JP3567964B2 - 密封装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置に係り、更に詳しくは、シールリップを備えたシール部材と、このシール部材を保護する補助シール部材とを組み合わせた密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動製パン機、餅つき機またはミキサー機等のように調理ケースの内部に回転羽根または回転刃等の回転工具を設けた調理機においては、この回転工具を回転させる軸がケーシングを縦方向に貫通して設けられている。したがってこの軸の周囲を正確に密封しないと、一部の調理物や水分等が軸を伝って漏洩する不都合がある。
【0003】
この種の用途に用いられる密封装置として、従来、図13に示す密封装置が知られており、この密封装置は、以下のように構成されている。
【0004】
すなわち、この密封装置は先ず、ケーシング51の内周面に嵌着されるケースシール部材52と、軸(図示せず)の周面に密接摺動するシールリップ54を備えた軸シール部材53とを別部品として有しており、前者のケースシール部材52の芯金55の内周側に後者の軸シール部材53の芯金56が嵌着されて、両シール部材52,53が一体化されている。また後者の軸シール部材53の上面にその摩耗を防止するとともに調理物との剥離性を付与するために、滑り性を備えた部材よりなる補助シール部材57が配置されており、この補助シール部材57は、その外周縁部57aが両芯金55,56のフランジ部55a,56aの間に挟持されることによって、両シール部材52,53の間に組み付けられている。
【0005】
上記構成を備えた密封装置は、シールリップ54を軸の周面に密接摺動させることにより軸の周囲を密封することができ、しかも軸シール部材53の上面に補助シール部材57を配置したためにこの補助シール部材57によってシール部材1を調理物等の密封対象物から保護することができるが、尚、以下のような不都合を有している。
【0006】
すなわち、補助シール部材57を二つの芯金55,56の間に挟み込むことによってこの補助シール部材57をシール部材に組み付ける構成であるために、シール部材がケースシール部材52およびシール部材53の二部品に分けられている。したがって部品点数が多く、製作に多くの手間と時間がかかり、コスト的にも不利である。また芯金55,56同士を互いに嵌着する構成であるために、この芯金55,56を精度良く加工して旨く嵌着しないと、この芯金55,56同士の間から密封対象物が漏れる虞もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑み、シール部材に対する補助シール部材の取付け構造に工夫を凝らすことによってシール部材を二つに分ける必要がなく、部品点数を削減することが可能であり、製作を容易にすることが可能であり、しかもシール部材に対して補助シール部材を容易に取り付けることが可能な密封装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の密封装置は、ケーシングに固定されるとともに軸の周面にシールリップを摺動自在に密接させるシール部材と、前記シール部材の軸方向一方に非接着で重ねられるとともに前記軸の周面に内周部を摺動自在に密接させる補助シール部材とを有し、前記補助シール部材に孔状の係合部が設けられ、前記シール部材に、前記孔状の係合部に圧入される突起状の係合部が設けられ、前記突起状の係合部には、柱状部とこの柱状部の上端部に一体成形された比較的大径のストッパとが一体に設けられ、前記両係合部の係合により前記補助シール部材が前記シール部材に非接着で取り付けられており、前記突起状の係合部のストッパと孔状の係合部の開口周縁部との間には軸方向間隙が設けられ、前記突起状の係合部の柱状部と孔状の係合部の内面との間には軸直角方向間隙が設けられていることにした。
【0009】
上記構成を備えた本発明の密封装置は先ず、ケーシングに固定されるとともに軸の周面にシールリップを密接させるシール部材を有しており、このシール部材に補助シール部材が組み合わされる。
【0010】
シール部材は、ケーシングに固定される機能と、軸の周面にシールリップを密接させる機能の双方を備えており、よって上記従来技術におけるケースシール部材の機能と軸シール部材の機能とを兼ね備え、一部品により構成されている。
【0011】
一方、補助シール部材は、シール部材に設けられたシールリップの摩耗を防止するとともにシール部材に調理物等の密封対象物との剥離性を付与するために設けられるもので、この機能を発揮すべく、シール部材の軸方向一方、すなわち密封対象物側に重ね配置される。またこの補助シール部材は、シール部材に設けられるシールリップと同材質または他材質の材料によって成形されるが、上記したこの補助シール部材の機能からして、滑り性が良好な樹脂によって成形されるのが好適である。
【0012】
本発明において、シール部材に対する補助シール部材の取付けは、シール部材の軸方向一方、すなわち密封対象物側に補助シール部材を重ね合わせ、シール部材に設けられた突起状の係合部を、補助シール部材に対応して設けられた係合部に圧入することによって極めて容易に行なわれる。突起状の係合部を対応する係合部に圧入すると、両係合部が係合して補助シール部材がシール部材に取り付けられ、かつ回り止めされる。
【0013】
シールリップを備えたシール部材が芯金にゴム状弾性材を加硫接着するものである場合、シール部材に設けられる突起状の係合部は、これを、このゴム状弾性材の一部として設けるのが好適である。一方、補助シール部材に対応して設けられる係合部は、これを、突起状の係合部を圧入可能とすべく孔状、凹部状、スリット状または切欠状等に形成するが、圧入作業を容易化するために特に、孔状に形成するのが好適である。
【0014】
このように突起状の係合部がゴム状弾性材製であり、補助シール部材側の対応する係合部が孔状である場合、両係合部は圧入代の設定によって互いに係合するのが一般であるが、突起状の係合部の先端部に孔状の係合部の内径より大きな径のストッパを設けて、このストッパを孔状の係合部に圧入して孔状の係合部の反対側まで貫通させると、組付け後、このストッパが孔状の係合部の周縁に係合するために、一層堅固な抜け止め構造が構成される。
【0015】
また、この場合は、突起状の係合部の先端に設けられる比較的大径のストッパによって抜け止め作用が維持されるために、同じく突起状の係合部の、孔状の係合部内に配置されるストッパ以外の柱状部分については、その径が孔状の係合部の内径より小さく設定されても良いことになる。そしてこの場合は、この柱状部分の周面と孔状の係合部の内面との間に間隙が形成されるために、この間隙の範囲内で、補助シール部材がシール部材に対して軸直角方向に相対変位可能となり、これにより軸に対する補助シール部材の偏心追随性を確保することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
【0017】
図1は、当該実施形態に係る密封装置をケーシング21の内周に嵌着した状態の要部断面を示している。図2は、シール部材1を軸方向から見た平面図であって図1におけるA方向矢視図、図3は補助シール部材11を軸方向から見た平面図であって図1におけるA方向矢視図、図4は互いに係合した係合部12,13の拡大断面図である。
【0018】
図示したように、当該実施形態に係る密封装置は、芯金(取付環または補強環とも称する)2にゴム状弾性材(ゴム状弾性体とも称する)3を加硫接着したシール部材(メインシールとも称する)1と、このシール部材1の上面に重ねられた補助シール部材(補助シールとも称する)11と、シール部材1に設けられたシールリップ7に軸(回転軸とも称する)22に対する緊締力を付与するガータスプリング10とによって構成されており、シール部材1が、ケーシング(ハウジングとも称する)21に設けられた環状の凹段部21aにその上方から圧入されることによって、密封装置全体がケーシング21の内周に装着されるようになっている。各部品は環状である。
【0019】
シール部材1の芯金2は、筒状部2aと、その上端に径方向内方に向けて一体成形されたフランジ部2bとを一体に備えており、これにより断面略L字形に成形されている。
【0020】
この芯金2に加硫接着されたゴム状弾性材3は、芯金2の筒状部2aの下端面および外周面に接着されて、芯金2がケーシング21の凹段部21aに嵌着されたときに凹段部21aの内面に密接して芯金2およびケーシング21間をシールする外周シール部4と、筒状部2aの内周面に接着されてこれを保護する内側被覆部5と、芯金2のフランジ部2bの内周端部に下向きに設けられた略円筒形を呈するシールリップ保持部6と、このシールリップ保持部6の内周面に設けられて装着時に軸22の周面に摺動自在に密接するシールリップ7と、フランジ部2bの上端面に接着されてこれを保護するとともに外周シール部4およびシールリップ保持部6を連結した上側被覆部8と、フランジ部2bの下端面に接着されてこれを保護するとともに内側被覆部5およびシールリップ保持部6を連結した下側被覆部9とを一体に備えており、全体として芯金2を被包している。
【0021】
シールリップ7は、上下に複数、図では二つが設けられ、それぞれがシール受圧面7aを上方に向けて、軸22の周面を伝ってくる調理物等の密封対象物をシールするようになっている。また下側のシールリップ7に軸22に対する緊迫力を付与するために、このシールリップ7の外周に位置して、シールリップ保持部6の外周面にガータスプリング10が嵌着されている。
【0022】
シール部材1の上面に重ねられる補助シール部材11は、レアフロン(登録商標)等の滑り性の良好な合成樹脂(四弗化エチレン樹脂)によって略蛇の目状に成形されており、シール部材1のゴム状弾性材3の上側被覆部8の上面形状に合わせて平板状に成形された外周部11aと、上側のシールリップ7の上面形状に合わせてテーパ状に成形された内周部11bとを一体に備えており、装着時、内周部11bの内周端部が軸22の周面に密接摺動する。
【0023】
シール部材1において、ゴム状弾性材3の上側被覆部8の上面に、上方向に向けて突起状の係合部(突起とも称する)12が複数、図では四つ、等配状に設けられており、これに対応して、補助シール部材11の外周部11aに孔状の係合部(通し穴とも称する)13が複数、図では四つ、等配状に設けられており、前者の突起状の係合部12がそれぞれ後者の孔状の係合部13に圧入され、両係合部12,13が係合することによって、補助シール部材11がシール部材1に取り付けられている。
【0024】
図4に拡大して示すように、突起状の係合部12は、ゴム状弾性材3の上側被覆部8の上面に上向きに一体成形された柱状部12aと、この柱状部12aの上端部に一体成形された比較的大径のストッパ12bとを一体に備えており、略円柱形に成形された柱状部12aの先端に、平面形状(A方向から見た形状)を略円形に成形されたストッパ12bが同軸上に一体成形されている。孔状の係合部13の開口形状は略円形である。また突起状の係合部12は、柱状部12aの外径寸法を孔状の係合部13の内径寸法より小さく設定されており、これに対してストッパ12bの外径寸法を孔状の係合部13の内径寸法より大きく設定されている。またストッパ12bの上面外周部に、このストッパ12bを孔状の係合部13に圧入し易くするために、テーパ状の傾斜面(カット部とも称する)12cが設けられており、同じくストッパ12bの下面部に、このストッパ12bを圧入時に弾性変形し易くするテーパ状の傾斜面12dが設けられている。傾斜面12c,12dは何れも径方向内方から外方に向けて漸次下降する向きに形成されている。
【0025】
ストッパ12bを孔状の係合部13に弾性変形させつつ圧入して、孔状の係合部13の反対側(上側)に貫通させると、このストッパ12bが弾性復帰して図示した形状に復帰し、爾後、その外周縁部が孔状の係合部13の開口周縁部に係合するために、これにより抜け止め機能が発揮される。圧入後、ストッパ12bの下面部は、孔状の係合部13の開口周縁部と常時接触しても良いが、図示したように孔状の係合部13の開口周縁部との間に若干の間隙(軸方向間隙)14が設けられるようにしても良く、このようにすると、補助シール部材11がシール部材1に対して軸直角方向に相対変位し易くなるために、後記する軸22の偏心に対する補助シール部材11の追随性を向上させることが可能となる。
【0026】
また上記した柱状部12aおよびストッパ12bを一体に備えた突起状の係合部12が孔状の係合部13に圧入されると、突起状の係合部12の柱状部12aの周面と孔状の係合部13の内面との間に所定の大きさを間隙(軸直角方向間隙)15が設定されるために、この間隙15の範囲内で、補助シール部材11がシール部材1に対して軸直角方向に相対変位することが可能となり、これにより軸22の偏心に対する補助シール部材11の追随性を確保することが可能となる。
【0027】
上記構成を備えた密封装置は、例えば自動製パン機内部のケーシング21内周に装着されて軸22の周囲を密封するものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0028】
すなわち先ず、シール部材1に設けられた複数のシールリップ7が軸22の周面に密接摺動するとともに、同じくシール部材1に設けられた外周シール部4がケーシング21の内面に密接するために、調理物または水分等の密封対象物を十分にシールすることができる。また反対に、外部から機内へダスト等が侵入するのを防止することもできる。
【0029】
また上記従来技術のようにシール部材1が複数の部品に分割されておらず、シール部材1が芯金2にゴム状弾性材3を加硫接着した唯一の加硫成形品によって構成されているために、上記従来技術と比較して部品点数を削減することができ、その製作を容易にすることができ、コスト的にも有利である。
【0030】
またシール部材1に、そのゴム状弾性材3の一部として設けた突起状の係合部12を、補助シール部材11に設けた孔状の係合部13に圧入するのみで、補助シール部材11をシール部材1に取り付けることができるために、取付け作業が簡単である。
【0031】
また突起状の係合部12を孔状の係合部13に圧入して両係合部12,13を係合することによってシール部材1に対して補助シール部材11を抜け止めおよび回り止めしたために、この抜け止めおよび回り止めの機能を確保するために他に部品を必要としない。またシール部材1に非円形の凹部を設けて、この凹部に外形非円形とした補助シール部材11を嵌めこむといった特殊な形状の回り止め構造を設ける必要もない。
【0032】
更にまた、突起状の係合部12の柱状部12aの径が孔状の係合部13の内径より小さく設定されていて、柱状部12aの周面と孔状の係合部13の内面との間に間隙15が形成されているために、この間隙15の範囲内で、補助シール部材11がシール部材1に対して相対変移することが可能である。したがってシール部材1がケーシング21に固定されても、補助シール部材11が軸22の偏心に追随し、これによりシール機能ないしシールリップ保護機能を向上させることができる。
【0033】
シール部材1に設けられる突起状の係合部12の形状には、上記の他にも様々なものが考えられる。以下は、その例である。
【0034】
図5に示すように、ストッパ12bの平面形状を、複数、図では四つの突片12dを放射状に設けた花びら形状とする。このようにすると、ストッパ12bを孔状の係合部13に圧入するときに、ストッパ12bが弾性変形し易くなる。
【0035】
また図6に示すように、ストッパ12bの形状を略算盤珠形状とする。また図7に示すように、ストッパ12bの形状を略球形とする。
【0036】
更にまた、第二実施形態として図8ないし図12に示すように、ストッパ12bの平面形状を円周方向に長い略円弧形ないし長円形または楕円形とし、これに対応して、孔状の係合部13の開講形状を円周方向に長い略円弧形ないし長円形または楕円形とする。このようにすると、係合部12,13同士の係合面積が増加するために、係合力を増大させることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0038】
すなわち、上記構成を備えた本発明の密封装置においては先ず、シールリップを備えたシール部材が複数の部品に分割されておらず、唯一の成形品によって構成されているために、従来技術と比較して部品点数を削減することができ、その製作を容易にすることができ、コスト的にも有利な製品を提供することができる。
【0039】
またシール部材に設けた突起状の係合部を、補助シール部材に対応して設けた係合部に圧入するのみで、補助シール部材をシール部材に取り付けることができるようにしたために、取付け作業が簡単である。
【0040】
また突起状の係合部を、対応して設けた係合部に圧入して両係合部を係合することによってシール部材に対して補助シール部材を抜け止めおよび回り止めするようにしたために、この抜け止めおよび回り止めの機能を確保するために他に部品を必要とせず、当該密封装置のみによってその組付けおよび装着を完了することができる。
更にまた、突起状の係合部のストッパと孔状の係合部の開口周縁部との間に軸方向間隙が設けられるとともに突起状の係合部の柱状部と孔状の係合部の内面との間に軸直角方向間隙が設けられているために、孔状の係合部を設けた補助シール部材が突起状の係合部を設けたシール部材に対して軸直角方向に相対変位することが可能となり、これにより軸の偏心に対する補助シール部材の追随性を確保することが可能となる。したがって、シール部材がケーシングに固定されていても、補助シール部材が軸の偏心に追随可能であることから、シール機能ないしシールリップ保護機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る密封装置をケーシングの内周に嵌着した状態の要部断面図
【図2】シール部材を軸方向から見た平面図であって図1におけるA方向矢視図
【図3】補助シール部材を軸方向から見た平面図であって図1におけるA方向矢視図
【図4】互いに係合した一対の係合部の拡大断面図
【図5】突起状の係合部の他の例を示す斜視図
【図6】突起状の係合部の他の例を示す断面図
【図7】突起状の係合部の他の例を示す断面図
【図8】本発明の第二実施形態に係る密封装置をケーシングの内周に嵌着した状態の要部断面図
【図9】シール部材を軸方向から見た平面図であって図8におけるB方向矢視図
【図10】補助シール部材を軸方向から見た平面図であって図8におけるB方向矢視図
【図11】互いに係合した一対の係合部の一部切欠した斜視図
【図12】互いに係合した一対の係合部の拡大断面図
【図13】従来例に係る密封装置をケーシングの内周に嵌着した状態の要部断面図
【符号の説明】
1 シール部材
2 芯金
2a 筒状部
2b フランジ部
3 ゴム状弾性材
4 外周シール部
5 内側被覆部
6 シールリップ保持部
7 シールリップ
7a 受圧面
8 上側被覆部
9 下側被覆部
10 ガータスプリング
11 補助シール部材
11a 外周部
11b 内周部
12,13 係合部
12a 柱状部
12b ストッパ
12c,12d 傾斜面
12e 突片
14,15 間隙
21 ケーシング
21a 凹段部
22 軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置に係り、更に詳しくは、シールリップを備えたシール部材と、このシール部材を保護する補助シール部材とを組み合わせた密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動製パン機、餅つき機またはミキサー機等のように調理ケースの内部に回転羽根または回転刃等の回転工具を設けた調理機においては、この回転工具を回転させる軸がケーシングを縦方向に貫通して設けられている。したがってこの軸の周囲を正確に密封しないと、一部の調理物や水分等が軸を伝って漏洩する不都合がある。
【0003】
この種の用途に用いられる密封装置として、従来、図13に示す密封装置が知られており、この密封装置は、以下のように構成されている。
【0004】
すなわち、この密封装置は先ず、ケーシング51の内周面に嵌着されるケースシール部材52と、軸(図示せず)の周面に密接摺動するシールリップ54を備えた軸シール部材53とを別部品として有しており、前者のケースシール部材52の芯金55の内周側に後者の軸シール部材53の芯金56が嵌着されて、両シール部材52,53が一体化されている。また後者の軸シール部材53の上面にその摩耗を防止するとともに調理物との剥離性を付与するために、滑り性を備えた部材よりなる補助シール部材57が配置されており、この補助シール部材57は、その外周縁部57aが両芯金55,56のフランジ部55a,56aの間に挟持されることによって、両シール部材52,53の間に組み付けられている。
【0005】
上記構成を備えた密封装置は、シールリップ54を軸の周面に密接摺動させることにより軸の周囲を密封することができ、しかも軸シール部材53の上面に補助シール部材57を配置したためにこの補助シール部材57によってシール部材1を調理物等の密封対象物から保護することができるが、尚、以下のような不都合を有している。
【0006】
すなわち、補助シール部材57を二つの芯金55,56の間に挟み込むことによってこの補助シール部材57をシール部材に組み付ける構成であるために、シール部材がケースシール部材52およびシール部材53の二部品に分けられている。したがって部品点数が多く、製作に多くの手間と時間がかかり、コスト的にも不利である。また芯金55,56同士を互いに嵌着する構成であるために、この芯金55,56を精度良く加工して旨く嵌着しないと、この芯金55,56同士の間から密封対象物が漏れる虞もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑み、シール部材に対する補助シール部材の取付け構造に工夫を凝らすことによってシール部材を二つに分ける必要がなく、部品点数を削減することが可能であり、製作を容易にすることが可能であり、しかもシール部材に対して補助シール部材を容易に取り付けることが可能な密封装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の密封装置は、ケーシングに固定されるとともに軸の周面にシールリップを摺動自在に密接させるシール部材と、前記シール部材の軸方向一方に非接着で重ねられるとともに前記軸の周面に内周部を摺動自在に密接させる補助シール部材とを有し、前記補助シール部材に孔状の係合部が設けられ、前記シール部材に、前記孔状の係合部に圧入される突起状の係合部が設けられ、前記突起状の係合部には、柱状部とこの柱状部の上端部に一体成形された比較的大径のストッパとが一体に設けられ、前記両係合部の係合により前記補助シール部材が前記シール部材に非接着で取り付けられており、前記突起状の係合部のストッパと孔状の係合部の開口周縁部との間には軸方向間隙が設けられ、前記突起状の係合部の柱状部と孔状の係合部の内面との間には軸直角方向間隙が設けられていることにした。
【0009】
上記構成を備えた本発明の密封装置は先ず、ケーシングに固定されるとともに軸の周面にシールリップを密接させるシール部材を有しており、このシール部材に補助シール部材が組み合わされる。
【0010】
シール部材は、ケーシングに固定される機能と、軸の周面にシールリップを密接させる機能の双方を備えており、よって上記従来技術におけるケースシール部材の機能と軸シール部材の機能とを兼ね備え、一部品により構成されている。
【0011】
一方、補助シール部材は、シール部材に設けられたシールリップの摩耗を防止するとともにシール部材に調理物等の密封対象物との剥離性を付与するために設けられるもので、この機能を発揮すべく、シール部材の軸方向一方、すなわち密封対象物側に重ね配置される。またこの補助シール部材は、シール部材に設けられるシールリップと同材質または他材質の材料によって成形されるが、上記したこの補助シール部材の機能からして、滑り性が良好な樹脂によって成形されるのが好適である。
【0012】
本発明において、シール部材に対する補助シール部材の取付けは、シール部材の軸方向一方、すなわち密封対象物側に補助シール部材を重ね合わせ、シール部材に設けられた突起状の係合部を、補助シール部材に対応して設けられた係合部に圧入することによって極めて容易に行なわれる。突起状の係合部を対応する係合部に圧入すると、両係合部が係合して補助シール部材がシール部材に取り付けられ、かつ回り止めされる。
【0013】
シールリップを備えたシール部材が芯金にゴム状弾性材を加硫接着するものである場合、シール部材に設けられる突起状の係合部は、これを、このゴム状弾性材の一部として設けるのが好適である。一方、補助シール部材に対応して設けられる係合部は、これを、突起状の係合部を圧入可能とすべく孔状、凹部状、スリット状または切欠状等に形成するが、圧入作業を容易化するために特に、孔状に形成するのが好適である。
【0014】
このように突起状の係合部がゴム状弾性材製であり、補助シール部材側の対応する係合部が孔状である場合、両係合部は圧入代の設定によって互いに係合するのが一般であるが、突起状の係合部の先端部に孔状の係合部の内径より大きな径のストッパを設けて、このストッパを孔状の係合部に圧入して孔状の係合部の反対側まで貫通させると、組付け後、このストッパが孔状の係合部の周縁に係合するために、一層堅固な抜け止め構造が構成される。
【0015】
また、この場合は、突起状の係合部の先端に設けられる比較的大径のストッパによって抜け止め作用が維持されるために、同じく突起状の係合部の、孔状の係合部内に配置されるストッパ以外の柱状部分については、その径が孔状の係合部の内径より小さく設定されても良いことになる。そしてこの場合は、この柱状部分の周面と孔状の係合部の内面との間に間隙が形成されるために、この間隙の範囲内で、補助シール部材がシール部材に対して軸直角方向に相対変位可能となり、これにより軸に対する補助シール部材の偏心追随性を確保することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
【0017】
図1は、当該実施形態に係る密封装置をケーシング21の内周に嵌着した状態の要部断面を示している。図2は、シール部材1を軸方向から見た平面図であって図1におけるA方向矢視図、図3は補助シール部材11を軸方向から見た平面図であって図1におけるA方向矢視図、図4は互いに係合した係合部12,13の拡大断面図である。
【0018】
図示したように、当該実施形態に係る密封装置は、芯金(取付環または補強環とも称する)2にゴム状弾性材(ゴム状弾性体とも称する)3を加硫接着したシール部材(メインシールとも称する)1と、このシール部材1の上面に重ねられた補助シール部材(補助シールとも称する)11と、シール部材1に設けられたシールリップ7に軸(回転軸とも称する)22に対する緊締力を付与するガータスプリング10とによって構成されており、シール部材1が、ケーシング(ハウジングとも称する)21に設けられた環状の凹段部21aにその上方から圧入されることによって、密封装置全体がケーシング21の内周に装着されるようになっている。各部品は環状である。
【0019】
シール部材1の芯金2は、筒状部2aと、その上端に径方向内方に向けて一体成形されたフランジ部2bとを一体に備えており、これにより断面略L字形に成形されている。
【0020】
この芯金2に加硫接着されたゴム状弾性材3は、芯金2の筒状部2aの下端面および外周面に接着されて、芯金2がケーシング21の凹段部21aに嵌着されたときに凹段部21aの内面に密接して芯金2およびケーシング21間をシールする外周シール部4と、筒状部2aの内周面に接着されてこれを保護する内側被覆部5と、芯金2のフランジ部2bの内周端部に下向きに設けられた略円筒形を呈するシールリップ保持部6と、このシールリップ保持部6の内周面に設けられて装着時に軸22の周面に摺動自在に密接するシールリップ7と、フランジ部2bの上端面に接着されてこれを保護するとともに外周シール部4およびシールリップ保持部6を連結した上側被覆部8と、フランジ部2bの下端面に接着されてこれを保護するとともに内側被覆部5およびシールリップ保持部6を連結した下側被覆部9とを一体に備えており、全体として芯金2を被包している。
【0021】
シールリップ7は、上下に複数、図では二つが設けられ、それぞれがシール受圧面7aを上方に向けて、軸22の周面を伝ってくる調理物等の密封対象物をシールするようになっている。また下側のシールリップ7に軸22に対する緊迫力を付与するために、このシールリップ7の外周に位置して、シールリップ保持部6の外周面にガータスプリング10が嵌着されている。
【0022】
シール部材1の上面に重ねられる補助シール部材11は、レアフロン(登録商標)等の滑り性の良好な合成樹脂(四弗化エチレン樹脂)によって略蛇の目状に成形されており、シール部材1のゴム状弾性材3の上側被覆部8の上面形状に合わせて平板状に成形された外周部11aと、上側のシールリップ7の上面形状に合わせてテーパ状に成形された内周部11bとを一体に備えており、装着時、内周部11bの内周端部が軸22の周面に密接摺動する。
【0023】
シール部材1において、ゴム状弾性材3の上側被覆部8の上面に、上方向に向けて突起状の係合部(突起とも称する)12が複数、図では四つ、等配状に設けられており、これに対応して、補助シール部材11の外周部11aに孔状の係合部(通し穴とも称する)13が複数、図では四つ、等配状に設けられており、前者の突起状の係合部12がそれぞれ後者の孔状の係合部13に圧入され、両係合部12,13が係合することによって、補助シール部材11がシール部材1に取り付けられている。
【0024】
図4に拡大して示すように、突起状の係合部12は、ゴム状弾性材3の上側被覆部8の上面に上向きに一体成形された柱状部12aと、この柱状部12aの上端部に一体成形された比較的大径のストッパ12bとを一体に備えており、略円柱形に成形された柱状部12aの先端に、平面形状(A方向から見た形状)を略円形に成形されたストッパ12bが同軸上に一体成形されている。孔状の係合部13の開口形状は略円形である。また突起状の係合部12は、柱状部12aの外径寸法を孔状の係合部13の内径寸法より小さく設定されており、これに対してストッパ12bの外径寸法を孔状の係合部13の内径寸法より大きく設定されている。またストッパ12bの上面外周部に、このストッパ12bを孔状の係合部13に圧入し易くするために、テーパ状の傾斜面(カット部とも称する)12cが設けられており、同じくストッパ12bの下面部に、このストッパ12bを圧入時に弾性変形し易くするテーパ状の傾斜面12dが設けられている。傾斜面12c,12dは何れも径方向内方から外方に向けて漸次下降する向きに形成されている。
【0025】
ストッパ12bを孔状の係合部13に弾性変形させつつ圧入して、孔状の係合部13の反対側(上側)に貫通させると、このストッパ12bが弾性復帰して図示した形状に復帰し、爾後、その外周縁部が孔状の係合部13の開口周縁部に係合するために、これにより抜け止め機能が発揮される。圧入後、ストッパ12bの下面部は、孔状の係合部13の開口周縁部と常時接触しても良いが、図示したように孔状の係合部13の開口周縁部との間に若干の間隙(軸方向間隙)14が設けられるようにしても良く、このようにすると、補助シール部材11がシール部材1に対して軸直角方向に相対変位し易くなるために、後記する軸22の偏心に対する補助シール部材11の追随性を向上させることが可能となる。
【0026】
また上記した柱状部12aおよびストッパ12bを一体に備えた突起状の係合部12が孔状の係合部13に圧入されると、突起状の係合部12の柱状部12aの周面と孔状の係合部13の内面との間に所定の大きさを間隙(軸直角方向間隙)15が設定されるために、この間隙15の範囲内で、補助シール部材11がシール部材1に対して軸直角方向に相対変位することが可能となり、これにより軸22の偏心に対する補助シール部材11の追随性を確保することが可能となる。
【0027】
上記構成を備えた密封装置は、例えば自動製パン機内部のケーシング21内周に装着されて軸22の周囲を密封するものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0028】
すなわち先ず、シール部材1に設けられた複数のシールリップ7が軸22の周面に密接摺動するとともに、同じくシール部材1に設けられた外周シール部4がケーシング21の内面に密接するために、調理物または水分等の密封対象物を十分にシールすることができる。また反対に、外部から機内へダスト等が侵入するのを防止することもできる。
【0029】
また上記従来技術のようにシール部材1が複数の部品に分割されておらず、シール部材1が芯金2にゴム状弾性材3を加硫接着した唯一の加硫成形品によって構成されているために、上記従来技術と比較して部品点数を削減することができ、その製作を容易にすることができ、コスト的にも有利である。
【0030】
またシール部材1に、そのゴム状弾性材3の一部として設けた突起状の係合部12を、補助シール部材11に設けた孔状の係合部13に圧入するのみで、補助シール部材11をシール部材1に取り付けることができるために、取付け作業が簡単である。
【0031】
また突起状の係合部12を孔状の係合部13に圧入して両係合部12,13を係合することによってシール部材1に対して補助シール部材11を抜け止めおよび回り止めしたために、この抜け止めおよび回り止めの機能を確保するために他に部品を必要としない。またシール部材1に非円形の凹部を設けて、この凹部に外形非円形とした補助シール部材11を嵌めこむといった特殊な形状の回り止め構造を設ける必要もない。
【0032】
更にまた、突起状の係合部12の柱状部12aの径が孔状の係合部13の内径より小さく設定されていて、柱状部12aの周面と孔状の係合部13の内面との間に間隙15が形成されているために、この間隙15の範囲内で、補助シール部材11がシール部材1に対して相対変移することが可能である。したがってシール部材1がケーシング21に固定されても、補助シール部材11が軸22の偏心に追随し、これによりシール機能ないしシールリップ保護機能を向上させることができる。
【0033】
シール部材1に設けられる突起状の係合部12の形状には、上記の他にも様々なものが考えられる。以下は、その例である。
【0034】
図5に示すように、ストッパ12bの平面形状を、複数、図では四つの突片12dを放射状に設けた花びら形状とする。このようにすると、ストッパ12bを孔状の係合部13に圧入するときに、ストッパ12bが弾性変形し易くなる。
【0035】
また図6に示すように、ストッパ12bの形状を略算盤珠形状とする。また図7に示すように、ストッパ12bの形状を略球形とする。
【0036】
更にまた、第二実施形態として図8ないし図12に示すように、ストッパ12bの平面形状を円周方向に長い略円弧形ないし長円形または楕円形とし、これに対応して、孔状の係合部13の開講形状を円周方向に長い略円弧形ないし長円形または楕円形とする。このようにすると、係合部12,13同士の係合面積が増加するために、係合力を増大させることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0038】
すなわち、上記構成を備えた本発明の密封装置においては先ず、シールリップを備えたシール部材が複数の部品に分割されておらず、唯一の成形品によって構成されているために、従来技術と比較して部品点数を削減することができ、その製作を容易にすることができ、コスト的にも有利な製品を提供することができる。
【0039】
またシール部材に設けた突起状の係合部を、補助シール部材に対応して設けた係合部に圧入するのみで、補助シール部材をシール部材に取り付けることができるようにしたために、取付け作業が簡単である。
【0040】
また突起状の係合部を、対応して設けた係合部に圧入して両係合部を係合することによってシール部材に対して補助シール部材を抜け止めおよび回り止めするようにしたために、この抜け止めおよび回り止めの機能を確保するために他に部品を必要とせず、当該密封装置のみによってその組付けおよび装着を完了することができる。
更にまた、突起状の係合部のストッパと孔状の係合部の開口周縁部との間に軸方向間隙が設けられるとともに突起状の係合部の柱状部と孔状の係合部の内面との間に軸直角方向間隙が設けられているために、孔状の係合部を設けた補助シール部材が突起状の係合部を設けたシール部材に対して軸直角方向に相対変位することが可能となり、これにより軸の偏心に対する補助シール部材の追随性を確保することが可能となる。したがって、シール部材がケーシングに固定されていても、補助シール部材が軸の偏心に追随可能であることから、シール機能ないしシールリップ保護機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る密封装置をケーシングの内周に嵌着した状態の要部断面図
【図2】シール部材を軸方向から見た平面図であって図1におけるA方向矢視図
【図3】補助シール部材を軸方向から見た平面図であって図1におけるA方向矢視図
【図4】互いに係合した一対の係合部の拡大断面図
【図5】突起状の係合部の他の例を示す斜視図
【図6】突起状の係合部の他の例を示す断面図
【図7】突起状の係合部の他の例を示す断面図
【図8】本発明の第二実施形態に係る密封装置をケーシングの内周に嵌着した状態の要部断面図
【図9】シール部材を軸方向から見た平面図であって図8におけるB方向矢視図
【図10】補助シール部材を軸方向から見た平面図であって図8におけるB方向矢視図
【図11】互いに係合した一対の係合部の一部切欠した斜視図
【図12】互いに係合した一対の係合部の拡大断面図
【図13】従来例に係る密封装置をケーシングの内周に嵌着した状態の要部断面図
【符号の説明】
1 シール部材
2 芯金
2a 筒状部
2b フランジ部
3 ゴム状弾性材
4 外周シール部
5 内側被覆部
6 シールリップ保持部
7 シールリップ
7a 受圧面
8 上側被覆部
9 下側被覆部
10 ガータスプリング
11 補助シール部材
11a 外周部
11b 内周部
12,13 係合部
12a 柱状部
12b ストッパ
12c,12d 傾斜面
12e 突片
14,15 間隙
21 ケーシング
21a 凹段部
22 軸
Claims (1)
- ケーシング(21)に固定されるとともに軸(22)の周面にシールリップ(7)を摺動自在に密接させるシール部材(1)と、前記シール部材(1)の軸方向一方に非接着で重ねられるとともに前記軸(22)の周面に内周部(11b)を摺動自在に密接させる補助シール部材(11)とを有し、
前記補助シール部材(11)に孔状の係合部(13)が設けられ、前記シール部材(1)に、前記孔状の係合部(13)に圧入される突起状の係合部(12)が設けられ、前記突起状の係合部(12)には、柱状部(12a)とこの柱状部(12a)の上端部に一体成形された比較的大径のストッパ(12b)とが一体に設けられ、前記両係合部(12)(13)の係合により前記補助シール部材(11)が前記シール部材(1)に非接着で取り付けられており、
前記突起状の係合部(12)のストッパ(12b)と孔状の係合部(13)の開口周縁部との間には軸方向間隙(14)が設けられ、前記突起状の係合部(12)の柱状部(12a)と孔状の係合部(13)の内面との間には軸直角方向間隙(15)が設けられていることを特徴とする密封装置。
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