JP3568501B2 - 荷重制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリップチップ実装型電子部品をプリント配線基板上の所定位置に実装するフリップチップ実装型電子部品の実装装置に係り、特にその荷重制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置のフリップチップやベアチップ等と呼ばれるICチップやBGAと呼ばれるLSIパッケージ等のフリップチップ実装型電子部品をプリント配線基板上の所定位置に実装するフリップチップ実装が知られている。それは、例えば、フリップチップ実装型電子部品の表面に設けられた金又は半田のようなバンプとプリント配線基板の表面に設けられた金又は半田のような電極パッドとが重ね合わせ、リフローまたは超音波振動によりフリップチップ型電子部品の表面に設けられたバンプとプリント配線基板の表面に設けられた電極パッドとを接合するものである。
【0003】
以下、超音波振動接合を例にとって説明する。
図3は従来の加圧となる荷重を発生制御する超音波振動接合における荷重制御装置の主要ブロック図である。1は図示しないフリップチップ実装型電子部品の位置決め信号である第一位置決め信号、第二位置決め信号および第三位置決め信号生成すること;この三種類の位置決め信号に対応して予め設定されている荷重値と実際に前記フリップチップ実装型電子部品に印加されている荷重値とを比較をし、一致するように正転または逆転のパルス数を生成すること;超音波振動を開始し、停止すること;一次接合時間と二次接合時間とを設定することを実行する制御、2は制御1からの三種類の位置決め信号および正転または逆転のパルスに基づいてZ軸サーボモータ4を駆動するために必要な数の正転または逆転のパルスを生成する数値制御部、3は数値制御部2からのパルスを受けてエンコーダとパルスモータとからなるZ軸サーボモータ4を駆動する駆動部、5はZ軸サーボモータ4に連結されたブロックを介して配設された前記フリップチップ実装型電子部品を吸着する吸着ヘッド(図示せず。)の上下運動により生じる荷重を検出する荷重検出センサであるロードセル、6はロードセル5からの信号を所定のレベルまで増幅するアンプ、7はアンプ6で増幅された荷重信号をデジタルの荷重データに変換するA/D変換器である。
【0004】
図4(A)は荷重値のプロファイルを示した図であり、また図4(B)は超音波振動の振幅のプロファイルを示した図である。荷重値のプロファイルで実線は目標とする荷重のプロファイル、太点線は実際の荷重値のプロファイルである。図4において、第一荷重値は超音波振動を開始するために必要な荷重値、第二荷重値は超音波振動による主要接合である一次接合において接合開始により前記フリップチップ実装型電子部品のバンプが潰れていくがその時でも適正な荷重を確保するために必要な荷重値、第三荷重値は仕上接合である二次接合時に適正な荷重を確保するために必要な荷重値である。
【0005】
次にこのような荷重制御部の動作について説明する。
制御部1から前記第一位置決め信号が出力され、数値制御部2はこの第一位置決め信号を受けて前記フリップチップ実装型電子部品を吸着した前記吸着ヘッドを現状の位置から下降させるために正転の必要なパルスを生成する。このようにして数値制御部2で生成された正転のパルスが駆動部3を介してZ軸サーボモータ4に印加される。Z軸サーボモータ4はこの正転のパルスによって回転し、第一位置まで前記吸着ヘッドに吸着された前記フリップチップ実装型電子部品を下降させる。このパルスはZ軸サーボモータ4のエンコーダで検出され、駆動部3を介して数値制御部2に送られ、所定数のパルスが出力されたとき数値制御部2は正転のパルスの出力を停止する。
【0006】
ロードセル前記フリップチップ実装型電子部品に印加される荷重を常時検出し、この検出された荷重信号をアンプ6で所定の振幅まで増幅し、A/D変換器7でデジタルの荷重データに変換し、制御部1にフィードバックする。制御部1では前記第一位置決め信号に対応して設定されている第一荷重値とこのフィードバックされた荷重データとを比較し、一致するように正転または逆転のパルスが生成され、数値制御部2、駆動部3を介してZ軸サーボモータ4を正転または逆転させる。この時の荷重も前述のフィードバックループを介して荷重データとして制御部1にフィードバックされ、前記第一荷重値と荷重データが一致するまでフィードバック制御が繰り返され、その結果所定の第一位置に前記フリップチップ実装型電子部品が所定の前記第一荷重値で加圧挟持される。
【0007】
この後、制御部1から超音波振動開始の制御が行われ、所定の振幅および周期で超音波振動が開始され一次接合が開始される。また、同時に制御部1から前記第二位置決め信号が出力され、数値制御部2はこの第二位置決め信号を受けて前記フリップチップ実装型電子部品を吸着した前記吸着ヘッドを前記所定の第一位置から下降させるために正転の必要なパルスを生成する。このようにして数値制御部2で生成された正転のパルスが駆動部3を介してZ軸サーボモータ4に印加される。Z軸サーボモータ4はこの正転のパルスによって回転し、前記第二位置まで前記吸着ヘッドに吸着された前記フリップチップ実装型電子部品を下降させる。このパルス数はZ軸サーボモータ4のエンコーダで検出され、駆動部3を介して数値制御部2に送られ、所定数のパルスが出力されたとき数値制御部2は正転のパルスの出力を停止する。
【0008】
ロードセル前記フリップチップ実装型電子部品に印加される荷重を常時検出し、この検出された荷重信号をアンプ6で所定の振幅まで増幅し、A/D変換器7でデジタルの荷重データに変換し、制御部1にフィードバックする。制御部1では前記第二位置決め信号に対応して設定されている第二荷重値とこのフィードバックされた荷重データとを比較し、一致するように正転または逆転のパルスが生成され、数値制御部2、駆動部3を介してZ軸サーボモータを正転または逆転させる。この時の荷重も前述のフィードバックループを介して荷重データとして制御部1にフィードバックされ、前記第二荷重値とこの荷重データが一致するまでフィードバック制御が繰り返され、その結果所定の第二位置に前記フリップチップ実装型電子部品が所定の第二荷重値で加圧挟持される。こうして第二荷重値で加圧挟持して一次接合を行う。
【0009】
次に制御部1から前記第三位置決め信号が出力され、数値制御部2はこの第三位置決め信号を受けて正転の必要なパルスを生成する。このようにして数値制御部2で生成された正転のパルスが駆動部3を介してZ軸サーボモータ4に印加される。Z軸サーボモータ4はこの正転のパルスによって回転し、第三位置まで前記吸着ヘッドに吸着された前記フリップチップ型電子部品を下降させる。このパルス数はサーボモータのエンコーダで検出され、駆動部3を介して数値制御部2に送られ、所定数のパルスが出力されたとき数値制御部2は正転のパルスの出力を停止する。
【0010】
ロードセル前記フリップチップ実装型電子部品に印加される荷重を常時検出し、この検出された荷重信号をアンプ6で所定の振幅まで増幅し、A/D変換器7でデジタルの荷重データに変換し、制御部1にフィードバックする。制御部1では前記第三位置決め信号に対応して設定されている第三荷重値とフィードバックされた荷重データとを比較し、一致するように正転または逆転のパルスが生成され、数値制御部2、駆動部3を介してサーボモータを正転または逆転させる。この時の荷重も前述のフィードバックループを介して荷重データとして制御部1にフィードバックされ、前記第三荷重値とこの荷重データが一致するまでフィードバック制御が繰り返され、その結果所定の第三位置に前記フリップチップ実装型電子部品が所定の前記第三荷重値で加圧挟持される。この間超音波振動は継続されており二次接合が開始される。この二次接合は制御部1で制御される時間継続し、一定時間経過後に超音波接合の全工程が終了する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成で加圧となる荷重を制御することとして、フリップチップ実装型電子部品を超音波振動により回路基板に接合すると接続信頼性が落ちるという欠点があった。
本願発明者は、上記欠点である接続信頼性の低下の原因を調査し、次のことが原因であることを突き止めた。すなわち、超音波振動開始時急速にフリップチップ実装型電子部品のバンプが潰れ、その結果フリップチップ実装型電子部品に印加される荷重が急速に低下する。この荷重の低下はロードセル5で検出され、アンプ6、A/D変換器7を介して制御部1にフィードバックされ、ここで設定された第二荷重値とフィードバックされた荷重データの比較が行われ、この第二荷重値となるようにパルスが制御部1から数値制御部2を介してZ軸サーボモータ4に供給され、Z軸サーボモータ4を駆動して前記フリップチップ実装型電子部品に印加される荷重を第二荷重値になるように構成されているしかしながら、この間図4(A)の荷重プロファイルの太点線で示すように目標とする応答時間より遅く20ないし30msを要し、この間は適正な荷重がない状態で超音波振動が前記フリップチップ実装型電子部品に印加されるのでこのフリップチップ実装型電子部品のバンプと回路基板のバンプ間に超音波振動が十分に伝わらないからである。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、フィードバック制御の応答時間を短くした制御系で荷重を制御できるフリップチップ実装装置における荷重制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明になる第1の荷重制御装置は、フリップチップ実装型電子部品をプリント配線基板上の所定位置に実装するフリップチップ実装型電子部品の実装装置において、前記フリップチップ実装型電子部品を前記プリント配線基板の所定位置に接合するとき、その接合段階に応じて予め設定された荷重で加圧挟持する手段と、この加圧荷重を検出する荷重検出手段と、この検出された荷重と前記設定された荷重とを比較して一致するように荷重をかけるようにするフィードバック制御手段であって、一次接合時のフィードバック制御応答速度が二次接合時のフィードバック制御応答速度より高速である制御手段と、を有することを特徴とするものである。
【0013】
また、第1の荷重制御装置において、比較は、接合の段階に応じて予め設定された荷重と荷重検出手段で検出された荷重を比較するものであって、一次接合時には、ハードウェア比較器を用いることを特徴とするものである

【0014】
また、本発明になるもう一つの荷重制御装置は、フリップチップ実装型電子部品をプリント配線基板上の所定位置に実装するフリップチップ実装型電子部品の実装装置において、前記フリップチップ実装型電子部品の位置決め信号である第一位置決め信号、第二位置決め信号および第三位置決め信号生成すること;この三種類の位置決め信号に対応して予め設定されている荷重値と実際に前記フリップチップ実装型電子部品に印加されている荷重値とを比較をし、一致するように正転または逆転のパルス数を生成すること;一次接合時間とそれ以外とでZ軸サーボモータに印加するパルスの発生源を切り換える切換信号を生成すること;超音波振動の開始信号、停止信号を生成すること;前記一次接合時間と二次接合時間とを設定することを実行する制御部と、この制御部からの三種類の位置決め信号および正転または逆転のパルスに基づいて前記Z軸サーボモータを駆動するために必要な数の正転または逆転のパルスを生成する数値制御部と、この数値制御部またはパルス生成部からのパルスを受けて駆動され、前記フリップチップ実装型電子部品を加圧挟持する原動力となる前記Z軸サーボモータと、この加圧荷重を検出する荷重検出センサと、この荷重検出センサからの荷重信号を増幅するアンプと、このアンプからの荷重信号をデジタル荷重データに変換して前記制御部に送出するA/D変換器と、前記制御部からの第二位置決め信号に対応して予め設定された荷重値をしきい値として求め、このしきい値と前記アンプからの荷重信号とを比較回路で比較することによって、しきい値が荷重信号より小さいときは正転のパルスを、逆にしきい値が荷重信号より大きいときは逆転のパルスを生成する前記パルス生成部と、前記制御部からの前記切換信号により前記Z軸サーボモータの駆動パルス源を前記一次接合時間には前記パルス生成部に、それ以外の時間は前記数値制御部に切り換える切換部と、を有することを特徴とするものである。
【0015】
【作用】
本発明によれば、フィードバック制御をハードウェア比較器を用いて応答時間を2ないし3msとしたので、適正な荷重がかからない時間が極めて短い時間に短縮できるから、接合開始から極めて短時間で適正な荷重がフリップチップ実装型電子部品に印加されるのでこの部品のバンプと基板の電極パッド間に十分な振動が伝達される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の1実施形態を示す加圧となる荷重を発生制御する超音波振動接合における荷重制御装置の主要ブロック図である。図2は荷重のプロファイルを示した図である。荷重プロファイルで実線は目標とする荷重プロファイル、太点線は実際の荷重プロファイルである。
図1において、従来例と同じブロックには同一符号を付し、その説明を省略する。図2においても第一荷重値、第二荷重値および第三荷重値は従来例の図4に記載された同一名称のものと同様である。
【0017】
図1において、11は図示しないフリップチップ実装型電子部品の位置決め信号である第一位置決め信号、第二位置決め信号および第三位置決め信号を生成すること;この三種類の位置決め信号に対応して予め設定されている荷重値と実際に前記フリップチップ実装型電子部品に印加されている荷重値とを比較をし、一致するように正転または逆転のパルス数を生成すること;一次接合時間とそれ以外とでZ軸サーボモータに印加するパルスの発生源を切り換える切換信号を生成すること;超音波振動の開始信号、停止信号を生成すること;前記一次接合時間と二次接合時間とを設定することを実行する制御部、12は制御部11からの第二位置決め信号に対応して予め設定された荷重値をしきい値として求め、このしきい値とアンプ6からの荷重信号とを比較回路で比較することによって、しきい値が荷重信号より小さいときは正転のパルスを、逆にしきい値が荷重信号より大きいときは逆転のパルスを生成する前記パルス生成部、13は制御部11からの前記切換信号によりZ軸サーボモータ4の駆動パルス源を前記一次接合時間にはパルス生成部12に、それ以外の時間は数値制御部2に切り換える切換部である。なお、パルス生成部12における比較回路はハードウェア回路によって構成されている。
【0019】
次にこのような荷重制御部の動作について説明する。
最初は、制御部11からの前記切換信号によりZ軸サーボモータ4に印加される駆動パルスは数値制御部2からのパルスを選択するように切換部13で切り換えておく。この状態で制御部11から前記第一位置決め信号が出力され、数値制御部2はこの第一位置決め信号を受けて前記フリップチップ実装型電子部品を吸着した前記吸着ヘッドを現状の位置から下降させるために正転の必要なパルスを生成する。このため数値制御部2で生成された正転のパルスが駆動部3を介してZ軸サーボモータ4に印加される。Z軸サーボモータ4はこの正転のパルスによって回転し、第一位置まで前記吸着ヘッドに吸着された前記フリップチップ実装型電子部品を下降させる。このパルス数はZ軸サーボモータ4のエンコーダで検出され、駆動部3を介して数値制御部2に送られ、所定のパルスが出力されたとき数値制御部2は正転のパルスの出力を停止する。
【0020】
ロードセル5は前記フリップチップ実装型電子部品に印加される荷重を常時検出し、この検出された荷重信号をアンプ6で所定の振幅まで増幅し、A/D変換器7でデジタルの荷重データに変換し、制御部11にフィードバックする。制御部11では前記第一位置決め信号に対応して設定されている第一荷重値とこのフィードバックされた荷重データとを比較し、一致するように正転または逆転のパルスが生成され、数値制御部2、切換部13、駆動部3を介してZ軸サーボモータを正転または逆転させる。この時の荷重も前述のフィードバックループを介して荷重データとして制御部11にフィードバックされ、設定荷重値とこの荷重データが一致するまでフィードバック制御が繰り返され、その結果所定の第一位置にフリップチップ実装型電子部品が所定の第一荷重値で加圧挟持される。
【0021】
この後、制御部11から超音波振動開始の制御が行われ、超音波振動が開始され一次接合が開始される。また、同時に制御部11から第二位置決め信号に対応して予め設定されている第二荷重値がしきい値としてパルス生成部12に出力されると同時に前記切換信号によりZ軸サーボモータ4を駆動するパルスの信号源をパルス生成部12側に切り換える。前述のようにロードセル5は常時荷重を検出しており、この検出荷重はアンプ6で所定の増幅がされてパルス生成部12に入力され、ここで前記しきい値と比較される。この場合はしきい値の方が検出荷重値より大きいのでパルス生成部12は正転のパルスを生成する。
【0022】
したがってZ軸サーボモータ4はこの正転のパルスによって回転し、第二位置まで前記吸着ヘッドに吸着された前記フリップチップ実装型電子部品を下降させる。ロードセル5は常時前記フリップチップ実装型電子部品に印加される荷重を検出しているのでパルス生成部12では前記しきい値との比較が繰り返し行われており、前記しきい値との差の正負に応じて正転または逆転のパルスが生成され、Z軸サーボモータ4を駆動して所定の第二荷重値になるまでこの制御ループを繰り返す。こうして前記フリップチップ実装型電子部品が所定の第二荷重値で加圧挟持される。この第二荷重値は予め決められた一次発振時間継続して印加される。このように一次接合の時は、荷重の検出と所定の第二荷重値にするフィードバック制御ループをハードウェアの比較回路によって第二荷重値に相当するしきい値と実際の荷重との比較をし、荷重変更の要因であるZ軸サーボモータ4を駆動する正転または逆転のパルスを生成することとしているので目標とする荷重プロファイルに対して2〜3ms遅れの極めて時間遅れの少ない荷重プロファイルが得られる。
【0023】
なお、この一次接合の間Z軸サーボモータ4は前述のようにパルス生成部12で生成されるパルスで駆動されるが、ロードセル5で検出された荷重信号は同時にA/D変換器7に入力され、ここでデジタルの荷重データに変換されて制御部11に送られる。制御部11では設定された第二荷重値と入力された荷重データとを比較しており、制御部11は前記フリップチップ実装型電子部品が第二荷重値に適切に到達していることを認識している。こうして一次接合が完了する。
【0024】
一次接合が完了すると制御部11から前記切換信号によりサーボモータ4を駆動するパルスの信号源を数値制御部2側に切り換える。
制御部11から前記第三位置決め信号が出力され、数値制御部2はこの第三位置決め信号を受けて正転の必要なパルスを生成する。このため数値制御部2で生成された正転のパルスが駆動部3を介してZ軸サーボモータ4に印加される。Z軸サーボモータ4はこの正転のパルスによって回転し、第三位置まで前記吸着ヘッドに吸着された前記フリップチップ実装型電子部品を下降させる。このパルスはZ軸サーボモータのエンコーダで検出され、駆動部3を介して数値制御部2に送られ、所定数のパルスが出力されたとき数値制御部2は正転または逆転のパルスの出力を停止する。
【0025】
ロードセル前記フリップチップ実装型電子部品に印加される荷重を常時検出し、この検出された荷重信号をアンプ6で所定の振幅まで増幅し、A/D変換器7でデジタルの荷重データに変換し、制御部11にフィードバックする。制御部11では荷重設定値とフィードバックされた荷重データとを比較し、一致するように正転または逆転のパルスが生成され、数値制御部2、切換部13、駆動部3を介してサーボモータを正転または逆転させる。この時の荷重も前述のフィードバックループを介して荷重データとして制御部11にフィードバックされ、予め設定されている第三荷重値とこの荷重データが一致するまでフィードバック制御が繰り返され、その結果所定の第三位置に前記フリップチップ実装型電子部品が所定の第三荷重値で加圧挟持される。この間超音波振動は継続されており二次接合が開始される。この二次接合は制御部11で制御される時間継続し、一定時間経過後に超音波接合の全工程が終了する。
【0026】
このように一次接合の時は、荷重の検出と所定の第二荷重値にするフィードバック制御ループを比較回路によって第二荷重値に相当するしきい値と実際の荷重との比較をし、荷重変更の要因であるZ軸サーボモータ4を駆動する正転または逆転のパルスを生成することとしているので目標とする荷重プロファイルに対して2〜3ms遅れの極めて時間遅れの少ない荷重プロファイルが得られる。
【0027】
なお、本実施例では超音波振動による接合について説明したが、本発明は本実施例にかぎられず、発明の趣旨にそう限り他のフリップチップ実装装置の荷重制御装置にも使用可能であることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したように、一次接合時の荷重値設定のフィードバックループをハードウェアの比較回路で構成したのでフィードバックの応答を2ないし3msとすることができるから、適正な荷重がかからない時間が極めて短い時間に短縮できる。したがって、フリップチップ実装の接合開始から極めて短時間で適正な荷重がフリップチップ実装型電子部品に印加されるのでフリップチップ実装型電子部品のバンプとプリント配線基板の電極パッド間に十分な荷重が印加されるので十分な信頼性を確保できるフリップチップ実装装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態を示す荷重制御装置の主要ブロック図である。
【図2】本発明の荷重制御装置の荷重のプロファイルと超音波振動の振幅のプロファイルを示した図である。
【図3】従来の荷重制御装置の主要ブロック図である。
【図4】従来の荷重制御装置の荷重のプロファイルと超音波振動の振幅のプロファイルを示した図である。
【符号の説明】
1、11 制御部
2 数値制御部
3 駆動部
4 Z軸サーボモータ
5 ロードセル
6 アンプ
7 A/D変換器
12 パルス生成部
13 切換部

Claims (3)

  1. フリップチップ実装型電子部品をプリント配線基板上の所定位置に実装するフリップチップ実装型電子部品の実装装置において、
    前記フリップチップ実装型電子部品を前記プリント配線基板の所定位置に接合するとき、その接合段階に応じて予め設定された荷重で加圧挟持する手段と、
    この加圧荷重を検出する荷重検出手段と、
    この検出された荷重と前記設定された荷重とを比較して一致するように荷重をかけるようにするフィードバック制御手段であって、一次接合時のフィードバック制御応答速度が二次接合時のフィードバック制御応答速度より高速である制御手段と、
    を有することを特徴とする荷重制御装置。
  2. 請求項1記載の比較は、接合の段階に応じて予め設定された荷重と荷重検出手段で検出された荷重を比較するものであって、一次接合時には、ハードウェア比較器を用いることを特徴とする請求項1記載の荷重制御装置。
  3. フリップチップ実装型電子部品をプリント配線基板上の所定位置に実装するフリップチップ実装型電子部品の実装装置において、
    前記フリップチップ実装型電子部品の位置決め信号である第一位置決め信号、第二位置決め信号および第三位置決め信号を生成すること;この三種類の位置決め信号に対応して予め設定されている荷重値と実際に前記フリップチップ実装型電子部品に印加されている荷重値とを比較をし、一致するように正転または逆転のパルス数を生成すること;一次接合時間とそれ以外とでZ軸サーボモータに印加するパルスの発生源を切り換える切換信号を生成すること;超音波振動の開始信号、停止信号を生成すること;前記一次接合時間と二次接合時間とを設定することを実行する制御部と、
    この制御部からの三種類の位置決め信号および正転または逆転のパルス数に基づいて前記Z軸サーボモータを駆動するために必要な数の正転または逆転のパルスを生成する数値制御部と、
    この数値制御部またはパルス生成部からのパルスを受けて駆動され、前記フリップチップ実装型電子部品を加圧挟持する原動力となる前記Z軸サーボモータと、 この加圧荷重を検出する荷重検出センサと、
    この荷重検出センサからの荷重信号を増幅するアンプと、
    このアンプからの荷重信号をデジタル荷重データに変換して前記制御部に送出するA/D変換器と、
    前記制御部からの第二位置決め信号に対応して予め設定された荷重値をしきい値として求め、このしきい値と前記アンプからの荷重信号とを比較回路で比較することによって、しきい値が荷重信号より小さいときは正転のパルスを、逆にしきい値が荷重信号より大きいときは逆転のパルスを生成する前記パルス生成部と、 前記制御部からの前記切換信号により前記Z軸サーボモータの駆動パルス源を前記一次接合時間には前記パルス生成部に、それ以外の時間は前記数値制御部に切り換える切換部と、
    を有することを特徴とする荷重制御装置。
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