように制御装置により制御し、第1選択手段の切換によって確認動作を選択した場合は、第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転のための確認動作若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転のための確認動作を制御装置により行うことができる。
また、ウエッブの端縁を整列して巻取軸に均一に巻き取らせたり、検出装置等によって不良箇所を検出した場合、巻き取りを停止させ、目視検査部までウエッブを送ったり戻したりして、間欠的にウエッブを巻取・巻返して、肉眼による検査を行ったり、さらには、不良箇所の切断、削除、紙継ぎ等を行うことができる等汎用性が高い。
ウエッブ搬送部にウエッブの品質検査用の、反射光型表面検出装置および/または透過光型検出装置を備えることで、ウエッブへの印刷状態等を検査しつつ端縁を整列して巻き取り、その後、巻き返すことで、元の巻取方向に巻き取られた検査済みであって端面が整列されたウエッブロールを得ることができる。ウエッブの品質検査としては、目視検査部においてウエッブの表面状態を検査することも可能である。
また、巻出軸支持手段が巻出軸の軸線方向と平行に往復可動ベース上で摺動可能であって、固定手段によって往復可動ベースの所定位置に固定されるとともに、巻取軸支持手段が巻取軸の軸線方向と平行に摺動可能であって、固定手段によって所定位置に固定され、巻出軸および巻取軸の軸長に応じ、一対の巻出軸支持手段の間隔および一対の巻取軸支持手段の間隔が変更可能となっているので、ウエッブロールの幅に応じた長さの巻取軸を用い、巻出軸支持手段の間隔および巻取軸支持手段の間隔を調整し、巻き取りおよび巻き返しをすることができる。
また、第1端縁位置検出器および第2端縁位置検出器がウエッブの幅方向に移動し、所定位置に位置決め可能に支持手段によって支持されるようになっていると、ウエッブの端縁位置またはウエッブに設けられた端縁位置検出用のラインマーク等の位置に応じ、端縁位置検出器の位置を微調整することができる。
【0006】
【実施例】
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の例によって限定されるものではない。
図1は、この発明の一実施例である印刷済ウエッブの印刷品質検査等に適したウエッブの巻取・巻返装置の概略側面図であって、巻き取り時の状態を示しており、図2は、方向性のある印刷絵柄を有するウエッブのウエッブパスを示す概略斜視図である。
図1、2に示されるように、ウエッブの巻取・巻返装置(A)には、巻出軸(1)の軸線方向(図示せず)と平行に移動可能に構成されたウエッブ(2)の巻出部(3)と、ウエッブの搬送部(4)と、ウエッブの巻取部(5)とが設けられている。巻出部(3)の巻出軸(1)から繰り出されたウエッブ(2)は、アイドラロール(6)を経て、搬送部(4)の第1ガイドロール(7)、第2ガイドロール(8)、第3ガイドロール(9)を経て上方に向けて走行させられ、反転ロール(10)で下方に向けられ、第4ガイドロール(11)、ニアロール(12)を経て、巻取部(5)の巻取軸(13)に巻き取られるようになっており、第2ガイドロール(8)を通過して第3ガイドロール(9)に至る間に、例えば、CCD(固体撮像素子)を用いたウエッブ品質検査用の検出装置(14)によりウエッブ(2)の汚れ、傷の有無、印刷状態の良否等の表面状態の検査が行われるようになっている。そして、蛇行を修正してウエッブ(2)を巻取軸(13)へ巻き取るために、搬送部(4)に設けられた第2端縁位置検出器である第2センサ(15)によってウエッブ(2)の端縁の蛇行を基準位置からの偏差として検出し、後述するように偏差をなくす方向に巻出軸(1)を軸線方向に沿って摺動させてウエッブ(2)の蛇行を修正し、巻取軸(13)に巻取端縁を整列して巻き取ることができるようになっている。また、ウエッブ(2)の検査が終了した後、ウエッブ(2)を巻き返すには、ウエッブ(2)の走行方向を逆転して巻出軸(1)に巻き取ることができるようになっている。その際、ウエッブ(2)の蛇行を修正してウエッブ(2)を巻出軸(1)へ巻き取るために、巻出部(3)に設けられた第1端縁位置検出器である第1センサ(16)によってウエッブ(2)の端縁の蛇行を基準位置からの偏差として検出し、後述するように偏差をなくす方向に巻出軸(1)を軸線方向に沿って摺動させてウエッブ(2)の蛇行を修正し、巻出軸(1)に巻取端縁を整列して巻き取ることができるようになっている。
【0007】
巻出部(3)において、往復可動ベース(17)が、一対の棒状のスライドレール(18)に沿って摺動できるようになっている。該スライドレール(18)は基台(19)に固定された一対のフレーム(20)の前方部に上下に平行に架設されている。往復可動ベース(17)は、鉛直板状体からなり、左側面には一対のスライダー(21)が設けられている。該スライダー(21)にはスライドレール(18)の挿通部(21a)が設けられており、該挿通部(21a)にはスライドレール(18)が挿通され、往復可動ベース(17)がスライドレール(18)に沿って摺動できるようになっている。往復可動ベース(17)の摺動は、フレーム(20)に設けられた油圧シリンダー、モータ等を用いたアクチュエータ(22)によって行われる。往復可動ベース(17)の右側面には、巻出軸(1)を回転可能に軸支する一対の巻出軸支持フレーム(23)が横方向に張り出して設けられている。巻出軸支持フレーム(23)の基端部には一対のガイド(24)が設けられ、往復可動ベース(17)に設けられた巻出軸の軸線方向に平行な一対のガイドレール(25)に沿って摺動可能となっており、前記基端部は固定ねじ(26)によって往復可動ベース(17)の所定位置に固定できるようになっている。もちろん、一方の巻出軸支持フレーム(23)を往復可動ベース(17)に固定し、他方の巻出軸支持フレーム(23)を摺動可能としてもよい。これによって、ウエッブロールの幅に応じ一対の巻出軸支持フレーム(23)の間隔を変更することができる。巻出軸(1)の一対の巻出軸支持フレーム(23)への軸支構造は、周知の巻出軸の交換可能な軸支手段を採用すればよいことから詳細な説明は省略する。また、一方の巻出軸支持フレーム(23)には第1モーター(27)が取り付けられている。巻出軸支持フレーム(23)の上方には、一対のアーム(28)が往復可動ベース(17)に横設され、アーム(28)、(28)の間には、アイドラロール(6)が軸架されている。一対のアーム(28)には延長部(28a)が設けられ、該延長部(28a)、(28)の間には固定棒(29)が架設され、該固定棒(29)には、ウエッブ端縁位置検出用の第1センサ(16)がウエッブ幅方向に摺動し、所定位置に位置決め可能に支持されている。具体的には、第1センサ(16)を有するスライドブロックをねじによって固定棒(29)に固定する等適宜の手段が採用できる。
【0008】
フレーム(20)の前方上方部には、一対の前方張り出し板(30)が設けられており、該前方張り出し板(30)、(30)間には、その基端部近傍に固定棒(31)が架設され、該固定棒(31)には、ウエッブ端縁位置検出用の第2センサ(15)がウエッブ幅方向に摺動し、所定位置に位置決め可能に支持されている。具体的には、前記第1センサ(16)の位置決め支持と同一構造が採用できる。前述の第1センサ(16)と第2センサ(15)とは何れもアイドラロール(6)近くに設置されており、ウエッブ(2)の端縁位置を検出できるようになっている。なお、第2センンサ(15)は、基台(19)、フレーム(20)に設けられるようになっていてもよいものである。そして、前方張り出し板(30)、(30)先端部の間には、一対の巻返タッチロール支持アーム(32)が回動可能に軸支されている。該巻返タッチロール支持アーム(32)、(32)先端部の間には巻返タッチロール(33)が回転可能でかつその軸線方向に摺動可能に支持されている。具体的には、巻返タッチロール(33)の両端軸をスプラインとし、該スプラインを巻返タッチロール支持アーム(32)、(32)に支持し、巻返タッチロール(33)は回転できるようになった構造が採用できる。そして、巻返タッチロール支持アーム(32)は、巻き出し時には反時計方向に回動され、退避位置にまで上昇させられるようになっており、巻き返し時には時計方向に回動され、巻出軸(1)に巻き取られるウエッブロール(2a)に当接し、所定の接圧を与えるようになっている。そして、後述するようにウエッブ(2)の巻返において、巻取軸(13)から繰り出されるウエッブ(2)の端縁を第1センサ(16)により検出し、該検出信号に基づいたアクチュエータ(22)による往復可動ベース(17)の摺動に伴いウエッブロール(2a)が水平移動し、それに追従して巻返タッチロール(33)が、その軸線方向、すなわち、巻出軸(1)の軸線方向と平行に移動することができるようになっている。第1センサ(16)、第2センサ(15)は、光電管方式、エアー方式、超音波方式、リミットスイッチ方式等各種の検出原理に基づくとともに、検出対象により、ウエッブ(2)の端縁位置を検出することのできる検出器、またはウエッブ(2)に設けられた端縁位置検出用のライン、マーク等(以下、端縁ともいう)を検出する検出器等周知のものが適宜使用できるものであり、ウエッブ(2)の種類等に応じ各種のセンサが交換できるようになっている。
【0009】
前述したように搬送部(4)において、ウエッブ(2)は、フレーム(20)、(20)の間に設けられた第1ガイドロール(7)を経、第2ガイドロール(8)を通過して第3ガイドロール(9)に至る間に、上方に設けられたウエッブの品質検査用の検出装置(14)によって、ウエッブ(2)の汚れ、傷の有無、印刷状態の良否等の表面状態の検査が行われるようになっている。検査には、その目的、被検査対象物等に応じ、反射光型表面検出装置、透過光型表面検出装置等が単独または組み合わせて用いられる。ここにおいて、反射光による表面検査には、フレーム(20)、(20)間に設けられた反射用照明装置(34)を用い、透過光による表面検査には透過光用照明装置(35)を用いるものである。これらの検出装置によって得られた信号は、適宜処理されて、判別評価されるようになっており、必要に応じモニター画面に表示できるようになっている。そして、印刷不良箇所等を検出した場合には、図示していないマーカー等によってウエッブの印刷不良箇所に所定のマークを付けるようにすることも可能である。ウエッブ(2)は、第3ガイドロール(9)で上方に向けてガイドされ、フレーム(20)の上方位置に設けられた反転ロール(10)で反転され、フレーム(20)の後方部に張り出された後方張り出し板(36)、(36)の間に軸支された第4ガイドロール(11)、ニアロール(12)を経て、巻取軸(13)に巻き取られる。反転ロール(10)と第4ガイドロール(11)との間では、ウエッブ(2)が目視検査ができるようになっており、フレーム(20)の後端側上部から張り出された照明灯支持板(37)に照明灯(38)が設けられ、走行するウエッブ(2)の表側を照明するようになっている。また、ウエッブ(2)を裏面から照明することができるように、フレーム(20)、(20)間に照明灯(39)が設けられている。後方張り出し板(36)、(36)先端部の間には一対の巻取タッチロール支持アーム(40)が回動可能に軸支されている。該巻取タッチロール支持アーム(40)、(40)先端部の間には巻取タッチロール(41)が回転可能に軸支され、巻き取り時には反時計方向に回動され、巻取軸(13)に巻き取られるウエッブロール(2a)に当接し所定の接圧を与えることができるようになっており、巻き返し時には時計方向に回動され、退避位置にまで上昇させられるようになっている。
【0010】
フレーム(20)の後端部には連結板(42)が固定され、該連結板(42)には、巻取軸(13)を回転可能に軸支する一対の巻取軸支持フレーム(43)が横方向に張り出して設けられている。巻取軸支持フレーム(43)の基端部には一対のガイド(44)が設けられ、連結板(42)の左側面に設けられた、巻取軸(13)の軸線方向と平行な一対のガイドレール(45)に沿って摺動可能になっており、前記基端部は固定ねじ(46)によって連結板(42)の所定位置に固定できるようになっている。これによって、ウエッブロールの幅に応じ一対の巻取軸支持フレーム(43)の間隔を変更することができる。前述のごとく、一方の巻出軸支持フレーム(23)のみがガイドレール(25)上で摺動するようになっている場合には、一方の巻取軸支持フレーム(43)をガイドレール(45)上で摺動できるようにし、他方の巻取軸支持フレーム(43)を連結板(42)に固定するようにすればよい。巻取軸(13)の一対の巻取軸支持フレーム(43)への軸支構造は、周知の巻取軸の交換可能な軸支手段を採用すればよいことから詳細な説明は省略する。また、一方の巻取軸支持フレーム(43)には第2モーター(47)が取り付けられている。
【0011】
図4は、図1に示すウエッブの巻取・巻返装置の制御系を示す概略図である。なお、ウエッブの巻取または巻返の動作については、フローチャート等を含め後述する(図5、図6、図7、図8、図9、図10参照)。
図4に示されるように、ウエッブ(2)を巻出軸(1)から繰り出し、矢印a方向に走行させ、巻取軸(13)に巻き取る場合には、第2センサ(15)によって設定された基準位置と走行するウエッブ(2)の端縁の位置を常時比較し検出する(この場合、第1センサ(16)は不作動状態とされている。)。ウエッブ(2)が蛇行しウエッブ(2)の端縁の位置が基準位置に対しずれを生じると、ずれは、第2センサ(15)によって偏差として検出され、検出された検出信号は、制御装置(60)に入力され、それに基づき制御装置(60)からアクチュエータ(22)を駆動させる信号が発せられる。そして、アクチュエータ(22)が駆動され、往復可動ベース(17)が前記偏差をなくす方向に所定量摺動されウエッブ(2)の蛇行が修正され、ウエッブ(2)の端縁を巻取軸(13)に整列して巻き取ることができるようになっている。
巻取軸(13)から逆に巻出軸(1)にウエッブ(2)を巻き返す場合には、ウエッブ(2)を巻取軸(13)から繰り出し、矢印b方向に走行させ、第1センサ(16)によって設定された基準位置と走行するウエッブ(2)の端縁の位置を常時比較し検出する(この場合、第2センサ(15)は不作動状態とされている。)。ウエッブ(2)が蛇行しウエッブ(2)の端縁の位置が基準位置に対しずれを生じると、ずれは、第1センサ(16)によって偏差として検出され、検出された検出信号は、制御装置(60)に入力され、それに基づき制御装置(60)からアクチュエータ(22)を駆動させる信号が発せられる。アクチュエータ(22)が駆動されると、往復可動ベース(17)が前記偏差をなくす方向に所定量摺動されウエッブ(2)の蛇行が修正され、ウエッブ(2)の端縁を巻取軸(13)に整列して巻き取ることができるようになっている。
ウエッブ(2)の張力は、反転ロール(10)に設けられたウエッブ張力検出機構(61)によって検出されるようになっている。該ウエッブ張力検出機構(61)により検出された張力信号は制御装置(60)に入力され、該制御装置(60)によって、第1モーター(27)、第2モーター(47)のトルクおよび回転速度を制御することにより、ウエッブに所定の張力を付与できるようになっている。ウエッブ張力検出機構(61)は周知の構造ものが採用でき、その詳細説明は省略する。なお、ウエッブの張力制御には、上記した張力制御機構に限らず適宜の張力制御手段が採用できることはいうまでもない。例えば、巻出軸支持フレーム(23)に第1モーター(27)が取り付けられ、パウダークラッチ等を介して巻出軸(1)を駆動回転と従動回転とに切り替え、巻き取りにおいてパウダークラッチによりウエッブに張力を付与するようにし、他方、巻取軸支持フレーム(43)に第2モーター(47)が取り付けられ、パウダークラッチ等を介して巻取軸(13)を駆動回転と従動回転とに切り替え、巻き返しにおいてパウダークラッチによりウエッブに張力を付与するようにしてもよいことはいうまでもない。
また、ウエッブ(2)の巻取または巻返長を検出し巻取径または巻返径を計測し、巻取径または巻返径に応じてウエッブ(2)への張力を変更することができるように、例えば、第2ガイドロール(8)にパルスジェネレータ(62)が設けられている。そして、該パルスジェネレータ(62)による検出信号は制御装置(60)に入力され、巻径に応じウエッブ(2)への張力が上記したようにして制御される。パルスジェネレータ(62)からの信号を制御装置(60)において演算することにより所定の巻径に達したことが判別された場合には、制御装置(60)によりウエッブの巻取・巻返装置(A)の運転を自動的に停止できるようにすることができる。
そして、制御装置(60)には、ウエッブ巻取・巻返装置(A)のシーケンス制御用手動操作器具である、巻取プッシュボタン(63)、巻返プッシュボタン(64)、運転プッシュボタン(65)、停止プッシュボタン(66)、運転または確認動作用の第1選択スイッチ(67)、巻取・巻返の2方向反転駆動若しくは巻取または巻返の何れかの一方向駆動の第2選択スイッチ(68)が設けられている。その他、メインスイッチ、非常停止用のプッシュボタン等が設けられているが、これ等についての図示ならびに説明は省略する。運転または確認動作用の第1選択スイッチ(67)において、連動側を選択した場合は、後述するように巻取・巻返の2方向反転駆動用若しくは巻取または巻返の何れかの一方向駆動用の第2選択スイッチ(68)の巻取・巻返側を選択することで、巻取・巻返の2方向運転を行い、巻取側を選択することで巻取または巻返の何れかの一方向運転を行うように制御装置(60)により制御されるようになっている。また、前記第1選択スイッチ(67)において、入り側を選択した場合は、第2選択スイッチ(68)の巻取・巻返側を選択することで、巻取・巻返の2方向運転のための確認動作を行い、巻取側を選択することで、巻取または巻返の何れかの一方向運転のための確認動作を制御装置(60)により行うことができるようになっている。
【0012】
このような構造の巻取・巻返装置において、例えば、方向性のある印刷絵柄が施されたウエッブ(2)の巻き取り・巻き返し、およびこれ等の確認動作を図5、図6、図7のフローチャート、および図8、図9のタイムチャートを加えて以下説明する。ここにおいて、巻取・巻返のためのウエッブ(2)の走行は第1モータ(27)と第2モータ(47)のトルクおよび回転速度を制御によって行われるものとして説明する。また、図示していないメインスイッチが投入されている。
[I]確認動作について
(1)[巻取・巻返確認動作について]
図1に示されるように、巻出部(3)においては、巻返タッチロール支持アーム(32)が反時計方向に回動され、巻返タッチロール(33)は上方の退避位置へ回避されており、巻取部(5)においては、巻取タッチロール支持アーム(40)が反時計方向に回動され、巻取タッチロール(41)は、紙通し後に下降し巻取軸(13)に当接するようになっている。そして、巻出軸(1)を挿通したウエッブロール(2a)が巻出軸支持フレーム(23)に装着される。その際、巻出軸支持フレーム(23)をガイドレール(25)上で摺動させ、ウエッブ(2)の幅に合わせ、固定ネジ(26)で巻出軸支持フレーム(23)を往復可動ベース(17)上の所定位置に固定する。巻取部(5)側においても巻取軸(13)を巻取軸支持フレーム(43)に装着する際、巻出軸(1)の装着と同様に巻取軸支持フレーム(43)をガイドレール(45)上で摺動させ、ウエッブ(2)の幅に合わせ、固定ネジ(46)で巻取軸支持フレーム(43)を連結板(42)上の所定位置に固定する。次に、第1センサ(16)を固定棒(29)に沿ってウエッブ幅方向に適宜摺動させウエッブ(2)の端縁を検出できるような位置に仮固定する。また、第2センサ(15)を固定棒(31)に沿ってウエッブ幅方向に適宜摺動させウエッブ(2)の端縁を検出できるような位置に仮固定する。そして、ウエッブ(2)はアイドラロール(6)を経て、搬送部(4)の第1ガイドロール(7)、第2ガイドロール(8)、第3ガイドロール(9)を経て上方に向けて走行させられ、反転ロール(10)で下方に向けられ、第4ガイドロール(11)、ニアロール(12)を経て、巻取タッチロール(41)によって所定の接圧を受けるようにして巻取部(5)の巻取軸(13)に紙通しされ停止される。紙通しは、制御装置(60)によって、第1モータ(27)、第2モータ(47)を低速で回転して紙送りしたり、これ等モータを寸動させることによって行うことができるものであってその詳細は説明を省略する。そして、図5に示されるように第1選択スイッチ(67)を入り側に選択し、次いで、図8に示されるように第2選択スイッチ(68)を巻取・巻返側に選択することにより巻取・巻返の確認動作を行う準備状態にする。次いで、巻取プッシュボタン(63)を押すと、制御装置(60)によって第2センサ(15)が作動状態になる。そこで、仮固定した第2センサ(15)を固定棒(31)に沿ってウエッブ幅方向に微摺動して第2センサ(15)の検出位置とウエッブ(2)の端縁位置とを合致させ、第2センサ(15)の基準位置を決めて固定し、巻取時におけるウエッブ(2)の端縁の蛇行を偏差として検出できるようにする。また、制御装置(60)は、アクチュエータ(22)の作動が可能かどうかを確認するとともに第2センサ(15)とウエッブ(2)の端縁との偏差方向に応じたアクチュエータ(22)の作動方向を決定する。次に、巻返プッシュボタン(64)を押すと、制御装置(60)による確認動作が切り替わる。すなわち、制御装置(60)によって第1センサ(16)が作動状態になる。そこで、仮固定した第1センサ(16)を固定棒(29)に沿ってウエッブ幅方向に微摺動して第1センサ(16)の検出位置とウエッブ(2)の端縁位置とを合致させ、第1センサ(16)の基準位置を決めて固定し、巻返時におけるウエッブ(2)の端縁の蛇行を偏差として検出できるようにする。また、制御装置(60)は、アクチュエータ(22)の作動が可能かどうかを確認するとともに第1センサ(16)とウエッブ(2)の端縁との偏差方向に応じたアクチュエータ(22)の作動方向を決定する。
【0013】
[巻取または巻返確認動作について]
(2)巻取確認動作について
巻取におけるウエッブロール(2a)の装着、紙通し、第2センサ(15)の仮固定ついては、前記の[巻取・巻返確認動作について]と同一なため説明を省略する。そして、図5に示されるように第1選択スイッチ(67)を入り側に選択し、次いで、図8に示されるように第2選択スイッチ(68)を巻取側に選択することにより巻取の確認動作を行う準備状態にする。次いで、巻取プッシュボタン(63)を押すと、制御装置(60)によって第2センサ(15)が作動状態になる。そこで、仮固定した第2センサ(15)を固定棒(31)に沿ってウエッブ幅方向に微摺動して第2センサ(15)の検出位置とウエッブ(2)の端縁位置とを合致させ、第2センサ(15)の基準位置を決めて固定し、巻取時におけるウエッブ(2)の端縁の蛇行を偏差として検出できるようにする。また、制御装置(60)は、アクチュエータ(22)の作動が可能かどうかを確認するとともに第2センサ(15)とウエッブ(2)の端縁との偏差方向に応じたアクチュエータ(22)の作動方向を決定する。なお、第1センサ(16)は不作動状態に維持されることはいうまでもない。
【0014】
(3)巻返確認動作について
図3に示されるように、巻取部(5)においては、巻取タッチロール支持アーム(40)が時計方向に回動され、巻取タッチロール(41)は上方の退避位置へ回避されており、巻出部(3)においては、巻返タッチロール支持アーム(32)が時計方向に回動され、巻返タッチロール(33)は、紙通し後に下降し巻出軸(1)に当接するようになっている。そして、巻取軸(13)を挿通したウエッブロール(2a)が巻取軸支持フレーム(43)に装着される。その際、巻取軸支持フレーム(43)をガイドレール(45)上で摺動させ、ウエッブ(2)の幅に合わせ、固定ネジ(46)で巻取軸支持フレーム(43)を連結板(42)上の所定位置に固定する。巻出部(3)側においても巻出軸(1)を巻出軸支持フレーム(23)に装着する際、巻取軸(13)の装着と同様に巻出軸支持フレーム(23)をガイドレール(25)上で摺動させ、ウエッブ(2)の幅に合わせ、固定ネジ(26)で巻出軸支持フレーム(23)を往復可動ベース(17)上の所定位置に固定する。また、第2センサ(15)を固定棒(31)に沿ってウエッブ幅方向に適宜摺動させウエッブ(2)の端縁を検出できるような位置に仮固定する。そして、ウエッブ(2)は、ニアロール(12)、第4ガイドロール(11)、反転ロール(10)、第3ガイドロール(9)、第2ガイドロール(8)、アイドラロール(6)を経て、巻返タッチロール(33)によって所定の接圧を受けるようにして巻出部(3)の巻出軸(1)に紙通しされ停止される。そして、図5に示されるように第1選択スイッチ(67)を入り側に選択し、次いで、図8に示されるように第2選択スイッチ(68)を巻取側に選択することにより巻返の確認動作を行う準備状態にする。次いで、巻返プッシュボタン(64)を押すと、制御装置(60)によって第2センサ(15)が作動状態になる。そこで、仮固定した第2センサ(15)を固定棒(31)に沿ってウエッブ幅方向に微摺動して第2センサ(15)の検出位置とウエッブ(2)の端縁位置とを合致させ、第2センサ(15)の基準位置を決めて固定し、巻返時におけるウエッブ(2)の端縁の蛇行を偏差として検出できるようにはするが、制御装置(60)は、アクチュエータ(22)を不作動状態にロックし、ロック状態になっていることを確認し、第2センサ(15)とウエッブ(2)の端縁との偏差を検出してもアクチュエータ(22)を駆動させないことを決定する。なお、第1センサ(16)は不作動状態に維持されることはいうまでもない。
【0015】
[II]運転について
(4)[巻取・巻返運転について]
図1に示されるように、巻出部(3)においては、巻返タッチロール支持アーム(32)が反時計方向に回動され、巻返タッチロール(33)は上方の退避位置へ回避され、巻取部(5)においては、巻取タッチロール支持アーム(40)が反時計方向に回動され、巻取タッチロール(41)は下降し巻取軸(13)に当接した状態にある。ここでは、前記[I](1)の[巻取・巻返確認動作について]において説明したようにして確認動作が終了した後、図5に示されるように第1選択スイッチ(67)を連動側に選択し、次いで、第2選択スイッチ(68)を巻取・巻返側に選択する(図4の制御系および図9のタイムチャート参照)。そして、巻取プッシュボタン(63)を押すと、制御装置(60)によって第1モータ(27)、第2モータ(47)が起動状態になる。次いで、運転プッシュボタン(65)を押すと、制御装置(60)によって第2センサ(15)とアクチュエータ(22)とが作動状態になる(第1センサ(16)は不作動状態が維持される。)。そして、制御装置(60)によって巻出軸(1)からウエッブ(2)が繰り出され、主速指令(図示せず)によって所定のウエッブ走行速度に達し、アイドラロール(6)を経て、搬送部(4)の第1ガイドロール(7)、第2ガイドロール(8)、第3ガイドロール(9)を経て上方に向けて走行させられ、反転ロール(10)で下方に向けられ、第4ガイドロール(11)、ニアロール(12)を経て、巻取タッチロール(41)によって所定の接圧を受けながら巻取部(5)の巻取軸(13)に巻き取られる。そして、ウエッブ張力検出機構(61)によって検出された張力およびパルスジェネレータ(62)によって計測された巻径に基づき第1モータ(27)と第2モータ(47)のトルクおよび回転速度を制御することで所定の張力に調整しつつ巻き取られる。その際、第2センサ(15)によって設定された基準位置と走行するウエッブ(2)の端縁の位置を常時比較し検出するが、何らかの原因によりウエッブ(2)が蛇行しウエッブ(2)の端縁の位置が基準位置に対しずれを生じると、ずれは、第2センサ(15)によって偏差として検出され、検出された検出信号は、制御装置(60)に入力され、それに基づき制御装置(60)からアクチュエータ(22)を駆動させる信号が発せられる。そして、アクチュエータ(22)が駆動され、往復可動ベース(17)が前記偏差をなくす方向に所定量摺動されウエッブ(2)の蛇行が修正され、ウエッブ(2)の端縁が巻取軸(13)に整列して巻き取られることになる。ウエッブ(2)が第2ガイドロール(8)を通過して第3ガイドロール(9)に至る間に、CCD等の検出装置(14)によって印刷状態が検出され、マーク付け機構を備えている場合は、必要に応じ、印刷不良箇所にマーク付けを行うことができる。なお、印刷状態は、反転ロール(10)と第4ガイドロール(11)との間で必要に応じ目視検査される。そして、パルスジェネレータ(62)による計測により所定の巻取径に達すると制御装置(60)によって装置の運転が自動停止されるかまたは停止プッシュボタン(66)を押すことで第1モータ(27)、第2モータ(47)、アクチュエータ(22)は作動を停止するようになる。
次に、巻取軸(13)に巻き取られたウエッブ(2)は、印刷絵柄が方向性を有していることから、次加工工程に供するため、巻取部(5)から巻出部(3)にウエッブ(2)がその端縁を整列して巻き返される。そのために、図1に示される状態から図3に示されるように、巻取部(5)においては、巻取タッチロール支持アーム(40)が時計方向に回動され、巻取タッチロール(41)は上方の退避位置へ回避され、巻出部(3)においては、巻返タッチロール支持アーム(32)が時計方向に回動され、巻返タッチロール(33)は下降し巻出軸(1)に当接する状態となる。
そして、第1選択スイッチ(67)および第2選択スイッチ(68)はそのままの状態に維持されており、巻返プッシュボタン(64)を押すと、制御装置(60)によって第2モータ(47)、第1モータ(27)が逆回転するように起動状態となる。次いで、運転プッシュボタン(65)を押すと、制御装置(60)によって第1センサ(16)とアクチュエータ(22)とが作動状態になる(第2センサ(15)は不作動状態に切り替わる。)。そして、制御装置(60)によって巻取軸(13)からウエッブ(2)が繰り出され、主速指令によって所定のウエッブ走行速度に達し、ニアロール(12)、第4ガイドロール(11)、反転ロール(10)、第3ガイドロール(9)、第2ガイドロール(8)、アイドラロール(6)を経て、巻返タッチロール(33)によって所定の接圧を受けながら巻出軸(1)に巻き返される。そして、ウエッブ張力検出機構(61)によって検出された張力およびパルスジェネレータ(62)によって計測された巻径に基づいて、第2モータ(47)と第1モータ(27)のトルクおよび回転速度を制御することでウエッブ(2)が巻き返される。その際、第1センサ(16)によって設定された基準位置と走行するウエッブ(2)の端縁の位置を常時比較し検出するが、何らかの原因によりウエッブ(2)が蛇行しウエッブ(2)の端縁の位置が基準位置に対しずれを生じると、ずれは、第1センサ(16)によって偏差として検出され、検出された検出信号は、制御装置(60)に入力され、それに基づき制御装置(60)からアクチュエータ(22)を駆動させる信号が発せられる。そして、アクチュエータ(22)が駆動され、往復可動ベース(17)が前記偏差をなくす方向に所定量摺動されウエッブ(2)の蛇行が修正され、ウエッブ(2)が巻出軸(1)に整列して巻き返されることになる。そして、パルスジェネレータ(62)による計測により所定の巻取径に達すると制御装置(60)によって装置の運転が自動停止されるかまたは停止プッシュボタン(66)を押すことで第2モータ(47)、第1モータ(27)、アクチュエータ(22)は作動を停止するようになる。これによって印刷絵柄等に方向性のあるウエッブ(2)は端縁が整列して巻出軸(1)に巻き返される。
このようにして、方向性のある印刷絵柄が施されたウエッブ(2)の印刷状態を検査しつつ端縁を整列して巻き取り、次いで、端縁を整列して巻き返し、良好な端面を有する元の巻き方向を有するウエッブロール(2a)を、次の加工工程に供することができる。
以上、巻取・巻返装置による、方向性のある印刷絵柄が施されたウエッブの巻き取りを連続して行い、これにより巻き返すようにすることについて説明したが、この巻取・巻返装置においては、このようにウエッブの送りを連続して行うだけでなく、ウエッブの巻き取りを行いつつ印刷状態等の不良箇所を検出装置で検出した場合、巻き取りを停止させ、目視検査部までウエッブを送ったり戻したりして肉眼による検査を行うようにしてもよく、さらには、不良箇所の切断、削除、紙継ぎ等を行うようにしてもよい。こういった場合は、ウエッブの巻き取り時は間欠送りとし、巻き取った後の巻き返しは、連続巻き返しとすればよい。
【0016】
[巻取または巻返運転について]
(5)巻取運転について
この場合のウエッブ(2)の印刷絵柄は方向性がないものが適している。図1に示されるように、巻出部(3)においては、巻返タッチロール支持アーム(32)が反時計方向に回動され、巻返タッチロール(33)は上方の退避位置へ回避され、巻取部(5)においては、巻取タッチロール支持アーム(40)が反時計方向に回動され、巻取タッチロール(41)は下降し巻取軸(13)に当接した状態にある。ここでは、前記[I](2)の巻取確認動作についてにおいて説明したようにして確認動作が終了した後、図5に示されるように第1選択スイッチ(67)を連動側に選択し、次いで、第2選択スイッチ(68)を巻取側に選択する(図4の制御系および図10のタイムチャート参照)。そして、巻取プッシュボタン(63)を押すと、制御装置(60)によって第1モータ(27)、第2モータ(47)が起動状態になる。次いで、運転プッシュボタン(65)を押すと、制御装置(60)によって第2センサ(15)とアクチュエータ(22)とが作動状態になる(第1センサ(16)は不作動状態が維持される。)。そして、制御装置(60)によって巻出軸(1)からウエッブ(2)が繰り出され、主速指令によって所定のウエッブ走行速度に達し、アイドラロール(6)を経て、搬送部(4)の第1ガイドロール(7)、第2ガイドロール(8)、第3ガイドロール(9)を経て上方に向けて走行させられ、反転ロール(10)で下方に向けられ、第4ガイドロール(11)、ニアロール(12)を経て、巻取タッチロール(41)によって所定の接圧を受けながら巻取部(5)の巻取軸(13)に巻き取られる。そして、ウエッブ張力検出機構(61)によって検出された張力およびパルスジェネレータ(62)によって計測された巻径に基づき、第1モータ(27)と第2モータ(47)のトルクおよび回転速度を制御することで所定の張力に調整しつつ巻き取られる。その際、第2センサ(15)によって設定された基準位置と走行するウエッブ(2)の端縁の位置を常時比較し検出するが、何らかの原因によりウエッブ(2)が蛇行しウエッブ(2)の端縁の位置が基準位置に対しずれを生じると、ずれは、第2センサ(15)によって偏差として検出され、検出された検出信号は、制御装置(60)に入力され、それに基づき制御装置(60)からアクチュエータ(22)を駆動させる信号が発せられる。そして、アクチュエータ(22)が駆動され、往復可動ベース(17)が前記偏差をなくす方向に所定量摺動されウエッブ(2)の蛇行が修正され、ウエッブ(2)の端縁が巻取軸(13)に整列して巻き取られることになる。ウエッブ(2)が第2ガイドロール(8)を通過して第3ガイドロール(9)に至る間に、CCD等の検出装置(14)によって印刷状態が検出され、マーク付け機構を備えている場合は、必要に応じ、印刷不良箇所にマーク付けを行うことができる。なお、印刷状態は、反転ロール(10)と第4ガイドロール(11)との間で必要に応じ目視検査される。そして、パルスジェネレータ(62)による計測により所定の巻取径に達すると、制御装置(60)によって装置の運転が自動停止されるかまたは停止プッシュボタン(66)を押すことで第1モータ(27)、第2モータ(47)、アクチュエータ(22)は作動を停止する。そして、巻き取られたウエッブロール(2a)は巻取軸(13)とともに取り外し、次の加工工程等に供給する。
【0017】
(6)巻返運転について
この場合は単にウエッブ(2)の巻き返しだけを行うものである。図3に示されるように、巻取部(5)においては、巻取タッチロール支持アーム(40)が時計方向に回動され、巻取タッチロール(41)は上方の退避位置へ回避され、巻出部(3)においては、巻返タッチロール支持アーム(32)が時計方向に回動され、巻返タッチロール(33)は下降し巻出軸(1)に当接する状態にある。そして、前記[I](3)の巻返確認動作において説明したようにして確認動作が終了した後、図5に示されるように第1選択スイッチ(67)を連動側に選択し、次いで、第2選択スイッチ(68)を巻取側に選択する(図4の制御系および図10のタイムチャート参照)。巻返プッシュボタン(64)を押すと、制御装置(60)によって第2モータ(47)、第1モータ(27)が逆回転するように起動状態となる。次いで、運転プッシュボタン(65)を押すと、制御装置(60)によって第2センサ(15)は作動状態になるもののアクチュエータ(22)は不作動(ロック)状態になる。そして、制御装置(60)によって巻取軸(13)からウエッブ(2)が繰り出され、主速指令によって所定のウエッブ走行速度に達し、ニアロール(12)、第4ガイドロール(11)、反転ロール(10)、第3ガイドロール(9)、第2ガイドロール(8)、アイドラロール(6)を経て、巻返タッチロール(33)によって所定の接圧を受けながら巻出軸(1)に巻き返される。そして、ウエッブ張力検出機構(61)によって検出された張力およびパルスジェネレータ(62)によって計測された巻径に基づき第2モータ(47)と第1モータ(27)のトルクおよび回転速度を制御することで巻き返される。その際、第2センサ(15)によって設定された基準位置と走行するウエッブ(2)の端縁の位置を常時比較し検出するもののアクチュエータ(22)は不作動なため、何らかの原因によりウエッブ(2)が蛇行しウエッブ(2)の端縁の位置が基準位置に対しずれを生じても、ずれは修正されることはない。そして、パルスジェネレータ(62)による計測により所定の巻取径に達すると制御装置(60)によって装置の運転が自動停止されるかまたは停止プッシュボタン(66)を押すことで第2モータ(47)、第1モータ(27)、アクチュエータ(22)は作動を停止するようになる。そして、巻き返されたウエッブロール(2a)は巻出軸(1)とともに取り外し、次の加工工程等に供給する。
【0018】
なお、図1に示したように巻返タッチロール(33)の両端軸をスプラインとして、ウエッブ(2)の巻返において、巻取軸から繰り出されるウエッブ(2)の端縁を第2センサ(15)により検出し、該検出信号に基づきアクチュエータ(22)による往復可動ベース(17)の摺動によるウエッブロール(2a)の水平移動に追従して巻返タッチロール(33)を、軸線方向に移動する構造に代え、図11に示されるような、構造を採用することもできる。図11に示されるウエッブの巻取・巻返装置(B)は、アーム(28)に突出部(28b)を設け、該突出部(28b)、(28b)間に一対の巻返タッチロール支持アーム(32)を回動可能に軸支し、該巻返タッチロール支持アーム(32)、(32)先端部の間に巻返タッチロール(33)を回転可能に軸支するようになっている。係る構造によって、巻返タッチロール支持アーム(32)を、巻き返し時に時計方向に回動し、巻出軸(1)に巻き取られるウエッブロール(2a)に当接し、所定の接圧を与えるとともに、後述するようにウエッブ(2)の巻返において、巻取軸から繰り出されるウエッブ(2)の端縁を第1センサ(16)により検出し、該検出信号に基づきアクチュエータ(22)による往復可動ベース(17)の摺動とともに巻返タッチロール(33)が、巻取軸(1)の軸線方向に移動することができる。このような構造によれば、スプライン等を設ける必要がなくなる。
【0019】
図12に、この発明の他の実施例を示す。
この実施例のウエッブの巻取・巻返装置(C)は、往復可動ベース(17)に設けられた一対のアーム(51)の間に前段ガイドロール(52)、中間ガイドロール(53)、後段ガイドロール(54)が設けられ、アーム(51)の延長部(51a)、(51a)間の固定棒(29)に摺動可能に支持された第1センサ(16)が、前段ガイドロール(52)に対向して設けられ、前方張り出し板(30)、(30)間の固定棒(31)に摺動可能に支持された第2センサ(15)が、後段ガイドロール(54)に対向して設けられたものである。このような構造を採用すれば、第1センサ(16)、第2センサ(15)との間の空間に余裕が生じ、これらの配設を容易にすることができる。その他の構成については図1のウエッブの巻取・巻返装置(A)と同一であり、説明を省略する。また、この装置の動作説明も省略する。
【0020】
なお、往復可動ベースを基台に摺動可能に設け、該往復可動ベースに巻出軸支持フレームを垂直に立設したり、巻取軸支持フレームを基台に立設したりするように適宜設計変更をすることが可能であることはいうまでもない。
また、図1、図3に示された巻取・巻返装置において、ウエッブの裏面を検査するようにウエッブロールを逆方向に装着し、第1モーター、第2モーターの回転を逆方向に回転させ、ウエッブの裏面を検査して、端縁を整列して巻き取り、巻き返しすることができることはいうまでもない。
【0021】
【発明の効果】
この発明は、以上詳しく説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
巻出部のウエッブロールから繰り出されて走行するウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を第2端縁位置検出器によって検出し、前記第2端縁位置検出器によって検出された検出信号に基づき、制御装置によってアクチュエータを作動させ、往復可動ベースを、巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御し、ウエッブ搬送部を経たウエッブを、巻取軸を回転可能に軸架する一対の巻取軸支持手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段とを備えた巻取部の巻取軸に整列して巻き取らせることができる。次いで、前記巻取部の巻取軸に巻き取られたウエッブを逆方向に走行させ、巻取部から繰り出されてウエッブ搬送部を経たウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を、前記巻出部の第1端縁位置検出装置によって検出し、前記第1端縁位置検出装置によって検出された検出信号に基づき、制御装置によってアクチュエータを作動させ前記往復可動ベースを巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御して、ウエッブを巻出軸に整列して巻き返すことができる。その結果、印刷絵柄等に方向性のあるウエッブの印刷状態の良否検査、または、蛇行修正による巻取端面の修正等を行いながら巻き取った後、次の加工工程に供するため、従来のように巻取軸ごとウエッブロールを取り外し、巻出側に装着し直し、再度、ウエッブの端縁を検出しながら巻き取るようなことをせず、ウエッブの走行方向を逆転して元の巻出軸にウエッブの端縁を整えながら巻き返すことができる。そのため、ウエッブの巻き取り・巻き返しまでの工程に要する時間が短縮できる。また、従来のように、巻返工程において、重量のあるウエッブを巻取軸ごと取り外し、これを適宜の搬送手段に載置し、巻出側に搬送して装着し直すといった、重労働で手間のかかる、しかも、作業者にとって危険な作業を省略することができる。そして、従来のようなウエッブロールの巻取軸ごとの取り外し、巻出側への搬送、装着し直しのための作業スペースが必要なことに比べ、省スペース化を図ることができる。さらに、第1端縁位置検出器を往復可動ベースに設け、該第1端縁位置検出器と第2端縁位置検出装置とによってウエッブの端縁を整列して巻き取りまたは巻き返しをするといった簡単な構造であることから、安価に製造することができる。
そして、ウエッブの巻取または巻返は、第1駆動手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段のトルクおよび回転速度を制御し張力調整しながら行うか、または、巻取を巻取軸回転駆動用の第2駆動手段によって、巻返を巻出軸回転駆動用の第1駆動手段によって張力調整しながら行うことができる。
また、巻取または巻返に当たっては、運転または確認動作用の第1選択手段の切換によって運転を選択した場合は、巻取・巻返の2方向反転駆動若しくは巻取または巻返の何れかの一方向駆動用の第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転を行うか若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転を行うように制御装置により制御し、第1選択手段の切換によって確認動作を選択した場合は、第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転のための確認動作若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転のための確認動作を制御装置により行うことができ、操作を確実にかつ簡単に行うことができる。
また、ウエッブの端縁を整列して巻取軸に均一に巻き取らせたり、検出装置等によって不良箇所を検出した場合、巻き取りを停止させ、目視検査部までウエッブを送ったり戻したりして、間欠的にウエッブを巻取・巻返して、肉眼による検査を行ったり、さらには、不良箇所の切断、削除、紙継ぎ等を行う等汎用性が高いものを得ることができる。
ウエッブ搬送部にウエッブの品質検査用の、反射光型表面検出装置および/または透過光型検出装置を備えることで、ウエッブへの印刷状態等を検査しつつ端縁を整列して巻き取り、その後、巻き返すことで、元の巻取方向に巻き取られた検査済みであって端面が整列されたウエッブロールを得ることができる。ウエッブの品質検査としては、目視検査部においてウエッブの表面状態を検査することも可能である。
また、巻出軸支持手段が巻出軸の軸線方向と平行に往復可動ベース上で摺動可能であって、固定手段によって往復可動ベースの所定位置に固定されるとともに、巻取軸支持手段が巻取軸の軸線方向と平行に摺動可能であって、固定手段によって所定位置に固定され、巻出軸および巻取軸の軸長に応じ、一対の巻出軸支持手段の間隔および一対の巻取軸支持手段の間隔が変更可能となっていると、ウエッブロールの幅に応じた長さの巻取軸を用い、巻出軸支持手段の間隔および巻取軸支持手段の間隔を調整し巻き取りおよび巻き返しをすることができ、一台の装置で各種の幅のウエッブロールの巻き取り・巻き返しに対応させることが可能となる。
また、第1端縁位置検出器および第2端縁位置検出器がウエッブの幅方向に移動し、所定位置に位置決め可能に支持手段によって支持されるようになっていると、ウエッブの端縁位置またはウエッブに設けられた端縁位置検出用のラインマーク等の位置に応じ、端縁位置検出器の位置を微調整して位置決めすることができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す巻取・巻返装置の側面図である。
【図2】図1のウエッブパス状態を示す概略斜視図である。
【図3】図1の巻取・巻返装置の巻き返し時の側面図である。
【図4】図1に示す巻取・巻返装置の制御系を示す概略図である。
【図5】図4の制御系の動作の一部を示すフローチャートである。
【図6】図4の制御系の動作の一部を示すフローチャートである。
【図7】図4の制御系の動作の一部を示すフローチャートである。
【図8】図4の制御系の動作の一部を示すフローチャートである。
【図9】図4の制御系におけるウエッブの巻取・巻返動作を示すタイムチャートである。
【図10】図4の制御系におけるウエッブの巻取または巻返動作を示すタイムチャートである。
【図11】この発明の他の実施例を示す側面図である。
【図12】この発明の他の実施例を示す側面図である。
【図13】従来の巻戻台車方式を示す説明図である。
【図14】従来の巻取台車方式を示す説明図である。
【符号の説明】
A 巻取・巻返装置
1 巻出軸
2 ウエッブ
3 巻出部
4 搬送部
5 巻取部
13 巻取軸
14 検出装置
15 第2センサ
16 第1センサ
17 往復可動ベース
22 アクチュエータ
23 巻出軸支持フレーム
27 第1モーター
43 巻取軸支持フレーム
47 第2モーター
60 制御装置
67 第1選択スイッチ
68 第2選択スイッチ

Claims (9)

  1. 往復可動ベースに、巻出軸を回転可能に軸架する一対の巻出軸支持手段と、該巻出軸回転駆動用の第1駆動手段と、ウエッブの端縁を検出する第1端縁位置検出器とが設けられた巻出部と、
    前記往復可動ベースを巻出軸の軸線方向と平行に摺動させるアクチュエータと、
    ウエッブの端縁を検出する第2端縁位置検出器と、
    ウエッブ搬送部と、
    巻取軸を回転可能に軸架する一対の巻取軸支持手段と、該巻取軸回転駆動用の第2駆動手段とを備えた巻取部と、
    ウエッブが巻取軸に巻き取られる時は、巻出部のウエッブロールから繰り出されて走行するウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を第2端縁位置検出器によって検出し、前記第2端縁位置検出器によって検出された検出信号に基づき、アクチュエータを作動させ、往復可動ベースを巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御し、ウエッブ搬送部を経たウエッブを、巻取軸を回転可能に軸架する一対の巻取軸支持手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段とを備えた巻取部の巻取軸に整列して巻き取らせ、ウエッブが巻出軸に巻き返される時は、前記巻取部の巻取軸に巻き取られたウエッブを逆方向に走行させ、巻取部から繰り出されてウエッブ搬送部を経たウエッブの端縁の位置と所定の基準位置との偏差を、前記巻出部の第1端縁位置検出装置によって検出し、前記第1端縁位置検出装置によって検出された検出信号に基づき、アクチュエータを作動させ前記往復可動ベースを巻出軸の軸線方向と平行に摺動させることで前記偏差をなくすようにウエッブの走行を制御して、ウエッブを巻出軸に整列して巻き返すようにする制御装置とを具備したウエッブの巻取・巻返装置であって、
    運転または確認動作用の第1選択手段と、巻取・巻返の2方向反転駆動若しくは巻取または巻返の何れかの一方向駆動用の第2選択手段とが制御装置に設けられ、第1選択手段の切換によって運転を選択した場合は、巻取・巻返の2方向反転駆動若しくは巻取または巻返の何れかの一方向駆動用の第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転を行うか若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転を行うように制御装置により制御し、第1選択手段の切換によって確認動作を選択した場合は、第2選択手段の切換により、巻取・巻返の2方向運転のための確認動作若しくは巻取または巻返の何れかの一方向運転のための確認動作を制御装置により行うようにしたことを特徴とするウエッブの巻取・巻返装置。
  2. 請求項記載のウエッブの巻取・巻返装置において、制御装置は、巻取または巻返を、巻出軸回転駆動用の第1駆動手段と巻取軸回転駆動用の第2駆動手段のトルクおよび回転速度を制御して行うようにしたものであることを特徴とするウエッブの巻取・巻返装置。
  3. 請求項記載のウエッブの巻取・巻返装置において、制御装置は、巻取を巻取軸回転駆動用の第2駆動手段によって行い、巻返を巻出軸回転駆動用の第1駆動手段によって行うように制御するものであることを特徴とするウエッブの巻取・巻返装置。
  4. ウエッブ搬送部に、ウエッブの品質検査用の検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1、2または3記載のウエッブの巻取・巻返装置。
  5. ウエッブの品質検査用の検出手段が反射光型表面検出装置であることを特徴とする請求項記載のウエッブの巻取・巻返装置。
  6. ウエッブの品質検査用の検出手段が透過光型検出装置であることを特徴とする請求項記載のウエッブの巻取・巻返装置。
  7. ウエッブ搬送部に、目視検査用部が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のウエッブの巻取・巻返装置。
  8. 巻出軸支持手段が巻出軸の軸線方向と平行に往復可動ベース上で摺動可能であって、固定手段によって往復可動ベースの所定位置に固定されるとともに、巻取軸支持手段が巻取軸の軸線方向と平行に摺動可能であって、固定手段によって所定位置に固定され、巻出軸および巻取軸の軸長に応じ、一対の巻出軸支持手段の間隔および一対の巻取軸支持手段の間隔が変更可能となっていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載のウエッブの巻取・巻返装置。
  9. 第1端縁位置検出器および第2端縁位置検出器がウエッブの幅方向に移動し、所定位置に位置決め可能に支持手段によって支持されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のウエッブの巻取・巻返装置。
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