JP3567874B2 - 時計用外装部品の製造方法、時計用外装部品及び時計 - Google Patents

時計用外装部品の製造方法、時計用外装部品及び時計 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は時計用外装部品の製造方法、時計用外装部品及び時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、時計用外装部品の素材としては、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、チタン、チタン合金、アルミニウム合金などの金属材料が使用される場合が多い。これは、これらの金属材料が軽量で耐食性に優れ、しかも肌触りが良好であるために消費者に好まれていることによる。
【0003】
上記の金属材料を用いた時計用外装部品、特に時計ケースの製造方法としては、従来、リロールされた平板材又は短尺材を、そのまま常温又は加熱された型によってプレス加工によって打ち抜き、1次ブランク材とし、この1次ブランク材に対してさらに、プレス加工、切削加工、研摩加工、表面処理などの後加工を施して完成品とする方法が採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のプレス加工により平板材や短尺材等の素材を打ち抜くことによって、抜き残った素材部分が加工応力によって変形し、特に複数回の打ち抜きを行うことによって素材はきわめて大幅に湾曲することから、素材の給除材を自動的に行うことがきわめて困難であり、自動的に素材から複数の1次ブランク材を形成することが不可能であるという問題点がある。また、そのために人手によって素材をプレス装置に供給し、手作業で支持しながら加工を行うと、きわめて危険な作業になるとともに、騒音や排煙等の作業環境も劣悪であるため、製造現場において大きな問題となっていた。
【0005】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、素材の供給形状を変えることにより、或いは、加工工程を改善することにより、素材を自動的に加工装置に給材及び除材することができるとともに、作業環境をも改善することの可能な時計用外装部品の製造方法を提供することにある。また、このような方法によって製造された生産性の良好な時計用外装部品、さらにはこの時計用外装部品を備えた時計を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の時計用外装部品の製造方法は、オーステナイト系、フェライト系若しくはマルテンサイト系ステンレス鋼、チタン若しくはチタン合金、又は、アルミニウム合金のうちのいずれかの金属材料を母材として形成された時計用外装部品の製造方法であって、前記金属材料からなる平板状の短尺材を複数枚重ねた状態から、単一部品を製造するのに適合した平面サイズになるように前記短尺材を正方形もしくは長方形形状の平板片に切断し、前記平板片に塑性加工を施して部品を成形することを特徴とする。ここで、塑性加工にはプレス加工、鍛造加工、転造加工等を含む。
【0007】
この発明によれば、単一部品を製造するのに適合したサイズに平板片を形成し、この平板片に対して塑性加工を行うようにしているので、加工時に変形しやすい抜き残り部分に対する処理が不要となり、製造工程において処理対象となるワークが常に加工後の製品部分のみとなるので、給材、除材の自動化やその他の工程の自動化を容易に行うことが可能になる。
さらに、本発明によれば、平板片を一度に数多く形成することができ、製造効率を高めることができる。
ここで、平板片を一定形状に形成することが工程の自動化を図る上で好ましい。特に、複数種類(形状や外観の異なる)外装部品について共通の寸法形状を有する平板片を用いることが生産効率や設備共用の観点からみて望ましい。
【0008】
本発明において、前記平板片に対して部品の輪郭形状を打ち抜く1次加工を施し、その後さらに輪郭形状を打ち抜く2次加工を施してブランク材を形成することが好ましい。これによって適宜の平面形状を備えた部品を容易に製造することができる。このブランク材には、その後、鍛造加工等のさらなる塑性加工が施されることが望ましい。
【0010】
本発明において、重ねた複数の前記平板片をその少なくとも一部において相互に固着させた状態で、打ち抜き加工を行うことが好ましい。このように平板片の打ち抜き加工を複数の平板片を重ねた状態で行うことにより、製造効率を高めることができるとともに、平板片が相互に固着されているために取り扱いが容易になる。この場合に、上記平板材を重ねた時点で、切断後における各平板片に対応する部分毎に溶接や接着等によって平板材を相互に固着させ、重ねられた平板材を切断して平板片を形成しても、そのまま複数の重ねられた平板片が相互に固着した状態となっているようにすることが生産効率をさらに高める上で好ましい。
【0011】
本発明において、前記平板片を100〜350℃の温度範囲に加熱し、その後直ちに前記1次加工を施すことが好ましい。この手段によれば、加熱温度を100〜350℃の温度範囲に設定することによって、上記金属材料の表面変性(表面酸化など)を極力抑制することができるとともに、金属材料のせん断応力を低減することができるので、加工時の騒音や排煙の抑制等による作業環境の向上、金型の長寿命化などを図ることができる。
【0012】
ここで、上記平板片は、0.4〜20mmの厚さにして加工する場合に本発明は特に有効である。例えば、腕時計の外装ケースとしては2〜20mmの厚さであることが好ましく、縁部材(ガラス縁、飾り縁など)としては1〜5mmの厚さであることが好ましく、バンド部品(駒部材など)としては1〜5mmの厚さであることが好ましく、裏蓋としては0.4〜3mmの厚さであることが好ましい。さらに、5〜20mmの厚さにして加工する場合には、後述する温度範囲に加熱し、その後直ちに1次加工を施すことが望ましい。
【0014】
上記いずれの発明においても、前記平板片を大気中で加熱することが好ましい。大気中で加熱することができるので製造設備の簡易化を図り、コストの削減と製造効率の向上を図ることができる。ここで、上記温度範囲にするための加熱時間としては1分以内であることが好ましい。加熱時間を1分以内にすることによって、金属材料の表面変性を、後処理が不要になる程度に抑制することが可能になる。
【0015】
しかしながら、製造コストの観点を除けば、加熱された平板片を大気よりも酸素濃度の低い環境下に保持すること、例えば、平板片を真空中若しくは窒素ガス等の不活性ガス中に配置して加熱し、そのまま真空中若しくは不活性ガス中で1次加工を施すこと、が製品の品位を高める上で好ましい。
【0016】
また、本発明において、前記金属材料がオーステナイト系、フェライト系若しくはマルテンサイト系ステンレス鋼又はチタン若しくはチタン合金であり、前記温度範囲は200〜350℃であることが好ましい。これらの素材を用いる場合には、上記効果を特に高めるために上記範囲のうちの高温領域である200〜350℃の温度範囲の温度に加熱することが望ましい。
【0017】
また、前記金属材料がアルミ合金であり、前記温度範囲は100〜200℃であることが好ましい。この金属材料を用いる場合には、表面が酸化等によって変性しやすいことから、上記温度範囲のうちの低温領域である100〜200℃とすることが望ましい。
【0018】
上記のように加熱後に直ちに1次加工を行う代わりに、前記1次加工を常温で行うことも可能である。この場合には、加熱工程が不要になり、加熱後に直ちに1次加工を施す必要もなくなるので、加熱設備が不要で、工程管理も容易になるので、時計用外装部品の製造コストを低減できる。ここで、常温とは、金属材料に対して加工上有意の加熱又は冷却を行わない状態を言い、より具体的には−50〜99℃の範囲内であることを言う。
【0019】
本発明において、前記ブランク材に対してさらに塑性加工、切削加工、研摩加工若しくは表面処理等の仕上加工を施すことによって、通常の時計用外装部品を完成させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る時計用外装部品の製造方法の実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形態の時計用外装部品である時計ケースを製造する際の部品形状の変化を工程ごとに示す加工形状説明図であり、図2は当該時計ケースを製造する場合の装置構造の概略を示す概略構成図である。
【0021】
本実施形態では、製造しようとする時計ケースの材質に応じて、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、チタン、チタン合金、アルミニウム合金のいずれか一つからなるリロールされた平板状の短尺材10を用意し、この短尺材10を2枚以上重ねて、メタルソー等を用いて図示一点鎖線に沿って切断し、矩形板状の平板片11を形成する。短尺材10は、例えば、両端部を部分的に溶接することによって固定し、重ねられた複数枚の短尺材10について同時に切断する。平板片11の厚さは素材や時計ケース等の部品の寸法によっても変化するが、一般的に0.4〜20mmの範囲内であることが好ましい。これより薄い素材の場合には平板片を成形して平板片に対して個別の外装部品を成形する利点が少なくなり、また、これより厚い素材の場合には外形加工や内形加工が困難になり、特に携帯用時計(腕時計や懐中時計など)の部品としての必要性がなくなるからである。
【0022】
特に時計ケースの場合には平板片の厚さを2〜20mm程度とする。平板片11の平面サイズは、時計ケース等の部品を一つだけ形成するのに適したサイズに設定される。例えば、時計ケースを製造する場合には、通常、一辺が100mm程度の正方形若しくは長方形状の平面形状とする。平板片11の平面サイズは、後述する1次加工であるうち抜き加工時において、打ち抜きによって残る部分(抜き残り部分)の幅が平板片11の厚さdの0.8倍以下にならないように或る程度余裕が存在するように決定されることが好ましい。当該幅が0.8倍以下になると打ち抜き時に型及び打ち抜き部分の双方に負担がかかり、型寿命の低下や型の損傷、打ち抜き部分の形状不良や損傷が生じやすくなる。
【0023】
この平板片11は、図2に示す加工装置20に設置された給材マガジン21内に収容され、搬送ヘッド22によって一枚ずつ加工ライン20aに沿って搬送される。
【0024】
加工ライン20aには、最初に加熱炉23が配置されている。加熱炉23は、加工ライン20a上に開いた開口部を備えた凹部23a内に構成され、この凹部23aから出没可能に構成されたワーク保持体23bと、凹部23a内においてワーク保持体23bの移動経路を取り巻くように構成された高周波コイル23cとを備えている。加熱炉23は、高周波コイル23cに高周波電力を供給することによってワーク保持体23b上の平板片11が加熱されるように構成された高周波誘導加熱炉となっている。
【0025】
加熱炉23においては、ワーク保持体23bが凹部23aから突出した状態で搬送ヘッド22に対して平板片11の受け渡しを行うようになっている。搬送ヘッド22によって平板片11がワーク保持体23b上に載置されると、ワーク保持体23bは凹部23a内に引き込まれ、高周波コイル23cによって平板片11が大気中で加熱される。平板片11が大気中で加熱されていることから素材の表面酸化を防止するために、加熱時間は通常1分間以下とすることが好ましい。
【0026】
また、このとき、平板片11の温度は100〜350℃の範囲内に加熱される。通常、平板片11が上記素材のいずれで構成されている場合であっても上記温度範囲に加熱すればよいが、特に、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、チタン、及び、チタン合金の場合には、200〜350℃の範囲内であることが好ましく、また、アルミニウム合金の場合には100〜200℃の範囲内であることが好ましい。これは、材料によって酸化度、可塑性、破断性に関する温度特性に差異があることから、金属材料ごとにその表面酸化を極力抑制しつつ、後述する1次加工時の騒音、及び、加工に必要な応力を低減する必要があるためである。100〜350℃の温度範囲を上回ると素材表面が酸化され、後工程において何らかの表面処理が余分に必要になり、上記範囲を下回ると、後述する1次加工において充分な騒音の低減効果、並びに、金型の長寿命化の効果が得られなくなる。
【0027】
次に、再びワーク保持体23bを凹部23a内から突出させ、搬送ヘッド22によって平板片11を把持して上型24a及び下型24bからなる金型24の下型24b上にセットし、150トンのクランクプレスによって平板片11の中心部を打ち抜く。このとき、下型24bには平板片11の外縁位置を規制する規制部材24cが設けられ、平板片11は規制部材24cによって位置決めされた状態で内径抜きされ、その中心部に中央孔11aが形成される。
【0028】
次に、再び搬送ヘッド22によって上記平板片11は金型24から隣接した金型25へと移送される。金型25は上型25a及び下型25bからなり、下型25bには上記金型24によって形成された中央孔11aに嵌合する規制部材25cが設けられている。平板片11はその中央孔11aを規制部材25cに嵌合させることによって位置決めされるようになっている。金型25により輪郭形状を打ち抜くことによって、平板片11から所定の外縁形状を備えた中央孔12aを有する原ブランク材12が形成される。以上が1次加工である。
【0029】
上記の原ブランク材12は、図2に示す洗浄槽26内にて洗浄され、その後、焼鈍炉27内にて焼鈍処理が施される。そして、再びプレス装置28によって再度原ブランク材12に対して仕上加工(上記の原ブランク材12の内縁部及び外縁部を再び薄く削るように打ち抜く加工)を施す。これが2次加工である。このようにして、時計ケースの概形を備えた1次ブランク材13が形成される。
【0030】
上記の1次ブランク材13に対しては、その後さらに、鍛造加工などの塑性加工、切削加工、バレル研摩などの研摩加工、窒化処理などの表面処理のいずれか少なくとも一つからなる後加工29が適宜に施され、時計ケースとして完成される。
【0031】
上記実施形態によれば、単一部品に対応する平板片を形成して、この平板片からブランク材を形成するようにしているので、プレス加工時の加工応力により抜き残った部分の変形が激しくても、各工程に移送される素材は常に既定の平面形状であって、しかも変形していないもののみとなるので、搬送が容易になり、上述の製造工程の自動化も可能になる。
【0032】
また、上記金属材料を100〜350℃の範囲内に加熱し、その後直ちに打ち抜き加工するようにしているので、打ち抜き加工に必要なせん断応力を低減することができるから、加工応力や衝撃力が低減されることによって型の長寿命化を図ることができるとともに、加工性の向上によって部品の破断面を平滑に形成することができる。また、騒音や排煙の発生を抑制することができ、作業環境を向上させることができる。具体的には、上記温度範囲で最適な温度に加熱することによって、騒音を20dB程度低減することができた。さらに、上記温度範囲内にする程度の加熱であれば、金属材料の変質、特に表面部分の変質(酸化)を抑制することができるので、後工程において表面状態の変質を解消するための追加の処理を必要としない。この場合、上述のように加熱時間を1分以内に設定することが、表面状態の変質を防止するために好ましい。
【0033】
次に、図3を参照して本発明の別の実施形態について説明する。この実施形態においては、上記と同様に短尺材10を切断して平板片11を形成し、この平板片11を有意に加熱又は冷却することなく、常温(−50℃〜+99℃)の環境下でそのまま、加工装置20’を用いて、上記と同様の金型24,25で順次外形加工を行い、原ブランク材12を形成する。さらに、その後の加工工程も上記実施形態と同様であり、洗浄室26、焼鈍炉27、プレス装置28を経て1次ブランク材13が形成される。
【0034】
図4は上記の時計ケース以外の外装部品について、その種類毎に加工状態の変遷を示すものである。図4(a)は、ガラス縁、飾り縁、スケルトンタイプの裏蓋等の縁部材を加工する場合の加工状態の変遷を示すものである。これらの縁部材を製造する場合には、厚さが1〜5mmの範囲の短尺材を切断して平板片31を形成する。この平板片31の厚さ範囲は部品としての強度、デザイン上の寸法要請から導出されるものである。平板片31には上記実施形態と同様に内形抜きが施されて中央孔31aが形成され、その後、外形抜きを行うことによって原ブランク材32が形成される。さらにその後、原ブランク材32の外縁及び内縁を打ち抜くことによって1次ブランク材33が形成される。この1次ブランク材33には上述と同様に鍛造加工等が施されて縁部材が完成される。
【0035】
図4(b)は、携帯用バンド駒などのバンド部品を加工する場合の加工状態の変遷を示すものである。このようなバンド部品を製造する場合には、厚さが1〜5mmの範囲の短尺材を切断して平板片41を形成する。この平板片41の厚さ範囲は部品としての強度、デザイン上の寸法要請から導出されるものである。この平板片41には直接に外形抜きが施され、原ブランク材42が形成され、その後、原ブランク材42の外縁を打ち抜くことによって1次ブランク材43が形成される。この1次ブランク材43には上述と同様に鍛造加工等が施されてバンド部品が完成される。
【0036】
図4(c)は、裏蓋を加工する場合の加工状態の変遷を示すものである。裏蓋を製造する場合には、厚さが0.4〜3mmの範囲内の短尺材を切断して平板片51を形成する。この平板片51の厚さ範囲は部品としての強度、デザイン上の寸法要請から導出されるものである。この平板片51には外形抜きが施されて、直接に1次ブランク材52が形成される。この1次ブランク材52には上述と同様に鍛造加工等が施されて裏蓋が完成される。
【0037】
最後に、図5を参照して上記実施形態の変形例について説明する。この変形例においては、複数(図示例では2枚)の短尺材10を重ね合わせ、後述する平板片11とする部位毎にスポット溶接を施し、短尺材10の端面部に溶着部10aを形成する。そして、この重ね合わされしかも溶着された短尺材10を上記実施形態と同様に切断し、複数(図示例では2枚)の平板片11が重ね合わされた状態とする。そして、そのまま、或いは上記と同様に加熱した後直ちに、中央孔11aの形成及び外形抜きを行うことによって、2枚の原ブランク材12,12を同時に形成する。その後、2次加工を上記と同様に行うことにより1次ブランク材13が形成される。
【0038】
ここで、上記切断工程や打ち抜き工程において複数の短尺材10や平板片11間にずれが生ずるのを防止するには、図示のようなスポット的な溶着ではなく、溶着面積をより大きくすることが好ましい。例えば、短尺材10の外端面の全周にわたり溶接や接着を行うことにより、付着強度を向上させ、位置ズレや加工時の分離を防止することができる。
【0039】
尚、本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、単一部品を製造するのに適合した平面サイズになるように平板片を形成し、この平板片に対して塑性加工を行うようにしているので、加工時に変形しやすい抜き残り部分に対する処理が不要となり、製造工程において処理対象となるワークが常に加工後の製品部分のみとなるので、給材、除材の自動化やその他の工程の自動化を容易に行うことが可能になる。
【0041】
また、100〜350℃の温度範囲に加熱し、その後直ちに前記1次加工を施すことによって、加熱温度を100〜350℃の温度範囲に設定することによって、上記金属材料の表面変性(表面酸化など)を極力抑制することができるとともに、金属材料のせん断応力を低減することができるので、加工時の騒音低減や排煙の抑制等による作業環境の向上、金型の長寿命化などを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る時計用外装部品の製造方法の実施形態における時計ケースの加工形状の変化を示す概略説明図である。
【図2】同実施形態の製造工程に用いる製造ラインの概略構成を示す概略構成説明図である。
【図3】上記実施形態とは異なる実施形態の製造ラインの概略構成を示す概略構成説明図である。
【図4】上記実施形態以外の外装部品を製造する場合の加工形状の変遷を部品の種類毎に示す説明図(a)〜(c)である。
【図5】上記実施形態とは別の実施形態における時計ケースの加工形状の変化を示す概略説明図である。
【符号の説明】
10 平板材(短尺材)
10a 溶着部
11,31,41,51 平板片
11a,31a 中央孔
12,32,42 原ブランク材
13,33,43,52 1次ブランク材
20 加工装置
21 給材マガジン
22 搬送ヘッド
23 加熱炉
23a 凹部
23b ワーク保持体
23c 高周波コイル
24,25 金型

Claims (11)

  1. オーステナイト系、フェライト系若しくはマルテンサイト系ステンレス鋼、チタン若しくはチタン合金、又は、アルミニウム合金のうちのいずれかの金属材料を母材として形成された時計用外装部品の製造方法であって、
    前記金属材料からなる平板状の短尺材を複数枚重ねた状態から、単一部品を製造するのに適合した平面サイズになるように前記短尺材を正方形もしくは長方形形状の平板片に切断し、前記平板片に塑性加工を施して部品を成形することを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  2. 請求項1において、重ねた複数の前記平板片をその少なくとも一部において相互に固着させた状態で、打ち抜き加工を行うことを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、前記平板片に対して部品の輪郭形状を打ち抜く1次加工を施し、その後さらに輪郭形状を打ち抜く2次加工を施してブランク材を形成することを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記平板片を100〜350℃の温度範囲に加熱し、その後直ちに前記1次加工を施すことを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  5. 請求項4において、前記平板片を大気中で加熱することを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  6. 請求項4又は請求項5において、前記金属材料がオーステナイト系、フェライト系若しくはマルテンサイト系ステンレス鋼又はチタン若しくはチタン合金であり、前記温度範囲は200〜350℃であることを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  7. 請求項4又は請求項5において、前記金属材料がアルミ合金であり、前記温度範囲は100〜200℃であることを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  8. 請求項3において、前記1次加工を常温で行うことを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項において、前記ブランク材に対してさらに塑性加工、切削加工、研摩加工若しくは表面処理等の仕上加工を施すことを特徴とする時計用外装部品の製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の方法によって製造されたことを特徴とする時計用外装部品。
  11. 請求項10に記載の時計用外装部品を備えたことを特徴とする時計。
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