JP3567726B2 - 耐地震特性に優れた構造用鋼材およびその製造方法 - Google Patents

耐地震特性に優れた構造用鋼材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐震性を要求される建築構造物、橋梁等構造物の強度部材に用いて好適な構造用鋼材に係り、とくに高変形速度においても高い破壊靱性を有する構造用鋼材に関する。本発明でいう、耐震性とは、大地震の震源に近くおけるような高変形速度の変形においても高い破壊靱性を有することをいう。また、本発明の鋼材とは、鋼板、形鋼を含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
1981年の新耐震設計法の改正により、建築分野では、大地震時には鋼材の塑性変形を許容し、地震エネルギーを吸収して構造物の倒壊を防止するという設計概念が適用されている。新耐震設計法が適用される建築構造物の鋼材は、降伏後の変形能を表すパラメータである降伏比(YR)が低いことが要求されている。このような要求に対し、例えば、特開平6−271934号公報、特開平7−207407号公報には、低降伏比を有する建築用鋼材が提案されている。
【0003】
しかし、活断層タイプの地震で震源に非常に近い場合には、揺れの速度が非常に速く、建物に対し歪速度にして10−1〜10s−1の高速変形(振動)が加えられるといわれている。一般に、高速変形下では降伏比は高くなる傾向にあり、上記したような高速変形においては低降伏比が確保できなくなることが推察される。また、最近の直下型地震(1995 年、阪神大震災) においては、震源地近くの鋼構造物が脆性破壊により損傷を受けている。震源地近くの鋼構造物のように、高速変形を受ける鋼構造物に使用する鋼材は、脆性破壊を防止し鋼構造物の損傷を防ぐために、高速変形下でも高い破壊靱性を有することが必要となる。
【0004】
しかし、一般に限界CTOD等の破壊靱性値は、変形速度の増加に伴い低下することが知られており、高変形速度において欠陥の存在を前提とした場合、従来の建築構造用鋼では脆性破壊の発生自体を完全に抑制することは非常に困難となる。そこで、脆性破壊の発生を許容したうえで、その亀裂の伝播を阻止する性能を有する鋼材が、特開平9−176782号公報に提案されている。特開平9−176782号公報に記載された鋼材は、鋼材を構成する外表面のうち少なくとも2つの外表面に関して表層から全厚みの10〜33%の範囲内の平均フェライト粒径が3μm 以下の超細粒組織であることを特徴とする鋼材である。
【0005】
また、従来から、鋼材にNi、Mo等の高価な合金元素を添加し焼入焼戻等の熱処理を施してシャルピー衝撃特性や破壊靱性を向上させ、脆性破壊の発生を防止することは従来から実施されているが、鋼材自体の価格が高くなり経済的に不利となる。
また、特開平9−125140号公報には、高価な合金元素を添加することなく、V、Nを含有させてオーステナイト中にVNを核としてフェライトを析出させ、微細パーライト組織とすることによりシャルピー衝撃特性を向上させた耐震性に優れた極厚H形鋼が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−176782号公報に記載された技術では、鋼構造物内に多くの脆性亀裂が残存することになり、その後の建築鋼構造物の安全性に問題を残すことになる。さらに、建築鋼構造物では、鋼材に耐火被覆が施されており、発生した脆性亀裂を発見し、補修するために耐火被覆を剥がす必要があり、経済的に不利となる。また、特開平9−125140号公報に記載された技術では、耐震性を考慮して、極厚H形鋼の靱性向上を図っているが、高速変形下での動的破壊靱性については全く考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、高価な合金元素を多量に添加することなく、高速変形下で優れた破壊靱性を有する耐地震特性に優れる構造用鋼材、好ましくは鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するため、鋭意実験、研究を行った。
その結果、
▲1▼VおよびNを含有させ、圧延中およびその後の冷却中にVNを析出させると、析出したVNを核としてフェライトが析出し、微細なフェライト+パーライト組織となること、さらに、
▲2▼フェライト粒内に、適正量のVNを、適正な大きさと適正な密度で析出・分散させることにより、亀裂先端での変形が均一化し、シャルピー衝撃試験吸収エネルギーが同一であっても高速変形時に高い破壊靱性値を有すること、
▲3▼Ar変態点以下の温度でフェライト粒内に析出するVN析出物量が多いほど、高速変形時に高い破壊靱性を示すこと、
を見い出した。なお、本発明でいうAr変態点(℃)は、次式で計算される値を用いるものとする。
【0009】
Ar(℃)=910 +273 C+25Si−74Mn−56Ni−16Cr−9Mo −5Cu −1620Nb
(ここに、C、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、Cu、Nbは各元素の含有量(重量%)で、含まれない元素の場合には、0として計算する。)
また、さらに、本発明者らは、
▲4▼上記した組織を有する鋼板の多層盛溶接継手の熱影響部は、母材と同様に高速変形時に高い破壊靱性値を示すこと、
を見い出した。
【0010】
本発明は、上記した知見を基づき、さらに検討を加え構成されたものである。
すなわち、本発明は、構造用鋼材であって、重量%で、C: 0.04 0.18 %、 Si 0.60 %以下、 Mn 0.80 1.80 %、P: 0.030 %以下、S: 0.015 %以下、V:0.04〜0.15%、N:0.0050〜0.0150%を含み、かつVN析出物を0.02〜0.07%含有し、さらに、 Al 0.005 0.050 %および Ti 0.005 0.050 %のうちの1種または2種を含有し、かつ次(1)式
eq =C+ Si/24 Mn/6 +V /14 Ni/40 Cr/5 Mo/4 ……(1)
(ここで、C、 Si Mn 、V、 Ni Cr Mo :各元素の含有量(重量%))で定義されるC eq 0.34 0.48 %であり、あるいはさらに、 Cu 0.05 0.60 %、 Ni 0.05 0.60 %、 Cr 0.05 0.50 %、 Mo 0.02 0.20 %のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部 Fe および不可避的不純物からなる組成と、フェライトの結晶粒度がJIS G 0552で規定される結晶粒度で5番以上で、フェライト粒の面積率が50〜100 %であり、該フェライト粒内に粒子径5〜200nm のVN析出物が10〜1010個/mm析出した組織を有し、降伏比 80 %以下、変形速度1〜 1000mm /sの高速変形下での0℃における限界CTOD値が 0.1 mm 以上を有することを特徴とする耐地震特性に優れた構造用鋼材、好ましくは構造用鋼板である。また、本発明では、上記した組成に加えて、さらに重量%で、Nb:0.003 〜0.030 %、および/または、B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.010 %のうちから選ばれた1種または2種以上を含有してもよい。
【0012】
また、本発明では、鋼素材(スラブ)を、重量%で、C:0.04〜0.18%、Si:0.60%以下、Mn:0.80〜1.80%、P:0.030 %以下、S:0.015 %以下、V:0.04〜0.15%、N:0.0050〜0.0150%を含み、さらに、Al:0.005 〜0.050 %およびTi:0.005 〜0.050 %のうちの1種または2種を含有し、かつ次(1)式
Ceq=C+Si/24 +Mn/6+V/14 +Ni/40 +Cr/5+Mo/4 ……(1)
(ここで、C、Si、Mn、V、Ni、Cr、Mo:各元素の含有量(重量%))で定義されるCeqが0.34〜0.48%であり、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成とするのが好ましい。また、上記組成に加えてさらに、重量%で、Cu:0.05〜0.60%、Ni:0.05〜0.60%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.02〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有してもよく、および/またはさらに重量%で、Nb:0.003 〜0.030 %を含有してもよく、および/または、さらに重量%で、B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.010 %のうちから選ばれた1種または2種以上を含有してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、鋼中にV、Nを含有させ、圧延中および圧延後冷却中にオーステナイト組織中にVNを析出させ、VNを核としてフェライトを析出させることにより微細なフェライト+パーライト組織として、さらに変態後にもフェライト粒内にVNを析出させることによりフェライト粒内に一定量のVNを、適正な大きさと適正な密度で析出・分散させる。
【0014】
まず、本発明における化学組成の限定理由を説明する。
V:0.04〜0.15%
Vは、鋼の強度を高める作用を有し、母材の強度および靱性を確保するうえで、本発明において不可欠の元素である。Vは、鋼中でVNとしてオーステナイト中に析出し、フェライトの析出核として作用し、結晶粒を微細化する。さらに、VNはフェライト中に析出し、亀裂先端の変形を均一化する。これにより、シャルピー衝撃特性に比べ高速変形時の破壊靱性をより向上させる効果を有する。このような効果は0.04%以上の含有で認められるが、0.15%を超える含有は、母材靱性および溶接性を劣化させる。このため、Vは0.04〜0.15%の範囲に限定した。なお、好ましい範囲は、0.05〜0.10%である。
【0015】
N:0.0050〜0.0150%
Nは、Vと結合しVNを形成し、母材の強度、靱性および高速変形時の破壊靱性値を向上させる。そのためには、0.0050%以上の含有が必要であるが、0.0150%を超えて含有すると母材靱性および溶接性が大きく低下する。このため、Nは0.0050〜0.0150%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.0060〜0.0120%である。
【0016】
VN析出物:0.02〜0.07%
VN析出物は、オーステナイト中に析出しフェライト変態核として作用し、結晶粒を微細化するとともに、オーステナイトがフェライトに変態した後にフェライト中に析出して、亀裂先端の変形を均一化する。これにより、シャルピー衝撃特性に比べ高速変形時の破壊靱性をより向上させる効果を有する。これらの効果は、0.02%以上の析出が必要である。なお、上記したV、Nの範囲内では析出するVNは0.07%より多く析出しないため、0.07%を上限とした。
【0017】
C:0.04〜0.18%
Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、耐震性を考慮した構造用鋼材では、引張強さが 500 MPa以上であることが好ましく、このためにCを0.04%以上含有することが好ましい。しかし、0.18%を超えると溶接熱影響部の靱性を劣化させる。このため、Cは0.04〜0.18%の範囲とするのが好ましい。なお、より好ましくは溶接性および強度確保の点から0.08〜0.16%である。
【0018】
Si:0.60%以下
Siは、鋼の強度上昇に有効な元素であるが、多量添加すると溶接熱影響部の靱性を劣化させる。このため、0.60%を上限とするのが好ましい。なお、Siは、0.20%未満では、強度上昇の効果が少ないため、より好ましくは0.20〜0.60%の範囲である。
【0019】
Mn:0.80〜1.80%
Mnは、鋼の強度を増加させる有効な元素であり、強度確保の観点から0.80%以上含有するのが好ましい。しかし、1.80%を超えると、組織がベイナイト等の低温変態生成物を主体とする組織となり、母材靱性が劣化する。このため、Mnは0.80〜1.80%の範囲とするのが好ましい。
【0020】
P:0.030 %以下
Pは、母材、溶接熱影響部の靱性を劣化させ、また溶接割れ性を高めるため、できるだけ低減するのが好ましく、上限を0.030 %とするのが望ましい。なお、より好ましくは0.010 %以下である。
S:0.015 %以下
Sは、非金属介在物を形成し靱性、延性を劣化させるため、できるだけ低減するのが好ましく、上限を0.015 %以下とするのが望ましい。なお、より好ましくは0.010 %以下である。
【0021】
Al:0.005 〜0.050 %およびTi:0.005 〜0.050 %のうちの1種または2種
AlおよびTiは、いずれも脱酸剤として作用するため、AlおよびTiのうち1種または2種添加できる。脱酸のためには、Al、Tiは、いずれも0.005 %以上の添加を必要とするが、0.050 %を超えると脱酸効果は飽和し非金属介在物が増加し鋼の清浄度が低下する。このため、Alは0.005 〜0.050 %、Tiは0.005 〜0.050 %の範囲とするのが好ましい。
【0022】
さらに、Tiは、高温まで安定な微細析出物を形成し、圧延加熱時のオーステナイト粒の粗大化を抑制する。それにより、圧延後のフェライト粒が微細化され、母材の強度・靱性が向上する。さらに、溶接加熱時にも、高温まで安定な微細Ti析出物がオーステナイト粒の粗大化を抑制し、溶接熱影響部の高靱化が達成される。このため、脱酸剤としてAlのみを添加した場合には、オーステナイト粒の粗大化抑制効果溶接熱影響部の高靱化効果を持たせる意味でTiを0.005 〜0.015 %の範囲で含有させることが好ましい。
【0023】
Cu:0.05〜0.60%、Ni:0.05〜0.60%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.02〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上
Cu、Ni、Cr、Moはいずれも強度を増加させる元素であり、本発明ではCu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1 種または2 種以上を必要に応じ添加できる。しかし、Cu、Ni、Cr、Moは、それぞれ0.05%、0.05%、0.05%、0.02%未満では、上記した効果が認められない。一方、Cuは多量に添加すると熱間加工性を劣化させるため、多量添加の場合には等量のNiと同時に添加するのが望ましいが、Niを0.60%を超えて添加すると製造コストが高くなり経済的に不利となる。このため、Cu、Niの上限は0.60%とするのが好ましい。また、Cr、Moは、それぞれ0.50%、0.20%を超えると溶接性や靱性を劣化させるため、それぞれ0.50%、0.20%を上限とした。
【0024】
Nb:0.003 〜0.030 %
Nbは、Ar変態点を低下させ、VNのオーステナイト中での析出を促進させ、さらにNb化合物の析出とNb化合物による結晶粒の細粒化により強度と靱性をともに向上させる効果を有する。この効果を得るためには、Nbを0.003 %以上含有する必要がある。一方、0.030 %を超える含有は、溶接性および溶接熱影響部の靱性を劣化させる。このため、Nbは0.003 〜0.030 %の範囲とするのが好ましい。なお、好ましくは0.005 〜0.025 %である。
【0025】
B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.010 %のうちから選ばれた1種または2種以上
B、REM 、Caは、いずれも圧延後のフェライト粒を微細にする作用を有しており、必要に応じB、REM 、Caのうちから選ばれた1種または2種以上を添加できる。
【0026】
Bは、圧延中にBNとして析出し、圧延後のフェライト結晶粒を微細化する。この結晶粒の微細化は、0.0002%以上の添加で認められるが、0.0020%を超える添加は靱性を劣化させる。このことから、Bは0.0002〜0.0020%の範囲に限定するのが好ましい。
REM 、Caは、高温で安定な析出物として鋼中に微細分散し、圧延時のオーステナイト粒の粗大化を抑制する。それにより、圧延後のフェライト粒を微細化する。さらに、溶接加熱時にも、オーステナイト粒の粗大化を抑制し、溶接熱影響部の組織を微細化する。このために、REM 、Caは0.0010%以上の添加を必要とするが、REM が0.0200%、Caが0.010 %を超えると鋼の清浄度が低下し、靱性が劣化する。このため、REM は0.0010〜0.0200%、Caは0.0010〜0.010 %の範囲に限定するのが望ましい。
【0027】
Ceq:0.34〜0.48%
Ceqは次(1)式で定義する。
Ceq=C+Si/24 +Mn/6+V/14 +Ni/40 +Cr/5+Mo/4 ……(1)
ここで、C、Si、Mn、V、Ni、Cr、Moは各元素の含有量(重量%)である。
なお、各元素の含有量は、合金元素として添加される以外に不可避的に混入することにより鋼中に含有されるものをも含むものとする。
【0028】
(1)式に記載された元素が含有されない場合には、その元素の含有量を0として計算するものとする。
Ceqが0.34%未満では、母材の強度、および溶接熱影響部軟化部の強度を確保することが困難となり、一方、0.48%を超えると溶接割れ感受性が高くなり、溶接熱影響部の靱性が低下する。このようなことからCeqは0.34〜0.48%の範囲とするのが望ましい。
【0029】
本発明の鋼材の組織について説明する。
本発明の鋼材は、フェライト+パーライト組織で、フェライトの結晶粒度がJIS G 0552で規定される結晶粒度番号で5番以上で、フェライト粒の面積率が50〜100 %であり、該フェライト粒内に粒子径5〜200nm のVN析出物が10〜1010個/mmの範囲で析出分散した組織を有する。
【0030】
フェライトの結晶粒度:JIS G 0552で規定される結晶粒度番号で5番以上
フェライトの結晶粒度がJIS G 0552で規定される結晶粒度で5番未満では、靱性の低下が著しいため、フェライトの結晶粒度は粒度番号で5番以上とした。
フェライトの面積率:50〜100 %
フェライトの面積率が50%未満では、母材の靱性が低下し、高速変形時に亀裂先端の変形が不均一となり、高速変形下での破壊靱性が劣化する。このため、フェライトの面積率は50%以上に限定した。
【0031】
粒子径5〜200nm のVN析出物:10〜1010個/mm
フェライト粒内に析出する粒子径が200nm を超える粗大なVN析出物は、破壊の基点となりやすく靱性を劣化させるため、本発明では、フェライト粒内に析出するVN析出物の大きさを200nm 以下に限定した。フェライト中に析出した粒子径200nm 以下のVN析出物は、亀裂先端の変形を均一化する。一方、5nm未満の大きさの微細なVN析出物は、上記したVN析出物の変形均一化効果を有している可能性はあるが、電子顕微鏡による分析測定が困難となるため5nmをVN析出物の大きさの下限とした。5nm未満のVN析出物は存在していてもよいのは言うまでもない。さらに、粒子径5〜200nm の範囲のVN析出物の分散密度は、10〜1010個/mmの範囲に限定する。粒子径5〜200nm のVN析出物の分散密度が10個/mm未満では、変形均一化効果が少なく、一方、1010個/mmを超えると過度の析出物の存在により靱性が劣化する。なお、亀裂先端の変形的均一化を促進する観点から粒子径100 〜200nm の範囲のVN析出物の分散密度を10個/mm以下とするのが好ましい。
【0032】
上記した組成と組織とすることにより、鋼材は、降伏比80%以下、変形速度1〜1000mm/sの高速変形下での0℃における限界CTOD値が0.1mm 以上を有する耐地震特性に優れた構造用鋼材となる。降伏比が80%を超えると地震時の塑性変形能が低下し、構造物としての安全性が低下する。また、変形速度1〜1000mm/sの高速変形下での0℃における限界CTOD値が0.1mm 未満では、大地震時におけるような高速変形を受けた場合に脆性亀裂を発生させやすくなり、構造物の安全性が低下する。なお、本発明における限界CTOD値は、1TCT試験片または3点曲げ試験片を用いて、WES 1108−1995 規格またはASTM E 1290 、BS 7448 に準拠した破壊靱性試験にて測定した値を使用するものとする。
【0033】
ついで、上記した鋼材の製造方法について説明する。
上記した組成のうちいずれかの組成を有する鋼素材(スラブ)を通常公知の溶製、凝固方法により作製し、該鋼素材(スラブ)を所定の加熱温度に加熱したのち熱間圧延を施し所定寸法の鋼材(鋼板)とする。
鋼素材(スラブ)の加熱温度は、1350℃以下とする。
【0034】
加熱温度が1350℃を超えると結晶粒が粗大化するうえ、加熱炉の損耗が著しくなるため、加熱温度は1350℃以下に限定する。なお、過熱温度の下限については特に限定されないが、後述するようにAr変態点以上の温度で圧延することが可能なように加熱する必要がある。
上記加熱温度に加熱された鋼素材( スラブ) は、ついでAr変態点以上の温度を圧延終了温度とする熱間圧延を施され、製品厚さの鋼素材( 鋼板) とされる。圧延終了温度がAr変態点未満では、2相域圧延となるため靱性が劣化したり材質の異方性が強くなる。このため、熱間圧延の圧延終了温度はAr変態点以上とするのが望ましい。
【0035】
なお、粒子径100 〜200nm のVN析出物の密度を10個/mm未満とするには、熱間圧延の圧延終了温度を950 ℃以上とし、圧延終了後3℃/s以上の冷却速度でAr変態点まで冷却し、その後空冷、好ましくは0.09℃/s以上1℃/s以下の冷却速度で冷却、するのがよい。熱間圧延の終了温度が950 ℃未満では、亀裂先端の均一化にあまり効果のない粒子径の大きいVNが圧延中に多量に析出する。このため、熱間圧延の圧延終了温度は950 ℃以上とするのが好ましい。また、圧延終了後Ar変態点までの冷却速度が3℃/s未満では、オーステナイト中に析出するVNが増加し、結果として亀裂先端の均一化があまり効果がない粒子径の大きなVNが増加するため、所望のVN析出物の分散が得られない。また、Ar変態点以下の温度での冷却は、空冷でよいが、厚鋼板で空冷とすると、冷却速度が遅くなり、VN析出物の好適な分散が得られなくなる懸念がある場合には、1℃/s以下の冷却速度で冷却、するのがよい。
【0036】
また、圧延終了温度を950 ℃以上として、圧延終了後にAr変態点まで3℃/s以上の冷却速度で冷却するとオーステナイト中のVNが少なめとなり、フェライト粒径あが大きめとなる場合がある。このような場合は、圧延終了温度を950 ℃以上とする第1段の熱間圧延を施したのち、熱間圧延を一時中断し、Ar変態点まで3℃/s以上の冷却速度で冷却し、ついで第2段の熱間圧延を施し所定の板厚としたのち空冷(0.09℃/s以上1℃/s以下の冷却速度で冷却)してもよい。ここで、Ar変態点以下の温度での第2段の熱間圧延は、2相域圧延となるため、加工歪が残留するような強圧下の加工とすると靱性が劣化したり、材質の異方性が強くなる。このため、2相域の圧延での圧下率は20%以下に留めるのが好ましい。また、第2段の熱間圧延終了後の冷却は、空冷でよいが、厚鋼板で空冷とすると、冷却速度が遅くなり、VN析出物の好適な分散が得られなくなる懸念がある場合には、0.09℃/s以上1℃/s以下の冷却速度で冷却するのがよい。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法で240 〜310mm のスラブとした。これらスラブを表2に示す熱間圧延条件と、冷却条件で所定板厚の厚鋼板製品とした。これら厚鋼板について、組織観察、VN析出物の析出量および粒径分布、および引張特性、シャルピー衝撃特性、破壊靱性の機械的特性を調査した。
【0038】
組織観察は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により行い、フェライトの面積率、結晶粒度を測定した。結晶粒度の測定は、JIS G 0552の規定に準拠して、フェライトの面積率は画像処理装置により行った。
引張試験は、板厚50mm未満の鋼板については1/2t部から、板厚50mm未満の鋼板については1/4t部から、圧延方向にJIS 4 号引張試験片を採取し、変形速度0.03mm/sの静的変形と、変形速度1〜1000mm/sの高速変形における強度および降伏比を求めた。
【0039】
シャルピー衝撃試験は、板厚50mm未満の鋼板については1/2t部から、板厚50mm未満の鋼板については1/4t部から、圧延方向にJIS 4 号衝撃試験片を採取し、0℃における吸収エネルギーvEと破面遷移温度vTrsを求めた。
破壊靱性試験は、板厚50mm未満の鋼板については1/2t部から、板厚50mm未満の鋼板については1/4t部から、圧延方向にWES 1108−1995 の規定に準拠した1TCTコンパクト破壊靱性試験片を採取し、WES 1108−1995 の規定に準拠して、変形速度0.03mm/sの静的変形と、変形速度1〜1000mm/sの高速変形における破壊靱性値(限界CTOD)を、試験温度0℃で求めた。
【0040】
これらの結果を表2および3に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003567726
【0042】
【表2】
Figure 0003567726
【0043】
【表3】
Figure 0003567726
【0044】
【表4】
Figure 0003567726
【0045】
本発明範囲の厚鋼板(本発明例)は、高速変形においても0℃における限界CTODが0.1mm 以上の優れた破壊靱性を有しており、高速変形における降伏比も80%以下となり、高速変形下でも高い変形能を有していることがわかる。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、1〜1000mmの高速変形において0℃における限界CTODが0.1mm 以上を安定して有することはなく、変形速度が高くなると限界CTODが低下し、破壊靱性が劣化している。
(実施例2)
表2に示す鋼板No. 5、No.11 、No.15 、No.17 、No.19 、No.23 、No.25 を用い、入熱25kJ/cm のCO溶接により、開先形状をV型開先とする多層盛溶接継手を作製した。
【0046】
これら溶接継手について、シャルピー衝撃特性および破壊靱性を調査した。なお、ノッチ位置は、フュージョンライン(BOND) およびフュージョンラインから1mmの熱影響部(HAZ 1mm)とした。
シャルピー衝撃試験は、板厚50mm未満の鋼板については1/2t部から、板厚50mm以上の鋼板については1/4t部から、圧延方向にJIS 4 号衝撃試験片を採取し、0℃における吸収エネルギーvEと破面遷移温度vTrsを求めた。
【0047】
破壊靱性試験は、板厚50mm未満の鋼板については1/2t部から、板厚50mm以上の鋼板については1/4t部から、圧延方向にWES 1108−1995 の規定に準拠した1TCTコンパクト破壊靱性試験片を採取し、WES 1108−1995 の規定に準拠して、変形速度0.03mm/sの静的変形と、変形速度1〜1000mm/sの高速変形における破壊靱性値(限界CTOD)を、試験温度0℃で求めた。
【0048】
それらの結果を表4に示す。
【0049】
【表5】
Figure 0003567726
【0050】
本発明例は、ノッチ位置がBONDおよびHAZ 1mmともに、静的変形および高速変形における限界CTODが0.1mm 以上の優れた破壊靱性を有している。このように、本発明の鋼板は溶接継手部も優れた高速変形下における破壊靱性を有している。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、変形速度が高くなると限界CTOD0.1mm 未満と低下し、破壊靱性が劣化している。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、高価な合金元素を多量に添加することなく、1〜1000mm/sの高速変形において母材および溶接熱影響の0℃における限界CTODが0.1mm 以上を有する鋼材が得られる。本発明の構造用鋼材は、高速変形を受けても破壊靱性の劣化が少なく、耐震性に優れた鋼材として利用でき産業上格段の効果を奏する。

Claims (4)

  1. 構造用鋼材であって、重量%で、
    C:0.04〜0.18%、 Si:0.60%以下、
    Mn:0.80〜1.80%、 P:0.030 %以下、
    S:0.015 %以下、 V:0.04〜0.15%、
    N:0.0050〜0.0150%を含み、かつVN析出物を0.02〜0.07%含有し、さらに、
    Al:0.005 〜0.050 %およびTi:0.005 〜0.050 %のうちの1種または2種を含有し、かつ下記(1)式で定義されるCeqが0.34〜0.48%であり、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライトの結晶粒度がJIS G 0552で規定される結晶粒度番号で5番以上で、フェライト粒の面積率が50〜100 %であり、該フェライト粒内に粒子径5〜200nm のVN析出物が106 〜1010個/mm3 析出した組織を有することを特徴とする耐地震特性に優れた構造用鋼材。

    Ceq=C+Si/24 +Mn/6+V/14 +Ni/40 +Cr/5+Mo/4 ……(1)
    ここで、C、Si、Mn、V、Ni、Cr、Mo:各元素の含有量(重量%)
  2. 前記組成が、さらに重量%で、
    Cu:0.05〜0.60%、Ni:0.05〜0.60%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.02〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の構造用鋼材。
  3. 前記組成が、さらに重量%で、
    Nb:0.003 〜0.030 %を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の構造用鋼材。
  4. 前記組成が、さらに重量%で、
    B:0.0002〜0.0020%、REM :0.0010〜0.0200%、Ca:0.0010〜0.010 %のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の構造用鋼材。
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