JP3567705B2 - ニッケル含有鋼の溶製方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル含有鋼の溶製方法に係わり、特に、上底吹き可能な転炉を用いてステンレスや特殊鋼等を製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
オーステナイト系ステンレス鋼のようなNiを多量に含有する鋼を製造するには、まず、フェロ・ニッケル等のニッケル源を電気炉内の溶鋼に投入して溶解する。そして、その溶鋼を所謂AOD炉、あるいは上底吹き転炉に移して酸素ガスを吹き込み、脱炭等の精錬を行うのが一般的である。その際、溶鋼中のニッケル分を微量調整するため、出鋼時に若干のNi源を転炉に追加添加することもある。さらに、特開昭58−91114号は、安価なニッケル源の利用促進として、酸化ニッケルのブリケットを転炉、あるいはAOD炉内の溶鋼に直接添加し、該溶鋼中の炭素で還元する技術を開示している。加えて、特開昭52−108311号公報は、転炉でステンレス鋼を溶製するに当たり、脱炭末期にクロムの酸化に伴い生ずる余剰熱を利用して、フェロ・ニッケルを該溶鋼に添加、溶解する技術を提案している。
【0003】
しかしながら、これらの従来技術は、安価なニッケル源を使用すること、及び添加するニッケル源を冷材として溶鋼温度の調整に使用することを主眼にしており、投入ニッケル源が如何に有効に利用されたか(つまり、添加効率)に関しては、十分検討されたものではない。
また、近年、ステンレス鋼の製造には、所謂溶融還元法と称し、クロム鉱石等を転炉で直接還元し、ステンレス鋼製造用の母溶鋼を予め溶製する技術が盛んに利用されるようになった。ところが、この溶融還元で溶製された含クロム溶鉄は、まだ多量の炭素を含んでいるので、その後別の転炉(同一転炉でも良い)で行なわれる脱炭精錬では、脱炭時間が従来に比べ長くなるという問題が生じている。従って、ステンレス鋼の製造に上記溶融還元法を採用するにしても、その後の脱炭工程で該母溶鋼中に投入するニッケル源の添加歩留に関しては、さらに検討する余地があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、溶鋼中へのニッケル源の添加歩留を従来より大幅に高めることの可能なニッケル含有鋼の溶製方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、溶鋼へのニッケルの添加歩留に及ぼす要因として、転炉ダストに着眼した。すなわち、ニッケル歩留の低下は、主として、ステンレス鋼の溶製中に転炉から飛散するダストに該ニッケルが含まれ、炉外に除去されることに起因していると考えた。そして、このダストの発生挙動に着目した検討を鋭意行い、ダストの発生を抑制することに成功し、その抑制手段を本発明に具現化した。
【0006】
すなわち、本発明は、ガスを上底吹き可能な転炉型精錬容器内に保持した溶鉄に、酸素と不活性ガスの混合ガスを吹き込み、該溶鉄からの脱炭の進行に合わせて、前記混合ガスの酸素と不活性ガスの比率を変更してニッケル含有鋼を溶製するに当り、上吹き酸素の供給速度を1.0Nm3 /min/t以下、且つ上吹きの酸素と不活性ガスの希釈比を0.5以上として、ニッケル含有鉄及び/又は酸化ニッケルを該溶鉄に添加することを特徴とするニッケル含有鋼の溶製方法である。
【0007】
ここで、希釈比=上吹き不活性ガス流量/上吹き酸素流量
また、本発明は、前記ニッケル含有鉄及び/又は酸化ニッケルの添加時期に、溶鉄の炭素濃度が1.0重量%以下、0.2重量%以上であることを特徴とするニッケル含有鋼の溶製方法である。
さらに、本発明は、前記ニッケル含有鋼をオーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とするニッケル含有鋼の溶製方法でもある。
【0008】
本発明によれば、脱炭時に、CO気泡が溶鉄表面で破裂(以下、バブル・バーストという)し、溶鉄の一部をダストとして飛散させるのを抑制できるようになるので、ニッケル分の高い溶鉄の精錬容器外への飛散、除去量が低下するようになる。その結果、脱炭工程でのニッケル源の添加歩留は、従来より著しく向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をなすに至った経緯もまじえ、その実施の形態を説明する。
転炉で溶鉄あるいは溶鋼を脱炭させる時に発生するダストに関しては、様々な調査が行われており、CO気泡の所謂バブル・バースト(前記したように、動力学的な溶鉄の飛沫発生)によるスプラッシュ・ダスト、及び高温の酸素火点から蒸発により生ずるヒューム・ダストが原因であることが既に知られている。
【0010】
ニッケルの蒸気圧は、鉄の蒸気圧とほぼ同じであるが、温度依存性が高く、高温になると急激に鉄のそれに比べて高くなる。従って、蒸気圧の観点からは、ニッケルのダストへの飛散は、吹錬が進行し、溶鉄温度が高温になる後期に大きくなることが予想された。
まず、発明者は、実炉を用い、ステンレス鋼に代表されるニッケル含有鋼の製造実験を、吹込みガスの酸素と不活性ガスの比率を表1に示すモードに従い変更して行い、ダストの飛散について調査した。その結果、ダストの飛散が、ヒュームよりもバブル・バーストに大きく起因することを見出したのである。すなわち、この調査で得たダスト発生の経時変化例を図2に示す。図2中で斜線を付した部分の高さがヒュームダストの発生速度、その下の折れ線がバブルバーストダストの発生速度である。それによれば、バブル・バーストによるダスト量は、吹錬初期に多く、脱炭速度が低下すると急激に低下する。一方、ヒューム・ダストの量は、溶鋼温度の上昇と共に増加するが、表1に示した酸素ガスと不活性ガスの希釈比モードを参照すれば、酸素を低下して希釈比を高くすると、低下している。その原因は、火点への酸素供給速度の低下と希釈ガスの増加により、火点温度の低下を図ることでヒューム・ダストの低減が可能となるためと考えられる。従って、こうしたダストの発生挙動に関する知見に基づけば、塊状あるいは粒状のニッケル源は、脱炭吹錬の後半に溶鉄に添加すれば、その添加歩留が向上すると考えたのである。なお、図2のヒューム・ダストとバースト・ダストの区別は、蒸気圧の低いMoを添加する実験を行い決定した。
【0011】
【表1】
【0012】
また、発明者は、ニッケル源を添加する時期について検討するため、上吹き酸素の供給速度とダスト発生との関係を調査した。その結果、既に述べたように、バブル・バーストが増加すると、ニッケルの添加歩留りが低下し、一方、溶鉄の炭素濃度が低下する時期に酸素供給速度を低下させないと、クロムの酸化が増加することを知った。バブル・バーストの発生速度が低下する溶鉄の炭素濃度は、およそ1.0重量%以下であったので(図1参照)、その時期で、図3に示すように且つ上吹酸素の供給速度が1.0Nm3 /min/t以下となる時期に、ニッケル源を添加するのが望ましいことをも見いだした。
【0013】
さらに、引き続いて、発明者は、上記時期において、ステンレス精錬に不可避的に用いる不活性ガスの希釈比がダスト発生に与える影響について調査した。その結果を、溶鉄の炭素濃度が0.5〜1.0重量%にある時期で、上吹酸素供給速度が一定(QO2=0.7Nm3/min/t)の時の上吹きガスの希釈比とダスト発生量との関係で、図4に示す。図4中で斜線を付した部分の高さがヒュームダストの発生速度、その上の●印の折れ線と○印の折れ線に挟まれる範囲の高さがバブルバーストダストの発生速度である。図4より、下記式で定める希釈比が、0.5〜4.0の範囲にある時、ダスト発生量に最小値が存在することも判った。
【0014】
希釈比=上吹き不活性ガス流量/上吹き酸素流量
加えて、図5にニッケルの添加歩留と前記希釈比との関係を示すが、希釈比が0.5〜4.0の範囲にあれば、ニッケルの添加歩留は良好である。ここで、Ni歩留りは、以下に示す式で定まる。
ニッケルの添加歩留が良くなるのは、希釈比が低いと、火点温度の上昇によるヒューム・ダストの増加で、ニッケルの添加歩留が低下する、及び希釈比が高すぎると、ガスの全発生量が増えるために、スピッティング・ダストが増加し、ニッケル歩留りが低下するためと考えられる。
【0015】
そこで、発明者は、これらの知見を整理し、適切な上吹き酸素の供給速度、希釈比の下で、ニッケル源を添加することを第1の本発明としたのである。
次に、上記知見は、脱炭吹錬期の後半にニッケル源を溶鉄に添加すれば、ダストにより失われるニッケル分が少なくてすみ、添加歩留の向上が得られるというものであった。つまり、この知見に従えば、吹錬の後半にニッケル源を添加するほど、ニッケルの添加歩留の向上が期待できる。しかし、発明者が、さらにニッケル源添加時期の溶鉄中の炭素濃度の影響について調査したところ、溶鉄の炭素濃度が1.0重量%以下、0.2重量%以上である時にニッケル源を添加することが望ましいことが判明した。それより低い炭素濃度域でニッケル源を添加すると、脱炭効率が極端に低下してクロム酸化が大きくなるからである。これは、脱炭効率が低下し、クロムが優先酸化が進行する領域では火点中の温度が極めて重要であり、この時期にニッケルを添加すると火点が冷却され脱炭に著しく悪影響を与えることによる。図6は、その点について検討した結果であり、脱炭効率が急激に低下する溶鉄中炭素が0.2重量%未満の領域で、ニッケル源を添加すると、クロム酸化が増加し、還元に用いるFe−Siの量が増加した。また、クロム酸化の増加に伴い、使用転炉の耐火物溶損も大きくなった。そこで、発明者は、このニッケル源を添加する時期の溶鉄の炭素濃度を限定することを、第2の本発明としたのである。
【0016】
ところで、上記2つの本発明は、精錬ガスを上底吹き可能な転炉型精錬容器さえあれば、他に何ら特別の装置を必要としない。精錬ガスに、酸素とそれを希釈する不活性ガスを混合使用することは、従来より公知であり、また吹錬中に副原料を溶鉄あるいは溶鋼に添加投入することも行われているからである。従って、本発明は、既設の転炉型精錬容器を利用して、設備投資をせず、しかも安いニッケル源を高い添加歩留で使用してニッケル含有鋼を製造するものであり、ステンレス鋼の製造に特に有用である。
【0017】
なお、ニッケル源としては、通常、金属ニッケル、フェロ・ニッケルが使用されるが、本発明では、それらより安価な酸化ニッケルのブリケットの使用が好ましい。また、これらニッケル源の形状は、通常、塊状あるいは粒状であるが、そのサイズは、以下のような考えに従って決定される。つまり、通常の転炉設備では、排ガスの上昇流により同伴され、排ガス処理系へ飛散しない程度の粒径として5mm以上であることが望ましい。一方、上限としては、添加設備でのハンドリングの制約から50mm程度が好適である。しかし、さらに大きなサイズの原料であっても、例えば、スクラップ投入用シュートを利用して投入すれば良いので、本発明では、特にニッケル源のサイズは限定していない。さらに、本発明では、上部から投入できない形状のニッケル源であっても、それを吹錬前に炉内に装入し、その後、ニッケル分の微調整に本発明に係る溶製方法を適用しても良い。
【0018】
最後になったが、ここで、本発明に係る溶製方法の実施で採用した吹き込みガスの希釈比例を,表1に基づき説明する。
吹錬当初の高炭素濃度域では、モード1に示すように、上吹きガス及び底吹きガス共に、酸素を主体としてある。そして、酸素原単位が30Nm3 /tを経たところで、モード2として酸素に希釈ガスとして不活性ガス(通常、窒素が用いられる)を混合し、脱炭を継続する。さらに、炭素濃度の低下に伴い、モード3、モード4のように、該希釈比を徐々に高め、吹錬末期では、モード5のように、上吹きガスを不活性ガス主体にしている。これらの各モードでは、底吹きガスも酸素と不活性ガスの比を変更している。しかし、本発明での重要ポイントは、バブル・バーストの抑制であり、直接的な影響を与えるのは、上吹きガスである。そのため、本発明では、上吹きガスの酸素供給速度と希釈比のみを限定し、底吹きガスの希釈比は、クロム・ニッケル含有鋼を製造する観点でCr酸化を極小とするために単に上吹きガスに応じて定めるようにした。
【0019】
なお、このような吹錬の途中では、ガスのモード切り替えと溶鉄の温度調整を行うために、サブ・ランスを用いて溶鉄中の炭素濃度を推定するが、ニッケル源の添加は、その推定で溶鉄中の炭素濃度が0.2重量%以上、1.0重量%以下となった時期に開始すれば良い。また、本発明では、吹込みガスの希釈比は、表1に示したものに限らず、酸素量と不活性ガス量との組み合わせを種々変更し、多種のものが存在することは、言うまでもない。
【0020】
【実施例】
(実施例) 170t転炉にて、SUS304のステンレス鋼を溶製した。その際、別に設けた転炉で、所謂溶融還元法によって含クロム溶鉄を溶製し、それを母溶鉄として用い、本発明に係る溶製方法を適用した。該溶鉄の成分は、重量%でCが5.0〜5.5、Siが0.01、Mnが0.1〜0.2、Pが0.035〜38、Sが0.005〜10、Crが11.3〜13.2、Niが0〜1.7であった。
【0021】
予め高炭素フェロ・クロムを炉内に装入した後、転炉に前記溶鉄を装入すると共に、上吹きランス及び底吹き羽口から酸素を供給開始した。吹錬開始当初には、炉上から高炭素フェロ・クロムを投入しつつ、表1に示したガス吹き込みモード1で吹錬した。その後、溶鉄中の炭素濃度の低下と溶鉄温度の上昇を、サブ・ランスを用いて推定し、それらの推定値に応じ、上吹き及び底吹きガスの希釈比を、モード2に変化させて吹錬を継続した。サブ・ランスによる溶鋼中の炭素濃度が1.0重量%となった時期に、ガスの吹込みをモード3にして希釈比を更に増加させた。それに引き続き、炉上より酸化ニッケルのブリケットを12〜15トン、添加装置を介して連続的に炉内に投入した。なお、該酸化ニッケルのブリケット粒度は、20〜40mmであり、Ni濃度は93重量%であった。また、該実施例での、溶鉄中の炭素濃度及び温度の経時変化を図1に示しておく。
(従来例)
上記実施例とニッケル源の投入時期以外を同一にして、同一鋼種のステンレス鋼を溶製した。すなわち、ニッケル源の投入は、吹錬開始前に、酸化ニッケルのブリケットを4〜5トン投入した後、吹錬開始後に8〜11トンを追加投入した。つまり、投入した時期の炭素濃度は、2〜4重量%であった。また、上吹き酸素の流量は2.5Nm3 /min/トンで、希釈比は0である。
(比較例)
上記実施例とニッケル源の投入時期以外を同一にして、同一鋼種のステンレス鋼を溶製した。従って、サブ・ランスを用いて溶鉄中の炭素濃度が1重量%以下を確認した後、さらにモード2〜4で吹錬を行った。その後、炭素濃度が0.35重量%以下となった時点を確認し、ガス吹込みをモード5に切り替えてから、酸化ニッケルのブリケットを12〜15トン溶鉄に投入した。
【0022】
なお、上記実施例及び比較例のいずれも、転炉から溶鋼を出鋼後に、含有するニッケルの濃度を確認し、目標値に対する不足分は、その後の真空精錬処理(例えば、VOD)中に追加投入するようにした。
以上3通りのステンレス鋼の溶製で達成したニッケルの添加歩留を、表2に比較して示す。本発明の実施例では、従来例に比べて5.0%だけニッケル添加歩留が向上している。しかし、転炉からの出鋼時に溶鋼を還元するために添加したFe−Siの原単位は、比較例より1.5kg/t増加していた。
【0023】
一方、比較例は、本発明の実施例とニッケルの添加歩留がほぼ同等であった。しかしながら、前記Fe−Siの原単位は、該実施例より大幅に増加している。また、ニッケル源の添加後に、溶鋼温度が上昇し、平均吹錬温度が増加している。その結果、比較例2は、使用転炉の耐火物溶損速度が従来に比べて1.5倍にもなっていた。
【0024】
【表2】
【0025】
上記実施例では、別の転炉で予め溶融還元を行い、他の転炉で脱炭を行うプロセスの例で説明したが、本発明の実施は、1基の転炉であっても何らかまわない。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、転炉にてニッケル含有鋼を溶製する場合のニッケルの添加歩留を、従来より高くできるようになった。その結果、従来に比べて安価にステンレス鋼を製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るニッケル含有鋼の溶製方法を実施した時の溶鋼の炭素濃度及び温度の経時変化を示す図である。
【図2】図1に対応する時期でのダストの発生状況を示す図である。
【図3】バブルバースト・ダストの発生量と送酸量との関係を示す図である。
【図4】上吹きガスの希釈比とダスト発生量との関係を示す図である。
【図5】上吹きガスの希釈比とニッケル源の添加歩留との関係を示す図である。
【図6】溶鉄中の炭素濃度と還元用フェロ・シリコンの使用原単位との関係を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル含有鋼の溶製方法に係わり、特に、上底吹き可能な転炉を用いてステンレスや特殊鋼等を製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
オーステナイト系ステンレス鋼のようなNiを多量に含有する鋼を製造するには、まず、フェロ・ニッケル等のニッケル源を電気炉内の溶鋼に投入して溶解する。そして、その溶鋼を所謂AOD炉、あるいは上底吹き転炉に移して酸素ガスを吹き込み、脱炭等の精錬を行うのが一般的である。その際、溶鋼中のニッケル分を微量調整するため、出鋼時に若干のNi源を転炉に追加添加することもある。さらに、特開昭58−91114号は、安価なニッケル源の利用促進として、酸化ニッケルのブリケットを転炉、あるいはAOD炉内の溶鋼に直接添加し、該溶鋼中の炭素で還元する技術を開示している。加えて、特開昭52−108311号公報は、転炉でステンレス鋼を溶製するに当たり、脱炭末期にクロムの酸化に伴い生ずる余剰熱を利用して、フェロ・ニッケルを該溶鋼に添加、溶解する技術を提案している。
【0003】
しかしながら、これらの従来技術は、安価なニッケル源を使用すること、及び添加するニッケル源を冷材として溶鋼温度の調整に使用することを主眼にしており、投入ニッケル源が如何に有効に利用されたか(つまり、添加効率)に関しては、十分検討されたものではない。
また、近年、ステンレス鋼の製造には、所謂溶融還元法と称し、クロム鉱石等を転炉で直接還元し、ステンレス鋼製造用の母溶鋼を予め溶製する技術が盛んに利用されるようになった。ところが、この溶融還元で溶製された含クロム溶鉄は、まだ多量の炭素を含んでいるので、その後別の転炉(同一転炉でも良い)で行なわれる脱炭精錬では、脱炭時間が従来に比べ長くなるという問題が生じている。従って、ステンレス鋼の製造に上記溶融還元法を採用するにしても、その後の脱炭工程で該母溶鋼中に投入するニッケル源の添加歩留に関しては、さらに検討する余地があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、溶鋼中へのニッケル源の添加歩留を従来より大幅に高めることの可能なニッケル含有鋼の溶製方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、溶鋼へのニッケルの添加歩留に及ぼす要因として、転炉ダストに着眼した。すなわち、ニッケル歩留の低下は、主として、ステンレス鋼の溶製中に転炉から飛散するダストに該ニッケルが含まれ、炉外に除去されることに起因していると考えた。そして、このダストの発生挙動に着目した検討を鋭意行い、ダストの発生を抑制することに成功し、その抑制手段を本発明に具現化した。
【0006】
すなわち、本発明は、ガスを上底吹き可能な転炉型精錬容器内に保持した溶鉄に、酸素と不活性ガスの混合ガスを吹き込み、該溶鉄からの脱炭の進行に合わせて、前記混合ガスの酸素と不活性ガスの比率を変更してニッケル含有鋼を溶製するに当り、上吹き酸素の供給速度を1.0Nm3 /min/t以下、且つ上吹きの酸素と不活性ガスの希釈比を0.5以上として、ニッケル含有鉄及び/又は酸化ニッケルを該溶鉄に添加することを特徴とするニッケル含有鋼の溶製方法である。
【0007】
ここで、希釈比=上吹き不活性ガス流量/上吹き酸素流量
また、本発明は、前記ニッケル含有鉄及び/又は酸化ニッケルの添加時期に、溶鉄の炭素濃度が1.0重量%以下、0.2重量%以上であることを特徴とするニッケル含有鋼の溶製方法である。
さらに、本発明は、前記ニッケル含有鋼をオーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とするニッケル含有鋼の溶製方法でもある。
【0008】
本発明によれば、脱炭時に、CO気泡が溶鉄表面で破裂(以下、バブル・バーストという)し、溶鉄の一部をダストとして飛散させるのを抑制できるようになるので、ニッケル分の高い溶鉄の精錬容器外への飛散、除去量が低下するようになる。その結果、脱炭工程でのニッケル源の添加歩留は、従来より著しく向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をなすに至った経緯もまじえ、その実施の形態を説明する。
転炉で溶鉄あるいは溶鋼を脱炭させる時に発生するダストに関しては、様々な調査が行われており、CO気泡の所謂バブル・バースト(前記したように、動力学的な溶鉄の飛沫発生)によるスプラッシュ・ダスト、及び高温の酸素火点から蒸発により生ずるヒューム・ダストが原因であることが既に知られている。
【0010】
ニッケルの蒸気圧は、鉄の蒸気圧とほぼ同じであるが、温度依存性が高く、高温になると急激に鉄のそれに比べて高くなる。従って、蒸気圧の観点からは、ニッケルのダストへの飛散は、吹錬が進行し、溶鉄温度が高温になる後期に大きくなることが予想された。
まず、発明者は、実炉を用い、ステンレス鋼に代表されるニッケル含有鋼の製造実験を、吹込みガスの酸素と不活性ガスの比率を表1に示すモードに従い変更して行い、ダストの飛散について調査した。その結果、ダストの飛散が、ヒュームよりもバブル・バーストに大きく起因することを見出したのである。すなわち、この調査で得たダスト発生の経時変化例を図2に示す。図2中で斜線を付した部分の高さがヒュームダストの発生速度、その下の折れ線がバブルバーストダストの発生速度である。それによれば、バブル・バーストによるダスト量は、吹錬初期に多く、脱炭速度が低下すると急激に低下する。一方、ヒューム・ダストの量は、溶鋼温度の上昇と共に増加するが、表1に示した酸素ガスと不活性ガスの希釈比モードを参照すれば、酸素を低下して希釈比を高くすると、低下している。その原因は、火点への酸素供給速度の低下と希釈ガスの増加により、火点温度の低下を図ることでヒューム・ダストの低減が可能となるためと考えられる。従って、こうしたダストの発生挙動に関する知見に基づけば、塊状あるいは粒状のニッケル源は、脱炭吹錬の後半に溶鉄に添加すれば、その添加歩留が向上すると考えたのである。なお、図2のヒューム・ダストとバースト・ダストの区別は、蒸気圧の低いMoを添加する実験を行い決定した。
【0011】
【表1】
【0012】
また、発明者は、ニッケル源を添加する時期について検討するため、上吹き酸素の供給速度とダスト発生との関係を調査した。その結果、既に述べたように、バブル・バーストが増加すると、ニッケルの添加歩留りが低下し、一方、溶鉄の炭素濃度が低下する時期に酸素供給速度を低下させないと、クロムの酸化が増加することを知った。バブル・バーストの発生速度が低下する溶鉄の炭素濃度は、およそ1.0重量%以下であったので(図1参照)、その時期で、図3に示すように且つ上吹酸素の供給速度が1.0Nm3 /min/t以下となる時期に、ニッケル源を添加するのが望ましいことをも見いだした。
【0013】
さらに、引き続いて、発明者は、上記時期において、ステンレス精錬に不可避的に用いる不活性ガスの希釈比がダスト発生に与える影響について調査した。その結果を、溶鉄の炭素濃度が0.5〜1.0重量%にある時期で、上吹酸素供給速度が一定(QO2=0.7Nm3/min/t)の時の上吹きガスの希釈比とダスト発生量との関係で、図4に示す。図4中で斜線を付した部分の高さがヒュームダストの発生速度、その上の●印の折れ線と○印の折れ線に挟まれる範囲の高さがバブルバーストダストの発生速度である。図4より、下記式で定める希釈比が、0.5〜4.0の範囲にある時、ダスト発生量に最小値が存在することも判った。
【0014】
希釈比=上吹き不活性ガス流量/上吹き酸素流量
加えて、図5にニッケルの添加歩留と前記希釈比との関係を示すが、希釈比が0.5〜4.0の範囲にあれば、ニッケルの添加歩留は良好である。ここで、Ni歩留りは、以下に示す式で定まる。
ニッケルの添加歩留が良くなるのは、希釈比が低いと、火点温度の上昇によるヒューム・ダストの増加で、ニッケルの添加歩留が低下する、及び希釈比が高すぎると、ガスの全発生量が増えるために、スピッティング・ダストが増加し、ニッケル歩留りが低下するためと考えられる。
【0015】
そこで、発明者は、これらの知見を整理し、適切な上吹き酸素の供給速度、希釈比の下で、ニッケル源を添加することを第1の本発明としたのである。
次に、上記知見は、脱炭吹錬期の後半にニッケル源を溶鉄に添加すれば、ダストにより失われるニッケル分が少なくてすみ、添加歩留の向上が得られるというものであった。つまり、この知見に従えば、吹錬の後半にニッケル源を添加するほど、ニッケルの添加歩留の向上が期待できる。しかし、発明者が、さらにニッケル源添加時期の溶鉄中の炭素濃度の影響について調査したところ、溶鉄の炭素濃度が1.0重量%以下、0.2重量%以上である時にニッケル源を添加することが望ましいことが判明した。それより低い炭素濃度域でニッケル源を添加すると、脱炭効率が極端に低下してクロム酸化が大きくなるからである。これは、脱炭効率が低下し、クロムが優先酸化が進行する領域では火点中の温度が極めて重要であり、この時期にニッケルを添加すると火点が冷却され脱炭に著しく悪影響を与えることによる。図6は、その点について検討した結果であり、脱炭効率が急激に低下する溶鉄中炭素が0.2重量%未満の領域で、ニッケル源を添加すると、クロム酸化が増加し、還元に用いるFe−Siの量が増加した。また、クロム酸化の増加に伴い、使用転炉の耐火物溶損も大きくなった。そこで、発明者は、このニッケル源を添加する時期の溶鉄の炭素濃度を限定することを、第2の本発明としたのである。
【0016】
ところで、上記2つの本発明は、精錬ガスを上底吹き可能な転炉型精錬容器さえあれば、他に何ら特別の装置を必要としない。精錬ガスに、酸素とそれを希釈する不活性ガスを混合使用することは、従来より公知であり、また吹錬中に副原料を溶鉄あるいは溶鋼に添加投入することも行われているからである。従って、本発明は、既設の転炉型精錬容器を利用して、設備投資をせず、しかも安いニッケル源を高い添加歩留で使用してニッケル含有鋼を製造するものであり、ステンレス鋼の製造に特に有用である。
【0017】
なお、ニッケル源としては、通常、金属ニッケル、フェロ・ニッケルが使用されるが、本発明では、それらより安価な酸化ニッケルのブリケットの使用が好ましい。また、これらニッケル源の形状は、通常、塊状あるいは粒状であるが、そのサイズは、以下のような考えに従って決定される。つまり、通常の転炉設備では、排ガスの上昇流により同伴され、排ガス処理系へ飛散しない程度の粒径として5mm以上であることが望ましい。一方、上限としては、添加設備でのハンドリングの制約から50mm程度が好適である。しかし、さらに大きなサイズの原料であっても、例えば、スクラップ投入用シュートを利用して投入すれば良いので、本発明では、特にニッケル源のサイズは限定していない。さらに、本発明では、上部から投入できない形状のニッケル源であっても、それを吹錬前に炉内に装入し、その後、ニッケル分の微調整に本発明に係る溶製方法を適用しても良い。
【0018】
最後になったが、ここで、本発明に係る溶製方法の実施で採用した吹き込みガスの希釈比例を,表1に基づき説明する。
吹錬当初の高炭素濃度域では、モード1に示すように、上吹きガス及び底吹きガス共に、酸素を主体としてある。そして、酸素原単位が30Nm3 /tを経たところで、モード2として酸素に希釈ガスとして不活性ガス(通常、窒素が用いられる)を混合し、脱炭を継続する。さらに、炭素濃度の低下に伴い、モード3、モード4のように、該希釈比を徐々に高め、吹錬末期では、モード5のように、上吹きガスを不活性ガス主体にしている。これらの各モードでは、底吹きガスも酸素と不活性ガスの比を変更している。しかし、本発明での重要ポイントは、バブル・バーストの抑制であり、直接的な影響を与えるのは、上吹きガスである。そのため、本発明では、上吹きガスの酸素供給速度と希釈比のみを限定し、底吹きガスの希釈比は、クロム・ニッケル含有鋼を製造する観点でCr酸化を極小とするために単に上吹きガスに応じて定めるようにした。
【0019】
なお、このような吹錬の途中では、ガスのモード切り替えと溶鉄の温度調整を行うために、サブ・ランスを用いて溶鉄中の炭素濃度を推定するが、ニッケル源の添加は、その推定で溶鉄中の炭素濃度が0.2重量%以上、1.0重量%以下となった時期に開始すれば良い。また、本発明では、吹込みガスの希釈比は、表1に示したものに限らず、酸素量と不活性ガス量との組み合わせを種々変更し、多種のものが存在することは、言うまでもない。
【0020】
【実施例】
(実施例) 170t転炉にて、SUS304のステンレス鋼を溶製した。その際、別に設けた転炉で、所謂溶融還元法によって含クロム溶鉄を溶製し、それを母溶鉄として用い、本発明に係る溶製方法を適用した。該溶鉄の成分は、重量%でCが5.0〜5.5、Siが0.01、Mnが0.1〜0.2、Pが0.035〜38、Sが0.005〜10、Crが11.3〜13.2、Niが0〜1.7であった。
【0021】
予め高炭素フェロ・クロムを炉内に装入した後、転炉に前記溶鉄を装入すると共に、上吹きランス及び底吹き羽口から酸素を供給開始した。吹錬開始当初には、炉上から高炭素フェロ・クロムを投入しつつ、表1に示したガス吹き込みモード1で吹錬した。その後、溶鉄中の炭素濃度の低下と溶鉄温度の上昇を、サブ・ランスを用いて推定し、それらの推定値に応じ、上吹き及び底吹きガスの希釈比を、モード2に変化させて吹錬を継続した。サブ・ランスによる溶鋼中の炭素濃度が1.0重量%となった時期に、ガスの吹込みをモード3にして希釈比を更に増加させた。それに引き続き、炉上より酸化ニッケルのブリケットを12〜15トン、添加装置を介して連続的に炉内に投入した。なお、該酸化ニッケルのブリケット粒度は、20〜40mmであり、Ni濃度は93重量%であった。また、該実施例での、溶鉄中の炭素濃度及び温度の経時変化を図1に示しておく。
(従来例)
上記実施例とニッケル源の投入時期以外を同一にして、同一鋼種のステンレス鋼を溶製した。すなわち、ニッケル源の投入は、吹錬開始前に、酸化ニッケルのブリケットを4〜5トン投入した後、吹錬開始後に8〜11トンを追加投入した。つまり、投入した時期の炭素濃度は、2〜4重量%であった。また、上吹き酸素の流量は2.5Nm3 /min/トンで、希釈比は0である。
(比較例)
上記実施例とニッケル源の投入時期以外を同一にして、同一鋼種のステンレス鋼を溶製した。従って、サブ・ランスを用いて溶鉄中の炭素濃度が1重量%以下を確認した後、さらにモード2〜4で吹錬を行った。その後、炭素濃度が0.35重量%以下となった時点を確認し、ガス吹込みをモード5に切り替えてから、酸化ニッケルのブリケットを12〜15トン溶鉄に投入した。
【0022】
なお、上記実施例及び比較例のいずれも、転炉から溶鋼を出鋼後に、含有するニッケルの濃度を確認し、目標値に対する不足分は、その後の真空精錬処理(例えば、VOD)中に追加投入するようにした。
以上3通りのステンレス鋼の溶製で達成したニッケルの添加歩留を、表2に比較して示す。本発明の実施例では、従来例に比べて5.0%だけニッケル添加歩留が向上している。しかし、転炉からの出鋼時に溶鋼を還元するために添加したFe−Siの原単位は、比較例より1.5kg/t増加していた。
【0023】
一方、比較例は、本発明の実施例とニッケルの添加歩留がほぼ同等であった。しかしながら、前記Fe−Siの原単位は、該実施例より大幅に増加している。また、ニッケル源の添加後に、溶鋼温度が上昇し、平均吹錬温度が増加している。その結果、比較例2は、使用転炉の耐火物溶損速度が従来に比べて1.5倍にもなっていた。
【0024】
【表2】
【0025】
上記実施例では、別の転炉で予め溶融還元を行い、他の転炉で脱炭を行うプロセスの例で説明したが、本発明の実施は、1基の転炉であっても何らかまわない。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、転炉にてニッケル含有鋼を溶製する場合のニッケルの添加歩留を、従来より高くできるようになった。その結果、従来に比べて安価にステンレス鋼を製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るニッケル含有鋼の溶製方法を実施した時の溶鋼の炭素濃度及び温度の経時変化を示す図である。
【図2】図1に対応する時期でのダストの発生状況を示す図である。
【図3】バブルバースト・ダストの発生量と送酸量との関係を示す図である。
【図4】上吹きガスの希釈比とダスト発生量との関係を示す図である。
【図5】上吹きガスの希釈比とニッケル源の添加歩留との関係を示す図である。
【図6】溶鉄中の炭素濃度と還元用フェロ・シリコンの使用原単位との関係を示す図である。
Claims (3)
- ガスを上底吹き可能な転炉型精錬容器内に保持した溶鉄に、酸素と不活性ガスの混合ガスを吹き込み、該溶鉄からの脱炭の進行に合わせて、前記混合ガスの酸素と不活性ガスの比率を変更してニッケル含有鋼を溶製するに当り、
上吹き酸素の供給速度を1.0Nm3 /min/t以下、且つ上吹きの酸素と不活性ガスの希釈比を0.5以上として、ニッケル含有鉄及び/又は酸化ニッケルを該溶鉄に添加することを特徴とするニッケル含有鋼の溶製方法。
ここで、希釈比=上吹き不活性ガス流量/上吹き酸素流量 - 前記ニッケル含有鉄及び/又は酸化ニッケルの添加時期に、溶鉄の炭素濃度が1.0重量%以下、0.2重量%以上であることを特徴とする請求項1記載のニッケル含有鋼の溶製方法。
- 前記ニッケル含有鋼をオーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1又は2記載のニッケル含有鋼の溶製方法。
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