JP3570258B2 - スイング引き戸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイング引き戸に関し、詳しくは、上下レールに沿って走行する引き戸を上下レールに対して略直交するようにスイング回動自在としたスイング引き戸に関し、更に詳しくは、スイング回動させる場合に補助走行具を上下レールから引き出し、又、挿入するための操作を操作性を高めながら安定しておこなえるようにしようとする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、引き戸の一側端の上下に主走行具を設けるとともに他側端の上下に補助走行具を設け、主走行具及び補助走行具を上下レールに走行自在に建て込むとともに補助走行具を上下レールから引き出して引き戸を上下の主走行具を中心にスイング回動自在にしたスイング引き戸においては、引き戸の上下の補助走行具を別々に昇降自在に操作するために、操作ハンドルを引き戸の端部に2個設けたものがあり、又、引き戸の上下の補助走行具を同時に昇降自在に操作するために、操作ハンドルを引き戸の端部に1個設けたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、操作ハンドルを2個設けて補助走行具を別々に昇降操作するものにおいては、各々の補助走行具を軽くかつ安定して昇降操作することができるが、上下の補助走行具の操作が別になっていて、全体の操作性が低いものとなっていた。又、1個の操作ハンドルにて上下の補助走行具を同時に操作する構成の場合には、操作性は向上させることができるが、上下の補助走行具の昇降操作を安定的におこない難くなるという問題があった。
【0004】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、上下の補助走行具を1個の操作ハンドルで安定的に昇降操作ができるスイング引き戸を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1においては、引き戸1の一側端の上下に主走行具4を設けるとともに他側端の上下に補助走行具6を設け、主走行具4及び補助走行具6を上下レール2,3に走行自在に建て込むとともに補助走行具6を上下レール2,3から引き出して引き戸1を上下の主走行具6を中心にスイング回動自在にしたスイング引き戸であって、引き戸1の補助走行具6側の端部に補助走行具6を上下レール2,3に対して出退させるための操作ハンドル46を回動軸44の回りに上下方向に回動自在に設け、引き戸1側に設けた操作具ベース55にスライドケース56を上下方向にのみスライド自在に設け、スライドケース56と補助走行具6とを連動機構57にて連結してスライドケース56の上下移動によって補助走行具6を上下レール2,3から出退自在にし、スライドケース56内にばね58を納めるとともにばね押圧体59を設け、操作ハンドル46に回動軸44を越えて延出部60を設け、延出部60をばね押圧体59に枢支連結して操作ハンドル46の回動軸44回りの回動操作によって補助走行具6を上下レール2,3から出退自在に構成し、ばね押圧体59に設けたピン62をスライドケース56の長孔61に貫通させて突出し、操作具ベース55に設けた略円弧状のガイド孔63に上記ピン62をスライドガイド自在に挿通してあり、上記連動機構57は、スライドケース56から延出されるスライド板66にラック67が形成され、操作具ベース55にピニオンギア81が回転自在に保持され、このピニオンギア81を介して上記ラック67と噛み合うラックギア69が上移動体68に形成され、スライドケース56に下移動体82が連結されて構成され、上記操作ハンドル46を回転軸44の回りに上下方向に回転させると、操作ハンドル46の延出部60に枢着連結されたばね押圧体59にてばね58が押圧されて、ばね押圧体59のピン62が操作具ベース55の略円弧状のガイド孔63にガイドされることで、スライドケース56が操作具ベース55に沿って昇降し、このスライドケース56の昇降により、スライド板、ピニオンギア81及び上移動体68を介して上補助走行具6bが昇降すると共に、下移動体82を介して下補助走行具6aが昇降することで、上下補助走行具6a,6bを上下レール2,3から出退できるようにしてあることを特徴とするものである。
【0006】
このような構成によれば、1個の操作ハンドル46にて上下の補助走行具6の昇降操作をおこなうことができながら、操作ハンドル46側のばね押圧体59に設けたピン62はスライドケース56の長孔61に貫通して操作具ベース55に形成してある略円弧状のガイド孔63に挿通していて、操作ハンドル46の回動操作は、ピン62がガイド孔63にガイドされる操作となり、上下の補助操作具6の昇降操作を安定化させることができるものである。
【0007】
請求項2においては、引き戸1の一側端の上下に主走行具4を設けるとともに他側端の上下に補助走行具6を設け、主走行具4及び補助走行具6を上下レール2,3に走行自在に建て込むとともに補助走行具6を上下レール2,3から引き出して引き戸1を上下の主走行具6を中心にスイング回動自在にしたスイング引き戸であって、引き戸1の補助走行具6側の端部に補助走行具6を上下レール2,3に対して出退させるための操作ハンドル46を回動軸44の回りに上下方向に回動自在に設け、操作ハンドル46と補助走行具6とを連動機構57にて連結して操作ハンドル46の上下回動によって補助走行具6を上下レール2,3から出退自在にし、操作ハンドル46にピン62を突出させ、操作具ベース55に設けた略円弧状のガイド孔63に上記ピン62をスライドガイド自在に挿通し、ピン62をガイド孔63の端部に係止する係止手段64を設け、上記連動機構57は、操作ハンドル46のピン62に枢支連結される揺動アーム87と、揺動アーム87に軸86を介して枢支連結される下移動体82と、操作ハンドル46にリンク83及び軸84の回りに回転する回転アーム85を介して連結される上移動体68とで構成され、操作ハンドル46の上下回動によって操作ハンドル46のピン62が操作具ベース55の略円弧状のガイド孔63にガイドされることで、揺動アーム87及び下移動体82を介して上補助走行具6bが昇降すると共に、リンク83及び回転アーム85を介して下移動体82が昇降し、これにより上下補助走行具6b,6aを上下レール2,3から出退できるようにしてあることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成によれば、1個の操作ハンドル46にて上下の補助走行具6の昇降操作をおこなうことができながら、操作ハンドル46側のピン62が操作具ベース55に設けた略円弧状のガイド孔63にスライドガイド自在に挿通されていて、操作ハンドル46の回動操作は、ピン62がガイド孔63にガイドされる操作となり、上下の補助操作具6の昇降操作を安定化させることができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明を以下添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1乃至図7に示すように、引き戸1の一端部の上下には主走行具4を設けてあり、主走行具4としては上主走行具4bと下主走行具4aとがあり、上下レール2、3に走行自在に装設されている。
【0011】
引き戸1の一側端部には凹部70があり、該凹部70内の上下部にはガイド枠12が固着してある。図6に示すようにガイド枠12にガイドレール部71が固定してあり、ガイドレール部71にはガイドブロック19の後部に設けた被ガイド部72がスライド自在にはめ込んであって、ガイド部72はガイドレール部71に対して上下方向にのみ移動可能となっている。ガイド枠12には第1横向き片73と第2横向き片74とが小間隙を介して設けてある。第1横向き片73と第2横向き片74とにはそれぞれ挿通孔73a、74aが設けてあり、また、第1横向き片73には治具挿入孔75が設けてあり、第2横向き片74には治具挿入孔75に対向してねじ挿入孔76が設けてある。ねじ挿入孔76には調節ねじ15が挿通してあり、調節ねじ15の頭部15aが上記第1横向き片73と第2横向き片74との間に位置して調節ねじ15がガイド枠12に対して上下方向に移動できないようになっている。つまり、調節ねじ15の頭部15aは治具挿入孔75やねじ挿入孔76よりも大径となっていて、頭部15aが治具挿入孔75やねじ挿入孔76から外にはみ出さないようになっていると共に、頭部15aの厚みは第1横向き片73と第2横向き片74との間の小間隙の上下方向の長さにほぼ等しいものである。
【0012】
ガイドブロック19には溝部77が設けてあり、この溝部77には図5、図6に示すように縦孔78の一端部が連通しており、該縦孔78の他端部は上記ねじ挿入孔76に対向している。溝部77内にはナット嵌め込み部77aが設けてあり、ナット嵌め込み部77aにナット79が回転ができず且つ上下移動ができないようにはめ込んである。そして、調節ねじ15がねじ挿入孔76に挿入されて上記ナット79に螺挿してある。上記調節ねじ15の頭部15aの端面には角孔やプラス又はマイナス溝等の治具係止部が設けてあって、治具挿入孔75からレンチやドライバ等の治具を挿入して先端を治具係止部に係止した状態で治具を回転することで、ガイドレール部71に対してガイドブロック19を上下方向に移動させるものであり、このことによりガイドブロック19が引き戸1に対して上下方向に移動するものである。
【0013】
引き戸1の一方の側端部の下部に配置された上記ガイドブロック19にはガイドブロック19に対して回転は自在であるが上下方向に移動しないように下軸20が貫挿してあり、下軸20の下部には下主走行具4aが設けてある。上記下主走行具4aは下軸20と下軸20に対して回転自在であるが上下方向には移動しない水平輪10と、下軸20の水平輪10の取付け部分より下方位置において下軸20に固着されたピニオン5とで構成してある。
【0014】
また、引き戸1の一方の側端部の上部に配置された上記ガイドブロック19にはガイドブロック19に対して回転は自在であるが上下方向に移動しないように上軸23が貫挿してあり、上軸23の上部には上主走行具4bが設けてある。上記上主走行具4bは上軸23と、上軸23に対して回転自在であるが上下方向には移動しない上水平ころ26と、上水平ころ26の上方において上軸23の上端部に固着されたピニオン5とで構成してある。
【0015】
なお、上記下軸20や上軸23の上部は挿通孔73a、74aを貫通している。
【0016】
上下レール2、3の長手方向の端部の内部の側面部にはラック7が設けてある。また、上レール2及び下レール3はそれぞれ2条ずつ並設してあって、図4に示すように、並設した2条の上レール2を一体成型により形成してあり、また、並設した2条の下レール3を一体成型により形成してある。一体成型により形成した2条の下レール3の両レール用開口の側縁間の上面は中央が高くなった山型形状をしており、この山型形状をした上面の両片側半部がそれぞれ傾斜した走行面21となっている。そして、2条のレール3の各レール用開口の両側縁の上面のうち片側の上面である上記走行面21は各レール用開口の両側縁の上面のうちの他の片側の上面よりも高くなっており、主走行具4に設けた水平輪10が傾斜した走行面21に載置されて走行するようになっている。つまり、水平輪10の下面は片側の走行面21に接した部分のみが載置されるようになっていて、水平輪10が抵抗を少なくしてスムーズに回転でき、走行及びスイングがよりスムーズに行えるようになっている。また、上記傾斜した走行面21の傾斜はゆるい傾斜となっていて、歩行の際に上記のように山型形状としたものであっても、歩行がしにくくなることがないようにしてある。
【0017】
また、下レール3の長手方向の端部にラック7を設けるに当たって、下レール3内の両側面のうち上記走行面21に対して遠い方の側面に沿ってラック7を配設してある。このように構成することで、水平輪21により引き戸1の荷重を下レール3に支持させる部分と、ピニオン5がラック7と噛合する部分とが主走行具4の軸芯を挟んで両側にバランスよく位置することとなって、主走行具4が下レール3に対してがたつきなくバランスよくスムーズに走行したり回転したりできることになる。特に、図4に示すように走行面21を傾斜面とすることで、傾斜した走行面21に水平輪10が載置されると、図4の矢印方向に下主走行具4aがずれようとするが、このずれようとする力は下レール3内の両側面のうち上記走行面21に対して遠い方の側面に沿ってラック7を配設してあるからピニオン5がラック7と噛み合う方向の力であって、このため、ピニオン5がラック7から離れる方向に動いてがたつくという現象が防止できるものである。
【0018】
上記のように、下主走行具4aの水平輪10が走行面21上に載置されて引き戸1の荷重を下レール3で支持するようになっているが、ここで、下に位置するガイド枠12に設けた治具挿入孔75から治具を挿入して調節ねじ15を回転することで、下のガイドブロック19を上下方向に移動させて、下主走行具4aを引き戸1に対して上下方向に移動させ、このことにより引き戸1の下レール3からの高さ調整を行うことができるようになっている。
【0019】
また、上に位置するガイド枠12に設けた治具挿入孔75から治具を挿入して調節ねじ15を回転することで、上のガイドブロック19を上下方向に移動させて、上主走行具4bを引き戸1に対して上下方向に移動させ、このことにより上主走行具4bの高さ調整をして、上主走行具4bの上レール2への嵌め込みを調整するものである。
【0020】
引き戸1の他端部には上下レール2、3に走行自在にはめ込まれ且つ上下移動自在で上下レール2、3から引き抜き自在となった補助走行具6が設けてある。補助走行具6としては上補助走行具6bと下補助走行具6aとがある。
【0021】
補助走行具6及び補助走行具調整手段Bについて図8乃至図11について述べる。引き戸1の他端の側面部に設けた凹部80の上部と下部とにはそれぞれ固定金具90によりガイドレール部材91が取付けてある。ガイドレール部材91は添付図面の実施形態では長手方向に2分割してあるが、分割せず一体のものであってもよい。そして、ガイドレール部材91の長手方向の半分(図の実施形態では2分割したうちの一方)には連結具92の後面部の係止部92aが上下方向にスライド自在にはめ込んである。この連結具92の上下方向の一端部には上下に小間隙を隔てて対向する第1横片92bと第2横片92cとが設けてあり、また、第1横片92bには治具挿入孔92fが設けてあり、第2横片92cには治具挿入孔92fに対向してねじ挿入孔92gが設けてある。ねじ挿入孔92gには調節ねじ93が挿通してあり、挿通ねじ93の頭部93aが上記第1横片92bと第2横片92cとの間に位置して調節ねじ93が連結具92に対して上下方向に移動できないようになっている。つまり、調節ねじ93の頭部93aは治具挿入孔92fやねじ挿入孔92gよりも大径となっていて、頭部93aが治具挿入孔92fやねじ挿入孔92gから外にはみ出さないようになっていると共に、頭部93aの厚みは第1横片92bと第2横片92cとの間の小間隙の上下方向の長さにほぼ等しいものである。
【0022】
ガイドレール部材91の長手方向の他の半分(図の実施形態では2分割したうちの他方)に補助ガイドブロック94の後部に設けた被ガイド部94aが上下方向にスライド自在にはめ込んである。
【0023】
補助ガイドブロック94には溝部94bが設けてあり、この溝部94bには縦孔94cの一端部が連通しており、該縦孔94cの他端部は上記ねじ挿入孔92gに対向している。溝部94b内にはナット嵌め込み部94dが設けてあり、ナット嵌め込み部94dにナット94eが回転ができず且つ上下移動ができないようにはめ込んである。そして、調節ねじ93がねじ挿入孔92gに挿入されて上記ナット94eに螺挿してある。上記調節ねじ93の頭部93aの端面には角孔やプラス又はマイナス溝等の治具係止部が設けてあって、治具挿入孔92fからレンチやドライバ等の治具を挿入して先端を治具係止部に係止した状態で治具を回転することで、ガイドレール部材91に対して補助ガイドブロック94を上下方向に移動させるものであり、このことにより補助ガイドブロック94と連結具92との間の距離を調整するようになっている。
【0024】
下に位置する連結具92の上端部には下連結軸36の下端部が連結してある。また、下に位置する補助ガイドブロック94には下軸体33がガイドブロック94に対して上下移動はできないが回転自在に貫挿して取付けてあって、この下軸体33の下端部よりやや上方位置に水平ころ34が下軸体33に対して上下移動はできないが回転自在に取付けてある。そして、下軸体33の下部が下ガイド35となっており、この下ガイド35と水平ころ34と下軸体33とで下補助走行具6aが構成してある。
【0025】
また、上に位置する連結具92の下端部には上連結軸41の下端部が連結してある。また、上に位置する補助ガイドブロック94には上軸体39が補助ガイドブロック94に対して上下動はできないが回転自在に貫挿して取付けてあって、この上軸体39の上端部には上ガイド40が設けてあって、上補助走行具6bが構成してある。
【0026】
そして、上記のようにして下の調節ねじ93を回転操作して補助ガイドブロック94と連結具92との間の距離を調整することで、下補助走行具6aと引き戸1との上下方向の位置関係を調節し、下の補助ガイドブロック94に取付けた下補助走行具6aの水平ころ34が下レール3の上面に載置された状態における引き戸1の高さ調整を行うものである。
【0027】
また、上の調節ねじ93を回転操作して補助ガイドブロック94と連結具92との間の距離を調整することで、上補助走行具6bと引き戸1との上下方向の位置関係を調節し、上の補助ガイドブロック94に取付けた上補助走行具6aの上ガイド40の上レール2内への挿入深さの調整を行うものである。
【0028】
上補助走行具6b及び下補助走行具6aは上下レール2,3から引き出されて引き戸1を上主走行具4b及び下主走行具4aを中心にしてスイング回動できるのであり、以下、上下補助走行具6b,6aを出退させる構成を詳述する。
【0029】
図12乃至図13に示すように、引き戸1の補助走行具6側の端部には、例えば、金属製で略コ字状の操作具ベース55が取り付けられ、操作具ベース55の内部にはスライドケース56を上下方向にのみスライド自在に挿入している。スライドケース56内にコイルスプリング製のばね58を納めるとともにばね押圧体59をスライド移動自在に設けている。操作具ベース55の前面部には回動軸44を介して操作ハンドル46を上下方向に回動自在に設けている。操作ハンドル46に回動軸44を越えて延出部60を設けている。延出部60をばね押圧体59に枢軸65を介して枢支連結している。
【0030】
しかして、操作ハンドル46の回動軸44回りの回動操作によって、ばね押圧体59にてばね58を押圧しながら、スライドケース56を操作具ベース55に沿って上下方向にスライド自在に移動できるようにしている。
【0031】
スライドケース56の後方上端からスライド板66が上方に延出され、スライド板66にはラック67が形成されている。一方、上連結軸41が固定されている上移動体68にもラックギア69が切られている。操作具ベース55にはピニオンギア81が回転自在に保持されている。しかして、スライドケース56の昇降により、スライド板66、ピニオンギア81及び上移動体68等の連動機構57並びに上連結軸41等を介して上補助走行具6bを昇降して上レール2から上補助走行具6bを出退することができるようにしている。
【0032】
スライドケース56の前方下端から下移動体82を垂下して下連結軸36を連結している。しかして、スライドケース56の昇降により、連動機構57を構成している下移動体82及び下連結軸36等を介して下補助走行具6aを昇降して下レール3から下補助走行具6aを出退することができるようにしている。
【0033】
ところで、ばね押圧体59にはピン62をスライドケース56の長孔61に貫通させて突出して設けてあり、操作具ベース55には略円弧状のガイド孔63を形成してあり、ピン62をガイド孔63にスライドガイド自在に挿通してある。
【0034】
しかして、操作ハンドル46を回転軸44の回りに上下方向に回転させてスライドケース56を上下方向に移動させて、上下補助走行具6b,6aを昇降させる操作に際して、1個の操作ハンドル46にて上下補助走行具6b,6aの昇降操作をおこなうことができながら、操作ハンドル46側のピン62は操作具ベース55に形成してある略円弧状のガイド孔63に挿通していて、操作ハンドル46の回動操作は、ピン62がガイド孔63にガイドされる操作となり、上下の補助操作具6の昇降操作を安定化させることができるものである。
【0035】
図15乃至図19は他の実施の形態を示している。但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0036】
本実施の形態においては、引き戸1の補助走行具6側の端部に補助走行具6を上下レール2,3に対して出退させるための操作ハンドル46を回動軸44の回りに上下方向に回動自在に設けている。
【0037】
操作ハンドル46の上方には連動機構57を構成しているリンク83、軸84の回りに回転する回転アーム85を介して上移動体68を連結している。操作ハンドル46の下方にはピン62を介して連動機構57を構成している揺動アーム87が枢支連結され、揺動アーム87には軸86を介して下移動体82が枢支連結されている。しかして、操作ハンドル46の上下回動によって上下補助走行具6b,6aを上下レール2,3から出退できるようにしている。
【0038】
ところで、操作ハンドル46の中間部に設けたピン62を突出させ、操作具ベース55に設けた略円弧状のガイド孔63に上記ピン62をスライドガイド自在に挿通している。ガイド孔63の両端部は少し円弧中心側に曲げて係止部分89を形成しているとともに、引張ばね100によってピン62をガイド孔63の端部に係止するようにしている。このように、ピン62をガイド孔63の端部に係止する構成を係止手段64と総称する。
【0039】
このように、操作ハンドル46側のピン62が操作具ベース55に設けた略円弧状のガイド孔63にスライドガイド自在に挿通されていて、操作ハンドル46の回動操作は、ピン62がガイド孔63にガイドされる操作となり、上下の補助操作具6の昇降操作を安定化させることができるものである。
【0040】
【発明の効果】
請求項1においては、引き戸の一側端の上下に主走行具を設けるとともに他側端の上下に補助走行具を設け、主走行具及び補助走行具を上下レールに走行自在に建て込むとともに補助走行具を上下レールから引き出して引き戸を上下の主走行具を中心にスイング回動自在にしたスイング引き戸であって、引き戸の補助走行具側の端部に補助走行具を上下レールに対して出退させるための操作ハンドルを回動軸の回りに上下方向に回動自在に設け、引き戸側に設けた操作具ベースにスライドケースを上下方向にのみスライド自在に設け、スライドケースと補助走行具とを連動機構にて連結してスライドケースの上下移動によって補助走行具を上下レールから出退自在にし、スライドケース内にばねを納めるとともにばね押圧体を設け、操作ハンドルに回動軸を越えて延出部を設け、延出部をばね押圧体に枢支連結して操作ハンドルの回動軸回りの回動操作によって補助走行具を上下レールから出退自在に構成し、ばね押圧体に設けたピンをスライドケースの長孔に貫通させて突出し、操作具ベースに設けた略円弧状のガイド孔に上記ピンをスライドガイド自在に挿通してあり、上記連動機構は、スライドケースから延出されるスライド板にラックが形成され、操作具ベースにピニオンギアが回転自在に保持され、このピニオンギアを介して上記ラックと噛み合うラックギアが上移動体に形成され、スライドケースに下移動体が連結されて構成され、上記操作ハンドルを回転軸の回りに上下方向に回転させると、操作ハンドルの延出部に枢着連結されたばね押圧体にてばねが押圧されて、ばね押圧体のピンが操作具ベースの略円弧状のガイド孔にガイドされることで、スライドケースが操作具ベースに沿って昇降し、このスライドケースの昇降により、スライド板、ピニオンギア及び上移動体を介して上補助走行具が昇降すると共に、下移動体を介して下補助走行具が昇降することで、上下補助走行具を上下レールから出退できるようにしてあるから、1個の操作ハンドルにて上下の補助走行具の昇降操作をおこなうことができながら、操作ハンドル側のばね押圧体に設けたピンはスライドケースの長孔に貫通して操作具ベースに形成してある略円弧状のガイド孔に挿通していて、操作ハンドルの回動操作は、ピンがガイド孔にガイドされる操作となり、上下の補助操作具の昇降操作を安定化させることができるという利点がある。
【0041】
請求項2においては、引き戸の一側端の上下に主走行具を設けるとともに他側端の上下に補助走行具を設け、主走行具及び補助走行具を上下レールに走行自在に建て込むとともに補助走行具を上下レールから引き出して引き戸を上下の主走行具を中心にスイング回動自在にしたスイング引き戸であって、引き戸の補助走行具側の端部に補助走行具を上下レールに対して出退させるための操作ハンドルを回動軸の回りに上下方向に回動自在に設け、操作ハンドルと補助走行具とを連動機構にて連結して操作ハンドルの上下回動によって補助走行具を上下レールから出退自在にし、操作ハンドルにピンを突出させ、操作具ベースに設けた略円弧状のガイド孔に上記ピンをスライドガイド自在に挿通し、ピンをガイド孔の端部に係止する係止手段を設け、上記連動機構は、操作ハンドルのピンに枢支連結される揺動アームと、揺動アームに軸を介して枢支連結される下移動体と、操作ハンドルにリンク及び軸の回りに回転する回転アームを介して連結される上移動体とで構成され、操作ハンドルの上下回動によって操作ハンドルのピンが操作具ベースの略円弧状のガイド孔にガイドされることで、揺動アーム及び下移動体を介して上補助走行具が昇降すると共に、リンク及び回転アームを介して下移動体が昇降し、これにより上下補助走行具を上下レールから出退できるようにしてあるから、1個の操作ハンドルにて上下の補助走行具の昇降操作をおこなうことができながら、操作ハンドル側のピンが操作具ベースに設けた略円弧状のガイド孔にスライドガイド自在に挿通されていて、操作ハンドルの回動操作は、ピンがガイド孔にガイドされる操作となり、上下の補助操作具の昇降操作を安定化させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(a)は全閉状態の一部切欠概略平面図であり、(b)は同上の一部切欠概略正面図である。
【図2】同上の第1の引き戸を回動して開いた状態を示し、(a)は一部省略平面図であり、(b)は一部省略正面図である。
【図3】同上の引き戸を回動して全開した状態を示す平面図である。
【図4】同上のラックにピニオンが噛合した状態で引き戸を回動した状態を示す断面図である。
【図5】同上の正面図である。
【図6】同上のガイドブロック部分の斜視図である。
【図7】同上の平面図である。
【図8】同上の補助走行具を上下のレールに差し込んでいる状態を示す説明図である。
【図9】同上の正面図である。
【図10】同上の平面図である。
【図11】同上の補助走行体の上下調整機構を示す一部省略斜視図である。
【図12】同上の補助走行体を昇降させる機構を示す一部破断した断面図である。
【図13】同上の正面図である。
【図14】同上の平面図である。
【図15】同上の補助走行体を昇降させる機構の他の実施の形態を示す一部破断した断面図である。
【図16】同上の動作を示す断面図である。
【図17】(a)は同上の動作を示す断面図、(b)はガイド孔の部分拡大正面図である。
【図18】同上の正面図である。
【図19】同上の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 引き戸
2 上レール
3 下レール
4 主走行具
6 補助走行具
44 回動軸
46 操作ハンドル
55 操作具ベース
56 スライドケース
57 連動機構
58 ばね
59 ばね押圧体
60 延出部
61 長孔
62 ピン
63 ガイド孔
64 係止手段
Claims (2)
- 引き戸の一側端の上下に主走行具を設けるとともに他側端の上下に補助走行具を設け、主走行具及び補助走行具を上下レールに走行自在に建て込むとともに補助走行具を上下レールから引き出して引き戸を上下の主走行具を中心にスイング回動自在にしたスイング引き戸であって、引き戸の補助走行具側の端部に補助走行具を上下レールに対して出退させるための操作ハンドルを回動軸の回りに上下方向に回動自在に設け、引き戸側に設けた操作具ベースにスライドケースを上下方向にのみスライド自在に設け、スライドケースと補助走行具とを連動機構にて連結してスライドケースの上下移動によって補助走行具を上下レールから出退自在にし、スライドケース内にばねを納めるとともにばね押圧体を設け、操作ハンドルに回動軸を越えて延出部を設け、延出部をばね押圧体に枢支連結して操作ハンドルの回動軸回りの回動操作によって補助走行具を上下レールから出退自在に構成し、ばね押圧体に設けたピンをスライドケースの長孔に貫通させて突出し、操作具ベースに設けた略円弧状のガイド孔に上記ピンをスライドガイド自在に挿通してあり、上記連動機構は、スライドケースから延出されるスライド板にラックが形成され、操作具ベースにピニオンギアが回転自在に保持され、このピニオンギアを介して上記ラックと噛み合うラックギアが上移動体に形成され、スライドケースに下移動体が連結されて構成され、上記操作ハンドルを回転軸の回りに上下方向に回転させると、操作ハンドルの延出部に枢着連結されたばね押圧体にてばねが押圧されて、ばね押圧体のピンが操作具ベースの略円弧状のガイド孔にガイドされることで、スライドケースが操作具ベースに沿って昇降し、このスライドケースの昇降により、スライド板、ピニオンギア及び上移動体を介して上補助走行具が昇降すると共に、下移動体を介して下補助走行具が昇降することで、上下補助走行具を上下レールから出退できるようにして成ることを特徴とするスイング引き戸。
- 引き戸の一側端の上下に主走行具を設けるとともに他側端の上下に補助走行具を設け、主走行具及び補助走行具を上下レールに走行自在に建て込むとともに補助走行具を上下レールから引き出して引き戸を上下の主走行具を中心にスイング回動自在にしたスイング引き戸であって、引き戸の補助走行具側の端部に補助走行具を上下レールに対して出退させるための操作ハンドルを回動軸の回りに上下方向に回動自在に設け、操作ハンドルと補助走行具とを連動機構にて連結して操作ハンドルの上下回動によって補助走行具を上下レールから出退自在にし、操作ハンドルにピンを突出させ、操作具ベースに設けた略円弧状のガイド孔に上記ピンをスライドガイド自在に挿通し、ピンをガイド孔の端部に係止する係止手段を設け、上記連動機構は、操作ハンドルのピンに枢支連結される揺動アームと、揺動アームに軸を介して枢支連結される下移動体と、操作ハンドルにリンク及び軸の回りに回転する回転アームを介して連結される上移動体とで構成され、操作ハンドルの上下回動によって操作ハンドルのピンが操作具ベースの略円弧状のガイド孔にガイドされることで、揺動アーム及び下移動体を介して上補助走行具が昇降すると共に、リンク及び回転アームを介して下移動体が昇降し、これにより上下補助走行具を上下レールから出退できるようにして成ることを特徴とするスイング引き戸。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33389998A JP3570258B2 (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | スイング引き戸 |
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JP2000160924A JP2000160924A (ja) | 2000-06-13 |
JP3570258B2 true JP3570258B2 (ja) | 2004-09-29 |
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Family Applications (1)
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JP33389998A Expired - Lifetime JP3570258B2 (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | スイング引き戸 |
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-
1998
- 1998-11-25 JP JP33389998A patent/JP3570258B2/ja not_active Expired - Lifetime
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