JP3566927B2 - 新規なチタン酸亜鉛マグネシウム、その製造方法およびこれを含有する温度調節機能性組成物 - Google Patents

新規なチタン酸亜鉛マグネシウム、その製造方法およびこれを含有する温度調節機能性組成物 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明は下記化学式(I)で表わされる新規なチタン酸亜鉛マグネシウム、その製造方法および化学式(I)のチタン酸亜鉛マグネシウムを含有する温度調節機能性組成物に関する:
Zn2−xMg・yTiO (I)
(式中、
xは0.5〜1.5の実数を示し、
yは1または2の整数を示す。)。
【0002】
特に、本発明による温度調節機能性組成物は太陽から照射される紫外線、可視光線および赤外線を反射して温度上昇を抑制するだけでなく低温に対して優れた断熱特性を発揮し、被覆体の温度を一定に保持する。従って、本発明の組成物は被覆体に対して温度調節機能を有するのみならず、被覆体に優れた耐光性および耐候性を付与する。
【0003】
背景技術
日本国公開特許公報平8−3019号には、保水量を変化させるために、体温に依存して親水性を変化させることにより優れた使用感が得られるアクリル酸共重合体あるいは架橋ゲル、例えば、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ペンチルメタクリルアミドなどが開示されている。米国特許第5,353,600号には、電池を内蔵した熱電子冷却装置が内部にサンドウィッチされた化粧品容器が教示されている。さらに、米国特許第5,237,838号および4,892,226号には、熱に敏感で、熱分解の可能性のある内容物を保護する携帯用化粧品バッグが開示され、米国特許第3,732,702号には浴室や脱衣所で用いる時に生じる熱と湿気を分散する冷却装置付化粧キャビネットが教示されている。
【0004】
温度制御を目的とする無機顔料に関する従来技術としては、宇宙船表面に用いられるチタン酸亜鉛が知られており(参照:NASA Contract.Rep.,NASA−CR−144310,466pp,1976)、米国特許第5,401,583号に白色コーティング剤として酸化亜鉛と二酸化チタンを用いたことが、米国特許第5,476,696号および5,567,490号にX線と紫外線照射によって生じる黒化に対して耐久性を有する珪酸ジルコニウムが開示されている。
【0005】
しかしながら、これら従来の無機顔料は主に宇宙空間から照射される波長の短いX線および紫外線を防御するためのものであって、地球表面でオゾン層によって遮断される紫外線C(280nm以下)を除いた紫外線B(280〜320nm)、紫外線A(320〜400nm)、可視光線(400〜760nm)および赤外線(760nm以上)を効果的に反射することによって、熱的な問題を制御する無機顔料については何の研究もなされていない。
【0006】
さらに、無機顔料の製造方法に関する先行特許として、二酸化チタンと酸化亜鉛を焼結してチタン酸亜鉛を製造した後、残留する酸化亜鉛を酸によって溶解して除去する方法が日本国公開特許公報昭63−265819号および米国特許第3,607,338号に開示されている。しかし、このような方法によって製造された無機顔料もまた紫外線B、紫外線A、可視光線および赤外線を効果的に制御できるものではなかった。
【0007】
一方、セラミックスの形で製造されたチタン酸マグネシウムを誘電体として用いた例が米国特許第4,882,650号に開示されている。しかしこれは、温度調節が目的である本発明とは全く無関係の、異なる技術分野に属するものである。
【0008】
かかる技術的背景下で、本発明者らは、例えば日光が過度に照射される蒸暑い夏季や寒い冬季の如く変化の激しい気候のような外部環境に関係なく、被覆体の温度を一定に保持し得る新たな組成物の必要性を認知するに至り、このような目的を達成するために新規な温度調節機能を有する無機顔料について研究した。その結果、亜鉛−マグネシウム−チタンを含有する3成分系複合酸化物が紫外線C領域の一部の波長から赤外線領域の波長までの光の大部分を反射して温度上昇を抑制し、さらに急激な温度降下においても優れた断熱特性を発揮し、持続的な温度保持効果を表すことを見出すとともに、このような複合酸化物を含有する化粧品組成物や塗料組成物に温度調節機能があることを確認することによって、本発明の完成に至った。
【0009】
発明の開示
従って、本発明の目的は下記化学式(I)で示される新規なチタン酸亜鉛マグネシウムを提供することにある:
Zn2−xMg・yTiO (I)
(式中、
xは0.5〜1.5の実数を示し、
yは1または2の整数を示す。)。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、上で定義した化学式(I)の無機顔料を製造する方法を提供することにある。
【0011】
本発明のさらにもう一つの目的は、化学式(I)の無機顔料を有効成分として含有する温度調節機能性組成物を提供することにある。
【0012】
発明を実施するための最良の形態
上記化学式(I)の化学組成比を有するチタン酸亜鉛マグネシウムにおいて、チタンの当量に対する亜鉛およびマグネシウム元素の当量比は、yが1である場合は2:1であって、yが2である場合には2:2である。亜鉛およびマグネシウムの当量はそれぞれ0.5〜1.5の範囲で調整され、その合計は常に2である。上記化学式(I)において、xが0.5を下回る場合、生成されるチタン酸亜鉛マグネシウムは亜鉛の含量が高く構成され、焼結するとき収縮率が大きくなって、焼結物の比重が高くなるため好ましくない。一方、上記化学式(I)において、xが1.5を超える場合は、焼結性が悪くなり、顔料の物性がバルキーに、あるいは軽くなるため、やはり好ましくない。さらに、yが2を超える場合も、チタン元素の構成比が高くなって紫外線反射効率が低下すため好ましくない。
【0013】
本発明による顔料状のチタン酸亜鉛マグネシウムはチタン源化合物、亜鉛源化合物およびマグネシウム源化合物を化学式(I)に示した当量比になるよう混合して混合物を粉砕し、粉砕した混合物を900℃〜1300℃の温度範囲で1〜10時間焼結処理し、焼結物を冷却および粉砕して製造することができる。
【0014】
より明確に言えば、二酸化チタン、硫酸チタンなどのチタン源化合物、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、リン酸亜鉛などの亜鉛源化合物、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのマグネシウム源化合物を秤量し、化学式(I)の組成比で均等に混合し、得られた混合物をモルタルミル(Labo−Mill)やボールミルによって粉砕する。粉砕した混合物を電気炉で900℃〜1300℃の温度範囲で調節し、1〜10時間焼結処理し、得られた焼結物を徐冷した後、粉砕して粒子径0.1〜3.0μmの微粒子形状のチタン酸亜鉛マグネシウムを得る。
【0015】
一方、チタン酸亜鉛マグネシウムでコーティングされた薄片の無機顔料は、薄片無機顔料を水相に分散した後、チタン源化合物、亜鉛源化合物およびマグネシウム源化合物を化学式(I)の組成比で水相に溶解し、得られた溶液を40〜80℃まで昇温した後、アルカリで滴定して濾過、洗浄、乾燥し、それから700〜1300℃で焼結処理して製造することができる。
【0016】
コーティングのための基材である薄片無機顔料としては、タルク、マイカ、セリサイトおよびカオリンからなる群より選ばれた1種以上を用いることができる。化学式(I)のチタン酸亜鉛マグネシウムと同じ組成比を有するよう加える水溶性の塩であるチタニウム源化合物、水溶性の塩である亜鉛源化合物および水溶性の塩であるマグネシウム源化合物を、基材である薄片の無機顔料に対して10〜60wt%適用する。この際、四塩化チタンおよび硫酸チタンより選択した1種を化学式(I)のチタン組成比の通りの重さとし;硝酸マグネシウム、塩化マグネシウムおよび硫酸マグネシウムより選択した1種を化学式(I)のマグネシウム組成比の通りの重さとし;塩化亜鉛および硫酸亜鉛より選択した1種を化学式(I)の亜鉛組成比の通りの重さとする。それからこれらを共に水相に分散、溶解する。その後、薄片の無機顔料と上記のように製造した水相を攪拌しながら加熱して40〜80℃まで昇温し、同温度でチタン、マグネシウムおよび亜鉛を共沈するため、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニアより選択した1種を水相に対して体積で1/3〜1/10倍の水に溶解し、水相に滴加してアルカリ滴定する。アルカリ滴定を行うことよって、チタン水和物、マグネシウム水和物および亜鉛水和物を共沈させると同時に、水相中に分散している二酸化チタンと共に薄片状の無機顔料表面に吸着コーティングさせる。
【0017】
一方、四塩化チタンあるいは硫酸チタンのような水溶性の塩の代わりに、二酸化チタンをチタン源化合物として用いることができる。この場合、二酸化チタンを薄片状の顔料(基質)と共に分散させ、マグネシウム塩および亜鉛塩を吸着させてチタン酸亜鉛マグネシウムが表面にコーティングされた薄片状の無機顔料を製造することができる。すなわち、基材として用いられる薄片状の無機顔料と共に、コーティングに用いられるマグネシウム塩および亜鉛塩の処理量および化学式(I)の組成より計算される量の二酸化チタンを秤量して水相に分散する。分散に用いられる水相の量は、薄片状の無機顔料と二酸化チタンの全重量の5〜10倍が好適である。特に、薄片状の無機顔料、二酸化チタン、マグネシウム塩および亜鉛塩が分散または溶解した水相を攪拌しながら加熱し、40〜80℃まで昇温する。同温度でマグネシウムと亜鉛を共沈するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニアより選択した1種を、水相に対して体積で1/3〜1/10倍の水に溶解し、水相に滴加してアルカリ滴定する。アルカリ滴定によって、マグネシウムイオンと亜鉛イオンがマグネシウム水和物と亜鉛水和物を形成して共沈すると同時に、水相に分散させた二酸化チタンと共に薄片状の無機顔料表面に吸着コーティングされる。
【0018】
アルカリ溶液の滴加はpH7〜9.5の領域で白濁が生じながら溶液の粘度の急激な増加が観察されるまで続ける。共沈と吸着コーティング工程が終了したら室温で3時間以上放置してエージングした後、濾過し、精製水で洗浄して未反応の残留物を除去する。生成物を110℃で乾燥し、顔料を得るために電気炉を用いて700℃〜1300℃の温度範囲で1〜10時間焼結処理し、その後徐冷する。それから、焼結物を粉砕し、チタン酸亜鉛マグネシウムが表面にコーティングされた薄片状の無機顔料を得る。
【0019】
上述の方法によって製造したチタン酸亜鉛マグネシウムおよびチタン酸亜鉛マグネシウムがコーティングされた薄片状の無機顔料は、紫外線BおよびA、可視光線および赤外線領域の光を効率的、且つ選択的に反射して温度上昇を抑制するのみならず、低温環境下で優れた断熱特性を発揮して温度を一定に保持するといった温度調節機能を有する新規な機能性無機顔料である。
【0020】
一般に、物体は外部エネルギー源からエネルギーが供給され、このエネルギーを物体が吸収して温度上昇が起こる。温度上昇を起こすエネルギーの形態は熱エネルギー、電気エネルギー、光エネルギー、摩擦(運動)エネルギーなどがある。この中で、光エネルギーによる物体の温度上昇は、その物体が有している光に対する特性、すなわち吸収、散乱、屈折および反射についての光学的特性によって左右される。かかる物体の光学特性のうち、反射率が温度上昇に最も深く関与している。すなわち、外部より入射される光をどの程度で反射するかが物体の温度上昇程度に関与する。さらに、光エネルギーは光の波長が短いほどエネルギーの強度が大きい。地球表面に照射される光エネルギーは、オゾン層によって遮蔽される紫外線Cのような短い波長を有する光を除き、紫外線Bおよび紫外線A、可視光線によるものが大部分である。従って、物体の温度上昇を抑制するためには、できる限り外部より照射される光を鏡の如く反射する必要がある。
【0021】
本発明による無機顔料を含有する組成物は太陽によって照射される紫外線BおよびA、可視光線および赤外線を反射し、温度上昇を抑制するのみならず、低温に対して優れた断熱特性を発揮して一定温度に保持するといった温度調節機能を有する。従って、本発明はこのような機能性組成物を提供することを目的とする。
【0022】
本発明による機能性組成物の代表的な例としては化粧品および塗料組成物が挙げられる。
【0023】
化粧品組成物において有効成分であるチタン酸亜鉛マグネシウムの好ましい配合量は組成物の全重量に対して0.1〜60.0wt%である。チタン酸亜鉛マグネシウムを0.1wt%未満含有する場合、温度調節機能が十分に発揮されず、60.0wt%を超えて含有する場合は、使用量の増加が、所望の効果の増加と比例しないため非経済的である。組成物内のチタン酸亜鉛マグネシウムの配合量は上記の0.1〜60.0wt%の範囲で化粧品の剤形と所望の温度調節機能によって決定し得る。
【0024】
塗料組成物の場合にも、本発明によるチタン酸亜鉛マグネシウムを有効成分として含有することによって、優れた温度調節効果および耐光性、耐候性を示すようになる。チタン酸亜鉛マグネシウムの好ましい配合量は、組成物全重量に対し0.1〜80.0wt%である。塗料組成物においてチタン酸亜鉛マグネシウムの含量が上記の範囲を超える場合、上記化粧品組成物の場合と同じ問題が起こり得る。特に白色塗料の場合は、本発明によるチタン酸亜鉛マグネシウムを主成分として塗料組成物を構成することができる。有色塗料の場合は、本発明によるチタン酸亜鉛マグネシウムを適宜の範囲で配合することによって温度調節機能を有する塗料組成物として用いることができる。
【0025】
以下、本発明を下記実施例および試験例に基づいてより具体的に説明する。しかし、これら実施例および試験例は本発明の理解を助けるためのものであって、いかなる意味においても本発明の範囲がこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0026】
実施例1
酸化亜鉛81.4g、酸化マグネシウム40.3g、アナターゼ型二酸化チタン79.9gを秤量し、モルタルミル(Labo Mill,Mitto,日本国)を用いて10分間混合粉砕した。この粉砕混合物を電気炉(Lenton Thermal Co.,イギリス)のアルミナるつぼに仕込んだ。5℃/分の速度で電気炉を昇温し、1000℃で4時間焼結処理した後、15℃/分の速度で冷却した。冷却された焼結物を粉砕機(Hosokawa−Micron,日本国)によって粉砕し、チタン酸亜鉛マグネシウム200gを得た。
【0027】
比較例1
米国特許第3,607,338号の実施例1と同じ方法によって公知のチタン酸亜鉛を得た。
【0028】
試験例1:光反射率
実施例1で製造したチタン酸亜鉛マグネシウムの光反射率を分光光度計(UV−VIS Spectrophotometer,Varian,オーストラリア)を用いて200〜900nmの波長範囲で測定した。光反射率を比較するため、比較例1で製造したチタン酸亜鉛、紫外線遮断剤として用いられる二酸化チタン、および酸化亜鉛についても光反射率を測定した。得られたスペクトルを図1に描写した。
【0029】
図1から分かるように、実施例1で製造した本発明のチタン酸亜鉛マグネシウムの光反射スペクトルは、比較例1のチタン酸亜鉛に比べ約30nm程度、二酸化チタンおよび酸化亜鉛に比べ約80〜100nm程度青色側へシフトしている。さらに、図1で描写する光反射スペクトルから、実施例1のチタン酸亜鉛マグネシウムは280nmより光を反射し始め、紫外線B、A領域と、可視光線および赤外線の一部波長を大部分反射していることも分かる。
【0030】
試験例2:電子顕微鏡観察
実施例1で製造した本発明のチタン酸亜鉛マグネシウム粒子形状を電子顕微鏡(SEM,Jeol,日本国)によって観察した結果を図2に示した。図2の電子顕微鏡写真から分かるように、チタン酸亜鉛マグネシウムは粒径が0.8〜1.0μmの均等な粒子形状を有している。
【0031】
試験例3:X線回折分析
実施例1で製造した本発明のチタン酸亜鉛マグネシウム結晶構造を確認するため、XRD(Rigaku,日本国)を用いて結晶パターンを測定し、その結果を図3に示した。図3から分かるように、チタン酸亜鉛マグネシウムの特性ピーク(◆で表す)は35.5°、30°および33°位置で極めて強い強度を示している。これは二酸化チタンのピーク位置(●で表す)である26°および38°、酸化亜鉛のピーク位置(▼で表す)である32°および37°、酸化マグネシウムのピーク位置(■で表す)である43°とは明らかに区別される。すなわち、本発明によるチタン酸亜鉛マグネシウムで二酸化チタン、酸化亜鉛および酸化マグネシウムの特性ピークはなくなったか、跡のみ存在することが分かる。
【0032】
試験例4:温度上昇抑制効果および低温断熱特性
本発明による実施例1で製造したチタン酸亜鉛マグネシウムの表面温度上昇に対する測定比較物質として、比較例1で製造したたチタン酸亜鉛およびアナターゼ形二酸化チタンと酸化亜鉛を用いた。表面温度測定のため、顔料約0.5gを加圧成形して直径1cmの円形試片を作製し、室内温度22℃、相対湿度45%に保持した恒温恒湿室で、予め2時間以上放置して用いた。各試片を黒色アート用紙上に置き、試片より垂直方向30cm上に赤外線温度計(Spot Thermometer TA−0510F,Minolta,日本国)を設け、試片の初期表面温度を測定した。試片に照射するエネルギー源として、紫外線、可視光線および赤外線が共に放出されるハロゲンランプ(500W)を試片の垂直方向50cm上に設け、それぞれの試片に対して10分間光を照射した。光を遮断し、空気の影響を除去するため10秒間放置した後、各試片の表面温度を測定し、照射前と照射後の温度変化を測定した。
【0033】
一方、低温断熱特性は、予め恒温恒湿室で2時間置いた試片を、4℃の低温室で30分間放置した後、取り出して直ちに恒温恒湿室中で赤外線温度計によって表面温度を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003566927
【0035】
上記表1の結果から、本発明によるチタン酸亜鉛マグネシウムの温度上昇抑制効果および低温断熱特性は、公知のチタン酸亜鉛、二酸化チタンおよび酸化亜鉛に比べ、はるかに優れていることが分かる。
【0036】
試験例5:光触媒活性
一般に、無機顔料はその比表面積と吸着特性の違いによって染料の吸着程度が異なる。従って、各顔料は同じ濃度の染料溶液に分散すれば、顔料表面に異なる量の染料が吸着され、これによって水溶液中に存在する染料の量に違いが生じて吸光度が異なってくる。そこに光を照射すれば各顔料の固体表面で生じる光触媒作用によって顔料に吸着された染料が分解し、染料を消費するようになる。そして、分解して減少された濃度ほど水溶液中に存在する染料を継続的に吸着するようになる。従って、光照射時間および染料の光触媒活性の大きさによって、水溶液中の染料濃度がそれぞれ異なる速度で減少する。
【0037】
かかる理論的背景下で、実施例1で製造した本発明のチタン酸亜鉛マグネシウムが染料内に混合されたとき、紫外線による光触媒活性によって変色、脱色などの結果が生じることを確認するため次のような実験を行った。比較のため、比較例1で製造したチタン酸亜鉛、二酸化チタンおよび酸化亜鉛についても同じ実験を行った。
【0038】
水溶性染料である青色1号(Brilliant Blue FCF)を予め一定濃度で溶解した標準試液に各試料を5wt%の濃度で均等に混合分散した。サンテスター(Heraeus,米国)を用いて765W/mの照射強度で分散試料に1、3、5時間光を照射した。この間、各試料を一定量ずつ採取し、遠心分離した。UV−VIS分光光度計によってλmaxが630nmである青色1号の吸光度を630nmで測定し、夫々の光触媒活性化による分解の程度を比較した。水溶性染料濃度の減少率は5時間照射後の吸光度を照射前の吸光度で除して百分率(%)で表した。得られた結果を下記表2に示す。
【0039】
【表2】
Figure 0003566927
【0040】
上記表2に記載の照射前の吸光度から、実施例1で得られた試料とチタン酸亜鉛および二酸化チタンの飽和吸着量は同等であるが、酸化亜鉛の飽和吸着量は相対的に大きいことが分かる。加えて、減少率の結果から、チタン酸亜鉛マグネシウムは、光触媒活性が比較対象である二酸化チタン、酸化亜鉛およびチタン酸亜鉛に比べて、実質的にないことが分かる。一方、水溶性染料の吸光度の減少傾向をグラフで示した図4によれば、本発明のチタン酸亜鉛マグネシウムの吸光度減少勾配が最も穏やかであるのに対し、二酸化チタンの吸光度減少勾配が最もシャープであることが分かる。この結果から、チタン酸亜鉛マグネシウムが最も低い光触媒活性を有していることを確認することができる。
【0041】
実施例2
塩化マグネシウム30.5gおよび硫酸亜鉛43.1gを精製水2000mlに溶解させ、そこにマイカ70.0gと二酸化チタン12.0gを加えて分散させた。分散液を攪拌しながら加温して水相の温度を70℃で保持した。水酸化ナトリウム24.0gを精製水200mlに溶解させ、そこに徐々に滴加した。水相のpHが8付近に達したとき、水酸化ナトリウム水溶液をpH8.5になるまで慎重に滴加した。滴加終了後、混合物を室温まで冷却し、その後3時間放置した。それから、混合物を濾過し、1000mlの精製水で洗浄した後、再度濾過した。再濾過して得られた生成物を110℃で3時間乾燥し、モルタルミルによって30秒間粉砕した。粉砕物をアルミナるつぼに仕込み、電気炉で5℃/分の速度で昇温し、1000℃で4時間焼結処理した後、15℃/分の速度で冷却した。冷却した焼結物を粉砕機によって粉砕し、チタン酸亜鉛マグネシウムコーティングマイカ100gを得た。
【0042】
試験例6:電子顕微鏡観察
実施例2で製造されたチタン酸亜鉛マグネシウムコーティングマイカの粒子形状を電子顕微鏡を用いて10,000培で観察した結果を図5に示す。図5の電子顕微鏡写真から分かるように、チタン酸亜鉛マグネシウムコーティングマイカは、薄片状のマイカ表面が0.3μm程度のチタン酸亜鉛マグネシウム粒子にしっかりと固着された状態で被覆されている。
【0043】
実施例3
2000ml容量の反応槽でセリサイト70.0gを精製水430mlに分散させ、攪拌しながら加温して水相の温度を80℃で保持した。塩化マグネシウム50gおよび硫酸亜鉛50gを精製水400mlに溶解させ、加温して温度を80℃で保持した。別に四塩化チタン50.0gを冷精製水300mlに溶解した。セリサイトを分散させ、攪拌している反応槽に、温度を75℃に保持しながら、四塩化チタン水溶液、塩化マグネシウムと硫酸亜鉛の混合水溶液の順で徐々に加えた。そこに水酸化ナトリウム80gを精製水400mlに溶解させた水溶液を徐々に滴加した。反応槽内水相のpHが8を超えたらすぐに水酸化ナトリウム水溶液の滴加を中止し、75℃で3時間慎重に攪拌を続けた。この混合物を室温で5時間放置し、精製水で3回洗浄して濾過した。濾過して得られた生成物を110℃で乾燥し、アルミナるつぼに仕込んで、電気炉で5℃/分の速度で昇温し、900℃で2時間焼結処理した後、15℃/分の速度で冷却した。焼結物を粉砕機によって粉砕し、チタン酸亜鉛マグネシウムコーティングセリサイト100gを得た。
【0044】
実施例4および比較例2
実施例1で製造したチタン酸亜鉛マグネシウムを、耐水性を付与するために反応性シリコーンオイル3.0wt%で処理した。かかるシリコーンオイル処理チタン酸亜鉛マグネシウムを含有するツーウェーケーキを下記表3に記載したような組成比を有するように製造した。
【0045】
【表3】
Figure 0003566927
【0046】
試験例7:ツーウェーケーキの温度調節効果
上記実施例4および比較例2で得たツーウェーケーキでの温度上昇抑制効果を次のように比較した。ツーウェーケーキを成形し、詰替え容器に充填した後、相対湿度が50%、室内温度が22.0℃である恒温恒湿室で一日間予め放置した。温度上昇抑制効果を測定するために、500Wハロゲンランプを製品の上部50cm上に設け、光を製品に2分間照射した。ランプのスイッチをオフにし、10秒後赤外線デジタル温度計によって製品中央部の温度を測定した。一方、低温断熱特性は恒温恒湿室で2時間置いたツーウェーケーキを4℃の低温室で30分間放置した後、取り出して直ちに恒温恒湿室で赤外線温度計によって表面温度を測定した。その結果を下記表4に示す。
【0047】
【表4】
Figure 0003566927
【0048】
表4の結果から、光を照射する場合、本発明のチタン酸亜鉛マグネシウムを含有する実施例4のツーウェーケーキは比較例2のツーウェーケーキに比べ、5.6℃程度の温度上昇抑制効果を有していること、および低温室で強制に冷却する場合、実施例4のツーウェーケーキは2.1℃の温度保持効果のあることが分かる。5.6℃程度の温度上昇抑制効果と2.1℃の断熱効果は人体、特に顔が十分にその温度差を感じ得る有意な水準であるため、本発明によるツーウェーケーキを用いる場合、顔皮膚表面の温度調節効果を現すことが確認できる。
【0049】
一方、D.I.T.I.システム(Digital Infrared Thermal Imaging System;Thermo Tracer 6T62,NEC San−ei,日本国)を用いて、実施例4および比較例2で製造したツーウェーケーキの温度調節およびメークアップ効果を測定し、その熱的分布をイメージとして得た。得られたイメージを図6〜10の写真によって互いに比較した。本試験に用いたD.I.T.I.システムは、物体の温度分布を色調で表現したイメージ写真を提供するものである。
【0050】
具体的には、図6〜8は、本発明によるチタン酸亜鉛マグネシウムを含有するツーウェーケーキと一般的なツーウェーケーキにおける温度上昇抑制効果および断熱効果による温度調節機能を視覚的に確認するため、D.I.T.I.システムで測定した結果を示したものである。このうち、図6は、恒温恒湿室で一日以上放置したツーウェーケーキをD.I.T.I.システムで測定したものである。この図では、実施例4のツーウェーケーキ(左側、Aで表す)と比較例2のツーウェーケーキ(右側、Bで表す)の熱的分布が互いに大体同じ色調を示している。図の右側に示された色調に対応する温度は、ツーウェーケーキと付着板が互いに大体同じ温度であることを示している。図7はそれぞれのツーウェーケーキにハロゲンランプによって3分間照射した後、D.I.T.I.システムで測定した結果を示している。この図では、実施例4のツーウェーケーキ(左側、Aで表す)は37.5℃より低く、非常に濃い青色で表わされ、比較例2のツーウェーケーキ(右側、Bで表す)は40℃以上であり、赤褐色で表されて製品の温度が上昇していることを視覚的に示している。さらに、照射した光が、互いに比較する目的でツーウェーケーキを付着させた付着板の温度を40℃以上に上昇させており、製品の周囲が赤褐色に変化していることが分かる。これは、本発明のチタン酸亜鉛マグネシウムを含有するツーウェーケーキの温度調節機能をさらに明らかにしている。図8はそれぞれのツーウェーケーキを4℃で保持する低温室に30分間放置した後、D.I.T.I.システムで測定した結果を示したものである。この図では、実施例4のツーウェーケーキ(左側、Aで表す)が極めて赤く表れ、比較例2のツーウェーケーキ(右側、Bで表す)が青く表れている。これはチタン酸亜鉛マグネシウムを含有するツーウェーケーキが、保温による温度調節機能を発揮することから、優れた断熱効果を有していること視覚的に示している。
【0051】
一方、温度上昇抑制効果が皮膚温度に及ぼす影響を調べるため、恒温恒湿室で、30名の女性を対象に顔部位の温度変化を赤外線デジタル温度計によって測定した。その結果、室内でハロゲンランプから光を2分間照射する場合、平均皮膚温度が32.5℃から35.7℃へ、平均3.2℃上昇し、夏季に屋外で日光に10分間顔を露出した場合、顔表面温度は、39℃〜41℃まで上昇し、約8℃程度の温度上昇を示した。人体は唇、顔面、胸腹部、腕、脚の順に温度に対して敏感であり、温度刺激が非常に緩やかな速度で与えられる場合、3℃程度の温度差を感じることができ、非常に急速な温度刺激の場合、約0.1℃以下の温度差も感じることができる。従って、図6〜8に示す結果から、本発明によるチタン酸亜鉛マグネシウムを含有するツーウェーケーキは、光照射による皮膚温度上昇抑制と寒気による皮膚温度下降を調節して快適な皮膚状態を保持する温度調節機能を発揮し得ることがわかる。
【0052】
図9は、恒温恒湿室において化粧をしていない健康な被験者の顔をD.I.T.I.システムで測定した結果を示したものである。この図から分かるように、顔左右の熱的分布が対称をなしている。図10は、鼻の周囲を境として、被験者の顔左側に実施例4のツーウェーケーキ(Aで表す)を、右側に比較例2のツーウェーケーキ(Bで表す)を均等に塗布し、ハロゲンランプによって光を顔に3分間照射した後、D.I.T.Iシステムで測定したのを示したものである。図10から分かるように、実施例3のツーウェーケーキを塗った顔の左側(Aで表す)は、比較例2のツーウェーケーキを塗った顔の右側(Bで表す)よりも青い色調の面積が大きい。特に、額、頬、口の周りなど光が90°近くで照射される部分での温度偏差が大きいことが分かる。すなわち、図10の結果から、本発明によるチタン酸亜鉛マグネシウムを含有するツーウェーケーキは、皮膚の温度調節機能が優れていることを確認することができた。
【0053】
実施例5および比較例3:ラッカーエナメル塗料
下記表5に示す組成比を有する白色ラッカーエナメル塗料を製造した。
【0054】
【表5】
Figure 0003566927
【0055】
試験例8:耐候性測定
実施例5および比較例3で製造した塗料の耐候性を評価するため、次のように実験を行った。塗布機を用いてガラス板上に0.1mm厚さの塗膜を作製し、サンテスター(Heraeus,米国)を用いて765W/mの強度で12時間紫外線を照射した。その後、グロスメーター(VGS,Nippon Denshoku,日本国)を用いて、光源の入射角と測定角をそれぞれ60°に固定して、紫外線照射による光沢の変化を測定した。得られた結果を下記表6に示す。
【0056】
【表6】
Figure 0003566927
【0057】
上記表6に示した結果から、本発明によるチタン酸亜鉛マグネシム無機顔料を含有する実施例5の塗料から形成された塗膜は、比較例3の塗料から形成された塗膜に比べ、優れた光沢保持効果を有していることが分かる。
【0058】
上述の実験結果から、本発明による化学式(I)の新規なチタン酸亜鉛マグネシウムは、紫外線、可視光線および赤外線の大部分を反射する特徴を有しており、光触媒活性が極めて低く、従って無機顔料に適した良好な性質を有していることが分かる。よって、本発明のチタン酸亜鉛マグネシウムを含有する化粧品または塗料組成物は、太陽から照射される紫外線、可視光線および赤外線を反射し、被覆体の温度上昇を抑制するのみならず、低温での優れた断熱特性を発揮するものであり、それゆえ、結果として、温度を調節する機能を示すものである。
【図面の簡単な説明】
本発明の性質および目的の徹底した理解のため、添付の図面を参照して詳細に説明すると次の通りである。
【図1】実施例1で得られたチタン酸亜鉛マグネシウムの光反射率を表すスペクトルである。
【図2】実施例1で得られたチタン酸亜鉛マグネシウムの粒子形状を示した電子顕微鏡写真(×10,000培)である。
【図3】実施例1で得られたチタン酸亜鉛マグネシウムのX線回折パターンである。
【図4】実施例1で得られたチタン酸亜鉛マグネシウムの光触媒活性を表したものである。
【図5】実施例2で得られたチタン酸亜鉛マグネシウムの粒子形状を示した電子顕微鏡写真(×10,000培)である。
【図6】実施例4および比較例2で得られた成形品を室温で保管した後、その温度分布をD.I.T.I.システム(Digital Infrared Thermal Imaging System)で測定した結果を表したものである。
【図7】実施例4および比較例2で得られた成形品を室温で一定期間保管した後、光を照射し、その温度分布をD.I.T.I.システムで測定した結果を表したものである。
【図8】実施例4および比較例2で得た成形品を冷蔵庫で冷却した後、その温度分布をD.I.T.I.システムで測定した結果を表したものである。
【図9】図9は何も化粧していない被験者の顔の温度分布をD.I.T.I.システムで測定した結果を表したものである。
【図10】実施例4および比較例2で得られた成形品を被験者の鼻を境に顔両側に均等に塗布し、光を照射した後、その温度分布をD.I.T.I.システムで測定した結果を表したものである。

Claims (8)

  1. 薄片状無機顔料を水相に分散した後、水溶性の塩であるチタン源化合物、水溶性の塩である亜鉛源化合物および水溶性の塩であるマグネシウム源化合物を、下記化学式(I)で定義した組成比によって水相に溶解または分散し、40〜80℃まで昇温し、次いでアルカリで滴定して濾過、洗浄、乾燥した後、焼結処理することを特徴とする、下記化学式(I)で示されるチタン酸亜鉛マグネシウムによってコーティングされた薄片状無機顔料の製造方法。
    Zn 2−x Mg ・yTiO (I)
    (式中、xは0.5〜1.5の実数を示し、yは1または2の整数を示す)。
  2. 薄片状無機顔料がタルク、マイカ、セリサイトおよびカオリンからなる群より選ばれた1種以上であり、水溶性の塩であるチタン源化合物が四塩化チタンおよび硫酸チタンより選ばれた1種以上、水溶性の塩である亜鉛源化合物が塩化亜鉛および硫酸亜鉛からなる群より選ばれた1種以上、水溶性の塩であるマグネシウム源化合物が硝酸マグネシウム、塩化マグネシウムおよび硫酸マグネシウムからなる群より選ばれた1種以上である請求項に記載の方法。
  3. 化学式(I)のチタン酸亜鉛マグネシウムと同じ組成を有するように加えられるチタン源化合物、亜鉛源化合物およびマグネシウム源化合物を、基材である薄片状無機顔料に対し10〜60wt%の範囲で用いる請求項またはに記載の方法。
  4. 滴定が水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニアよりなる群より選ばれる1種以上の水溶液で、水相のpHを7〜9.5の範囲に調節することによって行われるものである請求項に記載の方法。
  5. 乾燥して得られる粉末を700℃〜1300℃の温度範囲で1〜10時間焼結処理する請求項に記載の方法。
  6. 下記化学式(I)で示されるチタン酸亜鉛マグネシウムあるいはチタン酸亜鉛マグネシウムがコーティングされた薄片状無機顔料を含有することを特徴とする温度調節機能性組成物。
    Zn 2−x Mg ・yTiO (I)
    (式中、xは0.5〜1.5の実数を示し、yは1または2の整数を示す)。
  7. チタン酸亜鉛マグネシウムあるいはチタン酸亜鉛マグネシウムがコーティングされた薄片状無機顔料を、組成物全体に対し0.1〜60.0wt%含有し、さらに化粧品組成物であることを特徴とする請求項に記載の温度調節機能性組成物。
  8. チタン酸亜鉛マグネシウムまたはチタン酸亜鉛マグネシウムがコーティングされた薄片状無機顔料を、組成物全体に対し0.1〜80.0wt%含有し、さらに塗料組成物であることを特徴とする請求項に記載の温度調節機能性組成物。
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