JP4418115B2 - レーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼 - Google Patents

レーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,引張強度が570MPa級以上で,靱性が要求される構造物全般に供されるレーザー溶接部の溶接熱影響部(HAZ)靱性に優れた高強度鋼に関するものである。用途としては,例えば,建築構造物,海洋構造物,船舶,橋梁,ラインパイプ等の溶接構造物に用いることができる。また,鋼の形態は特に問わないが,構造部材として用いられ,低温靱性が要求される鋼板,特に厚板,鋼管素材,あるいは形鋼で有用である。
【0002】
【従来技術】
最近,高速溶接が可能で,自動化も比較的容易なため,高効率で溶接が可能なレーザー溶接が厚鋼板の溶接にも実適用されつつある。しかしながら,従来の溶接部の靱性を保証した溶接構造用鋼はアーク溶接を中心とする既存の溶接方法で溶接された場合を想定して成分設計されており,レーザー溶接によって接合された場合の溶接熱影響部(Heat Affected Zone:HAZ)の靱性については全く考慮されていない。レーザー溶接部の健全性やHAZの割れ性等のレーザー溶接性に優れた鋼については最近,開発が盛んに行われているが,溶接部の靱性を保証できる鋼についてはほとんど検討されていないのが実状である。
【0003】
なお,最近,特開平10−94890号公報において,レーザー溶接条件に応じて鋼の理想焼入臨界直径(DI値)を調整することによって溶接継手組織を下部ベイナイト主体組織とすることでレーザー溶接継手靱性を向上させるレーザー溶接方法が示されている。靱性向上の観点からは上記公報に示されるように下部ベイナイト主体とすることが好ましいが,下部ベイナイト組織となる化学組成範囲は比較的狭く,かつ溶接条件に合わせて化学組成を調整する必要があることから,鋼の成分調整が煩雑であり,かつ化学組成が狭い範囲に限定される問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
同程度の板厚で比較した場合,レーザー溶接は,一般的に開先幅が狭く溶接金属の量が少ないために,従来のアーク溶接に比べて溶接のエネルギーによって高温に晒された溶接熱影響部の冷却段階での冷却速度が大きく,HAZはアーク溶接におけるよりも変態点の低い,より硬化した組織となる。また,一般に,多層溶接となるアーク溶接と異なり,1層溶接であるため,一旦形成された組織が後続の溶接パスの再加熱による組織微細化や焼戻し効果が期待できない。
【0005】
従って,レーザー溶接で形成されるHAZ組織は,前記,特開平10−94890号公報のように,溶接条件に合わせて化学組成を厳密に調整する場合以外は,粗粒のマルテンサイト主体組織となる場合が多い。
そのため,本発明では,レーザー溶接条件に依存せず,汎用的にHAZ靱性を高めるために,レーザー溶接のHAZ組織がマルテンサイト主体組織となることを前提として,該マルテンサイト主体組織の靱性を高めることを課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは,前記特開平10−94890号公報のように,溶接条件に合わせて化学組成を調整して下部ベイナイト主体組織とするものとは異なり,レーザー溶接部のHAZ組織がマルテンサイト主体組織となることを前提とした上で,該マルテンサイト主体組織の靱性を改善するための手段を検討した。
その結果,レーザー溶接で形成されるHAZの靱性に対しては,マルテンサイト相の硬さを支配するC,マトリックスの靱性に大きな影響を及ぼすNi,さらに,マルテンサイト相の組織の微細さを決定づける加熱オーステナイト粒径が重要であり,加熱オーステナイト粒径を一定以上微細化し,かつ,マルテンサイトの硬さを低減するためにC量を低減し,さらに,マトリックスの靱性向上に有効なNiを適正量添加することで, マルテンサイト主体組織の靱性は向上できることを見出した。
【0007】
ただし,最も重要な点は,オーステナイト粒径を微細化すると鋼の焼入性が低下するため,HAZ組織がマルテンサイト主体から,ベイナイト主体組織,特に靱性の最も劣る上部ベイナイト組織へと変化する可能性があり,もし上部ベイナイト組織が出現した場合には,低C化や高Ni化,さらにHAZのオーステナイトを微細化しても靱性の大幅な劣化は免れないため,HAZのオーステナイト粒径が微細化されても安定してマルテンサイト主体組織とするために,鋼の焼入性を確保する点である。そのための条件は詳細な実験により検討され,マルテンサイト出現の指標としては,(1)式で示される理想焼入臨界直径(DI値)が有効であり,その値を適正範囲になるように化学組成を調整する必要があることを見出した。
DI=0.5・(C%)1/2 ・(1+0.64・Si%)・(1+4.10・Mn%)・(1+0.27・Cu%)・(1+0.52・Ni%)・(1+ 2.33・Cr%)・(1+3.14・Mo%)・(1+1.50・W%) ・・・・・(1)
【0008】
また,レーザー溶接のHAZの加熱オーステナイト粒の安定的な微細化のためには,溶接時に1350℃程度以上の高温に晒されても,オーステナイトの粒成長を抑制できる強力なピンニング粒子が鋼中に高密度に分散していることが好ましく,特に,ピンニング粒子として,微細な酸化物を主体とする熱的に安定な粒子を高密度に分散させることが有効である。
本発明は,上記のレーザー溶接で形成されたHAZ靱性支配因子に関する新しい知見とその達成手段の開発に基づいて発明されたものであり,その要件は以下に示す通りである。
【0009】
(1) 質量%で,
C:0.01〜0.06%,
Si:0.05〜0.5%,
Mn:0.1〜2%,
P:0.01%以下,
S:0.005%以下,
Al:0.005〜0.06%,
N:0.001〜0.01%,
Ni:1〜9%
Ti:0.005〜0.03%,
Ca:0.0005〜0.003%
を含有し,かつ,下記(1)式で示す理想焼入臨界直径DIが3〜30で,残部Fe及び不可避不純物からなる鋼のレーザー溶接部において,溶接熱影響部の加熱オーステナイト粒径が100μm以下で、かつ、溶接熱影響部組織に占めるマルテンサイトの割合が80%以上であることを特徴とするレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
DI=0.5・(C%)1/2・(1+0.64・Si%)・(1+4.10・Mn%)・(1+0.27・Cu%)・(1+0.52・Ni%)・(1+2.33・Cr%)・(1+3.14・Mo%)・(1+1.50・W%)・・・・・(1)
【0010】
(2) 相当径で0.005〜2μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数で,100〜3000個/mm2 含有し,該酸化物の組成が,少なくともCa,Al,Oを含み,Oをのぞいた元素が質量%で,
Ca:5%以上,
Al:5%以上,
を含有することを特徴とする前記(1)に記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
【0011】
(4) 更に、鋼が質量%で,
Mg:0.0001〜0.002%
を含有し,かつ,円相当径で0.005〜2μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数で,100〜3000個/mm含有し,該酸化物粒子の組成が,少なくともCa,Al,Mg,Oを含み,Oをのぞいた元素が質量%で,
Ca:5%以上,
Al:5%以上,
Mg:1%以上,
を含有することを特徴とする前記(1)に記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
【0012】
(6)更に、鋼が質量%で,
Cu:0.05〜1.5%,
Cr:0.05〜2%,
Mo:0.05〜2%,
W:0.1〜4%,
V:0.01〜0.2%,
Nb:0.003〜0.05%,
Ta:0.01〜0.2%,
Zr:0.005〜0.1%,
B:0.0002〜0.005%,
の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
(7)更に、鋼が質量%で,
Y:0.001〜0.01%,
Ce:0.005〜0.1%,
のうち1種または2種を含有することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について詳細に述べる。
本発明は,組織要件の限定と同時に化学組成の適正化も必須である。そこで,先ず,化学組成の限定理由とその作用を述べ,ついで,組織要件の限定理由,さらに,組織要件を満足するための手段の例として,加熱オーステナイト粒成長抑制のための鋼中へのピンニング粒子の分散に関する要件を述べる。
【0014】
Cはマルテンサイト組織の靱性改善のためには低減することが好ましいが,鋼の強度確保のために必須の元素でもある。0.01%未満では構造用鋼に必要な強度の確保が困難であるため下限を0.01%とする。一方,本発明で限定しているHAZのオーステナイト粒径が100μm以下であることを前提して,靱性の劣化が許容できる上限を,実験結果に基づいて本発明では0.06%とする。次に,Siは脱酸元素として,また,母材の強度確保に有効な元素である。これらの効果が明確になるためには0.05%以上の添加が必要である。一方,0.5%を超える過剰の含有は粗大な酸化物を形成して延性や靱性の劣化を招く。また,固溶Siはマルテンサイトのオートテンパーを抑制してCの悪影響を助長するため,0.5%を超える過剰の添加は好ましくない。そこで,Siの範囲は0.05〜0.5%とした。
Mnは母材の強度,靱性の確保に必要な元素であり,最低限0.1%以上含有する必要があるが,MnはCの析出を遅らせてマルテンサイトの靱性を劣化させるため,本発明のようなマルテンサイト主体組織の靱性改善のためには2%以下に抑制させる必要がある。なお,HAZ靱性の保証温度が−80℃以下のような特に良好な低温靱性が要求される場合は,Mnの上限をさらに1%以下に限定するのが好ましい。
【0015】
Pは不純物元素であり,鋼の特性に対して有害である。特にマルテンサイト主体組織では粒界脆化を顕著に助長する元素であるため,極力低減する方が好ましいが,本発明においては,実用上悪影響が許容できる量として,上限を0.01%とする。
Sは延性特性に悪影響を及ぼす不純物元素であり,0.005%以下に低減することが好ましい。ただし,酸化物粒子中に含まれて溶接熱影響部の加熱オーステナイト粒径微細化に効果を発揮させる場合には積極的に添加する。その場合,0.002〜0.005%の添加が好ましい。
【0016】
Alは脱酸,母材の加熱γ粒径の細粒化等に有効な元素であるが,効果を発揮するためには0.005%以上含有する必要がある。一方,0.06%を超えて過剰に含有すると,溶接熱影響部の加熱オーステナイト微細化に有効な微細酸化物の分散に悪影響を及ぼし,かつ粗大な酸化物を形成して延性を劣化させるため,0.005%〜0.06%の範囲に限定する必要がある。
Nは固溶状態では延性,靱性に悪影響を及ぼすため,本発明においては好ましくないが,V,AlやTiと結びついてγ粒微細化や析出強化に有効に働くため,微量であれば機械的特性向上に有効である。また,工業的に鋼中のNを完全に除去することは不可能であり,必要以上に低減することは製造工程に過大な負荷をかけるため好ましくない。そのため,延性,靱性への悪影響が許容できる範囲で,かつ,工業的に制御が可能で,製造工程への負荷が許容できる範囲として下限を0.001%とする。過剰に含有すると,固溶Nが増加し,延性や靱性に悪影響を及ぼす可能性があるため,許容できる範囲として上限を0.01%とする。
【0017】
Niは固溶靱化により組織によらず靱性を向上できる唯一の元素である。さらに,マルテンサイト組織において,マルテンサイト変態後の冷却中のCの析出を促進して,固溶Cの靱性劣化を抑制する特有の働きもあり,後続パスによる焼戻し効果を期待できないレーザー溶接のマルテンサイト主体組織のHAZの靱性向上に必須の元素である。効果を発揮するためには1%以上の添加が必要である。Ni量は増加するほど靱性を向上させるが,9%を超えるような過剰な添加では,効果が飽和する一方で,溶接金属の割れ特性を劣化させる懸念もあり,さらには,高価な元素であるため,経済性も考慮して,本発明においてはNiの上限を9%とする。
【0018】
Tiはレーザー溶接熱影響部(HAZ)の加熱オーステナイト粒径微細化を酸化物によるピンニングで行う場合には,適正に添加が必要である。詳細は後述するが,効果を発揮するためには0.005%以上必要である一方,0.03%を超えると粗大なTiNや酸化物を形成する恐れがあるため,本発明においてはTiは0.005〜0.03%に限定する。
CaもTiと同様,酸化物の微細分散をHAZの加熱オーステナイト微細化に用いる場合には必須の元素である。加熱オーステナイト粒径微細化に効果を発揮するためには0.0005%以上必要である一方,0.003%を超えると粗大な硫化物や酸化物を形成する恐れがあるため,本発明においてはCaは0.0005〜0.003%に限定する。
また,Mgも酸化物微細分散に有効であり,必要に応じて添加する。添加する場合は,0.0001〜0.002%の範囲とするが,これは0.0001%未満では効果が明確でなく,0.002%超では酸化物の粗大化が懸念されるためである。
【0019】
以上が,本発明において必須あるいは重要な元素及び不純物元素の限定理由であるが,本発明においては,強度・靱性の調整のために,必要に応じてさらに,Cu,Cr,Mo,W,V,Nb,Ta,Zr,Bの1種または2種以上を含有することができる。
Cuは変態挙動,強度,靱性に対して,Niと類似の効果を有する元素であるが,効果を発揮するるためには0.05%以上の添加が必要であり,1.5%超の添加では熱間加工性やHAZ靱性に問題を生じるため,本発明においては,0.05〜1.5%の範囲に限定する。
Crは焼入性の向上,固溶強化により強度向上に有効な元素であり,効果を生じるためには0.05%以上必要であるが,Crは過剰に添加すると硬さの増加,粗大析出物の形成等を通して,母材やHAZの靱性に悪影響をおよぼすため,許容できる範囲として,上限を2%に限定する。
【0020】
MoもCrと同様の効果によって強度を高めるに有効な元素であるが,効果を発揮でき,他特性に悪影響をおよぼさない範囲として,0.05〜2%に限定する。
WもCr,Moと同様の効果によって強度を高めるに有効な元素であるが,効果を発揮でき,他特性に悪影響をおよぼさない範囲として,0.1〜4%に限定する。
Vは主として析出強化により高強度化に寄与する。効果を発揮するためには,0.01%以上は必要である。ただし,0.2%を超えて過剰に添加すると,延性,靱性を極端に劣化させるため,本発明においては,0.01〜0.2%の範囲に限定する。
【0021】
Nbは変態強化,析出強化により微量で高強度化に寄与する。また,γの加工・再結晶挙動に大きな影響を及ぼすため,母材靱性向上にも有効である。効果を発揮するためには,0.003%以上は必要である。ただし,0.05%を超えて過剰に添加すると,延性,靱性を極端に劣化させるため,本発明においては,0.003〜0.05%の範囲に限定する。
TaもNbと同様の効果を有し,適正量の添加により強度,靱性の向上に寄与するが,0.01%未満では効果が明瞭には生ぜず,0.2%を超える過剰な添加では粗大な析出物に起因した靱性劣化が顕著となるため,範囲を0.01〜0.2%とする。
Zrも強度向上に有効な元素であるが,効果を発揮するためには0.005%以上必要である。一方,0.1%を超えて過剰に添加すると粗大な析出物を形成して靱性に悪影響をおよぼすため,上限を0.1%とする。
【0022】
Bは極微量で焼入性を高める元素であり,高強度化に有効な元素である。Bは固溶状態でγ粒界に偏析することによって焼入性を高めるため,極微量でも有効であるが,0.0002%未満では粒界への偏析量を十分に確保できないため,焼入性向上効果が不十分となったり,効果にばらつきが生じたりしやすくなるため好ましくない。一方,0.005%を超えて添加すると,鋼片製造時や再加熱段階で粗大な析出物を形成する場合が多いため,焼入性向上効果が不十分となったり,鋼片の割れや析出物に起因した延性劣化,靱性劣化を生じる危険性も増加する。そのため,本発明においては,Bの範囲を0.0002〜0.005%とする。
【0023】
さらに,本発明においては,延性の向上,継手靱性の向上等のために,必要に応じて,Y,Ceの1種または2種を含有することができる。
Y,Ceはいずれも酸化物を微細化させて母材, HAZの延性やHAZ靱性向上に有効に働く。その効果を発揮するための下限の含有量は,Yは0.001%,Ceは0.005%である。一方,過剰に含有すると,硫化物や酸化物の粗大化を生じ,延性,靱性の劣化を招くため,上限を各々,Yは0.01%,Ceは0.1%とする。
【0024】
本発明においては,さらに(1)式で示す理想焼入臨界直径(DI値)を3〜30に限定する。DI値を3以上とするのは,後述する限定理由にあるように,レーザー溶接のHAZの加熱オーステナイト粒径を100μm以下に細粒化した場合にも安定してHAZ組織をマルテンサイト割合が80%以上のマルテンサイト主体組織とするためである。
DI値は大きいほどマルテンサイト組織は安定的に得られるが,DI値が過大になると,溶接性の劣化や,残留オーステナイトの増加による強度低下等の悪影響も出てくるため,本発明ではこれらの悪影響が出ない条件で,DI値の上限を30とする。
以上が本発明における化学組成に関する限定理由である。
【0025】
本発明の目的としている良好なレーザー溶接部のHAZ靱性を達成するためには,上記化学組成の限定を前提とした上で,HAZの組織を,下記のようにする必要がある。すなわち,
▲1▼加熱オーステナイト粒径:100μm以下
▲2▼マルテンサイト分率:80%以上
【0026】
▲1▼の加熱オーステナイト粒径を100μm以下とするのは,マルテンサイト主体組織においては,靱性を支配する,結晶方位がほぼそろった組織領域のサイズである,いわゆる”有効結晶粒径”がベイナイト主体組織あるいはベイナイト/マルテンサイト混合組織に比べてより直接的にオーステナイト粒径の影響を受け,オーステナイト粒径の微細化がHAZ靱性改善のために必須なためである。
すなわち,変態組織が下部ベイナイトの場合は,有効結晶粒径は加熱オーステナイト粒径よりもかなり小さくなるが,マルテンサイト組織の場合は,加熱オーステナイト粒径と有効結晶粒径との差が小さく,かつ,ほぼ加熱オーステナイト粒径に比例して有効結晶粒径が変化する。本発明においては,本発明の化学組成範囲において,2mmVノッチシャルピー衝撃試験の破面遷移温度(vTrs)を確実に−40℃以下にするために必要な加熱オーステナイト粒径として,100μm以下に限定する。
【0027】
▲2▼のマルテンサイト分率を80%以上とするのは,化学組成やオーステナイト粒径の変化に対して靱性の変動を極力低減するためである。下部ベイナイト主体組織とすることは,靱性改善に有効ではあるが,適正な化学組成の範囲が限定され,さらに加熱オーステナイト粒径が微細化すると逆に粗大な上部ベイナイトが生成して靱性劣化を招くおそれもある。
一方,本発明では,あくまでもマルテンサイト主体組織を前提として,良好なHAZ靱性を得るための組成及び組織要件を規定しているため,マルテンサイト組織割合も規定する必要がある。マルテンサイトの割合が80%以上であれば,残余の組織が他の組織,例えば靱性に好ましくない上部ベイナイトであっても,靱性はその主体組織であるマルテンサイトに支配されるため,他の本発明の要件が満足されていれば,良好な靱性を達成できる。
なお,実際には,マルテンサイトが80%以上となるような組織,レーザー溶接条件においては,残余の組織が靱性を大きく劣化させる粗大な上部ベイナイト組織となることはほとんどない。
【0028】
以上が,本発明において,レーザー溶接継手のHAZ靱性を向上させるための化学組成及び組織に関する要件である。本組織要件と化学組成要件を満足すれば,その達成手段は問わない。
例えば,オーステナイト粒径の微細化手段として,後述する本発明のごとく,酸化物をピンニング粒子とする方法以外に,Ti,N等の窒化物形成元素を多量に含有させる,等の方法が考えられる。ただし,材質劣化をともなわずにHAZの加熱オーステナイト粒径を微細化する手段としては必ずしも十分でない。一方,本発明では,材質劣化をともなわずに安定的にHAZの加熱オーステナイト粒径を200μm以下とする具体的手段として,熱的に安定な酸化物を主体とするピンニング粒子の微細分散法を包含する。
【0029】
HAZの加熱オーステナイト粒を細粒化するためには高温でのオーステナイト粒成長を抑制することが必要である。その手段として最も有効な方法は,分散粒子によりオーステナイトの粒界をピンニングし,粒界の移動を抑制する方法が考えられる。そのような作用をする分散粒子の一つとしては,従来,Ti窒化物が有効であると考えられていた。しかしながらTi窒化物は1400℃以上の高温では固溶する割合が大きくなるため,ピンニング効果が小さくなる。
これに対し,高温で安定な酸化物と硫化物とを併せてピンニング粒子として活用することが有効である。
また,分散粒子による結晶粒界のピンニング効果は,分散粒子の体積率が大きいほど,一個の粒子径が大きいほど大きい。ただし,分散粒子の体積率は鋼中に含まれる粒子を構成する元素の濃度によって上限があるので,体積率を一定と仮定した場合には,粒子径はある程度小さい方がピンニングには有効である。
【0030】
酸化物および硫化物の体積分率を大きくする手段の一つとして,O量,S量を増大させることがあるが,O量,S量の増大は材質に有害な粗大介在物をも多数生成する原因となるため,有効な手段ではない。O量,S量を増大させずに酸化物および硫化物の体積分率を大きくするには,OおよびSとの溶解度積が小さい元素を活用することが有効である。
Oとの溶解度積が小さい,すなわち強脱酸元素として,一般的にはAlが用いられる。しかしながら,AlだけではOを充分利用するには不充分で,さらにAlよりも強い脱酸元素が必要で,Ca,さらには必要に応じてMgを活用することが重要である。
硫化物を生成しやすい元素として,Mnが挙げられる。しかしながら,MnだけではSを活用するには不充分で,上記酸化物におけると同様に,Sとの溶解度積が小さい,すなわち安定した硫化物を生成する元素であるCa,Mgの活用が重要である。
【0031】
Ca,Mgをはじめとした種々脱酸元素を用いた溶解実験結果から,鋼中に生成する酸化物粒子の組成として,Oを除いた元素が質量比で,Caが5%以上かつAlが5%以上含まれる場合,あるいは,Ca及びAlが5%以上でさらにMgが1%以上含まれることで,酸化物の体積分率すなわち酸化物量を大きくすることが可能となることを知見した。
また,さらには,酸化物の周囲に,例えばCaSおよびMgSといった硫化物が析出することで,酸化物と硫化物とを併せてより一層の体積分率の増加が可能となることを見出したのである。その場合,酸化物と硫化物とを併せて一つの粒子と見なしたときの組成が,Mgを含まない場合で,Oを除いた元素が質量比で,CaとAlが5%以上,Sが1%以上含まれる必要がある。
また,粒子がMgを含む場合は,Oを除いた元素が質量比で,Ca及びAlが5%以上,Mg及びSが1%以上含まれる必要がある。
なお,酸化物中にSを含む場合,酸化物と硫化物とが複合化している場合,酸化物を核として硫化物が該酸化物の周囲に析出している場合,いずれもオーステナイトの成長抑制には同等の効果を有する。以降で,酸化物あるいはピンニング粒子としているものも,特に断らない限り,上記の粒子を包含することとする。
【0032】
次にHAZの加熱オーステナイト粒のピンニングに有効な粒子の大きさについて述べる。分散粒子による結晶粒界のピンニング効果は,分散粒子の体積率が大きいほど,一個の粒子径が大きいほど大きいが,粒子の体積率が一定のとき,一個の粒子の大きさが小さい方が粒子数が多くなりピンニング効果が大きくなるが,あまり小さくなると粒界に存在する粒子の割合が小さくなるため,その効果は低減する。
粒子の大きさを種々変化させた試験片を用いて,高温に加熱したときのオーステナイト粒径を詳細に調査した結果,レーザー溶接に相当する温度・保持時間において安定的にオーステナイト粒径をピンニングするためには,前記の組成を有する安定な粒子の大きさとして,0.005〜2μmのものが有効であることをつきとめた。また0.005μmより小さい酸化物粒子はほとんど観察されなかった。この結果より,必要な粒子径を0.005〜2μmとした。
【0033】
次に必要なピンニング粒子の個数について検討した。粒子個数が多いほど組織単位は微細になり,そのため,粒子個数が多いほどHAZ組織は微細化する。本発明の目的とする,レーザー溶接におけるHAZのオーステナイト粒径を確実に100μm以下とするためには,粒子径が0.005〜2μmの粒子が100個/mm2 以上必要である。
ただし,粒子数が多くなるほどピンニング力は大となるが,その効果は飽和し,かつ,必要以上に粒子個数を多くすることは,逆に延性や靱性に有害な粗大な粒子が生成する可能性を高めることにもなる,また現在の工業技術では限界もあることを考え,本発明においては粒子数の上限を3000個/mm2 とした。
【0034】
該酸化物の大きさおよび個数の測定は,例えば以下の要領で行なう。母材となる鋼板から抽出レプリカを作製し,それを電子顕微鏡にて10000倍で20視野以上,観察面積にして1000μm2 以上を観察することで該酸化物の大きさおよび個数を測定する。このとき鋼板の表層部から中心部までどの部位から採取した抽出レプリカでもよい。また,粒子が適正に観察可能であれば,観察倍率を低くしてもかまわない。
【0035】
本発明では,化学組成の適正化と酸化物による加熱オーステナイト粒径の微細化とで,レーザー溶接継手のHAZ靱性を向上させる。フュージョンライン近傍のHAZは高温に晒されて母材組織はほぼ全面的に解消される。従って,本発明では鋼材を製造するプロセスは問わない。通常の熱間圧延まま,制御圧延,制御冷却,また,これらのプロセスと焼戻しの組み合わせ,さらには焼き均しや焼入・焼戻し等の再加熱処理で製造してもかまわない。
なお,本発明によって製造される鋼はレーザー溶接継手のHAZ靱性に優れた高強度鋼を提供することを目的としているが,溶接時に鋼板に加えられる熱履歴が,レーザー溶接と同様な,すなわち,溶接後の冷却速度が比較的大きく,具体的には800℃から500℃までの冷却時間が20s以下で,原則的に1パス溶接で後続の溶接パスによる熱を受けない,例えば電子ビーム溶接などにおいても優れた継手靱性を達成することが可能である。
【0036】
【実施例】
以上が,本発明の要件についての説明であるが,さらに,実施例に基づいて本発明の効果を示す。
実施例に用いた供試鋼の化学組成を表1,2に示す。鋼材番号A1〜A10が本発明鋼,B1〜B7が比較鋼である。試作鋼は連続鋳造または真空溶解により溶製し,鋳片またはインゴットに鋳造した後,加熱圧延を経て,板厚12mmの鋼板として製造した。鋼板は全て再加熱焼入焼戻し処理(QT)を施した。焼入・焼戻し条件は化学組成に応じて適当に調整した。
表1,2には併せて,鋼中酸化物粒子の組成,粒子径0.005〜2μmの粒子数の測定結果も示す。なお酸化物粒子とは既述したように,酸化物中にSを含む粒子,酸化物と硫化物とが複合化している粒子,酸化物を核として硫化物が該酸化物の周囲に析出している粒子を全て含んだものである。
レーザー溶接は,レーザー切断あるいは鋸切断したI型の端面同士をルートギャップなしで突き合わせ溶接した。10kWのCO2 レーザー溶接機を用い,溶接速度,約1.5m/分でレーザー溶接した。
【0037】
【表1】
Figure 0004418115
【0038】
【表2】
Figure 0004418115
【0039】
【表3】
Figure 0004418115
【0040】
表3は母材の引張特性,溶接後のHAZ組織形態,HAZの機械的性質を調査した結果を示している。HAZ組織形態としては,加熱オーステナイト粒径,マルテンサイト分率を示す。加熱オーステナイト粒径,マルテンサイト分率については光学顕微鏡組織写真から測定したが,加熱オーステナイト粒径はフュージョンラインからHAZ側1mm内のHAZの中での最大径を示し,マルテンサイト分率は板厚中心部のフュージョンラインからHAZ側1mm近傍で撮影した倍率200倍の写真,5視野の平均で示した。
【0041】
機械的性質としては,母材の引張特性及びHAZの2mmVノッチシャルピー衝撃特性を調査した。母材の引張特性は圧延方向に直角な方向で板厚中心部から丸棒引張試験片を採取して測定した。2mmVノッチシャルピー試験片は,ノッチ位置がフュージョンラインからHAZ側1mmとなる,試験片厚さ10mmの標準試験片とした。引張試験は室温で実施し,シャルピー試験は種々温度で試験を実施し,破面遷移温度(vTrs)と−40℃における吸収エネルギー(vE−40)を求めた。
【0042】
表1,2において,鋼材番号A1〜A10は本発明により製造したものであり,鋼材番号B1〜B9は本発明のいずれかの要件を満足していないものである。表3の機械的性質から明らかなように,本発明による鋼材番号A1〜A10は,HAZの組織形態は本発明の要件を満足しており,強度レベルとして様々なものを含んでいるが,全て,良好なHAZ靱性(−40℃における吸収エネルギー及び破面遷移温度(vTrs))が達成されていることが明らかである。具体的には,Ni量の最も低い鋼A6においてもvTrsで−45℃であり,Ni量が高い鋼では高強度鋼でありながら,−100℃以下のvTrsが得られている場合もあり,本発明によれば,レーザー溶接継手において極めて良好なHAZ靱性が達成できることは明白である。
【0043】
一方,鋼材番号B1〜B7の比較例の特性は,後述の理由により,同程度のNi量あるいは母材強度で比較して,レーザー溶接継手のHAZ靱性が本発明に比べて明らかに劣っている。以下,比較例について,そのHAZ靱性が劣る理由を示す。
鋼材番号B1,B2は,Cが過剰なため,HAZの組織は本発明を満足しているが,マルテンサイト相の靱性が大きく劣化するため,HAZ靱性が本発明に比べて大きく劣る。
鋼材番号B3は,マルテンサイト相の靱性を向上するために必須のNiが過少であるため,HAZ靱性が本発明に比べて劣る。
【0044】
鋼材番号B4は,DI値が本発明の下限よりも小さいため,必要な焼入性が得られておらず,HAZの組織中のマルテンサイト相の割合が小さい一方,粗大な上部ベイナイトイト相の割合が多いため,HAZ靱性が劣る。
鋼材番号B5は,逆にDI値が過大であり,不安定な残留オーステナイト相によると推定されるHAZ靱性の劣化が生じており,HAZ靱性は本発明に比べて若干劣る。
鋼材番号B6,B7は,HAZのオーステナイト粒径が過大であるため,HAZ靱性が劣っている例である。
以上の実施例から,本発明の鋼は,レーザー溶接におけるHAZの組織がマルテンサイト主体となる鋼において,レーザー溶接におけるHAZ靱性が極めて優れていることが明白である。
【0045】
【発明の効果】
本発明により,レーザー溶接で形成されるHAZ組織がマルテンサイト主体組織となるような,引張強度が570MPa級以上の高張力鋼のレーザー溶接継手のHAZ靱性を向上させることが可能となり,産業上の効果は極めて顕著である。

Claims (7)

  1. 質量%で,
    C:0.01〜0.06%,
    Si:0.05〜0.5%,
    Mn:0.1〜2%,
    P:0.01%以下,
    S:0.005%以下,
    Al:0.005〜0.06%,
    N:0.001〜0.01%,
    Ni:1〜9%
    Ti:0.005〜0.03%,
    Ca:0.0005〜0.003%
    を含有し,かつ,下記(1)式で示す理想焼入臨界直径DIが3〜30で,残部Fe及び不可避不純物からなる鋼のレーザー溶接部において,溶接熱影響部の加熱オーステナイト粒径が100μm以下で、かつ、溶接熱影響部組織に占めるマルテンサイトの割合が80%以上であることを特徴とするレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
    DI=0.5・(C%)1/2・(1+0.64・Si%)・(1+4.10・Mn%)・(1+0.27・Cu%)・(1+0.52・Ni%)・(1+2.33・Cr%)・(1+3.14・Mo%)・(1+1.50・W%)・・・・・(1)
  2. 相当径で0.005〜2μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数で,100〜3000個/mm含有し,該酸化物粒子の組成が,少なくともCa,Al,Oを含み,Oをのぞいた元素が質量%で,
    Ca:5%以上,
    Al:5%以上,
    を含有することを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
  3. 前記酸化物粒子の組成が少なくともCa,Al,O,Sを含み,Oを除いた元素が質量%で,
    Ca:5%以上,
    Al:5%以上,
    S:1%以上,
    を含有することを特徴とする請求項2に記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
  4. 更に、鋼が質量%で,
    Mg:0.0001〜0.002%
    を含有し,かつ,円相当径で0.005〜2μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数で,100〜3000個/mm含有し,該酸化物粒子の組成が,少なくともCa,Al,Mg,Oを含み,Oをのぞいた元素が質量%で,
    Ca:5%以上,
    Al:5%以上,
    Mg:1%以上,
    を含有することを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
  5. 前記酸化物粒子の組成が少なくともCa,Al,Mg,O,Sを含み,Oを除いた元素が質量%で,
    Ca:5%以上,
    Al:5%以上,
    Mg:1%以上,
    S:1%以上,
    を含有することを特徴とする請求項4に記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
  6. 更に、鋼が質量%で,
    Cu:0.05〜1.5%,
    Cr:0.05〜2%,
    Mo:0.05〜2%,
    W:0.1〜4%,
    V:0.01〜0.2%,
    Nb:0.003〜0.05%,
    Ta:0.01〜0.2%,
    Zr:0.005〜0.1%,
    B:0.0002〜0.005%,
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
  7. 更に、鋼が質量%で,
    Y:0.001〜0.01%,
    Ce:0.005〜0.1%,
    のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレーザー溶接部の靱性に優れた高強度鋼。
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