JP3568570B2 - 分光光度計におけるデータ取得のためのスペクトル帯のグループ化方法及び分光計測装置 - Google Patents
分光光度計におけるデータ取得のためのスペクトル帯のグループ化方法及び分光計測装置 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はスペクトル光度計に、そして特定化すればスペクトル光度計におけるデータ取得のためにスペクトル帯を系統化するための装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の光学的な分光光度計が、原子発光分光学、原子吸収分光学および天文学のような目的に使用されている。完全な装置は一般に、放射源、個々のスペクトルコンポーネントを分離し検出するための分光計、そして分光計からの情報を処理するためのデータステーションからなっている。例えば放射源は、誘導的に結合されたプラズマ、ここではサンプル内の原子核種が励起されて特性的な原子発光を放射する、内に試験サンプルを注入するための装置であってもよい。他の例としては、サンプルは黒鉛炉中で核蒸発させられ、ここではガス状のサンプルが投射されたある周波数を吸収して原子吸収線を形成する。同様に、天文学的な放射源は原始的な発光を生じさせ、そしてスペクトルグラフ的な分析のための吸収線を発する。
【0003】
一般的に分光計は、回析格子、プリズムおよびその2つの複合による放射の分散に基づいている。発光または吸収線の、正確な、そして即時的な測定の故に、電子的な検出装置が写真用のフィルムにとって代わっている。
【0004】
スペクトルを読みとるために使用されるいくつかの型の検出器が存在する。一般的な型は、1つまたはそれ以上の光電子増倍管または、放射強度に比例したリアルタイムの信号出力を提供するために増倍された自由電子を提供するために、到来した放射を受け取る装置を有している。より新しい型は、シリコンのような表面上における放射の入射に応じた電荷発生の原理を基にしている。スペクトル線の分解能(または、さらに広く言えば、像分解能)を得るために、半導体チップ上のそのような表面は、複数のピクセルエリアに分解される。ピクセルからの信号の累積および取り扱いは、ピクセルからのチップ内への電荷の移動を通して影響される。1つの型は、電荷結合素子(CCD)である。そのような検出器に関する相対的なアプローチは電荷注入素子(CID)技術である。
【0005】
固体検出器の特定の形態は、本発明の代理人の米国特許第4,820,048号(バーナード)、および米国特許第4,940,325号(ベッカーロス他)で開示されている。固体チップはその全面表面に、選択されたスペクトル線の放射および近似の背景放射に感応する光感応型ピクセルセンサーの2次元アレイを持っている。ピクセルは複数のサブアレイ、各サブアレイは少なくとも1つのピクセルからなっている、に配置されている。サブアレイは、少なくとも1つの選択されたスペクトル線の前面上の照射場所に位置決めされている。サブアレイの中のチップ上に形成される電子化コンポーネントは、スペクトル線の強度に相関する読み出し信号を発生させるように、ピクセルに動作的に接続されている。
【0006】
光電子増倍管は極めて広いダイナミックレンジ、すなわちその範囲にわたって検出が可能な放射強度の実際レンジ、を持っている。固体センサーはそのような広いレンジは持っておらず、標準的には約4桁程度の最大レンジを持っているだけである。固体センサーもまた、有限のリードアウト時間を持っており、これは、特にピクセル上の極めて強い放射からの、引き続く放射で生じる電子のスピルオーバーによる、混交(汚染)という結果をもたらす。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、スペクトル光度計における多重センサー検出器の実効ダイナミックレンジを拡大するための新しい方法と装置を提供することである。他の目的は、そのような検出器によるスペクトル光度計動作においてデータ流をいくつかのグループに系統化することによって、グループ内において同時にデータ取得ができるという改善を提供することである。さらに別の目的は、そのような検出器を持つ、そして改善された信号対雑音能力を持つスペクトル光度計動作において改善された動作効率を提供することである。さらに別の目的は、センサーリードアウト混交のないそのような検出器を持つスペクトル光度計動作を提供することである。
【0008】
【発明の構成】
本発明によると、この課題は、各センサーに対応するスペクトル帯の放射を時間積分して受光する複数のセンサーを、2次元アレイの形で有する検出器を備えた分光光度計において、各センサーについて許容される、放射の時間積分量の最大量を予め決め、所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させて、各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させ、予備データと予め定められた前記放射の時間積分量の最大量とから、許容される最大露光時間をセンサーごとに決定し、最大露光時間に応じて各センサーをグループ分けするために、最大露光時間に関して、最高値となるグループのものの最低値となるグループのものに対する比が、予め定められたレンジファクター以下となるように複数のグループを設定してグループ分けを行い、各グループにおいて、最大露光時間の該グループ内での最低値以下となるようなグループランタイムを決定し、各グループについて、各グループ内のセンサーをグループランタイムで動作させ、所望の放射源を用いて分光光度計を動作させることにより、各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す機能データを発生させることにより解決される。
【0009】
本発明は、相応するセンサーと結びついた選択されたスペクトル帯におけるスペクトル強度を表す時間積分された放射を受け取る複数のゾーンセンサーを持つ検出器を含むスペクトル光度計におけるデータ取得のためにスペクトル帯のグループ化の方法ステップを含んでいる。時間積分された放射の最大許容量は、各相応するセンサーに関して前もって決められる。スペクトル光度計は初期的に、センサーが時間積分された放射を補正するのに十分な初期時間だけ、選択された放射源で動作され、その結果選択されたスペクトル帯の全体に関する時間積分された放射を表す予備データを発生する。この予備データから、相応するセンサーに関する最大露光時間が確定され、その結果、各最大露光時間は各相応するセンサーに関する時間積分された放射の最大許容量を定める。センサーに関する最大露光時間は少なくとも1つのグループにグループ分けされ、各グループは最高の最大露光時間および最低の最大露光時間を含み、その結果、最高の最低に対する比は、所定のレンジファクターに等しいか、またはそれよりも小さい。グループのランタイムは、各グループに関して等しいか、またはグループ内の最低の最大露光時間よりも少なくなるように確立される。スペクトル光度計はさらに、関連するスペクトル帯に関するスペクトル強度を表す機能データを発生するために、各グループ毎にグループランタイムだけ動作することによって、選択された放射源と実質的に同じ放射源で動作する。
【0010】
本発明によると、この課題は、各センサーに対応するスペクトル帯の放射を時間積分して受光する複数のセンサーを、2次元アレイの形で有する検出器を備えた分光光度計において、各センサーについて許容される、放射の時間積分量の最大量を予め決め、所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させて、各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させ、予備データと予め定められた放射の時間積分量の最大量とから、許容される最大露光時間をセンサーごとに決定し、最大露光時間に応じて各センサーをグループ分けするために、最大露光時間に関して、最高値となるグループのものの最低値となるグループのものに対する比が、予め定められたレンジファクター以下となるように複数のグループを設定してグループ分けを行い、各グループにおいて、最大露光時間の該グループ内での最低値以下となるようなグループランタイムを決定し、レンジファクターに対して所定の割合となるサブファクターを求め、最大露光時間の最高値を該サブファクターで除算した値を最大グループランタイムと定め、最大露光時間の最低値以下に最小グループランタイムを定め、最大グループランタイムよりも大きな最大露光時間を持つ全てのセンサーを、最大グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当て、残りのセンサーを、最小グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当て、各グループランタイムを定める段階がさらに、最大グループランタイムと最小グループランタイムとの間に少なくとも1つのさらに別のランタイムを選択することを含み、それによって各グループランタイムの、次により短いグループランタイムへの各比がレンジファクターよりも小さくされ、そしてグループ分けの段階がさらに、グループに関する総ての最大露光時間がグループランタイムよりも長く、そして次に大きなグループランタイムよりも短いように総ての残りのスペクトル帯を割り当て、各グループについて、各グループ内のセンサーをグループランタイムで動作させ、所望の放射源を用いて分光光度計を動作させることにより、各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す機能データを発生させることを含むことにより解決される。
【0011】
本発明によると、この課題は、各センサーに対応するスペクトル帯の放射を時間積分して受光する複数のセンサーを、2次元アレイの形で有する検出器を備えた分光光度計において、スペクトル帯の放射を受光するために、各センサーを対応する照射位置に配置し、各センサーが、グループランタイムの間に放射誘導された電荷が蓄積され、続いて各センサー毎に定められたリードアウト時間の間に該電荷が読み出されることによって動作し、所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させて、各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させ、予備データに基づいて各センサーに対応するウエイトタイムを決定し、グループ内のセンサーを複数のサブグループ内に順序づけし、各サブグループ毎に分光光度計を動作させることで、所望のグループについて分光光度計を動作させ、関連したセンサーをグループランタイムの間同時に露光するようにし、当該露光を続けたまま、サブグループ内の順序づけに従って関連したセンサーを順次直ちにリードアウトするようにし、これによって各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す関連した機能データを発生させる方法において、ウェイトタイムは、所望の放射源を露光したときに各センサーでの放射の時間積分量が飽和限界よりも小さな所定レベルとなる時間であり、順序付けは、各サブグループ内での任意のセンサーのウェイトタイムが、該サブグループ内の順序で該センサーに対して先行する他の全てのセンサーのリードアウト時間の積算時間よりも短くしたことにより解決される。
【0012】
本発明によると、この課題は、感応するスペクトル帯に関係する放射を受けるためのスペクトル分散装置と、各センサーに関連するスペクトル帯におけるスペクトル強度を表す放射の時間積分量を受光するセンサーを、照射位置に複数配置した検出器と、放射の時間積分量を表す検出器からの信号データを受け取るデータステーションと、データ取得のために選択されたスペクトル帯をグループ分けするためのデータステーション内のプログラム装置とを備え、検出器が、センサーの2次元アレイを含む固体光検出器である分光計測装置であって、各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させるために、所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させるための装置を有し、予備データに基づいて各センサーに対応するウェイトタイムを決定する装置と、グループ内のセンサーを複数のサブグループ内に順序づけする装置と、各サブグループ毎に分光光度計を動作させることで、所望のグループについて分光光度計を動作させ、関連したセンサーをグループランタイムの間同時に露光するようにし、当該露光を続けたまま、サブグループ内の順序付けに従って関連したセンサーを順次直ちにリードアウトするようにし、これによって各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す関連した機能データを発生させる装置において、ウエイトタイムは、所望の放射源を露光したときに各センサーでの放射の時間積分量が飽和限界よりも小さな所定レベルとなる時間であり、順序付けは、各サブグループ内での任意のセンサーからのウェイトタイムが、該サブグループ内の順序で該センサーに対して先行する他の全てのセンサーのリードアウト時間の積算時間よりも短くしたことにより解決される。
【0013】
都合よいことに各センサーは、グループランタイムの間には放射線(の作用)で励起される電荷の蓄積によって、そしてセンサーのリードアウト時間特性の間には電荷の引き続くリードアウトによって、動作可能である。別のそのような電荷の蓄積は、別の電荷のスピルオーバーが、センサーのスピルオーバー時間特性の後に生じるように、リードアウト時間の間に生じる。そのような場合には、本方法は、別の動作段階の前に、選択されたグループにおける選択されたスペクトル帯に関する付加的な段階を含むべきである。予備データから、相応するセンサーに関するウエイトタイムが定められ、その結果各ウエイトタイムに関する選択された源からの露光が、飽和限界より小さい、時間積分された所定の放射のレベルに影響する。グループの選択されたスペクトル帯は、各サブグループ内の各連続するスペクトル帯が、サブグループ内のすべての先行したスペクトル帯からの累積されたリードアウト時間、この累積されたリードアウト時間はスペクトル帯に関するウエイトタイムよりも小さい、を持つように、少なくとも1つのサブグループ内に指示される。別の動作の段階は、各サブグループに関して分光計を動作させ、こうして関連するセンサーをグループランタイムだけ露光し、そのような露光の間に関連するセンサーをサブグループ内のスペクトル帯の順序に従って順次リードアウトすることを継続させることが含まれる。
【0014】
本発明はまた、そこからの影響するスペクトル帯に関する放射を受け取ることができるスペクトル分散装置と、相応するセンサーに関連する選択されたスペクトル帯におけるスペクトル強度を表す時間積分された放射を受け取ることができるゾーン分けされた複数のセンサーを持つ検出器と、そして時間積分された放射を表す検出器からの信号データを受け取ることができるデータステーションと、を有するスペクトル光度計装置を含んでいる。検出器は、所定領域の表面を形成する前記ゾーン分けされたセンサーの2次元アレイを含む固体光検出器であり、ゾーン分けされたセンサーが表面上の照射場所に設けられており、その結果選択されたスペクトル線を受信することができ、各センサーの領域は表面の領域よりも小さく形成されている。このデータステーションは、データ取得のための、選択されたスペクトル帯のグループ化に関するプログラム装置を含んでいる。このプログラム装置は、相応するセンサーに許容されている時間積分された放射の所定の最大量を蓄積している。この装置はさらに、すべての選択されたスペクトル帯に関して時間積分された放射を表す予備データを発生するように、時間積分された放射を集約するためにセンサーに関する十分な所定の初期時間だけスペクトル光度計を初期的に動作させる装置をも含んでいる。
【0015】
プログラム装置は、予備データから相応するセンサーに関して許容される最大露光時間を定めるための装置を含んでおり、こうして各最大露光時間は相応するセンサーに関する、時間積分された放射の最大量に影響を与える。さらに、プログラム装置はセンサーに関する最大露光を、少なくとも1つのグループにグループ分け、すなわち各グループは最高の最大露光時間および最低の最大露光時間を含んでおり、ここでは最高の、最低に対する比は前もって決められているレンジファクターに等しいか、またはそれよりも小さい、する装置と、そして各グループに関して、グループ内の最低の最大露光時間に等しいか、または普通それよりも小さい、グループランタイムを定めるための装置と、を含んでいる。さらにこの装置は、スペクトル光度計が、関連するスペクトル帯に関するスペクトル強度を表す機能的データを発生するよう、グループランタイムに関して各グループに対する別の動作のための装置を含んでいる。
【0016】
本発明によると、課題は、感応するスペクトル帯に関する放射を受けるためのスペクトル分散装置と、各センサーに関連するスペクトル帯におけるスペクトル強度を表す放射の時間積分量を受光するセンサーを、照射位置に複数配置した検出器と、放射の時間積分量を表す検出器からの信号データを受け取るデータステーションと、そしてデータ取得のために選択されたスペクトル帯をグループ分けするためのデータステーション内のプログラム装置とを備え、検出器が、センサーの2次元アレイを含む固体光検出器であり、プログラム装置が、各センサーに対して許容される放射の時間積分量について予め定められた最大量を含んでいる分光計測装置において、各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させるために、所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させるための装置を有し、プログラム装置は、予備データと予め定められた放射の時間積分量の最大量とから、許容される最大露光時間をセンサーごとに決定する装置と、最大露光時間に応じて各センサーをグループ分けするために、最大露光時間に関して、最高値となるグループのものの最低値となるグループのものに対する比が、予め定められたレンジファクター以下となるように複数のグループを設定してグループ分けを行う装置と、各グループにおいて、最大露光時間の該グループ内での最低値以下となるようなグループランタイムを決定する装置とを含み、各グループについて、各グループ内のセンサーをグループランタイムで動作させ、所望の放射源を用いて分光光度計を動作させることにより解決される。
【0017】
本発明によると、課題は、感応するスペクトル帯に関する放射を受けるためのスペクトル分散装置と、各センサーに関連するスペクトル帯におけるスペクトル強度を表す放射の時間積分量を受光するセンサーを、照射位置に複数配置した検出器と、放射の時間積分量を表す検出器からの信号データを受け取るデータステーションと、そしてデータ取得のために選択されたスペクトル帯をグループ分けするためのデータステーション内のプログラム装置とを備え、検出器が、センサーの2次元アレイを含む固体光検出器であり、プログラム装置が、各センサーに対して許容される放射の時間積分量について予め定められた最大量を含んでいる分光計測装置において、各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させるために、所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させるための装置を有し、プログラム装置は、予備データと予め定められた放射の時間積分量の最大量とから、許容される最大露光時間をセンサーごとに決定する装置と、最大露光時間に応じて各センサーをグループ分けするために、最大露光時間に関して、最高値となるグループのものの最低値となるグループのものに対する比が、予め定められたレンジファクター以下となるように複数のグループを設定してグループ分けを行う装置と、各グループにおいて、最大露光時間の該グループ内での最低値以下となるようなグループランタイムを決定する装置とを含み、更に、レンジファクターに対して所定の割合となるサブファクターを求める装置と、最大露光時間の最高値を該サブファクターで除算した値を最大グループランタイムと定める装置と、最大露光時間の最低値以下に最小グループランタイムを定める装置と、最大グループランタイムよりも大きな最大露光時間を持つ全てのセンサーを、最大グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当て、残りのセンサーを、最小グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当てる装置を含み、各グループランタイムを定めるための装置がさらに、各グループランタイムの、次に短いグループランタイムに対する各比がレンジファクターよりも小さくなるように、少なくとも1つのさらに別のグループランタイムを最大グループランタイム及び最小グループランタイムとの間から選択するための装置を含み、グループ分けのための装置がさらに、グループに関するすべての最大露光時間がグループランタイムよりも長くそして次に大きなグループランタイムよりも短くなるようにすべての残りのそのようなスペクトル帯を割り当てるための装置を含んでおり、各グループについて、各グループ内のセンサーをグループランタイムで動作させ、所望の放射源を用いて分光光度計を動作させることにより、各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す機能データを発生させることにより解決される。
【0018】
都合の良いことに、この装置においては、各センサーはグループランタイムの間に放射誘導された電荷の蓄積によって、そして引き続くセンサーのリードアウトタイム特性の間の電荷のリードアウトによって、動作可能である。別のそのような電荷の蓄積はリードアウトタイムの間に生じ、別の電荷のスピルオーバーは、センサーのスピルオーバータイム特性の後に生じる。プログラム装置は、別の動作の前に、そして選択されたグループにおける選択されたスペクトル帯のための、相応するセンサーのために予備データからウエイトタイムを定めるための装置を含んでおり、こうして選択された源からの各ウエイトタイム毎の露光は、飽和限界よりも少ない時間積分された放射の、所定のレベルに影響を与える。プログラム装置はさらに、グループの選択されたスペクトル帯を少なくとも1つのサブグループに整理し、各サブグループ内の各連続するスペクトル帯が、サブグループ内のすべての先行したスペクトル帯からの累積したリードアウトタイム、この累積したリードアウトタイムはスペクトル帯に関するウエイトタイムよりも小さい、を持つようにするための装置を含んでいる。別の動作のための装置は、各サブグループに関する分光計を、関連するセンサーにグループランタイムだけ同時に露光するように、そしてそのような露光の間にはサブグループ内のスペクトル帯の順序に従って順次関連するセンサーを直ちにリードアウトするように、動作させ、これによって機能的なデータを発生させるための装置を含んでいる。
【0019】
【実施例】
本発明において使用されるスペクトル光度計装置10は、概略的に図1に示されている。大まかに、4つのコンポーネントが存在しており、それらは放射14の源12、光学分光計16、分光計からのスペクトル帯20の検出器18、蓄積器24と処理部26とを持つデータステーション22、およびモニター28および/またはプリンターである。放射は、例えば誘導結合されたプラズマ27、その中に試験サンプル29が注入される、によって発散されるスペクトル線の形態をしている。逆に、源12は天文学におけるように、外部的であってもよい。分光計16および検出器18は、1または2次元におけるスペクトル分散を発生させ、そして検出する。利用価値の高い実施例においては、この分光計は、ここで参照として取り込まれている、前に述べた米国特許第4,820,048号(バーナード)で説明されているような、スペクトル帯または線の2次元表示を発生させるためのクロスさせられた分散素子を有している。(ここで、スペクトル帯には、その狭い形態としての「線」を含むものとする)。
【0020】
検出器18は、選択されたスペクトル帯における放射を受け取るように設けられた光電子増倍管装置のような複数のゾーンセンサーを持つ線形、またはアレイ形である。この検出器は、連続的に、または選択的に、のいずれかで分配された複数の光感応型ゾーンセンサー(複数のピクセル)の2次元アレイを持つ固体チップであることが望ましい。以下の説明が、そのような望ましい固体装置に適用するようになされるとしても、本発明は例えば光電子増倍管からの信号を集積するような、他の型の放射センサーにも適用できることは明らかである。
【0021】
特定の、有益な形態(図2)においては、検出器18は、チップの全表面範囲よりも実質的に小さく設けられた複数の光感応型ピクセルまたは望ましいこととしては複数のピクセルのサブアレイ30、の2次元アレイを持つ固体チップである。バーナード特許においてさらに説明されているように、ピクセルは選択されたスペクトルに関する選択的な照射場所に設けられている。検出器は、電荷注入素子(CID)または望ましいものとして電荷結合素子(CCD)のような、一般的に電荷転送素子としてカテゴリー分けされる型の素子から使用されることが望ましい。
【0022】
各サブアレイ30は単に1つのピクセルによって構成することもできるが、10から20のピクセル、例えば16ピクセル、のような複数のピクセルを含むことが望ましい。サブアレイ上の個々のピクセルのうちの3つが、図2において示されているように32,32’,32nとして指示されている。各ピクセルは、約4対1のアクペクト比、例えば25と100マイクロメーター、を持つ長方形の、長くされたスポット形である。各ピクセルは、放射の強度に比例した処理のための信号を発生するよう、その上に衝突する放射を受け取ることができる。
【0023】
全体的には各サブアレイ30は、1つのピクセルが、または2つまたは3つの隣接ピクセルが、分析されるべき相応する原子発散スペクトル線の放射を受け取るように位置決めされ、そして寸法合わせされる。同じサブアレイ内の他のピクセルは2つの目的で働く。1つは、前に説明したように、背景に関する補正のためにスペクトル線に近い背景放射を同時に検出することである。他の目的は、スペクトル線に関する利用できるピクセル位置の範囲を提供し、その結果光学的に焦点合わせされる線位置の正確な事前決定を不必要とするものである。
【0024】
バーナード特許で説明されているように、各ピクセルセンサーは放射を受け、それは強度と露光時間に比例した電荷(一般的には電子)を生じさせる。チップの、中間的な電荷蓄積レジスターである、ゲート回路およびそれに関連する他の回路は、関連するピクセルの放射露光の時間積分された強度を表すデータを発生するために、各ピクセルからの電荷を選択的に、または周期的にリードアウトする。「時間積分された強度」は、露光処理ないし作動の間に受け取られた総放射であり;ピクセルによって受け取られた放射の実際の強度である。この放射は連続的であってもよく、ランタイムはチップゲート制御およびリードアウトによって制御されている。データはデータステーションのメモリー部24内に蓄積され、そして次にプロセッサー部26内で処理されて、スペクトルおよび試験サンプル内の種々の化学物質の量のような関係する情報を提供する。そのような処理は、ここで説明される本発明の範囲を除く、どのような一般的な、または望ましい方法によってでも実行できる。
【0025】
バーナード特許においてさらに説明されているように、各検出器チップは可視光線および紫外線(UV)の両方に関してピクセル配置場所を持つことができる。この分光計はスペクトルを2つの領域に分離する。2つの検出器チップはそのような計測器に使用されるが、しかしそれらは同等なものであって、1つは可視放射に関してのみ、そして他はUVに関してのみリードアウトされる。チップ上のエリア分解能のいくつかのレベルは可能である。例えば、UVの場合には、チップは電気的にさらに半分に分割された各ピクセルを持つことができ、こうしてサブアレイ内の各ピクセルはエリア分解能を重複させて交互に、効果的にリードアウトされることができる。以下に行われる説明では、分岐動作が普通の分解能および高分解能に関連して示される。
【0026】
ピクセルセンサーは、時間積分された放射露光に関する実際的な上方および下方限界を有している。下方または最小動作限度は、標準的には約1電荷カウントである、検出器リードアウトノイズによって決められる。ここでは時間積分された放射の飽和限界として識別される情報限界は、ピクセルのための電荷レジスターがそこで一杯となる点であり、その点において隣接レジスターまたはピクセルへのスピルオーバーが開始される。それは、例えば約60,000カウントで発生するかもしれない。こうして、チップに関する現実のダイナミックレンジは、約60,000の係数である。高分解能モードにおいては、カウント限界は半分であるかもしれない。本発明の目的は、同時に測定されるスペクトル線のグループに関する拡張された仮想ダイナミックレンジを提供することである。このことは、スペクトル光度計の動作、スペクトルデータのグループ化、そしてグループに関する選択されたランタイム、を規定することによって達成される。この動作を実行するために、コンピュータープログラムが用いられることが望ましい。
【0027】
流れ図によって概観できるような、ここで説明される段階を実行するためのプログラミング装置は、一般的なもので、そしてコンピューターを利用した動作装置の供給者を通して普通に使用できる「C」のような一般的なコンピューター装置を用いて容易に達成できる。このプログラムは、例えば分光計に結びついているディジタルイクイープメント社のDECSTATION(TM)325Cコンピューターによって、コンパイルすることができる。
【0028】
図3は全体動作の流れ図である。この図において、そして引き続く説明において特定の数値は例として示されるものであり、制限を与えるものとして解釈されるべきではない。スタートの前に、時間積分された放射に関する最大許容露光、これは飽和限界内の最適一部分にあることが望ましい、が34で決められる。この露光は、基本的に、どのピクセルも飽和するリスクのない、実際的な最大許容信号対雑音比を与えるべきである。最適一部分に関する適切な選択は、約60%と95%との間であり、飽和限界の約85%、例えば50,000カウント、であることが望ましい。そのような一部分は、安全に限界の下側にあっても、可能な限り高くさせられる。別の予備段階は、データ取得するために必要なスペクトル帯および関連するピクセルまたはサブアレイを選択する36である。
【0029】
初期的シーケンス37においては、38で分光計は例えば200ms(ミリ秒)の、最小動作限界と飽和限界との間の選択されたスペクトル帯に関して検出器が放射を集約するために十分な所定の初期的時間だけ動作させられ、その結果実質的に、選択されたスペクトル帯のすべてにわたって時間積分された放射を表す予備データが発生される。40で、各ピクセルに関するデータは、最大許容露光カウント(例えば50,000カウント限度)を越える可能性について試験される。もし越えるならば、分光計の初期的動作は42でより短い時間、例えば1ms、だけ繰り返される。いずれの場合でも49で、最大許容露光は各ピクセルに関して最大カウントを目標に計算される。ピクセルがサブアレイである場合には、ピーク強度を持つピクセルを用いて各サブアレイに関して共通時間が決められる。
【0030】
グループランタイムの組は、46で定められ、この組は標準的には約1から4だけを含んでおり、そのような時間は、最大時間および以下に説明するように、ある前に決められたパラメーターを基にしている。ピクセル(または、そのサブアレイ、またはそれに関連した波長)は48でグループ化され、その結果各グループは割り当てられたグループランタイムを持つ。サブグループが必要となってもよい。各グループに関するそれぞれの処理ないし作動の数は、前もって定められている最小データ集約時間を基に50で決められて、そしてリストにされて、次には関連する時間と処理ないし作動番号とが52で、プロセッサーメモリーに送られる。次に分光計は54で、グループランタイムに関して各グループ毎に、選択されたスペクトル帯の時間積分された強度を表す機能データを発生するようさらに動作する。この機能データは、都合よいことに各グループと関連している選択された波長帯に関して同時に得られ、そして試験サンプルに関する実際の処理ないし作動データを提供し、次にこのデータは望ましい情報用に処理される。
【0031】
図4は、初期的シーケンス37の詳細を示している。選択されたピクセルサブアレイ及び関連する分解能(低いまたは通常の分解能「LORES」、及び高い分解能「HIRES」)のリストが55で形成される。このリストは56でLORESおよびHIRESに分けられ、LORESは最初に58でソートされる。HIRESに関しては、累積されたリードアウト時間がすべての選択された波長に関して計算され、組毎に80msのサブセットの数が62で決められ、そして64でさらに波長がサブセットにソートされる。分光計は次に動作し、そして68で、すべての選択された波長に関するすべての時間積分された強度データ(CCDの場合には処理ないし作動カウント)が200msにおいてリードアウトされる。
【0032】
70において各ピクセルに関するデータが最大露光、すなわちLORESに関して50,000カウントおよびHIRESに関して25,000カウント、を越えていないかどうかがチェックされる。限界を超えていなければ、サブアレイデータ(サブアレイにおける各ピクセルに関するカウント)が72においてセーブされ、もし越えていれば、そのサブアレイはリードアゲインリストに74で加えられる。すべての選択されたサブアレイに関して試験が76で繰り返される。リードアゲインリスト内の各サブアレイは78で1msだけ分光計によって再び処理ないし作動され、そして時間積分された強度データ(カウント)が80でセーブされる。相応するセンサーに関する最大露光時間が定められ、その結果、各そのような時間が相応するセンサーに関する時間積分された放射の最大許容された量に影響する。各ピクセルに関する最大露光時間TMは82で次の等式:TM=Ti*MA/PDに従って計算されることが望ましく、ここでMAはセンサーに関する時間積分された放射の最大量(MAはLORESに関しては50,000およびHIRESに関しては25,000)Tiは200msまたは1msの初期的ランタイム、およびPDはサブアレイ内のピープ強度ピクセルに関する予備カウントデータである。50,000または25,000限度を超えた1ms処理ないし作動におけるカウントを持つどのようなサブアレイも廃棄されるがしかし、オペレータが知るように89で表示またはプリントされる。
【0033】
次のシーケンス46に関しては(図5)、幾つかのパラメータが、永久的に、またはオペレータによってその都度、あるいはデフォルト値として、初期的に86でセットされる。データ収集時間(DCT)は、各々のランタイムと処理ないし作動の回数の積として、選択された波長のグループに関して定められたトータル時間である。最小データ収集時間は可能な限りランタイム及び繰り返しを最小とするように短くされるが、しかし短期間ソースノイズを最小とするに十分な、そしてそのデータに関して満足できる程度に低い標準偏差を持つことができる、程度に十分に長くされる。最大データ収集時間もまた、信号対雑音比を最大にする目的をもってランタイム及び繰り返しに関する現実的な上限を基に簡単に決めることができる。例としては、最小DCTは1秒のデフォルトを持って1から200秒となることがあり、そして最大DCTは10秒のデフォルトをもって4から200秒となることがある。
【0034】
ここで用いられている、そして特許請求の範囲で用いられているように、述語「ランタイム」は検出器に通過する放射のシャッターの露光を、またはCCDチップまたは類似品の例におけるように、ゲーテングおよびピクセルからの電子的なリードアウトによって制御される積分時間に起因するものである。ランタイムを定めるためのプログラムを実行するために、88で、許容されるランタイムの所定のリストをインストールしておくことは便利である。それらは適切に2の倍数に近い間隔で1msから50,000msまで、すなわち1ms,2ms,5ms,10ms,20ms等50,000msに至るように、範囲が定められている。1つの「許容されたリスト」は表I(欄1)に示されており、これはさらに最大露光時間(欄2)の組の例も示している(「最大リスト」)。しかし、プロクラムされた計算のための他の装置も許容されたリストの代わりに用いることができることも明らかである。許容されたリストは実際の計算に等しいか、または名目的にそれよりも少ない、選択されるべき標準化されたランタイムを提供する。都合の良いことにここで用いられそして、特許請求の範囲で用いられているように、述語「名目的に等しい」または「名目的により少ない」は、基準とされる値の2つの係数付近にあることを意味している。一般的には計算された値は、許容されたリスト内の最も近い時間に切り捨てられる。
【0035】
グループおよびグループランタイムは次(図5)に定められている。各グループは、最高の最大露光時間及び最低の最大露光時間を持っている。一般的な要求は、最高の最低に対する比は100のようなレンジファクターよりも小さいことである。
【0036】
最初に、許容されたリストにおける最も近い時間に切り捨てられた最大リストにおける最も低い最大時間として、90で最小グループランタイムTmimが決められる。表Iにおいては、最も小さな最大時間は6msであり、その結果Tmimは5msである。
【0037】
もし必要であれば、少なくとも1つ以上のグループランタイムが、各ランタイムの次に短いランタイムに対する比がレンジファクターよりも小さくなるように、(以下のように決められる)最大ランタイムおよび最小ランタイムとの間に定められる。しかも、もしTmimが10msのような比較的低い値よりも短いのであれば(92)、極めて短い露光時間の、より多くの露光によって装置がスローダウンすることがないよう、中間範囲の露光時間Tmidを含むことが望ましい。この流れ図の例においては、もしTmimが5msよりも小さければ(94)、Tmidは、許容されたリスト内に切り捨てられて、10msよりも大きな最大リスト内の次により高い積分時間となる(96)。もしTmimが(表Iにあるように)5msに等しい(すなわち少なくない)のであれば(97)、Tmidは許容されたリスト内であれば切り捨てられて、20msよりも大きな最大リストにおける次の値となる(98)。こうして表Iにおいては、62msは20よりも大きな次の値であり、そしてそのためTmid=50msに切り捨てられる。もしTmimが10msよりも小さくなければ(100)、なんのTmidもない。
【0038】
最大グループランタイムTmaxが、サブファクターによって所定のレンジファクターの10分の1に分割された最大リスト内で最高の最大露光時間として102でセットされ、結果は許容されたリスト内で切り上げまたは(望ましく)切り捨てられる。レンジファクターは選択された波長の各グループ内において許容された最大時間の最大倍数である。100のレンジファクターは適切であり、そしてここで用いられているが、1000または10のような他の値も選択することができる。一部分「10分の1」は100のレンジファクターに関しては適切であるがしかし、より一般的には、別の一部分が、例えばレンジファクターの対数関数的な中点を用いるように選択されることもある。表Iにおいては、最も大きな最大時間は15,000であり、10で割ることによって(レンジファクター100の10分の1)1500が得られ、これは切り捨てられて許容されたTmax=1000msとなる。この値は次に104において、許容された最大データ収集時間(MaxDCT)よりも小さいかどうかが試され、もしそうでなければTmaxはMaxDCTに等しくセットされる(106)。
【0039】
つぎにTmaxの、Tminまたは(もしあれば)Tmidのより大きな方に対する比としのレンジが108で計算される。110においてレンジがレンジファクターよりも大きいかどうかが試される。もしそうでなければ(112)、プログラムのこの見地における決定は114において完結する。もしレンジが大きすぎるならば、TmaxとTminまたは(もしあれば)Tmidの大きな方との間の最大リストにおける中点としてのさらに別のランタイムTmid2が116でセットされ、許容されたリスト内で切り捨てられる。(表Iの例においてはTmid2は存在しない。)現在の環境においてはさらに別の中央時間が必要とされないとしても、そのような数値はより小さなレンジファクターを持つような他の場合において必要となるかもしれない。こうして、実際のグループランタイムはTmax、(もしあれば)Tmidに、(もしあれば)TmidおよびTminからなる。
【0040】
もし最大露光時間の最高と最低の比がレンジフアクターよりも小さいならば、付加的に単に1つのグループを設けるための特定の試験が必要となるかもしれない。この場合にはランタイムは、許容されたリスト内で切り捨てられた最も低い最大時間である。
【0041】
グループ分けおよびサブグループ分けが次に(図6、48)において実行される。サブアレイ、及び相応する選択された波長は、ランタイムグループ内に118で割り当てられる。Tmaxよりも大きな最大露光時間を持つすべてのサブアレイはそこに割り当てられる。(もしあれば)Tmid2よりも大きな最大露光時間を持つすべての別のサブアレイは、そこに割り当てられる。(もしあれば)Tmidよりも大きな最大露光時間を持つすべてのさらに別のサブアレイは、そこに割り当てられる。残りのすべてのサブアレイはTminに割り当てられる。より一般的に言えば、Tmaxへの割り当ての後に、すべての残りのサブアレイは、各グループに関するすべての適切な露光時間がグループランタイムよりも長く、そして次に長いグループランタイムよりは短くなるように割り当てられる。
【0042】
この段階において実際の処理ないし作動を行うことは可能である。しかし、可能なサブグループ分けに関するさらに別の試験が望ましく、特に最も短い時間グループ(Tmin)に関しては、センサーを放射に連続的に露光させることによる結果の電荷によってリードアウトデータの汚れの可能性を考慮することが必要である。ランタイムの終わりに、各ピクセルはリードアウトされ、有限のリードアウト時間の間に処理が実行される。そうしている間に連続的に放射に露光することによってピクセル内に付加的な電荷が収集される。付加的な電荷の合計がリードアウトデータの汚れを生じさせるスピルオーバーがリードアウトレジスター内で発生するレベルに近づくよりも前に、リードアウト時間が完了していることが必要である。このため、スピルオーバーが発生する前の時間にリードアウトが完了していることが要求される。LORESモードにおいては、この目的のための飽和限界は最大露光時間を決めるために最初に用いられた飽和レベルと同じである。こうしてLORESモードに関するリードアウト完了時間は、予備データから決められた実効最大露光時間と同じであることが望ましいウエイトタイムよりも小さくされるべきである。リードアウトがグループ毎に順序的に行われるので、グループ内の各ピクセルに適用される実際の要求は、(先行する、及びそのピクセルに含まれるすべてのリードアウトの)累積されたリードアウト時間がピクセルに関する最大露光時間よりも少ないと言うことである。
【0043】
HIRESモードの場合においては、ランタイムの終わりに放射収集レジスターと隣接する蓄積レジスターとの間のゲートが(電子的に)開かれれる。放射レジスターの容量は処理ないし作動の間に用いられている蓄積レジスターの半分よりも少ないので、スピルオーバーは通常の飽和時間の半分よりも少ないリードアウトの間に生じることができる。このため、一部分的な容量ファクターが、比較のための最大露光時間を適切に減少させるために加えられる。このファクターはランタイム及びリードアウトの間に用いられるそれぞれの蓄積レジスターの容量の比である。HIRESを持つチップの現在の例においては、容量ファクターは0.4である。LORESモードに関してはレジスターが同等であるために、このファクターは1(1)である。便利なことに、このファクターは各ピクセル及び関連する波長に関する「ウエイトタイム」を定めるために最大時間だけ乗算される。累積されたリードアウト時間は次にウエイトタイムに対して試験される。
【0044】
さらに一般的には、スピルオーバーポイントは、例えばデータ処理ないし作動の間に飽和を決めるために一般に用いられているようなものと同じ方法によってスピルオーバーに関してピクセルを直接的に試験することによるような、どのような適切な手段によっても120で決めることができる。ウエイトタイムは、それぞれの型のピクセルまたはモードに関する飽和限界の選択された一部分である所定のレベル(PL)によって、すなわち各飽和限界をその一部分によって乗算することによって、定められることが望ましい。都合の良いことに、この一部分は、飽和限界から時間積分された放射の最大量を決めるために用いられた最適の一部分と同じである。ウエイトタイム(Tw)の計算が、一般的には前に説明したように実行されるとしても、さらに広く言えば、これは等式Tw=Ti*PL/PD、で計算されるものであり、ここでTiおよびPDはTmの計算のために用いられたものと同様の意味を持つ。
【0045】
5msの「実際時間」グループに関する、1つの例が(表Iとは異なるデータを持って)表IIに示されている。欄1はスペクトル線の種類指定を表し、及び欄2は割り当てられたサブアレイ番号を示す。欄3は高い分解能(HIRES)または低い分解能(LORES)モードを表している。欄4はHIRESに関するより低いスペルオーバーレベルを反映した、各分解能モードに関連した容量ファクターを示している。欄5は選択されたサブアレイに関して決められた最大時間のリストである。
【0046】
欄6はサブアレイに関するリードアウト時間のリストである。これらのリードアウト時間は、検出器の関数であり、そして分解能モード及びサブアレイ内のピクセルの数に依存するものである。リードアウト時間は引き続くリードアウトの累積されたリードアウト時間(Tacr)に関して適切である。
【0047】
「ウエイトタイム」(Tw)(欄7)は、容量ファクター(欄4)と最大時間(欄5)の乗算の積として各選択されたサブアレイに関して計算される。(このプログラムにおいては最大時間が計算されるときにそれらの計算が行われるのが一般的である。)インデッックス番号(欄8)は連続的に増加するウエイトタイムに関して割り当てられる。
【0048】
ソートルーチンがウエイトタイム及び累積されたリードアウトタイムに関して実行され、その結果後者はウエイトタイムよりも短くなることが確実とされる。表IIIa−IIIcは、表IIからのデータのソーティングを示している。TacrがTwよりも小さいかどうかに関する連続的な試験がインデックス番号の順番に行われ、もしそうであればサブアレイは試験されたサブグループ内に割り当てられる。このことは、インデックス1サブアレイは表IIIaのサブグループ1内に割り当てられることが許容される。サブグループ1内にインデックス1と共に累積された次のインデックス2は3.2のTacrを持ち、これは2.6のTwaitよりも大きい。このため、インデックス2はサブグループ1内に取り入れられ、そして新しいサブグループ2に割り当てられる(表IIIb)。
【0049】
インデックス3はサブグループ1内で試験され(表IIIb)、そしてまたも失敗し、これはさらにサブグループ2内でも失敗し、そのために、インデックス3は新しいサブグループ3に割り当てられる(表IIIc)。各前進するインデックス番号は、受け入れられる場所が見いだされるまで同様に試験される。表IIIcグループに分けられたサブアレイデータのすべてのさらに行われた試験の後に、3つのサブグループに最終的にソーティングされたことを示している。
【0050】
図6はこのフェーズを示す流れ図を含んでいる。グループ及び相応する波長(または関連するサブアレイ)に関するリードアウト時間に関する最大露光時間のリストが118でつくられる。120では、最大時間118及び所定のセンサー容量ファクター(122)からウエイトタイムが計算される。124でインデックス番号が連続的に増加するウエイトタイムに割り当てられる。
【0051】
インデックス1(126)に関しては、128でそのリードアウト時間が相応するウエイトタイムよりも小さいかどうかが試験される。もしそうであれば、この波長は130で第1サブグループに割り当てられ、そして132で次のインデックスが128で試験される。連続的なインデックスは、同様に試験され、そしてもしすべてがパスしたのであればさらに別のサブグループは必要ではない(即ち全くサブグループが存在しない)。もし何らかの失敗が134であれば、第2サブグループが失敗したインデックスのために136で定められる。さらに別のインデックスが140で選択され、そして最も短い累積されたリードアウト時間を発生するサブグループ内に142で一時的に置かれ、そこにおいて128’で試験され、そしてもしそこでパスするならば146で保たれる。もし何らかの失敗が148で生ずるならば、第3サブグループが149で割り当てられ、そしてインデックスされた試験が146で完了するまで必要に応じてさらに別のサブグループを用いて、この手順が150で繰り返される。
【0052】
総てのグループ(Tmid,Tmax,等)が試験されてもよいが、しかしTminグループだけは累積されたリードアウト時間を越えると予想されるので、このグループに対する試験は制限される。サブグループは別個に作動ないし処理されるが、しかし各々はサブグループがそこから得られたグループに関して所定のランタイム(現在の例では5ms)だけ処理ないし作動される。
【0053】
サブグループ分け手順は説明されたような基本的なグループ分けを補うために用いられることが望ましい。しかし、この手順はそれ自体極めて有用であって、例えばこれまでに述べたような詳細なグループ分け手順がない手動モードにおいて初期的なグループ分けおよび時間セッティングにおいても利用される。
【0054】
処理ないし作動の数を決めるための段階50(図3)はこの点において実行される。これに関するコンピューターの公式は:処理(実行)の数=インテガー一部分〔(MinDCT)/(処理(実行)時間)+0.999999〕である。
【0055】
前に説明したように実行されるグループ分け及び、必要なまたは要求されたサブグループ分けのリスト作成52においては、分光計は再び同様に、または初期的処理ないし作動に関すると実質的に同じ放射源によって同じサンプル29がプラズマ27内に再び注入される(図1)ように再び54で動作させられる。必要に従って化学物質の種類の量的測定を提供する、時間積分された強度を表す機能データを発生するために計算されたグループランタイムだけの処理ないし作動が各グループ及びサブグループに関して行われる。そのようなデータは各グループと関連する選択されたスペクトル帯に関した同時に得られ、そして各グループ内においては等しい時間だけ得られる。処理ないし作動は、計算された繰り返し回数に従って繰り返される。
【0056】
これまでの説明は放射源からの放射に関して単独の、固定された入り口スリットを持つ分光計に適用される。この概念を、例えば半分のスリット幅によって、感知用ピクセル乗の1本の線に関してスペクトル場所で満たすよう分離された処理ないし作動に関して横向きに設けられた1本のスリットに用いることもまた実際的である。例えば2つ、4つまたは他の数のスリット場所もまた用いられる。そのような場合、前に説明した動作及び計算はスリット場所の数N、即ち2,4または他によって適切な仕方で変更されるであろう。例えば分光計の初期的な、そして別の動作、及びそれに関連した段階は、各付加的なスリット場所に関して繰り返されなければならず、TmaxはMaxDCT/Nに対して試験され、処理ないし作動の数はN倍されたランタイムから計算されるべきである。Nに対するプログラムにおけるさらに別の調節は容易に検出されそして取り入れることができる。
【0057】
各グループに関する処理ないし作動は、グループ分け及びランタイム計算の利点を得るために同時に実行されることが望ましい。グループが互いに他から分離的に処理ないし作動するかどうかは、本発明に付随することであるが、そのような動作は計器及びそのプログラム可能性の関数である。望ましいグループ処理ないし作動のより迅速なデータ収集を可能とする。
【0058】
各グループ内の同時のデータ収集は、データの正確な比較が達成できることを確実にする。この処理はまた適切な信号対雑音比を保持し、そしてピクセル飽和スピルオーバー及びリードアウト汚染を防ぎながら、検出器に関する仮想ダイナミックレンジを7−8桁だけ拡大することを可能にする。実質的にとられる唯1つの妥協は、データの幾つかのグループへの配分であり、そして最大回数よりも少ない回数での動作である。それでも補償より多くの利点が得られる。
【0059】
本発明が特定の実施例を参照しながら詳細にこれまで説明されてきたとはいえ、本発明の精神及び添付特許請求の範囲における種々の変化や変形が、当業技術者にとっては明白である。このため本発明は添付された特許請求の範囲またはそれらの同等事項によって制限されるべきことが強調される。
【0060】
【発明の効果】
スペクトル光度計における多重センサー検出器の実効ダイナミックレンジを拡大するための新しい方法と装置とを提供できる。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を組み入れた装置の概略図である。
【図2】本発明に使用される、ピクセルのサブアレイを示すための、検出器の前面の概略図である。
【図3】本発明を実施するための方法と装置の動作全体の概念を表す流れ図である。
【図4】当該の方法と装置における初期的シーケンスの詳細を示す流れ図である。
【図5】上記の初期的シーケンスの次のシーケンスの詳細を示す流れ図である。
【図6】グループ分け及びサブストレートグループ分けの詳細を示す流れ図である。
【符号の説明】
10 スペクトル光度計装置
12 放射源
14 放射
16 分光計
18 検出器
22 データステーション
24 蓄積器
26 処理部
27 プラズマ
28 モニター
29 試験サンプル
Claims (36)
- 各センサーに対応するスペクトル帯の放射を時間積分して受光する複数のセンサーを、2次元アレイの形で有する検出器を備えた分光光度計において、
各センサーについて許容される、放射の時間積分量の最大量を予め決め、
所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させて、各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させ、
前記予備データと予め定められた前記放射の時間積分量の最大量とから、許容される最大露光時間をセンサーごとに決定し、
前記最大露光時間に応じて各センサーをグループ分けするために、最大露光時間に関して、最高値となるグループのものの最低値となるグループのものに対する比が、予め定められたレンジファクター以下となるように複数のグループを設定して前記グループ分けを行い、
各グループにおいて、最大露光時間の該グループ内での最低値以下となるようなグループランタイムを決定し、
各グループについて、各グループ内のセンサーを前記グループランタイムで動作させ、前記所望の放射源を用いて分光光度計を動作させることにより、各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す機能データを発生させることを含むことを特徴とする分光光度計におけるデータ取得のためにスペクトル帯をグループ化する方法。 - 検出器が電荷結合素子である、請求項1記載の方法。
- 前記許容される最大露光時間は、等式TM=Ti*MA/PDに従って定められ、ここでTiは初期的時間、MAは各センサーで予め定められた前記放射の時間積分量の最大量、PDは各センサーの予備データである、請求項1記載の方法。
- センサーがさらに放射の時間積分量の飽和限界を有し、該飽和限界に基づいて前記放射の時間積分量の最大量が決定され、全センサーに等しく定められる所定の割合を、該飽和限界に乗算する、請求項1記載の方法。
- 各センサーが受光する放射の時間積分量が最小動作限界と前記飽和限界との間となるように、前記初期的時間が定められる、請求項4記載の方法。
- 機能データが、各グループに関連しているスペクトル帯に関して同時に得られる、請求項1記載の方法。
- レンジファクターが100である、請求項1記載の方法。
- レンジファクターに対して所定の割合となるサブファクターを求め、最大露光時間の最高値を該サブファクターで除算した値を最大グループランタイムと定め、最大露光時間の最低値以下に最小グループランタイムを定め、前記最大グループランタイムよりも大きな最大露光時間を持つ全てのセンサーを、最大グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当て、残りのセンサーを、最小グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当てることを含む、請求項1記載の方法。
- 各グループランタイムを定める段階が、さらに、最大グループランタイムが、サブファクターによって除算された最高の露光時間に等しい許容されたグループランタイムに等しく、最小グループランタイムが、最低の露光時間よりも次に小さな許容されたグループランタイムに等しいような、許容されたグループランタイムの所定のリストをインストールすることを含む、請求項8記載の方法。
- 最も小さな各許容されたグループランタイムより上の各許容されたグループランタイムが、その次に小さな各許容されたグループランタイムよりも2倍大きい、請求項9記載の方法。
- レンジファクターが100である、請求項10記載の方法。
- 各センサーに対応するスペクトル帯の放射を時間積分して受光する複数のセンサーを、2次元アレイの形で有する検出器を備えた分光光度計において、
各センサーについて許容される、放射の時間積分量の最大量を予め決め、
所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させて、前記各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させ、
前記予備データと予め定められた前記放射の時間積分量の最大量とから、許容される最大露光時間を前記センサーごとに決定し、
前記最大露光時間に応じて前記各センサーをグループ分けするために、最大露光時間に関して、最高値となるグループのものの最低値となるグループのものに対する比が、予め定められたレンジファクター以下となるように複数のグループを設定して前記グループ分けを行い、
前記各グループにおいて、前記最大露光時間の該グループ内での前記最低値以下となるようなグループランタイムを決定し、
前記レンジファクターに対して所定の割合となるサブファクターを求め、前記最大露光時間の前記最高値を該サブファクターで除算した値を最大グループランタイムと定め、前記最大露光時間の前記最低値以下に最小グループランタイムを定め、前記最大グループランタイムよりも大きな最大露光時間を持つ全ての前記センサーを、前記最大グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当て、残りのセンサーを、前記最小グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当て、
前記各グループランタイムを定める段階がさらに、前記最大グループランタイムと前記最小グループランタイムとの間に少なくとも1つのさらに別のランタイムを選択することを含み、それによって前記各グループランタイムの、次により短いグループランタイムへの各比が前記レンジファクターよりも小さくされ、そして前記グループ分けの段階がさらに、前記グループに関する総ての最大露光時間が前記グループランタイムよりも長く、そして次に大きなグループランタイムよりも短いように総ての残りのスペクトル帯を割り当て、
前記各グループについて、前記各グループ内の前記センサーを前記グループランタイムで動作させ、前記所望の放射源を用いて分光光度計を動作させることにより、前記各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す機能データを発生させることを含む
ことを特徴とする分光光度計におけるデータ取得のためにスペクトル帯をグループ化する方法。 - 各グループランタイムを定める段階が、さらに、最大グループランタイムが、サブファクターによって除算された最高の露光時間に等しい許容されたグループランタイムに等しく、最小グループランタイムが、最低の露光時間よりも次に小さな許容されたグループランタイムに等しいような、許容されたグループランタイムの所定のリストをインストールすることを含む、請求項12記載の方法。
- 各センサーが、グループランタイムの間に放射誘導された電荷が蓄積され、続いて各センサー毎に定められたリードアウト時間の間に該電荷が読み出されることによって動作し、あるグループ内のセンサーについて、
予備データに基づいて各センサーに対応するウエイトタイムを決定し、
グループ内のセンサーを複数のサブグループ内に順序づけし、
各サブグループ毎に分光光度計を動作させることで、所望のグループについて分光光度計を動作させ、関連したセンサーをグループランタイムの間同時に露光するようにし、当該露光を続けたまま、サブグループ内の前記順次づけに従って前記関連したセンサーを順次直ちにリードアウトするようにし、これによって関連する機能データを発生させる請求項1記載の方法において、
前記ウェイトタイムは、所望の放射源を露光したときに各センサーでの放射の時間積分量が飽和限界よりも小さな所定レベルとなる時間であり、
前記順序付けは、各サブグループ内での任意のセンサーのウエイトタイムが、該サブグループ内の順序で該センサーに対して先行する他の全てのセンサーのリードアウト時間の積算時間よりも短くした方法。 - センサーがさらに放射の時間積分量の飽和限界を有し、該飽和限界に基づいて前記放射の時間積分量の飽和限界を有し、該飽和限界に基づいて前記放射の時間積分量の最大量を決定し、全センサーに対して等しく定められる、所定の割合を、該飽和限界に乗算して前記所定レベルとする、請求項14記載の方法。
- ウエイトタイムを定める段階が、等式Tw=Ti*PL/PDに従って各ウエイトタイムTwを計算することを含み、ここにおいてTiは初期的時間であり、PLは飽和限界よりも小さい相応するセンサーに関する時間積分された放射の所定レベルであり、およびPDは相応するセンサーに関する予備データである、請求項14記載の方法。
- 各センサーに対応するスペクトル帯の放射を時間積分して受光する複数のセンサーを、2次元アレイの形で有する検出器を備えた分光光度計において、
スペクトル帯の放射を受光するために、各センサーを対応する照射位置に配置し、
各センサーが、グループランタイムの間に放射誘導された電荷が蓄積され、続いて各センサー毎に定められたリードアウト時間の間に該電荷が読み出されることによって動作し、
所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させて、
各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させ、
予備データに基づいて各センサーに対応するウエイトタイムを決定し、
グループ内のセンサーを複数のサブグループ内に順序づけし、
各サブグループ毎に分光光度計を動作させることで、所望のグループについて分光光度計を動作させ、関連したセンサーをグループランタイムの間同時に露光するようにし、当該露光を続けたまま、サブグループ内の前記順序づけに従って前記関連したセンサーを順次直ちにリードアウトするようにし、これによって各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す関連した機能データを発生させる方法において、
前記ウェイトタイムは、所望の放射源を露光したときに各センサーでの放射の時間積分量が飽和限界よりも小さな所定レベルとなる時間であり、
前記順序付けは、各サブグループ内での任意のセンサーのウェイトタイムが、該サブグループ内の順序で該センサーに対して先行する他の全てのセンサーのリードアウト時間の積算時間よりも短くした
ことを特徴とする方法。 - 各センサーに関する所定レベルは、全センサーに対して等しく定められる所定の割合を飽和限界に乗じたものである、請求項17記載の方法。
- ウエイトタイムを定める段階が、等式TW=Ti*PL/PDによって各ウエイトタイムTWを計算することを含み、ここでTiは初期的時間であり、PLは飽和限界よりも小さい、相応するセンサーに関する時間積分された放射の所定レベルであり、そしてPDは相応するセンサーに関する予備データである、請求項17記載の方法。
- 検出器が電荷結合素子である、請求項19記載の方法。
- 感応するスペクトル帯に関する放射を受けるためのスペクトル分散装置と、各センサーに関連するスペクトル帯におけるスペクトル強度を表す放射の時間積分量を受光するセンサーを、照射位置に複数配置した検出器と、放射の時間積分量を表す検出器からの信号データを受け取るデータステーションと、そしてデータ取得のために選択されたスペクトル帯をグループ分けするためのデータステーション内のプログラム装置とを備え、
前記検出器が、センサーの2次元アレイを含む固体光検出器であり、
前記プログラム装置が、各センサーに対して許容される放射の時間積分量について予め定められた最大量を含んでいる分光計測装置において、
各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させるために、所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させるための装置を有し、
前記プログラム装置は、
前記予備データと予め定められた前記放射の時間積分量の最大量とから、許容される最大露光時間をセンサーごとに決定する装置と、
前記最大露光時間に応じて各センサーをグループ分けするために、最大露光時間に関して、最高値となるグループのものの最低値となるグループのものに対する比が、予め定められたレンジファクター以下となるように複数のグループを設定して前記グループ分けを行う装置と、
各グループにおいて、最大露光時間の該グループ内での最低値以下となるようなグループランタイムを決定する装置とを含み、
各グループについて、各グループ内のセンサーを前記グループランタイムで動作させ、前記所望の放射源を用いて分光光度計を動作させることにより、各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す機能データを発生させることを特徴とする装置。 - 検出器が電荷結合素子である、請求項21記載の装置。
- 前記最大露光時間を、等式TM=Ti*MA/PD(ここでTiは初期的時間、MAは各センサーで予め定められた前記放射の時間積分量の最大量、PDは各センサーの予備データ)に従って定める請求項21記載の装置。
- 機能データが、各グループと関連しているスペクトル帯に関して同時に得られる、請求項21記載の装置。
- レンジファクターに対して所定の割合となるサブファクターを求める装置と、最大露光時間の最高値を該サブファクターで除算した値を最大グループランタイムと定める装置と、最大露光時間の最低値以下に最小グループランタイムを定める装置と、前記最大グループランタイムよりも大きな最大露光時間を持つ全てのセンサーを、最大グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当て、残りのセンサーを、最小グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当てる装置を含む、請求項21記載の装置。
- 各グループランタイムを定める装置がさらに、最大グループランタイムが、サブファクターによって除算された最高の露光時間に等しい許容されたグループランタイムに等しくなるようにするための装置によって形成され、最小グループランタイムが、最低露光時間の次に小さな許容されたグループランタイムに等しくなるようにするための装置によって形成された、許容されるグループランタイムの所定のリストをインストールするための装置を含んでいる、請求項25記載の装置。
- 最も小さな各許容されたグループランタイムより上の各許容されたグループランタイムが、その次に小さな各許容されたグループランタイムよりも2倍大きい、請求項25記載の装置。
- 感応するスペクトル帯に関する放射を受けるためのスペクトル分散装置と、各センサーに関連するスペクトル帯におけるスペクトル強度を表す放射の時間積分量を受光するセンサーを、照射位置に複数配置した検出器と、放射の時間積分量を表す検出器からの信号データを受け取るデータステーションと、そしてデータ取得のために選択されたスペクトル帯をグループ分けするためのデータステーション内のプログラム装置とを備え、
前記検出器が、センサーの2次元アレイを含む固体光検出器であり、
前記プログラム装置が、各センサーに対して許容される放射の時間積分量について予め定められた最大量を含んでいる分光計測装置において、
各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させるために、所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させるための装置を有し、
前記プログラム装置は、
前記予備データと予め定められた前記放射の時間積分量の最大量とから、許容される最大露光時間をセンサーごとに決定する装置と、
前記最大露光時間に応じて各センサーをグループ分けするために、最大露光時間に関して 、最高値となるグループのものの最低値となるグループのものに対する比が、予め定められたレンジファクター以下となるように複数のグループを設定して前記グループ分けを行う装置と、
各グループにおいて、最大露光時間の該グループ内での最低値以下となるようなグループランタイムを決定する装置とを含み、
更に、前記レンジファクターに対して所定の割合となるサブファクターを求める装置と、
前記最大露光時間の前記最高値を該サブファクターで除算した値を最大グループランタイムと定める装置と、
前記最大露光時間の前記最低値以下に最小グループランタイムを定める装置と、
前記最大グループランタイムよりも大きな最大露光時間を持つ全てのセンサーを、前記最大グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当て、
残りのセンサーを、前記最小グループランタイムをグループランタイムとするグループに割り当てる装置を含み、
前記各グループランタイムを定めるための装置がさらに、前記各グループランタイムの、次に短いグループランタイムに対する各比が前記レンジファクターよりも小さくなるように、少なくとも1つのさらに別のグループランタイムを前記最大グループランタイム及び前記最小グループランタイムとの間から選択するための装置を含み、
前記グループ分けのための装置がさらに、グループに関するすべての最大露光時間がグループランタイムよりも長くそして次に大きなグループランタイムよりも短くなるようにすべての残りのそのようなスペクトル帯を割り当てるための装置を含んでおり、
前記各グループについて、前記各グループ内の前記センサーを前記グループランタイムで動作させ、前記所望の放射源を用いて前記分光光度計を動作させることにより、前記各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す機能データを発生させることを特徴とする装置。 - 各グループランタイムを定める装置がさらに、最大グループランタイムが、サブファクターによって除算された最高の露光時間に等しい許容されたグループランタイムに等しくなるようにするための装置によって形成され、最小グループランタイムが、最低露光時間の次に小さな許容されたグループランタイムに等しくなるようにするための装置によって形成された、許容されるグループランタイムの所定のリストをインストールするための装置を含んでいる、請求項28記載の装置。
- 各センサーが、グループランタイムの間に放射誘導された電荷が蓄積され、続いて各センサー毎に定められたリードアウト時間の間に該電荷が読み出されることによって動作し、
プログラム装置がさらに、あるグループ内のセンサーについて、
分光計を動作させるための別の装置の動作に先立って、
予備データに基づいて各センサーに対応するウェイトタイムを決定する装置と、
グループ内のセンサーを複数のサブグループ内に順序づけする装置とを備え、
前記別の装置は、各サブグループ毎に分光光度計を動作させることで、所望のグループについて分光光度計を動作させ、関連したセンサーをグループランタイムの間同時に露光するようにし、当該露光を続けたまま、サブグループ内の前記順序付けに従って前記関連したセンサーを順次直ちにリードアウトするようにした装置を含む請求項21記載の装置において、
前記ウェイトタイムは、所望の放射源を露光したときに各センサーでの放射の時間積分量が飽和限界よりも小さな所定レベルとなる時間であり、
前記順序付けは、各サブグループ内での任意のセンサーのウェイトタイムが、該サブグループ内の順序で該センサーに対して先行する他の全てのセンサーのリードアウト時間の積算時間よりも短くした、装置。 - センサーがさらに、放射の時間積分量の飽和限界を有し、前記プログラム装置がさらに該飽和限界に基づいて放射の時間積分量の最大量を決定する装置と、全センサーに対して等しく定められる、所定の割合を、該飽和限界に乗算して前記所定のレベルとする装置とを含む、請求項30記載の装置。
- ウエイトタイムを定めるための装置が、等式Tw=Ti*PL/PDに従って各ウエイトタイムTwを計算するための装置を含んでおり、ここにおいてTiは初期的な時間であり、PLは飽和限界よりも小さい相応するセンサーに関する時間積分された放射の所定のレベルであり、そしてPDは相応するセンサーに関する予備データである、請求項30記載の装置。
- 感応するスペクトル帯に関係する放射を受けるためのスペクトル分散装置と、各センサーに関連するスペクトル帯におけるスペクトル強度を表す放射の時間積分量を受光するセンサーを、照射位置に複数配置した検出器と、放射の時間積分量を表す検出器からの信号データを受け取るデータステーションと、データ取得のために選択されたスペクトル帯をグループ分けするためのデータステーション内のプログラム装置とを備え、
前記検出器が、センサーの2次元アレイを含む固体光検出器である分光計測装置であって、
各センサーがそれぞれ取得した放射の時間積分量を予備データとして発生させるために、所望の放射源を用いて、予め定められた初期的時間だけ分光光度計を初期的に動作させるための装置を有し、
予備データに基づいて各センサーに対応するウェイトタイムを決定する装置と、
グループ内のセンサーを複数のサブグループ内に順序づけする装置と、
各サブグループ毎に分光光度計を動作させることで、所望のグループについて分光光度計を動作させ、関連したセンサーをグループランタイムの間同時に露光するようにし、当該露光を続けたまま、サブグループ内の前記順序付けに従って前記関連したセンサーを順次直ちにリードアウトするようにし、これによって各センサーに対応するスペクトル帯に関するスペクトル強度を示す関連した機能データを発生させる装置において、
前記ウエイトタイムは、所望の放射源を露光したときに各センサーでの放射の時間積分量が飽和限界よりも小さな所定レベルとなる時間であり、
前記順序付けは、各サブグループ内での任意のセンサーからのウェイトタイムが、該サブグループ内の順序で該センサーに対して先行する他の全てのセンサーのリードアウト時間の積算時間よりも短くした、装置。 - 各センサーに関する所定レベルは、全センサーに対して等しく定められる所定の割合を飽和限界に乗じたものである請求項33記載の装置。
- ウエイトタイムを定めるための装置が、等式Tw=Ti*PL/PDに従って各ウエイトタイムTwを計算するための装置を含んでおり、ここでTiは初期的時間であり、PLは飽和限界よりも小さな相応するセンサーに関する時間積分された放射の所定のレベルであり、そしてPDは相応するセンサーに関する予備データである、請求項33記載の装置。
- 検出器が電荷結合素子である、請求項33記載の装置。
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