JP3565149B2 - リードフレーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体集積回路の実装に用いられるリードフレームに関し、特に多ピンリードを有するBGA形態のリードフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体装置は小型化、薄型化、多ピン化及び高密度化がより一層要求されるのに伴い、これらの半導体装置に用いられるパッケージ形態はQFP(クワッド・フラット・パッケージ)型やTCP(テープ・キャリア・パッケージ)からバンプ電極をエリアアレイ状に配置したBGA(ボール・グリッド・アレイ)を使ったCSP(チップ・サイズ・パッケージ)として大きく市場に展開されようとしている。
【0003】
これらのパッケージを構成しているリードフレームも多ピン化、狭ピッチ化が進んでおり、リードピン数が300ピン以上、リード間のピッチが200μm以下のリードフレームも実用化されている。また、半導体素子の高速化に伴い、高い電気伝導度を有する銅合金系の金属材料の使用も年々増加している。
【0004】
リードフレームの製造方法としては、金型による打ち抜きプレス法や塩化第二鉄液等のエッチング液を用いたエッチング法の二つに大別される。
エッチング法は打ち抜きプレス法と比較して微細加工性に優れ、高価である金型を使用しないため、多品種少量の製造にも適しており、製品の多様化が進む昨今の状況に置いて広く採用されている方法である。
【0005】
エッチング法は微細加工性に優れた加工法であるが、その加工能力にも限界があり、レジストパターン寸法やエッチング条件の最適化を行っても、リード間のピッチはリードフレームを形成している金属基材の板厚以下には加工できないとされている。金属基材の板厚はリードフレームの強度を確保するため、ある程度の厚さが必要で100μm以下での使用は難しく、実際的には125μm以上で使用されている。
【0006】
このような状況で、BGA形態のリードフレームは外部接続端子以外のリード裏面をハーフエッチングすることで薄肉化して、外部接続端子を形成し、ファインピッチに対応している。
しかし、現状のBGA形態のリードフレームは外枠(パッケージ外周側)からのみリードを出しているため、外部接続端子間を通るリードの本数で外部接続端子数、外部接続端子ピッチが限定されてしまう。例えば、外部接続端子ピッチが0.8mm、外部接続端子径が0.3mmの場合外枠に近い最外周の外部接続端子間を通るリードは2本、外部接続端子ピッチが0.65mm、外部接続端子径が0.3mmの場合外枠に近い最外周の外部接続端子間を通るリードは1本となる。従って、外部接続端子ピッチが0.8mmでは3列の外部接続端子配列、外部接続端子ピッチが0.65mmでは2列の外部接続端子配列が限度となってしまい、リードの多ピン化に対し障害になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み考案されたもので、高密度実装に対応した信頼性の高いBGA形態のリードフレームを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、まず、請求項1においては、ICチップ搭載用のダイパッドと、前記ダイパッドを吊る吊りリードと、枠体と、前記ダイパッド周辺に配置されたランド状の外部接続端子とを有するリードフレームであって、前記枠体は外枠及び前記ダイパッド周辺に形成された薄肉化された内枠からなり、薄肉化された第1のリードが、前記内枠に連結されるとともに前記外枠から分離され、薄肉化された第2のリードが、前記外枠に連結されるとともに前記内枠から分離され、前記外部接続端子は前記第1のリード、前記第2のリード及び薄肉化された前記吊りリードに形成され、前記吊りリードは前記外枠及び前記内枠に連結されており、前記内枠は前記ダイパッドもしくは前記吊りリードの一方と連結されていることを特徴としたリードフレームとしたものである。
【0009】
また、請求項2においては、前記第1のリード形成された前記外部接続端子、前記吊りリードの一部及び前記ダイパッドの周辺部をテープで固定した後、前記内枠を打ち抜くことで、前記第1のリード形成された前記外部接続端子と前記ダイパッドとの電気的接続を解除することを特徴とするリードフレームとしたものである。
【0010】
さらにまた、請求項3においては、前記第1のリード、前記第2のリード、前記吊りリード及び前記内枠の薄肉部、前記ダイパッド周辺に設けられたスリット及び開口部に樹脂を埋め込んだ後、前記内枠を除去することを特徴とするリードフレームとしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき説明する。
図1は本発明の請求項1に記載のリードフレームの一実施例を一方の面から見た平面図を、図2は本発明の請求項1に記載のリードフレームの一実施例を他方の面から見た平面図を、図3(a)は本発明の請求項1に記載のリードフレームの一実施例を一方の面から見た部分平面図を、図3(b)は図3(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図を、図4(a)は本発明の請求項1に記載のリードフレームの一実施例を他方の面から見た部分平面図を、図4(b)は図4(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図を、図5(a)は本発明の請求項2に記載のリードフレームの中間状態を一方の面から見た部分平面図を、図5(b)は図5(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図を、図6(a)は本発明の請求項2に記載のリードフレームの一実施例を一方の面から見た部分平面図を、図6(b)は図6(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図を、図7(a)は本発明の請求項3に記載のリードフレームの中間状態を一方の面から見た部分平面図を、図7(b)は図7(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図を、図8(a)は本発明の請求項3に記載のリードフレームの一実施例を一方の面から見た部分平面図を、図8(b)は図8(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図をそれぞれ示す。
図2及び図4中黒塗り部がフルメタルの部位、ハッチ部が薄肉部を示す。
【0012】
本発明の請求項1に記載のリードフレーム100は図1及び図2に示すように、ICチップ搭載用のダイパッド51と、外枠21と、薄肉化された内枠31と、薄肉化されたリード11と、薄肉化された吊りリード12と、外部接続端子41と、ダイパッド51の周辺に形成されたスリット61とから構成されており、一部の外部接続端子41は薄肉化されたリード11にて外枠21に、その他の外部接続端子41は薄肉化されたリード11にて薄肉化された内枠31にそれぞれ連結されており、外枠21と薄肉化された内枠31に連結された吊りリード12にも外部接続端子41が設けられている。
このような構成にすることによりリード11を外枠21に必ずしも連結する必要がないため、外部接続端子41及びリード11を外枠21とダイパッド51間の限られた領域に効率よく配置でき、BGAタイプのリードフレームの多ピン化に対応できるようにしたものである。
【0013】
図3(a)〜(b)及び図4(a)〜(b)の部分平面図及び部分断面図を用いて詳細に説明する。
外枠21、外部接続端子41及びダイパッド51はフルメタルで形成されており、リード11、吊りリード12及び内枠31はハーフエッチングで薄肉化されている(図4(a)及び(b)参照)。ダイパッド51の周辺には内枠31との間にスリット61が形成されており、後記するテープ固定打ち抜き法及び樹脂埋め込みむしり法で内枠31を除去し易いようにするためである。また、スリット61によりフルメタル部であるダイパッド51と薄肉部である内枠31とを完全に区分けしたことで、打ち抜きの際のダイパッド51周辺にバリが発生するのを防止している。
ダイパッド51の一方の面に溝52が形成されており、これはICチップ等をダイパッド52に導電接着剤等で接着する際に接着剤の食いつきを良くするために設けられているものである(図3(a)及び(b)参照)。
【0014】
本発明の請求項2に記載のリードフレーム200は内枠31がテープ固定打ち抜き法で除去されたリードフレームである(図6(a)及び(b)参照)。
まず、リードフレーム100の内枠31に連結された外部接続端子41、内枠31及びダイパッド51の周辺部の一方の面を接着剤付きのテープ71で固定したリードフレーム200’を作製する(図5(a)及び(b)参照)。
次に、リードフレーム200’のテープ71及び内枠31を金型等で打ち抜き、外部接続端子41とダイパッド51との電気的的接続を解除したリードフレーム200を得る(図6(a)及び(b)参照)。
ここで、残留テープ71aがリードフレーム上に残るが、そのままの状態で半導体実装が行われる。
【0015】
本発明の請求項3に記載のリードフレーム300は内枠31が樹脂埋め込みむしり法で除去されたリードフレームである(図8(a)及び(b)参照)。
まず、リードフレーム100のリード11、吊りリード12及び内枠31の薄肉部、ダイパッド51の周辺部に設けられたスリット61及び開口部に樹脂81を埋め込んだリードフレーム300’を作製する(図7(a)及び(b)参照)。
次に、リードフレーム300’の内枠31を物理的にむしり取って、外部接続端子41とダイパッド51との電気的的接続を解除したリードフレーム300を得る(図8(a)及び(b)参照)。
なお、むしり取りを容易にするために、むしり取り部と残す部位との境界にむしり線を形成しても良い。
【0016】
【発明の効果】
上記したように、外部接続端子を有するBGAタイプのリードフレームにおいて、ダイパッドの周辺部に薄肉化された内枠を設け、外部接続端子及びリードの一部を内枠に連結することにより、外部接続端子及びリードを限られた領域に効率よく配置でき、BGAタイプのリードフレームの多ピン化に対応でき、信頼性の高いリードフレームを提供できる。
さらに、内枠はテープ固定打ち抜き法及び樹脂埋め込みむしり法で容易に除去でき、高密度実装に対応したBGAタイプのリードフレームを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に記載のリードフレームの一実施例を一方の面から見た平面図である。
【図2】本発明の請求項1に記載のリードフレームの一実施例を他方の面から見た平面図である。
【図3】(a)は、本発明の請求項1に記載のリードフレームの一実施例を一方の面から見た部分平面図である。(b)は(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図である。
【図4】(a)は、本発明の請求項1に記載のリードフレームの一実施例を他方の面から見た部分平面図である。(b)は(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図である。
【図5】(a)は、本発明の請求項2に記載のリードフレームの中間状態を一方の面から見た部分平面図である。(b)は、(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図である。
【図6】(a)は、本発明の請求項2に記載のリードフレームの一実施例を一方の面から見た部分平面図である。(b)は、(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図である。
【図7】(a)は、本発明の請求項3に記載のリードフレームの中間状態を一方の面から見た部分平面図である。(b)は、(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図である。
【図8】(a)は、本発明の請求項3に記載のリードフレームの一実施例を一方の面から見た部分平面図である。(b)は、(a)の部分平面図をA−A線で切断した部分断面図である。
【符号の説明】
11……リード
12……吊りリード
21……外枠
31……内枠
41……外部接続端子
51……ダイパッド
52……溝
61……スリット
71……テープ
71a……残留テープ
81……樹脂
100、200、300……リードフレーム
200’、300’……中間状態のリードフレーム

Claims (3)

  1. ICチップ搭載用のダイパッドと、前記ダイパッドを吊る吊りリードと、枠体と、前記ダイパッド周辺に配置されたランド状の外部接続端子とを有するリードフレームであって、前記枠体は外枠及び前記ダイパッド周辺に形成された薄肉化された内枠からなり、薄肉化された第1のリードが、前記内枠に連結されるとともに前記外枠から分離され、薄肉化された第2のリードが、前記外枠に連結されるとともに前記内枠から分離され、前記外部接続端子は前記第1のリード、前記第2のリード及び薄肉化された前記吊りリードに形成され、前記吊りリードは前記外枠及び前記内枠に連結されており、前記内枠は前記ダイパッドもしくは前記吊りリードの一方と連結されていることを特徴とするリードフレーム。
  2. 前記第1のリード形成された前記外部接続端子、前記吊りリードの一部及び前記ダイパッドの周辺部をテープで固定した後、前記内枠を打ち抜くことで、前記第1のリード形成された前記外部接続端子と前記ダイパッドとの電気的接続を解除することを特徴とする請求項1に記載のリードフレーム。
  3. 前記第1のリード、前記第2のリード、前記吊りリード及び前記内枠の薄肉部、前記ダイパッド周辺に設けられたスリット及び開口部に樹脂を埋め込んだ後、前記内枠を除去することを特徴とする請求項1に記載のリードフレーム。
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