JP3564150B2 - プロテインc誘導体 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はヒト用医薬、殊に血液凝固疾患処置の分野に属する。特に、本発明はヒトプロテインC分子の誘導体、これら誘導体の使用法およびこれらプロテインC誘導体を含む医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロテインCは主として約25キロダルトンの軽鎖と約41キロダルトンの重鎖とがジスルフィドで結合した不活性なヘテロダイマーとして循環しているビタミンK依存性血漿蛋白である。重鎖はそのN端活性化ペプチドを持つセリンプロテアーゼドメインを含み、軽鎖はカルシウム依存性膜結合および機能活性に必要なガンマ−カルボキシグルタミン酸の残基の領域を含む。不活性ヒトプロテインCチモーゲンはトロンビン/トロンボモジュリン複合体の作用で活性化プロテインCに変換される。このトロンビン/トロンボモジュリン複合体は活性ペプチド(循環チモーゲンの残基158から169またはプレプロチモーゲンの残基200から211)を切断して活性化プロテインCを形成するものである。
【0003】
治療剤としてのプロテインCの役割はよく知られている(例えば、ヒトプロテインCチモーゲンをコードするDNA配列を開示するバング等の米国特許第4775624号および活性化ヒトプロテインCの製法を開示するバング等の米国特許第4992373号参照)。FLINと呼ばれるヒトプロテインC誘導体はゲルリッツ等が欧州特許出願第91301450.2号に開示した。このFLIN誘導体は活性化ペプチドの167位(プレプロチモーゲンの206位)にAsp残基の代わりにPhe残基を、重鎖の172位(プレプロチモーゲンの214位)にAsp残基の代わりにAsn残基を持つ。このFLIN誘導体は野生型ヒトプロテインCチモーゲンよりもトロンビンによってより容易に活性化される。別のヒトプロテインC誘導体Q313およびQ329はゲルリッツ等が欧州特許出願第91301446.0号に開示した。Q313誘導体は野生型チモーゲンの313位にAsn残基の代わりにGln残基を持ち、Q329誘導体は野生型チモーゲンの329位にAsn残基の代わりにGln残基を持つ。このQ313とQ329誘導体は正常には野生型分子のこれらの位置にあるAsnに結合する炭水化物構造を欠くため、アミド分解および機能活性の強化を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明のヒトプロテインC誘導体はトロンビンによって容易に活性化され、天然型ヒトプロテインC分子や別のヒトプロテインC誘導体よりも機能的に活性である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は天然型ヒトプロテインC分子のアミノ酸313をアスパラギンからグルタミンに、アミノ酸167をアスパラギン酸からフェニルアラニンに、またアミノ酸172をアスパラギン酸からアスパラギンに変更することによって修飾したヒトプロテインCの誘導体に関する。さらに、これらの分子は、野生型アスパラギン残基をグルタミン残基に変えることによって329位を修飾してもよい。この残基329の変更は残基313の変更とのみ共同して行ってもよいが、残基167および172の変更と共同して行ってもよい。上記ヒトプロテインC誘導体は野生型ヒトプロテインC分子または他のヒトプロテインC誘導体よりも、トロンビンによってより容易に活性化され、また機能的にもより活性である。
【0006】
また、新規ヒトプロテインC誘導体の生産に有用な組換えDNA構築物、ベクターおよび形質転換体も開示する。さらに、本発明のヒトプロテインC誘導体の有効量を医薬的に受容し得る添加剤一以上と共に含む医薬組成物およびこの誘導体を疾病の処置または予防に使う方法も開示する。
【0007】
本明細書に用いる用語と略号をここに定義しておく。
【0008】
Q313=天然型ヒトプロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
Q329=天然型ヒトプロテインC分子の329位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
プロテインC誘導体Q313およびQ329は参考文献であるゲルリッツ等の欧州特許出願第91301446.0号およびグリンネル等、1991年、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、226巻、9778〜9785頁に開示されている。
【0009】
Q3Q9=天然型ヒトプロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に、天然型ヒトプロテインC分子の329位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
【0010】
F167=天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニンに変えたヒトプロテインC誘導体。プロテインC誘導体F167は参考文献であるバング等、欧州特許出願第88312201.2号およびエールリヒ等、1990年、EMBO・ジャーナル、9巻、2367〜2373頁に開示されている。
【0011】
LIN=天然型ヒトプロテインC分子の172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
FLIN=天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニンに、天然型プロテインC分子の172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
プロテインC誘導体LINとFLINは参考文献であるゲルリッツ等、欧州特許出願第91301450.2号およびグリンネル等、「プロテインCおよび関連する抗凝血剤」13〜46頁(D.ブルリーおよびW.ドロハン編、ガルフ出版者、ヒューストン、1990年)に開示されている。
【0012】
FLIN−Q313=天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニンに変え、天然型プロテインC分子んの172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変え、天然型プロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
【0013】
FLIN−Q3Q9=天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニンに変え、天然型プロテインC分子の172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変え、天然型プロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変え、天然型プロテインC分子の329位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
【0014】
GBMT転写ユニット=アデノウイルスメジャー・レート・プロモーター(MLTF)の上流制御要素に接近したBKウイルスのP2エンハンサー、アデノウイルス2メジャー・レート・プロモーター、該プロモーターを刺激する位置にあるポリGT要素およびアデノウイルスのスプライスト・トリパータイト・リ−ダー配列を含むDNA配列からなる修飾された転写制御ユニット。
【0015】
形成期蛋白=mRNA転写の翻訳で生じたポリペプチドであって、翻訳後修飾が始まる前のもの。しかし、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化およびアスパラギン酸残基のヒドロキシル化のような翻訳後修飾はmRNA転写から蛋白質が完全に翻訳される前に始まるかもしれない。
【0016】
プロテインC活性=蛋白分解、アミド開裂、エステル開裂および生物学的(抗凝血またはプロフィブリン分解)活性の原因となるヒトプロテインCの性質のうちいづれか。蛋白の抗凝血作用の検定法は文献公知である。すなわち、グリンネル等、1987年、バイオ/テクノロジー、5巻、1189〜1192頁参照。
【0017】
チモーゲン=蛋白分解酵素の酵素的に不活性な前駆体。ここにプロテインCチモーゲンとは分泌された一鎖か二鎖の不活性型プロテインCである。
【0018】
この開示で用いるアミノ酸の略号は37、C.F.R.、1.822条(b)(2)(1990)に記載のように米国特許商標庁が認めたものである。
【0019】
本発明は変更されたグリコシル化パターンおよび変更された活性領域を持つヒトプロテインC誘導体を提供する。特に、これら誘導体はQ3Q9、FLIN−Q313およびFLIN−Q3Q9を含む。誘導体Q3Q9はプロテインC分子の313位と329位に(正常時にこれらの位置に認められるアスパラギン残基ではなく)グルタミン残基を持つ。誘導体FLIN−Q313は該分子の167位にフェニルアラニン残基を、該分子の172位にアスパラギン残基(正常時に両位置に認められるアスパラギン酸残基ではなく)を持ち、また313位に(正常時にこの位置に認められるアスパラギン残基ではなく)グルタミン残基を持つ。誘導体FLIN−Q3Q9では、167位の残基はアスパラギン酸からフェニルアラニンに、172位の残基はアスパラギン酸からアスパラギンに、313位の残基はアスパラギンからグルタミンに、329位の残基はアスパラギンからグルタミンに変わっている。
【0020】
誘導体FLIN−Q313およびFLIN−Q3Q9はトロンビンのみでも例外的に高率の活性化を示す。さらに野生型ヒトプロテインCと異なり誘導体FLIN−Q313およびFLINQ3Q9は凝固ヒト血漿中に生成するトロンビンによって活性化され得、それ以上の血塊形成を阻止する。この血塊で活性化されるプロ酵素は実質的に天然型プロテインCの活性型よりも比活性が大きく、半減期が長い。それ故、本発明の誘導体は顕著なトロンビン発生があるとき以外には抗凝固活性のない作用部位で活性化される抗血栓剤として用い得る。
【0021】
さらに、本発明はこのプロテインC誘導体を作るために用いるDNA化合物をも提供する。これらDNA化合物は、野生型チモーゲンプロテインCのプレプロペプチド配列と翻訳読み枠が合っていて、その下流に直に隣接して位置するヒトプロテインCの軽鎖のためのコード配列を含む。また、このDNA配列はプロテインC分子の成熟の間に加工(プロセシング)されるジペプチドLys−Arg、活性化ペプチドおよびプロテインC分子の重鎖もコードしている。167、172および313位にあるアミノ酸残基の変更は分子の活性化を変えるが、313および329位にあるアミノ酸残基の変更は分子の炭水化物含有量を変える。
【0022】
遺伝子コードの縮重のため、当業者は多数のDNA化合物が上記ポリペプチドをコードできることを理解するであろう。参考文献であるバング等の米国特許第4775624号は野生型ヒトプロテインC分子をコードするDNA配列を開示し、特許請求している。本明細書に開示するポリペプチドそのものをコードできる別のDNA配列を構築するために如何なるDNA配列変化を使えるかは当業者なら容易に決められるので、本発明は寄託によって開示する特定のDNA配列に限られるものではない。それ故、以下に記載する構築および実施例で用いる好適なDNA化合物、ベクター及び形質転換体は単なる例示であり、本発明を限定するものではない。加えるに、313および329位にあるAsnのGlnへの置換も単なる例示であって、CysとProを除けば別の置換も使えるので、これも本発明の範囲を限定するものでない。
【0023】
本発明のDNA化合物は全てヒトプロテインC遺伝子の部位特異的突然変異誘発によって製造された。次いで、突然変異化したチモーゲンをコードする分子を、チモーゲン遺伝子の発現がGBMT転写ユニットによって駆動され得るように真核細胞の発現ベクターに挿入した。これらのベクターを大腸菌K12・AG1細胞にトランスフォームし、1992年1月14日に61604イリノイ州ペオリアのノーザン・リジョナル・リサーチ・ラボラトリーズに寄託し、永久保存カルチャー・コレクションの一部とした。その培養名と受託番号を表1に示す。
【表1】
【0024】
従来の技術で培養物を得、プラスミドを単離し、次にヒトプロテインCの誘導体を製造するための真核宿主細胞に直接トランスフェクトすることができる。アデノウイルスE1A即時−初期遺伝子産物を発現する宿主細胞にプラスミドをトランスフェクトすることは、GBMT転写制御ユニット中にあるBKエンハンサーがE1Aの存在下で最も効率的に発現を強化するよう機能する点で好ましい。このGBMT転写制御ユニットは参考文献であるベルグ等の欧州特許出願第91301451.0号により詳細に記載されている。当業者はいくつかの宿主細胞が大型DNAウイルスの即時−初期遺伝子産物を発現するか、発現させることができることを知っている。本発明のヒトプロテインC誘導体の発現に最も好適なセルライン(細胞系)は参考文献であるバング等の米国特許第4992373号に開示されているヒト腎臓293セルラインである。このセルラインで発現後、この誘導体を細胞培養上澄液から参考文献であるヤンの米国特許第4981952号の操作を用いて精製する。
【0025】
本発明のDNA配列は化学的に合成することができ、あるいは、制限断片の結合によって、またはこの分野で公知の技術を結合して合成できる。DNA合成機を利用して本発明のDNA化合物を構築することもできる。
【0026】
本発明の例示であるベクターはアデノウイルス後期プロモーターによってコード配列の転写が刺激されるように配置されたGBMT転写ユニットを含む。当業者は多数の真核プロモーター、エンハンサーおよび発現ベクターが公知であり、これらを用いて上記DNA配列を発現させることにより本発明のプロテインC誘導体を製造できることを知っている。また、当業者は真核発現ベクターはエンハンサー要素がなくても機能できることも知っている。本発明が特徴とするのはこの誘導体発現に用いる特定のエンハンサーまたはプロモーターではなく、新規DNA配列とそれら配列から製造される対応する蛋白なのである。
【0027】
本発明のベクターは特に哺乳類のような多種の真核宿主細胞中にトランスフォームし、そこで発現できる。NRRLに寄託したこれらのベクターはいずれもハイグロマイシン耐性遺伝子を含む。しかし、選択マーカーを含まないベクターも容易に構築でき、一時的検定を行うために用いるか、あるいは選択マーカーを含む別のベクターと共にセル・ラインに同時トランスフォームすることもできる。普通、他の宿主生物よりも大腸菌中でプラスミドDNAを製造する方が効率的なので、本発明のベクターには大腸菌中で複製できる配列を含めることもできる。
【0029】
本発明の例示であるDNA配列およびプラスミドには多くの修飾および変形が可能である。例えば、遺伝子コードの縮重のため、ポリペプチドをコードする全領域並びに翻訳停止シグナル内で、コードされたポリペプチドコード配列の変更なしにヌクレオチドを置換できる。このような置換可能な配列はヒトプロテインCの既知のアミノ酸またはDNA配列から推測でき、従来の合成的または部位特異的突然変異誘発操作に従って構築できる。合成法はイタクラ等、1977年、サイエンス、198巻、1056頁およびクレア等、1978年、プロシーディングス・オブ・ナチュラル・アカデミー・オブ・サイエンス・USA、75巻、5765頁の操作に実質的に従って実施できる。故に本発明は特定的に例示したDNA配列およびプラスミドには決して限定されるものではない。
【0030】
ヒトプロテインCのチモーゲン型を活性化ヒトプロテインC誘導体に活性化する方法は古く、当該分野で公知である。プロテインCはトロンビンのみ、トロンビン/トロンボモデュリン複合体、クサリヘビ毒または多数の別法によって活性化できる。ヒトプロテインC誘導体の活性はトロンビンによる活性化後、全アミド開裂検定または抗凝固検定によって測定できる。トロンビン活性化とプロテインC(アミド開裂および抗凝固)検定は参考文献であるグリンネル等、1987年、バイオ/テクノロジー、5巻、1187〜1192頁の記載に従って実施された。
【0031】
本発明の組換えヒトプロテインC誘導体は深静脈血栓症、肺塞栓症、抹梢動脈血栓症、心臓または抹梢動脈に起因する塞栓症、急性心筋梗塞、血栓性発作、不安定狭心症、抹梢血管手術、臓器移植および播種性血管内凝固などを含む血管内凝固に伴う多数の後天的疾患の予防または処置に有用である。これらのプロテインC誘導体は再発性深静脈血栓症を示すヘテロ接合性プロテインC欠損症の多数の患者および電撃性紫斑病を示すホモ接合性プロテインC欠損症の患者に処置にも効果的に利用できる。活性化されたこのプロテインC誘導体の別の医療的適用には低用量のヘパリンで処置中の深静脈血栓症および肺塞栓症の予防がある。
【0032】
本発明の誘導体とその活性化体は医薬的に有用な組成物製造用の公知方法に従い、本発明のヒトプロテインC誘導体または活性化プロテインC誘導体を医薬的に受容し得る担体と混合して製剤化できる。たとえばヒト血清アルブミンなどの他のヒト蛋白も含む適当な担体およびその製剤は例えば参考文献であるレミントンズ・ファーマシューテイカル・サイエンスイズ、16版、1980年、マック出版社、オーソル等編に記載されている。これら組成物は有効量のプロテインC誘導体またはその活性化体を適当量の担体とともに含み、宿主への有効な投与に適する医薬的に受容し得る組成物に調製される。このプロテインC誘導体組成物は有効な形態で確実に血流に到達するよう、非経口投与または他の方法で投与され得る。
【0033】
【実施例】
本発明の説明のために以下の実施例を記載するがこれは本発明の限定を意図するものではない。
【0034】
実施例1 ヒトプロテインC誘導体の製造
本発明の発現ベクターを大腸菌細胞から単離し、293細胞に導入し、形質転換体を37℃で選択し、次に参考文献であるバング等、米国特許第4992373号の記載に実質的に従って培養してヒトプロテインC誘導体を製造する。参考文献であるヤン、米国特許第4981952号の記載に実質的に従って誘導体を細胞培養上清液から分離精製する。
【0035】
実施例2 抗凝固活性
参考文献であるパーキンソン等、1990年、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、265巻、12602〜12610頁に記載の可溶性組換えヒトトロンボモデュリンTMD−75と錯化した10nM−トロンビンで原料を活性化して完全に活性化されたプロテインCを得た。活性化された分子の抗凝固活性は活性化部分的トロンボプラスチン時間凝固検定法で測定した。結果を表2に示す。
【表2】
【0036】
実施例3 活性化の速度
20mM−トリス、pH7.4、0.15M−NaCl、0.1mg/ml−BSAおよび3mM−CaCl2を含む反応混合物中でヒトトロンビン(10n M)を用いて活性化速度を測定した。野生型および誘導体の精製プロテインCは活性化反応中、0.81から1.61μMの濃度であった。様々な時点で活性化反応混合物の適当量を取り、96穴板に入れ、色素原基質(S−2366)を加えて最終濃度を0.75mMとし、アミド開裂活性を405nMでの吸光単位/分の変化としてThermoMax kinetic micro−titerplate reader(モレキュラー・デバイセス)で測定することにより活性化速度を決定した。OD/分の変化を、各蛋白について決定した比活性を用いて、生成する活性化プロテインC量に換算し、活性化時間に対してプロットして速度を求めた。生成した活性化プロテインC量は全ての実験で全出発原料の10%未満であった。結果を表3に示す。
【表3】
【0037】
また、トロンビンおよびトロンボモデュリンを用いる相対活性化速度も前記と同じ検定法で測定した。使用したトロンボモデュリン分子はパーキンソンら(前出)の可溶性ヒトトロンボモデュリンである。結果を表4に示す。
【表4】
【0038】
実施例4 ヒト凝固血漿中での抗凝固活性
野生型ヒトプロテインCと誘導体FLIN−Q313を20nMの濃度で、ヘレナ標準APTT試薬と共にヒト血漿に加え、37℃に5分間インキュベートした。最終濃度が8mMになるようにCaCl2を加えて血漿の凝固を開始させ、 凝固時間を測定した。並行実験で、活性化プロテインC活性を中和できるモノクロナール抗体を対照血漿および野生型プロテインCチモーゲンまたはFLIN−Q313チモーゲンを含む血漿に加えた。結果を表5に示す。
【表5】
【0039】
凝固血漿中に誘発された凝固活性の強さを野生型ヒトプロテインCの濃度とFLIN−Q313誘導体の濃度の関数として算出し、データを凝固時間延長値として表した。基礎凝固時間は27から33秒であった。結果を表6に示す。
【表6】
【0040】
実施例5 相対半減期の測定
正常なヒト血漿(クエン酸添加)を各100nMの活性化ヒトプロテインC、活性化FLIN−Q313またはチモーゲン(非活性化)FLIN−Q313と共にインキュベートして血漿中でのヒトプロテインCの抑制を測定した。最終反応液中、血漿の濃度は90(v/v)%で、残りは3mM−CaCl2、150 mM−NaCl、20mM−トリス−pH7.4および1mg/ml−BSAであった。所定時間に適量を取り、最終濃度1mMのS−2366を用いるアミド開裂活性または活性化部分的トロンボプラスチン時間によって活性化されたプロテインC活性を測定した。血塊で活性化されたFLIN−Q313の活性レベルは実施例4記載の方法で測定した。活性化プロテインCと活性化FLIN−Q313は共に約25分後に50%以上失活したが、チモーゲンFLIN−Q313は45分後でも少なくとも80%の活性を維持していた。
【産業上の利用分野】
本発明はヒト用医薬、殊に血液凝固疾患処置の分野に属する。特に、本発明はヒトプロテインC分子の誘導体、これら誘導体の使用法およびこれらプロテインC誘導体を含む医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロテインCは主として約25キロダルトンの軽鎖と約41キロダルトンの重鎖とがジスルフィドで結合した不活性なヘテロダイマーとして循環しているビタミンK依存性血漿蛋白である。重鎖はそのN端活性化ペプチドを持つセリンプロテアーゼドメインを含み、軽鎖はカルシウム依存性膜結合および機能活性に必要なガンマ−カルボキシグルタミン酸の残基の領域を含む。不活性ヒトプロテインCチモーゲンはトロンビン/トロンボモジュリン複合体の作用で活性化プロテインCに変換される。このトロンビン/トロンボモジュリン複合体は活性ペプチド(循環チモーゲンの残基158から169またはプレプロチモーゲンの残基200から211)を切断して活性化プロテインCを形成するものである。
【0003】
治療剤としてのプロテインCの役割はよく知られている(例えば、ヒトプロテインCチモーゲンをコードするDNA配列を開示するバング等の米国特許第4775624号および活性化ヒトプロテインCの製法を開示するバング等の米国特許第4992373号参照)。FLINと呼ばれるヒトプロテインC誘導体はゲルリッツ等が欧州特許出願第91301450.2号に開示した。このFLIN誘導体は活性化ペプチドの167位(プレプロチモーゲンの206位)にAsp残基の代わりにPhe残基を、重鎖の172位(プレプロチモーゲンの214位)にAsp残基の代わりにAsn残基を持つ。このFLIN誘導体は野生型ヒトプロテインCチモーゲンよりもトロンビンによってより容易に活性化される。別のヒトプロテインC誘導体Q313およびQ329はゲルリッツ等が欧州特許出願第91301446.0号に開示した。Q313誘導体は野生型チモーゲンの313位にAsn残基の代わりにGln残基を持ち、Q329誘導体は野生型チモーゲンの329位にAsn残基の代わりにGln残基を持つ。このQ313とQ329誘導体は正常には野生型分子のこれらの位置にあるAsnに結合する炭水化物構造を欠くため、アミド分解および機能活性の強化を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明のヒトプロテインC誘導体はトロンビンによって容易に活性化され、天然型ヒトプロテインC分子や別のヒトプロテインC誘導体よりも機能的に活性である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は天然型ヒトプロテインC分子のアミノ酸313をアスパラギンからグルタミンに、アミノ酸167をアスパラギン酸からフェニルアラニンに、またアミノ酸172をアスパラギン酸からアスパラギンに変更することによって修飾したヒトプロテインCの誘導体に関する。さらに、これらの分子は、野生型アスパラギン残基をグルタミン残基に変えることによって329位を修飾してもよい。この残基329の変更は残基313の変更とのみ共同して行ってもよいが、残基167および172の変更と共同して行ってもよい。上記ヒトプロテインC誘導体は野生型ヒトプロテインC分子または他のヒトプロテインC誘導体よりも、トロンビンによってより容易に活性化され、また機能的にもより活性である。
【0006】
また、新規ヒトプロテインC誘導体の生産に有用な組換えDNA構築物、ベクターおよび形質転換体も開示する。さらに、本発明のヒトプロテインC誘導体の有効量を医薬的に受容し得る添加剤一以上と共に含む医薬組成物およびこの誘導体を疾病の処置または予防に使う方法も開示する。
【0007】
本明細書に用いる用語と略号をここに定義しておく。
【0008】
Q313=天然型ヒトプロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
Q329=天然型ヒトプロテインC分子の329位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
プロテインC誘導体Q313およびQ329は参考文献であるゲルリッツ等の欧州特許出願第91301446.0号およびグリンネル等、1991年、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、226巻、9778〜9785頁に開示されている。
【0009】
Q3Q9=天然型ヒトプロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に、天然型ヒトプロテインC分子の329位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
【0010】
F167=天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニンに変えたヒトプロテインC誘導体。プロテインC誘導体F167は参考文献であるバング等、欧州特許出願第88312201.2号およびエールリヒ等、1990年、EMBO・ジャーナル、9巻、2367〜2373頁に開示されている。
【0011】
LIN=天然型ヒトプロテインC分子の172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
FLIN=天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニンに、天然型プロテインC分子の172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
プロテインC誘導体LINとFLINは参考文献であるゲルリッツ等、欧州特許出願第91301450.2号およびグリンネル等、「プロテインCおよび関連する抗凝血剤」13〜46頁(D.ブルリーおよびW.ドロハン編、ガルフ出版者、ヒューストン、1990年)に開示されている。
【0012】
FLIN−Q313=天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニンに変え、天然型プロテインC分子んの172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変え、天然型プロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
【0013】
FLIN−Q3Q9=天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニンに変え、天然型プロテインC分子の172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変え、天然型プロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変え、天然型プロテインC分子の329位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体。
【0014】
GBMT転写ユニット=アデノウイルスメジャー・レート・プロモーター(MLTF)の上流制御要素に接近したBKウイルスのP2エンハンサー、アデノウイルス2メジャー・レート・プロモーター、該プロモーターを刺激する位置にあるポリGT要素およびアデノウイルスのスプライスト・トリパータイト・リ−ダー配列を含むDNA配列からなる修飾された転写制御ユニット。
【0015】
形成期蛋白=mRNA転写の翻訳で生じたポリペプチドであって、翻訳後修飾が始まる前のもの。しかし、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化およびアスパラギン酸残基のヒドロキシル化のような翻訳後修飾はmRNA転写から蛋白質が完全に翻訳される前に始まるかもしれない。
【0016】
プロテインC活性=蛋白分解、アミド開裂、エステル開裂および生物学的(抗凝血またはプロフィブリン分解)活性の原因となるヒトプロテインCの性質のうちいづれか。蛋白の抗凝血作用の検定法は文献公知である。すなわち、グリンネル等、1987年、バイオ/テクノロジー、5巻、1189〜1192頁参照。
【0017】
チモーゲン=蛋白分解酵素の酵素的に不活性な前駆体。ここにプロテインCチモーゲンとは分泌された一鎖か二鎖の不活性型プロテインCである。
【0018】
この開示で用いるアミノ酸の略号は37、C.F.R.、1.822条(b)(2)(1990)に記載のように米国特許商標庁が認めたものである。
【0019】
本発明は変更されたグリコシル化パターンおよび変更された活性領域を持つヒトプロテインC誘導体を提供する。特に、これら誘導体はQ3Q9、FLIN−Q313およびFLIN−Q3Q9を含む。誘導体Q3Q9はプロテインC分子の313位と329位に(正常時にこれらの位置に認められるアスパラギン残基ではなく)グルタミン残基を持つ。誘導体FLIN−Q313は該分子の167位にフェニルアラニン残基を、該分子の172位にアスパラギン残基(正常時に両位置に認められるアスパラギン酸残基ではなく)を持ち、また313位に(正常時にこの位置に認められるアスパラギン残基ではなく)グルタミン残基を持つ。誘導体FLIN−Q3Q9では、167位の残基はアスパラギン酸からフェニルアラニンに、172位の残基はアスパラギン酸からアスパラギンに、313位の残基はアスパラギンからグルタミンに、329位の残基はアスパラギンからグルタミンに変わっている。
【0020】
誘導体FLIN−Q313およびFLIN−Q3Q9はトロンビンのみでも例外的に高率の活性化を示す。さらに野生型ヒトプロテインCと異なり誘導体FLIN−Q313およびFLINQ3Q9は凝固ヒト血漿中に生成するトロンビンによって活性化され得、それ以上の血塊形成を阻止する。この血塊で活性化されるプロ酵素は実質的に天然型プロテインCの活性型よりも比活性が大きく、半減期が長い。それ故、本発明の誘導体は顕著なトロンビン発生があるとき以外には抗凝固活性のない作用部位で活性化される抗血栓剤として用い得る。
【0021】
さらに、本発明はこのプロテインC誘導体を作るために用いるDNA化合物をも提供する。これらDNA化合物は、野生型チモーゲンプロテインCのプレプロペプチド配列と翻訳読み枠が合っていて、その下流に直に隣接して位置するヒトプロテインCの軽鎖のためのコード配列を含む。また、このDNA配列はプロテインC分子の成熟の間に加工(プロセシング)されるジペプチドLys−Arg、活性化ペプチドおよびプロテインC分子の重鎖もコードしている。167、172および313位にあるアミノ酸残基の変更は分子の活性化を変えるが、313および329位にあるアミノ酸残基の変更は分子の炭水化物含有量を変える。
【0022】
遺伝子コードの縮重のため、当業者は多数のDNA化合物が上記ポリペプチドをコードできることを理解するであろう。参考文献であるバング等の米国特許第4775624号は野生型ヒトプロテインC分子をコードするDNA配列を開示し、特許請求している。本明細書に開示するポリペプチドそのものをコードできる別のDNA配列を構築するために如何なるDNA配列変化を使えるかは当業者なら容易に決められるので、本発明は寄託によって開示する特定のDNA配列に限られるものではない。それ故、以下に記載する構築および実施例で用いる好適なDNA化合物、ベクター及び形質転換体は単なる例示であり、本発明を限定するものではない。加えるに、313および329位にあるAsnのGlnへの置換も単なる例示であって、CysとProを除けば別の置換も使えるので、これも本発明の範囲を限定するものでない。
【0023】
本発明のDNA化合物は全てヒトプロテインC遺伝子の部位特異的突然変異誘発によって製造された。次いで、突然変異化したチモーゲンをコードする分子を、チモーゲン遺伝子の発現がGBMT転写ユニットによって駆動され得るように真核細胞の発現ベクターに挿入した。これらのベクターを大腸菌K12・AG1細胞にトランスフォームし、1992年1月14日に61604イリノイ州ペオリアのノーザン・リジョナル・リサーチ・ラボラトリーズに寄託し、永久保存カルチャー・コレクションの一部とした。その培養名と受託番号を表1に示す。
【表1】
【0024】
従来の技術で培養物を得、プラスミドを単離し、次にヒトプロテインCの誘導体を製造するための真核宿主細胞に直接トランスフェクトすることができる。アデノウイルスE1A即時−初期遺伝子産物を発現する宿主細胞にプラスミドをトランスフェクトすることは、GBMT転写制御ユニット中にあるBKエンハンサーがE1Aの存在下で最も効率的に発現を強化するよう機能する点で好ましい。このGBMT転写制御ユニットは参考文献であるベルグ等の欧州特許出願第91301451.0号により詳細に記載されている。当業者はいくつかの宿主細胞が大型DNAウイルスの即時−初期遺伝子産物を発現するか、発現させることができることを知っている。本発明のヒトプロテインC誘導体の発現に最も好適なセルライン(細胞系)は参考文献であるバング等の米国特許第4992373号に開示されているヒト腎臓293セルラインである。このセルラインで発現後、この誘導体を細胞培養上澄液から参考文献であるヤンの米国特許第4981952号の操作を用いて精製する。
【0025】
本発明のDNA配列は化学的に合成することができ、あるいは、制限断片の結合によって、またはこの分野で公知の技術を結合して合成できる。DNA合成機を利用して本発明のDNA化合物を構築することもできる。
【0026】
本発明の例示であるベクターはアデノウイルス後期プロモーターによってコード配列の転写が刺激されるように配置されたGBMT転写ユニットを含む。当業者は多数の真核プロモーター、エンハンサーおよび発現ベクターが公知であり、これらを用いて上記DNA配列を発現させることにより本発明のプロテインC誘導体を製造できることを知っている。また、当業者は真核発現ベクターはエンハンサー要素がなくても機能できることも知っている。本発明が特徴とするのはこの誘導体発現に用いる特定のエンハンサーまたはプロモーターではなく、新規DNA配列とそれら配列から製造される対応する蛋白なのである。
【0027】
本発明のベクターは特に哺乳類のような多種の真核宿主細胞中にトランスフォームし、そこで発現できる。NRRLに寄託したこれらのベクターはいずれもハイグロマイシン耐性遺伝子を含む。しかし、選択マーカーを含まないベクターも容易に構築でき、一時的検定を行うために用いるか、あるいは選択マーカーを含む別のベクターと共にセル・ラインに同時トランスフォームすることもできる。普通、他の宿主生物よりも大腸菌中でプラスミドDNAを製造する方が効率的なので、本発明のベクターには大腸菌中で複製できる配列を含めることもできる。
【0029】
本発明の例示であるDNA配列およびプラスミドには多くの修飾および変形が可能である。例えば、遺伝子コードの縮重のため、ポリペプチドをコードする全領域並びに翻訳停止シグナル内で、コードされたポリペプチドコード配列の変更なしにヌクレオチドを置換できる。このような置換可能な配列はヒトプロテインCの既知のアミノ酸またはDNA配列から推測でき、従来の合成的または部位特異的突然変異誘発操作に従って構築できる。合成法はイタクラ等、1977年、サイエンス、198巻、1056頁およびクレア等、1978年、プロシーディングス・オブ・ナチュラル・アカデミー・オブ・サイエンス・USA、75巻、5765頁の操作に実質的に従って実施できる。故に本発明は特定的に例示したDNA配列およびプラスミドには決して限定されるものではない。
【0030】
ヒトプロテインCのチモーゲン型を活性化ヒトプロテインC誘導体に活性化する方法は古く、当該分野で公知である。プロテインCはトロンビンのみ、トロンビン/トロンボモデュリン複合体、クサリヘビ毒または多数の別法によって活性化できる。ヒトプロテインC誘導体の活性はトロンビンによる活性化後、全アミド開裂検定または抗凝固検定によって測定できる。トロンビン活性化とプロテインC(アミド開裂および抗凝固)検定は参考文献であるグリンネル等、1987年、バイオ/テクノロジー、5巻、1187〜1192頁の記載に従って実施された。
【0031】
本発明の組換えヒトプロテインC誘導体は深静脈血栓症、肺塞栓症、抹梢動脈血栓症、心臓または抹梢動脈に起因する塞栓症、急性心筋梗塞、血栓性発作、不安定狭心症、抹梢血管手術、臓器移植および播種性血管内凝固などを含む血管内凝固に伴う多数の後天的疾患の予防または処置に有用である。これらのプロテインC誘導体は再発性深静脈血栓症を示すヘテロ接合性プロテインC欠損症の多数の患者および電撃性紫斑病を示すホモ接合性プロテインC欠損症の患者に処置にも効果的に利用できる。活性化されたこのプロテインC誘導体の別の医療的適用には低用量のヘパリンで処置中の深静脈血栓症および肺塞栓症の予防がある。
【0032】
本発明の誘導体とその活性化体は医薬的に有用な組成物製造用の公知方法に従い、本発明のヒトプロテインC誘導体または活性化プロテインC誘導体を医薬的に受容し得る担体と混合して製剤化できる。たとえばヒト血清アルブミンなどの他のヒト蛋白も含む適当な担体およびその製剤は例えば参考文献であるレミントンズ・ファーマシューテイカル・サイエンスイズ、16版、1980年、マック出版社、オーソル等編に記載されている。これら組成物は有効量のプロテインC誘導体またはその活性化体を適当量の担体とともに含み、宿主への有効な投与に適する医薬的に受容し得る組成物に調製される。このプロテインC誘導体組成物は有効な形態で確実に血流に到達するよう、非経口投与または他の方法で投与され得る。
【0033】
【実施例】
本発明の説明のために以下の実施例を記載するがこれは本発明の限定を意図するものではない。
【0034】
実施例1 ヒトプロテインC誘導体の製造
本発明の発現ベクターを大腸菌細胞から単離し、293細胞に導入し、形質転換体を37℃で選択し、次に参考文献であるバング等、米国特許第4992373号の記載に実質的に従って培養してヒトプロテインC誘導体を製造する。参考文献であるヤン、米国特許第4981952号の記載に実質的に従って誘導体を細胞培養上清液から分離精製する。
【0035】
実施例2 抗凝固活性
参考文献であるパーキンソン等、1990年、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、265巻、12602〜12610頁に記載の可溶性組換えヒトトロンボモデュリンTMD−75と錯化した10nM−トロンビンで原料を活性化して完全に活性化されたプロテインCを得た。活性化された分子の抗凝固活性は活性化部分的トロンボプラスチン時間凝固検定法で測定した。結果を表2に示す。
【表2】
【0036】
実施例3 活性化の速度
20mM−トリス、pH7.4、0.15M−NaCl、0.1mg/ml−BSAおよび3mM−CaCl2を含む反応混合物中でヒトトロンビン(10n M)を用いて活性化速度を測定した。野生型および誘導体の精製プロテインCは活性化反応中、0.81から1.61μMの濃度であった。様々な時点で活性化反応混合物の適当量を取り、96穴板に入れ、色素原基質(S−2366)を加えて最終濃度を0.75mMとし、アミド開裂活性を405nMでの吸光単位/分の変化としてThermoMax kinetic micro−titerplate reader(モレキュラー・デバイセス)で測定することにより活性化速度を決定した。OD/分の変化を、各蛋白について決定した比活性を用いて、生成する活性化プロテインC量に換算し、活性化時間に対してプロットして速度を求めた。生成した活性化プロテインC量は全ての実験で全出発原料の10%未満であった。結果を表3に示す。
【表3】
【0037】
また、トロンビンおよびトロンボモデュリンを用いる相対活性化速度も前記と同じ検定法で測定した。使用したトロンボモデュリン分子はパーキンソンら(前出)の可溶性ヒトトロンボモデュリンである。結果を表4に示す。
【表4】
【0038】
実施例4 ヒト凝固血漿中での抗凝固活性
野生型ヒトプロテインCと誘導体FLIN−Q313を20nMの濃度で、ヘレナ標準APTT試薬と共にヒト血漿に加え、37℃に5分間インキュベートした。最終濃度が8mMになるようにCaCl2を加えて血漿の凝固を開始させ、 凝固時間を測定した。並行実験で、活性化プロテインC活性を中和できるモノクロナール抗体を対照血漿および野生型プロテインCチモーゲンまたはFLIN−Q313チモーゲンを含む血漿に加えた。結果を表5に示す。
【表5】
【0039】
凝固血漿中に誘発された凝固活性の強さを野生型ヒトプロテインCの濃度とFLIN−Q313誘導体の濃度の関数として算出し、データを凝固時間延長値として表した。基礎凝固時間は27から33秒であった。結果を表6に示す。
【表6】
【0040】
実施例5 相対半減期の測定
正常なヒト血漿(クエン酸添加)を各100nMの活性化ヒトプロテインC、活性化FLIN−Q313またはチモーゲン(非活性化)FLIN−Q313と共にインキュベートして血漿中でのヒトプロテインCの抑制を測定した。最終反応液中、血漿の濃度は90(v/v)%で、残りは3mM−CaCl2、150 mM−NaCl、20mM−トリス−pH7.4および1mg/ml−BSAであった。所定時間に適量を取り、最終濃度1mMのS−2366を用いるアミド開裂活性または活性化部分的トロンボプラスチン時間によって活性化されたプロテインC活性を測定した。血塊で活性化されたFLIN−Q313の活性レベルは実施例4記載の方法で測定した。活性化プロテインCと活性化FLIN−Q313は共に約25分後に50%以上失活したが、チモーゲンFLIN−Q313は45分後でも少なくとも80%の活性を維持していた。
Claims (3)
- Q3Q9、FLIN−Q313およびFLIN−Q3Q9からなる群から選ばれる、天然型ヒトプロテインC分子のヒトプロテインC誘導体であって、
Q3Q9が、天然型ヒトプロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に、天然型ヒトプロテインC分子の329位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体であり、
FLIN−Q313が、天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニン残基に変え、天然型ヒトプロテインC分子の172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変え、天然型ヒトプロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体であり、そして
FLIN−Q3Q9が、天然型ヒトプロテインC分子の167位にあるアスパラギン酸残基をフェニルアラニン残基に変え、天然型ヒトプロテインC分子の172位にあるアスパラギン酸残基をアスパラギン残基に変え、天然型ヒトプロテインC分子の313位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変え、天然型ヒトプロテインC分子の329位にあるアスパラギン残基をグルタミン残基に変えたヒトプロテインC誘導体である、天然型ヒトプロテインC分子のヒトプロテインC誘導体。 - 請求項1記載のヒトプロテインC誘導体をコードする組換えDNA分子。
- 活性成分としてQ3Q9、FLIN−Q313およびFLIN−Q3Q9からなる群から選ばれる、請求項1記載の天然型ヒトプロテインC分子のヒトプロテインC誘導体を一以上の医薬的に受容し得る担体、添加剤または希釈剤と共に含む抗血栓製剤。
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