JP3567139B2 - 情報機器、情報機器システム制御方法及び情報機器システム - Google Patents

情報機器、情報機器システム制御方法及び情報機器システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオビジュアル(以下「AV」と称す)機器およびパーソナルコンピュータ(以下「PC」と称す)に代表される、画像や音声等のデータの記録あるいは再生等の処理を行うことができる機器および、画像や音声等のデータを受信あるいは送信できる機能を持った機器に関するものであり、特に複数の機器を接続するときに、機器使用者が接続順序を意識することなく機器接続ができ、接続機器のうち任意の一台を操作することにより、リモートで他の機器の制御を行うことのできる機能を持つ機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、AV機器の普及により、CDプレイヤ、テレビ受信機(以下「TV」と称す)、ビデオプレイヤ(以下「VCR」と称す)というように1人数台の機器を有することは珍しいことではなくなった。それらAV機器を相互に接続し、いわゆるAVシステムを構築するという需要も高まっている。その場合、機器を操作するには、それぞれのリモートコントローラ(以下リモコンと称す)を用いなければならないため、接続機器と同じ数だけのリモコンが机の上に並ぶという状況が生まれている。
【0003】
この多くのリモコンを使わなければいけないという煩わしさを解消するために、さまざまなアイデアが提案されている。例えば、特開平8−79847号公報のように、液晶ディスプレイを有したリモートコントローラ(以下「リモコン」と称す)を用意し、このリモコンにあらかじめ接続機器全てを登録しておき、この液晶ディスプレイに表示された登録済接続機器のアイコンを指で触れることにより、機器の操作を行う方法が提案されている。このリモコンを使うことにより、全ての機器の制御をたった一つのリモコンで行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の特開平8−79847号公報で提案されているリモコンを利用する場合、まず使用に則したように機器を接続しなければならない。例えば、VTR、TV、衛星放送受信機の3つを接続する場合や衛星放送受信機の映像をVTRに記録したい場合には、衛星放送受信機の出力端子とVTRの入力端子を接続しておく必要があるし、衛星放送受信機の映像をTVに表示させたい場合は、衛星放送受信機の出力端子とTVの入力端子を接続しておく必要がある。さらにVTRの映像をTVに表示させたい場合は、VTRの出力端子とTVの入力端子を接続する必要がある。このようにユーザが接続順序を考えて接続しておかなければ従来技術によるリモコンの利点を生かすことはできない。
【0005】
また、新しく機器を追加した場合接続端子が足りなくなってしまったり、どれとどれが接続しているのかわからなくなってしまい、結局もう一度すべての接続をやり直すということにもなりかねない。つまり、AVシステム等の情報機器システムを構築するために接続するという作業は以前と全く変わりなく行わなければならない。さらに上記従来の発明では、あらかじめ接続機器のアイコンを自分でリモコンに登録し、さらにその機器が持つ(例えば録画や再生)機能をICカードや電話回線などからリモコンに供給して記憶させなければならないという問題点もある。
【0006】
本発明の目的は、ユーザが機器の接続方法を考えることなく、また接続機器を追加してもその都度ドライバソフトなどをインストールする必要もなく、接続された機器を手軽に且つ自由に操作できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明では、接続する機器それぞれに、自分の機器名を示す機種名データを記憶する自己機種名メモリと、自分がどんな機能を有するかという機能データを記憶しておく自己機能メモリを持たせる。また、接続した機器の内少なくとも一台に、接続されている全ての機種名データを記憶しておく接続機器メモリと、データをやり取りする2つの機器が有する機能を記憶する通信ペア機能メモリと、その機器のリモコンあるいは筐体に液晶等のような表示手段を持たせるか、あるいは何らかの表示装置に接続する表示装置接続端子を設ける。
【0008】
このような構成の下、他の接続機器から受け取った機種名データと機能データを表示し、選択された機能を選択された機器に送信することで他の接続機器を操作することができるようになる。
【0009】
なお、メモリとは記憶装置あるいは記憶手段を意味するものとする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、デジタル衛星放送受信装置(以下「IRD」と称す)102、デジタルビデオカセットレコーダ(以下「D−VCR」と称す)103、デジタル画像信号を受信して表示できるデジタルテレビ(以下「D−TV」と称す)104、パーソナルコンピュータ(以下「PC」と称す)106がケーブル100、101および105により接続されている様子である。
【0011】
なお、本実施形態では、ケーブル100、101および105と接続機器のインターフェイスは、接続状況をID番号やアドレス等により把握するようなプロトコルを持った、例えば国際標準規格IEEE1394のようなバスインターフェイスであるものとする。但し、IEEE1394に限られるものではなく、デジタルインターフェイスがUSB、SSA、ファイバーチャネル、FC−ELあるいはSCSIのいずれかであっても可能である。
【0012】
本実施形態では、D−TV104で受信した映像をD−VCR103に記録するという仕事を、IRD102を操作することによって行わせる場合について説明する。まず図2と図3の説明を行う。
【0013】
図2は、IRD102の外観図である。201は受信しているチャンネルを表示する受信チャンネル表示LCD、202はチャンネルを選択するボタン群、203はIRDを通信モードで操作する場合に使用する操作ボタン群および表示部(以下「通信モード操作部」と称す)である。
【0014】
204は電源をオンオフする電源ボタン、205、207は通信モード表示LCD209に表示されるカーソルを移動するカーソル移動ボタン、206はカーソル位置に表示される項目を切り替えるセレクトボタン、208は通信を開始するスタートボタン、210は通信モードでIRDを操作する場合の通信モードボタン、211は複数の通信を設定する場合その設定項目を表示確認するための通信プログラムボタン、212は通信を止めるストップボタン、213は通信状態を確認する通信確認ボタンである。
【0015】
図3はIRD102の内部の回路構成を簡単に表わしたものである。300はIRD102のCPU301のバスであり、このバスにメモリ等の主要な手段が接続されている。以下説明するデータのやりとり等は、このCPU301の制御によって行われる。302はCPU301が処理を行うときに利用するワーキングメモリ、303は受信した画像データの復号化やDA変換等の処理を行う画像処理部、304は他の機器とのデジタル接続をするための処理を行う、あるプロトコル(例えばIEEE1394)に従ったデジタル接続用インターフェイス部である。
【0016】
305は衛星によって送られてくる信号を受信するチューナ部、306はIRD102のフロントパネルに設けられた通信モード表示LCD209に表示する文字等を制御する通信モード画面表示制御部、311はこのIRD102の機種名データを記憶しておく自己機種名メモリ、312はIRD102の持つ機能データを記憶しておく自己機能メモリである。なお、ここで言う機種名とは「IRD」や「D−VCR」といった機器の名前そのものを指すものとする。
【0017】
307はこのIRD102全体を制御するためのプログラムが格納されている不揮発性記憶手段(ROM)である。308はこのIRD102が接続しているバスあるいはネットワークに接続された、すべての機種名とそのID番号あるいはアドレスを記憶しておく接続機器メモリ、309は通信するペア(送信側と受信側)の機能を一時的に格納する通信ペア機能メモリ、310はスタートした通信の設定を記憶しておく通信設定メモリである。
【0018】
先ほど言及したように、D−TV104が受信した映像をD−VCR103に記録する仕事を、IRD102を操作することにより行わせる場合を、フローチャート図4およびIRD102を通信モードで操作する場合に使用する操作ボタン群および表示部203の拡大図5を用いながら説明する。なお、IRD102によって他の機器を操作するので、このような機器をコントロール機器と呼ぶことにする。また、接続しているD−VCR103、D−TV104およびPC106はIRD102の回路構成図3の内の、少なくとも自己機能メモリ312、自己機種名メモリ311、接続インターフェイス304と同等のものを持っているものとする。
【0019】
まず、IRD102にケーブルを接続するか、電源を入力する(フェーズ401)と、このケーブルがもつデジタルインターフェイスの仕様に従って初期設定がなされる(フェーズ402)。この時、接続されたすべての機器のID番号が決定される。
【0020】
このとき、ID番号の決定方法として、例えば国際規格IEEE1394では、IEEE1394−1995規格書(IEEE Standard for a High Performance Serial Bus)に詳述されているように、全ての機器の親子関係が決定し、リーフになっている機器(親以外に機器が接続されていない機器)から順番に自分のID番号(ノード番号)を決定し、自分の番号を他の全ての機器に知らせることで決定する。
【0021】
本実施形態では、例えばIRD102はID番号102、D−VCR103はID番号103、D−TV104はID番号104、PC106はID番号106に割り当てられたとする。
【0022】
次に自分がどんな機種名であるのかを他の機器に伝えるフェーズ403に移る。
【0023】
ここで、自分がどんな機種名であるのかを他の機器に伝える方法としては2通りある。
【0024】
一つは、フェーズ402のインターフェイス初期設定終了後直ちに、割り当てられた自分のID番号と自己機種名メモリ311に格納されている自分の機種名を、接続インターフェース304を介して他の全ての接続機器に向けて転送する方法である。この方法では、この時点で接続機器メモリ308を持っている全ての接続機器は、全ての機器の機種名データを受信して自分の接続機器メモリ308に格納するため、接続された全ての機種名を記憶することができる。例えば、本実施形態では、IRD102、D−VCR103、D−TV104等の全ての機器が自分の機種名を全ての接続機器に接続インターフェースを介して送信し、接続されている全ての機種名を記憶することになる。
【0025】
もう一つの方法は、フェーズ402のインターフェイス初期設定終了後、全ての機器はアイドリング(要求待ち)状態になり、この間に接続インターフェース304を介して機種名データ要求データを受信したらその要求元に自分の機種名を転送するという方法である。例えば、本実施形態では、IRD102がD−VCR103やDーTV104に機種名を要求し、この要求に対して送信されてきた全機種の機種名データを自分の接続機器メモリ308に格納することになる。このとき、機種名要求データは、IRD102の通信モードボタンを押下することによって全接続機器に転送される。
【0026】
前者の利点は、ユーザーが通信モードボタンを押下(コントロール機器として選択)してから次のフェーズ404へのステップアップの時間が短縮されることである。逆に、後者の利点はコントロール機器として選択されなければ機種名データを受信しなくてもよいことからメモリ容量を少なくすることができることにある。
【0027】
図21に、機種名データを要求するときの転送データ構造の例を示す。2101は機器を接続するデジタルインターフェイスの規格に従い且つ、機種名データ要求フラグ2103が後に続くことを示すヘッダデータ、2102は送信元のID番号である。自己機種名メモリ311には図6(a)601のようにユーザにわかるように文字を表示するための表示文字データが格納されている。カッコ()はカッコ内を表現する文字コードを格納することを意味するものとする。
【0028】
図9にID番号と機種名を他の機器に向けて転送する時の送信データ構造例を示す。901はデジタルインターフェイスのプロトコルに従い、且つ機種名データが後に続くことを示すヘッダデータ、902は自分のID番号、903は機種名である。
【0029】
なお、表示文字データを受信側で正しく表示するには、受信側で文字データを文字に変換する手段が必要になる。IRD102にあっては、図3中の通信モード画面表示制御部306がこの仕事を司り、通信モードLCD209に表示するものとする。
【0030】
フェーズ403では自分の機種名とID番号を送信する一方、デジタルインターフェースを介して送信されてきた他の機器のID番号と機種名を(自分のID番号と機種名と共に)接続機器メモリ308に記憶する。ただし、コントロール機器が他の機器に機種名データを要求する方式(前述2つの機種名データの転送方法のうち後者の方法)の場合、少なくとも自分の機種名を送信する必要はない。
【0031】
接続機器メモリ308には図7で示すようにID番号701と、それに相当する機種名文字表示コード702を記憶する。702のカッコ()はカッコ内を表現する文字コードを意味するものとする。ここまでで、データを送信する機器および受信する機器を決めるための準備が完了する。
【0032】
なお、図6(a)は自己機種名メモリ311のデータ格納例を示したものであるが、図3に示すように1つのメモリ(自己情報メモリ313)のある領域を自己機種名メモリ領域、残りの領域を自己機能メモリ領域とした上で自己機種名メモリ領域にデータを格納するようにしてもよい。
【0033】
自己情報メモリ313のデータ格納例を図6(b)に示す。604が自己機種名メモリ領域、残りの領域602と603が自己機能メモリ領域である。604は自己機種名データ、602は機能フラグで、外部からこのデータが送られてきたらそれに相当した機能を実行するためのコマンド番号である。603は機能フラグ602がどんな機能であるかをユーザにわかるように文字を表示するための機能名である。601と同様に603と604のカッコ()はカッコ内を表現する文字コードを格納することを意味するものとする。
【0034】
次にデータのやり取りを行うペアであるソース機器とターゲット機器を決定するフェーズ404に移る。ここで、「ソース機器」とは、情報を送信する側の機器をいい、「ターゲット機器」とは、ソース機器から送信される情報を受信する機器をいうものとする。IRD102における通信モード操作部203を拡大して図示した図5を用いて、フェーズ404から407を説明する。
【0035】
前のフェーズで通信モードボタン210を押下したことにより通信モードオンになっている。これにより、通信モード表示LCD209に表示されたソース側領域506の位置501にカーソルが表示される。なお、通信モードボタン210の押下がない場合は、通信モードオフとして、IRD102を単体で動作させることになり、図2のボタン群202あるいは付属のリモコン等を操作してチャンネル設定を行う。
【0036】
セレクトボタン206を押すと、接続機器メモリ308に格納された機種名(図7の702)が順次501の位置に表示される。「D−TV」が表示されたら、ボタン206押下を止める。そしてカーソル移動ボタン207を押し、カーソルを502の位置に移動する。カーソルを501の位置から移動したことにより、ソース機器としてD−TV104を選択したとみなされ、接続機器メモリ308に記憶されているD−TV104のID番号(図7の104)を利用して、D−TV104に機能データ(D−TVが持つ機能を外部からの操作により実行させるためのフラグ、およびその機能を表現する文字コード)を要求する。要求したD−TVの機能データが送られてきたら、それを通信ペア機能メモリ309に記憶する(フェーズ405)。
【0037】
図22と図23に、機能データ要求の時の送信データ構造例と機能データ送信データ構造例をそれぞれ示す。図22のうち2201は機器を接続するデジタルインターフェイスの規格に従い且つ、機能データ要求フラグが後に続くことを示すヘッダ、2202はこのデータの転送元のID番号、2203は機能データ要求フラグである。また、図23のうち2301は機器を接続するデジタルインターフェイスの規格に従い且つ、機能データが後に続くことを示すヘッダ、2302はこのデータの転送元のID番号、2303は機能データである。
【0038】
D−TV104はIRDと同様に自己機能メモリを持っているため、機能要求信号を受信したら、自分の自己機能メモリに記憶しているデータ(機能データ)を要求発信機器であるIRD102に向けて、デジタルインターフェースを介して転送する。
【0039】
図8に通信ペア機能メモリ309のデータ格納例を示す。通信ペア機能メモリ309には、機能フラグ803、804とそれを表現する文字コードデータ805、806を、ソース機器用データ領域801(図8の上半分の枠線)とターゲット機器用領域802(図8の下半分の枠線)に分けて格納する。なお、ソース機器用とターゲット機器用とで別々のメモリを用意し、それを利用してもよい。セレクトボタン206を押すことにより、ソース機器用領域801に格納した機種名(D−TV)以後の機能データの文字データ805が順次図5のカーソル領域502に表示され、所望の機能を表示したところでセレクトボタン206の押下を止める。これで、ソース機器の設定が完了する(フェーズ406)。
【0040】
次に、フェーズ404に戻り、ターゲット機器を決定する。カーソル移動ボタン205あるいは207を押下することにより、カーソルをターゲット機器用表示領域507内の位置503にカーソルを移動する。ターゲット機器とその機能決定は、ソース機器に対して行った操作と全く同様にして、所望の機器と機能を選択する(フェーズ404、フェーズ405)。ただし、通信ペア機能メモリ309はターゲット機器用領域802を利用する。なお、図5の例では、D−TV104のチャンネル1をD−VCR103に録画する様子を示している。
【0041】
ソース機器、ターゲット機器およびそれらの機能選択が完了したら(フェーズ406)、最後にスタートボタン208を押下することにより(フェーズ407)、D−TV104には「チャネル1を選択し、ID103(D−VCR)に向けて送信せよ」という命令が転送され、D−VCR103には「ID104(D−TV)から送信されてくるデータを受信し、記録(録画)せよ」という命令がデジタルインターフェースを介して転送される。
【0042】
このとき、IRD102が送信するデータは、図12に示すように、機能フラグ1203とともに通信相手のID番号1202も転送する。すなわち、D−TV104に対しては、IDフィールド1202にはD−VCR103のID番号、機能フラグフィールド1203にはチャンネル1を受信するコマンド番号01を送信する。また、D−VCR103に対しては、IDフィールド1202にはD−TV104のID番号、機能フラグフィールド1203には録画するコマンド番号02(本実施形態では図8の804に示すように録画機能に対応するコマンド番号は「02」である。)を送信する。
【0043】
これにより、それぞれの機器はデータをどこへ転送すればいいのか、あるいはどこから転送されてくるのか認識することができる。なお、フィールド1201は、接続するデジタルインターフェイスのプロトコルに従い、且つ後に続くデータが機能フラグであることを示すヘッダデータである。
【0044】
ここで、通信を開始したら、通信モード表示LCD209には通信を行っていることを明示する文字505「通信中」を表示させてもよい。コントロール機器(この場合はIRD102)にタイマー機能をもたせ、通信スタートボタンを押す前に図示していないタイマーボタンを押すことにより、通信開始時間と終了時間を設定できるようにしてもよい。ただし、この場合は、設定した時間になったらコントロール機器が図12のパケットで機能フラグを転送するようにする。
【0045】
通信スタートボタンを押したら、スタートした時のそれぞれの機器の設定やID番号が通信設定メモリ310に記憶される。なお、通信ペアの設定については、ソース機器とターゲット機器のどちらを先に行ってもよい。
【0046】
前述の2つの機種名データ転送方法のうち、後者として説明した方法(機種名要求に応じて自己機種名を転送する方法)の場合、機種名データ要求と応答、および機能データ要求と応答をそれぞれ別フェーズ(フェーズ403と405)で行ったが、1つの要求で機種名データ、機能データ両方を得られるようにしてもよい。すなわち、コントロール機器は他の全ての機器に対して機種名データを含む機能データ要求を転送する。この要求を受信した接続機器は自分の機種名データと機能データをまとめて送信する。コントロール機器は、送信されてきた機種名データを含む機能データを、機種名データと機能データとに分離して接続機器メモリ308および、通信ペアメモリ309にそれぞれ格納する。
【0047】
機種名データと機能データをまとめて送信する場合のデータ構成例を図24に示す。2401はデジタルインターフェイスの規格に従い且つ、機種名データ2403と機能データ2404をまとめて後に続くことを示すヘッダ、2402は送信元のID番号である。
【0048】
さて、D−TV104のチャンネル1をD−VCRに録画するという通信を設定し終わり、さらに別の通信を設定する場合、例えばIRD102で受信するある番組をD−VCR103に録画予約をする場合など考えられるが、通信プログラムボタン211を押下することにより設定できる。ボタン211押下により、通信モード表示LCD209上には図10に示す1001のように次の通信の設定を示す文字が表示され、新しい設定画面が表示される。最初の通信を設定した時と全く同じように、ソース機器とターゲット機器の設定を行い二つ目の通信をスタートさせることができる。さらに同じ事を繰り返すことにより、三つ四つ…と複数の通信をスタートさせることができる。
【0049】
通信をスタートした後、通信確認ボタン213を押すことにより、通信設定メモリ310に記憶されている通信設定が、通信モード表示LCD209に図14のように表示される。このときストップボタン208を押下することにより、通信設定メモリ310に記憶されているD−TVとD−VCRのIDに向けて、「通信を終了せよ」という信号が送信され、通信を止めることができる。
【0050】
さて、ここまではIRD102、すなわちコントロール機器の立場から説明を行ってきたが、今度は被コントロール機器の観点から説明する。ここではD−VCR103を用いて説明する。
【0051】
図11は、D−VCR103(被コントロール機器)がコントロール機器から制御される様子を示したフローチャートである。フェーズ401、フェーズ402、フェーズ403はコントロール機器の場合と全く同様であるため説明を省略する。
【0052】
フェーズ1101で、他の機器から機能データを要求されるまで待ち続ける(ポーリング、割り込み、タイマ等を利用する)。機能データ要求があったら、自己機能メモリに格納されている機能フラグと、その表示文字データを要求元に転送し(フェーズ1102)、機能フラグ(機能命令)が送信されてくるまで待ち続ける(フェーズ1103)。コントロール機器から図12のようなデータ構造で、機能の命令が送信されてくるので、これ(機能フラグ)を受信したら、そのフラグが割り当てられた機能(例えば録画)を実行する(フェーズ1104)。
【0053】
なお、図12のように機能フラグと供にデータの送信元(この例では、D−TV)のID番号も送信されてくるため、D−VCR103はどこからデータが送られてくるのか認識することができる。機能を実行したあと、次の通信の準備のために、フェーズ1101で再び機能要求信号を待つ。
【0054】
以上のように、接続した全ての機器が、自己機種名メモリ311と自己機能メモリ312(あるいは自己情報メモリ313)を持ち、その内の少なくとも1つの機器が、接続機器メモリ308と通信ペア機能メモリ309を有することにより、ユーザは1つの(接続機器メモリ308と通信ペア機能メモリ309を有する)機器の操作だけで、接続した全ての機器を操作することができる。
【0055】
なお、接続機器メモリ、通信ペア機能メモリ、通信設定メモリは、それぞれ別々にメモリを設けるのではなく、1つのメモリ(図3のRAM314)の領域を分割して利用してもよい。同じく自己機能メモリ、自己機種名メモリ、プログラムROMに記憶される内容はいずれも書き換えられることのない情報であるため、それぞれ別々にメモリを設けるのではなく、1つのメモリの領域を分割して利用してもよい。
【0056】
また、通信モード表示LCDについては、以下のようにすることもできる。
(1)ソースおよびターゲット機器の設定を同じ画面上(ソース機器設定、ターゲット機器設定ともに同時に表示)で行ったが、ソース機器の設定を終了した後にターゲット機器の設定画面を表示するようにする。
(2)ソース機器設定とターゲット機器設定それぞれに対して別々のLCDを設けて、別々に設定を選択できるようにする。
(3)通信モード表示LCD209を図2のように機器上に設けるのではなく、リモコン上に設ける。
【0057】
上述の(3)の場合のIRD本体とリモコンの例を図25及び図26にそれぞれ示す。2501は通信モード表示LCDを持たないIRD本体、2502はリモコンからの信号を受信する受光部である。リモコン2601において、2602は通信モード表示LCD(209と同等)、2603はIRDの電源を制御するボタン、2604はIRDの受信チャンネル(202)を制御するボタン群、その他は図2と同じ番号が付されているものについては図iiのものと同じものであり、同じ動作をするものである。
【0058】
また、D−TV104のような、映像を映すためのディスプレイを有する機器をコントロール機器とした場合、通信モード表示LCD209を映像を映すディスプレイと別に設けるのではなく、図5および図10に示したような通信設定メニュー画面も、同じディスプレイに表示できるようにしてもよい。
【0059】
このような機器であるD−TV104の外観図の例を図13を示す。1301は受信映像表示および通信設定メニュー表示を行うディスプレイ、1302は電源スイッチで1303は受信映像を表示するためのビデオボタンである。その他のボタンは、図2で説明したものと全く同じ機能をなすボタンである(同じ番号を付けてある)。
【0060】
通信モードボタン210を押下することにより、D−TV104はコントロール機器となり、通信設定メニューがディスプレイ1301に表示される。カーソル移動ボタン205、207およびセレクトボタン206を押下することにより、ソース機器とターゲット機器の設定を行い、スタートボタン208によって通信をスタートさせる。ビデオボタン1303を押下すると、ディスプレイ1301は、通信モード表示画面から通常の受信映像表示画面に変わる。別の通信を設定する場合は、再び通信モードボタン210を押下する。すなわち、D−TV104は受信映像表示と、通信モード表示の2つの画面表示モードを持ち、ボタン210と1303によって切り換えることができる。
【0061】
以上説明した実施形態では、自己機種名メモリ311、自己機能メモリ312、自己情報メモリ313が格納しているデータは(図6、図7、図8のように)文字データであり、接続機器が文字データを文字に変換して表示装置に表示する場合を例にして説明を行ってきた。
【0062】
これは例えば、文字変換方式Aというものであったする。各機器は文字変換方式Aにしたがった文字コードを自己機種名メモリ、自己機能メモリ、自己情報メモリに格納しておく。各機器は、受信した文字データを文字変換方式Aにしたがって画面に表示することもできる。ところが、ある接続機器が文字変換方式Aにしたがわない文字コードを格納しており、これを他の機器に送信すれば当然ながらこの文字コードは正しく表示されない。ここで少し観点を変え、文字ではなく絵や記号などを利用することを考えてみる。すなわち、図1の接続機器全てが文字変換方式Aの代わりに、グラフィック表示方式Aを採用した場合の実施形態について説明する。
【0063】
本実施形態では、D−TV104を操作してIRD102のチャンネル2で受信した映像をD−VCR103に記録する場合について説明するものとする。ここで、IRD102、D−VCR103、D−TV104、PC106はいずれも自己情報メモリ313を有し、いずれもグラフィック表示方式Aにしたがったデータフォーマットで機種名データと機能データを格納しているものとする。また、D−TV104はこれに加え、通信設定メモリ310、接続機器メモリ308を有し、グラフィック表示方式Aにしたがったデータを正しく画面表示し、且つそれに伴った操作が実行できる通信モード画面表示制御部306を有するものとする。さらに本実施形態では、自己機種名データと自己機能データをまとめて自己情報データとして自己情報メモリ313に格納するものとし、接続機器メモリにはID番号とともに、この自己情報データ(自己機種名および自己機能データ)を格納するため、自己機能データを格納しておくための通信ペアメモリ309は不要であるものとする。
【0064】
図16にD−TV104の自己情報メモリに格納された自己情報データの例を示す。1601はD−TVの機種名データと機能データをまとめてグラフィック表示方式Aで変換した自己情報データである。ここで括弧[]は、括弧内の機器の自己情報データがグラフィック表示方式Aで変換されていることを示している。
【0065】
図15にD−TV104の第二の外観図を示している。図の数字で先頭に15が付かないものについては、既出の番号であるため、説明を省略する。図15のD−TVは図13のD−TVのようにカーソル移動ボタン205、207およびセレクトボタン206を用いず、指で画面を直接触れるこにより項目を選択でき、選択したカーソル位置を2回連続して叩くことにより、セレクトボタン206を押したのと同じ効果が得られるものとする。
【0066】
まず、図15の通信モードボタン210を押下することにより、この機器D−TV104がコントロール機器として選択される。D−TV104は接続している全ての機器に対し、自己情報データを要求する。それに対する応答(ID番号と自己情報データ)を受信して自分の接続機器メモリ308に格納する。
【0067】
図17に接続機器メモリのデータ格納例を示す。1701と1702はそれぞれIRD102のID番号および自己情報データ、同様に1703と1704はそれぞれD−VCR103のID番号および自己情報データで、同じく1705と1706はそれぞれD−TV104のID番号および自己情報データである。図16と同様に、括弧[]は括弧内の機器の自己情報データがグラフィック表示方式Aで変換されていることを示している。
【0068】
全ての接続機器のID番号と自己情報データを接続機器メモリに格納した後、D−TV104は接続機器メモリ308の内容を読んで、グラフィック表示方式Aにしたがって逆変換し、画面表示する。図15の画面1301はこの時の画面表示の例を示している。1501はD−VCR103の機種名データを表示したもの(以下これをアイコンと称す)、1502はD−TV104のアイコン、1503はIRD102のアイコン、1504はPC106のアイコンである。このとき、コントロール機器(自分自身)をわかりやすくするために他の接続機器と別の色を用いて表示するようにしてもよい。
【0069】
ユーザーはまず、IRD102を選択する(IRDのアイコン1503を2回続けて叩く)と、図18のようなIRD操作パネル1800が画面に表示される。このデータは図17のIRDの自己情報データ1702によるものである。1804、1805、1806、1807はスクロールボタンで、これらを指で触れることにより、左側に表示される文字がスクロールする。1808はIRDにデータを入力する場合の入力源機種名で、この場合IRDに何も入力しないので、「NONE」を選択する。1809はデータを出力する場合の出力先機種名で、この場合はD−VCRを選択する。182は受信するチャンネルで、この場合2チャンネルを選択している。設定が終了したら、OKボタン1810を選択する。設定をやり直したい場合はキャンセルボタン1811を選択する。
【0070】
次に、D−VCRのアイコン1501を選択すると、図19のようなD−VCR操作パネル1900が画面に表示される。このデータは図17のD−VCRの自己情報データ1704によるものである。1903、1904、1905、1906はスクロールボタンで、これらを指で触れることにより、左側に表示される文字がスクロールする。1901はD−VCRにデータを入力する場合の入力源機種名で、「IRD」を選択する。1902はデータを出力する場合の出力先機種で、この場合は何も出力しないので「NONE」を選択する。1907、1908、1909はそれぞれ停止、再生、録画を行うボタンで、この場合録画を選択する。設定が終了したら、OKボタン1910を選択する。設定をやり直したい場合はキャンセルボタン1911を選択する。これで「IRDのチャンネル2をD−VCRに録画するための設定」が終了する。
【0071】
このあと、通信スタートボタン208を押下することにより、IRD102(ID番号102)に対しては「2チャンネルを受信してD−VCR(ID番号103)へ送信せよ」という命令が、D−VCR103に対しては「IRD102(ID番号102)から送られてくるデータ(映像)を録画せよ」という命令が、それぞれ図12のような構造で送信されて通信を開始する。なお、第二の機器の設定でOKボタンを選択することによって通信を開始してもよいし、図20の2000のように「通信をスタートしてもいいですか」という文字を表示して、OKボタン2001を選択することによって通信を開始してもよい。
【0072】
この後、前にIRDをコントロール機器としてD−TVの映像をD−VCRに記録する例で説明した時と同様に、プログラムボタン211によって複数の通信が設定でき、確認ボタン213とストップボタン212によって既にスタートしている通信あるいは予約している通信を止めることができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明による機器を複数接続した場合、ユーザは接続順序を意識する必要がなく、接続機器のうち一つの機器から他の全ての機器を制御することができる。また、PCの周辺機器接続では不可欠であるそれぞれの機器のドライバソフトウエアインストールの必要もなく、ユーザーはケーブルで機器を接続するだけでこのシステムを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】AV機器接続の一例図である。
【図2】IRDの外観の一例図である。
【図3】IRDの回路構成の一例図である。
【図4】コントロール機器のフローチャートの一例である。
【図5】通信モード操作部の一例図である。
【図6】自己情報メモリのデータ格納方法を示した一例図である。
【図7】接続機器メモリのデータ格納方法を示した一例図である。
【図8】通信ペア機能メモリのデータ格納方法を示した一例図である。
【図9】ID番号と機種名データを転送するパケットの一例図である。
【図10】通信モード表示LCDの一例図である。
【図11】コントロール機器以外の機器のフローチャートの一例である。
【図12】ID番号と機能フラグを転送するパケットの一例図である。
【図13】D−TVの通信モード設定表示画面の一例である。
【図14】通信確認ボタンを押下した場合の表示画面の一例である。
【図15】D−TVの外観図の一例である。
【図16】自己情報メモリのデータ格納例の一例である。
【図17】接続機器メモリのデータ格納例の一例である。
【図18】IRD操作パネルの一例である。
【図19】D−VCR操作パネルの一例である。
【図20】通信スタート許可画面の一例である。
【図21】機種名データ要求送信のデータパケットの一例である。
【図22】機能データ要求送信のデータパケットの一例である。
【図23】機能データ送信のデータパケット一例である。
【図24】機種名データと機能データをまとめて転送する場合のデータパケットの一例である。
【図25】通信モード表示LCDを持たないIRDの概観図の一例である。
【図26】IRDのリモコンの一例である。
【符号の説明】
102…IRD、
103…デジタルビデオレコーダプレイヤ、
104…デジタルテレビ受信装置、
106…パーソナルコンピュータ、
206…セレクトボタン、
208…スタートボタン、
209…通信モード表示LCD、
210…通信モードボタン、
211…通信プログラムボタン、
212…ストップボタン、
213…通信確認ボタン、
304…接続インターフェイス、
311…自己機種名メモリ、
312…自己機能メモリ、
308…接続機器メモリ、
309…通信ペア機能メモリ、
1800…IRD操作パネル、
1900…D−VCR操作パネル。

Claims (1)

  1. バスまたはネットワーク上に、少なくとも2つの情報機器が接続され、該情報機器は電源投入後互いを特定するID番号が自動的に付与されたのち動作を行う情報機器システムであって、
    各情報機器は、該情報機器の種別を識別するための情報を提供する自己機種名データを格納する記憶手段と、他の情報機器によって自らがコントロールされるための命令データを含んだ自己機能データを格納する記憶手段を有し、他の情報機器から要求されたときは、自己機種名データまたは自己機能データを他の情報機器に送信し、該送信された自己機能データをもとに前記他の情報機器が生成した情報を受信することにより、他の情報機器によりコントロールされ、
    各情報機器のうち少なくとも1つは、自らが他の機器に対しコントロールを行なおうとするに際して他の情報機器が有する該情報機器の種別を識別するための情報を提供する自己機種名データまたは他の情報機器が有する自らがコントロールされるための命令データを含んだ自己機能データを送信するよう前記他の情報機器に要求する要求手段と、前記他の情報機器から送信された自己機種名データを記憶する第1の記憶手段と、前記他の情報機器から送信された自己機能データを記憶する第2の記憶手段を有し、該要求手段により前記他の情報機器に要求を出すことにより前記他の情報機器から送信された自己機能データをもとに生成した前記他の情報機器をコントロールするための情報を送信することにより、前記他の情報機器をコントロールし、
    該他の情報機器をコントロールする情報機器は、該情報機器本体との間に通信手段を有する操作入出力装置に前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段に記憶されている前記他の機器の自己機種名データ及び自己機能データの情報を文字、絵あるいはアイコンによって表示させ、該操作入出力装置から得た制御情報に基き前記他の情報機器に送信する情報を生成することを特徴とする情報機器システム。
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