JP3565429B2 - ブラインドの操作部材把持用具およびこれを用いたブラインド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロールブラインドのスクリーンの上げ下げ操作を行うための操作紐やハンドル等の操作部材を把持する操作部材把持用具およびこれを用いたブラインドの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりロールブラインドの上昇/下降操作を行うための操作紐やハンドルを、スクリーンの下端部分に固定されたウエイトバーへ横ズレが生じないように保持させるための操作部材把持用具が種々提案されている(特開平5−86778号および特開平5−86779号公報参照)。
【0003】
まず、従来の操作部材把持用具を説明するのに先立って、この用具が取り付けられるロールブラインドの概略構成を、図17に基づいて説明する。窓枠上部等に取り付け固定されたフレーム7には、巻き取り軸2の両端が回転可能に支持される。そして、この巻き取り軸2には、布製等のスクリーン3の一端が固定支持され吊り下げられる。なお、スクリーン3の他端には、ウエイトバー4が取り付けられる。このウエイトバー4の長手方向中央には、スクリーン3の引き出しおよび巻き上げ操作用の操作紐5が、操作部材把持用具を介して取り付け固定される。
【0004】
なお、巻き取り軸2の空洞内には、図示しないコイルスプリングが配設され、このコイルスプリングによって巻き取り軸2をスクリーン3が巻き取られる回転方向に常時付勢している。また、この巻き取り軸2の空洞内には、クラッチ(図示省略)が配設されている。このクラッチは、スクリーン3を引き出した位置にて保持するため、上述のコイルバネの回転付勢力を巻き取り軸2に伝達させないための部材となっており、その保持位置からさらに操作紐5を下降操作すると当該クラッチが繋がって、スクリーン3がコイルバネの回転付勢力によって巻き取り軸2に巻き取られるように構成されている。
【0005】
次に、従来技術の一例となる特開平5−86778号公報に記載された操作部材把持用具について、図18を用いて簡単に説明する。ウエイトバー4の下面には、当該操作部材把持用具を取り付けるための取り付け孔41が設けられ、この取り付け孔41に操作部材把持用具が嵌合される。この操作部材把持用具は、楕円板形状の平面部分に操作紐5を挿通可能な挿通孔42を有し、この挿通孔42の両側には一対の弾性係止片43が立設されている。この弾性係止片43は、互いに近づく方向に弾性的に撓んだときに取り付け孔41に着脱可能となっている。
【0006】
このように構成された操作部材把持用具は、上述の弾性係止片43,43を内側に撓ませた状態で当該弾性係止片43,43を取り付け孔42内へ挿入する。そして、挿通孔42に挿通され先端部分を結び目5aとされている操作紐5を引っ張り、図18に示すように結び目5aで弾性係止片43,43を内側に撓ませないようにする。これによって、操作部材把持用具は、ウエイトバー4に保持される。
【0007】
なお、特開平5−86779号公報には、スクリーン3の上昇下降を操作するための部位を紐ではなくハンドル式としたものが記載されている。このハンドル式の操作部材把持用具も、上述の特開平5−86778号の構成と同様、2つの弾性係止片が近づく方向に撓むと取り付け孔に着脱可能となっており、弾性係止片を取り付け孔に挿入後に両弾性係止片間に撓み防止用のピンを差し込むことにより操作部材把持用具の抜けを防止し、ウエイトバー4に保持させる構成となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平5−86778号および特開平5−86779号にそれぞれ記載された各操作部材把持用具は、2つの弾性係止片を近づける方向に撓ませるだけで簡単にウエイトバー4に装着できる。一方、装着後はウエイトバー4の内部での両弾性係止片の内側への撓み(すなわち、近づける方向への撓み)を防止するように構成されている。
【0009】
そのため、一旦、装着すると、この撓み防止用の結び目やピンを取り除いて操作部材把持用具をウエイトバー4から取り外すのはほぼ不可能となっている。この結果、操作部材把持用具を他のものに変えたくても変えることができない。また、ウエイトバー4の下面に取り付け孔42を予め設けておく必要があるため、この取り付け孔42の設けられていないウエイトバー4に後付けしようとしても簡単には取り付けることができない。
【0010】
そこで、本出願人は、ウエイトバーから取り外すことが可能な操作部材把持用具を開発した。図19は、従来の操作部材把持用具の改良案を示す図であって、当該操作部材把持用具の構成およびウエイトバー4へのはめ込み方法および取り外し方法を、説明するための図である。
【0011】
図19に示す操作部材把持用具は、以下のようにしてウエイトバー4へ取り付けられる。まず、ウエイトバー4の頂点部分に設けられた隙間4a内に係合部51aを引っ掛ける。そして、この状態で、操作紐5を垂下保持するための保持部51bに指をかけて、図19中の矢示x方向に力を加える。これにより、操作部材保持用具は矢示x方向に撓む。
【0012】
このように撓ませた状態で、保持部51b側を、図19中の矢示x’方向にスライド移動させる。すると、撓み状態から元の状態に復元しながら、最終的に保持部51bに設けられた凸部51cが、ウエイトバー4の下端中央に形成された溝4bにはまり込む。
【0013】
これによって、操作部材把持用具は、その断面外形が略三角形状となるウエイトバー4の約半分を密着した状態で覆い、ウエイトバー4に保持される。なお、この例に示したウエイトバー4は、下面に溝4bを有するものとしたが、この部分は凹部になっている場合や特に隙間や凹部が無い場合もある。
【0014】
なお、操作部材把持用具をウエイトバー4から取り外す際には、保持部51bを若干下方向へ引っ張りながら凸部51cを溝4bから外し、その後上述の矢示x’とは反対方向へ力をかけることにより操作部材把持用具を撓ませる。これによって、操作部材把持用具は、ウエイトバー4から外れる。しかしながら、この従来技術から見て改良型といえる操作部材把持用具も、その取り外しには苦労する。完全にはまり込んだ凸部51bを溝4bから外すには相当の力が必要で、かつ力を入れすぎると破壊してしまう恐れもある。
【0015】
また、さらに、この操作部材把持用具は、取り付け時に次のような問題が発生する場合がある。すなわち、上述したロールブラインドでは、ウエイトバー4の全周をスクリーン3の下端近傍部分で覆うようにくるむ構成とする場合もある。そのため、取り付け時に、操作部材把持用具をスクリーン3の上から被せることとなるが、その際、被せる側の布(スクリーン3)に強くテンションがかかりすぎると共に、操作部材把持用具を被せない側は反対側にテンションがかかった分、弛んでしまうという問題が生じる。このため、操作部材把持用具を被せた側のスクリーン用の布を傷めてしまったり、被せてない側の布の弛みにより外観が悪くなってしまう恐れがある。
【0016】
本発明は、上述の問題に鑑みて、ウエイトバーを包む布を傷めたり弛ませたりせずに、しかも容易に取り付けおよび取り外しが可能な操作部材把持用具およびこれを用いたブラインドを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を達成するためになされたもので、ブラインドの下端に配置されたウエイトバーに着脱可能に取り付けられ、ブラインドの引き下げ動作を行うための操作部材を吊り下げ保持するための把持用具において、ウエイトバーの一側の外側斜面を被覆可能なカバー部および回動支点となる軸ならびに操作部材を吊り下げ保持するための保持部を有する第1の被覆カバー部材と、ウエイトバーの他側の外側斜面を被覆可能なカバー部および第1の被覆カバー部材の回動支点軸を支持する軸受け孔を備えた回動支点部を有する第2の被覆カバー部材と、両被覆カバー部材の回動支点近傍の両部材の向かい合う空間内に配設されるカム部を備えこのカム部を回転中心として所定範囲で回動可能なロックレバー部材からなり、両被覆カバー部材をカバー部の先端同士が離れる方向に回動させて開いた状態でウエイトバーに差し込み後、両被覆カバー部材のカバー部の先端同士が近づく方向に回動させて閉じ込み、さらにロックレバー部材を回動させることによって当該操作部材把持用具がウエイトバーに装着された状態でロックされると共に、非ロック状態からロック状態へのロックレバー部材の動作において、当該ロックレバー部材のカム部は上記両被覆カバー部材をそれぞれ押圧によって弾性変形させた状態で両被覆部材によって挟持され、両被覆部材の回動を阻止するように構成されたことを特徴としている。
【0018】
上述したように、本発明の操作部材把持用具は、両カバー部材を開いた状態でウエイトバーへ挿入され、その後閉じ込み動作をなされると共にロックレバー部材の回動によってロックがかけられるように取り付けられる。したがって、従来のように、ウエイトバーを覆う布地を片側に寄せてしまい、布地を傷めたり外観を損なわせるという不具合が解消される。
【0019】
また、他の発明は、ブラインドの下端に配置されたウエイトバーに着脱可能に取り付けられ、ブラインドの引き下げ動作を行うための操作部材を吊り下げ保持するための把持用具において、ウエイトバーの一側の外側斜面を被覆可能なカバー部を有する第1の被覆カバー部材と、この第1の被覆カバー部材に対して回動可能に取り付けられると共にウエイトバーの他側の外側斜面を被覆可能なカバー部を有する第2の被覆カバー部材と、両被覆カバー部材の回動支点近傍の両部材の向かい合う空間内に配設されるカム部を備えこのカム部を回転中心として所定範囲で回動可能なロックレバー部材からなり、両被覆カバー部材をカバー部の先端同士が近づく方向に回動させ閉じた状態とし、この閉じ状態でロックレバー部材を回動することによりウエイトバーを挟み込み可能なロック状態となるように構成したことを特徴としている。
【0020】
上述したように、本発明の操作部材把持用具は、両カバー部材を閉じた状態でロックレバー部材の回動によってその閉じ状態をロックすることによりウエイトバーに保持される構成となっている。したがって、保持が確実となりズレが生じにくい。また、ウエイトバーの両面からカバー部で覆う構成となっているため、従来のように、ウエイトバーを覆う布地を片側に寄せてしまい、布地を傷めたり外観を損なわせるという不具合が解消される。
【0021】
また、他の発明は、上述の操作部材把持用具において、ロックレバー部材を回動させて両被覆カバー部材の回動を阻止しロックをかけた際、ロックレバー部材の操作部位となるレバー部材が、当該操作部材把持用具をウエイトバーに装着した状態において最下端に位置しないように構成されている。そのため、万が一、ブラインドがフレームから外れて落下した際に、ロックレバー部材のレバー部材が地面と衝突し、その衝撃でロックが解除してしまったり、あるいは破損してしまうという危険性を回避できる。
【0022】
また、他の発明は、上述の操作部材把持用具において、両被覆カバー部材の少なくとも一方のカバー部におけるウエイトバーとの対向面に、横ズレ防止用のリブを形成している。そのため、取り付け時および装着状態における当該操作部材把持用具の横ズレが起こりにくく、取り付けが容易でしかも使用する際の横ズレも生じにくい。
【0023】
また、他の発明は、上述の操作部材把持用具において、第1の被覆カバー部材は、カバー部に連続しウエイトバーの下面に当接する下面当接面と、この下面当接面に連続し当該下面当接面の端部から垂直下降するように形成された垂直下降面と、この垂直下降面に連続し下面当接面と平行に形成される最下端面とを備え、この最下端面に切り欠きを設けると共にこの切り欠き内に第2の被覆カバー部材に対する回動支点となる軸を備えたことを特徴としている。このように、回動支点となる軸を設けている部位と、ウエイトバーに被さるカバー部とを、垂直下降面および最下端面とで連結した構成となっているため、カバー部のウエイトバーへの取り付けと両被覆カバー部材の回動による締め付け動作とを独立した動作で行える。この結果、それぞれの動作を精度良く行うことが可能となる。
【0024】
また、他の発明は、上述の操作部材把持用具において、第1の被覆カバー部材の最下端面に挿通孔を設け、この挿通孔を操作部材となる操作紐を挿通させるためのものとし、最下端面に挿通孔に挿通される操作紐の一端に形成される結び目を配置して操作紐の他端側を垂下保持することにより、最下端面を前記保持部としている。そのため、簡単な構成により操作紐を吊り下げ保持することが可能となる。加えて、このような構成としたため、従来は、ウエイトバーに直接操作紐を挿通させるための挿通孔を設ける必要があったが、本発明では挿通孔が設けられていないウエイトバーにも取り付け可能となる。
【0025】
また、他の発明は、上述の操作部材把持用具において、第1の被覆カバー部材の長手方向両端部分に、それぞれカバー部の下端に連続するU字溝を形成し、このU字溝を操作部材となる操作ハンドルの回動軸を回動自在に保持する保持部としている。そのため、特別な軸受け構造を備えず、U字溝という簡単な構成により操作ハンドルを回動自在に吊り下げ保持することができる。
【0026】
また、他の発明は、上述の操作部材把持用具において、第2の被覆カバー部材のカバー部長手方向両端部分に、それぞれ切り欠き部を設け、両被覆カバー部材を回動させて開いた状態とした際に、操作ハンドルの回動軸を切り欠き部とU字溝との間の隙間から挿入可能とすると共に、両被覆カバー部材を回動させて閉じた状態とした際に、この隙間部分にウエイトバーの下面の一部が入り込み回動軸の外への飛び出しを防止することを特徴としている。このため、簡単な構成により、操作ハンドルの回動自在な吊り下げ保持およびこの保持状態における抜け防止が可能となる。
【0027】
また、他の発明は、上述の操作部材把持用具において、第2の被覆カバー部材のカバー部の下端に、第1の被覆カバー部材の下面当接面に形成された窓部に挿通されてさらに下方へ延出されその端部に回動支点部を備えた連結部を設けたことを特徴としている。そのため、両被覆カバー部材は、それ程複雑でない簡単な構造で、しかもコンパクトに回動可能に組み合わせられる。
【0028】
また、他の発明は、上述の操作部材把持用具において、第2の被覆カバー部材を第1の被覆カバー部材へ組み込む際、連結部を第1の被覆カバー部材の垂直下降面に形成された切り欠き部内に挿入することにより、回動支点軸の撓みを利用して当該回動支点軸を第2の被覆カバー部材に形成した軸受け孔内に挿入することを特徴としている。そのため、複雑でない簡単な構成にて両被覆カバー部材の組み込みが容易となる。しかも、回動支点軸の撓みを利用して回動支点部分の組み込みが行われるため、組み込み後の抜け防止となると共に、解体が必要な場合は、やはり撓みを利用して再び組み込み前の状態に戻すことも可能となる。
【0029】
また、本発明のブラインドは、フレームに巻き取り軸の両端を回転可能に支持し、巻き取り軸からスクリーンが垂下され、かつこのスクリーンの下端部分にウエイトバーが固定されたブラインドにおいて、請求項1から10のいずれか1項記載の操作部材把持用具がウエイトバーに取り付けられたことを特徴としている。したがって、操作部材把持用具の取り付けによってスクリーン下端部分の布の破損や弛み等が生じない、外観に優れたブラインドとなる。しかも、取り外しも容易であるため、操作部材把持用具を付け替えたり、あるいは外して選択したりすることも容易な実用的なブラインドとすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明のブラインドの操作部材把持用具およびブラインドの実施の形態について、図1から図16を用いて説明する。なお、以下に説明する本発明の操作部材把持用具は、上述の従来例と同様、ブラインドの下端に配置されたウエイトバーに取り付けられるものであり、従来例と同一構成部分は同一番号を付して説明する。
【0031】
図1は、本実施の形態の操作部材把持用具10の正面図である。図2は、本実施の形態の操作部材把持用具10の斜視図である。図3は、図1を矢示III方向から見た右側面図である。図4は、図1の操作部材把持用具10から第2の被覆カバー部材12およびロックレバー部材13を取り外した状態で第1の被覆カバー部材11を示した図である。図5は、図4を矢示V方向から見た右側面図である。図6は、図4のVI−VI断面図である。図7は、図4のVII−VII断面図である。図8は、本実施の形態の操作部材把持用具10に操作部材となる操作ハンドル5Bを吊り下げ保持させ、ロックをかけた状態で示した正面図である。
【0032】
図9は、図1の操作部材把持用具10から第1の被覆カバー部材11およびロックレバー部材13を取り外した状態で第2の被覆カバー部材12を示した図である。図10は、図9を矢示X方向から見た右側面図である。図11は、図9の背面図である。図12は、非ロック状態時およびロック状態時における操作ハンドル用の保持部の状態を説明するための図である。
【0033】
図13は、図1の操作部材把持用具10のロックレバー部材13を示す正面図である。図14は、図13のXIV−XIV断面図である。図15は、本実施の形態の操作部材把持用具10をウエイトバー4へ取り付ける動作を説明するための図で、(A)は両被覆カバー部材11,12を開いた状態、(B)は開いたままウエイトバー4に挿入した状態、(C)および(D)は(B)の状態から両被覆カバー部材11,12を閉じ、かつロックレバー部材13を非ロック位置からロック位置まで回動した状態をそれぞれ示している。図16は、図15(D)に示すロック状態における両被覆カバー部材11,12の各内周当接面の状態を示すための断面図である。
【0034】
図1,図2および図3に示すように、本発明の実施の形態の操作部材把持用具10は、第1の被覆カバー部材11と、第2の被覆カバー部材12と、両カバー部材11,12に挟み込まれて回動可能に保持されるロックレバー部材13の3つの部材から構成されている。なお、本実施の形態では、これらの3つの各部材11,12,13がそれぞれ樹脂製で構成されているが、撓んだり弾性変形が可能なものであれば全体またはその一部が別の材料により構成されていても良い。この操作部材把持用具10は、ロールブラインドの引き下げ/引き上げ動作を行うための操作部材(操作紐や操作ハンドル等)を吊り下げ保持するためのものとなっており、ロールブラインドの下端に配置されたウエイトバー4に着脱自在に取り付けられる。
【0035】
第1の被覆カバー部材11は、第2の被覆カバー部材12に対して相対回動自在にはめ込まれている。この第1の被覆カバー部材11は、図4および図5に示すように、ウエイトバー4の一側の外側斜面4c(図16参照)を被覆可能なカバー部11aと、第2の被覆カバー部材12の軸受け孔12b,12b(図9参照)にはめ込まれて支持され当該第1の被覆カバー部材11の回動支点となる軸11b,11bと、ロールブラインドの引き下げ/引き上げ動作を行うための操作部材となる操作紐5を吊り下げ保持するための第1の保持部11cと、ブラインドの引き下げ/引き上げ動作を行うための操作部材となる操作ハンドル5b(図8参照)を吊り下げ保持するための第2の保持部11dとを備えている。
【0036】
なお、本実施の形態の操作部材把持用具10は、操作部材として操作紐5および操作ハンドル5bのいずれか一方を選択して1つだけあるいは双方吊り下げることが可能となっている。すなわち、本実施の形態の操作部材把持用具10は、操作部材をいずれか一方に限定されないという効果を有している。しかしながら、この操作部材把持用具10は、上述の保持部11c,11dのうちのいずれか1つのみを有するものとし、操作紐吊り下げ専用もしくは操作ハンドル吊り下げ専用としても良い。
【0037】
カバー部11aは、ウエイトバー4の外側斜面4cを外側から覆うように形成された円弧形状となっており、図5中の点線で示すように外側に若干撓むように構成されている。そして、このカバー部11aの上端部分には、ウエイトバー4の上端に係合する係合部11a1が形成されている。この係合部11a1は、ウエイトバー4の外側斜面4cの上端部分に引っ掛かるように内側に突出した凸部で形成されている。このような構成としたため、この操作部材把持用具10は、ウエイトバー4に対してずれずに確実に保持されることとなる。なお、操作部材把持用具10のウエイトバー4に対する把持力が十分である場合は、このような係合部11a1はなくても良い。また、後で説明する第2の被覆カバー部材12の係合部12a1も同様の理由によってなくても良いし、第1もしくは第2の被覆カバー部材11,12のいずれか一方に、このような係合部を設けるようにしても良い。
【0038】
また、カバー部11aの内側の面、すなわちウエイトバー4の外側斜面4cと対向する側の面には、内側に突出する幅0.4mm程度のリブ11a2が長手方向中央付近に5つ、両端近傍にそれぞれ3つずつ、計11本形成されている。これらのリブ11a2は、当該操作部材把持用具10がウエイトバー4に保持された後の横ズレ防止用であって、取り付けに際し、ウエイトバー4の外側に被せられた布に食い込むようになっている。
【0039】
また、第1の被覆カバー部材11の下端は、ウエイトバー4の下面に当接する下面当接面11eにつながっている。この下面当接面11eには、第2の被覆カバー部材12の回動支点部12c,12cとカバー部12aとを連結するための連結部12d,12dの回動スペースを確保するための窓部11e1,11e1が設けられている。なお、連結部12d,12dは、窓部11e1,11e1の一部のみを塞ぐ程度の大きさとなっており、窓部11e1,11e1にはさらにスペースが余っている。この余ったスペースは、後述するロックレバー部材13の連結部13d,13d(図13参照)の回動用スペースとなる。
【0040】
また、下面当接面11eには、第2の被覆カバー部材12の下面当接面12eの一部を載置するための段部11e2,11e2が設けられている。さらに、下面当接面11eの端部は、ロックレバー部材13のカム部13aの押圧を受ける内周当接面11f1(図6参照)を備えた垂直下降面11fにつながっている。
【0041】
図4に示すように、垂直下降面11fは、長手方向中央部分および両端から所定寸法中央方向に向かった部分が最下端まで壁が形成され、中央部分および両端側を避けた中央部分の両脇部分には切り欠きが形成されている。垂直下降面11fの長手方向中央部分の下端は、上述の下面当接面11eと平行に形成された最下端面11h(図6参照)につながっている。この最下端面11hは、操作部材となる操作紐5の一端を保持するための第1の保持部11cとなっている。すなわち、図6に示すように、この最下端面11hには、操作紐5を挿通させるための挿通孔11h1が形成されており、操作紐5の結び目5a(図18参照)を最下端面11h上に載置し操作紐5を挿通孔11h1を挿通させて吊り下げ保持するようになっている(図1参照)。
【0042】
なお、上述した垂直下降面11fの2つの切り欠き内には、上述した回動支点となる軸11b,11bが設けられている。軸11b,11bは、上述の両切り欠きのそれぞれ両端部に近い側の面から中央方向に向けて突出するように形成されている。そして、軸11b,11bが、切り欠き内に配置される第2の被覆カバー部材12の回動支点部12c,12c(図1および図9参照)にそれぞれ形成された軸受け孔12b,12b内にそれぞれはめ込まれ、この軸11b,11bを回動中心として第1の被覆カバー部材11と第2の被覆カバー部材12とが相対回動自在となる。
【0043】
また、図6および図7に示すように、垂直下降面11fの内周側の面、すなわち第2の被覆カバー部材12の垂直下降面12fと対向する側の面には、ロックレバー部材13の後述するカム部13aと当接し当該カム部13aの圧力によって弾性変形可能な内周当接面11f1が設けられている。この内周当接面11f1は、カム部13aの先端形状に合わせて凹面となっており、後述する両直交壁11d1,11d1の間の部分全域にわたって形成されている。この内周当接面11f1の下端には、ロックレバー13の脱落防止用の突堤11f2が形成されている。
【0044】
また、カバー部11aの最下端面11hにおける長手方向両端は、図8に示すように、操作ハンドル5bを回動自在に保持するための第2の保持部11dとなっている。第2の保持部11dは、それぞれ上方向に開口を有するU字溝形状となっており、長手方向奥側にはウエイトバー4の長手方向に直交する直交壁11d1,11d1が設けられている。すなわち、各第2の保持部11dは、それぞれ各直交壁11d1,11d1によって長手方向中央側と仕切られている。
【0045】
また、各第2の保持部11dは、長手方向外側が開放部となっており、溝の底の部分は上方の開放部から挿入される操作ハンドル5bの回動軸5cがはめ込まれる。U字溝は上方が広く徐々に下方へ行くほど狭くなる溝となっており、溝底には操作ハンドル5bの回動軸5cより若干大きめの半球状部が設けられている。そして、この半球状部の入り口部分は回動軸5cと同一または若干小さ目の径とされ、一旦、半球状部にはめ込まれた回動軸5cをその位置で保持するようにしている。これによって、操作ハンドル5bは、回動軸5cをその回動中心として第2の保持部11d,11dに回動自在に垂下保持される。
【0046】
第2の被覆カバー部材12は、第1の被覆カバー部材11に対して相対回動自在にはめ込まれている。この第2の被覆カバー部材12は、図9,10および図11に示すように、ウエイトバー4の他側の外側斜面4d(図16参照)を被覆可能なカバー部12aと、第1の被覆カバー部材11の回動支点となる軸11b,11bを回動自在にはめ込むための軸受け孔12b,12bをそれぞれ備えた回動支点部12c,12cと、を備えている。
【0047】
カバー部12aは、ウエイトバー4の外側斜面4dを外側から覆うように形成された円弧形状となっており、図10中の点線で示すように外側に若干撓むように構成されている。そして、このカバー部12aの上端部分には、ウエイトバー4の上端に係合する係合部12a1が形成されている。この係合部12a1は、ウエイトバー4の外側斜面4dの上端部分に引っ掛かるように内側に突出した凸部で形成されている。
【0048】
また、図11に示すように、カバー部12aの内側の面、すなわちウエイトバー4の外側斜面4dと対向する側の面には、内側に突出する幅0.4mm程度のリブ12a2が長手方向中央付近に5つ、両端近傍にそれぞれ3つずつ、計11本形成されている。これらのリブ12a2は、当該操作部材把持用具10がウエイトバー4に保持された後の横ズレ防止用であって、取り付けに際し、ウエイトバー4の外側に被せられた布に食い込むようになっている。
【0049】
また、第2の被覆カバー部材12の下端縁の長手方向両端には、それぞれ切り欠き部12a3,12a3が形成されている。これら両切り欠き部12a3,12a3は、操作ハンドル5bの回動軸5c,5cを、上述した第2の保持部11d,11dへ挿入するための挿入口となっている。
【0050】
すなわち、図12(A)に示すように、ロックレバー部材13を非ロック位置とし第1の被覆カバー部材11と第2の被覆カバー部材12とを回動させて最大限左右に開いた状態では、各切り欠き部12a3,12a3の縁と第1の被覆カバー部材11の垂直下降面11fの上端縁との間に所定寸法の隙間h1が生じる。この隙間h1は、操作ハンドル5bの回動軸5cの径より大きな寸法となっており、この隙間h1から回動軸5cを、図12(A)の点線および矢示で示すように、第2の保持部11d内に挿入することが可能となる。
【0051】
そして、図12(B)に示すように、回動軸5cを第2の保持部11dに挿入しさらに当該操作部材把持用具10をウエイトバー4へ取り付けて、第1および第2の被覆カバー部材11,12を回動して閉じた状態としロックをかける。すると、このロック状態においては、垂直下降面11fとウエイトバー4との間に隙間h2しか生じない。この隙間h2の寸法は、回動軸5cの径より小さいため、回動軸5cの第2の保持部11dからの抜けが防止できる。なお、図12を用いた説明では、第1および第2の被覆カバー部材11,12の長手方向一側のみを示しているが、他側も同様である。
【0052】
また、カバー部12aの両切り欠き部12a3,12a3が形成されていない部位は、ウエイトバー4の下面に当接する下面当接面12eにつながっている。この下面当接面12eは、上述した第1の被覆カバー部材11の下面当接面11eと協働して同一面を形成する。すなわち、下面当接面12eの両端部分は、被覆カバー部材11の下面当接面11eの両端に形成された段部11e2,11e2上に載置されると共に、この段部11e2,11e2に載置される部位より中央よりの部分はそれぞれ窓部11e1,11e1内に配置される。これにより、第2の被覆カバー部材12の下面当接面12eは、第1の被覆カバー部材11の下面当接面11eと協動して同一面を形成している。
【0053】
なお、第2の被覆カバー部材12の下面当接面12eの窓部11e1,11e1内に配置される部位の端部は、ロックレバー部材13のカム部13aの押圧を受ける内周当接面12f1,12f1を各々備えた垂直下降面12f,12fにつながっている。下面当接面12eの窓部11e1,11e1内に配置される部位および垂直下降面12f,12fを総称して連結部12d,12dという。この連結部12d,12dは、カバー部12aと当該第2の被覆カバー部材12の回動支点部12c,12cとを連結するための部位となっており、窓部11e1,11e1内で回動可能となっている。
【0054】
図10に示すように、垂直下降面12f,12fは、長手方向中央部分の両脇に所定寸法幅で最下端まで形成された壁となっている。この垂直下降面12f,12fの下端は、上述の下面当接面12e,12eとそれぞれ平行に形成された最下端面12hにつながっている。この最下端面12hは、第1および第2の被覆カバー部材11,12を閉じ状態とした際、第1の被覆カバー部材11の最下端面11hと協動して同一面を形成するように構成されている。最下端面12hの端部には、第1被覆カバー部材11の垂直下降面11fに形成された2つの切り欠き内に進入し、切り欠き内に設けられた軸11b,11bを回動自在にはめ込む軸受け孔12b,12bが設けられている。この軸受け孔12b,12bに軸11b,11bをはめ込むことにより、第1の被覆カバー部材11と第2の被覆カバー部材12とが相対回動自在となる。
【0055】
また、図9に示すように、垂直下降面12f,12fの内周側の面、すなわち第1の被覆カバー部材11の垂直下降面11fと対向する側の面には、ロックレバー部材13のカム部13aと当接し当該カム部13aの圧力によって弾性変形可能な内周当接面12f1,12f1が設けられている。これらの内周当接面12f1は、カム部13aの後端形状に合わせた凹面となっている。これらの内周当接面12f1,12f1の下端には、ロック時においてロックレバー部材13のカム部13aを係止するための突堤12f2,12f2が形成されている。
【0056】
ロックレバー部材13は、図13および図14に示すように、上述の両被覆カバー部材11,12の回動支点近傍の両部材11,12の向かい合う空間内に配設されるカム部13aと、このカム部13aを回転中心として所定範囲で回動可能なレバー部13bと、カム部13aとレバー部13bとを連結する連結部13d,13dと、カム部13a、レバー部13bおよび連結部13d,13dに囲まれた空間部13cとを備えている。
【0057】
なお、カム部13aの長手方向略中央における下端縁には、上述の第1の被覆カバー部材11の最下端面11h上に配置される操作紐5の結び目5aと当該カム部13aとの接触を避けるためのアーチ状切り欠き部13eが形成されている。また、レバー部13bの長手方向略中央における上端縁には、当該ロックレバー部材13の回動時における操作紐5の巻き込み防止用の矩形状凹部13fが形成されている。
【0058】
このロックレバー部材13は、レバー部13bが第1の被覆カバー部材11の最下端面11hの下方に配置されるように垂下される状態(図12(A),図15(A)および(B)参照)を、第1および第2の被覆カバー部材11,12が回動可能とされる非ロック位置としている。この非ロック位置にある状態時においては、ロックレバー部材13のカム部13aは両被覆カバー部材11,12から全く力を受けていない状態となっており、単にカム部13aが下面当接面11e,12e、垂直下降面11f,12fおよび最下端面11h,12hによって仕切られた空間に配置され、レバー部13bが垂下するように保持される。
【0059】
一方、ロックレバー部材13のレバー部13bが、第2の被覆カバー部材12の垂直下降面12f,12fの外側に突出されるように水平にされた状態を、第1および第2の被覆カバー部材11,12の回動を阻止するロック位置としている(図12(B),図15(C)および(D)参照)。このロック位置にある状態時においては、ロックレバー部材13は、カム部13aが垂直下降面11fの内周当接面11f1と垂直下降面12fの内周当接面12f1との間に圧接状態ではめ込まれることとなる。したがって、カム部13aが両被覆カバー部材11,12から力を受け挟持された状態となる。なお、これを解除する場合は、レバー部13bを手動操作により下方(図15(C)および(D)中の矢示R2方向)へ回動させる。
【0060】
さらに、カム部13aの形状について図14を参照しながら説明する。カム部13aは、断面形状が数字の「9」の外形に類似しており、非ロック位置とされた状態時において、第1の被覆カバー部材11の内周当接面11f1側に対向配置される直線状の第1当接部13a1と、下面当接面11e,12e側に対向配置される直線状の第2当接部13a2と、最下端面11h,12h側に対向配置されるものの両カバー部材11,12には当接しない僅かな直線部を有する全体として曲線状の第3当接部13a3と、第2の被覆カバー部材12の内周当接面12f1側に対向配置される直線状の第4当接部13a4と、下面当接面12eと内周当接面12f1との交点部分に対向配置され第2当接部13a2と第4当接部13a4を斜めにつなぐ直線状の第5当接部13a5と、第3当接部13a3と第4当接部13a4との間に配置される曲線状の第6当接部13a6と、第1の被覆カバー部材11の突堤11f2に係合する第1係合部13a7と、この第1係合部13a7の下方に位置しロック位置の際に第2の被覆カバー部材12の突堤12f2に係合する第2係合部13a8とを備えている。
【0061】
上述したように構成された各部材11,12,13は、以下のように組み立てられて一体化される。
【0062】
まず、第1の被覆カバー部材11に対してロックレバー部材13を組み込む。この際、ロックレバー部材13のカム部13aが、第1の被覆カバー部材11の内周当接面11f1に当接させるようにはめ込まれ、かつレバー部13bが第1の被覆カバー部材11の最下端面11hの下方に配置し、第1の被覆カバー部材11の最下端面11hはロックレバー部材13の空間部13c内に配置されるようにする。これにより、ロックレバー部材13は、カム部13aが内周当接面11f1の下端に形成された突堤11f2に引っ掛かって第1の被覆カバー部材11に仮保持されると共に、長手方向においては上述した両直交壁11d1,11d1によって移動を阻止される。
【0063】
そして、この状態から第2の被覆カバー部材12の連結部12d,12dおよび回動支点部12c,12cを、第1の被覆カバー部材11の窓部11e1,11e1からそれぞれ挿入し、回動支点部12c,12cを第1の被覆カバー部材11の垂直下降面11fの下端に設けられた切り欠き部内へ挿入する。すると、切り欠き部内の軸11b,11bが撓みを活かして、各回動支点部12c,12cの軸受け孔12b,12bにはまり込む。これによって、上述した3つの部材11,12,13は、それぞれ回動自在に組み込まれる。
【0064】
次に、図14および図15を用いて、当該操作部材把持用具10のウエイトバー4への取り付け動作の説明を兼ねて、さらにカム部13aの各部の詳細な説明を行う。なお、図15は、各部の動作および詳細な構成をわかりやすくするため、ロックレバー部材13のみを断面形状で示し、かつ第2の被覆カバー部材12を2点鎖線で示している。
【0065】
ロックレバー部材13を上述した非ロック位置とし、この状態で第1および第2の被覆カバー部材11,12を回動させて左右に最大限開く。この状態を示したのが、図15(A)である。この図15(A)に示した状態から、操作部材把持用具の開いた部位にウエイトバー4がはまり込むように、操作部材把持用具をウエイトバー4の下面から挿入する(矢示Y参照)。挿入後の状態を示したのが、図15(B)である。
【0066】
このように、両被覆カバー部材11,12の各カバー部11a,12aでウエイトバー4の両側から挟みつけるように取り付けられるため、本実施の形態の操作部材把持用具10は、図16に示したウエイトバー4の片側のみに保持させるタイプの操作部材把持用具のように、布に過大なテンションをかけたり弛ませたりするという不具合が生じない。
【0067】
そして、ロックレバー部材13を、図15(B)における矢示R1方向に約90度回動させると、カム部13aは同一空間内で回動し、レバー部13bは最下端面11h,12hの下方から第2の被覆カバー部材12に沿って旋回し上方へ移動する。これにより、ロックレバー部材13は、水平な状態となる。すなわち、レバー部13bを上方へ移動させるように回動させることにより、レバー部13bが垂下された非ロック位置から水平となるロック位置へと移行する。この状態を示したのが、図15(C)および(D)である。
【0068】
なお、厳密に言うと、図15(C)は、ロック位置における仮想図であって、仮にウエイトバー4が存在しない状態で当該ブラインド操作部材把持用具にロックをかけた場合における両カバー部材11,12の状態を示している。したがって、両カバー部材11,12とウエイトバー4とが、重なっている部分(図中のp1,p2参照)は、実際のロック状態では重なるものではなく、この重なり分だけ両カバー部材11,12は、本図面において左右方向に撓んで拡がることとなる。この状態を示した図、すなわち、実際のロック状態を示した状態図が、図15(D)となる。
【0069】
なお、図15(B)から図15(C)および(D)への移行時、ロックレバー部材13のカム部13aの各部は、以下のような動作となる。なお、カム部13aの詳細な構成については、図14を参照しながら説明するものとする。
【0070】
すなわち、第1当接部13aは、旋回しながら下降し最下端面11h,12hと対向する位置へ移動する。そして、非ロック位置における上端部分が、ロック位置への移行により突堤11f2と当接する位置まで下降移動し、この突堤11f2に係合する。
【0071】
また、非ロック時に下面当接面11e,12eに対向配置されていた第2当接部13a2は、ロック位置への旋回により内周当接面11f1を外側へ押圧しながらこの内周当接面11f1内へ入り込み当接する。この第2当接部13a2と内周当接面11f1との当接は、長手方向全域、すなわち両直交壁11d1,11d1間全域で行われる。
【0072】
このとき、図15(C)および(D)に示すように、まず、内周当接面11f1が第2当接部13a2によって押され、垂直下降面11fは外側に若干拡がる。しかしながら、後述するようにカム部13aの第3および第6当接部13a3,13a6も同時に第2の被覆カバー部材12の内周当接面12f1に入り込んで垂直下降面12fを外側に拡げようとするので、両被覆カバー部材11,12はそれ以上両垂直下降面11f,12fが離れる方向には回動せず、逆に接近する方向への反力が発生する。
【0073】
したがって、内周当接面11f1は弾性変形を起こす。そして、第2当接部13a2が完全にロック位置まで移動すると、上述の弾性変形の反力を受けて、カム部13aは第2の被覆カバー部材12の内周当接面12f1側へ付勢されることとなる。
【0074】
なお、非ロック時において最下端面11h,12hに対向配置されていた第3当接部13a3は、ロック位置への移行に伴い旋回して第2の被覆カバー部材12の内周当接面12f1内へはまり込み当接する。なお、この第3当接部13a3と内周当接面12f1との当接は、長手方向における一部で行われる。第2の被覆カバー部材12の内周当接面12f1は、2つの連結部12d,12dの部分に形成されているが、長手方向において一部にしかないためである。加えて、この第3当接部13a3と第4当接部13a4との間に位置する第6当接部13a6もロック位置への移行に伴い旋回して第2の被覆カバー部材12の内周当接面12f1内へはまり込み当接する。この当接も長手方向一部において、行われることとなる。
【0075】
このとき、図15(C)および(D)に示すように、まず、内周当接面12f1が第3および第6当接部13a3,13a6によって押され、垂直下降面12fは外側に若干拡がる。しかしながら、上述したように、カム部13aの第2当接部13a2も同時に第1の被覆カバー部材11の内周当接面11f1に入り込んで垂直下降面11fを外側に拡げようとするので、両被覆カバー部材11,12はそれ以上両垂直下降面11f,12fが離れる方向には回動せず、逆に接近する方向への反力が発生する。
【0076】
したがって、内周当接面12f1は弾性変形を起こす。そして、第3および第6当接部13a3,13a6が完全にロック位置まで移動すると、上述の弾性変形の反力を受けて、カム部13aは第1の被覆カバー部材11の内周当接面11f1側へ付勢されることとなる。このため、カム部13aは、両内周当接面11f1,12f1に強い力で挟持されることとなり、両被覆カバー部材11,12の回動を阻止することとなる。なお、図15(D)の状態をさらに詳しく示したのが、図16である。図16に示すように、内周当接面11f1はz1で示した部分が弾性変形し押しつぶされ、内周当接面12f2はz2で示した部分が弾性変形し押しつぶされている。
【0077】
また、非ロック時において第2の被覆カバー部材12の内周当接面12f1側に対向配置されていた第4当接部13a4は、ロック位置への移行に伴い旋回して下面当接面11e,12eに当接する。なお、この実施の形態では、このように当接しているが、この部分は特に当接を必要としない。したがって、当接せず若干離れていても良い。また、逆に、下面当接面11e,12eに弾性変形を起こさせるようにして強めに当接するようにしても良い。
【0078】
また、非ロック状態からロック位置への移行時、第5当接部13a5は、非当接状態から回動途中での下面当接面11e,12eとの摺接を経て、最終的に下面当接面11e,12eと内周当接面11f1との間の部分で非当接状態となる。第1係合部13a7は、非ロック状態からロック位置への移行時、旋回により突堤11f2との係合が外れ、上述の第1当接部13a1と同様、最下端面11h,12hと空間を介して対向する位置へ移動する。第2係合部13a8は、非ロック状態からロック位置への移行時、最下端面11h,12hと対向する位置から旋回により上方へ移動し、第2の被覆カバー部材12の突堤12f2と係合する。
【0079】
このように構成された本実施の形態の操作部材把持用具10は、図16に示すようなロールブラインド下端に配置されたウエイトバー4へ取り付けられる。なお、この操作部材把持用具10は、ウエイトバー4への取り付け前に操作紐5の先端を最下端面11hの挿通孔11h1から挿入してこの部分に結び目5aを作り、垂下保持するようになっている。一方、本実施の形態の操作部材把持用具10は、図8に示したように、操作ハンドル5bを取り付けることも可能となっている。
【0080】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。例えば、上述した実施の形態では、ロックレバー部材13のカム部13aを上述したような形状としたが、この形状は限定されるものではない。非ロック位置において、両被覆カバー部材11,12に対してフリーな状態で保持され、ロック位置に回動された場合に両被覆カバー部材11,12の内周当接面11f1,12f1を圧接するような形状であればよい。
【0081】
また、上述の実施の形態では、ロックレバー部材13の両連結部13d,13dをレバー部13bで連結し空間部13cをその内側に形成するような構成としたが、レバー部は両連結部13d,13dの端部近傍とし、上述の実施の形態におけるレバー部13bはなくても良い。
【0082】
また、さらに、上述の実施の形態では、ロックレバー部材13のレバー部13bを回動させつつ上昇移動させレバー部13bが最下端位置にない状態をロック位置としたが、逆に最下端位置へ下降回動させた状態をロック位置としても良い。ただし、ウエイトバー4が下降位置へ降りたときに、レバー部13bが床等に衝突し、ロックが解除されてしまう危険を防止する上では、本実施の形態のようにロック位置が上昇回動させた位置とするのが好ましい。
【0083】
また、上述した実施の形態では、第1の被覆カバー部材11に回動支点となる軸11b,11bが、第2の被覆カバー部材12にこれらの軸11b,11bを受ける軸受け孔12b,12bがそれぞれ設けられているが、軸と軸受け孔の関係は逆でも良い。すなわち、第1の被覆カバー部材11側に軸受け孔を設け、第2の被覆カバー部材12側に軸受け孔を設ける構成としても良い。なお、その場合、請求項に記載された第1の被覆カバー部材は、上述の実施の形態における第2の被覆カバー部材12となる。また、請求項に記載された第2の被覆カバー部材は、上述の実施の形態における第1の被覆カバー部材11となる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、上述した本発明は、2つの被覆カバー部材とこれらの被覆カバー部材の回動をロックするためのロックレバー部材から構成されている。そして、両カバー部材を開いた状態でウエイトバーへ挿入され、その後閉じ込み動作がなされると共にロックレバー部材の回動によってロックがかけられるように取り付けられる。したがって、従来のように、ウエイトバーを覆う布地を片側に寄せてしまい、布地を傷めたり外観を損なわせるという不具合が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の操作部材把持用具の正面図である。
【図2】本実施の形態の操作部材把持用具の斜視図である。
【図3】図1を矢示III方向から見た右側面図である。
【図4】図1の操作部材把持用具から第2の被覆カバー部材およびロックレバー部材を取り外した状態で第1の被覆カバー部材を示した正面図である。
【図5】図4を矢示V方向から見た右側面図である。
【図6】図4のVI−VI断面図である。
【図7】図4のVII−VII断面図である。
【図8】本実施の形態の操作部材把持用具に操作部材となる操作ハンドルを吊り下げ保持させ、ロックをかけた状態で示した正面図である。
【図9】図1の操作部材把持用具から第1の被覆カバー部材およびロックレバー部材を取り外した状態で第2の被覆カバー部材を示した正面図である。
【図10】図9を矢示X方向から見た右側面図である。
【図11】図9の背面図である。
【図12】非ロック状態時およびロック状態時における操作ハンドル用の保持部の状態を説明するための図で、(A)は非ロック状態時における一側の保持部を示した図、(B)はロック状態時における一側の保持部を示した図ある。
【図13】図1の操作部材把持用具のロックレバー部材を示す正面図である。
【図14】図13のXIV−XIV断面図である。
【図15】本実施の形態の操作部材把持用具をウエイトバーへ取り付ける動作を説明するための図で、(A)は両被覆カバー部材を開いた状態、(B)は開いたままウエイトバーに挿入した状態、(C)および(D)は(B)の状態から両被覆カバー部材を閉じ、かつロックレバー部材を非ロック位置からロック位置まで回動した状態(特に(C)はウエイトバーが存在しない場合の両カバー部材のロック位置での状態を仮想的に示した仮想図)をそれぞれ示している。
【図16】図15(D)に示すロック状態における両被覆カバー部材の各内周当接面の状態を示すための断面図である。
【図17】従来技術の操作部材把持用具および本発明の操作部材把持用具が取り付けられるロールブラインドを示した正面図である。
【図18】従来技術の操作部材把持用具の一例の構成を説明するための断面図である。
【図19】図18に示した操作部材把持用具から見て改良型となる従来技術の操作部材把持用具の一例の構成を説明するための断面図である。
【符号の説明】
3 スクリーン
4 ウエイトバー
4c,4d 外側斜面
5 操作紐(操作部材)
5a 結び目
5b 操作ハンドル(操作部材)
5c 回動軸
11 第1の被覆カバー部材
11a カバー部
11a2 リブ
11b 軸
11c 第1の保持部
11d 第2の保持部
11e 下面当接面
11e1 窓部
11f 垂直下降面
11h 最下端面
11h1 挿通孔
12 第2の被覆カバー部材
12a カバー部
12a3 切り欠き部
12b 軸受け孔
12c 回動支点部
12d 連結部
12e 下面当接面
12f 垂直下降面
12h 最下端面
13 ロックレバー部材
13a カム部
13b レバー部

Claims (11)

  1. ブラインドの下端に配置されたウエイトバーに着脱可能に取り付けられ、上記ブラインドの引き下げ動作を行うための操作部材を吊り下げ保持するための把持用具において、
    上記ウエイトバーの一側の外側斜面を被覆可能なカバー部および回動支点となる軸ならびに上記操作部材を吊り下げ保持するための保持部を有する第1の被覆カバー部材と、
    上記ウエイトバーの他側の外側斜面を被覆可能なカバー部および上記第1の被覆カバー部材の回動支点軸を支持する軸受け孔を備えた回動支点部を有する第2の被覆カバー部材と、
    上記両被覆カバー部材の回動支点近傍の両部材の向かい合う空間内に配設されるカム部を備えこのカム部を回転中心として所定範囲で回動可能なロックレバー部材からなり、
    上記両被覆カバー部材を上記カバー部の先端同士が離れる方向に回動させ開いた状態で上記ウエイトバーに差し込み後、両被覆カバー部材の上記カバー部の先端同士が近づく方向に回動させて閉じ込み、さらに上記ロックレバー部材を回動させることによって当該操作部材把持用具が上記ウエイトバーに装着された状態でロックされると共に、非ロック状態からロック状態への上記ロックレバー部材の動作において、当該ロックレバー部材の上記カム部は上記両被覆カバー部材をそれぞれ押圧によって弾性変形させた状態で上記両被覆部材によって挟持され、両被覆部材の回動を阻止するように構成されたことを特徴とするブラインドの操作部材把持用具。
  2. ブラインドの下端に配置されたウエイトバーに着脱可能に取り付けられ、上記ブラインドの引き下げ動作を行うための操作部材を吊り下げ保持するための把持用具において、
    上記ウエイトバーの一側の外側斜面を被覆可能なカバー部を有する第1の被覆カバー部材と、この第1の被覆カバー部材に対して回動可能に取り付けられると共に上記ウエイトバーの他側の外側斜面を被覆可能なカバー部を有する第2の被覆カバー部材と、上記両被覆カバー部材の回動支点近傍の両部材の向かい合う空間内に配設されるカム部を備えこのカム部を回転中心として所定範囲で回動可能なロックレバー部材からなり、
    上記両被覆カバー部材を上記カバー部の先端同士が近づく方向に回動させ閉じた状態とし、この閉じ状態で上記ロックレバー部材を回動することにより上記ウエイトバーを挟み込み可能なロック状態となるように構成したことを特徴とするブラインドの操作部材把持用具。
  3. 前記ロックレバー部材を回動させて前記両被覆カバー部材の回動を阻止しロックをかけた際、前記ロックレバー部材の操作部位となるレバー部材が、当該操作部材把持用具を前記ウエイトバーに装着した状態において最下端に位置しないように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載のブラインドの操作部材把持用具。
  4. 前記両被覆カバー部材の少なくとも一方のカバー部における前記ウエイトバーとの対向面に、横ズレ防止用のリブを形成したことを特徴とする請求項1,2または3記載のブラインドの操作部材把持用具。
  5. 前記第1の被覆カバー部材は、前記カバー部に連続し前記ウエイトバーの下面に当接する下面当接面と、この下面当接面に連続し当該下面当接面の端部から垂直下降するように形成された垂直下降面と、この垂直下降面に連続し前記下面当接面と平行に形成される最下端面とを備え、この最下端面に切り欠きを設けると共にこの切り欠き内に前記第2の被覆カバー部材に対する回動支点となる軸を備えたことを特徴とする請求項1,3または4記載のブラインドの操作部材把持用具。
  6. 前記第1の被覆カバー部材の前記最下端面に挿通孔を設け、この挿通孔を前記操作部材となる操作紐を挿通させるためのものとし、前記最下端面に上記挿通孔に挿通される上記操作紐の一端に形成される結び目を配置して上記操作紐の他端側を垂下保持することにより、前記最下端面を前記保持部としたことを特徴とする請求項5記載のブラインドの操作部材把持用具。
  7. 前記第1の被覆カバー部材の長手方向両端部分に、それぞれ前記カバー部の下端に連続するU字溝を形成し、このU字溝を前記操作部材となる操作ハンドルの回動軸を回動自在に保持する前記保持部としたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のブラインドの操作部材把持用具。
  8. 前記第2の被覆カバー部材のカバー部長手方向両端部分に、それぞれ切り欠き部を設け、前記両被覆カバー部材を回動させて開いた状態とした際に、前記操作ハンドルの回動軸を上記切り欠き部と前記U字溝との間の隙間から挿入可能とすると共に、前記両被覆カバー部材を回動させて閉じた状態とした際に、この隙間部分に前記ウエイトバーの下面の一部が入り込み前記回動軸の外への飛び出しを防止することを特徴とする請求項7記載のブラインドの操作部材把持用具。
  9. 前記第2の被覆カバー部材のカバー部の下端に、前記第1の被覆カバー部材の前記下面当接面に形成された窓部に挿通されてさらに下方へ延出されその端部に前記回動支点部を備えた連結部を設けたことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項記載のブラインドの操作部材把持用具。
  10. 前記第2の被覆カバー部材を前記第1の被覆カバー部材へ組み込む際、前記連結部を前記第1の被覆カバー部材の垂直下降面に形成された切り欠き部内に挿入することにより、前記回動支点軸の撓みを利用して当該回動支点軸を前記第2の被覆カバー部材側に設けた軸受け孔内に挿入することを特徴とする請求項9記載のブラインドの操作部材把持用具。
  11. フレームに巻き取り軸の両端を回転可能に支持し、上記巻き取り軸からスクリーンが垂下され、かつこのスクリーンの下端部分にウエイトバーが固定されたブラインドにおいて、請求項1から10のいずれか1項記載の操作部材把持用具が上記ウエイトバーに取り付けられたことを特徴とするブラインド。
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