JP3565822B2 - 網状構造の繊維からなる不織布およびその製造方法 - Google Patents
網状構造の繊維からなる不織布およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに相溶性のない重合体の混合物で構成されて極細の網状構造を有する繊維からなり、かつ緻密な構造を有する不織布、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
極細の繊維を用いた不織布を得る方法として、海島型多成分系のフィラメントを紡糸した後、一部のポリマー成分を溶媒で除去して繊維を得るとともに、得られた繊維どうしを接着して不織布を得ることが知られている。さらに、溶融ポリマーを紡糸ノズルから押し出して加熱流体で牽引させて細化させる、いわゆるメルトブローン法を適用することなどが知られている。しかしながら、多成分系フィラメントの一部のポリマー成分を溶媒で除去する方法は、ポリマーを溶解除去するためにいろいろな工程が必要となる。メルトブローン法によれば確かに極めて細い繊維が得られるが、このメルトブローン法は、溶融ポリマーの段階で細化をおこなうものであるため、延伸配向および結晶化が少なく、得られた繊維が極めて弱いという欠点を有している。
【0003】
一方、ポリマーの溶液から極細の繊維を得る方法として、いわゆるフラッシュ紡糸法が提案されている。フラッシュ紡糸法は、アメリカ特許第3081519号に記載されているように、低沸点溶媒によるポリマーの溶液を紡糸ノズルから押し出して、瞬間的に溶媒を気化させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この処方において得られる繊維は、いずれの素材に関しても単一重合体成分から成るものであるため、重合体に本来的に備わった短所を有し、これが製品の用途の展開上において限定を与えるという問題がある。この点は、特公昭41−6215号公報や特開平1−97256号公報に開示される技術も同様である。詳細には、オレフィン系重合体は、軽量性に優れているがモデュラスが低く、使用、着用感がなく、かつ独特のヌメリ感がある。エステル系重合体は、本来高強度繊維化に適した重合体であり、モデュラスも高いが、フラッシュ紡糸によっては強度の高い繊維が得られていないので、実用化されていない。
【0005】
本発明は、前記問題を解決し、特に、オレフィン系重合体の持つ欠点とエステル系重合体の持つ欠点とを相殺し、それらの長所を生かした極細の網状構造繊維からなる不織布、およびその製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記問題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達したものである。
【0007】
本発明にもとづく緻密な構造を有する不織布は、網状構造のフィブリル繊維にて構成され、この繊維は、フラッシュ紡糸法にて得られるとともに、互いに相溶性を有さないオレフィン系重合体成分からなる第1のフィブリル繊維とエステル系重合体成分からなる第2のフィブリル繊維とが混合状態で存在するように構成され、かつオレフィン系重合体成分とエステル系重合体成分との混合比が重量比で5/95から95/5の範囲であり、前記不織布は、前記網状構造のフィブリル繊維間が全体にわたって接着されているか、または部分的に接着されている。
【0008】
本発明にもとづく緻密な構造を有する不織布の製造方法は、互いに相溶性を有さないオレフィン系重合体とエステル系重合体との混合重合体を、オレフィン系重合体とエステル系重合体との混合比が重量比で5/95から95/5の範囲となるように、溶媒のもとで、高温高圧下で、溶解して一浴相とし、その後、重合体と溶媒とを相分離させた状態の下でノズルから紡出させて、オレフィン系重合体成分からなる第1のフィブリル繊維とエステル系重合体成分からなる第2のフィブリル繊維とが混合状態で存在する網状構造のフィブリル繊維を作り、この繊維をウェブとし、その後、ロール群を用いてこのウェブを熱圧着させて、網状構造のフィブリル繊維間を全体にわたって接着するものである。
【0009】
本発明にもとづく不織布の他の製造方法は、互いに相溶性を有さないオレフィン系重合体とエステル系重合体との混合重合体を、オレフィン系重合体とエステル系重合体との混合比が重量比で5/95から95/5の範囲となるように、溶媒のもとで、高温高圧下で、溶解して一浴相とし、その後、重合体と溶媒とを相分離させた状態の下でノズルから紡出させて、オレフィン系重合体成分からなる第1のフィブリル繊維とエステル系重合体成分からなる第2のフィブリル繊維とが混合状態で存在する網状構造のフィブリル繊維を作り、この繊維をウェブとし、その後、エンボス加工機を用いてこのウェブを部分的に熱圧着させて、網状構造のフィブリル繊維間を部分的に接着するものである。
【0010】
このように本発明によれば、高度にフィブリル化された極細の繊維にて構成された緻密な構造の不織布を得ることができる。このうち網状構造の繊維間が全体にわたって接着されている不織布は、封筒、包材、フロッピースリーブ、防水材、ラベル、保温材、合成紙、衛生材用の保護材としての保護服、カーテン、シーツ、ワイパー、フィルター、ハウスラップ等の汎用の用途に適する。また網状構造の繊維間が部分的に接着されている不織布は、衣服、保温材、医療衛生材用としての保護衣料、カーテン、シーツ、ワイパー、フィルター、ハウスラップ、テント、人工皮革等の汎用の用途に適する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の不織布を構成する網状構造の繊維を詳細に説明する。
本発明でいう網状構造の繊維とは、0.01〜10μm相当のフィブリル繊維が三次元の網状状態でかつ糸条の長手方向にエンドレスに構成された状態の繊維群をいう。
【0012】
この繊維を構成する成分は、互いに相溶性を有さない重合体成分からなることが必要である。この互いに相溶性を有さないことで、混合した重合体成分が独立で存在することになり、個々の重合体の本質的な繊維特性をこの繊維が有することを意味する。一般的に、互いに相溶性がない重合体の混合繊維は物理的な力で互いの成分に分割され易いことが知られている。本発明の繊維は、互いに相溶性を有さないため、極めて細かい重合体単体のフィブリル繊維が主体的に構成されることになる。このための具体的な重合体成分の組み合わせとは、オレフィン系重合体とエステル系重合体との組み合わせをいう。
【0013】
繊維を構成する重合体成分のうち、オレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはエチレンを主体とする共重合体、プロピレンを主体とする共重合体等が挙げられる。
【0014】
これらの重合体のうち、エチレン系重合体の粘度は、ASTM−D−1238Eの方法で測定したメルトインデックス値が0.3〜30g/10分であることが好ましい。メルトインデックス値が0.3g/10分未満となると、混合溶液の粘度が上がりすぎて極細のフィブリル繊維が得られにくくなる。またメルトインデックス値が30g/10分を超えると、繊維自体の強度が低下すると共に繊維のヌメリ感、粘着性が増加してハンドリングの悪い繊維となる傾向にある。
【0015】
プロピレン系重合体の粘度は、ASTM−D−1238Lの方法で測定したメルトフローレート値が1〜40g/10分であることが好ましい。メルトフローレート値が1g/10分未満となると、混合溶液の粘度が上がりすぎて極細のフィブリル繊維が得られにくくなる。またメルトフローレート値が40g/10分を超えると、繊維自体の強度が低下すると共に繊維のヌメリ感、粘着性が増加してハンドリングの悪い繊維となる傾向にある。
【0016】
繊維を構成するもう一方の重合体成分であるエステル系重合体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。更にこれらを主体成分とするとともに、イソフタル酸、フタル酸、グルタール酸、アジピン酸、スルホイソフタル酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール等を共重合成分として40モル%までの範囲で含有するものも、同等に用いることができる。重合体の粘度は、テトラクロールエタンとフェノールとの混合比率1/1(重量比)で20℃で濃度0.5%で測定した相対粘度ηrel が1.3〜1.6程度の繊維グレードから、固相重合によって作られた高粘度樹脂(相対粘度1.7)まで適用できる。重合体の粘度が高い程、繊維強度が上がり好ましい方向にある。
【0017】
繊維を構成する成分は、互いに相溶性を有さず、共に融点が100℃以上である成分で少なくとも構成された混合重合体成分からなる必要がある。互いに相溶性を有さないことが必要である理由は前記した通りであり、共に融点が100℃以上である重合体成分が必要である理由は、実用的な観点からの規制による。融点が100℃未満のものは、沸騰水でも溶融してしまい、実用面から用途の展開上極めて限定されてしまう。したがって、融点が120℃以上であると更に好ましい。次に「少なくとも構成された」とは、前記混合重合体成分が繊維中の構成割合で50重量%以上を占めることをいう。50重量%未満であると、オレフィン系重合体とエステル系重合体との特質が失われることになるので、好ましくない。
【0018】
この繊維において、オレフィン系重合体とエステル系重合体との混合比(重量比)は5/95〜95/5であることが好ましい。オレフィン系、エステル系個々の重合体の混合比がこの範囲よりも小さいと、個々の重合体の特質が失われるので好ましくない。詳細には、オレフィン系重合体の混合比が5重量%未満であると、軽量性と繊維強度とが低下する。エステル系重合体の混合比が5重量%未満であると、繊維のモデュラスが低下し、布帛とした場合の腰や、使用・着用感がなくなり、かつオレフィン系重合体の独特のヌメリ感が発生してくる。従ってより好ましい混合比は、15/85〜85/15であり、最も好ましい混合比は、25/75〜75/25である。
【0019】
次に、網状構造の繊維を製造するための一方法を説明する。この繊維を製造するためには、一般に公知のフラッシュ紡糸方法を適用することができる。以下、その具体的な方法について説明する。
【0020】
まず、オレフィン系重合体と、エステル系重合体との混合重合体を、これら重合体がいずれも低温では溶解せず、高温高圧下で溶解する溶媒を用いて、その溶媒のもとで、高温高圧下で溶解する。そして、一浴相とした後、重合体と溶媒とを相分離させた状態下でノズルから紡出する。これにより、上記繊維を製造できる。
【0021】
この溶媒としては、一般的に知られている、芳香族炭化水素例えばベンゼン、トルエン等や、脂肪族炭化水素例えばブタン、ペンタン及びその異性体及び同族体等や、脂環族炭化水素例えばシクロヘキサンや、不飽和炭化水素等が挙げられる。また、ハロゲン化炭化水素例えばトリクロルメタン、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム、1,1−ジクロル−2,2−ジフルオルエタン、1,2−ジクロル−1,1−ジフルオルエタン、塩化メチル、塩化エチル等が挙げられる。さらに、アルコール類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、フルオルカーボン類等が挙げられる。またさらに、上述した溶剤の混合物等が挙げられる。近年、地球環境問題が叫ばれている中で、特にオゾン層を破壊する溶媒の使用は避けなければならない。この環境問題も含めて、本発明に望ましい溶媒としては、塩化メチレン、1,1−ジクロル−2,2−ジフルオルエタン、1,2−ジクロル−1,1−ジフルオルエタン等が挙げられる。
【0022】
重合体の濃度範囲は、重合体の重合度、溶媒種類、加圧状態によって一概に限定出来ないが、紡糸混合溶液中の重合体濃度が5〜30重量%、溶媒濃度が70〜95重量%になるようにすることが好ましい。重合体の濃度が5重量%未満では連続状の長繊維が得られにくく、30重量%を超えるとフィブリル化せずに気泡を含有したような筒状の繊維となり、極細の高強度フィブリル繊維が得られにくくなる。溶媒濃度は、70重量%未満では、紡糸混合溶液の溶液粘度が高くなりすぎて重合体の溶解が均一になりにくく、極細のフィブリル繊維とならず、空洞を持った繊維となる傾向にある。また、95重量%を超えると、フィブリル繊維からなる網状構造繊維が連続的とならないので好ましくない。
【0023】
紡糸混合溶液を作成する前に、あるいは後で、不活性ガスに代表される窒素等を添加注入することは、紡糸圧力を高める上で非常に望ましい。特に昇温前から不活性ガスを添加すると、重合体の劣化が防止されるとともに昇温性が向上され、重合体の溶媒に対する溶解性が促進され、極めて極細のフィブリル網状構造繊維を製造できる等の点で都合がよい。
【0024】
網状構造の繊維を製造する際には、繊維の延伸及び配向は溶媒の気化に伴う爆発力によってなされ、繊維の強度はその繊維が充分に延伸され配向しているかどうかで決定されることが多い。この爆発力とは、瞬時の速度による気化力である。速度的には0.1秒以下の時間で溶媒が一気に気化し、その過程では短時間に重合体の濃度増加が生じ、最終的には混合重合体のみが析出する。溶媒の気化によって析出した混合重合体は冷却される。繊維の強度にはこの冷却過程がもっとも重要であり、高強度の繊維を得るためには、フラッシュ流による冷却とその速度に依存する延伸配向とが十分になされなければならない。本発明の製造方法においては、互いに相溶性を有しない重合体を使用するため、このフラッシュ流によってフィブリル化が十分に促進され、極めて極細のフィブリル繊維ができる。
【0025】
この製造方法を実行する際には、互いに相溶性を有しない重合体を使用することから、溶媒に重合体が溶解しても重合体同士が分離し易いため、表面活性剤を添加することが好ましい。この表面活性剤の添加は、紡糸混合溶液を乳化状態で安定に保つため有効であり、一般的にはノニオン系の表面活性剤を適用できる。表面滑性剤としては、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸の各モノエステルや、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられる。均一な混合溶液とすればする程、極めて極細のフィブリル網状構造繊維が得られることになる。
【0026】
この製造方法を実行する際には、紡糸混合物の溶解、紡糸温度は、170℃以上かつ240℃以下が好ましい。特にエステル系重合体は溶媒存在下では粘度低下が大きいため、240℃を超えると、繊維の着色が見られたり、分解が促進されて強度的に高い繊維が得られないことがあったりするので好ましくない。また、170℃未満では、極細のフィブリル繊維とならず、空洞部を持つ筒状の繊維となるので好ましくない。
【0027】
この製造方法を実行する際の紡糸混合物の溶解状態の持続時間は、前記溶解、紡糸温度との兼ね合いがあって一概に限定できない。すなわち、温度が高いと溶解持続時間はできるだけ少なくすることが必要であり、温度が比較的低ければ、溶解持続時間は長くてもさしつかえない。敢えて溶解持続時間を示せば、5分以上90分以内であることが好ましい。紡糸混合物の溶解持続時間が90分を超えると、エステル系重合体の着色や熱分解性が生じたり、繊維強度が低下したりすることがある。また溶解持続時間が5分未満であると、重合体の溶解が不十分となって、フィルター内でのつまりの問題や、均一な繊維を製造する点での問題が生じることがあるので好ましくない。
【0028】
重合体が溶解された混合溶液の紡出時の圧力は、溶媒量、重合体濃度、不活性ガスの添加量によって一概に限定されないが、通常60kg/cm2 以上が好ましい。60kg/cm2 未満ではフラッシュ紡糸時の爆発力が低下して繊維の配向が低くなり、高強度の繊維が得られない。また、不均一な吐出となり、安定な高フィブリル状態の繊維を紡出することができないという問題が生じる。上限の圧力は、特に限定できないが、重合体の粘度低下を抑える観点から、180kg/cm2 が好ましい。
【0029】
フラッシュ紡糸を行なう際には、紡糸混合溶液を自生圧力下または圧力降下室を経て紡出する。紡出する際のノズルは、一般に公知のものを適用することができる。
【0030】
なお、重合体あるいは紡糸混合溶液中には、一般に繊維に用いられる艶消し剤、耐光剤、耐熱剤、顔料、開繊剤、耐候剤、紫外線吸収剤、蓄熱剤、安定剤等を、本発明にもとづく効果が損なわれない範囲で添加することができる。
【0031】
次に、本発明にもとづく、網状構造の繊維間が全体にわたって接着された構成の、緻密な構造を有する不織布およびその製造方法を詳細に説明する。
この不織布は、上述の網状構造の繊維を用いることによって得られる。
【0032】
ここで、緻密な構造を有する不織布とは、見掛け密度が0.2g/cm3 以上で、前述の極細の網状構造繊維が密に接着された状態の不織布を言う。
また本発明の不織布を構成する繊維は、互いに相溶性を有さないため、極めて細かい重合体単体のフィブリル繊維が主体的に構成される。この繊維が極細となればなるほど不織布とした場合に緻密な構造が得られることとなり、通常の不織布に比べ更に小さな菌まで透過させない高度なバクテリアバリアー性を有することになる。
【0033】
本発明の不織布は、網状構造を持つ繊維間が全体にわたって接着されていることが必要である。このことは、極めて細かなフィブリル網状構造の繊維同士が接触点で密に接着されていることを意味し、スポット的に接着されたものではない。換言すると、極めて細かなフィブリル繊維同士の接触点で接着されているため、極めて緻密な構造を持つ不織布となり、強力、バクテリアバリア性、耐水圧及び透湿性等のすぐれた不織布となる。
【0034】
したがって、本発明の不織布は、その物性として、目付け100g/m2 当りに換算した強力が20kg/5cm以上であることが好ましい。強力が20kg/5cm未満であると、汎用的な用途に使えなくなり、不織布の用途が極めて限定されるからである。
【0035】
湿気を放散させる性能を示す透湿度は、100g/m2 /hr以上が好ましい。透湿度が100g/m2 /hr未満であると、湿気が放散されにくくなるため、衣料やハウスラップとして用いた場合には湿気が充満し、ひいては結露が生じ、不快感を伴ったり、かびが発生して不衛生となったりする。したがって、透湿度はその数値が高ければ高い程よい。
【0036】
耐水圧は、50cm以上が好ましい。耐水圧は水等の液体が通過しにくいことの指標であり、50cm未満であると、水等の液体が通過し、それと共に菌も通過して、バクテリアバリア性が低下する。そのために、衛生材保護衣料に適用することが出来なくなる。したがって、耐水圧はその数値が高ければ高い程よい。
【0037】
上記不織布の製造方法を以下に説明する。
本発明にもとづき不織布を製造するためには、まず不織布を構成する網状構造の繊維を製造しなければならないが、この網状構造の繊維の製造に際しては、上述の通りのフラッシュ紡糸方法が適用される。
【0038】
紡糸用の混合溶液がノズルより紡出されると、フラッシュ流と析出繊維とが回転板に衝突して網状構造の繊維が綾振りされた後、開繊が行なわれる。この網状構造の繊維の形成過程は、前述の通りである。開繊方法としては、回転板による摩擦帯電法とその後のコロナ放電による方法とがあり、どちらの方法を用いてもよく、また併用してもよい。
【0039】
このように開繊された網状構造の繊維をコンベヤ上に堆積させて繊維ウェブとした後、この繊維ウェブをロール群を用いて熱圧着する。熱圧着条件としては、温度条件を、繊維を構成する重合体の中で最も低い融点を持つ重合体の融点マイナス40℃以上かつその融点以下とするとともに、線圧の条件を、0.5kg/cm以上かつ20kg/cm以下として最終的に選定するのがよい。あらかじめ室温下のロール群で圧着した後、前記条件下で更に圧着すると、フィブリル繊維の接触点で強固に接着するので、より好ましい。
【0040】
重合体の融点マイナス40℃未満の温度を最終的に適用すると、繊維間全体にわたっての接着性が低下し、不織布強力が低下するので好ましくない。また重合体の融点を超えた温度で熱圧着すると、繊維が溶融し、極細のフィブリル繊維を得た効果が低下するので、好ましくない。
【0041】
一方、線圧については、0.5kg/cm未満であると、繊維間全体にわたっての接着性が低下し、不織布強力が低下するので好ましくない。また、20kg/cmを超えると繊維層がフィルム化する傾向があるので好ましくない。
【0042】
上述のロール群は、スチールロール、ゴムロール、樹脂ロールを組み合わせて用いればよい。スチールロールを適用する場合には、フッ化エチレン樹脂やゴム等をコーティングすると、得られる不織布に異様な光沢が生じることを防止出来るので好ましい。ロールは、2〜30個用いることが出来る。このようなロール群のための一般的な装置として、カレンダーロール機と呼ばれる装置を使用することが最も好ましい。
【0043】
本発明の不織布において、目付けの調整は、前記綾振り状態やコンベヤ速度を変更することで行えるが、大幅な目付け変更は、形成されたウェブまたは不織布を積層することにより可能である。
【0044】
次に、本発明にもとづく、網状構造の繊維間が部分的に接着された構成の、緻密な構造を有する不織布およびその製造方法を詳細に説明する。
この繊維間が部分的に接着された不織布も、上述の網状構造の繊維を用いることによって得られる。
【0045】
この場合の不織布は、網状構造を持つ繊維間が部分的に接着されていることが必要である。このことは、極めて細かなフィブリル網状構造の繊維同士が、混繊された状態で、しかも低融点成分である重合体によって、ある区域をもって部分的に接着されていることを意味し、全体的に接着されているものではない。換言すると、極めて細かなフィブリル繊維同士が、低融点成分である重合体によって部分的に接着されていることにより、不織布の形態が保持される。部分的に接着されていない部分の繊維が極めて細かなフィブリル網状構造の繊維で構成されているため、緻密な構造を持ちながら柔軟な不織布となり、強力、透湿性等のすぐれた不織布となる。また、このように緻密な構造となるので、必然的にバクテリアバリア性も有する。
【0046】
この部分的に接着した状態は、接着面積率で表すことができる。接着面積率は、不織布の小片を用い、走査型電子顕微鏡で拡大撮影し、最小繰り返し単位の面積に対して点接着されている部分の面積の総和の比率を個々に10回測定したときの平均値にもとづいて、測定されるものである。接着面積率は50%以下が好ましい。50%を超えると、接着部が多くなって不織布中の固定されていない繊維の自由性が規制され、不織布の風合いが硬くなって柔軟性に欠ける傾向がある。また接着面積率が余りにも小さいと不織布としての形態性が低下するため、実用的には4%以上が好ましい。このことから、5%以上かつ30%以下がもっとも好ましい。
【0047】
この部分的に接着した状態は、接着点密度によっても表すことができる。接着点密度は、不織布の小片を用い、走査型電子顕微鏡で拡大撮影し、最小繰り返し単位の面積に対して点接着されている部分の個数の総和の比率を平方センチメートル当たりに換算し、個々に10回測定したときの平均値で算出したものである。接着点密度は、15個/cm2 以上かつ120個/cm2 以下であることが好ましい。15個/cm2 未満となると不織布の形態性が低下し、さらに不織布の耐摩耗性が低下して、毛羽立ちといった問題が発生するのでよくない。このために接着点密度は、高くなればなるほど実用的な問題が少なくなるのでよいが、余りに高すぎると、不織布の風合いが硬くなって柔軟性に欠けることがある。したがって120個/cm2 以下であることが好ましい。以上のことから、さらに好ましい範囲としては、20個/cm2 以上かつ100個/cm2 以下、最も好ましい範囲としては30個/cm2 以上かつ90個/cm2 以下を選定すればよい。
【0048】
これら接着面積率と接着点密度とが共に前記の範囲内にあることがより好ましい。
これら接着部分の形態は、丸形、楕円形、菱形、三角形、T形、−形、井形もしくは格子形等の任意のものであってよい。
【0049】
この不織布の物性は、目付け100g/m2 当たりに換算した強力が5kg/5cm以上であることが好ましい。強力が5kg/5cm未満であると実用的に問題を生じることがあり、不織布の用途が極めて限定されるからである。
【0050】
この不織布の圧縮剛軟度は、200g以下であることが好ましい。圧縮剛軟度は不織布の柔軟性を表すものであり、その値が小さいほど柔軟性に富むものとなる。ここで圧縮剛軟度は、以下の方法で測定されたものである。まず不織布の機械方向(縦方向)に50mmの試料幅をとり、この方向と直交する方向に100mmの試料長をとった試料片を5個準備して、個々の試料片を試料長方向に曲げて円筒状とし、その両端部を接合して試料とした後、東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−4−1−100を用い、50mm/分の圧縮速度で試料を幅方向に圧縮し、その最大荷重時の応力を測定し、その平均値を不織布の目付けで割り、100g/m2 当たりに換算した値をもって、圧縮剛軟度とされたものである。不織布の圧縮剛軟度が200gを超えると柔軟性が低下し、粗硬感が現れるので好ましくない。したがって、より好ましくは160g以下、最も好ましくは120g以下とするのがよい。
【0051】
この不織布の透湿度は、100g/m2 /hr以上が好ましい。透湿度は湿気を放散させる性能を示すものであり、その値が大きい程、その性能が優れることを表すものである。透湿度が100g/m2 /hr未満であると、湿気が放散されにくくなるため、衣料やハウスラップとして用いた場合には湿気が充満し、ひいては結露が生じ、不快感を伴ったり、かびの発生が生じて不衛生となったりする。したがって、透湿度はその数値が高ければ高い程よい。
【0052】
この不織布の目付けは、厚いものでは500g/m2 でも可能であるが、通常、20〜200g/m2 が適用される。
上記不織布の製造方法を以下に説明する。この不織布を製造するためには、先ず不織布を構成する網状構造の繊維を製造しなければならないが、この網状構造の繊維の製造に際しては、上述の通りのフラッシュ紡糸方法が適用される。
【0053】
紡糸用の混合溶液がノズルより紡出されると、フラッシュ流と析出繊維とが回転板に衝突して網状構造の繊維が綾振りされた後、開繊が行なわれる。この網状構造の繊維の形成過程は、前述の通りである。開繊方法としては、回転板による摩擦帯電法とその後のコロナ放電による方法とがあり、どちらの方法を用いてもよく、また併用してもよい。
【0054】
このように開繊された網状繊維をコンベヤ上に堆積させて繊維ウェブとした後、この繊維ウェブをエンボス加工機を用いて部分的に圧着する。エンボス加工機には、熱エンボス加工機や超音波によるピンソニック加工機がある。
【0055】
熱エンボス加工機の場合の熱圧着条件としては、温度条件を、融点マイナス40℃以上、かつ繊維を構成する重合体の中で最も低い融点を持つ重合体の融点以下とするとともに、線圧の条件を、0.5kg/cm以上かつ50kg/cm以下で選定するのがよい。なお、この範囲の線圧付与下の条件で、0.02mm〜0.2mmのクリアランスを取って加工してもよい。クリアランスを取るのは、圧着点が完全に融着してフィルム化するのを防止する場合であり、適宜用途に応じた使い分けをすればよい。また、室温下のロールであらかじめ仮圧着した後、前記条件下でエンボス加工すると、フィブリル繊維ウェブの乱れが生じないので好ましい。エンボス加工時に重合体の融点を超える温度で熱圧着すると、繊維が溶融し、ローラにウェブが取られてシート化できないことがある。また極細の網状構造の繊維が融着して、極細のフィブリル繊維を得た効果が低下するので、好ましくない傾向がある。一方、重合体の融点マイナス40℃よりも低い温度を最終的に適用すると、繊維間の接着性が低下し、不織布強力が低下するので好ましくない。
【0056】
一方、線圧については、0.5kg/cm未満であると、繊維間の圧着点での接着性が低下し、不織布強力が低下するので好ましくない。また、50kg/cmを超えると圧着点がフィルム化する傾向があり、さらにそれを過ぎると穴あきの不織布となるので好ましくない。
【0057】
ピンソニック加工機の場合の圧着条件とては、例えば20kHz 程度の超音波による振動で繊維間を部分的に融着させて、不織布形態を保持させればよい。融着の度合いは、超音波の振幅を変えることによって任意に選定すればよい。この超音波融着法を適用すれば、熱融着性の大きなウェブを接着するときに接着部以外は熱の影響をほとんど受けないので、不織布全体としては熱収縮性を維持したまま保持されることになる。このため、熱収縮性の高い不織布を製造するときには、その効果がさらに発揮される。
【0058】
これらのエンボス加工機のエンボス形態は、一般的には突起した模様を持つ彫刻ロールとフラットロールとで形成される。突起した模様は、前述の接着面積率と接着点密度を主に規制することで構成できる。これらの彫刻ロールの突起部の先端面形状は、丸形、楕円形、菱形、三角形、T形、−形、井形もしくは格子形等の任意の形状を採用することができる。
【0059】
なお、本発明の範囲を逸脱しなければ、エンボス加工の前後で、さらに別の条件下または前記の条件下で他のエンボス加工を施してもよく、またカレンダー加工を併用してもよい。
【0060】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例における各種特性の測定及び評価は、次の方法により実施した。
【0061】
重合体の融点;
パーキンエルマ社製の「示差走査型熱量計DSC−2型」を用い、昇温速度20℃/分で測定した融解吸収曲線の極値を与える温度を融点とした。
【0062】
繊維の繊度;
JIS L−1090に従って、正量繊度を求めた。
比表面積;
日本ベル株式会社製の「BELSORP28」を用い、BET窒素吸着法によって繊維の比表面積を測定し、m2 /gで求めた。
【0063】
染色性;
下記の分散染色またはカチオン染色を実施した後、還元染色を行い、更に水洗して乾燥した後、繊維の染色性を次の如く評価した。
【0064】
◎ 極めて良好、 ○ 良好、
△ やや良好、 × 不良
分散染色;
分散染料Blue E−FBL(住友化学製)を1%owf、分散剤 Disper−TL (明成化学製)を1g/リットル、かつ助剤として蟻酸を0.1g/リットル準備し、浴比1:50として60分間ボイル染色した。
【0065】
カチオン染色;
カチオン染料「Astrazon Blue FFR (バイエル社製)」を1%owf、均染剤「ミグレガールWA−10(センカ製)」を0.5g/リットル、かつ助剤として硫酸ソーダを10%owfを準備し、浴比1:50として60分間ボイル染色した。
【0066】
還元染色;
精練剤として「サンモ−ルRL−100(日華化学社製)」を1g/リットル、ハイドロサルファイトを2g/リットル、かつカセイソーダを1g/リットル準備し、浴比1:50として、80℃で20分間処理を行った。
【0067】
不織布のKS強力、引張伸度;
東洋ボールドウイン社製の「テンシロン UTM−4−1−100」を用い、JIS L−1096に記載のストリップ法にしたがい、 試料幅 5cm、試料長20cmの試料片を10個準備し、掴み間隔10cm、引張速度10cm/分で測定した。 その場合の個々の最大の引張強力を平均化し、100g/m2 に換算した値を持ってKS強力とした。また、その時の最大伸度を平均化して、不織布の引張伸度とした。
【0068】
不織布の見掛け密度;
試料幅10cm、試料長10cmの試料片を計5個準備して、各試料ごとに目付けを測定した後、大栄科学精機製作所製の厚さ測定器を用いて、4.5g/cm2 の荷重を印加し、10秒放置した後の厚さを測定し、次式により見掛け密度を算出して、その平均値を不織布の見掛け密度とした。
【0069】
見掛け密度(g/cm3) =目付け(g/m2)/厚さ(mm)/1000
不織布の透湿度;
JIS−L 1099−A−1に準じ、温度40℃、湿度90%の条件下で透湿度(g/m2 /hr)を測定した。
〔実施例1〕
10リットルのオートクレーブを用い、融点132℃、密度0.96g/cm3 、かつメルトインデックス値が0.8g/10分である高密度ポリエチレン600gと、融点256℃、かつ相対粘度ηrel が1.7であるポリエチレンテレフタレート900gと、溶媒としての塩化メチレンとを、このオートクレーブに充填した。また、表面活性剤として、ポリオキシエチレンが3モル付加されたラウリルエーテルとイソトリデシルステアレートとを、前記混合重合体に対し、各0.2重量%添加した。そしてオートクレーブを閉じ、引き続き、窒素を20kg/cm2 になるまでこのオートクレーブに注入して、適度な速度で撹拌を開始すると共に加熱も開始した。各成分の溶液濃度は、重合体の濃度が20重量%、溶媒濃度が80重量%であった。
【0070】
温度100℃に達してから温度220℃に達するまでの時間は40分間であり、温度220℃に達してから10分間撹拌を継続して均一溶液を得た。このときの圧力は109kg/cm2 のゲージ圧を示した。次に、高圧窒素ガスの連続注入装置により、オートクレーブの圧力が110kg/cm2 になるように加圧しながら、直ちに3個のバルブを開放して、圧力降下室を持つ孔径0.75φ、L/D=1の3個のノズルよりの紡出を行った。これを回転板に衝突させ、その後に開繊し、移動するコンベヤネット上に堆積してウェブとした。圧力降下室の圧力は92kg/cm2 であった。
【0071】
次にこのウェブを積層し、3対のローラーを持つ油圧式クリアランスカレンダー機に通し、目付け50g/m2 の不織布を製造した。このカレンダー機の上部ローラーはいずれも表面がウレタンゴム製であり、下部ローラーはスチール表面にフッ素樹脂コーティングしたもので加熱ローラーであった。1対目のローラーから3対目のローラーまでの温度、線圧はそれぞれ60、120、125℃、0.3、0.8、1.5kg/cmとした。
【0072】
得られた不織布は、繊維のフィブリル状態が極めて良好で、着色は見られず、しかもこの繊維が全面にわたって接着された構成とされているため、不織布強力も高く、透湿性、耐水圧も高いものであった。またこの不織布を分散染料を用いて染色したところ、鮮明に染色できることを確認できた。この不織布の特性は、次の通りであった。
【0073】
比表面積 :31 m2 /g
不織布KS強力(MD/CD ):38.4/39.8 kg/5cm
不織布伸度(MD/CD ):18/26 %
見掛密度 :0.40 g/cm3
透湿性 :280 g/m2 /hr
耐水圧 :180 cmH2 O
染色性 :◎
〔実施例2〕
実施例1と同じ装置を用い、融点162℃、密度0.910g/cm3 、かつメルトフローレート値が4g/10分であるポリプロピレン400gと、融点256℃、かつ相対粘度ηrel が1.6であるポリエチレンテレフタレート1100gと、溶媒としての塩化メチレンとをオートクレーブに充填した。また、表面活性剤として、ポリオキシエチレンが3モル付加されたラウリルエーテルとイソオクチルラウレートとを、前記混合重合体に対し、各0.2重量%添加した。オートクレーブを閉じ、引き続き、窒素を40kg/cm2 になるまでオートクレーブに注入して、適度な速度で撹拌を開始すると共に加熱も開始した。溶液中の混合重合体の濃度は20重量%、溶媒の濃度は80重量%であった。
【0074】
温度100℃に達してから温度200℃に達するまでの時間は30分間であり、温度200℃に達してから10分間撹拌を行なって均一溶液を得た。このときの圧力は118kg/cm2 のゲージ圧を示した。次に、高圧窒素ガスの連続注入装置により、オートクレーブの圧力が120kg/cm2 になるように加圧しながら、直ちに3個のバルブを開放して、圧力降下室を持つ孔径0.75φ、L/D=1の3個のノズルよりの紡出を行った。これを回転板に衝突させた後、開繊し、移動するコンベヤネット上に堆積してウェブとした。圧力降下室の圧力は99kg/cm2 であった。次にこのウェブを積層し、カレンダー機における1対目のローラーから3対目のローラーまでの温度をそれぞれ60℃、150℃、155℃とした以外は実施例1と同様にして、目付け100g/m2 の不織布を製造した。
【0075】
得られた不織布は、繊維のフィブリル状態が極めて良好で、着色は見られず、しかもこの繊維が全面にわたって接着された構成となっているため、不織布強力も高く、透湿性、耐水圧も高いものであった。またこの不織布を分散染料を用いて染色したところ、鮮明に染色できることを確認できた。得られた不織布の特性は、次の通りであった。
【0076】
比表面積 :29 m2 /g
不織布KS強力(MD/CD ):32.3/33.6 kg/5cm
不織布伸度(MD/CD ):22/29 %
見掛密度 :0.47 g/cm3
透湿性 :263 g/m2 /hr
耐水圧 :159 cmH2 O
染色性 :◎
〔実施例3〕
融点が247℃、相対粘度ηrel が1.3であるスルホイソフタル酸を5モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、溶解および紡出温度を200℃とした他は実施例2と全く同じ条件で不織布を製造した。溶解時の圧力は119kg/cm2 、降下室の圧力は100kg/cm2 であった。
【0077】
得られた不織布は繊維のフィブリル状態が極めて良好で、着色は見られず、しかもこの繊維が全面にわたって接着された構成とされているため、不織布強力が高く、透湿性、耐水圧も高いものであった。またこの不織布をカチオン染料を用いて染色したところ、鮮明に染色できることを確認できた。この不織布の特性は、次の通りであった。
【0078】
比表面積 :28 m2 /g
不織布KS強力(MD/CD ):29.2/30.1 kg/5cm
不織布伸度(MD/CD ):17/25 %
見掛密度 :0.39 g/cm3
透湿性 :278 g/m2 /hr
耐水圧 :172 cmH2 O
染色性 :◎
〔実施例4−8 比較例1、2〕
実施例1の装置を用い、融点132℃、密度0.96g/cm3 、かつメルトインデックス値が0.6g/10分である高密度ポリエチレンと、融点256℃、かつ相対粘度ηrel が1.4であるポリエチレンテレフタレートとの混合割合を変更しながら、溶媒としての塩化メチレンの量は6200g一定として、オートクレーブに充填した。表面活性剤として、ポリオキシエチレンが3モル付加されたラウリルエーテルとイソオクチルラウレートとを、前記混合重合体に対し、各0.2重量%添加し、オートクレーブを閉じた。引き続き、窒素を40kg/cm2 になるようにオートクレーブに注入して、適度な速度で撹拌を開始すると共に加熱も開始した。
【0079】
各成分の溶液濃度は表1の如くとなり、温度100℃に達してから温度200℃に達する時間は35分間であり、温度200℃に達してから10分間撹拌を継続して均一溶液を得た。このときの圧力はほぼ110kg/cm2 のゲージ圧を示した。次に、高圧窒素ガスの連続注入装置により、オートクレーブ内の圧力が110kg/cm2 に維持されるように通圧しながら、直ちに3個のバルブを開放して紡出を行い、実施例1と同じようにしてウェブ形成し、不織布を得た。
【0080】
その結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
表1から明らかなように、実施例4−8においては、ポリエステルの混合割合が増加するほど分散染料による染色性も良好となる傾向にある中で、得られた不織布は極めて良好なフィブリル繊維状態であり、着色はなかった。しかもこの繊維が全面にわたって接着されて構成されているため、不織布強力が高く、透湿性、耐水圧も高いものであった。
【0082】
比較例1においては、得られた不織布はフィブリル状態が良好で、不織布強力も比較的高いものであったが、ポリエステルを全く含有していないため、染色性が不良であった。
【0083】
比較例2においては、ポリエチレンを全く含有していないため、得られた不織布は分散染料による染色性は良好であったが、フィブリル状態が余り良くなく、しかも不織布強力、透湿性、耐水圧共に低いものであった。
〔実施例9〕
融点228℃、かつ相対粘度ηrel が1.7であるポリブチレンテレフタレートを用い、溶解および紡出温度を200℃とした他は実施例6と全く同じ条件で不織布を製造した。溶解時の圧力は112kg/cm2 、降下室の圧力は93kg/cm2 であった。
【0084】
得られた不織布は繊維のフィブリル状態が極めて良好で、着色は見られず、しかもこの繊維が全面にわたって接着された構成とされているため、不織布強力が高く、透湿性、耐水圧も高いものであった。またこの不織布を分散染料を用いて染色したところ、鮮明に染色できることを確認できた。この不織布の特性は、次の通りであった。
【0085】
比表面積 :31 m2 /g
不織布KS強力(MD/CD ):36.3/37.4 kg/5cm
不織布伸度(MD/CD ):21/29 %
見掛密度 :0.37 g/cm3
透湿性 :292 g/m2 /hr
耐水圧 :191 cmH2 O
染色性 :◎
〔実施例10〕
10リットルのオートクレーブを用い、融点132℃、密度0.96g/cm3 、かつメルトインデックス値が0.8g/10分である高密度ポリエチレン600gと、融点256℃、かつ相対粘度ηrel が1.7であるポリエチレンテレフタレート900gと、溶媒としての塩化メチレンとを、このオートクレーブに充填した。また、表面活性剤として、イソオクチルステアレートとイソステアリルエステルとを、前記混合重合体に対し、各0.2重量%添加した。オートクレーブを閉じ、引き続き、窒素を20kg/cm2 になるようにオートクレーブに注入して、適度な速度で撹拌を開始すると共に加熱も開始した。なお各成分の溶液濃度は、重合体の濃度が20重量%、溶媒濃度が80重量%であった。
【0086】
温度100℃に達してから温度220℃に達するまでの時間は40分間であり、温度220℃に達してから10分間撹拌を継続して均一溶液を得た。このときの圧力は109kg/cm2 のゲージ圧を示した。次に、高圧窒素ガスの連続注入装置により、オートクレーブの圧力が110kg/cm2 になるように加圧しながら、直ちに3個のバルブを開放して、圧力降下室を持つ孔径0.75φ、L/D=1の3個のノズルよりの紡出を行った。これを回転板に衝突させ、その後に開繊し、移動するコンベヤネット上に堆積してウェブとした。なお、圧力降下室の圧力は92kg/cm2 であった。
【0087】
次にこのウェブを積層し、油圧式クリアランスエンボス機に通し、目付け50g/m2 の不織布を製造した。このエンボス機の上部ロールは彫刻ロールであり、下部ロールはフラットロールで、いずれも加熱ロールであった。上部ロールと下部ロールとのクリアランスは取らずに、線圧20kg/cm、温度125℃、速度10m/min でエンボス加工を行った。なお彫刻ロールの接着面積率は25%で、接着点密度は60個/cm2 であった。
【0088】
得られた不織布は、繊維のフィブリル状態が極めて良好で、着色は見られなかった。しかもこの繊維は、小さな圧着点が多く存在した構成であるため、実用的な不織布強力を維持しつつ、柔軟性、透湿性に優れたものであった。またこの不織布を分散染料を用いて染色したところ、鮮明に染色できることを確認できた。この不織布の特性は、次の通りであった。
【0089】
比表面積 :31 m2 /g
不織布KS強力(MD/CD ):17.3/18.6 kg/5cm
不織布引張伸度(MD/CD ):28/31 %
見掛密度 :0.28 g/cm3
圧縮剛軟度:125 g
透湿性 :250 g/m2 /hr
染色性 :◎
〔実施例11〕
実施例10と同じ装置を用い、融点162℃、密度0.910g/cm3 、かつメルトフローレート値が4g/10分であるポリプロピレン400gと、融点256℃、かつ相対粘度ηrel が1.6であるポリエチレンテレフタレート1100gと、溶媒としての塩化メチレンとをオートクレーブに充填した。また、表面活性剤として、イソオクチルステアレートとイソステアリルエステルとを、前記混合重合体に対し、各0.2重量%添加した。オートクレーブを閉じ、引き続き、窒素を40kg/cm2 になるまでオートクレーブに注入して、適度な速度で撹拌を開始すると共に加熱も開始した。溶液中の混合重合体の濃度は20重量%、溶媒の濃度は80重量%であった。
【0090】
温度100℃に達してから温度200℃に達するまでの時間は30分間であり、温度200℃に達してから10分間撹拌を行なって均一溶液を得た。このときの圧力は118kg/cm2 のゲージ圧を示した。次に、高圧窒素ガスの連続注入装置により、オートクレーブの圧力が120kg/cm2 になるように加圧しながら、直ちに3個のバルブを開放して、圧力降下室を持つ孔径0.75φ、L/D=1の3個のノズルよりの紡出を行った。これを回転板に衝突させた後、開繊し、移動するコンベヤネット上に堆積してウェブとした。圧力降下室の圧力は99kg/cm2 であった。次にこのウェブを積層し、エンボス加工の温度を120℃とした以外は実施例10と同じにして、目付け100g/m2 の不織布を製造した。
【0091】
得られた不織布は、繊維のフィブリル状態が極めて良好で、着色は見られず、しかもこの繊維は小さな圧着点が多く存在した構成となっているため、実用的な不織布強力を維持しつつ、柔軟性、透湿性に優れたものであった。またこの不織布を分散染料を用いて染色したところ、鮮明に染色できることを確認できた。この不織布の特性は、次の通りであった。
【0092】
比表面積 :29 m2 /g
不織布KS強力(MD/CD ):16.2/17.7 kg/5cm
不織布引張伸度(MD/CD ):30/33 %
見掛密度 :0.29 g/cm3
圧縮剛軟度:120 g
透湿性 :231 g/m2 /hr
染色性 :◎
〔実施例12〕
融点が247℃、相対粘度ηrel が1.3であるスルホイソフタル酸を5モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、溶解、紡出温度を200℃とした他は実施例20と全く同じ条件で不織布を製造した。なお、溶解時の圧力は119kg/cm2 、降下室の圧力は100kg/cm2 であった。
【0093】
得られた不織布は、繊維のフィブリル状態が極めて良好で、着色は見られず、しかもこの繊維は小さな圧着点が多く存在した構成となっているため、実用的な不織布強力を維持しつつ、柔軟性、透湿性に優れたものであった。またこの不織布をカチオン染料を用いて染色したところ、鮮明に染色できることを確認できた。この不織布の特性は、次の通りであった。
【0094】
比表面積 :28 m2 /g
不織布KS強力(MD/CD ):14.5/15.7 kg/5cm
不織布引張伸度(MD/CD ):37/39 %
見掛密度 :0.30 g/cm3
圧縮剛軟度:118 g
透湿性 :247 g/m2 /hr
染色性 :◎
〔実施例13−17 比較例3、4〕
実施例10の装置を用い、融点132℃、密度0.96g/cm3 、かつメルトインデックス値が0.6g/10分である高密度ポリエチレンと、融点256℃、かつ相対粘度ηrel が1.4であるポリエチレンテレフタレートとの混合割合を変更しながら、溶媒としての塩化メチレンの量は6200g一定として、オートクレーブに充填した。表面活性剤として、イソオクチルステアレートとイソステアリルエステルとを、前記混合重合体に対し、各0.2重量%添加し、オートクレーブを閉じた。引き続き、窒素を40kg/cm2 になるようにオートクレーブに注入して、適度な速度で撹拌を開始すると共に加熱も開始した。
【0095】
各成分の溶液濃度は表2の如くとなり、温度100℃に達してから温度200℃に達するまでの時間は35分間であり、温度200℃に達してから10分間撹拌を継続して均一溶液を得た。このときの圧力はほぼ110kg/cm2 のゲージ圧を示した。次に、高圧窒素ガスの連続注入装置により、オートクレーブ内の圧力が110kg/cm2 に維持されるように通圧しながら、直ちに3個のバルブを開放して紡出を行い、実施例10と同じようにしてウェブを形成し、不織布を得た。
【0096】
その結果を表2に示す。
【0097】
【表2】
表2から明らかなように、実施例13−17においては、ポリエステルの混合割合が増加するほど分散染料による染色性も良好となる傾向にある中で、得られた不織布は極めて良好なフィブリル繊維状態であり、着色はなく、しかもこの繊維は小さな圧着点が多く存在した構成となっているため、実用的な不織布強力を維持しつつ、柔軟性、透湿性に優れたものであった。またこれら不織布を分散染料を用いて染色したところ、鮮明に染色できることを確認できた。
【0098】
比較例3においては、得られた不織布はフィブリル状態が良好で、不織布強力も比較的高いものであったが、ポリエステルを全く含有していないため、染色性が全く不良であった。
【0099】
比較例4においては、ポリエチレンを全く含有していないため、得られた不織布は分散染料による染色性は良好であったが、フィブリル状態が余り良くなく、しかも不織布強力、透湿性共に低いものであった。
〔実施例18〕
融点228℃、かつ相対粘度ηrel が1.7であるポリブチレンテレフタレートを用い、溶解および紡出温度を200℃とした他は実施例15と全く同じ条件で不織布を製造した。溶解時の圧力は112kg/cm2 、降下室の圧力は93kg/cm2 であった。
【0100】
得られた不織布は繊維のフィブリル状態が極めて良好で、着色は見られず、しかもこの繊維は小さな圧着点が多く存在した構成となっているため、実用的な不織布強力を維持しつつ、柔軟性、透湿性に優れたものであった。またこの不織布を分散染料を用いて染色したところ、鮮明に染色できることを確認できた。この不織布の特性は、次の通りであった。
【0101】
比表面積 :31 m2 /g
不織布KS強力(MD/CD ):15.3/16.5 kg/5cm
不織布引張伸度(MD/CD ):37/39 %
見掛密度 :0.27 g/cm3
圧縮剛軟度:109 g
透湿性 :262 g/m2 /hr
染色性 :◎
(実施例19−25)
実施例16の不織布を製造する際に、エンボスロールのタイプを変更して、表3のごとく接着面積率および接着点密度を変更した。その結果を表3に示す。
【0102】
【表3】
表3から明らかなように、実施例19−24の不織布は、接着面積率および接着点密度の増加と共に不織布強力が増加し柔軟性が低下する傾向にある中で、実用的な不織布強力を維持しつつ、柔軟性、透湿性に優れたものであった。
【0103】
実施例25においては、フラットロールのみによる圧着のため接着面積率が100%となることで、得られた不織布は柔軟性が若干劣るものの、実用的な不織布強力と優れた透湿性とを備えていた。
【0104】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、網状構造のフィブリル繊維にて構成された不織布であり、前記繊維は、フラッシュ紡糸法にて得られるとともに、互いに相溶性を有さないオレフィン系重合体成分からなる第1のフィブリル繊維とエステル系重合体成分からなる第2のフィブリル繊維とが混合状態で存在するように構成され、かつオレフィン系重合体成分とエステル系重合体成分との混合比が重量比で5/95から95/5の範囲であり、前記不織布は、前記網状構造のフィブリル繊維間が全体にわたって接着されているか、または部分的に接着されているため、高度にフィブリル化された極細の繊維にて構成された緻密な構造の不織布を得ることができる。
Claims (12)
- 緻密な構造を有する不織布であって、網状構造のフィブリル繊維にて構成され、この繊維は、フラッシュ紡糸法にて得られるとともに、互いに相溶性を有さないオレフィン系重合体成分からなる第1のフィブリル繊維とエステル系重合体成分からなる第2のフィブリル繊維とが混合状態で存在するように構成され、かつオレフィン系重合体成分とエステル系重合体成分との混合比が重量比で5/95から95/5の範囲であり、前記不織布は、前記網状構造のフィブリル繊維間が接着されていることを特徴とする網状構造の繊維からなる不織布。
- オレフィン系重合体成分が、エチレン系重合体と、プロピレン系重合体と、エチレンを主体とする共重合体と、プロピレンを主体とする共重合体とのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の網状構造の繊維からなる不織布。
- エステル系重合体成分が、ポリエチレンテレフタレートと、ポリブチレンテレフタレートとのいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の網状構造の繊維からなる不織布。
- 混合物におけるオレフィン系重合体とエステル系重合体との混合比が重量比で15/85から85/15の範囲であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の網状構造の繊維からなる不織布。
- 網状構造繊維間が全体にわたって接着されており、不織布性能として、強力が20kg/5cm以上、耐水圧が50cm以上、そして透湿性が100g/m2 /hr以上であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の網状構造の繊維からなる不織布。
- 網状構造繊維間が部分的に接着されており、不織布性能として、強力が5kg/5cm以上、圧縮剛軟度が200g以下、そして透湿性が100g/m2 /hr以上であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の網状構造の繊維からなる不織布。
- 緻密な構造を有する不織布の製造方法であって、互いに相溶性を有さないオレフィン系重合体とエステル系重合体との混合重合体を、オレフィン系重合体とエステル系重合体との混合比が重量比で5/95から95/5の範囲となるように、溶媒のもとで、高温高圧下で、溶解して一浴相とし、その後、重合体と溶媒とを相分離させた状態の下でノズルから紡出させて、オレフィン系重合体成分からなる第1のフィブリル繊維とエステル系重合体成分からなる第2のフィブリル繊維とが混合状態で存在する網状構造のフィブリル繊維を作り、この繊維をウェブとし、その後、ロール群を用いてこのウェブを熱圧着させて、網状構造のフィブリル繊維間を全体にわたって接着することを特徴とする網状構造の繊維からなる不織布の製造方法。
- ロール群を用いてウェブを熱圧着させる時の温度を、繊維を構成する重合体成分の中で最も低い融点を持つ重合体成分の融点マイナス40℃を超えかつその融点以下の範囲とし、熱圧着の際の線圧を、0.5kg/cm以上かつ20kg/cm以下の範囲とすることを特徴とする請求項7記載の網状構造の繊維からなる不織布の製造方法。
- 緻密な構造を有する不織布の製造方法であって、互いに相溶性を有さないオレフィン系重合体とエステル系重合体との混合重合体を、オレフィン系重合体とエステル系重合体との混合比が重量比で5/95から95/5の範囲となるように、溶媒のもとで、高温高圧下で、溶解して一浴相とし、その後、重合体と溶媒とを相分離させた状態の下でノズルから紡出させて、オレフィン系重合体成分からなる第1のフィブリル繊維とエステル系重合体成分からなる第2のフィブリル繊維とが混合状態で存在する網状構造のフィブリル繊維を作り、この繊維をウェブとし、その後、エンボス加工機を用いてこのウェブを部分的に熱圧着させて、網状構造のフィブリル繊維間を部分的に接着することを特徴とする網状構造の繊維からなる不織布の製造方法。
- エンボス加工機を用いてウェブを熱圧着させる時の温度を、繊維を構成する重合体成分の中で最も低い融点を持つ重合体成分の融点マイナス40℃を超えかつその融点以下の範囲とし、熱圧着の際の線圧を0.5kg/cm以上かつ50kg/cm以下の範囲とすることを特徴とする請求項9記載の網状構造の繊維からなる不織布の製造方法。
- 網状構造のフィブリル繊維間を部分的に接着するときの接着面積率を4%以上かつ50%以下とすることを特徴とする請求項9または10記載の網状構造の繊維からなる不織布の製造方法。
- 網状構造のフィブリル繊維間を部分的に接着するときの接着点密度を15個/cm2 以上かつ120個/cm2 以下とすることを特徴とする請求項9から11までのいずれか1項記載の網状構造の繊維からなる不織布の製造方法。
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