JP3570146B2 - エポキシ樹脂組成物、接着シート及び積層板 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、接着シート及び積層板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の製造に用いられる積層板、及びその積層板の製造に用いられるエポキシ樹脂組成物と接着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子機器等に使用される多層のプリント配線板は、例えば以下の方法で製造されている。材料として、銅箔張り積層板と、ガラスクロス等の基材にエポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を含浸した後、加熱乾燥して半硬化させたプリプレグと、銅箔とを用いる。そして、銅箔張り積層板の表面の銅箔をエッチングして内層用の銅回路を形成した後、必要に応じてその銅回路に接着強度を高めるために表面処理を行い、次いでその内層用の銅回路の表面に、プリプレグを所要枚数重ねるとともに、外層用の銅箔をそのプリプレグの外側に配して積層し、加熱加圧して成形を行うことによって、内層の銅回路と外層の銅箔の間に、基材及び熱硬化性樹脂組成物よりなる絶縁層を形成した多層の積層板を製造する。
【0003】
次いで、この多層の積層板に穴あけをした後、この穴の壁面に内層の銅回路と外層の銅箔を導通するメッキ金属皮膜を形成し、次いで外層の銅箔をエッチングして外層回路を形成することによりプリント配線板は製造されている。
【0004】
近年のプリント配線板の高密度化や、生産性向上の要求に伴い、内層の銅回路と外層の銅箔の間に、基材を用いない熱硬化性樹脂組成物単独の絶縁層を形成した、一般にビルドアップ基板と呼ばれる多層の積層板の使用が検討されている。このビルドアップ基板は、内層用の銅回路の表面に、熱硬化性樹脂組成物単独の絶縁層と、導体層とを、交互に積み上げながら製造した積層板であり、基材の厚みに制限されないため絶縁層の厚みを薄くできるという特徴や、基材を用いないためレーザーで穴あけが可能となり、穴あけの生産性が高いという特徴があり、増加しつつある。
【0005】
このビルドアップ基板の絶縁層を形成する方法としては、液状の熱硬化性樹脂組成物を内層用の銅回路の表面に塗布した後、硬化させて形成する方法が一般に行われている。しかし、この方法の場合、熱硬化性樹脂組成物が液状のため流動して絶縁層の厚みのばらつきが発生しやすいという問題や、絶縁層中に気泡が形成されやすいという問題があった。そのため、熱硬化性樹脂組成物の接着シートを内層用の銅回路の表面に重ねた後、圧着して絶縁層を形成する方法が検討されている。
【0006】
なお、エポキシ樹脂を用いた熱硬化性樹脂組成物は、一般に脆く、実用的な接着シートを形成することが困難なため、スチレン−ブタジエン共重合体等のエラストマーを配合することにより柔構造としたエポキシ樹脂組成物を用いて、シート状に形成することが検討されている。しかしこのエラストマーを配合したエポキシ樹脂組成物を用いた場合、得られる積層板の耐熱性が低いという問題や、ガラス転移温度が低いという問題があった。
【0007】
そのため、接着シートを形成することが可能であり、かつ、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板が得られるエポキシ樹脂組成物が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を改善するために成されたもので、その目的とするところは、接着シートを形成することが可能であり、かつ、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板が得られるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
また、積層板製造用の接着シートであって、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板が得られる接着シートを提供することにある。また、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
数平均分子量が10000〜30000のポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化合物を反応開始剤の存在下で再分配反応させて、数平均分子量が用いたポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量の3〜70%になるように反応させた変成フェノール生成物、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤及びエラストマーを含有し、当該エラストマーが、SBR、SBS、SEBS及びSISからなる群の中から選ばれた少なくとも1種であり、変成フェノール生成物、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤の合計100重量部に対して、5〜50重量部含有することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に係るエポキシ樹脂組成物は、請求項1記載のエポキシ樹脂組成物において、変成フェノール生成物の数平均分子量が、1000〜3000であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項に係る接着シートは、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を、シート状に形成してなる。
【0016】
本発明の請求項に係る接着シートは、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の層を、金属箔の一方の面に形成してなる。
【0017】
本発明の請求項に係る積層板は、請求項又は請求項記載の接着シートを、表面に導体回路を有する基板の、その表面の導体回路と接着してなる。
【0018】
本発明によると、上記変成フェノール生成物の末端に有するフェノール性水酸基がエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して強固に架橋するため、硬化反応させた樹脂の硬化物は、ポリフェニレンエーテル樹脂に有する剛直な構造の一部を適度に引き継ぎ、耐熱性が高くなると共にガラス転移温度が高くなると考えられる。また、この変成フェノール生成物は、エラストマーを配合することによりエポキシ樹脂組成物を柔構造とし、シート状に形成することを可能とする効果を妨げないため、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板が得られるエポキシ樹脂組成物であると共に、接着シートを形成することが可能なエポキシ樹脂組成物となると考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1又は請求項2に係るエポキシ樹脂組成物は、数平均分子量が10000〜30000のポリフェニレンエーテル樹脂(以下、PPEと記す)とフェノール性化合物を反応開始剤の存在下で再分配反応させて、数平均分子量が用いたPPEの数平均分子量の3〜70%になるように反応させた変成フェノール生成物、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤及びエラストマーとを、少なくとも含有し、当該エラストマーが、SBR、SBS、SEBS及びSISからなる群の中から選ばれた少なくとも1種であり、変成フェノール生成物、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤の合計100重量部に対して、5〜50重量部含有するエポキシ樹脂組成物である。
【0020】
変成フェノール生成物の製造に用いられるPPEは、別名ポリフェニレンオキサイド樹脂とも呼ばれる樹脂であり、その一例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)が挙げられる。このようなPPEは、例えば、USP4059568号明細書に開示されている方法で合成することができる。
【0021】
変成フェノール生成物の製造に用いられるフェノール性化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノ−ルノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。なお、フェノール性水酸基を分子内に2個以上有するフェノール類を用いると好ましい。このフェノール類のフェノール性水酸基数の上限は特に限定するものではないが、分子内に30個以下のものが一般に用いられる。なお、フェノール性化合物の量は、PPE100重量部に対して1〜20重量部が適量である。
【0022】
変成フェノール生成物の製造に用いられる反応開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシへキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどの過酸化物があげられる。また過酸化物ではないが、市販の反応開始剤である日本油脂株式会社製の商品名「ビスクミル」(1分半減温度330℃)を使用することもできる。なお、過酸化ベンゾイルを用いると、反応性が優れ好ましい。なお、反応開始剤の量は、PPE100重量部に対して1〜20重量部が適量である。
【0023】
そして変成フェノール生成物を製造する場合には、Journal of organic chemistry,34,297〜303(1968)に記載されているような方法で、PPEを再分配反応させて、用いたPPEの数平均分子量より低分子量の変成フェノール生成物を製造する。なお具体的には、有機溶媒中で、上記のPPEとフェノール性化合物と反応開始剤を撹拌しながら、80〜120℃で10〜150分程度加熱して行う。このとき用いる有機溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。
【0024】
反応開始剤の存在下で数平均分子量が10000〜30000のPPEとフェノール性化合物を反応させると、先ずPPEがラジカル化されると考えられ、直鎖が切断される再分配反応が進行してPPEが低分子量化し、この低分子量化したPPEでフェノール性化合物が変成される。
【0025】
そして得られる変成フェノール生成物の構造は、低分子化したPPEの一方又は両方の末端部にフェノール性化合物が結合して、PPEの一方又は両末端にフェノール性水酸基を有する構造となると考えられる。そのため、この末端のフェノール性水酸基がエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して強固に架橋し、硬化反応させた樹脂の硬化物は、PPEに有する剛直な構造の一部を適度に引き継ぎ、耐熱性が高くなると共にガラス転移温度が高くなると考えられる。
【0026】
なお、再分配反応して得られる変成フェノール生成物の数平均分子量は、用いたPPEの数平均分子量の3〜70%の数平均分子量であることが重要である。70%を越える場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなって得られる接着シートの内部に気泡が発生し、耐熱性が低下する場合があり、3%未満の場合、得られる積層板の耐熱性やガラス転移温度が低下する場合がある。なお、数平均分子量が1000〜3000の場合、得られる積層板の耐熱性やガラス転移温度が特に優れ好ましい。なお、得ようとする変成フェノール生成物の数平均分子量の調整は、反応開始剤の量を増やすと数平均分子量が低下するため、反応開始剤の量で調整すると調整しやすく好ましい。
【0027】
なお、用いたPPEが複数の数平均分子量のPPEの混合物の場合には、その混合物の平均値に対して、3〜70%の数平均分子量となるように反応させる。
【0028】
エポキシ樹脂組成物に含有するエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルS型エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、及びこれらの樹脂をハロゲン化したエポキシ樹脂等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。なお、1分子中にエポキシ基を1個有するエポキシ樹脂を併用することもできる。
【0029】
エポキシ樹脂組成物に含有するエポキシ樹脂の硬化剤としては、例えばジシアンジアミド、脂肪族ポリアミド等のアミド系硬化剤や、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン系硬化剤や、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p−キシレン−ノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤や、酸無水物類等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
【0030】
なお、エポキシ樹脂組成物には硬化反応を促進するために、硬化促進剤の添加が現実的である。含有することができる硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
【0031】
エポキシ樹脂組成物に含有するエラストマーとしては、例えばSBR(スチレン−ブタジエンラバー)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS(スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン共重合体)等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
【0032】
なお、上記変成フェノール生成物は、エラストマーを配合することによりエポキシ樹脂組成物を柔構造とし、シート状に形成することを可能とする効果を妨げないため、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板が得られるエポキシ樹脂組成物であると共に、接着シートを形成することが可能なエポキシ樹脂組成物となる。
【0033】
なお、このエラストマーの配合量としては、上記変成フェノール生成物、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤の合計100重量部に対して、5〜50重量部含有すると好ましい。5重量部未満の場合は、熱硬化性樹脂組成物を柔構造とする効果が小さく、接着シートを形成することが困難となる。また、50重量部を越える場合は、得られる積層板の耐熱性が低下する場合がある。
【0034】
なお、エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填材や、溶剤等を含有することができる。含有することができる無機充填材としては、二酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミック等の、誘電率が100以上の無機充填材や、シリカ粉体、ガラス繊維、タルク等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。また、含有することができる溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、ケトン、アルコール類等の有機系溶媒が挙げられる。
【0035】
得られたエポキシ樹脂組成物を、シート状に形成して接着シートを製造する。このシート状に形成する方法としては特に限定するものではなく、例えばポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の、エポキシ樹脂組成物に溶解しないシートに、エポキシ樹脂組成物を5〜700μmの厚みに塗布した後、乾燥し、次いでシートを剥離して製造する一般にキャステング法と呼ばれる方法で形成したり、固体状のエポキシ樹脂組成物を熱溶融して押出成形によりシート状に形成して製造する。なお、シートに塗布して製造する方法の場合、押出成形の方法と比較すると比較的低温でより容易にシー卜を作ることができ好ましい。なお、エポキシ樹脂組成物を塗布するシートは、離型剤で表面処理したシートを用いると剥離が容易になるため生産性が優れ好ましい。
【0036】
また、得られたエポキシ樹脂組成物を金属箔の一方の面に塗布した後、乾燥させて、エポキシ樹脂組成物の層を金属箔の一方の面に形成した接着シートを形成してもよい。この接着シートを用いた場合、得られる積層板の金属箔と絶縁層の間に気泡が生ずることが少ないため、電気信頼性が優れた積層板が得られ好ましい。なお、金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が使用され、厚みとしては、0.012〜0.070mmのものが一般的に使用される。
【0037】
また、上記接着シートを、表面に導体回路を有する基板の、その表面の導体回路と接着して積層板を製造する。この接着する方法としては、エポキシ樹脂組成物単独の接着シートの場合には、基板表面の導体回路に接着シートを重ね、更にその外側に金属箔を重ねて被圧体とし、この被圧体を加熱・加圧して積層板を製造する。金属箔としては、上記エポキシ樹脂組成物の層を金属箔の一方の面に形成した接着シートの製造に用いた金属箔と同様のものが使用される。また、エポキシ樹脂組成物の層を、金属箔の一方の面に形成した接着シートを用いて接着する場合には、接着シートのエポキシ樹脂組成物の層の側を基板表面の導体回路に重ねて被圧体とし、この被圧体を加熱・加圧して積層板を製造する。このようにして得られた積層板は、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板となる。
【0038】
この接着シートの架橋反応は、主としてエポキシ樹脂の硬化剤の反応温度に依存するため、エポキシ樹脂の硬化剤の種類に応じて加熱温度、加熱時間を選ぶとよい。なお一般には、温度150〜300℃、圧力1〜7MPa、時間10〜180分程度の条件で加熱・加圧する。
【0039】
なお、接着シートを重ねる、表面に導体回路を有する基板としては、特に限定するものではなく、例えば、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系等の熱硬化性樹脂や、これらの熱硬化性樹脂に無機充填材等を配合したものの板の片面又は両面に銅箔等が張られている板や、ガラス等の無機質繊維やポリエステル、ポリアミド、木綿等の有機質繊維のクロス、ペーパー等の基材を、上記熱硬化性樹脂等で接着し、片面又は両面に銅箔等が張られている板等を用いて、銅箔等をエッチングして導体回路を表面に形成したもの、及び、銅箔等が張られていない上記板の表面にメッキを行い、導体回路を表面に形成したもの等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
(変成フェノール生成物の調整)
数平均分子量20000のPPE[日本G.E.プラスチック株式会社製、品番640−111]、フェノール性化合物としてビスフェノ−ルA、反応開始剤として過酸化ベンゾイル及び溶剤としてトルエンを表1に示す割合(単位:重量部)で配合し、90℃で60分間攪拌しながら再分配反応させて、液状の変成フェノール生成物(A)〜(F)を得た。この変成フェノール生成物(A)〜(F)をゲル浸透クロマトグラフ[カラム構成:東ソー株式会社製、SuperHM−M(1本)+SuperHM−H(1本)]にて分子量分布を測定し、数平均分子量を求めた。その結果を表1に示す。なお、表1中、分子量比率は、用いたPPEの数平均分子量に対する、得られた変成フェノール生成物の数平均分子量の比率を表す。
【0041】
【表1】
Figure 0003570146
【0042】
(実施例1〜10、比較例1,2)
変成フェノール生成物(A)〜(F)、エポキシ樹脂としてエポキシ当量500の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂[東都化成株式会社製、商品名YDB500]、エポキシ樹脂の硬化剤としてジアミノジフェニルメタン[住友化学工業株式会社製]、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール[四国化成工業株式会社製]、エラストマーとしてSBS[旭化成株式会社製、商品名タフプレンA]又は、カルボキシル基末端のNBR[宇部興産株式会社製、商品名CTBN]を、表2に示す割合(単位:重量部)でエポキシ樹脂組成物の原料として用いた。なお表2中、変成フェノール生成物及びエポキシ樹脂の配合重量は固形分としての重量を表す。
【0043】
【表2】
Figure 0003570146
【0044】
そして、変成フェノール生成物とエラストマーを90℃で60分間攪拌した後、放置して室温まで冷却した。次いで、残る原料を配合して混合した後、溶剤としてトルエンを配合し、固形分50重量%のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0045】
次いで、実施例1〜9及び各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物を、離型剤で表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターを用いて塗布した後、160℃で6分処理し、次いでポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、厚み30μmの接着シートを得た。なお、比較例1のエポキシ樹脂組成物を用いた場合、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離するとき樹脂が破壊してしまい、実用的な接着シートは得られなかった。
【0046】
また、実施例10で得られたエポキシ樹脂組成物を、18μmの銅箔の一方の面に塗布した後、160℃で6分処理し、エポキシ樹脂組成物の層を、金属箔の一方の面に形成した接着シートを得た。
【0047】
なお得られた接着シート中の気泡の有無を目視で評価したところ、実施例1〜6、10及び比較例2〜比較例4で得られた接着シートには気泡が確認されなかったが、変成フェノール生成物の数平均分子量が、1000〜3000の範囲外である実施例7及び8で得られた接着シートには気泡が確認された。
【0048】
次いで、銅張り積層板[松下電工株式会社製、商品名R1766]の銅箔(厚み0.035mm)をエッチングして、両面に導体回路を形成した基板を得た。そしてその基板の表裏に、実施例1〜9及び比較例2〜比較例4で得られた接着シートをそれぞれ2枚づつ重ね、更にその外側に厚み18μmの銅箔を重ね、温度190℃、圧力2MPaの条件で100分加熱・加圧して両面に銅箔が接着された積層板を得た。
【0049】
また、実施例10で得られた接着シートのエポキシ樹脂組成物の層の側を基板表面の導体回路に重ねて被圧体とし、温度190℃、圧力2MPaの条件で100分加熱・加圧して両面に銅箔が接着された積層板を得た。
【0050】
(評価、結果)各実施例及び比較例2〜比較例4で得られた積層板の耐熱性を測定した。その測定方法は、JIS規格C6481に基づき、250℃で30分処理して5枚評価し、ふくれ剥がれ等の異常が観察されない場合を○とし、一部の評価試料にふくれ剥がれ等の異常が観察された場合を△とし、全ての評価試料にふくれ剥がれ等の異常が観察された場合をラとした。
【0051】
また、実施例1〜9及び比較例2〜比較例4で得られた積層板のガラス転移温度の測定の代用として、実施例1〜9及び比較例2で得られた接着シートをそれぞれ10枚重ねたものの両外側に離型紙を重ねて被圧体とし、実施例1〜9及び比較例2〜比較例4と同じ条件で加熱・加圧して得られた測定試料を用いて、ガラス転移温度を測定した。その測定方法は、JIS規格C6481のDMA法(曲げ及び引張り法)に基づき評価した。
【0052】
その結果は表2に示した通り、各実施例は、比較例2〜比較例4と比べ耐熱性及びガラス転移温度が優れることが確認された。すなわち、各実施例は、接着シートを形成することが可能であり、かつ、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板が得られることが確認されたが、各比較例は、接着シートを形成することが困難である、あるいは、得られる積層板の耐熱性やガラス転移温度が劣ることが確認された。
【0053】
【発明の効果】
本発明の請求項1及び請求項2に係るエポキシ樹脂組成物を用いると、接着シートを形成することが可能であり、かつ、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板が得られる。
【0054】
本発明の請求項及び請求項に係る接着シートを用いると、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板が得られる。
【0055】
本発明の請求項に係る積層板は、耐熱性やガラス転移温度が優れた積層板となる。

Claims (5)

  1. 数平均分子量が10000〜30000のポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化合物を反応開始剤の存在下で再分配反応させて、数平均分子量が用いたポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量の3〜70%になるように反応させた変成フェノール生成物、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤及びエラストマーを含有し、当該エラストマーが、SBR、SBS、SEBS及びSISからなる群の中から選ばれた少なくとも1種であり、変成フェノール生成物、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤の合計100重量部に対して、5〜50重量部含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 変成フェノール生成物の数平均分子量が、1000〜3000であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2記載のエポキシ樹脂組成物を、シート状に形成してなる接着シート。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の層を、金属箔の一方の面に形成してなる金属箔付き接着シート。
  5. 請求項又は請求項記載の接着シートを、表面に導体回路を有する基板の、その表面の導体回路と接着してなる積層板。
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