JP3567513B2 - 演奏操作指示機能付き電子楽器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、電子楽器演奏時の補助として演奏者に手指の配置や操作すべき操作子を位置や順番など表示する機能を備えた演奏操作指示機能付き電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子楽器演奏時の補助として演奏者に操作すべき演奏操作子を指示する機能を備えた演奏操作指示機能付き電子楽器としては、鍵盤の各鍵の上側近傍に発光ダイオード(LED)を備え、演奏情報に従って押鍵すべき鍵に対応したLEDを順次発光させることによって押鍵すべき鍵を指示するものがある。このような押鍵指示機能付き電子楽器の中には現在押鍵すべき鍵に対応したLEDだけを点灯表示するものや、現在押鍵すべき鍵に対応したLEDと共に次に押鍵すべき鍵に対応したLEDを同時に表示するものなどがある。
また、このような押鍵指示機能付き電子楽器の中には、押鍵すべき鍵に対応した音を押鍵すべきタイミングで発音することによって演奏者に押鍵の指示を行うものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、押鍵すべき鍵に対応したLEDを表示するものは、演奏者に対して押鍵すべき鍵の位置を容易に認識させることはできるが、演奏者は視覚によって認識している関係上、LED発光タイミングから押鍵タイミングを認識することが困難であるという問題を有する。
一方、押鍵すべき鍵に対応した音をその押鍵すべきタイミングで発音するものは、演奏者に対して押鍵タイミングを容易に認識させることはできるが、演奏者がその鍵を押鍵した場合に押鍵タイミングを示す音と押鍵に基づく音とが重複して発音されることとなり、連符などのように押鍵が集中している場合などには、演奏者はかえって押鍵タイミングを認識しづらいという問題を有する。
【0004】
この発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、演奏操作子を操作すべきタイミングを分かりやすく指示することのできる演奏操作指示機能付き電子楽器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る演奏操作指示機能付き電子楽器は、複数の演奏操作子と、演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、前記演奏情報供給手段から順次供給される演奏情報に基づいて前記演奏操作子を操作すべきタイミングで、かつ該演奏情報中の個々のイベントデータに含まれる音量に関する情報に対応した音量で、音程感のないリズム音を発音する発音手段とを具備するものである。
【0006】
【作用】
演奏操作子は演奏に必要な複数の操作子で構成される。例えば鍵盤楽器の場合には演奏に必要な複数の鍵で構成される。演奏情報供給手段は楽曲に応じた演奏情報を供給するものである。この発明では、発音手段が演奏情報供給手段から順次供給される演奏情報に基づいて演奏操作子を操作すべきタイミングで、かつ該演奏情報中の個々のイベントデータに含まれる音量に関する情報に対応した音量で、音程感のないリズム音を発音する。従って、演奏者がその鍵を押鍵することによって、このリズム音と押鍵に基づく音とが重複して発音されることとなるが、リズム音は音程感のない音、例えばメトロノーム音やクリック音などのように音の強さと長さだけで規定されるような機械的な音であり、押鍵音と音楽的に干渉しにくいため、演奏者は自分の押鍵音とリズム音とを明確に区別することができ、押鍵すべきタイミングを容易かつ確実に理解することができるようになる。
【0007】
【実施例】
以下、この発明の演奏操作指示機能付き電子楽器の実施例として自動演奏装置を内蔵した電子鍵盤楽器を例に説明する。
図2はこの発明の一実施例に係る押鍵指示機能付き電子鍵盤楽器のハードウェア構成例を示すブロック図である。この押鍵指示機能付き電子鍵盤楽器は鍵盤の各鍵の上側近傍に発光ダイオード(LED)や液晶ディスプレイ(LCD)を有し、演奏データに従って鍵盤上のどの鍵を押鍵すればよいか、すなわち現在押鍵すべき鍵と次に押鍵すべき鍵を同時にLEDやLCDに表示するものである。
【0008】
この実施例において、電子鍵盤楽器はマイクロプロセッサユニット(CPU)1、プログラムメモリ(ROM)2、ワーキングメモリ(RAM)3を含んで構成されるマイクロコンピュータの制御の下に各種の処理を実行するようになっている。
CPU1はこの電子鍵盤楽器全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス18を介してプログラムメモリ2、ワーキングメモリ3、演奏情報メモリ4、押鍵検出回路5、表示回路6、スイッチ検出回路7、インターフェイス8及び音源回路9が接続されている。
【0009】
プログラムメモリ2はCPU1のシステムプログラム、楽音に関する各種パラメータや各種データ等を格納しているものであり、リードオンリーメモリ(ROM)で構成されている。
ワーキングメモリ3はCPU1がプログラムを実行する際に発生する各種のデータやフラグを一時的に記憶するものであり、ランダムアクセスメモリ(RAM)の所定のアドレス領域がそれぞれ割り当てられる。
【0010】
演奏情報メモリ4は演奏者が演奏しようとする演奏曲に関する演奏データと、その演奏曲に付随した伴奏音(和音やベース音)に関する演奏データをそれぞれの演奏曲毎に複数トラックに記憶している。この実施例ではトラック数は9であり、その中の2つが右手及び左手の押鍵に関する演奏データを記憶している。演奏データは通常の自動伴奏で使用されるようなものであり、キーオンデータ、デュレーションデータ、音色データ、エフェクトデータなどで構成されていて、押鍵に関する演奏データはこれ以外にLEDの点灯表示に関するLED点灯データ及びLED点滅データを含んで構成されている。
【0011】
鍵盤11は発音すべき楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えており、各鍵に対応したキースイッチを有しており、また必要に応じて押圧力検出装置等のタッチ検出手段を有している。鍵盤11は音楽演奏のための基本的な操作子であり、これ以外の演奏操作子でもよいことはいうまでもない。
押鍵検出回路5は発生すべき楽音の音高を指定する鍵盤11のそれぞれの鍵に対応して設けられたキースイッチ回路を含むものである。この押鍵検出回路5は鍵盤11の離鍵状態から押鍵状態への変化を検出してキーオンイベントを出力し、押鍵状態から離鍵状態への変化を検出してキーオフイベントを出力すると共にそれぞれのキーオンイベント及びキーオフイベントに関する鍵の音高を示すキーコード(ノートナンバ)を出力する。押鍵検出回路5はこの他にも鍵押し下げ時の押鍵操作速度や押圧力等を検出してベロシティデータやアフタタッチデータを出力する。
【0012】
表示部12は鍵盤11の上側に隣接して設けられた複数の発光ダイオード(LED群)や液晶ディスプレイ(LCD)などで構成される。
表示回路6は演奏情報メモリ4に記憶されている演奏データに従ってLEDを発光させたり、LCDに所定の図記号を表示したりするものである。
【0013】
スイッチ検出回路7は各種のスイッチ群13に対応して設けられており、各々のスイッチ群の操作状況に応じた操作データをイベント情報として出力する。
スイッチ群13はディスク14からデータの読み出しを制御するためのロードスイッチや自動演奏及び押鍵指示のスタート/ストップを制御するためのスタート/ストップスイッチや、発生すべき楽音の音色、音量、音高、効果等を選択、設定、制御するための各種の操作子を含むものである。
【0014】
ディスク14はフロッピーディスクなどの記憶媒体であり、演奏曲に対応した各種の演奏データを記憶しているものである。
インターフェイス8はディスク14に記憶されている演奏データをマイクロコンピュータ内で処理可能なデータに変換するものである。
【0015】
音源回路9は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス18を経由して与えられる演奏データに基づいた楽音信号を発生する。
音源回路9における楽音信号発生方式はいかなるものを用いてもよい。例えば、発生すべき楽音の音高に対応して変化するアドレスデータに応じて波形メモリに記憶した楽音波形サンプル値データを順次読み出すメモリ読み出し方式、又は上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の周波数変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるFM方式、あるいは上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の振幅変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるAM方式等の公知の方式を適宜採用してもよい。
【0016】
音源回路9から発生される楽音信号はデジタル−アナログ変換器(DAC)15及びサウンドシステム16(アンプ及びスピーカからなる)を介して発音される。
タイマ17は時間間隔を計数したり、演奏情報メモリ4から演奏データを読み出すためのクロックパルスを発生するものであり、このクロックパルスの周波数はスイッチ群13上のテンポスイッチ(図示していない)などによって調整される。発生したクロックパルスはCPU1に対してインタラプト命令として与えられ、CPU1はこのクロックパルスに従った割り込み処理を実行して、楽音を発生したり、押鍵指示を行ったりする。
【0017】
図3はこの演奏情報メモリ4に記憶されている1トラック分(トラック番号TR=0)の演奏データの構成例を示す図である。トラック番号TR=0は右手の押鍵に関する演奏データを記憶しているトラックであり、トラック番号TR=1は左手の押鍵に関する演奏データを記憶しているトラックである。これ以外のトラック番号TR=2〜8は伴奏音(和音やベース音)に関する各種演奏データを記憶しているトラックである。
【0018】
演奏データはLED点灯データ、LED点滅データ、キーオンデータ、デュレーションデータ及びエンドコードの組み合わせで構成されている。LED点灯データは、これ以降のデータがLEDの点灯に関するデータであることを示すLED点灯コードと、点灯するLEDの位置を示すキーコードとから構成される。LED点滅データは、これ以降のデータがLEDの点滅に関するデータであることを示すLED点滅コードと、点滅するLEDの位置を示すキーコードとから構成される。キーオンデータは次のデータがキーオンに関するデータであることを示すキーオンコード、鍵の音高を示すキーコード、押鍵操作速度を示すベロシティ及び音長を示すゲートタイムから構成される。デュレーションデータは次のデータがデュレーションに関するデータであることを示すデュレーションコードと、イベントの発生間隔を示すデュレーションタイムとから構成される。エンドコードは押鍵指示データの終了を示す。
【0019】
次に、マイクロコンピュータによって実行される図2の電子鍵盤楽器の処理の一例を説明する。
図4はマイクロコンピュータが処理するメインルーチンの一例を示す図である。このメインルーチンはつぎのようなステップで順番に実行される。
ステップ41:まず、電源が投入されると、CPU1はプログラムメモリ2に格納されている制御プログラムに応じた初期設定処理を開始する。そして、この「初期設定処理」では、ワーキングメモリ3内の各種レジスタやフラグ等を初期値に設定する。
ステップ42:押鍵検出回路5をスキャンして鍵盤11の操作によるキーイベントが有るかどうかを判定し、キーイベント有り(YES)の場合は次のステップ43に進み、キーイベント無し(NO)の場合はステップ47にジャンプする。
【0020】
ステップ43〜45の処理は鍵盤11の操作に対応したキーイベントが発生するたびに行われる処理である。
ステップ43:キーイベントがキーオンイベントかどうかを判定し、キーオンイベント(YES)の場合はステップ45に進み、そうでないキーオフイベント(NO)の場合はステップ44に進む。
ステップ44:前ステップでキーオフイベントと判定されたので、それに対応した消音処理を行い、ステップ47に進む。
ステップ45:前ステップ43でキーオンイベントだと判定されたので、そのイベントに対応した発音処理を行う。
ステップ46:押鍵指示(この実施例ではLED点灯)された鍵が全て押鍵されたかどうかの比較判定を行いながら演奏処理を進行させるかどうかを制御する比較進行処理を行い、ステップ47に進む。
【0021】
図5はステップ46の比較進行処理の詳細を示す図である。この比較進行処理はつぎのようなステップで順番に実行される。
ステップ51:待ち状態かどうかを判定する。すなわち、待ち状態フラグWAITが『1』かどうかを判定し、『1』(YES)の場合は次のステップ52に進み、そうでない(NO)場合はリターンし、図4のステップ47に進む。ここで、待ち状態フラグWAITは、後述する割り込み処理の中で新たなキーオンデータが発音キーコードリストに登録された場合に図1のステップ104で『1』にセットされるものなので、このステップ51でYESと判定されたということは、新たなキーオンデータが発音キーコードリストに追加登録されたことを意味する。
【0022】
ステップ52:発音キーコードリストに登録されているキーコードが全て押鍵されているかどうか判定し、全て押鍵されている(YES)場合は次のステップ53以降に進み、全て押鍵されていない(NO)場合はリターンし、図4のステップ47に進む。
ステップ53:前ステップ52で発音キーコードリストに登録されているキーコードが全て押鍵されたと判定されたので、ここでは、その発音キーコードリストのキーコードに対応するLEDを消灯する。これは、発音キーコードリストに登録されているキーコードに対応するLEDは図9のデータ処理のステップ95によって点灯状態になっているからである。
【0023】
ステップ54:待ち状態フラグWAITに『0』をセットして、待ち状態を解除する。この待ち状態の解除によって図7のステップ73以降の割り込み処理が実行されるようになる。
ステップ55:発音キーコードリストをクリアする。すなわち、発音キーコードに登録されている全キーコードを消去し、図4のステップ47に進む。
なお、この比較進行処理は図7のステップ74でも実行されるので、ステップ51又はステップ52でNOと判定された場合、及びステップ55の処理が終了した場合には図7のステップ75に進む。
【0024】
ステップ47:スイッチ群13をスキャンし、その中のロードスイッチ(図示せず)のオンイベント有りかどうかを判定し、オンイベント有り(YES)の場合は次のステップ48に進み、そうでない(NO)場合はステップ49にジャンプする。
ステップ48:ロードスイッチのオンイベントが発生したと前ステップ47で判定されたので、ここでは、ディスク14から図3に示すような演奏データを読み出し、それを演奏情報メモリ4に書き込む。
【0025】
ステップ49:スイッチ群13をスキャンし、その中の演奏処理モード切換スイッチ(図示せず)のオンイベント有りかどうかを判定し、オンイベント有り(YES)場合は次のステップ4Aに進み、そうでない(NO)場合はステップ4Bにジャンプする。
ステップ4A:演奏処理モード切換スイッチのオンイベントが発生したと前ステップ49で判定されたので、ここでは、モード番号レジスタMODの値を『0』、『1』、『2』、『3』、『4』の順に切り換える。すなわち、このステップ前にモードレジスタMODの値が『0』の場合には『1』に、『2』の場合は『3』に、『3』の場合は『4』に、『4』の場合は『0』に切り換える。
【0026】
ここで、モード番号レジスタMODは電子楽器の演奏処理モードを示すものである。モード番号レジスタMOD=『0』は押鍵指示は一切行わない通常の自動演奏モードである。モード番号レジスタMOD=『1』はLEDで押鍵位置を指示すると共に押鍵すべき鍵に対応した音を押鍵すべきタイミングで発音する押鍵音発音指示モードである。モード番号レジスタMOD=『2』はLEDで押鍵位置を指示すると共に押鍵すべきタイミングで音程感のないリズム音(例えば、メトロノーム音など)を発音するリズム音発音指示モードである。モード番号レジスタMOD=『3』はLEDで押鍵位置を指示すると共に押鍵すべき鍵に対応した音と音程感のないリズム音を押鍵すべきタイミングで同時に発音する押鍵音発音指示&リズム音発音指示モードである。モード番号レジスタMOD=『4』は押鍵すべきタイミングで押鍵音やリズム音を発音する押鍵指示は行わずにLEDだけで押鍵位置を指示するLED押鍵指示モードである。
【0027】
ステップ4B:スイッチ群13をスキャンし、その中のスタート/ストップスイッチ(図示せず)の操作によるオンイベントが発生したかどうかを判定し、オンイベント有り(YES)の場合は次のステップ4Cに進み、オンイベント無し(NO)の場合はステップ4Gにジャンプする。
【0028】
ステップ4C:走行状態フラグRUNを反転する。すなわち、この実施例では、スタート/ストップスイッチが操作される毎に、モード番号レジスタMODの格納値に対応した自動演奏を開始したり、停止したりする。走行状態フラグRUNは自動演奏の状態を示すものであり、『0』は停止中であることを示し、『1』は自動演奏中であることを示す。
ステップ4D:走行状態フラグRUNが『1』かどうかを判定し、『1』(YES)の場合は次のステップ4Fに進み、そうでない(NO)場合はステップ4Eに進む。
ステップ4E:前ステップ4Dで走行状態フラグRUNが『0』、すなわち自動演奏を停止すると判定されたので、ここでは自動演奏をストップする。
【0029】
ステップ4F:走行状態フラグRUNが『1』だと判定されたので、ここでは図6に示すような自動演奏スタート処理を行う。この自動演奏スタート処理は次のようなステップで順番に処理される。
ステップ61:スタート/ストップスイッチが操作され、走行状態フラグRUNが『1』に反転した直後なので、全トラックの読み出しポインタを演奏情報メモリ4のそれぞれ対応する記憶領域の先頭アドレスにセットする。
ステップ62:待ち状態フラグWAITに『0』をセットし、待ち状態を解除する。この待ち状態の解除によって図7のステップ73以降の割り込み処理が実行されるようになる。
ステップ63:各トラック番号L=0〜8に対応したタイミングカウンタTM(L)をそれぞれ『0』にリセットする。タイミングカウンタTM(L)は自動演奏及び押鍵指示(LED点灯指示、押鍵音発音指示、リズム音発音指示)のタイミングを計時するためのカウンタであり、各トラック毎に存在する。トラック番号Lは演奏情報メモリ4の再生トラックを特定する『0』〜『8』の値である。トラック番号L=0は右手の押鍵に関する演奏データを記憶しているトラックであり、トラック番号L=1は左手の押鍵に関する演奏データを記憶しているトラックである。これ以外のトラック番号L=2〜8は伴奏音(和音やベース音)に関する演奏データを記憶しているトラックである。
ステップ64:発音キーコードリストをクリアし、図4のステップ4Gにリターンする。
ステップ4G:スイッチ群13におけるその他の操作子の操作に基づく処理や、その他の音量変更処理等の種々の処理を行う。
【0030】
図7は1小節当たり96回(96分音符長毎)のタイミングで実行される割り込み処理を示す図である。この割り込み処理では押鍵指示処理と自動伴奏処理を行う。この割り込み処理はつぎのようなステップで順番に実行される。
ステップ71:走行状態フラグRUNが『1』かどうかを判定し、『1』(YES)の場合は次のステップ72に進み、そうでない(NO)場合は直ちにリターンする。
ステップ72:待ち状態かどうか、すなわち、待ち状態フラグWAITが『1』かどうかを判定し、待ち状態『1』(YES)の場合はリターンし、待ち状態解除『0』(NO)の場合は次のステップ73に進む。
【0031】
ステップ73:図8に示すような演奏データの再生処理を行う。
図8はこのステップ73の再生処理の詳細を示す図である。この再生処理は演奏情報メモリ4内の9つのトラックに対して順番に同様の処理を行うものである。この再生処理はつぎのようなステップで順番に実行される。
ステップ81:図7のステップ71で走行状態フラグRUNが『1』だと判定され、ステップ72で待ち状態でない(NO)と判定されたので、トラック番号レジスタTRを『0』にセットする。ここで、トラック番号レジスタTRは演奏情報メモリ4の再生トラックを特定するためのレジスタであり、『0』〜『8』の値が格納される。
【0032】
ステップ82:タイミングカウンタTM(TR)の格納値、すなわちトラック番号レジスタTRの格納値に対応するトラックのタイミングカウント値が『0』以下かどうかを判定し、『0』以下(YES)の場合はステップ83に進み、『0』よりも大きい(NO)場合はステップ84に進む。
ステップ83:前ステップ82でタイミングカウント値が『0』以下であると判定されたので、トラック番号レジスタTRに対応するトラックの読み出しポインタが指す演奏データを読み出す。
【0033】
ステップ84:前ステップ82でタイミングカウント値が『0』より大きいと判定されたということは、まだ演奏データの読み出しタイミングではないということを意味するので、ここでは、そのタイミングカウンタTM(TR)の格納値を『1』だけデクリメント処理して、ステップ8Aに進む。
ステップ85:前ステップ83で読み出されたデータがエンドデータかどうかを判定し、エンドデータ(YES)の場合はトラック番号レジスタTRに対応するトラックの全演奏データが読み出されたことを意味するので、ステップ8Aにジャンプし、それ以外のデータ(NO)の場合はまだそのトラックの全演奏データが読み出されていないことを意味するので、ステップ86に進む。
【0034】
ステップ86:読み出しポインタを次のデータの読み出しアドレスにセットする。例えば、ステップ83で読み出されたデータがLED点灯データやLED点滅データの場合にはポインタを2つ進め、キーオンデータの場合にはポインタを4つ進め、デュレーションデータの場合にはポインタを2つ進める。
ステップ87:前ステップ83で読み出されたデータがデュレーションデータかどうかの判定を行い、デュレーションデータ(YES)の場合はステップ88に進み、それ以外のデータ(NO)の場合はステップ89に進む。
ステップ88:前ステップ87でデュレーションデータだと判定されたので、そのデュレーションタイムをトラック番号レジスタTRに対応するトラックのタイミングカウンタTM(TR)に格納する。
【0035】
ステップ89:前ステップ83で読み出されたデータがエンドデータでもデュレーションデータでもないと判定されたので、その読み出されたデータに対して図9のデータ処理を行う。図9はこのステップ89のデータ処理の詳細を示す図である。このデータ処理はつぎのようなステップで順番に実行される。
ステップ91:図8のステップ83で読み出されたデータがキーオンデータかどうかの判定を行い、キーオンデータ(YES)の場合はステップ92に進み、それ以外のデータ(NO)の場合はステップ93に進む。
【0036】
ステップ92:前ステップ91でキーオンデータだと判定されたので、図1のキーオン処理を行う。図1はこのステップ92のキーオン処理の詳細を示す図である。このキーオン処理はつぎのようなステップで順番に実行される。
ステップ101:モード番号レジスタMODの値が『0』であるかどうかを判定し、『0』(YES)の場合はステップ108にジャンプし、『1』、『2』『3』又は『4』(NO)の場合はステップ102に進む。
【0037】
ステップ102:図9のステップ91でキーオンデータだと判定され、前ステップ101でモード番号レジスタMODの値が『0』以外の値であると判定されたので、キーコードレジスタKCに読み出されたキーオンデータのキーコードを格納し、ベロシティレジスタVLに読み出されたキーオンデータのベロシティデータを格納する。
ステップ103:前ステップ102でキーコードレジスタKCに新たに格納されたキーコードを発音キーコードリストにも追加格納する。
ステップ104:待ち状態フラグWAITに『1』をセットし、待ち状態にセットする。
【0038】
ステップ105:モード番号レジスタMODの値が『2』又は『3』であるかどうかを判定し、『2』又は『3』(YES)の場合は次のステップ106に進み、『1』又は『4』(NO)の場合はステップ107にジャンプする。
ステップ106:前ステップ105でYESと判定されたということは、演奏処理モードが少なくとも押鍵すべきタイミングで音程感のないリズム音(例えば、メトロノーム音など)を発音するリズム音発音指示モードであることを意味するので、ここではそのリズム音(この実施例ではメトロノーム音)をベロシティレジスタVLの格納値に対応した音量で発音する。
【0039】
ステップ107:今度はモード番号レジスタMODの値が『1』又は『3』であるかどうかを判定し、『1』又は『3』(YES)の場合は次のステップ108に進み、『2』又は『4』(NO)の場合は図8のステップ82にリターンする。
ステップ108〜ステップ10Aは前ステップ101でYESと判定されたか、又は前ステップ107でYESと判定された場合、すなわち演奏処理モードが『0』、『1』又は『3』の場合に行われる処理である。モード番号レジスタMODが『0』であるということは演奏処理モードが通常の自動演奏モードであることを意味し、また、モード番号レジスタMODが『1』又は『3』であるということは、演奏処理モードが少なくとも押鍵すべき鍵に対応した音を押鍵すべきタイミングで発音する押鍵音発音指示モードであることを意味する。従って、読み出されたキーオンデータ(キーコード、ベロシティ及びゲートタイム)に応じた楽音を発音するために次のステップ108〜ステップ10Aの処理を行う。
【0040】
ステップ108:そのキーオンデータ(キーコード及びベロシティ)に対応した発音処理を行う。すなわち、発音可能なチャンネルを割り当て、そのチャンネルでキーコードに対応した音高の発音を行う。
ステップ109:前ステップ108で割り当てられたチャンネルのチャンネル番号をチャンネルレジスタCHに格納する。
ステップ10A:前ステップで割り当てられたチャンネルレジスタCHに対応するゲートタイムレジスタGT(CH)にキーオンデータ内のゲートタイムを格納し、図8のステップ82にリターンする。
なお、発音の停止すなわちキーオフ処理はチャンネルレジスタCH及びゲートタイムレジスタGT(CH)に格納されたチャンネル番号及びゲートタイムに基づいて、図7のステップ75〜ステップ7Aによって行われる。
【0041】
ステップ93:前ステップ91でキーオンデータでないと判定されたので、今度は、図8のステップ83で読み出されたデータがLED点灯データかどうかの判定を行い、LED点灯データ(YES)の場合はステップ94に進み、そうでない(NO)場合は次のステップ96に進む。
ステップ94:前記ステップ101と同じようにモード番号レジスタMODが『0』であるかどうかを判定し、『0』以外(NO)の場合は次のステップ95に進み、『0』(YES)の場合は図8のステップ82にリターンする。
ステップ95:読み出されたデータがLED点灯データであり、モード番号レジスタMODが『0』以外であると判定されたので、ここでは、そのLED点灯データのキーコードに対応するLEDを点灯し、図8のステップ82にリターンする。
【0042】
ステップ96:前ステップ91でキーオンデータでない(NO)と判定され、前ステップ93でLED点灯データでない(NO)と判定されたので、図8のステップ83で読み出されたデータがLED点滅データかどうかの判定を行い、LED点滅データ(YES)の場合はステップ97に進み、そうでない(NO)場合はステップ99に進む。
ステップ97:前記ステップ94と同じようにモード番号レジスタMODが『0』であるかどうかを判定し、『0』以外(NO)の場合は次のステップ98に進み、『0』(YES)の場合は図8のステップ82にリターンする。
ステップ98:読み出されたデータがLED点滅データであり、モード番号レジスタMODが『0』以外であると判定されたので、ここでは、そのLED点滅データのキーコードに対応するLEDを点滅し、図8のステップ82にリターンする。
ステップ99:前ステップ96でNOと判定されたということは、図8のステップ83で読み出されたデータがキーオンデータでも、LED点灯データでも、LED点滅データでもないということなので、その読み出されたデータに対応したその他の処理を行う。
【0043】
ステップ8A:このステップは、ステップ84でタイミングカウンタTM(TR)の格納値が『1』だけデクリメント処理されたか、ステップ85で現在のトラック番号TRのデータがエンドデータだと判定されたか、又はステップ88でタイミングカウンタTM(TR)にデュレーションタイムが格納された場合に行われるものであり、次のトラックに対して前述と同様の再生処理を行うために、トラック番号レジスタTRの値を『1』だけインクリメント処理する。
【0044】
ステップ8B:前ステップ8Aのインクリメント処理によってトラック番号レジスタTRの値が『9』になったかどうか、すなわち、全トラックに対して再生処理が終了したかどうかを判定し、YESの場合は図7のステップ74に進み、NOの場合はステップ82にリターンし、次のトラックに対して前述と同様の再生処理を繰り返し実行する。
【0045】
ステップ74:図5と同じ比較進行処理を行う。このステップにおける比較進行処理は、図9のステップ95によるLEDの点灯表示による押鍵指示、図1のステップ106のメトロノーム音発音による押鍵指示又はステップ10Bの押鍵音発音による押鍵指示よりも先に演奏者が押鍵してしまった場合に行われる処理である。すなわち、これらの押鍵指示前に押鍵されたということは、図1のステップ103によって押鍵指示すべきキーコードが発音キーコードリストに格納される前に押鍵されたことを意味するので、この時点で図4のステップ46の比較進行処理が行われたとしても、図5のステップ52でNOと判定されてしまうので、この比較進行処理の意味がなくなる。従って、このような場合に対処するため、ここでは図5と同じ比較進行処理を行っている。
【0046】
ステップ75〜ステップ7Aでは、図1のステップ108で発音された楽音を停止するためのキーオフ処理を全チャンネルに対して行う。
ステップ75:チャンネルレジスタCHの値を『0』にセットする。
ステップ76:ゲートタイムレジスタGT(CH)の値、すなわちチャンネルレジスタCHの値に対応するチャンネルのゲートタイムが『0』以下かどうかを判定し、『0』以下(YES)の場合はステップ77に進み、『0』よりも大きい(NO)場合はステップ78に進む。
【0047】
ステップ77:前ステップ76でゲートタイムが『0』以下だと判定されたので、ここでは、そのチャンネルの発音を終了するために、そのチャンネル番号CHとキーオフ信号を音源回路9に出力する。
ステップ78:前ステップ76でゲートタイムが『0』より大きいと判定されたので、ここでは、そのゲートタイムレジスタGT(CH)の格納値を『1』だけデクリメント処理する。
ステップ79:次のチャンネルに対してステップ76〜ステップ78の処理を行うために、チャンネルレジスタCHの値を『1』だけインクリメント処理する。
ステップ7A:チャンネルレジスタCHの格納値が『16』かどうか、すなわち全部で16個のチャンネルに対してステップ77又はステップ78の処理が行われたかどうかを判定し、YESの場合はリターンして次の割込タイミングまで待機し、NOの場合はステップ76にリターンし、同様の処理を残りのチャンネルに対して繰り返し実行する。
【0048】
図10はこの発明に係る押鍵指示機能付き電子鍵盤楽器がどのようにして押鍵の指示を行うのか、その動作例を模式的に示した図である。
図10(A)は図3の演奏データに基づく楽譜例を示す図であり、図10(B)〜(E)はその楽譜例に従って鍵盤11の上側近傍に設けられたLED群12を点灯・点滅させることによって押鍵指示する様子を時系列的に示す図である。LED群12の点灯・点滅の状態は図10(B)から図10(E)の順番で変化する。なお、図では点灯しているLEDを黒塗り円で、発光していないLEDを白塗り円で、点滅しているLEDを編目円でそれぞれ示してある。また、鍵盤上のC4〜E5の英数字は、その鍵のキーコードである。
【0049】
図10(A)の楽譜例に従えば、『ファ(F4)』、『ソ(G4)』、『ラ(A4)』の順番で押鍵することとなる。カッコ内の英数字はキーコードである。まず、ロードスイッチが操作されると、図4のステップ48の処理によって、図3のような演奏データがディスク14から読み出され演奏情報メモリ4に書き込まれる。そして、図4のステップ4Aの処理によってモード番号レジスタMODの値が『3』にセットされたとする。
次に自動演奏のスタートスイッチが操作されると、図4のステップ4F(図6)の自動演奏スタート処理が行われる。
【0050】
図10(B)は、以上の処理が終了した後に図7の割り込み処理が最初に行われた場合のLED12の点灯・点滅の状態を示す。上述の図4のステップ4Cの処理によって走行状態フラグRUNに『1』が設定され、図6のステップ62の処理によって待ち状態が解除(待ち状態フラグWAITに『0』が設定)されているので、この割り込み処理におけるステップ71ではYES、ステップ72ではNOと判定され、ステップ73(図8)の再生処理が行われるようになる。
【0051】
図8の再生処理では、ステップ81を経て、ステップ82でYESと判定される。そして、ステップ83の処理によって図3の最初のデータすなわち『ファ(F4=65)』のLED点灯データが読み出され、ステップ85〜ステップ87を経てステップ89(図9)のデータ処理が行われる。
図9のデータ処理では、ステップ83で読み出されたデータがLED点灯データであり、モード番号レジスタMODの値も『3』なので、ステップ91、ステップ93及びステップ94を経て、ステップ95の処理が行われる。ステップ95の処理によって、図10(B)のようにキーコード『F4=65』に対応するLEDが点灯するようになる。
【0052】
以上の処理を経て、再び図8のステップ82の判定が行われる。この時点では、まだデュレーションデータは読み出されていないので、ステップ82の判定はYESとなり、ステップ83の処理によって図3の『ソ(G4=67)』のLED点滅データが読み出され、ステップ85〜ステップ87を経てステップ89(図9)のデータ処理が行われる。
図9のデータ処理では、ステップ83で読み出されたデータがLED点滅データであり、モード番号レジスタMODの値も『3』なので、ステップ91、ステップ93、ステップ96及びステップ97を経て、ステップ98の処理が行われる。ステップ98の処理によって、図10(B)のようにキーコード『G4=67』に対応するLEDが点滅するようになる。
【0053】
以上の処理を経て、再び図8のステップ82の判定が行われる。この時点でも、まだデュレーションデータは読み出されていないので、ステップ82の判定はYESとなり、ステップ83の処理によって図3の最初のキーオンデータすなわち『ファ(F4=65)』に関するキーオンデータが読み出され、ステップ85〜ステップ87及び図9のステップ91を経て、図9のステップ92(図1)のキーオン処理が行われる。
図1のキーオン処理では、モード番号レジスタMODの値が『3』なので、ステップ101、ステップ105及びステップ107の判定を経て、ステップ102〜ステップ104、ステップ106及びステップ108〜ステップ10Aの処理が行われる。
【0054】
ステップ102ではキーコード『F4=65』がキーコードレジスタKCに、ベロシティ『15』がベロシティレジスタVLにそれぞれ格納される。ステップ103ではそのキーコード『F4=65』が発音キーコードリストに追加格納される。ステップ104では待ち状態フラグWAITに『1』が設定される。ステップ106ではメトロノーム音がベロシティ『15』の音量で発音される。ステップ108ではキーコード『F4=65』及びベロシティ『15』の楽音が音源回路9によって発音される。ステップ109では発音の割り当てられチャンネル番号がチャンネルレジスタCHに格納される。ステップ10AではゲートタイムレジスタGT(CH)にゲートタイム『17』が格納される。
【0055】
以上の処理を経て、再び図8のステップ82の判定が行われるが、この時点でも、まだデュレーションデータは読み出されていないので、ステップ82の判定はYESとなり、ステップ83の処理によって図3の最初のデュレーションデータすなわデュレーションタイム『24』が読み出され、ステップ85及びステップ86を経て、ステップ87の判定処理が行われる。今回は、デュレーションデータなのでステップ87でYESと判定され、ステップ88の処理が行われる。このステップ88ではデュレーションタイム『24』がタイミングカウンタTM(0)に格納される。そして、ステップ8Aではトラック番号レジスタTRの値が『1』だけインクリメントされる。これ以降はトラック番号レジスタTRの『1』〜『8』のトラックに対して前述と同様の再生処理が繰り返し行われ、ステップ8Bによってトラック番号レジスタTRの値が『9』になった時点で、図7のステップ74以降の処理が行われる。
【0056】
ステップ74(図5の比較進行処理)では、図1のステップ104によって待ち状態にセットされているので、ステップ51でYESと判定され、次のステップ52の処理が行われる。この実施例では、押鍵指示後(すなわちLED点灯後)に演奏者の押鍵が行われるので、このステップ52の判定時点では、未だ演奏者の押鍵は無いことになる。従って、ステップ52ではNOと判定され、各トラックから読み出された演奏データに対してステップ75〜ステップ7Aの処理がチャンネル番号CH=『0』〜『15』の16チャンネルに対して行われる。
【0057】
一連の割り込み処理が終了した時点、すなわちステップ95の処理によってキーコードレジスタKCの格納値である『ファ(F4=65)』に対応するLEDが図10(B)のように点灯(同時にメトロノーム音及び押鍵音が発音)し、次の押鍵音『ソ(G4=67)』に対応するLEDが図10(B)のように点滅した後に、演奏者が点灯している鍵を押鍵すると、図4のメインルーチンのステップ43でYESと判定されてステップ45でその押鍵に対する発音処理が行われる。そして、次のステップ46で図5の比較進行処理が行われる。この比較進行処理では、ステップ51でYESと判定され、ステップ52の判定処理が行われる。ステップ52の時点では、発音キーコードリストに格納されているのはキーオンデータ『ファ(F4=65)』の『F4=65』だけなので、ここでもYESと判定され、ステップ53〜55の処理が行われる。すなわち、点灯していた『ファ(F4=65)』に対応するLEDが消灯状態となり、待ち状態フラグWAITに『0』が設定されて待ち状態は解除され、発音キーコードリストから『F4=65』がクリアされる。
【0058】
この待ち状態の解除によって、図7のステップ73以降の割り込み処理が実行されるようになる。但し、これ以降は図8のステップ84及び図7のステップ78のデクリメント処理が実行される。そして、先にゲートタイムレジスタGT(CH)の値が『0』となり、ステップ77の処理によって『ファ(F4=65)』に対応する押鍵音が停止する。次にタイミングカウンタTM(0)の値が『0』となり、ステップ83処理が行われる。
今度は、ステップ83の処理によって図3の『ソ(G4=67)』に関する2番目のLED点灯データが読み出される。そして、図9のデータ処理では、ステップ95の処理が行われ、図10(B)のように点滅していたキーコード『G4=67』に対応するLEDが今度は図10(C)のように点灯するようになる。
【0059】
このステップ95の処理の後、図8のステップ83の処理によって図3の『ラ(A4=69)』に関するLED点滅データが読み出される。そして、ステップ98の処理が行われ、図10(C)のようにキーコード『A4=69』に対応するLEDが点滅するようになる。
そして、ステップ98の処理を経て、再び図8のステップ83の処理が行われ、図3の『ソ(G4=67)』に関する2番目のキーオンデータが読み出され、図9のステップ92(図1)のキーオン処理が行われる。
【0060】
図1のキーオン処理の各ステップ102〜104、106、108〜10Aの処理によって、キーコード『G4=67』がキーコードレジスタKCに、ベロシティ『15』がベロシティレジスタVLにそれぞれ格納され、そのキーコード『G4=67』が発音キーコードリストに追加格納され、待ち状態フラグWAITに『1』が設定され、メトロノーム音がベロシティ『15』の音量で発音され、キーコード『G4=67』及びベロシティ『15』の楽音が音源回路9によって発音され、発音の割り当てられたチャンネル番号がチャンネルレジスタCHに格納され、ゲートタイムレジスタGT(CH)にゲートタイム『17』が格納される。
【0061】
以上の処理を経て図8のステップ83の処理によって図3の2番目のデュレーションデータが読み出され、ステップ88の処理が行われ、デュレーションタイム『24』がタイミングカウンタTM(0)に格納される。
そして、ステップ8Aでトラック番号レジスタTRの値が『1』だけインクリメントされ、これ以降はトラック番号レジスタTRの『1』〜『8』のトラックに対して前述と同様の再生処理が繰り返し行われ、ステップ8Bによってトラック番号レジスタTRの値が『9』になった時点で、図7のステップ74以降の処理が行われる。
【0062】
前述と同様に『ソ(G4=67)』に対応するLEDが図10(C)のように点灯しているので、その鍵が押鍵されると、図4のステップ45の発音処理及びステップ46の比較進行処理が行われる。点灯していた『ソ(G4=67)』に対応するLEDが消灯状態となり、待ち状態フラグWAITに『0』が設定されて待ち状態は解除され、発音キーコードリストもクリアされる。
【0063】
この待ち状態の解除によって、図7のステップ73以降の割り込み処理が実行されるようになり、以下前述と同様にして図3の『ラ(A4=69)』に関するLED点灯データ、『ド(C5=72)』に関するLED点滅データ、『ラ(A4=69)』に関するキーオンデータ及び3番目のデュレーションデータが順番に読み出され、図10(D)のようにキーコード『A4=69』に対応するLEDが点灯し、『ド(C5=72)』に対応するLEDが点滅し、キーコード『A4=69』及びベロシティ『15』の楽音が音源回路9によって発音される。
【0064】
図10の動作例では、モード番号レジスタMODの値が『3』の場合について説明したが、モード番号レジスタMODの値が『1』の場合には図1のステップ106のメトロノーム音の発音による押鍵指示処理が行われない。『2』の場合には図1のステップ109〜ステップ10Aの押鍵音発音による押鍵指示処理が行われない。『4』の場合には図10のようなLEDによる押鍵指示は行われるがメトロノーム音及び押鍵音による押鍵指示処理は行われない。
【0065】
なお、上述の実施例では、ステップ106でメトロノーム音をベロシティに対応した音量で発音する場合について説明したが、これに限らず、予め設定された所定の音量で発音してもよいことはいうまでもない。
また、上述の実施例ではLEDを用いて押鍵指示する場合について説明したが、これに限らず、LCD等に黒塗り円、白塗り円などの図記号を用いて押鍵指示するようにしてもよい。
上述の実施例では、鍵盤の上側近傍に表示部を有する電子楽器を例に説明したが、表示部を有しない楽器に表示部だけを設けて、上述のような押鍵指示を行うようにしてもよい。
また、上述の実施例では、押鍵指示された鍵が実際に押鍵された場合に次の押鍵指示に進行するように、押鍵指示と実際の押鍵との間で同期して動作する場合について説明したが、押鍵指示と実際の押鍵との間は無関係に進行するようにしてもよい。
【0066】
上述の実施例では、LEDは1色点灯の場合について説明したが、2色以上点灯可能なLEDであってもよい。この場合右手押鍵指示と左手押鍵指示との間でそれぞれ異なる色のLEDを点灯させるようにしてもよい。また、現押鍵音対応のLED点灯と次押鍵音対応のLED点滅との間でそれぞれ異なる色を点灯点滅させるようにしてもよい。
また、次押鍵音対応のLED点灯は暗く、現押鍵対応のLED点灯はそれよりも明るくなるように、それぞれの間で明度を異ならせるようにしてもよい。
上述の実施例とは逆に次押鍵音対応のLEDを点灯し、現押鍵対応のLEDを点滅表示してもよい。
上述の実施例ではLEDが1列に配置されている場合について説明したが、上下2列配置にしてもよい。この場合、上下方向で点灯色を異ならせてもよいし、また、いずれか一方のLEDを現押鍵音対応に使用し、他方のLEDを次押鍵対応に使用してもよい。
【0067】
上述の実施例では、現押鍵音対応のLEDと次押鍵音対応のLEDだけを点灯点滅表示する場合について説明したが、演奏データを適当なフレーズに分割し、そのフレーズに対応するLEDをフレーズ切り換わり時点に一瞬だけ表示したり、フレーズ切り換わり時点から所定時間経過するまで表示したり、フレーズ切り換わり時点から最初に押鍵指示された鍵が押鍵されるまで表示したり、フレーズ切り換わり時点から所定数(2、3)音符が押鍵されるまで表示したり、フレーズ切り換わり時点から所定拍数経過するまで表示したりしてもよい。また、フレーズ対応のLEDを次押鍵対応のLED点滅周期よりも大きな周期で点滅させてもよい。
【0068】
上述の実施例では、電子鍵盤楽器を例に説明したが、これ以外の電子楽器においても操作タイミングをメトロノーム音などのような音程感のないリズムで指示するようにしてもよいことはいうまでもない。
上述の実施例では、1つのトラックにLED点灯データ、LED点滅データ、キーオンデータ及びデュレーションデータの組み合わせからなる演奏データが記憶されている場合について説明したが、LEDに関するデータ(LED点灯データ及びLED点滅データ)とキーオンに関するデータとがそれぞれ別々のトラックに記録してあってもよいことはいうまでもない。さらに、このような場合、LEDに関するデータは右手の押鍵に関する演奏データ及び左手の押鍵に関する演奏データに基づいてそれぞれ作成することができるので、演奏情報メモリには左手及び右手の押鍵に関する演奏データのみを記憶し、後からこの演奏データに基づいてLEDに関するデータを作成するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
この発明によれば、演奏者は押鍵すべきタイミングを音程感のないリズム音によって容易に認識することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図9のステップ92のキーオン処理の詳細を示す図である。
【図2】この発明の一実施例に係る押鍵指示機能付き電子鍵盤楽器のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の演奏情報メモリに記憶されている1トラック分の演奏データの構成例を示す図である。
【図4】マイクロコンピュータが処理するメインルーチンの一例を示す図である。
【図5】図4のステップ46及び図7のステップ74の比較進行処理の詳細を示す図である。
【図6】図4のステップ4Gの自動演奏スタート処理の詳細を示す図である。
【図7】1小節当たり96回の割り込みで実行される割り込み処理を示す図である。
【図8】図7のステップ73の再生処理の詳細を示す図である。
【図9】図8のステップ89のデータ処理の詳細を示す図である。
【図10】この発明に係る押鍵指示機能付き電子鍵盤楽器がLEDをどのように発光して押鍵の指示を行うのか、その動作例を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1…CPU、2…プログラムメモリ、3…ワーキングメモリ、4…演奏情報メモリ、5…押鍵検出回路、6…表示回路、7…スイッチ検出回路、8…インターフェイス、9…音源回路、11…鍵盤、12…表示部、13…スイッチ群、14…ディスク、15…デジタル−アナログ変換器、16…サウントシステム、17…タイマ、18…データ及びアドレスバス
Claims (2)
- 複数の演奏操作子と、
演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、
前記演奏情報供給手段から順次供給される演奏情報に基づいて前記演奏操作子を操作すべきタイミングで、かつ該演奏情報中の個々のイベントデータに含まれる音量に関する情報に対応した音量で、音程感のないリズム音を発音する発音手段と
を具備することを特徴とする演奏操作指示機能付き電子楽器。 - さらに、前記複数の演奏操作子に各々対応して設けられた複数の表示手段と、
前記演奏情報供給手段から順次供給される演奏情報に対応して前記表示手段を表示させ、操作すべき演奏操作子を指示する指示手段と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の演奏操作指示機能付き電子楽器。
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