JP3569169B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極材料を改良した非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、普及の著しい携帯型の情報端末の開発にともない、その電源として非水電解液二次電池であるリチウムイオン二次電池の研究開発が活発に行われている。この様な非水電解液二次電池の正極材料としては、主にLiCo2O4が用いられてきた。しかし、原料のCoは高価でかつ地下埋蔵量も少ないことから、これに代る材料として、安価でかつ地下埋蔵量も豊富なMnを原料に用いたリチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)の研究開発が盛んに行われている。
【0003】
しかしながら従来のリチウムマンガン酸化物を正極材料に用いた非水電解質二次電池は、充放電のサイクルを繰り返した場合に急速に容量が低下する問題(サイクル容量低下)があり、特に実用上の温度範囲である室温を越える温度では温度上昇と共にサイクル容量低下が著しく、これまで広く普及することがなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、室温を越える温度でもサイクル容量低下が少ないリチウムマンガン酸化物を正極材料として用いた実用的な非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、リチウムマンガン酸化物を正極材料として含む正極、セパレータ、及び負極からなる電極群と、非水電解質とを具備した非水電解質二次電池において、前記リチウムマンガン酸化物は、スピネル構造を有し、組成式Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4(但し、Mは1価から4価の陽イオンとなり得るマグネシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル、コバルト、銅のいずれか一種類以上の元素を表し、AはO2−と価数の異なる陰イオンとなり得る酸素以外の元素を表し、またx,yは組成比を表し、xは−0.05以上0.1以下、yは0以上0.25以下の範囲である。)で表されるリチウムマンガン酸化物であり、前記正極材料は、前記正極材料の立方晶Fd3mで帰属した格子定数a0(オングストローム)と指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の強度比R=I(400)/I(311)を下記(式1)に代入したβの値が7≦β≦10であることを特徴とする非水電解質二次電池である。
β = 537.6×(a 0 −8.398)×(R 2 −2.1616×R + 1.0955) ・・・・(式1)
【0006】
本発明者らの研究によると、高温度下におけるサイクル容量低下の原因は主に正極のリチウムマンガン酸化物の結晶構造中におけるマンガン原子の不安定性に起因し、充放電に伴うリチウムイオンの挿入脱離に伴ってマンガン原子が本来あるべき結晶構造中の位置から動くため徐々に結晶構造が破壊されることが推定される。
【0007】
そこで本発明においては、結晶構造中のマンガン原子の安定性を高めて高温度下のサイクル容量劣化を改善するために、格子定数と指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の強度比R=I(400)/I(311)とがある特定の条件を満たすリチウムマンガン酸化物を用いるものである。
【0008】
格子定数は、リチウムマンガン酸化物の結晶構造の骨格となる酸素原子相互の距離に主に依存し、酸素原子間の距離が小さくなると格子定数も小さくなる。そして酸素原子相互の距離を縮めると酸素原子が形作る正八面体の中央に位置するマンガン原子と酸素原子の結びつきがより強くなるために安定性が増し、その結果として高温でのサイクル容量低下が改善される。しかしながら酸素原子の間隔が狭くなりすぎる、すなわち格子定数が小さくなりすぎると今度は逆にリチウムイオン挿入脱離を阻害して容量の低下を招くために好ましくない。そこで酸素原子の間隔、すなわち格子定数にはある最適値が存在するが、その最適値は前記強度比Rと密接に関係し、本発明者らの実験に基いて(式1)で示されるβの値がβ≧6となる場合であることが明らかになった。
【0009】
また強度比Rは、リチウムマンガン酸化物の結晶構造中のリチウム原子とマンガン原子の占める位置に主に依存し、立方晶Fd3mで示されるリチウムマンガン酸化物中において、リチウム原子とマンガン原子は理想的にはそれぞれ8aサイトと16dサイトを占める。しかし合成の過程で容易に一部のリチウム原子とマンガン原子がその位置を交換してしまい、このことがマンガン原子の安定性を低下させている。ここに述べたリチウム原子とマンガン原子のサイトの交換は、強度比Rに強く反映され、リチウム原子とマンガン原子のサイトの交換が起こるとこの強度比は小さくなる。従って強度比Rは大きいことが好ましい。しかしながらX線回折の強度比は結晶構造のいくつかの要因を同時に反映し、必ずしもリチウム原子とマンガン原子の占める位置のみを反映するわけではないため、強度比Rが大きくなりすぎた場合には、かえってリチウム原子とマンガン原子の位置以外の結晶構造の乱れを示し、容量低下を招くことになる。その強度比Rの最適値は前述のように格子定数と密接に関係し、本発明者らの実験に基いて(式1)で示されるβの値がβ≧6となる場合であることが明らかになった。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に関わる非水電解質二次電池(例えばボタン型非水電解質二次電池)を図1を参照して詳細に説明する。
【0011】
例えば非水電解質二次電池1は正極材料層2と正極集電体3からなる正極と、セパレータ4と、負極材料層5と負極集電体6からなる負極と、電池蓋7、電池缶8、ガスケット9からなり、さらに内部に電解液を含んでいる。正極材料層2は例えば正極材料と、導電剤、結着剤の混合体からなり、正極集電体3に圧着されている。正極集電体3は例えばステンレス製の多孔質構造体で、電池缶8に溶接されている。負極材料層5は例えばリチウム金属からなり負極集電体6に圧着されている。負極集電体6は例えばニッケル製の多孔質構造体で、電池蓋7に圧着されている。正極材料層2と負極材料層5は電解液を含んだセパレータ4を介して対向している。例えばステンレスからなる電池蓋7と電池缶8はそれぞれ負極端子、正極端子を兼ねている。そして、電池蓋7と電池缶8はガスケット9と共にかしめて封口されている。
【0012】
但し、本発明に係る非水電解質電池の形状は上記の形状に限定されるものではなく、ボタン型の他に角型、円筒型、薄板型など必要に応じた形状であってよい。
【0013】
次に本発明に係る正極、セパレータ、負極及び非水電解質について詳しく説明する。
(正極)
本発明の非水電解質二次電池は特に、正極材料として立方晶Fd3mで帰属した格子定数ao(オングストローム)と、指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比が(式1)に代入された場合のβの値がβ≧6である特定のリチウムマンガン酸化物を用いるものである。
【0014】
本発明において、上記式(1)で示されるβの値は12≧β≧6であることが望ましく、さらに望ましくは10≧β≧7である。βの値が6未満であると室温を越える温度でサイクル容量低下が進み、βの値が大きすぎると放電容量低下の恐れがある。
【0015】
本発明に係るリチウムマンガン酸化物は、スピネル構造を有し、組成式Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4(但し、Mは1価から4価の陽イオンとなりうるMn以外の一種類以上の元素を表し、AはO2−と価数の異なる陰イオンとなり得る酸素以外の元素を表し、またx、yは組成比を表す。)で表されるリチウムマンガン酸化物であることが、容量向上及びサイクル容量の低下防止のためには望ましい。
【0016】
上記組成式において、元素Mはマグネシウム、アルミニウム、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、リン、イオウ、銅などが挙げられる。特にマグネシウム、アルミニウム、コバルト、鉄は毒性が低くかつ安価であるため望ましい。
【0017】
また、元素Aはフッ素や窒素であることが望ましく、特にフッ素は電池のレート特性が向上するため望ましい。元素Aの置換量は元素Aと酸素Oの原子比A/Oが0.1以下(0を含む)であることが望ましい。
【0018】
また、xは−0.05以上0.1以下、Yは0以上0.25以下の範囲であることが容量の向上及びサイクル容量の低下防止のために望ましい。
【0019】
また一般に、例えば電気自動車等に搭載される大型電池のように、大電流を流した場合にも電圧降下が少なくかつ十分な充放電容量が要求される場合、正極材料の比表面積が大きなことが有利とされている。その理由は充放電における正極材料と電解質との間のリチウムイオンの移動は正極材料の比表面積を大きくして電解液との接触面積が大きいほど容易だからである。しかしながら、比表面積を大きくすると高温においては正極材料と電解質が反応して不活性層を形成し、高温におけるサイクル容量の低下を早める結果となり、高温におけるサイクル寿命特性と大電流放電特性を両立させることは困難であった。
【0020】
しかしながら、本発明に係るリチウムマンガン酸化物を用いると比表面積に関わらず高温におけるサイクル容量の低下が少ないため、比表面積を大きくし高温におけるサイクル寿命特性と大電流特性の向上を同時に達成することが可能である。
(正極材料の合成)
本発明に係るリチウムマンガン酸化物を合成するためのリチウム原料には、一般的なリチウム化合物、例えば炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムを用いることができる。なかでも、低融点でマンガン原料との反応性の高い水酸化リチウム、硝酸リチウムが好ましい。また、マンガン原料も一般的なマンガン化合物を用いることができ、例えば炭酸マンガン、二酸化マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガンなどを用いることができる。
【0021】
合成方法も、一般的な合成方法でよい。例えば、固体−固体反応、含浸融液法、スプレードライ、噴霧熱分解、フリーズドライ、水熱合成などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
【0022】
本発明では、立方晶Fd3mで帰属した格子定数ao(オングストローム)と、指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比が式1に代入された場合にある一定の条件を満たす必要がある。そのためには、格子定数と回折線の強度比を制御する必要があるが、その制御方法について述べる。
【0023】
先ず、格子定数の制御方法には、格子定数がマンガンのイオン半径に依存することに着目して、結晶中に存在するマンガンイオンの平均価数を制御する。
【0024】
先ず、合成時の雰囲気を制御してマンガンの平均価数を制御する方法がある。例えば、酸化力の異なる酸素や大気、水素、一酸化炭素、二酸化炭素などの気体、不活性な窒素、アルゴンなどの単体またはそれらのいくつかを適当な比率で混合した気体を焼成炉の内部に充填することにより、マンガンの平均価数を制御することが可能である。なかでも、酸素の単体、酸素と大気の混合気体を用いることが、製造コスト的に望ましい。
【0025】
また、焼成温度を変えることによりマンガンの平均価数を制御する方法もある。たとえば大気中で焼成した場合、比較的低温ではマンガンの平均価数は大きく、逆に比較的高温ではマンガンの平均価数は小さい。しかし、あまりに低温であると結晶性が悪く得られたマンガン酸化物の放電容量が小さくなり、また温度が高過ぎると相転位を起こすため500℃以上1000℃以下が望ましい。とくに、700℃以上1000℃以下の温度で焼成することが、容量の点でより望ましい。
【0026】
さらに、原料となるリチウム化合物、マンガン化合物に酸化力の強い化合物と還元力の強い化合物を用い、これらを適当な比率で混ぜる方法もある。例としては、原料に酢酸マンガンを用いるとマンガンは還元されて平均価数がちいさくなって格子定数は大きくなり、その逆に原料に硝酸マンガンを用いるマンガンは酸化されて平均価数が大きくなって格子定数は小さくなる。
【0027】
その他、マンガンの一部を他の元素で置き換えることにより、マンガンの平均価数を制御する方法などもある。マンガンの一部を置き換える元素としてはリチウム、マグネシウム、アルミニウム、クロム、鉄、ニッケル、コバルトなどが挙げられるが、もちろんこれ以外の元素であってもよい。
【0028】
さらに、マンガンを過剰にして、酸化物中のリチウムとマンガンの比Li/Mnを0.5以下にすることも有効である。
【0029】
また、さらに、陰イオンである酸素の一部を価数の異なる他の陰イオンで置き換える方法もある。酸素を置き換える陰イオンとしては、例えばフッ素イオンや窒素イオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。しかしながら、レート特性の点ではフッ素イオンが望ましい。
【0030】
格子定数の制御には、上述した方法を単独で実行してもよいし、またはそのうちのいくつか組み合わせて格子定数の制御を行ってもよい。
【0031】
また、指数(400)と(311)で表されるX線回折線の強度比R=I(400)/I(311)は、リチウム、マンガンなどの原料の組成や形態に依存する。また、合成方法にも依存する。さらに、加熱温度、加熱の持続時間、冷却速度、加熱時の雰囲気などの合成条件にも依存する。例えば、後述する本発明の実施例においては、600℃ないしそれ以上の温度まで加熱した後室温まで急冷し、それを大気中700℃以上780℃未満あるいは酸素気流中800℃以上900℃未満のある一定温度で5時間以上再加熱する方法で強度比R=I(400)/I(311)を制御して、(式1)のβの値を6以上12以下、さらに望ましくは7以上10以下にした。また例えば、後述する本発明の実施例においては、500℃未満のある一定温度で2時間以上加熱した後、700℃以上のある一定温度で5時間以上加熱してから500℃まで30時間以上かけて冷却することにより強度比R=I(400)/I(311)を制御して、方程式1のβの値を6以上12以下、さらに望ましくは7以上10以下にした。
【0032】
以上に格子定数と強度比R=I(400)/I(311)の制御の方法を述べたが、これから明らかなように格子定数と強度比の制御方法は必ずしも独立したものではない。例えば加熱の温度、雰囲気は格子定数にも、強度比にも影響を与えるし、例えば合成原料の組成も同様である。従って、以上で述べた方法を無作為に組み合わせるのではなく、程式1のβの値を6以上12以下、さらに望ましくは7以上10以下に制御するために適した方法を組み合わせることが必要である。
(正極の構成)
この非水電解質電池の正極は、前記正極材料、導電材および結着剤を混合し、集電体に圧着することにより作成される。または、前記正極材料、導電材および結着剤を適当な溶媒に懸濁させ、この懸濁物を集電体に塗布、乾燥することにより作成してもよい。
【0033】
前記導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
【0034】
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。
【0035】
前記正極材料、導電材および結着剤の配合割合は、正極材料80〜95重量%、導電材3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
前記集電体としては、例えばアルミニウム、ステンレス、ニッケル等の多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。
(セパレータ)
前記セパレータとしては、例えば合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム等を用いることができる。
(負極)
負極の負極材料としては、リチウム金属を用いることができる。
【0036】
また、負極材料としては、リチウム金属の他に、リチウム金属を含みリチウムをドープ及び脱ドープ可能な、合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、カルコゲン化合物、およびリチウムをドープ及び脱ドープ可能な炭素材料が挙げられる。特にリチウムをドープかつ脱ドープ可能な、炭素材料あるいはカルコゲン化合物を含む負極は、安全性が高く、サイクル寿命も高いため望ましい。
【0037】
前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素材料としては、たとえば、コークス、炭素繊維、熱分解気相炭素物、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系炭素繊維又はメソフェーズピッチ球状カーボンが電極容量が高くなるため望ましい。
【0038】
前記リチウムをドープ及び脱ドープ可能なカルコゲン化合物としては、二硫化チタン、二硫化モリブデン、セレン化ニオブ、酸化スズ等を挙げることができる。
このようなカルコゲン化合物を負極に用いると電池電圧は低下するものの前記負極の容量が増加するため、前記二次電池の容量が向上される。
【0039】
負極は、前記負極材料と結着剤とを溶媒の存在下で混練し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥したものを用いることができる。
【0040】
この場合、結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。さらに、前記負極材料、導電材および結着剤の配合割合は、負極材料90〜98重量%、、結着剤2〜10重量%の範囲にすることが好ましい。また、前記集電体としては、例えばアルミニウム、ステンレス、ニッケル等の導電性基板を用いることができる。
(非水電解質)
前記非水電解質は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される液体状非水電解液、高分子材料に前記非水溶媒と前記電解質を含有した高分子ゲル状非水電解質、前記電解質を主成分とする高分子固体非水電解質、リチウムイオン伝導性を有する無機固体非水電解質等が挙げられる。
【0041】
前記液体状非水電解液における非水溶媒としては、例えば、環状カーボネートや、鎖状カーボネート(例えば、エチレンカーボネート、プロピエンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等)、環状エーテルや鎖状エーテル(例えば、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン等)、環状エステルや鎖状エステル(例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロビオン酸エチル、プロピオン酸プロピル等)から選ばれる単独ないし2〜5種の混合溶媒が用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0042】
前記非水電解液に含まれる電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO2)2]などのリチウム塩が挙げられる。かかる電解質としては、これから選ばれる1種または2〜3種のリチウム塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.0モル/リットルとすることが望ましい。
【0044】
また、高分子ゲル状非水電解質としては前記非水溶媒と、前記電解質を高分子材料に溶解しゲル状にしたもので、高分子材料としてはポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキシド(PECO)等の単量体の重合体または他の単量体との共重合体が挙げられる。
【0045】
高分子固体非水電解質としては、前記電解質を高分子材料に溶解し、固体化したものである。高分子材料としてはポリアクルリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド(PEO)等の単量体の重合体または他の単量体の共重合体が挙げられる。また、無機固体非水電解質としてはリチウムを含有したセラミック材料が挙げられる。なかでもLi3N、Li3PO4−Li2S−SiSガラス等が挙げられる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明について説明する。
(実施例1)
以下の方法で正極材料を得た。原料の硝酸リチウム、硝酸アルミニウム、二酸化マンガンを、リチウム、アルミニウム、マンガンのモル比が1.07:0.10:1.83:となるように混合し、大気中において250℃で20時間加熱し、続いて750℃で50時間加熱し、その後500℃まで30時間かけて冷却し、最後に室温まで徐冷した。取り出した試料を粉砕し、さらに大気中、800℃で72時間加熱した後、室温まで徐冷しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4を得た。
【0047】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定した。本発明におけるX線回折線の測定条件について述べる。X線源にはCu−Kα1(波長1.54056オングストローム)を用いた。管電圧50kV、管電圧300mA、発散スリット0.5°、散乱スリット0.5°、受光スリット0.15mmで、さらにモノクロメータを使用した。測定は走査ステップ0.02°、走査速度4°/分であった。リチウムマンガン酸化物の格子定数を求めるためには、格子定数既知のSi(格子定数5.43088オングストローム)と混合し、このSiを内部標準試料とした。
【0048】
前記リチウムマンガン酸化物の立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得、上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、7.30であった。
【0049】
このリチウムマンガン酸化物を正極材料として、図1に示す非水電解液二次電池を作成した。正極、負極、セパレータ4、及び非水電解質として以下に示すものを用いた。
【0050】
前記電池の正極は、前記正極材料80重量%と、導電材であるアセチレンブラックを17重量%、そして結着剤としてテフロンを3重量%の割合で混合してえた正極材料層2を作製し、これをあらかじめ電池缶8に溶接されたステンレス製ネットからなる正極集電体3に圧着して作製した。
【0051】
前記電池の負極は、あらかじめ電池蓋7に溶接したニッケル製ネットからなる負極集電体6にリチウム金属からなる負極材料層5を圧着して作製した。
【0052】
前記電池の非水電解質として、エチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとを2:1の割合で混合し、これにLiPF6を1モル/リットルの割合で溶解させた液状非水電解液を用いた。
【0053】
電池缶8、前記正極、前記セパレータ4、前記負極、電池蓋7をそれぞれこの順序で積層した後、前記電解液を注液し、ガスケットとともにかしめて封口して前述した図1に示す円筒型非水電解質二次電池を組み立てた。
【0054】
このようにして作成した電池を、まず20℃で3サイクルの充放電を行い容量の確認を行った。次に60℃における充放電サイクル試験を行った。すなわち、60℃の環境下で充放電サイクルを30サイクル行った。その時の充放電条件は以下の通りである。すなわち、1mA/cm2で4.3Vまで充電した後、30分間回路を開け、次に1mA/cm2で3.5Vまで放電を行い、その後30分間回路を開け、これを1サイクルとした。そして、1サイクル目の放電容量を100とした、30サイクル目の放電容量を測定した。これを容量維持率として表1に記載する。
(実施例2)
以下の方法で正極材料を得た。原料の硝酸リチウム、硝酸コバルト、二酸化マンガンをリチウム、コバルト、マンガンのモル比が1.06:0.11:1.84となるように混合し、大気中において250℃で20時間加熱し、続いて750℃で50時間加熱した後、室温まで徐冷した。取り出した試料を粉砕し、さらに大気中、800℃で72時間加熱し、その後500℃まで30時間かけて冷却し、最後に室温まで徐冷しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0055】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、7.28であった。
【0056】
この試料を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液二次電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
(実施例3)
以下の方法で正極材料を得た。原料の硝酸リチウム、硝酸アルミニウム、硝酸マンガンをリチウム、アルミニウム、マンガンのモル比が0.98:0.21:1.81となるように秤量し、これを水に溶解させた。この水溶液を電気炉で加熱し600℃に達した時点で電気炉から取り出し急冷した。これを大気中、750℃で10時間加熱しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0057】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、7.15であった。
【0058】
このリチウムマンガン酸化物を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液二次電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
(実施例4)
以下の方法で正極材料を得た。水酸化リチウム、二酸化マンガンを、リチウムとマンガンのモル比が0.98:2.02となるように混合した。これを大気中において、475℃で20時間加熱し、つづいて750℃で20時間加熱し、さらに500℃まで50時間かけて冷却した後、室温まで徐冷しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0059】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、6.71であった。
【0060】
この試料を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液二次電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
(実施例5)
以下の方法で正極材料を得た。水酸化リチウム、二酸化マンガンを、リチウムとマンガンがモル比0.98:2.02となるように混合した。これを大気中において、475℃で20時間加熱し、つづいて750℃で20時間加熱し、さらに500℃まで50時間かけて冷却した後、室温まで徐冷した。これを粉砕混合した後、大気中において800℃で72時間加熱しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0061】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、6.64であった。
【0062】
このリチウムマンガン酸化物を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液二次電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
(実施例6)
以下の方法で正極材料を得た。原料の硝酸リチウム、硝酸アルミニウム、硝酸マンガンを、リチウム、アルミニウム、マンガンのモル比が0.98:0.21:1.81となるように秤量し、これを水1に溶解させた。この水溶液を電気炉で加熱していき600℃に達した時点で電気炉から取り出すことにより急冷した。これを酸素気流中、800℃で80時間加熱しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0063】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、6.45であった。
【0064】
この試料を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液二次電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
(比較例1)
以下の方法で正極材料を得た。原料の水酸化リチウム、硝酸コバルト、二酸化マンガンをリチウム、マンガン、アルミニウムのモル比が1.05:0.10:1.85となるように秤量し、この混合物を大気中、750℃で20時間加熱し、リチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0065】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、5.87であった。
【0066】
このリチウムマンガン酸化物を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
(比較例2)
以下の方法で正極材料を得た。水酸化リチウム、二酸化マンガンを、リチウムとマンガンがモル比0.98:2.02となるように混合し、ついで1cm2あたり5tonの荷重をかけてペレットを作成した。これを酸素気流中において、475℃で5時間加熱し、つづいて1000℃で20時間加熱し、さらに750℃まで温度を下げて12時間加熱しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0067】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、4.99であった。
【0068】
この試料を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液二次電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を表1に記載する。
(比較例3)
以下の方法で正極材料を得た。比較例として、水酸化リチウムと炭酸マンガンを、リチウムとマンガンがモル比1.00:2.00となるように混合し、この混合物を酸素気流中、475℃で5時間加熱し、さらに750℃で12時間加熱しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0069】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、4.66であった。
【0070】
このリチウムマンガン酸化物を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
(比較例4)
以下の方法正極材料を得た。原料の硝酸リチウム、酢酸マンガンを、リチウム、マンガンがモル比1.02:1.98となるように秤量し、これを水1リットルに対して1.6モルの割合で溶解させた。この水溶液を200℃の炉の内部に毎時2.5kgの割合で噴霧した。得られた粉末を大気中、800℃で72時間加熱しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0071】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、4.10であった。
【0072】
この試料を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
(比較例5)
以下の方法で正極材料を得た。水酸化リチウム、二酸化マンガンを、リチウムとマンガンがモル比0.98:2.02となるように混合し、これを粉末のまま酸素気流中において、475℃で5時間加熱し、つづいて1000℃で20時間加熱し、さらに750℃まで温度を下げて12時間加熱しリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)を得た。
【0073】
このリチウムマンガン酸化物のX線回折線を測定し、その立方晶Fd3mで帰属した格子定数aoと指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の比R=I(400)/I(311)を得た。上記格子定数aoとRを(式1)に代入したβは、2.95であった。
【0074】
この試料を正極材料としたことを除くと他は実施例1と同様の方法で非水電解液二次電池を作成して、60℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
(比較例6)
比較例3と同じ正極材料を用い実施例1と同様の方法で非水電解液電池を作成した。充放電サイクル試験において実施例1とは温度を変えて、20℃における充放電サイクル試験を行った。結果を容量維持率として表1に記載する。
【0075】
各実施例及び比較例のリチウムマンガン酸化物(Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4)のLi、M、Mnの組成比x、y及びz、ao、R、β、試験温度、容量維持率及びBET比表面積を記載する。
【表1】
表1から明らかなように、(式1)のβ値が6以上のリチウムマンガン酸化物を正極材料に用いた実施例1から実施例6の場合には、60℃でのサイクル容量低下が非常に小さいことが分かる。
【0076】
これに対し、(式1)のβ値が6未満のリチウムマンガン酸化物を正極材料に用いた場合、比較例1から比較例5に示すように60℃でのサイクル容量低下が非常に大きいことがわかる。
【0077】
比較例3と比較例6では、同一のリチウムマンガン酸化物を正極材料に用い、それぞれ60℃と20℃で充放電サイクルを繰り返した場合を示している。前記リチウムマンガン酸化物は、(式1)のβ値が6未満であるため、20℃ではサイクル容量低下が小さくても、60℃でのサイクル容量低下が著しい。これは、サイクル容量維持の観点から、(式1)のβ値が6未満であるリチウムマンガン酸化物が温度上昇に対して非常に弱いことを示している。それに引きかえ、60℃で実験を行った実施例1から実施例6のリチウムマンガン酸化物は、20℃で行った比較例5の場合と同等以上の性能を示しており、サイクル容量低下の温度依存性が極めて小さく、高温でも優れた性能を維持することを示している。
【0078】
また、実施例1〜実施例6では、比表面積が約2m2/gから8m2/gを超えるものまで、比表面積に関係なく、60℃で充放電を繰り返しても容量の低下を非常に低く抑えることが可能であることが分かる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、実用上の使用温度範囲である室温を超える温度下において充放電を繰り返しても、容量の減少の少ないリチウムマンガン酸化物を正極材料に用いた非水電解質二次電池を得ることができる。
【0080】
また、本発明のリチウムマンガン酸化物は、その比表面積に依らず上記の効果が得られるため、大電流特性に優れ、従って大電流特性に優れた二次電池が必要な用途、例えば電気自動車など、に好適な非水電解質二次電池を提供することができる。
【0081】
さらに、この電池は、安価なマンガンを原料に用いるために電池の製造コストが低く押さえられ、よって安価な非水電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非水電解液二次電池の該略図
【符号の説明】
1…非水電解質二次電池
2…正極材料層
3…正極集電体
4…セパレータ
5…負極材料層
6…負極集電体
7…電池蓋
8…電池缶
9…ガスケット
Claims (1)
- リチウムマンガン酸化物を正極材料として含む正極、セパレータ、及び負極からなる電極群と、非水電解質とを具備した非水電解質二次電池において、
前記リチウムマンガン酸化物は、スピネル構造を有し、組成式Li1+xMyMn2−x−y(O,A)4(但し、Mは1価から4価の陽イオンとなり得るマグネシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル、コバルト、銅のいずれか一種類以上の元素を表し、AはO2−と価数の異なる陰イオンとなり得る酸素以外の元素を表し、またx,yは組成比を表し、xは−0.05以上0.1以下、yは0以上0.25以下の範囲である。)で表されるリチウムマンガン酸化物であり、
前記正極材料は、前記正極材料の立方晶Fd3mで帰属した格子定数a0(オングストローム)と指数(400)と(311)の回折線の強さを表すI(400)とI(311)の強度比R=I(400)/I(311)を下記(式1)
β=537.6×(a0−8.398)×(R2−2.1616×R+1.0955) ・・・・(式1)
に代入したβの値が7≦β≦10であることを特徴とする非水電解質二次電池。
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