JP3567410B2 - 少なくとも1つの回転対称又は筒状反射鏡面を持つ反射鏡を備えた反射形照明灯 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、少なくとも1つの回転対称又は筒状の反射鏡面を持つ反射鏡が、その内部空間を前部反射鏡範囲と後部反射鏡範囲とに区分され、後部反射鏡範囲が少なくとも1つの照明手段用の照明手段収容空間を形成し、前部反射鏡範囲が平らな光出口面を包囲する反射鏡前縁により区画され、照明手段に少なくとも1つの照射表面が付属し、この照射表面から反射鏡面へ光が放射され、反射鏡外にあって遮蔽角の自由辺と平らな光出口面の外方へ向く延長部とにより区画される断面を持つ遮蔽空間内では、光が見えず、反射鏡の回転軸縁又は縦中心面に対し傾斜して反射鏡の中まで延びる遮蔽角の互いに対向する自由辺の反射鏡内で互いに交差する延長部が、照明手段収容空間の前部区画面をなしている、少なくとも1つの回転対称又は筒状反射鏡面を持つ反射鏡を備えた反射形照明灯に関する。このような反射形照明灯は、天井埋込み照明灯として適している。
【0002】
【従来の技術】
このような反射形照明灯はドイツ連邦共和国特許第1262182号明細書から公知である。このドイツ連邦共和国特許第1262182号明細書には、アイザツクグツドバー及びエジソンプライスにより理由づけられた暗光技術が記載されている。この暗光はモデルを伴う概念において、もはや以前普通であつたように点状光源から出るのではなく、無限大の数の個々の光点から構成される照射表面から出る。各光点から出る光線はドイツ連邦共和国特許第1262182号明細書により計算され、それに反射鏡の曲率の推移を求めることができる。
【0003】
回転対称光源(ドイツ連邦共和国特許第1262182号明細書の図1参照)及び筒状の細長い光源(ドイツ連邦共和国特許第1262182号明細書の図2参照)について当てはまるこのような暗光反射鏡の特徴は、照明手段の照射表面から放射される光が遮蔽空間内では見えないことである。遮蔽空間の断面は、遮蔽角の自由辺と平らな光出口面の外方へ向く延長部とにより形成されている。そのための必要条件は、照明手段の照射表面を特定の照明手段収容空間内に設けねばならないことである。照明手段収容空間は反射鏡の後部範囲にあり、反射鏡内部空間へ入りかつ互いに交差する遮蔽角の自由辺の延長部により規定される。前述したように遮蔽角は反射鏡外で遮蔽角を形成する。反射鏡前縁に接するすべての遮蔽角の自由辺の互いに交差する延長部は、こうして照明手段収容空間の前部区画面を形成する。光源から反射鏡面を経て反射される光が遮蔽空間内で見えないようにする場合、前部区画面は照明手段の照射表面から反射鏡の光出口面へ通つていてはならない。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許第1262182号明細書による公知の反射形照明灯に関連して、特に非常に大出力の高電圧又は低電圧ハロゲン灯を使用する場合、又は特にドイツ連邦共和国特許第2336418号明細書に記載されている壁吊り反射鏡に関連してこじんまりした蛍光灯を使用する場合にも、問題が生ずる。このような大出力光源は少なくとも1つの著しく区分される不連続な表面形状を持ち、一方ドイツ連邦共和国特許第1262182号明細書により一様に回転対称又は一様に筒状の照射表面が必要条件である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の基礎になつている課題は、ドイツ連邦共和国特許第1262182号明細書による反射形照明灯特に暗光反射形照明灯を、使用される照明手段の種類とは大幅に無関係にすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため本発明によれば、照明手段が二次光源を形成し、光出口面へ向かう方向においてこの二次光源の前に、照明手段から間隔をおいて、照明手段収容空間の前部区画面に、又はこの前部区画面と照明手段との間に、光を拡散して散乱する平らな部材が設けられ、この平らな部材が、一次光源として、反射面の方へ光を放射する照射表面を形成している。
【0007】
本発明により、最初は一次の光源例えば著しく区分される表面を持つ高電圧ハロゲン灯が二次光源になる。なぜならば、光を拡散して散乱する別体の平らな部材が、本来の一次照明手段とみなされるからである。
【0008】
この場合重要なことは、光を拡散して散乱する別体の平らな部材が、破壊保護に役立つ公知のマツトガラス球帽のように、反射鏡内部空間内の照明手段の前の不定の個所には設けられていないことである。これに反し本発明によれば、絶対の必要条件は、光を拡散して散乱する平らな部材の有効表面が、光を拡散して散乱する部材がちようど照明手段収容空間の前部区画面にあるような所で、反射鏡内部空間内で前に設けられていることである。
本発明により、大出力光源の不連続な照明手段表面範囲の対称化及び均一化が、ドイツ連邦共和国特許第2336418号明細書による壁吊り反射鏡に関連しても行われる。
【0009】
本発明の実施態様では、光を拡散して散乱する部材が格子状光通過開口を持つている。格子状光通過開口は、透明又は不透明な材料から成りかつ光を拡散して散乱する部材から形成することができる。
【0010】
光を拡散して散乱する部材は金網から成ることもでき、この金網の開口が格子状光通過開口を形成している。
更に本発明によれば、光を拡散して散乱する部材が半透明(光を通す)乳白色ガラス状材料から成つている。
別の有利な変形例は、光を拡散して散乱する平らな部材が間に空気通過間隙を形成する個所素子から構成されることを特徴としている。このような空気通過間隙又は光通過開口によつても形成できる空気通過開口は大出力照明手段の冷却に役立つ空気循環を行う。
【0011】
例えば球状、丸棒状等の特に区分される表面を持つこじんまりした照明手段では、本発明により光を拡散して散乱する部材がほぼ回転対称体をなしている。この回転対称体は、反射鏡内部空間へ入り込む遮蔽角の自由辺の互いに交差する延長部に合わせて、先細、円錐状又は円錐台状に形成することができる。
これに反し筒状表面を持つ細長い照明手段では、本発明により光を拡散して散乱する部材が前方を(従つて光出口面に対して)閉じられるほぼ槽状体又は盆状体をなしているのがよい。
【0012】
実際に使用して特によいことがわかつた本発明の実施態様は、光を拡散して散乱する部材が組立て操作にも役立つ空気通過開口を持つていることを特徴としている。
【0013】
本発明の別の実施態様によれば、例えば球状、丸棒状の表面を持つこじんまりした照明手段では、ほぼ回転対称体をなして光を拡散して散乱する部材が、照明灯の回転対称軸線に対して回転対称に設けられる光通過開口を持つている。
最後にあげた本発明の特徴と同じように、別の本発明による構成によれば、筒状表面を持つ細長い照明手段では、ほぼ槽状体又は盆状体をなして光を拡散して散乱する部材が、照明灯の縦中心面に対して面対称に延びる空気通過開口を持つている。
【0014】
(例えば光を拡散して散乱する回転対称な部材における)空気通過開口の直径又は(例えばほぼ槽状又は盆状の光を拡散して散乱する部材における)空気通過開口の幅は、光を拡散して散乱する部材の全直径又は全幅に対して約1:6ないし1:7の比をなしている。
組立て又は分解の際光を拡散して散乱する部材の容易な取扱いに役立つ指通し開口をなすこのような空気通過開口は、光技術的に実際上影響を及ぼさない。これは、もちろん光も通す各空気通過開口が照明手段収容空間内でその前部区画面の後にあるからである。他方本発明により比較的大きい面積に寸法を定められる空気通過開口は、特に大出力の高電圧又は低電圧のハロゲン灯に対して、極めて効果的な冷却を行う。
【0015】
この冷却は、特に相乗効果のように前述の空気通過開口と組合わせて、本発明の別の構成において、光を拡散して散乱する部材の外縁と隣接する反射鏡面との間に空気通過間隙を形成することによつて、改善される。
本発明の好ましい実施態様に従つて、光を拡散して散乱する部材と反射鏡との間の係合又は取付け個所により空気通過間隙が中断されている。
【0016】
【実施例】
図面には本発明の好ましい実施例が示されている。
反射形照明灯は全体として符号10を付けられている。ここでは例えば天井面をDで示す建物天井の天井切欠きAへ挿入される天井埋込み照明灯が使用されている。
【0017】
反射形照明灯10は、回転対称な反射鏡11を持つ反射鏡12を備えている。この反射鏡12は、その内部空間20の後部範囲に、例えば高電圧又は低電圧ハロゲン灯とすることができる照明手段14用の照明手段収容空間13を形成している。反射鏡12の前部範囲は、天井面Dと同一面をなして延びる反射鏡前縁15により区画されている。この反射鏡前縁15は光出口面Eを区画している。
【0018】
反射鏡12外に遮蔽空間Rが認められる。この遮蔽空間Rは、回転軸線yの周りに回転する遮蔽角αの自由辺Sにより形成される。遮蔽角αは、自由辺Sと平らな光出口面Eの外方へ向く延長部17との間に形成されている。図示した実施例では、この延長部17は天井面Dと同じ意味である。
【0019】
遮蔽角αの自由辺Sの延長部S1は反射鏡12の内部空間20内へ延び、交差点Kで互いに交差している。回転軸線yの周りを自由辺延長部S1が回転するものと考えれば、これらの自由辺延長部S1は交差点Kより上に円錐19の表面を形成する。この円錐表面は同時に照明手段収容空間13の前部区画面19をなしている。照明手段収容空間13から出る光が遮蔽空間R内では見えぬように反射されるように、反射鏡11が形成されている。
【0020】
前部区画面19から後方へ照明手段14の方へ僅かな寸法だけずれて、円錐状表面を持ちかつ光を拡散して散乱する別体の平らな部材18が存在する。この平らな部材18は、少数の個所21又は周囲に沿つて反射鏡11に、図示しないやり方で取外し可能に取付けられ、例えば拘束されている。
【0021】
平らな部材18は、光を通す乳白色(従つて全体として乳白色ガラス状)の材料の部材例えばプラスチツクから射出成形される部材から成つている。平らな部材18は、照明手段14を冷却するため空気循環に役立ちかつ光通過開口としても役立つ空気通過開口22を持つている。
【0022】
照明手段14は実際上二次光源を形成し、平らな光出口面Eの方へ向く平らな部材18の円錐状表面が、一次照明手段の機能を果たす照射表面16をなしている。不連続な表面を持つ照明手段14の高い輝度を考慮して、平らな部材18が均一化作用及び対称化作用を持つようにすることも考えられる。
【0023】
図面において左に記入されている破線Fは、ドイツ連邦共和国特許第2336418号明細書により壁吊り素子をなす反射鏡の曲線を明らかにし、図示した装置が壁吊り反射形照明灯であつてもよいことを示している。
【0024】
図面により、反射鏡12が、全体として縦中心面Mに対して対称に図の紙面の中へ延びる細長い筒状部材であるようにすることも考えられる。この場合照明手段14も同様に筒状例えば円筒状となる。
【0025】
図2に示す光を拡散して散乱する平らな部材18は、その狭い範囲が下方へ光出口面Eの方へ向く円錐台状中空体を形成し、この中空体の小さい円の面は空気通過開口23を形成している。この空気通過開口23は、具体的な実施例ではDL=20mmの直径を持ち、部材18の全体直径DGは約130mmである。従つてDLとDGとの比は約1:6.5である(図3参照)。
【0026】
図3から明らかにわかるように、部材18は係合又は取付け個所21で反射鏡12に取外し可能に結合されている。このため反射鏡12は、円周の小さい部分にわたつて延びる長方形のスリツト状係合開口24を持ち、この係合開口が長方形断面を持ち半径方向に短い係合ピン25と共同作用する。部材18は、その外縁27に直径上で対向する係合突起26を持ち、この係合突起が比較的きつく湾曲する凹な反射鏡11とスナツプ係合するように共同作用する。
【0027】
部材18は、特定の弾性戻し力を持つ弾性材料から成るのがよい。部材18はポリカーボネートから成るプラスチツク射出成形部品であり、半透明で光を通すが、特別な含有顔料により乳白色状の光を拡散して散乱する平らな部材である。
【0028】
長方形の係合開口24は、長方形断面の係合ピン25と共に、2つの係合又は取付け個所21だけで、部材18の傾かない半径方向取付け位置を保証する。
【0029】
図2からわかるように照明手段収容空間13内にある空気通過開口23は、効果的な冷却を行う空気循環を可能にする。部材18の外縁27と隣接する反射鏡11との間に囲繞する空気通過間隙28が存在することによつて、空気の循環が更に改善される。細長い照明手段において光を拡散して散乱する平らな部材が槽状又は盆状である場合、各空気通過間隙は隣接する反射鏡面に対して平行に直線状に延びている。それぞれの空気通過間隙28は、光を拡散して散乱する部材18と反射鏡12との間の係合又は取付け個所21のみによつて中断される。
【0030】
図3をみるとわかるように、空気通過開口23は同時に指通し開口をなし、この指通し開口により簡単に部材18を引下げて、部材18を反射鏡12への取付け位置から外すことができる。弾性のある部材18の上方へ向く凹側の中心を取付け位置へ押込むことにより、部材18の取付けも逆のやり方で同様に簡単に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による反射形照明灯の概略垂直断面図である。
【図2】図1とは異なる実施例の垂直断面図である。
【図3】図2による反射形照明灯の拡大垂直断面図である。
【図4】図3の矢印IVの方向に見た光を拡散して散乱する部材の平面図である。
【符号の説明】
10 反射形照明灯
11 反射鏡面
12 反射鏡
13 照明手段収容空間
14 照明手段
15 反射鏡前縁
16 照射表面
17,S1 延長部
18 光を拡散して散乱する部材
19 前部区画面
α 遮蔽角
E 光出口面
M 縦中心面
R 遮蔽空間
S 自由辺
y 回転軸線
Claims (15)
- 少なくとも1つの回転対称又は筒状の反射鏡面(11)を持つ反射鏡(12)が、その内部空間(20)を前部反射鏡範囲と後部反射鏡範囲とに区分され、後部反射鏡範囲が少なくとも1つの照明手段(14)用の照明手段収容空間(13)を形成し、前部反射鏡範囲が平らな光出口面(E)を包囲する反射鏡前縁(15)により区画され、照明手段(14)に少なくとも1つの照射表面(16)が付属し、この照射表面(16)から反射鏡面(11)へ光が放射され、反射鏡(12)外にあって遮蔽角(α)の自由辺(S)と平らな光出口面(E)の外方へ向く延長部(17)とにより区画される断面を持つ遮蔽空間(R)内では、光が見えず、反射鏡(12)の回転軸縁(y)又は縦中心面(M)に対し傾斜して反射鏡(12)の中まで延びる遮蔽角(α)の互いに対向する自由辺(S)の反射鏡(12)内で互いに交差する延長部(S1)が、照明手段収容空間(13)の前部区画面(19)をなしているものにおいて、照明手段(14)が二次光源を形成し、光出口面(E)へ向かう方向においてこの二次光源の前に、照明手段(14)から間隔をおいて、照明手段収容空間(13)の前部区画面(19)に、又はこの前部区画面(19)と照明手段(14)との間に、光を拡散して散乱する平らな部材(18)が設けられ、この平らな部材(18)が、一次光源として、反射面(11)の方へ光を放射する照射表面(16)を形成していることを特徴とする、少なくとも1つの回転対称又は筒状反射鏡面を持つ反射鏡を備えた反射形照明灯。
- 光を拡散して散乱する部材(18)が格子状の光通過開口(22)を持つていることを特徴とする、請求項1に記載の反射形照明灯。
- 格子状光通過開口を持ちかつ光を拡散して散乱する部材が不透明な材料から形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の反射形照明灯。
- 光を拡散して散乱する部材が金網から成つていることを特徴とする、請求項3に記載の反射形照明灯。
- 光を拡散して散乱する部材が半透明の乳白色ガラス状材料から成つていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の反射形照明灯。
- 光を拡散して散乱する部材が、間に光通過間隙を形成する個別素子から構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5の1つに記載の反射形照明灯。
- 小形の照明手段(14)の場合、光を拡散して散乱する部材(18)がほぼ回転対称体であることを特徴とする、請求項1ないし6の1つに記載の反射形照明灯。
- 回転対称体が先細に、円錐状に又は円錐台状に形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の反射形照明灯。
- 筒状表面を持つ細長い照明手段では、光を拡散して散乱する部材が、前方で閉じたほぼ槽状体又は盆状体であることを特徴とする、請求項1ないし6の1つに記載の反射形照明灯。
- 光を拡散して散乱する部材(18)が、組立て操作に役立つ空気通過開口(23)を持つていることを特徴とする、請求項1ないし9の1つに記載の反射形照明灯。
- 小形の照明手段(14)の場合、ほぼ回転対称体をなしかつ光を拡散して散乱する部材(18)が、照明灯(10)の回転対称軸線(y)に対して回転対称に設けられる空気通過開口(23)を持つていることを特徴とする、請求項10に記載の反射形照明灯。
- 筒状構成を持つ細長い照明手段では、ほぼ槽状体又は盆状体をなしかつ光を拡散して散乱する部材が、照明灯(10)の縦中心面(M)に対して面対称に延びる空気通過開口(23)を持つていることを特徴とする、請求項10に記載の反射形照明灯。
- 各空気通過開口(23)が指通し開口を形成していることを特徴とする、請求項10ないし12の1つに記載の反射形照明灯。
- 光を拡散して散乱する部材(18)の外縁(27)と隣接する反射鏡面(11)との間に空気通過間隙(28)が形成されていることを特徴とする、請求項10ないし13の1つに記載の反射形照明灯。
- 空気通過間隙(28)が、光を拡散して散乱する部材(18)と反射鏡(12)との間で係合又は取付け個所によつてのみ中断されていることを特徴とする、請求項14に記載の反射形照明灯。
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