JP3567971B2 - ガラス基板の洗浄液及び洗浄方法 - Google Patents

ガラス基板の洗浄液及び洗浄方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス基板の洗浄液及び洗浄方法に係り、特にハードディスクなどに用いられる磁気ディスク用ガラス基板を洗浄する洗浄液及び洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク用基板としては、アルミニウム合金が従来より広く用いられてきたが、近年は、アルミニウムよりも強度があり、記憶容量の高密度化が可能なガラス基板を用いる傾向がある。
例えば、コンピュータの磁気記憶装置に用いられる磁気ディスクでは、ディスク状のガラス基板の表面にスパッタ、メッキ、蒸着等のプロセスにより形成した磁性膜及び保護膜で構成されている。磁気記憶装置では、この磁気ディスクを所定の回転数で回転させて磁気ディスク表面付近に発生する空気の流れにより、データの記録再生用磁気ヘッドを磁気ディスク表面から僅かに浮上させて記録再生動作を行う。
【0003】
最近、面記録密度の増大に伴い、磁気ヘッドと磁気ディスクの間隔は縮小し、現状の50nm前後から近年中には15〜25nmになろうとしている。この間隔縮小に伴い、従来は問題とならなかった磁気ディスク表面の微小な凸部に磁気ヘッドが接触し、正常な記録再生ができなかったり、更には磁気ヘッドの衝突破壊につながったりする場合がある。
【0004】
そして、磁気ディスク表面に微小な凸部が形成される主たる原因は、磁性膜や保護膜を形成するプロセスの前段でガラス基板を研磨処理する際にガラス基板に付着残存する研磨粒子である。
このため、研磨処理工程の後段に付着残存物洗浄工程を設けるのが通常である。
【0005】
従来より行われている付着残存物洗浄工程としては、ガラス基板面に洗剤や純水を供給しながら、モータで回転するブラシローラやスポンジローラをガラス基板表面に押しつけて研磨粒子を除去するスクラビング洗浄法が一般的である。
しかし、このスクラビング洗浄法は、研磨砥粒がガラス基板面に強固に付着残存した場合には効果的に除去できない。その結果、前述したように磁気ヘッドを損傷してしまう等の問題が生じる。
【0006】
この対策として、特開平8−329454には、ガラス基板面の異物除去をエッチング(化学的研磨)を利用して行うことが記載されている。この方法は、フッ化水素酸を主成分とするエッチング溶液を用いて、ガラス基板を0.1〜3μm程度の深さまで化学的に研磨することによりガラス基板面に付着残存している付着残存物を除去するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エッチング液としてフッ化水素酸系の薬液を用いると、ガラス基板に反応生成物であるフッ化物塩が析出してエッチングむらが生じるという欠点がある。この結果、ガラス基板のエッチング程度にバラつきが生じるので、エッチングが十分なされないガラス基板部分では、研磨砥粒の除去性が悪くなるという欠点がある。更に、生成されたフッ化物塩によりガラス基板に凹凸が残るため、次の行程でガラス基板を再度研磨処理する必要がある。
【0008】
また、高濃度のフッ化水素酸系の薬液を使用してエッチング力を大きくした場合、ガラス基板表面の凹凸が粗くなり、表面の粗いガラス端面からSiO粒子が剥離し、剥離したSiO粒子がガラス基板に再付着するという問題がある。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上記従来技術の欠点を解消し、ガラス基板に付着残存した研磨粒子を効果的に洗浄除去することができ、しかもエッチングむらも生じることがないガラス基板の洗浄液及び洗浄方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、ガラス基板を研磨処理した後にガラス表面に付着残存する研磨粒子を洗浄除去する洗浄液において、前記洗浄液は、0.05〜0.15重量%濃度のフッ化水素酸(HF)と、5〜20重量%濃度の硫酸(H2 SO4 )とから成る混酸液であることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、ガラス基板を研磨処理する後にガラス基板に付着残存する研磨粒子を、0.05〜0.15重量%濃度のフッ化水素酸と、1〜20重量%濃度の硫酸とから成る混酸液である洗浄液で洗浄するようにしたので、ガラス基板面に付着残存した研磨粒子を効果的に洗浄除去することができ、しかもエッチングむらも生じることがない。
【0013】
また、本発明は、前記目的を達成するために、ガラス基板を研磨処理した後にガラス表面に付着残存する研磨粒子を、0.05〜0.15重量%濃度のフッ化水素酸(HF)と、5〜20重量%濃度の硫酸(H 2 SO 4 )とから成る混酸液である洗浄液を使用して、前記洗浄液に前記ガラス基板を浸漬すると共に該洗浄液を振動させて洗浄する方法、又は前記洗浄液を供給しながら回転するブラシローラ又はスポンジローラを前記ガラス基板上に押しつけて洗浄する方法の何れかを行う薬液工程と、前記薬液工程で前記ガラス基板に付着した洗浄液を純水で洗い流すリンス工程と、前記リンス工程に付着している水分を乾燥する乾燥工程とから成ることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明のガラス基板の洗浄液及び洗浄方法の好ましい実施の形態について詳説する。
先ず、本発明の理論的根拠について説明する。
一般に、フッ化水素を水に溶解したフッ化水素酸系の薬液は、ガラスのエッチング液として用いられており、エッチングを行うことによる化学的な強度の改善、またはガラス基板表面に微少な凹凸を適度に形成させることを目的としている。そして、エッチングを目的とした場合のフッ化水素酸濃度は、比較的高濃度のものを使用している。また、フッ化水素酸系のエッチング液にガラス基板を浸漬すると、ガラスとの反応生成物であるフッ化ナトリウム(NaF)やフッ化カルシウム(CaF)のフッ化物塩が析出する(図4参照)。このフッ化物塩が析出してガラス基板を被覆するとエッチング反応を阻害し、エッチングむらが生じる。
【0015】
このエッチングむらの対策として、生成するフッ化物塩を溶解するためにエッチング液に酸を添加することもある。
しかし、発明者等が実施した試験結果によれば、ガラス基板を研磨処理した後にガラス基板に付着残存する研磨粒子を除去する目的で従来のエッチング液を使用し、そのエッチング力で付着残存した研磨粒子を洗浄除去しようとしても、良い除去性能が得られなかった。
【0016】
そこで、本発明者等は、ガラス基板に付着残存する研磨粒子を除去する目的とした洗浄液の場合には、エッチング処理を目的とした場合のエッチング液とは相違し、研磨粒子の除去に適切なフッ化水素酸濃度及び酸濃度の組み合わせがあるのではないかとの予測の基に以下の試験を行った。
図1は、ガラス基板を研磨処理した後にガラス基板に付着残存する研磨粒子を、フッ化水素酸と硫酸の混酸液の洗浄液で洗浄する際の洗浄特性において、洗浄液中のフッ化水素酸濃度が除去性能に及ぼす影響を調べたものである。即ち、硫酸濃度を5重量%に一定にした状態でフッ化水素酸濃度を0.001〜0.2重量%まで変化させた。また、図2は、上記洗浄特性において、硫酸が除去性能に及ぼす影響を調べたものであり、フッ化水素酸濃度を0.1重量%に一定にした状態で硫酸濃度を0.5〜30重量%まで変化させた。除去性能の評価としては、洗浄液でガラス基板を洗浄した後にガラス基板から除去されずに残存している0.3μm以上の粒径の研磨粒子の個数をカウントした。
【0017】
図1から分かるように、フッ化水素酸濃度が0.001重量%の研磨粒子の除去性能が悪い状態から濃度を次第に増加させていくと、0.05重量%付近においてガラス基板からの研磨粒子の除去性能が急激に良化する。更に、フッ化水素酸濃度を増加させていくと0.15重量%付近までは良好な除去性能の状態を維持するが、0.15重量%を越えると除去性能が再び急激に悪化する。
【0018】
また、図2から分かるように、硫酸濃度0.5重量%の研磨粒子の除去性能が悪い状態から濃度を次第に増加させていくと、濃度が5重量%付近においてガラス基板からの研磨粒子の除去性能が急激に良化する。更に、硫酸濃度を上げていくと20重量%付近までは良好な除去性能の状態を維持するが20重量%を越えると再び除去性能が急激に悪化する。
【0019】
これら図1及び図2の結果から、ガラス基板に付着残存した研磨粒子の除去性能とフッ化水素酸濃度及び硫酸濃度との関係において、臨界性を有する特異的な濃度範囲があることが分かった。この結果は、フッ化水素酸と硝酸の混酸液、又はフッ化水素酸とリン酸の混酸液として調製した洗浄液の場合にも同様の結果であった。
【0020】
そこで、発明者等は、図3に示すように、ガラス基板に付着残存した研磨粒子の除去性能について洗浄液中のフッ化水素酸濃度と硫酸濃度の両方を変化させた場合の洗浄性能について調べた。図3中の○及び●は、洗浄液で洗浄した後にガラス基板から除去されずに残存している0.3μm以上の粒径の研磨粒子の個数を示したものである。そして、○は、ガラス基板当たりの研磨粒子の残存個数が20個以下であることを意味し、●は20個を越えることを意味する。
【0021】
その結果、図3の四角な濃色部分が良好な除去性能を示し、且つガラス基板の表面が局部的にエッチングされる等のエッチングむらを認められなかった。一方、四角い部分の外側では極端に除去性能が劣る結果が得られ、フッ化水素酸濃度が0.2重量%を越えると研磨粒子の除去性能が悪化する他に、ガラス基板に局部的に深いエッチング部分が生じガラス基板自体の品質の点でも劣った。尚、図3では○と●とを残存研磨粒子20個を境に分けたが、図1及び図2からも分かるように●の殆どは20個よりもかなり多いものが大部分である。
【0022】
即ち、図1〜図3の結果からガラス基板に付着残存した研磨粒子の除去性能に適したフッ化水素酸濃度について見ると、図4に示すように、フッ化水素酸濃度が低すぎてエッチング力が不足する洗浄液ではガラス基板に付着残存した研磨砥粒の除去能力はない。このエッチング力を発揮可能なフッ化水素酸濃度の下限が0.01重量%である。逆にフッ化水素酸濃度が高すぎるとエッチング速度が速すぎるために、研磨粒子が付着していないガラス基板部分のみを局所的に深くエッチングされてしまいエッチングむらが発生する。従って、深くエッチングされた部分と浅くエッチングされた部分とによりガラス基板に凸凹が形成されるので、研磨材粒子が洗浄除去される前にガラス基板自体の品質が維持できなくなる。また、フッ化水素酸濃度が高すぎるとガラス基板からガラス粒子が剥離し、剥離したガラス粒子がガラス基板に再付着してしまうという弊害も生じる。このような不具合が生じないフッ化水素酸濃度の上限が0.2重量%である。
【0023】
また、硫酸濃度について見ると、図5に示すように、硫酸濃度が低すぎるとガラス基板に析出したフッ化物塩が溶解しないのでエッチング力が低下しエッチングむらがでると共に、ガラス基板に付着残存した研磨砥粒の除去効果が十分に得られない。そして、フッ化物塩を溶解し研磨粒子を除去するだけのエッチング力を得ることのできる硫酸濃度の下限が1重量%である。逆に、硫酸濃度が高すぎると、ガラス基板に析出したフッ化物塩が速やかに溶解されてフッ化水素酸が再生される。エッチングを目的とした場合であればフッ化物塩が速やかに溶解されることは良い方向に作用するが、ガラス基板に研磨粒子が付着した状態ではフッ化物塩が速やかに溶解されてフッ化水素酸が再生されるとエッチング速度が速くなりすぎる。これにより、エッチングむらが発生し、ガラス基板面に凸凹が形成されるので、前述したと同様に研磨粒子を洗浄除去する前にガラス基板としての品質が維持できなくなる。この不具合が生じない硫酸の上限が20重量%である。尚、研磨粒子の除去性能の良好な範囲が硝酸やリン酸の場合にも1〜20重量%であった。
【0024】
このように、ガラス基板に付着残存する研磨粒子を除去する目的とした洗浄液の場合には、ガラス基板に研磨粒子が付着した状態でエッチングむらを発生させることなくエッチングしながらガラス基板に付着した研磨粒子を除去しなくてはならない。従って、フッ化水素酸濃度と硫酸濃度の組み合わせにより、研磨粒子の除去に適したエッチング速度の洗浄液を得ることが重要なポイントになる。
【0025】
本発明は、上記知見に基づいて成されたもので、ガラス基板を研磨処理した後にガラス基板に付着残存する研磨粒子を有効に洗浄除去するための適切なエッチング速度を有する洗浄液として、0.05〜0.15重量%濃度のフッ化水素酸と、5〜20重量%濃度の硫酸又は硝酸若しくはリン酸とから成る混酸液を構成したものである。洗浄液の調製方法としては、濃度46%の市販のフッ化水素酸と、濃度96%の市販の硫酸とを、純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、所望のフッ化水素酸濃度と、所望の硫酸濃度の水溶液を得るようにするとよい。
【0026】
尚、ガラス基板を研磨処理した後、ガラス基板には研磨粒子の他に微小の塵埃等も付着する場合があるが、塵埃の場合には洗剤で簡単に除去されるので、本発明では塵埃の除去については述べていないだけで、本発明の洗浄により塵埃も除去されることはもちろんである。
図6は、本発明の洗浄液にガラス基板を浸漬させながら洗浄液を振動させる本発明の洗浄方法を組み込んだ洗浄工程を示したものであり、洗浄工程は、薬液洗浄工程、リンス工程、乾燥工程の3工程からなっている。
【0027】
洗浄工程の洗浄装置10は、中央部が開口されたドーナッツ状の磁気ディスク用のガラス基板12を、所定間隔を置いて縦向きに配列収納する洗浄用カゴ14と、本発明の洗浄液を貯留する洗浄槽16と、洗浄槽16内の洗浄液を振動する超音波発生装置18とで構成される。
洗浄槽16の下部には、洗浄液を補充する補充ライン20が接続されると共に、洗浄槽16の上端部にはトラフ22が設けられる。そして、洗浄槽16内には新しい洗浄液、即ち、本発明で規定される濃度に調整されたフッ化水素酸と硫酸の混酸液が常時補充され、補充された分だけ、使用されて濃度の低下した洗浄液が洗浄槽16からトラフ22に越流する。
【0028】
洗浄工程では、ガラス基板12を収納した洗浄用カゴ14が、洗浄槽16内の洗浄液に浸漬され、超音波発生装置18からの超音波により洗浄槽16内の洗浄液が振動される。この場合、洗浄槽16内に浸漬するガラス基板12の浸漬時間は3分以上であることが好ましい。また、超音波発生装置18から洗浄液に与える超音波の周波数は、15〜50kHz若しくは750kHz以上が好ましい。それ以外の周波数では、洗浄を促進するキャビテーションが発生しにくい。若しくは洗浄液に十分な加速度が与えられず、ガラス基板12表面に付着残存した研磨粒子の洗浄能力が低下する。また,洗浄液の温度は常温でよく、特に温度の限定はない。
【0029】
次に、リンス工程では、洗浄槽16から引き上げられた洗浄カゴ14が先ず第1リンス槽24内の純水中に浸漬され、続いて第2リンス槽26の純水中に浸漬される。第1及び第2のリンス槽24、26ともに、構造は前記した洗浄槽16と同様であり、各リンス槽24、26には超音波発生装置18が備えられてリンス槽24、26中の純水が振動される。これにより、洗浄槽16においてガラス基板12に付着している洗浄液が洗い流される。この場合、純水は後段側である第2リンス槽26に供給され、第2リンス槽26のトラフ22に越流した純水が前段側の第1リンス槽24に供給される。これにより、純水の使用量を削減することができる。
【0030】
次に乾燥工程では、第2のリンス槽26から引き上げられた洗浄カゴ14が、乾燥ボックス28内に置かれる。この乾燥ボックス28内の下部には、吸湿性が大きく且つ揮発性も大きな有機溶剤を溜める溜まり部30が設けられ、揮発する有機溶剤の蒸気によりガラス基板12に付着している純水が吸収除去される。この場合、乾燥ボックス28と真空装置(図示せず)とを接続して乾燥ボックス28内を減圧するとよい。
【0031】
図7は、ガラス基板上に本発明の洗浄液を供給しながら、回転するブラシローラをガラス基板上に押しつける本発明の洗浄方法を適用した洗浄装置を示したものである。尚、図6と同じ部材には同符号を付して説明する。
図7に示すように、研磨粒子(砥粒)が付着したガラス基板12の上方には、該ガラス基板12上に洗浄液を供給する洗浄液ノズル32が設けられ、0.05〜0.15重量%濃度のフッ化水素酸と、1〜20重量%濃度の硫酸又は硝酸若しくはリン酸とから成る混酸液である洗浄液がガラス基板12上に注がれる。そして、ガラス基板12上に薄く洗浄液の膜が形成された状態で回転させたブラシローラ34をガラス基板12上に押しつけてガラス基板12上を往復移動させる。これにより、洗浄液のエッチング力とブラシローラ34のスクラビング力の両方でガラス基板12に付着残存する研磨粒子が除去される。この場合、ガラス基板12上の洗浄液の液膜に超音波を当てて液膜を振動させると更に研磨粒子の除去性能を向上させることができる。尚、ブラシローラ34に代えてスポンジローラを使用してもよい。また、ブラシローラ34による洗浄後は、上記した洗浄工程と同様に、リンス工程、乾燥工程を行う。
【0032】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例を説明する。
〔実施例1〕
ガラス基板を洗浄槽に浸漬して超音波発生装置で洗浄液を振動させる場合の実施例を説明する。
【0033】
以下示すようにNo.1〜9までの洗浄液を調製し、ガラス基板を研磨処理した後にガラス基板に付着残存する研磨粒子の除去性能を試験した。
試験は、先ず、2.5インチの磁気ディスク用のガラス基板を研磨砥粒として酸化セリウム(三井金属工業製、CeO、0.4〜0.8μm)を用い、研磨装置によりテーブル回転数40rpm、研磨時間10分間の条件で研磨を行った。研磨後のガラス基板を60℃の温純水を用いて予備洗浄を行い、洗浄用の試験サンプルとした。その後、実施例1〜9及び比較例1で調整した洗浄液を用いて以下の条件でガラス基板の洗浄実験を行った。
【0034】
本実施の洗浄液及び比較液の場合ともに、洗浄槽内の洗浄液の容量を2L、超音波発生装置の周波数を45kHzとし、洗浄槽に浸漬している洗浄時間を3分とした。この条件で研磨後のガラス基板を洗浄した時の研磨粒子の除去性能を比較した。
除去性能の評価は、洗浄後に200倍の顕微鏡観察により暗視野で0.3μm以上の研磨粒子の個数を目視でカウントすることにより行った。また、エッチングむらがないかについては、ガラス基板の表面粗さ(Rmax)を調べることにより行い、先端が0.2μm角の触針を有する表面粗さ計(小坂研究所製)で測定した。
【0035】
(洗浄液1)濃度46%のフッ化水素酸2.2ccと、濃度96%の硫酸104ccを、1894ccの純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.05重量%、硫酸濃度5重量%の洗浄液を調製した。
(洗浄液2)濃度46%のフッ化水素酸2.2ccと、濃度96%の硫酸417ccを、1581ccの純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.05重量%、硫酸濃度20重量%の洗浄液を調製した。
【0036】
(洗浄液3)濃度46%のフッ化水素酸4.4ccと、濃度96%の硫酸417ccを、1579ccの純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.1重量%、硫酸濃度20重量%の洗浄液を調製した。
(洗浄液4)濃度46%のフッ化水素酸2.2ccと、濃度60%の硝酸334ccを、1664ccの純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.05重量%、硝酸濃度20重量%の洗浄液を調製した。
【0037】
(洗浄液5)濃度46%のフッ化水素酸2.2ccと、濃度60%の硝酸668ccを、1330ccの純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.05重量%、硝酸濃度20重量%の洗浄液を調製した。
(洗浄液6)濃度46%のフッ化水素酸4.4ccと、濃度60%の硝酸668ccを、1328cc純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.1重量%、硝酸濃度20重量%の洗浄液を調製した。
【0038】
(洗浄液7)濃度46%のフッ化水素酸2.2ccと、濃度85%のリン酸118ccを、1880ccの純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.05重量%、リン酸濃度5重量%の洗浄液を調製した。
(洗浄液8)濃度46%のフッ化水素酸2.2ccと、濃度85%のリン酸471ccを、1527ccの純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.05重量%、リン酸濃度20重量%の洗浄液を調製した。
【0039】
(洗浄液9)濃度46%のフッ化水素酸4.4ccと、濃度85%のリン酸471ccを、1525ccの純水中に攪拌しながら徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.1重量%、リン酸濃度20重量%の洗浄液を調製した。
(比較液1)濃度46%のフッ化水素酸2.2ccを攪拌しながら1998ccの純水中に徐々に滴下し、フッ化水素酸濃度0.05重量%の比較液を調製した。
【0040】
以上の条件で行った試験の結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003567971
表1の結果から明らかなように、本発明の洗浄液を使用してガラス基板を洗浄した場合には、ガラス基板に付着残存する研磨粒子の個数は全て20個以下であり、ガラス基板から研磨粒子を効果的に除去することができた。特に、0.05〜0.15重量%濃度のフッ化水素酸と、5〜20重量%濃度の硫酸を組み合わせた洗浄液の除去性能が良かった。また、本発明の洗浄液を使用した場合には、ガラス基板のRmaxも10(nm)以下であり、エッチングむらが殆ど認められなかった。
【0042】
これに対し、ガラス基板を比較液で洗浄した場合には、ガラス基板に付着残存する研磨粒子の個数は1000個以上あり、除去性能が著しく悪いと共に、Rmaxが30(nm)であり大きなエッチングむらも認められた。
〔実施例2〕
次に、ガラス基板上に、洗浄液を供給しながら、スポンジローラでガラス基板の表面をブラッシングする実施例を説明する。
【0043】
外径65mm、内径20mm、厚さ0.635mmのドーナツ状のソーダライムガラス基板を平均粒径1μmの酸化セリウムを主成分とする研磨砥粒で10分間研磨した。このガラス基板上に、実施例1で説明した洗浄液1〜9、又は比較液を供給しながら、ポリビニルホルマール製のブラシローラを回転数500rpm、押圧力200g/cmで1分間ブラシ洗浄した。ブラシ洗浄後のガラス基板は、オーバーフロー方式で純水を連続供給している超音波槽に浸漬し、3分間リンス洗浄し、その後でガラス基板を溶剤蒸気乾燥した。
【0044】
そして、実施例1で説明した除去性能の評価と同様の方法で、洗浄液1〜9、比較液ごとにガラス基板から除去される研磨粒子の除去性能を評価した。
この結果、洗浄液1〜9はいずれも研磨粒子の除去性能がよく、且つRmaxも小さく、実施例1と同様の効果を得ることができた。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガラス基板の洗浄液及び洗浄方法によれば、ガラス基板に付着残存した研磨粒子を効果的に洗浄除去でき、しかもエッチングむらも生じることがない。
従って、ガラス基板自体の品質を損なうことなく、研磨工程においてガラス基板上に付着残存した研磨粒子を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス基板に付着残存する研磨粒子の除去性能と、フッ化水素酸濃度との関係を説明する説明図
【図2】ガラス基板に付着残存する研磨粒子の除去性能と、硫酸濃度との関係を説明する説明図
【図3】ガラス基板に付着残存する研磨粒子の除去性能と、フッ化水素酸濃度及び硫酸濃度の両者の関係を説明する説明図
【図4】本発明の洗浄液におけるフッ化水素酸の作用を説明する説明図
【図5】本発明の洗浄液における硫酸の作用を説明する説明図
【図6】本発明の洗浄方法のうち、ガラス基板を洗浄液に浸漬させる洗浄方法を組み込んだ洗浄工程を説明する説明図
【図7】本発明の洗浄方法のうち、ガラス基板上に洗浄液を供給しながらブラシローラでブラッシングする洗浄方法を説明する説明図
【符号の説明】
10…洗浄装置
12…ガラス基板
14…洗浄カゴ
16…洗浄槽
18…超音波発生装置
24…第1リンス槽
26…第2リンス槽
28…乾燥ボックス
30…有機溶剤の溜まり部
32…洗浄液ノズル
34…ブラシローラ

Claims (2)

  1. ガラス基板を研磨処理した後にガラス表面に付着残存する研磨粒子を洗浄除去する洗浄液において、
    前記洗浄液は、0.05〜0.15重量%濃度のフッ化水素酸(HF)と、5〜20重量%濃度の硫酸(H2 SO4 )とから成る混酸液であることを特徴とするガラス基板の洗浄液。
  2. ガラス基板を研磨処理した後にガラス表面に付着残存する研磨粒子を、0.05〜0.15重量%濃度のフッ化水素酸(HF)と、5〜20重量%濃度の硫酸(H 2 SO 4 )とから成る混酸液である洗浄液を使用して、前記洗浄液に前記ガラス基板を浸漬すると共に該洗浄液を振動させて洗浄する方法、又は前記洗浄液を供給しながら回転するブラシローラ又はスポンジローラを前記ガラス基板上に押しつけて洗浄する方法の何れかを行う薬液工程と、
    前記薬液工程で前記ガラス基板に付着した洗浄液を純水で洗い流すリンス工程と、
    前記リンス工程に付着している水分を乾燥する乾燥工程とから成ることを特徴とするガラス基板の洗浄方法。
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