JP3565324B2 - 液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多人数で見る携帯情報端末、パソコン、ワープロ、アミューズメント機器、テレビなどの平面ディスプレイ、シャッタ効果を利用した表示板、窓、扉、壁などに用いる液晶表示装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ネマティック液晶を用いたTN(ツイスティッドネマティック)型、STN(スーパーツイスティッドネマティック)型など電気光学効果を利用した液晶表示装置が実用化されている。これらは、カラー表示に際し、カラーフィルターを要するため、光の利用効率が1/3以下であり、その結果、暗い画面表示あるいは消費電力が大きくなっていた。また、RGB(赤、緑、青)毎に画素を使用させなければならず、実際の表示絵素数は表示画素数の3分の1となるため、画面サイズの割に高精細化が困難であった。
【0003】
最近、図1に示すように、バックライトを順次RGB毎に面発光させて、それにともない液晶パネルにRGBそれぞれの画像を同期させて表示させることによりカラー表示を行うフィールド・シーケンシャル方式が提案されている。
【0004】
これは人間の目にちらつきを感じさせないようにするため、1/60秒以下でR、G、B一組の画像を順次高速に切り換えてカラー表示を行う方式である。すなわち、1/180秒以内に液晶の各画素信号に対応した電圧設定と印加、液晶応答、バックライト発光の一連の処理を行っている。
【0005】
特に、1/180秒(約5.5ミリ秒)以内に液晶の各画素信号電圧印加時間を約1ミリ秒に、バックライト発光時間を約1.5ミリ秒に設定すると、液晶の応答時間は3ミリ秒以下という高速応答性が要求される。そのため、TN(ツイストネマティック)の数十倍の応答速度を有するベンド配向が注目されてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ベンド配向における応答特性はTN(ツイストネマチック)方式より数十倍高速であるが、フィールド・シーケンシャル方式で要求される応答速度(3ミリ秒以下)とするには、液晶材料の物性値の設計が非常に重要となる。しかし、応答速度のみに重点をおいた液晶材料では他の特性である保持率や焼き付き等に悪影響を及ぼすため実際に使用するには液晶材料の各物性値を最適化する必要がある。しかし、これには時間と費用が多く必要とされ、現時点でまだ実用に耐える材料が開発されていない。
【0007】
SID’98(p143〜p146)において、IBMが「ベンド配向維持電圧より下の電圧に液晶印加電圧を下げた後、維持電圧より高い電圧を液晶に印加するという電圧の設定値を交互に変化させる」方法を発表している。これは通常のTFTパネルにおいて、いったん黒表示を出してから白表示にすることであり、目の感じる感覚をCRTと同じようにする手法である。この方法では黒表示した後、白表示するためバックライトのエネルギー効率が悪い。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決して高精細、高輝度で表示品位の高い液晶表示装置の駆動方法を提供することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、液晶の電圧に対する光学応答とRGB3色切替のバックライト発光とを同期させて駆動する液晶表示素子であり、液晶分子の配向がベンド配向である液晶表示装置の駆動方法において、R、G、B各々の画像を表示する期間において、バックライト発光時間には、前記駆動電圧の低電圧側の最低設定電圧を、ベンド配向を維持するためのベンド転移電圧より低い電圧に設定し、バックライト非発光時間には上記ベンド転移電圧より高い電圧に設定することを特徴とする。
【0010】
また、バックライト非点灯時には、液晶に印加される電圧が、供給可能な電圧の最も高い電圧であれば良い。
【0011】
また、最低設定電圧Vsと最高設定電圧Vlおよびベンド転移電圧Vcr、バックライト発光時間t1、バックライト非発光時間t2とすると、(t1+t2)*Vcr2≦t2*Vl2+t1*Vs2、の関係を満たせれば良い。
【0012】
上記構成による作用を説明する。
【0013】
本発明は、図2に示すように、フィールド・シーケンシャル方式において、R、G、B一組の画像を順次高速に切り換えてカラー表示を行う。R、G、B各々の画像を表示する期間において、バックライト発光時間(t1)には低電圧側の最低設定電圧を、ベンド配向を維持するための電圧(以後Vcr)より低い電圧Vsに、バックライト非発光時間(t2)にはVcrより高い電圧Vlに設定することで、平均的にVcrより高い電圧に設定することができ、駆動時のベンド配向を安定化させることが可能となる。特に、駆動電圧範囲を通常より広く設定することができるため屈折率異方性(Δn:電圧によって変化する)を大きくすることができる。OCBモードのような複屈折効果を用いた表示方式におけるリタデーション(δ=Δn・d:dはセルギャップ)を一定とした場合、Δnを大きくすることでセルギャップdを小さくすることが可能となる。その結果、液晶の応答速度はdの2乗に比例すると考えられているのでdを小さくすることで応答速度を速くすることができる。特に応答速度が速くなることで、R、G、B一組の画像を人間の目のちらつきを感じさせないスピードで順次高速に切り替えることが可能である。以上のことにより高精細、高輝度の表示品位の高い液晶表示装置の駆動方法を提供することができる。
【0014】
すなわち、液晶材料の物性値をせまく限定する必要なく、駆動方法により応答速度を速くすることができる。それによって高精細、高輝度で表示品位の高い液晶表示装置の駆動方法を提供することができる。
【0015】
また、上記の関係式を満足しない場合は、液晶に印加する電圧の平均電圧の二乗がベンド配向転移電圧Vcrの二乗以下となってしまい、ベンド配向状態を維持することができなくなる。従って、最低設定電圧Vs、最高設定電圧Vl、ベンド転移電圧Vcr、バックライト発光時間t1、バックライト非発光時間t2は、上記の関係を満たすことにより、高精細、高輝度の表示品位の高い液晶表示装置の駆動方法を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(液晶)
一般的なネマチック液晶を用いることができる。しかし、応答速度を数ミリ秒にするため、 屈折率異方性Δnの高いものや粘性率ηの低いものを用いるのが好ましい。
【0017】
(配向膜)
配向膜は、水平配向性配向膜を使用することが望ましい。比較的高プレチルト(>3°)以上のものを使うことが望ましい。プレチルトが低すぎるとバイアス電圧を印加したときに配向状態がスプレイ配向からベンド配向に転移しない可能性がある。
【0018】
(基板)
全画面の画素電圧設定を1ミリ秒以下で完了する基板であることが望ましい。例えばポリシリコン等を用いることが望ましい。
【0019】
(駆動方法)
最低設定電圧をVs、最高設定電圧をVl、ベンド転移電圧Vcr、バックライト発光時間t1とバックライト非発光時間t2とすると、
(t1+t2)*Vcr2≦t2*Vl2+t1*Vs2、
の関係を満たすことが望ましい。上式を満足しない場合は、液晶に印加する電圧の平均電圧の二乗がベンド配向転移電圧Vcrの二乗以下となってしまい、ベンド配向状態を維持することができなくなる。
【0020】
(実施例)
次に実施例によってこの発明をさらに具体的に説明する。マトリクス状に画素電極が配置されたポリシリコンTFTセルにネマティック液晶(メルク社製(ZLI4801−100))を注入し、セル厚5.2μmの液晶セルを作製した。バイアス電圧6Vを印加し、液晶の配向をスプレイ配向からベンド配向へ変化させた。つづいて図3(A)に示すように、バックライト発光時間(t1)303の1.5ミリ秒においては、ベンド配向転移電圧(Vcr)2.2Vより低い最低設定電圧(Vs)301の1.0Vを、バックライト非発光時間(t2)304の4.0ミリ秒においては、ベンド配向転移電圧Vcrより高い電圧(Vl)302の6.0Vをネマチック液晶に印加した。
【0021】
クロスニコル下において画面は白表示で安定していた。なお、応答速度は黒表示から白表示への状態変化で2ミリ秒であった。
【0022】
つづいて、RGB切替バックライトと同期させてセルを駆動させて表示させたところ動画像がちらつきなく表示できた。
【0023】
(比較例1)
実施例と同様なセル厚5.2μmのセルに液晶を注入し、実施例と同様にベンド配向に変化させ図3(B)に示すようなベンド配向転移電圧(Vcr)の反転駆動信号を供給した。セル厚が小さく、位相差が1/2波長分より足らないため、黒表示の電圧印加時に光漏れが発生し、コントラストが低くなってしまった。
【0024】
(比較例2)
比較例1において光漏れのないようにセル厚を8.7μmと大きくしたセルに液晶を注入し、白黒になるよう図3(B)に示す駆動信号を印加した。しかしセル厚が大きいためその応答速度は5ミリ秒とフィールド・シーケンシャル駆動用としては遅くなった。該セルとRGB切替発光バックライトと同期させたところ画面の応答がバックライト切替に追いつくことができなくて正常に画面表示することができなかった。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、駆動電圧の低電圧側をVcr低電圧側に設定することで結果的にはセルギャップdを小さくすることができ応答速度を速くすることができる。
【0026】
それによって液晶材料の物性値を強く限定する必要なしにフィールド・シーケンシャルが可能となるので低コストで高精細、高輝度の液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィールド・シーケンシャルの駆動概念図である。
【図2】本発明の駆動方法の概念図である。
【図3】(A)は実施例の駆動用波形、(B)は比較例2における駆動用波形である。
【符号の説明】
Vl 最高設定電圧
Vcr ベンド転移電圧
Vs 最低設定電圧
t1 バックライト発光時間
t2 バックライト非発光時間
301 最低設定電圧
302 最高設定電圧
303 バックライト発光時間
304 バックライト非発光時間
Claims (3)
- 液晶の駆動電圧に対する光学応答とRGB3色切替のバックライト発光とを同期させて駆動する液晶表示素子の分子配向が、ベンド配向である液晶表示装置の駆動方法において、
R、G、B各々の画像を表示する期間において、バックライト発光時間には、前記駆動電圧の低電圧側の最低設定電圧を、ベンド配向を維持するためのベンド転移電圧より低い電圧に設定し、バックライト非発光時間には上記ベンド転移電圧より高い電圧に設定することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。 - バックライト非発光時間には、液晶に印加される駆動電圧が、供給可能な最も高い電圧であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置の駆動方法。
- 最低設定電圧Vsと最高設定電圧Vlおよびベンド転移電圧Vcr、バックライト発光時間t1、バックライト非発光時間t2とすると、
(t1+t2)*Vcr2≦t2*Vl2+t1*Vs2、の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装置の駆動方法。
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