JP3567827B2 - 誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、誘電体ダイプレクサおよび通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、誘電体共振器を用いたフィルタやデュプレクサなどの複合誘電体フィルタおよびそれらを用いた通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば移動体通信システムにおけるセルラー基地局には、送信共用器としてのダイプレクサや、送受共用器としてのデュプレクサなど、複数の誘電体共振器で構成した複合誘電体フィルタが用いられている。
【0003】
例えば、TM二重モードの誘電体共振器を複数個用いて誘電体フィルタを構成するものとして特開平10−75104号が示されている。その誘電体フィルタは、TM二重モード誘電体共振器の開口面が同一面をなすように一列に配置され、その開口面を覆う金属パネルが設けられ、パネルに信号の入出力用および共振器間の結合用の結合ループが設けられている。このような誘電体フィルタを並行に複数組配置すれば複合誘電体フィルタを構成することができる。
【0004】
このような従来技術による複合誘電体フィルタの構成例を図8に示す。図8において9は、3チャンネル分の信号ch1,ch2,ch3を入力する同軸コネクタである。8は上記3つの入力信号を電力合成して出力する同軸コネクタである。R1a,R1b・・・R3b,R3cはそれぞれTM二重モードの誘電体共振器である。これらのTM二重モードの誘電体共振器は、それぞれの共振モード間を結合させて、それぞれ2段の共振器として作用させる。また、隣接する誘電体共振器の所定の共振モード間の結合および所定の共振モードと同軸コネクタとの結合は結合ループを用いて行う。すなわち結合ループ3aは共振器R1a,R2a,R3aの一方の共振モードと結合し、結合ループ3cは共振器R1c,R2c,R3cの一方の共振モードと結合する。また結合ループ3abは、共振器R1a,R1bの所定の共振モード間、R2a,R2bの所定の共振モード間、およびR3a,R3bの所定の共振モード間をそれぞれ結合させる。同様に結合ループ3bcは共振器R1b,R1cの所定の共振モード間、R2b,R2cの所定の共振モード間、およびR3b,R3cの所定の共振モード間をそれぞれ結合させる。このようにして、3つの誘電体フィルタF1,F2,F3を構成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記誘電体フィルタの特性を調整する場合は、金属パネルに設けられた調整用孔から切削用治具を挿入し、誘電体コアの所定箇所を切削することによって行う。
【0006】
ところが、図8に示したような従来技術による複合誘電体フィルタにおいては、複数の誘電体フィルタを近接配置した場合に、調整用孔から漏れる結合ループによる磁界が結合しやすく、隣接するフィルタ同士のアイソレーションが低下し、減衰特性等が悪化するという問題があった。
【0007】
この発明の目的は、隣接する誘電体フィルタ同士のアイソレーションを確保してフィルタ特性の悪化を防止した誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、誘電体ダイプレクサおよびそれらを用いた通信装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の複合誘電体フィルタは、それぞれのキャビティ内に誘電体コアを設けた、列をなす複数の誘電体共振器と、該誘電体共振器の所定の共振モードに結合する結合ループとを備え、それぞれ所定周波数チャンネルの送信信号を通過させ、各送信フィルタの共用の出力ポートをアンテナポートとしてなる誘電体フィルタを、異なった誘電体フィルタ間の入力ポート同士が近接するように並列に複数組配置した複合誘電体フィルタであって、
隣接する誘電体フィルタ間における入力ポート近傍の結合ループ同士の向きが略垂直の関係となるように、各誘電体フィルタの誘電体共振器および結合ループを配置する。
【0009】
この構造により、誘電体フィルタ同士が近接しても、異なった誘電体フィルタにおける互いに隣接する誘電体フィルタの結合ループ同士は殆ど結合しない。
【0010】
この発明の誘電体フィルタは、それぞれのキャビティ内に誘電体コアを設けて成る複数の誘電体共振器と、これらの誘電体共振器の所定の共振モードに結合する結合ループとを設けて成る誘電体フィルタにおいて、
信号入力部から信号出力部への信号の流れが途中で折り返されるように複数の誘電体共振器を折り返し配置して、信号入力部近傍の結合ループと信号出力部近傍の結合ループとを隣接させるとともに、該信号入力部近傍の結合ループの向きと信号出力部近傍の結合ループの向きが略垂直の関係となるように、当該結合ループを配置する。
【0011】
この構造により、誘電体共振器の配置の関係で誘電体共振器同士が隣接する箇所でも、その隣接する誘電体共振器の結合ループ同士は殆ど結合しない。
【0012】
この発明の誘電体ダイプレクサは、上記複合誘電体フィルタまたは上記誘電体フィルタを複数組用い、それぞれ所定周波数チャンネルの送信信号を通過させる複数の送信フィルタとし、各送信フィルタの共用の出力ポートをアンテナポートとする。
【0013】
この発明の誘電体デュプレクサは、上記誘電体フィルタを第1・第2の誘電体フィルタとして2組用い、第1の誘電体フィルタの入力ポートを送信信号入力ポートとし、第2のフィルタの出力ポートを受信信号出力ポートとし、第1と第2の誘電体フィルタの共用の入出力ポートをアンテナポートとする。
また、この発明の誘電体デュプレクサは、それぞれのキャビティ内に誘電体コアを設けた、列をなす複数の誘電体共振器と、該誘電体共振器の所定の共振モードに結合する結合ループとを備えた第1・第2の誘電体フィルタを並列に2組配置し、第1のフィルタの入力ポートを送信信号入力ポートとし、第2のフィルタの出力ポートを受信信号出力ポートとし、第1と第2のフィルタの共用の入出力ポートをアンテナポートとしてなり、送信信号入力ポートと受信信号出力ポートが近接するように構成されている誘電体デュプレクサであって、
第1の誘電体フィルタの送信信号入力ポートの近傍に配置されている結合ループと、第2の誘電体フィルタの受信信号出力ポートの近傍に配置されている結合ループとが、互いに隣接し且つ向きが略垂直の関係となるように、第1・第2の誘電体フィルタの誘電体共振器および結合ループを配置する。
【0014】
この発明の通信装置は、上記の誘電体フィルタ、複合誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサまたは誘電体ダイプレクサを用いて構成する。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に係る誘電体ダイプレクサの構成を図1〜図4を参照して説明する。
図1は誘電体ダイプレクサを構成する複数の誘電体フィルタのうち1つの誘電体フィルタの構成を示す分解斜視図である。図1において、1は図における上下面を開口させた角筒形状のキャビティであり、その内部に十字形状の誘電体コア2を、このキャビティ1と一体成形している。キャビティ1の外面には銀電極などの導体膜を形成している。5はキャビィ1の下面を覆う下部キャビティ蓋、6はその上部を覆う上部キャビティ蓋であり、それぞれ金属板からなる。
【0016】
Ra,Rb,Rcはそれぞれキャビティを単位とした誘電体共振器であり、後述するように、それぞれ2段のTMモードの誘電体共振器を構成している。
【0017】
図4は上記誘電体共振器の各共振モードの電磁界分布の例を示している。これらの図において、実線の矢印は電界ベクトル、破線の矢印は磁界ベクトルをそれぞれ表している。(A),(B)はそれぞれ共振器として用いる主モードである。(A)に示すモードは、電界がx+y方向を向くモードであるため、TM110 x+y モードという。同様に(B)に示すモードは、電界がx−y方向を向くモードであるため、TM110 x−y モードという。また、図4において(C),(D)は上記2つのモードを主モードとしたときの結合モードであり、(C)は奇モード、(D)は偶モードである。
【0018】
このような関係にあるため、誘電体コア2の十字形状のコーナー部分に設けた孔ha1,ha2,hb1,hb2のうちhb1,hb2の大きさによってTM110 x+y モードの共振周波数を調整することができる。同様に、ha1,ha2の大きさによってTM110 x−y モードの共振周波数を調整することができる。また2つの誘電体柱の軸方向に設けた孔hy1,hy2の大きさによって奇モードの周波数を変えることができ、hx1,hx2の孔の大きさを変えることによって偶モードの共振周波数を変えることができる。これによりTM110 x+y モードとTM110 x−y モードの結合度を調整することができる。
【0019】
図1に示した上部キャビティ蓋6に設けた孔を介して誘電体コアの所定の孔を切削することによって、各段の共振周波数および2重化した共振器間の結合係数を調整する。
【0020】
図2は図1に示した誘電体フィルタを3組設けて構成した誘電体ダイプレクサの、上部キャビティ蓋を取り除いた状態での上面図、図3はその上部キャビティ蓋を取り付けた状態での上面図である。
【0021】
図2および図3において、9は3つの送信チャンネルの送信信号ch1,ch2,ch3を入力する同軸コネクタ、8はこれらの送信信号の電力合成信号をアンテナへ出力する同軸コネクタである。7で示す部分は、3つの送信フィルタの出力信号を電力合成する電力合成器を構成している。R1a,R1b,R1cで示す3つの誘電体共振器から成る誘電体フィルタF1はチャンネルch1用の送信フィルタとして作用する。同様に、R2a,R2b,R2cで示す3つの誘電体共振器から成る誘電体フィルタF2はチャンネルch2用の送信フィルタとして作用し、R3a,R3b,R3cで示す3つの誘電体共振器から成る誘電体フィルタF3はチャンネルch3用の送信フィルタとして作用する。
【0022】
これらの3つの送信フィルタにおいて、3aは同軸コネクタ9の中心導体に接続した結合ループ、3cは電力合成器7に接続した結合ループである。また、3ab,3bcは隣接する誘電体共振器の所定の共振モードにそれぞれ結合する結合ループである。
【0023】
このような構造であるため、誘電体フィルタF1の結合ループ3aは誘電体共振器R1aのTM110 x+y モードと磁界結合し、誘電体フィルタF1の結合ループ3cは誘電体共振器R1cのTM110 x−y モードと磁界結合する。また、誘電体フィルタF1の結合ループ3abは、誘電体共振器R1aのTM110 x−y モードと磁界結合し、同時に誘電体共振器R1bのTM110 x+y モードと磁界結合する。また誘電体フィルタF1の結合ループ3bcは、誘電体共振器R1bのTM110 x−y モードと磁界結合し、同時に誘電体共振器R1cのTM110 x+y モードと磁界結合する。このようにして誘電体フィルタF1は6段の共振器からなる帯域通過特性を有するフィルタとして作用する。
【0024】
誘電体フィルタF2,F3も同様にして、それぞれ6段の共振器からなる帯域通過特性を有するフィルタとして作用する。但し、誘電体フィルタF1−F2の間で、およびF2−F3の間で、隣接する結合ループ同士の向きがほぼ垂直となるように結合ループを配置している。
【0025】
各誘電体フィルタの特性を調整する場合には、図3に示すように、上部キャビティ蓋6に設けた調整用孔Hから内部の誘電体コアの所定箇所を切削する。
【0026】
以上のように構成したことにより、隣接する誘電体フィルタの隣接する結合ループ同士は、そのループの向きが直交して殆ど磁界結合せず、それらの部分で信号のリークや干渉が殆ど生じることがない。すなわち図2において、例えば誘電体フィルタF1とF2の結合ループ3a同士は、それらのループの向きが直交しているため、この部分で磁界結合しない。また、誘電体フィルタF1とF2の結合ループ3c同士も、それらのループの向きが直交しているため、この部分で磁界結合しない。また、誘電体フィルタF1とF2の結合ループ3ab同士は、隣接する部分のループの向きが直交していて、結合ループ3bc同士も、隣接する部分のループの向きが直交しているため、この部分で磁界結合しない。これらの関係は、誘電体フィルタF2とF3の間においても同様である。したがって、誘電体フィルタ同士が近接していて、且つキャビティ蓋に特性調整用の孔が開放していても、互いに隣接する誘電体フィルタの結合ループ同士が殆ど磁界結合せず、信号のリークや干渉が殆ど生じることがない。
【0027】
次に、第2の実施形態に係る誘電体デュプレクサの構成を図5を参照して説明する。
図5は上部キャビティ蓋を取り除いた状態での上面図である。図5において、10は送信信号Txを入力する同軸コネクタであり、送信機から接続する。12は受信信号を出力する同軸コネクタであり、受信回路へ接続する。11は送信信号を出力し、受信信号を入力する同軸コネクタであり、アンテナに接続する。15で示す部分は、送受信信号を分岐する分岐器を構成している。Rta,Rtb,Rtcで示す3つの誘電体共振器から成る誘電体フィルタFtは送信フィルタとして作用する。Rra,Rrb,Rrcで示す3つの誘電体共振器から成る誘電体フィルタFrは受信フィルタとして作用する。
【0028】
誘電体フィルタFtにおいて、3aは同軸コネクタ10の中心導体に接続した結合ループ、3cは分岐器15に接続した結合ループである。また、3ab,3bcは隣接する誘電体共振器の所定の共振モードにそれぞれ結合する結合ループである。
【0029】
このような構造であるため、誘電体フィルタFtの結合ループ3aは誘電体共振器RtaのTM110 x+y モードと磁界結合し、誘電体フィルタFtの結合ループ3cは誘電体共振器RtcのTM110 x−y モードと磁界結合する。また、誘電体フィルタFtの結合ループ3abは、誘電体共振器RtaのTM110 x−y モードと磁界結合し、同時に誘電体共振器RtbのTM110 x+y モードと磁界結合する。また誘電体フィルタFtの結合ループ3bcは、誘電体共振器RtbのTM110 x−y モードと磁界結合し、同時に誘電体共振器RtcのTM110 x+y モードと磁界結合する。このようにして誘電体フィルタFtは6段の共振器からなる帯域通過特性を有するフィルタとして作用する。
【0030】
誘電体フィルタFrも同様に6段の共振器からなる帯域通過特性を有するフィルタとして作用する。但し、誘電体フィルタFt−Frの間で、隣接する結合ループ同士の向きがほぼ垂直となるように、各結合ループを配置している。
【0031】
各誘電体フィルタの特性を調整する場合には、第1の実施形態の場合と同様に、上部キャビティ蓋に設けた調整用孔から内部の誘電体コアの所定箇所を切削する。
【0032】
以上にように構成したことにより、隣接する結合ループ同士は、そのループの向きが直交して殆ど磁界結合せず、信号のリークや干渉が殆ど生じることがない。
【0033】
なお、図5中に破線L1で示すように、誘電体フィルタFtの結合ループ3aと、誘電体フィルタFrの結合ループ3bcの一部のループの向きが平行な関係にあるため、調整用孔から漏れた両者の磁界は一応結合するが、この結合ループ3bcと結合する誘電体共振器Rrcの共振モードTM110 x+y モードの共振器は受信フィルタの最終段の共振器ではなく、誘電体フィルタFrの結合ループ3cに結合するTM110 x−y モードの共振器が最終段の共振器であるため、この最終段の共振器によって、誘電体フィルタFtの結合ループ3aから誘電体フィルタFrの結合ループ3bcにリークした送信信号は減衰され、受信機側へ影響を与えることがない。また、図5中に破線L2で示したように、誘電体フィルタFrの結合ループ3cと、誘電体フィルタFtの結合ループ3abの一部のループの向きも平行な関係にあるため、両者の漏れ波は一応磁界結合するが、結合量が非常に弱いので、受信回路へはほとんど影響を与えることがない。
【0034】
次に、第3の実施形態に係る誘電体フィルタの構成例を図6を参照して説明する。
図6は上部キャビティ蓋を取り除いた状態での上面図である。図6において、13は信号入力用同軸コネクタ、14は信号出力用同軸コネクタである。Ra,Rb,Rc,RdはそれぞれTM二重モードの誘電体共振器であり、その構造は第1・第2の実施形態で用いた誘電体共振器と同様である。
【0035】
3aは同軸コネクタ13の中心導体に接続した結合ループ、3dは同軸コネクタ14の中心導体に接続した結合ループである。また、3ab,3bc,3cdは隣接する誘電体共振器の所定の共振モードにそれぞれ結合する結合ループである。
【0036】
結合ループ3aは誘電体共振器RaのTM110 x−y モードと磁界結合し、結合ループ3dは誘電体共振器RdのTM110 x+y モードと磁界結合する。また、結合ループ3abは、誘電体共振器RaのTM110 x+y モードと磁界結合し、同時に誘電体共振器RbのTM110 x−y モードと磁界結合する。また、結合ループ3bcは、誘電体共振器RbのTM110 x+y モードと磁界結合し、同時に誘電体共振器RcのTM110 x−y モードと磁界結合する。また、結合ループ3cdは、誘電体共振器RcのTM110 x+y モードと磁界結合し、同時に誘電体共振器RdのTM110 x−y モードと磁界結合する。このようにして、この誘電体フィルタは8段の共振器からなる帯域通過特性を有するフィルタとして作用する。
【0037】
このような構造であるため、隣接する結合ループ同士は、そのループの向きが直交して殆ど磁界結合せず、信号のリークや干渉が殆ど生じることがない。
【0038】
次に、通信装置の構成例を図7を参照して説明する。
図7に示す装置は、セルラー方式の移動体通信システムにおける基地局に設ける装置であり、図7におけるダイプレクサは第1の実施形態で示した誘電体ダイプレクサを用い、デュプレクサとしては、第2の実施形態で示した誘電体デュプレクサを用いる。さらに、受信フィルタとしては、第3の実施形態で示した誘電体フィルタを用いる。ダイプレクサは、送信回路から出力される3チャンネル分の送信信号Tx1,Tx2,Tx3を電力合成し、デュプレクサの送信信号入力ポートへ与える。デュプレクサは、そのアンテナへ送信信号を出力し、アンテナからの受信信号を受信フィルタへ与える。この受信フィルタは、受信周波数帯域の信号Rxを受信回路へ与える。
【0039】
【発明の効果】
請求項1,2,5に記載の発明によれば、誘電体フィルタ同士が近接しても、互いに隣接する誘電体フィルタの結合ループ同士は殆ど結合しない。そのため、全体に小型化を図りながら、隣接する誘電体フィルタ同士のアイソレーションを確保してフィルタ特性の悪化を防止することができる。
【0040】
請求項4に記載の発明によれば、送信フィルタとしての第1の誘電体フィルタと受信フィルタとしての第2の誘電体フィルタを近接させても、両フィルタ間のアイソレーションが確保できるため、全体の小型化を図ることができる。
【0041】
請求項3に記載の発明によれば、複数チャンネル分の信号を扱う場合に、それらのフィルタを近接配置しても、アイソレーションが確保できるため、全体の小型化を図ることができる。
【0042】
請求項6に記載の発明によれば、所定のフィルタ特性を備えた小型の誘電体フィルタや複合誘電体フィルタ等を用いるため、全体に小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体ダイプレクサの1つの誘電体フィルタの構成を示す分解斜視図
【図2】同誘電体ダイプレクサの上部キャビティ蓋を取り除いた状態での上面図
【図3】同ダイプレクサの上部キャビティ蓋を取り付けた状態での上面図
【図4】同誘電体ダイプレクサで用いる誘電体共振器の共振モードの電磁界分布の例を示す図
【図5】第2の実施形態に係る誘電体デュプレクサの構成を示す図
【図6】第3の実施形態に係る誘電体フィルタの構成を示す図
【図7】第4の実施形態に係る通信装置の構成を示す図
【図8】従来技術による複合誘電体フィルタの構成例を示す図
【符号の説明】
1−キャビティ
2−誘電体コア
3−結合ループ
4−中心導体
5−下部キャビティ蓋
6−上部キャビティ蓋
7−電力合成器
8〜14−同軸コネクタ
15−分岐器
H−調整用孔
h−孔
R−誘電体共振器
F−誘電体フィルタ
Claims (6)
- それぞれのキャビティ内に誘電体コアを設けた、列をなす複数の誘電体共振器と、該誘電体共振器の所定の共振モードに結合する結合ループとを備え、それぞれ所定周波数チャンネルの送信信号を通過させ、各送信フィルタの共用の出力ポートをアンテナポートとしてなる誘電体フィルタを、異なった誘電体フィルタ間の入力ポート同士が近接するように並列に複数組配置した複合誘電体フィルタであって、
隣接する誘電体フィルタ間における入力ポート近傍の結合ループ同士の向きが略垂直の関係となるように、各誘電体フィルタの誘電体共振器および結合ループを配置した複合誘電体フィルタ。 - それぞれのキャビティ内に誘電体コアを設けて成る複数の誘電体共振器と、これらの誘電体共振器の所定の共振モードに結合する結合ループとを設けて成る誘電体フィルタにおいて、
信号入力部から信号出力部への信号の流れが途中で折り返されるように複数の誘電体共振器を折り返し配置して、信号入力部近傍の結合ループと信号出力部近傍の結合ループとを隣接させるとともに、該信号入力部近傍の結合ループの向きと信号出力部近傍の結合ループの向きが略垂直の関係となるように、当該結合ループを配置した誘電体フィルタ。 - 請求項1に記載の複合誘電体フィルタを用い、または請求項2に記載の誘電体フィルタを複数組用い、それぞれ所定周波数チャンネルの送信信号を通過させる複数の送信フィルタとし、各送信フィルタの共用の出力ポートをアンテナポートとしてなる誘電体ダイプレクサ。
- 請求項2に記載の誘電体フィルタを第1・第2の誘電体フィルタとして2組用い、第1の誘電体フィルタの入力ポートを送信信号入力ポートとし、第2の誘電体フィルタの出力ポートを受信信号出力ポートとし、第1と第2の誘電体フィルタの共用の入出力ポートをアンテナポートとしてなる誘電体デュプレクサ。
- それぞれのキャビティ内に誘電体コアを設けた、列をなす複数の誘電体共振器と、該誘電体共振器の所定の共振モードに結合する結合ループとを備えた第1・第2の誘電体フィルタを並列に2組配置し、第1のフィルタの入力ポートを送信信号入力ポートとし、第2のフィルタの出力ポートを受信信号出力ポートとし、第1と第2のフィルタの共用の入出力ポートをアンテナポートとしてなり、送信信号入力ポートと受信信号出力ポートが近接するように構成されている誘電体デュプレクサであって、
第1の誘電体フィルタの送信信号入力ポートの近傍に配置されている結合ループと、第2の誘電体フィルタの受信信号出力ポートの近傍に配置されている結合ループとが、互いに隣接し且つ向きが略垂直の関係となるように、第1・第2の誘電体フィルタの誘電体共振器および結合ループを配置した誘電体デュプレクサ。 - 請求項1に記載の複合誘電体フィルタ、請求項2に記載の誘電体フィルタ、請求項3に記載の誘電体ダイプレクサ、請求項4に記載の誘電体デュプレクサ、または請求項5に記載の誘電体デュプレクサを設けて成る通信装置。
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