JP3270462B2 - ハイブリッドプロテインc - Google Patents

ハイブリッドプロテインc

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は一般的には血液タンパク質に関し、より詳し
くはヒト血漿による不活性化に対する耐性が増加され、
従って生体内における薬物動態が改善されたヒト様プロ
テインC分子の組成物、およびそのような組成物の製造
方法に関する。
発明の背景 プロテインCは活性形態で血液凝固の調節において重
要な役割を果たす。活性プロテインCはセリンプロテア
ーゼであって、限定タンパク質分解により凝固因子V a
とVIII aを不活性化する。組織の負傷によって開始され
る凝固カスケードは、例えば、プロテインCにより無制
限の連鎖反応において負傷領域を越えて進行しないよう
に防止される。
プロテインCは一本鎖前駆体ポリペプチドとして肝臓
で合成され、その後約155アミノ酸の軽鎖(Mr=21,00
0)と約262アミノ酸の重鎖(Mr=40,000)にプロセシン
グされる。重鎖と軽鎖はジスルフィド結合により合体さ
れた二本鎖の不活性タンパク質、すなわちチモーゲンと
して血液中を循環する。トロンビンにより媒介される反
応において該チモーゲンの重鎖部分のアミノ末端から12
アミノ酸が切断されると、タンパク質が活性化状態にな
る。「プロテインS」と呼ばれるもう1つの血液タンパ
ク質は、どういうわけか第V a因子のプロテインC触媒
タンパク質分解を促進すると考えられる。
プロテインCはまた、組織型プラスミノーゲン活性化
因子の作用にも関係している(KisielおよびFujikawa,B
ehring Inst.Mitt.73:29−42,1983)。イヌへのウシ活
性プロテインC(APC)の注入はプラスミノーゲン活性
化因子の活性の増加を引き起こす(CompおよびEsmon,J.
Clin.Invest.68:1221−1228,1981)。他の研究(Sakata
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:1121−1125,1985)
は、培養した内皮細胞へのAPCの添加が、ウロキナーゼ
関連型と組織型の両方のプラスミノーゲン活性化因子の
活性増加を反映する、順化培地中のフィブリン溶解活性
の迅速な用量依存性増加を引き起こすことを示した。AP
C処理は抗活性化因子活性の用量依存性減少をもたら
す。更に、内因性APCに対するモノクローナル抗体を使
った研究(Snowら、FASEB Abstracts,1988)は、APCが
フィブリン溶解中の動脈の開通性を維持し且つ組織梗塞
の程度を制限するのに関係があるとしている。
実験証拠は活性プロテインCが血栓症の治療に臨床的
に利用できることを示唆する。ヒヒ血栓症モデルを使っ
た幾つかの研究はAPCがフィブリン沈着、血小板沈着お
よび循環の低下の防止に低用量で効果的であることを示
した(Gruberら、Hemostasis and Thrombosis 374a
アブストラクト1353,1987:Widrowら、Fibrinolysis
suppl.1:アブストラクト7,1988;Griffinら、Thromb.Ha
ematostasis 62:アブストラクト1512,1989)。APCの
利用はプロテインCの生体内活性化の必要を回避し、従
ってより迅速に作用する治療薬を提供する。
加えて、外因性活性プロテインCがグラム陰性敗血症
の凝固障害および致死作用を防止することが示されてい
る(Taylorら、J.Clin.Invest.19:918−925,1987)。ヒ
ヒを使った研究から得られたデータは、活性プロテイン
Cが敗血症に対して保護する本来の役割を果たすことを
示唆している。
プロテインCは、凝固因子濃縮物(Marlarら、Blood
59:1067−1072,1982)または血漿(Kisiel,J.Clin.in
vest.64:761−769,1979)から精製しそして試験管内で
活性化することができるが、得られる生成物は肝炎ウイ
ルス、シトメガロウイルスまたはヒト免疫不全ウイルス
(HIV)のような感染性物質が混入していることがあ
る。
より最近になって、組換えDNA技術による活性プロテ
インCの生産方法が記載されている。Fosterら(ヨーロ
ッパ特許出願公開EP 215,548)は、活性化ペプチドのコ
ード配列が削除されているプロテインC DNA配列によ
りトランスフェクトされた培養哺乳動物細胞を使うこと
による、活性プロテインCの生産を開示している。Fost
erら(EP 266,190)は、変更された開裂部位を有するAP
C前駆体をコードするDNA配列を使った組換え活性プロテ
インCの生産を開示している。
更に、生来のヒト活性プロテインC(血漿由来または
組換え体のいずれか)は生体内に投与すると比較的短い
半減期を有し(約20分)、多量のまたは頻繁の投与とい
う不便さを免れない。
遺伝子操作技術の利用により活性プロテインC生産の
発展が可能になったにもかかわらず、収率は低いままで
あり、タンパク質は生産工程中に分解および/または不
活性化を受ける。よって、より高いレベルでの活性プロ
テインCの生産、特に実質的に増加された生体内半減期
を有する分子の生産を可能にする方法に対する要望が残
存している。全く驚くべきことに、本発明はそれらの要
望および他の関連する要望を満たす。
発明の要約 軽鎖およびヒト様重鎖を有するプロテインCを含んで
成る新規組成物が提供される。プロテインCはそのチモ
ーゲン形態または活性形態のいずれかであってもよい。
ヒト様重鎖を有する活性プロテインCは、一般に、未変
更の天然のプロテインCに比べて、ヒト血漿因子、例え
ばヒトα−1−抗トリプシンによる不活性化に対する抵
抗性が大きいだろう。該組成物は、医薬組成物に製造す
ると患者の処置方法において特に有用である。医薬組成
物は、様々な病気状態を有する個体に予防的にまたは治
療的に投与することができる。適応症としては特に、遺
伝的障害または後天的状態であり得るプロテインC欠損
症がある。本明細書に記載の新規プロテインC分子で処
置することができる他の後天性病気状態としては、例え
ば、深静脈血栓症、肺塞栓症、発作および心筋梗塞が挙
げられる。後者では、プロテインCは、生体内フィブリ
ン溶解を増強するために組換プラスミノーゲン活性化因
子と共に投与することができ、そして閉塞性の冠動脈血
栓が溶解した後に再閉塞を防止するために投与すること
ができる。
典型的には、新規プロテインC分子の軽鎖は実質的に
ヒトであり、そしてヒト様重鎖はプロテインC重鎖配列
からの少なくとも約200アミノ酸を含んで成るだろう。
ここで前記重鎖配列は、チモーゲン形態では通常約262
残基であり活性形態では約250残基である。ある好まし
い態様では、ヒト様重鎖の非ヒト残基はウシの配列に由
来する。ウシ重鎖配列によるヒト重鎖配列領域の置換
は、Gln−Glu−Ala−Gly−Trpによりヒトアミノ酸配列L
ys−Met−Thr−Arg−Argを置換すること;ウシ配列Arg
−Asp−Glu−Thrによりヒト配列His−Ser−Ser−Arg−G
lu−Lys−Glu−Alaを置換すること;ウシ配列Tyr−Asn
−Ala−Cys−Val−His−Ala−Met−Glu−Asn−Lysでヒ
トアミノ酸配列His−Asn−Glu−Cys−Ser−Glu−Val−M
et−Ser−Asn−Metを置換すること;およびウシ領域Lys
−Ala−Gln−Glu−Ala−Pro−Leu−Glu−Ser−Gln−Pro
−Valでヒト重鎖領域Arg−Asp−Lys−Glu−Ala−Pro−G
ln−Lys−Ser−Trp−Ala−Proを置換することを包含す
る。もちろん、プロテインC分子が生物活性を保持する
限りにおいて、ヒト重鎖フレームワークまたは非ヒト領
域中に少しの置換、挿入または削除を行うことができる
ことは理解されるだろう。望ましくは、そのようなプロ
テインC類似体は、例えば、ヒト血漿による不活性化に
対する抵抗性の増加、従ってより長い血漿半減期、また
は生物活性の増加を有するであろう。
別の態様によれば、本発明は軽鎖および重鎖ポリペプ
チドを有する組換えキメラプロテインC分子に関し、こ
こで軽鎖は実質的にヒトであり、そして重鎖は実質的に
ヒト以外の哺乳動物、好ましくはウシのものである。こ
の形態のプロテインCはヒトプロテインCの活性を実質
的に有するであろうが、生来のヒトプロテインCよりも
ヒト血漿因子による不活性化に対する抵抗性が大きいだ
ろう。この態様の重鎖の配列は図8のウチ重鎖配列と実
質的に相同であることができる;好ましい組成は、ヒト
活性重鎖のアミノ末端アミノ酸(Leu)を有するが重鎖
の残りは実質的にウシである。
別の態様によれば、本発明はビタミンK依存性血漿タ
ンパク質のプレープロペプチドとgla領域、gla領域を欠
くヒトプロテインC軽鎖、lまたは複数の開裂部位を含
むペプチドおよびヒト様プロテインC重鎖をそれぞれコ
ードする4つの作用可能に連結された配列を含んで成る
ポリヌクレオチド分子に関する。このポリヌクレオチド
により発現されるプロテインC分子は生物学的に活性で
あり、即ち、活性形態ではヒト血漿因子V aまたはVIII
aを不活性化することができ、更にそれ自体α−1−抗
トリプシンのようなヒト因子による不活性化に対する抵
抗性が増加されている。プロテインC分子を発現させる
ために、前記ヌクレオチド配列を使って哺乳動物細胞
系、例えばBHK、BHK570および293細胞をトランスフェク
トせしめ、そして開裂部位に反応性であるエンドペプチ
ダーゼをコードする配列、例えばサッカロミセス・セレ
ビシェー(Saccharomyces cerevisiae)のKEX2遺伝子と
共に同時トランスフェクトせしめることができる。
図面の簡単な説明 図1は、ヒトプロテインC cDNAのヌクレオチド配列お
よび該タンパク質の推定アミノ酸配列を示す。負の番号
はプレープロペプチドに与えられる。正の番号は成熟チ
モーゲンの配列に与えられる。ダイヤ印は共通のN結合
グリコシル化部位を指す。矢印は活性化ペプチドと活性
プロテインC重鎖の接合点を指す。
図2はプロテインC発現ベクターp594を描写する。使
用した記号は、0−1:アデノウイルス5 0−1地図単
位配列;E;SV40エンハンサー;MLP:アデノウイルス2主要
後期プロモーター;L1−3:アデノウイルス2三分節系リ
ーダー;5′:5′スプライス部位;3′:3′スプライス部
位;p(A);SV40後期ポリアデニル化シグナルである。
図3はプロテインC発現ベクターPC962/ZMB−4の作
製を示す。
図4はベクターZMB−3の作製を示す。
図5は、ヒト、ウシおよびハイブリッドプロテインC
分子における色素生成活性の結果を示す。各タンパク質
のデータはα−1−抗トリプシンの非存在下での100%
活性に対して標準化されている。
図6は、ヒト血漿によるヒトおよびハイブリッドプロ
テインC分子の不活性化を示す。結果は各タンパク質に
ついて標準化されている。
図7は、ヒト血漿によるヒトおよびハイブリッドプロ
テインC分子の不活性化の時間推移を示す。結果は各タ
ンパク質について標準化されている。
図8は、ヒトプロテインCとウシプロテインCの重鎖
のアミノ酸配列の比較を示す。各配列はそれぞれの重鎖
の最初のアミノ酸から番号付けされている。矢印は活性
化ペプチドと活性プロテインC重鎖との接合点を指す。
ウシ配列では、(.)はヒト配列と同じアミノ酸残基の
存在を示し、そして(−)は配列の整列を最大にするた
めに導入されたギャップを示す。
図9は、α−1−抗トリプシンによるヒト(wt96
2)、ハイブリッド(LMH)、変異体PC2451,PC2452およ
びPC3044プロテインC分子の不活性化を示す。結果は各
タンパク質について標準化されている。
図10は、ヒト血漿による活性ヒト(wt962)、ハイブ
リッド(LMH)、変異体PC2451,PC2452およびPC3044プロ
テインC分子の不活性化についての300分間に渡る時間
推移を示す。結果は各タンパク質について標準化されて
いる。
図11は、ヒト血漿による活性ヒト(wt962)、ハイブ
リッド(LMH)および変異体PC2451プロテインC分子の
不活性化についての60分間に渡る時間推移を示す。結果
は各タンパク質について標準化されている。
特定の実施態様の記載 ヒトへの投与に適当である新規プロテインC組成物が
提供される。プロテインCは活性形態で凝固カスケード
において抗凝固物質として作用する重要な役割を果たす
ため、多様な重要な療法用途を有する。本明細書に記載
の新規組成物は、ヒト血漿から精製されたまたは組換え
方法により生産された従来のプロテインC組成物では達
成することができない、生体内での延長された半減期と
安定性を達成する可能性を提供する。
本発明の1つの観点では、該組成物は、軽鎖のアミノ
酸配列が実質的にヒトであり、そして重鎖の配列が実質
的にヒト以外の哺乳動物、例えばウシのものである、ハ
イブリッド(またはキメラ)プロテインC分子を含んで
成る。活性重鎖のアミノ末端アミノ酸がヒト配列由来、
典型的にはロイシン(Leu)であることが望ましいかま
たは好都合であることもある。重鎖の残りは完全にウシ
重鎖配列のものであることができる。本明細書中の「プ
ロテインC」なる言及は、他に特記しない限りチモーゲ
ン形態および活性形態を含むことを意味する。プロテイ
ンCチモーゲンは重鎖のアミノ末端に活性化ペプチドを
含む。活性化ペプチドは生来のヒト活性化ペプチド、生
来のウシ活性化ペプチド、または本明細書に開示される
ような変更活性化ペプチドであることができる。
別の態様では、性質がヒト様であり、従って一般にキ
メラ分子よりも小さい免疫原性を有するプロテインCが
製造される。ヒト重鎖(例えば図8に示されるような)
の短い配列(単一アミノ酸を包含するがそれに限定され
ない)を、ヒト以外の哺乳動物のプロテインCからの対
応する重鎖配列、便利にはウシ配列により置き換えるこ
とができる。この目的は、実質的にヒトであって、そし
て活性化した時にヒト血液中で実質的に長い半減期を有
し、従って頻繁でない投与および/または少量の用量を
必要とする、プロテインC分子を獲得することである。
本明細書で使用する時、「ヒト様重鎖」なる用語は、本
来のヒト重鎖に実質的に相同であり、即ち特に種間で比
較的保存されている領域中で、少なくとも約75%、好ま
しくは約85〜95%が同一であり、そして少なくとも1つ
のアミノ酸置換を含むプロテインC重鎖を指すことを意
味する。一般に、191〜193位の塩基性アミノ酸残基を保
持することによりプロテインCとプラスミノーゲン活性
化因子との相互作用を保持することが好ましい。
ハイブリッドまたはヒト様プロテインCは、ハイブリ
ッドまたはヒト様分子をコードする遺伝子によりトラン
スフェクトされた培養哺乳動物細胞により生産される。
該細胞を、プロテインC分子をコードするDNAに作用可
能に連結されたプロモーターを含ん成る発現ベクターに
よりトランスフェクトする。該タンパク質の発現を許容
する培地中でトランスフェクト細胞を培養し、次いで該
培地からプロテインCを単離する。プロテインCは活性
形態またはチモーゲン形態で生産され得る。それが活性
形態で生産される場合、本発明者ら自身の同時係属出願
第07/392,861号(これは参考として本明細書に組み込ま
れる)において記載されたように、培地は最少量の血清
を含むかまたは無血清であるように調製されるだろう。
ヒトプロテインCをコードするクローン化DNA配列は
記載されている(FosterおよびDavie,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 81:4766−4770,1984;Fosterら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 82:4673−4677,1985;およびBangら、米国特
許第4,775,624号;この各々は参考として本明細書に組
み込まれる)。ウシプロテインCをコードするcDNAはLo
ngら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5563−5656,1984に
より記載されている(これは参考として本明細書に組み
込まれる)。一般に、cDNA配列は、変型したRNAプロセ
シングや発現レベルの減少を引き起こし得る介在配列を
欠くため、本発明における使用に好ましい。プロテイン
Cをコードする相補的DNAは、標準的実験手順に従って
様々な哺乳動物種の肝細胞から調製したライブラリーか
ら得ることができる。ウシまたはヒトcDNAからのプロー
ブを使って、別の哺乳動物種のプロテインCをコードす
るDNAを同定し、クローニングすることができる。しか
しながら、適当なDNA配列をゲノムクローンから得るこ
ともでき、または常法に従って新たに合成することもで
きることは理解されるだろう。もし部分的クローンが得
られたら、エンドヌクレアーゼ開裂、連結およびループ
アウト突然変異誘発といった技術を使って、それらを正
しい読み枠において連結して全長クローンを生成するこ
とが必要である。
例えば、プロテインC重鎖をコードするウシcDNAをク
ローニングするためには、ヒトプロテインC cDNA断片を
使ってウシ肝臓cDNAライブラリーを探査することができ
る。ヒトプロテインC cDNA断片は、例えば常法を使っ
て、ヒト肝臓mRNAから調製することができる。あるい
は、発表されたウシプロテインC cDNA配列(Longら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5653−5656,1984)を基にし
てプローブをデザインすることができる。ハイブリッド
プロテインCコード配列は、適当な制限エンドヌクレア
ーゼでの消化、連結、合成オリゴヌクレオチドおよびル
ープアウト突然変異誘発を使って、ヒト軽鎖cDNAを正し
い読み枠において非ヒト断片(例えばウシ)に連結せし
めて全長タンパク質を生成することにより作製すること
ができる。
別の態様では、完全なヒトプロテインCコード領域を
クローニングし、そしてそれをヒト血漿中の因子による
阻害または不活性化に対して抵抗性にすることによって
ヒト血漿中の該分子の半減期および安定性を増加させる
ように特定の変更を重鎖配列に行うことができる。前記
変更は、アミノ酸配列が種間で実質的に異なる重鎖の領
域に向けられるだろう。ヒト重鎖に対するヒトα−1−
抗トリプシンの種特異性を使って、重鎖中のα−1−抗
トリプシンにより典型的に認識される部位を認識されに
くくし、それによってプロテインCの活性が分解される
速度を抑制する。ウシ重鎖配列では、例えば、対応する
ヒト重鎖領域を置換することができる部位として次の配
列が同定された(ナンバリングはFosterら、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 81:4766−4770,1984に従い、図8に記載
したのと同様である): (1)ウシ重鎖アミノ酸配列Gln−Glu−Ala−Gly−Trp
(重鎖アミノ酸19〜23)によりヒトアミノ酸配列Lys−M
et−Thr−Arg−Arg(重鎖アミノ酸17〜21)が置換され
る; (2)ウシ重鎖アミノ酸配列Arg−Asp−Glu−Thr(アミ
ノ酸148〜151)によりヒトアミノ酸配列His−Ser−Ser
−Arg−Glu−Lys−Glu−Ala(アミノ酸146〜153)が置
換される; (3)ウシ重鎖アミノ酸配列Tyr−Asn−Ala−Cys−Val
−His−Ala−Met−Glu−Asn−Lys(アミノ酸171〜181)
によりヒトアミノ酸配列His−Asn−Glu−Cys−Ser−Glu
−Val−Met−Ser−Asn−Met(アミノ酸169〜179)が置
換される;そして (4)ウシ重鎖アミノ酸配列Lys−Ala−Gln−Glu−Ala
−Pro−Leu−Glu−Ser−Gln−Pro−Val(アミノ酸249〜
260)によりヒト重鎖残基Arg−Asp−Lys−Glu−Ala−Pr
o−Gln−Lys−Ser−Trp−Ala−Pro(アミノ酸251〜26
2)が置換される。
ヒト血漿因子による不活性化に対する増加された抵抗
性を提供するのにできる限り少ない配列変更を行うこと
が好ましいことは理解されよう。望ましくは、置換領域
ができる限り小さく、最も好ましいのは或る種の単一重
鎖アミノ酸によりヒト配列の対応アミノ酸を置換するも
のであろう。配列置換の組合せを使ってもよい。分解に
対する分子の抵抗性の増加、例えばα−1−抗トリプシ
ンまたはヒト血漿に対する抵抗性の増加は、後述のよう
な周知の方法を使って容易にアッセイすることができ
る。そのような置換はいずれもプロテインCの生物活性
を実質的に低下させないことが重要である。「生物活
性」とは、生物学的環境中(即ち生物体内またはそれの
試験管内モデル)で活性プロテインCにより行われる機
能または一連の機能を意味する。タンパク質の生物活性
は触媒活性とエフェクター活性とに分類することができ
る。ビタミンK依存性血漿タンパク質、例えばプロテイ
ンCの触媒活性は、基質の活性化または不活性化を引き
起こす別の血漿タンパク質の特異的タンパク質分解的開
裂を含む。エフェクター活性は、カルシウム、リン脂質
もしくは他の小分子への、タンパク質のような巨大分子
への、または細胞への生物活性分子の特異的結合を包含
する。エフェクター活性は、生理的条件下ではしばしば
触媒活性を増強するかまたは触媒活性に不可欠である。
プロテインCについては、生物活性は活性タンパク質の
抗凝固性質により特徴づけられる。活性プロテインC
は、酸性リン脂質とカルシウムの存在下で第V a因子と
第VIII a因子を不活性化する。プロテインSはこの機能
の調節に関与すると思われる(Walker、前掲)。プロテ
インCの触媒活性は主として重鎖にあると思われる。そ
れらの活性は周知の方法を使って容易にアッセイするこ
とができる。
組換え活性プロテインCを直接生産するために、クロ
ーン化DNA配列を変更して活性化ペプチドをコードする
部分を除去または置換する。得られたDNA配列はプレー
プロペプチド、プロテインCの軽鎖、開裂部位および活
性プロテインCの重鎖をコードするだろう。該DNA配列
は更に軽鎖と重鎖との間にスペーサーペプチドをコード
してもよい。
一態様では、得られた配列は配列Lys−Argにより連結
されたプロテインCの軽鎖と重鎖をコードするだろう。
本明細書中で使用する時、プロテインCの軽鎖は、図1
に開示される配列のアミノ酸1〜149もしくはそれと実
質的に相同である配列、またはC末端の延長を有するそ
のような配列、通常は1〜約6アミノ酸の延長を有する
配列を含むと解釈される。活性プロテインCの重鎖は、
活性化ペプチドを含まないものと解釈される(即ちヒト
活性プロテインCの場合には図1に記載のようなアミノ
酸番号170のロイシンで始まる)。
好ましい態様では、DNA配列は軽鎖と重鎖の間に1ま
たは複数の新規開裂部位を含むように更に変更される。
開裂部位はアミノ酸配列(R1−R2−R3−R4の形であ
ることができ、ここでR1〜R4はリジン(Lys)またはア
ルギニン(Arg)であり、そしてnは0〜3の整数であ
る。特に好ましい配列としては、Arg−Arg−Lys−Arg,L
ys−Arg−Lys−ArgおよびLys−Lys−Argが挙げられる。
あるいは、開裂部位配列はR1−R2−R3−R4−X−R5−R6
−R7−R8の形であることができ、ここでR1〜R8の各々は
LysまたはArgであり、そしてXはペプチド結合または1
〜12アミノ酸のスペーサーペプチドである。この点で有
用なスペーサーペプチドとしては、アミノ酸配列Asp−T
hr−Glu−Asp−Gln−Glu−Asp−Gln−Val−Asp−Pro,As
p−Thr−Glu−Asp−Gln−Glu−Asp−Gln,Asp−Thr−Asp
−Gln,Asp−Gln,Asp−Ile−Leu−Asn,およびアミノ酸配
列Asp−Thr−Glu−Asp−Gln−Glu−Asp−Gln−Val−Asp
−Pro−Argを有する生来のプロテインC活性化ペプチド
が挙げられる。開裂部位変更の第三グループは、一般式
Y−Z−R1−R2(ここでYはLys,ArgまたはLeuであり;R
1とR2はLysまたはArgであり;そしてZはLysまたはArg
以外のアミノ酸、好ましくはLeuである)の開裂部位配
列を与える、Lys,ArgおよびLeuから成る群から選択され
たアミノ酸残基による生来のヒトプロテインCのアミノ
酸残基154(His)の置換を含む。本発明において有用で
ある代表的な開裂部位変異体を下の表Iに示す。開裂部
位829,1058,1645,1880,1953,1954,1962,2043,2155およ
び2274が活性プロテインCを直接生産するのに有用であ
る。
DNA配列の変更は部位特異的突然変異誘発によって得
ることができる。部位特異的突然変異誘発の技術は当業
界で公知であり、例えばZollerおよびSmith(DNA3:479
−488,1984)により記載されている。あるいは、野生型
プロテインC配列を酵素的に開裂しせめて、生来の活性
化ペプチド配列を除去し、そして重鎖と軽鎖をコードす
る配列を上記の開裂部位のうちの1つをコードする合成
DNA配列と結合せしめてもよい。
当業者により理解されるように、本発明の組成物およ
び方法の範囲内でプロテインCの変異体および類似体も
製造することができる。プロテインCの変異体および類
似体には、重要でないアミノ酸変化を含むもの、例えば
遺伝的多形性によるもの、並びに該タンパク質の生物活
性を実質的に低下させることなくアミノ酸が挿入、削除
および/または置換されているものが含まれる。プロテ
インC類似体としては更に、プロテインCのアミノ末端
部分(gla領域)が、ビタミンK依存性血漿タンパク質
である第VII因子、第IX因子、第X因子、プロトロンビ
ンまたはプロテインSのうちの1つのgla領域により置
換されているタンパク質が挙げられる。gla領域はそれ
らのタンパク質のアミノ末端の約35〜45アミノ酸残基に
及び、C末端境界は通常各遺伝子中のエキソン−イント
ロン境界に対応する。
本発明の範囲内で使用されるDNA配列は、適切な翻訳
後プロセシング(例えばグルタミン酸残基のγ−カルボ
キシル化)および宿主細胞からの分泌を獲得するため
に、ハイブリッドプロテインC分子のアミノ末端にプレ
ープロペプチドをコードするだろう。プレープロペプチ
ドはプロテインCのものであるか、または別のビタミン
K依存性血漿タンパク質、例えば第VII因子、第IX因
子、第X因子、プロトロンビンもしくはプロテインSの
ものであることができる。プレープロペプチドとgla領
域が同じタンパク質から得られるのが通常好ましい。
ハイブリッドプロテインCをコードするDNA配列は適
当な発現ベクター中に挿入され、次いで培養哺乳動物細
胞をトランスフェクトせしめるのに使われる。本発明を
実施するのに使われる発現ベクターは、クローン化遺伝
子またはcDNAの転写を指令することができるプロモータ
ーを含むだろう。好ましいプロモーターはウイルス性プ
ロモーターと細胞性プロモーターを包含する。ウイルス
性プロモーターとしては、SV40プロモーター(Subraman
iら、Mol.Cell.Biol.1:854−864,1981)およびCMVプロ
モーター(Boshartら、Cell 41:521−530,1985)が挙
げられる。特に好ましいウイルス性プロモーターは、ア
デノウイルス2由来の主要後期プロモーター(Kaufman
およびSharp,Mol.Cell Biol.2:1304−1319,1982)であ
る。細胞性プロモーターとしては、マウスκ遺伝子プロ
モーター(Bergmanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:704
1−7045,1983)およびマウスVHプロモーター(Lohら、C
ell 33:85−93,1983)が挙げられる。特に好ましい細
胞性プロモーターはメタロチオネインIプロモーター
(Palmiterら、Science 222:809−814,1983)である。
発現ベクターは、プロモーターの下流であって且つプロ
テインC配列自体の挿入部位より上流に、一組のRNAス
プライス部位を含むこともできる。好ましいRNAスプラ
イス部位は、アデノウイルスおよび/または免疫グロブ
リン遺伝子から得ることができる。発現ベクター中に更
に含まれるのは、挿入部位の下流に置かれるポリアデニ
ル化シグナルである。特に好ましいポリアデニル化シグ
ナルとしては、SV40由来の初期または後期ポリアデニル
化シグナル(KaufmanおよびSharp,前掲)、アデノウイ
ルス5 Elb領域由来のポリアデニル化シグナル、ヒト
成長ホルモン遺伝子ターミネーター(DeNoteら、Nuc.Ac
ids Res.9:3719−3730.1981)およびヒトプロテインC
遺伝子もしくはウシプロテインC遺伝子由来のポリアデ
ニル化シグナルか挙げられる。発現ベクターは、プロモ
ーターとRNAスプライス部位との間に置かれる非コード
ウイルスリーダー配列、例えばアデノウイルス2三分節
系リーダー;並びにエンハンサー配列、例えばSV40エン
ハンサーおよびアデノウイルスVA RNAをコードする配
列を含んでもよい。
クローン化DNA配列は、例えばリン酸カルシウム媒介
トランスフェクション(Wiglerら、Cell 14:725−732,1
978;CorsaroおよびPearson,Somatic Cell Genetics 7:
603−616,1981;GrahamおよびVan der Eb,Virology 52d:
456−467,1973)またはエレクトロポレーション(Neuma
nnら、EMBO J.1:841−845,1982)により、培養哺乳類細
胞に導入される。外来DNAを発現する細胞を同定および
選択するために、通常、選択可能な表現型を付与する遺
伝子(選択マーカー)が着目の遺伝子またはcDNAと一緒
に細胞に導入される。好ましい選択マーカーとしては、
ネオマイシン、ヒグロマイシンおよびメトトレキセート
といった薬剤に対する耐性を付与する遺伝子が挙げられ
る。選択マーカーは増幅可能な選択マーカーであっても
よい。好ましい増幅可能な選択マーカーはジヒドロ葉酸
レダクターゼ(DHFR)配列である。選択マーカーはThil
lyにより概説されている(Mammalian Cell Technology,
Butterworth Publishers,Stoneham,MA;これは参考とし
て本明細書に組み込まれる)。選択マーカーの選択は当
業者の普通の技術水準の十分範囲内である。
選択マーカーは、別々のプラスミド上において着目の
遺伝子と同時に導入することができ、またはそれらを同
一プラスミド上において導入することもできる。同一プ
ラスミド上の場合、選択マーカーと着目の遺伝子は異な
るプロモーターの支配下にあっても同一プロモーターの
支配下にあってもよい。後者の配置は2シストロンメッ
セージを生じる。このタイプの構成物は当業界で既知で
ある(例えば、LevinsonおよびSimonsen,米国特許第4,7
13,339号並びに)。細胞に導入される混合物に「キャリ
ヤーDNA」として知られる追加のDNAを加えることも有利
である。
細胞がDNAを取り込んだ後、それらを適当な増殖培地
中で典型的には1〜2日間増殖して着目の遺伝子の発現
を開始させる。本明細書中で使用する時、「適当な増殖
培地」なる用語は、細胞の増殖およびプロテインC遺伝
子の発現に必要な栄養素および他の成分を含有する培地
を意味する。該培地は一般に炭素源、窒素源、必須アミ
ノ酸、必須糖類、ビタミン、塩類、リン脂質、タンパク
質および増殖因子を含有する。γ−カルボキシル化され
たプロテインCの生産のためには、培地は約0.1μg/m
〜約5μg/mの濃度でビタミンKを含むだろう。次い
で薬剤選択を適用して、安定な様式で選択マーカーを発
現している細胞の増殖について選択を行う。増幅可能な
選択マーカーによりトランスフェクトされている細胞に
対しては、薬剤濃度を増加させてクローン化配列のコピ
ー数の増加について選択し、それによって発現レベルを
増加させることができる。次いで安定にトランスフェク
トされた細胞のクローンをプロテインCの発現について
スクリーニングする。
本発明において使用される好ましい培養哺乳動物細胞
としては、COS−1(ATCC CRL 1650)、ベビーハムスタ
ー腎臓(BHK)および293(ATCC CRL 1573;Grahamら、J.
Gen.Virol.36:59−72,1977)細胞系が挙げられる。好ま
しいBHK細胞系はtk-ts13 BHK細胞系(WaechterおよびBa
serga,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:1106−1110,1982;
これは参考として本明細書に組み込まれる)であり、以
後BHK 570細胞と呼称される。BHK 570細胞系は本特許明
細書の出願前にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレ
クション(12301 Parklawn Dr.,Rockville,MD 20852)
にATCC受託番号CRL 10314のもとに寄託されている。tk-
ts13 BHK細胞系は受託番号CRL 1632のもとにATCCから
入手することもできる。更に、多数の他の細胞系を本発
明において利用することができ、そのようなものとして
Rat Hep I(ATCC CRL 1600)、Rat Hep II(ATCC CRL 1
548)、TCMK(ATCC CCL 139)、ヒト肺(ATCC HB 806
5)、NCTC 1469(ATCC CCL 9.1)、CHO(ATCC CCL 61)
およびDUKX細胞(UrlaubおよびChasin,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 77:4216−4220,1980)が挙げられる。
軽鎖と重鎖の間のLys−Argジペプチドの後ろでの開裂
による活性プロテインC前駆体のプロセシングは、ヨー
ロッパ特許出願公開EP 319,944に記載されたような宿主
細胞へのサッカロミセス・セレビシェー(Saccharomyce
s cerevisiae)KEX2遺伝子の導入によって増強すること
ができる。KEX2遺伝子は、二塩基性アミノ酸配列の後ろ
で切断するエンドペプチダーゼをコードする(Fuller
ら、Microbiology 1986,Leive編,273−278)。従って、
この遺伝子で安定にトランスフェクトされた培養哺乳動
物細胞系は、活性プロテインCを発現せしめるのに有用
である。
本発明に従って生産されるプロテインCは抗プロテイ
ンC抗体カラム上でのアフィニティークロマトグラフィ
ーにより精製することができる。Wakabayashiら(J.Bio
l.Chem.261:11097−11108,1986)により記載されたよう
なカルシウム依存性モノクローナル抗体の利用が特に好
ましい。常用の化学的精製手段、例えば液体クロマトグ
ラフィーにより、追加の精製を行うことができる。クエ
ン酸バリウム沈澱を含む他の精製方法が当業界で公知で
あり、本明細書に記載の新規プロテインCの精製に適用
することができる(概して、Scopes,R.,Protein Purifi
cation.Springer−Verlag,N.Y.,1982を参照のこと)。
医薬用途には、少なくとも約90〜95%均質の実質的に純
粋なプロテインCが好ましく、98〜99%またはそれ以上
均質が最も好ましい。所望であれば部分的にまたは均質
まで精製されれば、プロテインCを療法的に利用するこ
とができる。
本発明のプロテインC分子およびそれの医薬組成物
は、血管内の凝固に関係する様々な状態を処置するため
のヒトへの投与に特に有用である。例えば深静脈血栓症
や肺動脈塞栓症は従来の抗凝固物質で治療することがで
きるが、本明細書に記載のプロテインCは危険性の高い
患者、例えば手術を受ける患者またはうっ血性心不全を
有する患者における血栓塞栓合併症の発生を防ぐのに用
いることができる。活性プロテインCは、トロンビンが
生成されそしてフィブリン血栓が形成される時および場
所で体内で全身的に活性であるヘパリンよりも選択的で
あるので、プロテインCは深静脈血栓症の防止のため予
防的に使用するとヘパリンよりも効果的であり、しかも
出血性合併症を引き起こす可能性が小さいだろう。深静
脈血栓症の予防のためのプロテインCの用量は、約100
μg〜100mg/日、好ましくは1〜10mg/日の範囲内であ
り、そして投与は手術を受ける少なくとも約6時間前に
投与を開始し、少なくとも患者が歩行可能になるまで続
ける。慢性の深静脈血栓症および/または肺動脈塞栓症
では、プロテインCの用量は負荷量として約100μg〜1
00mgの範囲であり、次いで維持量として約3〜300mg/日
の範囲である。プロテインC注入から出血性合併症が発
生する可能性が低いため、プロテインCは血栓摘出術ま
たは塞栓摘出術と共同して手術中または手術後のヘパリ
ンに取って代わるかまたはヘパリンの用量を減らすこと
ができる。
本発明のプロテインC組成物は、心臓性塞栓の予防お
よび血栓性発作の治療においても相当な有用性を有する
だろう。出血性合併症を引き起こす可能性が低いことお
よび選択性のため、プロテインCは発作患者に投与する
ことができ、閉塞性の動脈血栓の広がりを防止すること
ができる。プロテインCの投与量は発作の性質と重さに
依存して患者ごとに異なるであろうが、用量は通常上記
に与えたものの範囲内であろう。
本明細書に提供される活性プロテインCの医薬組成物
は、生体内でのフィブリン溶解を増強する活性プロテイ
ンCの能力のため、急性心筋梗塞の治療においても有用
であろう。活性プロテインCは、心筋梗塞の急性期の間
に組織プラスミノーゲン活性化因子またはストレプトキ
ナーゼと共に投与することができる。閉塞性の冠状動脈
血栓が溶解した後、冠状動脈の再閉塞を防ぐために、そ
の後の数日間または数週間活性プロテインCを投与する
ことができる。急性心筋梗塞の場合には、活性プロテイ
ンC少なくとも約1〜500mgの負荷量に次いで1〜100mg
/日の維持量が患者に与えられる。
本発明のプロテインCは、チモーゲン形態または活性
形態のいずれかで散在性血管内凝固(DIC)の治療に有
用である。DICを有する患者は特徴として広範な微小循
環系血栓を有し、そしてしばしば必須凝固因子の涸渇に
起因する深刻な出血問題を抱えている。プロテインCは
その選択性のため、従来の抗凝固物質がそうであるよう
なDICに関係する出血問題を悪化させることはなく、し
かも他の微小循環のフィブリン沈着の形成を遅らせるか
または阻止するだろう。
本明細書に提供される新規プロテインC分子は本来の
ヒトプロテインCよりも長い半減期を有するので、それ
らの組成物の重要な用途は遺伝的プロテインC欠損症を
有する人の処置である。そのような患者(欠損症に対し
て同型接合であっても異型接合であってもよい)は重度
の血栓症を患っていることがある。彼らは現在プロテイ
ンCを含む第IX因子濃縮物で維持されている。同型接合
欠損症個体の治療には、約3,000mの平均血漿容量と仮
定しそして血管外間隙中への幾らかの拡散を考慮する
と、本発明のプロテインCは一日1〜300mgのレベルで
1日1回または複数回投与することができる。異型接合
プロテインC欠損症は通常、同型接合よりも低い維持量
を必要とするだろう。
医薬組成物は予防および/または治療的処置のための
非経口、局所、経口または局部投与用のものである。好
ましくは医薬組成物は非経口的に、即ち静脈内、皮下ま
たは筋肉内的に投与される。従って、本発明は、許容さ
れる担体、好ましくは水性担体中に溶解されたプロテイ
ンC分子の溶液を含んで成る非経口投与用組成物を提供
する。様々な水性担体、例えば水、緩衝化された水、0.
4%食塩溶液、0.3%グリシン等を使うことができる。そ
れらの組成物は常用の公知の滅菌技術により滅菌しても
よい。得られた水溶液は使用のため包装するか、または
無菌条件下で濾過して凍結乾燥することができる。凍結
乾燥製剤は使用前に無菌の水溶液と混合すればよい。該
組成物は、適当な生理的条件に必要な場合、医薬上許容
される補助物質、例えばpH調節剤、緩衝剤、張度(浸透
圧)調節剤等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等
を更に含むことができる。それらの組成物中のプロテイ
ンCの濃度は広範囲で異なることができ、即ち約0.5重
量%ほどの低濃度から、15または20重量%ほどの高濃度
までに及び、これは選ばれた特定の投与形式に従って、
主に液量、粘度等により選択されるだろう。
静注用の典型的医薬組成物は、250mの無菌リンガー
溶液と10mgのプロテインCを含有するように作製するこ
とができる。非経口投与可能な化合物を調製するための
実際の方法は、当業者にとって既知であるかもしくは明
白であり、そして例えばRemington's Pharmaceutical S
ciences,第16版,Mack Publishing Company,Easton,PA
(1982)(これは参考として本明細書に組み込まれる)
中に詳細に記載されている。
プロテインC分子またはその混合物を含有する医薬組
成物は予防的および/または治療的処置のために投与す
ることができる。治療的適用では、組成物は、上述した
ような病気に既にかかっている患者に、該病気とその合
併症を治癒するかまたは少なくとも部分的に緩和するの
に十分な量で投与される。これを達成するのに適切な量
は「治療的有効量」として定義される。この用途に有効
な量は、病気または負傷の重さおよび患者の一般状態に
依存するであろうが、通常は1日あたりプロテインC約
1mg〜約300mgの範囲であろう。1日あたりプロテインC
約5mg〜約25mgの用量がより普通に使われるであろう。
本発明の物質は一般に重い病気または負傷状態、即ち生
命にかかわる状態または潜在的に生命にかかわる状態に
おいて使うことができることを念頭に置かなければなら
ない。そのような場合、ヒト血漿中の異物の最小化とプ
ロテインCの半減期の延長を考慮すると、実質的過剰量
のプロテインC組成物を投与することが可能であり、治
療する医師によって望ましいと感じられるだろう。
予防的適用では、ハイブリッドプロテインCを含む組
成物は、患者自身の抗凝血能力またはフィブリン溶解能
力を増強するために、負傷もしくは病気状態にかかりや
すいかまたはその危険がある患者に投与される。そのよ
うな量は「予防的有効量」と定義される。この用途で
は、正確な量は患者の健康状態および内在性プロテイン
Cの通常レベルに依存するが、通常は体重70kgあたり約
0.5mg〜約250mg、特に体重70kgあたり約1mg〜約25mgの
範囲であろう。
該組成物は一回または複数回投与することができ、用
量レベルとパターンは治療する医師により選択されるだ
ろう。毎日維持レベルを必要とする外来患者について
は、プロテインCは例えば携帯式ポンプシステムを使た
連続注入により投与することができる。いずれにして
も、医師組成物は、患者を効果的に治療するのに十分な
量の本発明のプロテインCを提供すべきである。
次の実施例は例示の目的で与えられ、限定目的ではな
い。
実施例I ヒト−ウシハイブリッドプロテインCの作製 この実施例は、ヒトプレ−プロ配列、ヒト軽鎖、ヒト
活性化ペプチドおよびヒト活性プロテインC重鎖の最初
のアミノ酸とウシプロテインC重鎖配列の残部をコード
するハイブリッドプロテインCコード配列の作製を記載
する。宿主細胞からの分泌と活性化後、該タンパク質
は、ヒト重鎖の最初のアミノ酸(Leu)に次いで2番目
のアミノ酸(Val)からのウシ重鎖配列を含む重鎖にジ
スルフィド結合したヒトプロテインC軽鎖配列を含んで
成る。実施例においてこのハイブリッド分子を示し、次
いでα−1−抗トリプシンおよび他のヒト血漿因子によ
る活性化に対する増加された抵抗性を有することを示
す。
A.ウシ重鎖cDNAクローニング ウシ肝臓cDNA λgt11ライブラリー(Clontech,Palo A
lto,CA 94301から入手した)から、ランダムプライムヒ
トプロテインC cDNA断片を使って該ライブラリーを探査
することにより、プロテインCウシ重鎖をコードするウ
シcDNAをクローニングした。
1.ヒトプロテインC cDNAプローブの調製 FosterおよびDavie(前掲)により記載されたように
してヒトプロテインCの一部分をコードするcDNAを調製
した。簡単に言えば、常法によりヒト肝臓mRNAからλgt
11 cDNAライブラリーを調製した。ヒトプロテインCに
対する125I−標識アフィニティー精製抗体を使ってクロ
ーンをスクリーニングし、プレートリゼート法(Maniat
isら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual.Cold S
pring Harbor 1982;これは参考として本明細書に組み込
まれる)により陽性クローンからファージを調製し、そ
して塩化セシウム勾配によってバンド沈降せしめた。Ec
o R Iを使ってcDNA挿入断片を取り出し、プラスミドpUC
9(VieiraおよびMessing,Gene 19:259−268,1982)中に
サブクローニングした。無限断片をファージベクターM1
3mp10とM13mp11(Messing,Meth.in Enzyomlogy 101:20
−77,1983)中にサクブローニングし、ジデオキシ法(S
angerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5464−5467,197
7)により配列決定した。ヒトプロテインCの既知部分
配列(Kisielら,前掲,1979)と一致するDNAを含み、そ
して軽鎖のアミノ酸64で始まり重鎖を経て3′非コード
領域に及ぶプロテインCをコードするクローンを選択し
た。このクローンをλHC1375と命名した。アミノ酸24か
らプロテインCをコードする第二のcDNAクローンも同定
した。大きい方のクローンからの挿入断片をpUC9中にサ
ブクローニングし、得られたプラスミドをpHCλ6Lと命
名した。このクローンは、重鎖コード領域、終結コドン
および3′非コード領域を含むプロテインCの主要部分
をコードする。
λHC1375からcDNA挿入断片をα−32P dNTPsを使って
ニックトランスレーションせしめ、該断片を用いて、Wo
o(Math.Enzymol.68:381−395,1979)により変更された
BentonおよびDabisのプラークハイブリダイゼーション
法(Science 196:181−182,1977)を使ってファージλC
haron 4A(Maniatisら、Cell 15:687−702,1978)中の
ヒトゲノムライブラリーを探査した。陽性クローンを単
離し、プラーク精製した(Fosterら、Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 82:4673−4677,1985;これは参考として本明細書
に組み込まれる)。陽性クローンから調製したファージ
DNA(Silhavyら、Experiments with Gene Fusion,Cold
Spring Harbor Laboratory,1984中)をEco R IまたはBa
l IIで消化し、ゲノム挿入断片を精製し、pUC9中にサブ
クローニングした。(このゲノム挿入断片の制限断片を
M13ベクター中にサブクローニングし、そして配列決定
してそれらの同一性を確かめ、遺伝子全体のDNA配列を
確立した。) pHCλ6LのcDNA挿入断片をニックトランスレーション
せしめ、該断片を用いてファージλCharon 4Aライブラ
リーを探査した。該cDNAの5′末端と3′末端から作っ
たプローブにハイブリダイズする1つのゲノムクローン
が同定された。このファージクローンをEco R Iで消化
し、プロテインC遺伝子の5′末端に相当する4.4kb断
片をpUC9中にサブクローニングした。得られた組換えプ
ラスミドをpHCR4.4と命名した。完全DNA配列分析は、pH
CR4.4中の挿入断片が1263塩基対(bp)のイントロンに
より隔てられた70bpと167bpの2つのエクソンを含むこ
とを明らかにした。第一のエクソンはアミノ酸−42〜−
19をコードし;第二のエクソンはアミノ酸−19〜−37を
コードする。配列分析によって完全なプロテインC遺伝
子のDNA配列が確証された。
プロテインCのプレープロペプチドのアミノ酸−42〜
−19に相当するエクソンを含むゲノム断片を単離し、ニ
ックトランスレーションし、そしてHep G2細胞からのmR
NAを使ってGublerおよびHoffmanの技術(Gene 25:263−
269,1983)により作製したcDNAライブラリーをスクリー
ニングするためのプローブとして使った。この細胞系は
ヒト肝細胞に由来し、プロテインCを合成することが以
前に示されている(FairおよびBahnak,Blood 64:194−2
04,1984)。ファージλgt11のEco R I部位に挿入された
cDNAを含んで成る10個の陽性クローンが同定された。こ
れらをプロテインC遺伝子の5′非コード領域に相当す
るオリゴヌクレオチドプローブを使ってスクリーニング
した。1つのクローンがこのプローブでも陽性であった
ので、その全ヌクレオチド配列を決定した。該cDNAは70
bpの5′非翻訳配列、ヒトプレ−プロ−プロテインCの
全コード配列、および2番目のポリアデニル化部位に相
当する全3′非コード領域を含んだ。該cDNA配列とコー
ドされるアミノ酸配列を図1に示す。
ヨーロッパ特許出願公開EP 266,190号(参考として本
明細書に組み込まれる)において開示されたようにして
プロテインC cDNAをEco R I断片として単離しベクターp
DX(Hagenら、米国特許第4,784,950号;これは参考とし
て本明細書に組み込まれる)中にクローニングした。制
限分析により組換えプラスミドをスクリーニングし、プ
ロモーター要素に関して正しい方向でプロテインC挿入
断片を有するものを同定し、正しいクローンからプラス
ミドDNA(pDX/PCと命名)を調製した。pDX/PC中のCDNA
挿入断片は5′非コード領域中にATGコドンを含むの
で、該cDNAにおいてオリゴヌクレオチド指令欠失変異誘
発を行って3塩基対を除去した。得られたp594と命名し
たベクターは、アデノウイルス2主要後期プロモーター
に作用可能に連結されたプロテインC cDNAを含んだ(図
2)。このベクターは更にアデノウイルス5複製開始点
(0−1地図単位配列)、SV40エンハンサー、アデノウ
イルス2三分節系リーダー、一組のRNAスプライス部
位、SV40ポリアデニル化シグナルおよび選択マーカーと
してのジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子を含んだ。
2.ウシcDNAクローンの単離 ヒトプロテインC cDNAを含むp594からのランダムプラ
イム1.7kb Eco R I断片を使って、ウシ肝臓cDNA λgt11
ライブラリーをプロテインC cDNAについて探査した。ウ
シクローンをEco R I断片として同定および回収し、pUC
9中にクローニングした。得られたプラスミドをTaq Iと
Eco R Iで切断し、プロテインC重鎖をコードする断片
を回収した。
B.ヒトプロテインC軽鎖cDNAの調製 最終的にウシTaq I−Eco R I断片に結合させるヒト軽
鎖cDNAを得るために、ヒトプロテインCをコードするDN
A配列(PC962と命名)から適当な制限断片を調製した。
PC962DNAは上述のp594から作製され、プロテインCの軽
鎖と活性化ペプチドとの間の接合部に2つの追加のアル
ギニン残基をコードするDNA配列を含んだ(表I)。p59
4中のクローン化ヒトcDNAを、変異原性オリゴヌクレオ
チドZC962(5′AGT CAC CTG AGA AGA AAA CGA GAC A
3′)とオリゴヌクレオチドZC550(5′TCC CAG TCA C
GA CGT 3′)を使って部位特異的突然変異誘発(本質
的にはZollerおよびSmith,DNA 3:479−488,1984により
記載されている)により変更した。プラスミドp594をSs
t Iで消化し、約840bpの断片をM13mp11中にクローニン
グし、一本鎖鋳型DNAを単離した。突然変異誘発後、正
しいクローンを配列決定により同定した。複製可能型DN
Aを単離し、Sst Iで消化し、そして変異断片を回収し
た。この断片を2部分連結においてSst Iで切断されたP
594と連結せしめた。所望の方向で挿入されたSst I断片
を有するクローンを制限酵素マッピングにより同定し
た。得られた発現ベクターをpDX/PC962と命名した。
PC962 cDNAをプラスミドZem229に挿入することによ
り、PC229/962と称する第二の発現ベクターを作製し
た。Zem229は、マウスメタロチオネイン−Iプロモータ
ーとSV40転写ターミネーターとの間に外来DNAの挿入の
ためのユニークBam H I部位を含むpUC18由来の発現ベク
ターである。Zem229は、SV40初期プロモーター、マウス
ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子およびSV40ターミネー
ターの発現単位も含む。
pDX/PC962由来のPC962cDNAを含むEco R I断片を、Eco R
I−Bam H I合成オリゴヌクレオチドアダプターを使っ
て、Bam H Iで切断されホスファターゼ処理されているZ
em229に連結せしめた。得られたベクターはPC229/962で
あり、図3に示す。
Zem229、pDX(Hagenら、米国特許第4,784,950号;こ
れは参考として本明細書に組み込まれる)およびPC962
DNA配列から発現ベクターPC962/ZMB−4を作製した。
Zem229を変更してBam H Iクローニング部位をEco R I
部位に変換した。まず該プラスミドを、Eco R Iでの部
分消化、DNAポリメーラーゼIとdNTPsでの平滑末端化お
よび再連結により変更して2つのEco R I部位を削除し
た。生じたプラスミドをBam H Iで消化し、合成Bam H I
−Eco R Iアダプターと連結せしめた。得られたプラス
ミドをZem229Rと命名した。Zem229RをHind IIIとEco R
Iで消化し、SV40プロモーターとMT−1プロモーターを
含む520bp断片を除去した。次いでZem229Rの大断片をpD
Xの〜1100bp Hind III−Eco R I断片(SV40プロモータ
ー/エンハンサー、アデノウイルス主要後期プロモータ
ー、および一組のスプライスシグナルを含む)と連結せ
しめ、ZMB−4を作製した。PC229/962からPC962配列を
単離し、次いでこれをZMB−4中に挿入してPC962/ZMB−
4を作製した(図3)。
C.ハイブリッドプロテインCコード配列の作製 合成リンカーを使ってヒト軽鎖cDNAのEco R I−Sst I
I断片(PC962/ZMB−4から)をウシ重鎖cDNAのTaq I−E
co R I断片と連結せしめることにより、ヒト−ウシプロ
テインCコード配列を作製した。該リンカーは、オリゴ
ヌクレオチドZC2228(5′GGCTCGT3′)とZC2229(5′
CGCCGAGCAGC3′)をアニーリングすることにより作製し
た。得られた配列によりコードされるハイブリッドプロ
テインCは、ヒトプロテインCの軽鎖アミノ酸配列から
重鎖の最初のアミノ酸を経てウシ重鎖の残部まで:(H
プレ−プロ)−(H L鎖)−開裂部位(RRKR)−(H
活性化ペプチド)−Leu−(B H鎖)を有する。ここ
でヒト−ウシ接合部の配列は下記の通りである: cDNA断片とリンカーを4部分連結においてEco R I消
化ベクターZMB−3と連結せしめることにより、ハイブ
リッドcDNAを構築した。発現ベクターZMB−3は、Zem22
8(EP 319,944)とpDX(Hagenら、米国特許第4,784,950
号;参考として本明細書に組み込まれる)から作製し
た。プラスミドZem228は、マウスメタロチオネイン−I
プロモーターとSV40転写ターミネーターとの間に外来DN
Aの挿入のためのユニークBam H I部位を含むpUC18由来
の発現ベクターである。Zem228は、SV40初期プロモータ
ー、ネオマイシン耐性遺伝子およびSV40ターミネーター
を含んで成る発現単位も含む。従って、Zem228では挿入
された遺伝子はマウスメタロチオネイン−Iプロモータ
ーとSV40ターミネーターの支配下にあり、該ベクターを
抗生物質ネオマイシンにより選択することができる。Ec
o R Iでの部分消化、DNAポリメラーゼI〔クレノウ断
片〕とdNTPsを使った平滑末端化、再連結、Bam H Iでの
消化、およびBam H I−Eco R Iアダプターとの連結によ
りZem228を変更して2つのEco R I部位を削除し、プラ
スミドZem228Rを作製した。プラスミドZem228RをHindH
IIIとEco R Iで消化し、SV40とMT−1プロモーターを含
む520bp断片を除去した。Zem228Rの大断片をpDXの〜110
0bp Hind III−Eco R I断片(SVプロモーター/エンハ
ンサー、アデノウイルス主要後期プロモーター、および
一組のスプライスシグナルを含む)と連結せしめた。得
られたベクターをZMB−3と命名した(図4)。
ハイブリッドヒト−ウシプロテインCコード配列を含
むZMB−3ベクターを用いてtk-−ts13 BHK細胞(ATCC C
RL 1632)とトランスフェクトせしめた。10%ウシ胎児
血清と500μg/mのG−418を含むダルベッコ改良イー
グル培地(DMEM)中でトランスフェクタントを選択し
た。順化培地を収得し、PCL−2−Sepharoseカラム上で
の免疫アフィニティークロマトグラフィーにより組換え
プロテインCを精製した。このカラムは、プロテインC
のCa++結合軽鎖に特異的なモノクローナル抗体(PCL−
2と命名)をCNBr活性化Sepharose(Pharmacia,Piscata
way,NJ)に結合することにより調製した。10mM CaCl2
の存在下で試料を該カラムに適用した。50mM Tris−HC
l,1.0M NaCl,10mM CaCl2,pH7.5を使ってカラムを洗浄し
た。50mM Tris−NCl,pH7.5中の15mM EDTAを使ってプロ
テインCをカラムから溶出せしめた。
実施例II 不活性化に対するハイブリッドプロテインCの抵抗性 活性ウシプロテインC(Enzyme Research Labs,South
Bend,INから入手)および免疫アフィニティー精製した
活性組換えヒトプロテインC(pDX/PC962によりトラン
スフェクトせしめたベビーハムスター腎臓細胞から)を
阻害するプロテインC阻害剤α−1−抗トリプシンの能
力を、活性ヒト−ウシプロテインCハイブリッドの阻害
と比較した。プロテインC分子を活性化するために、各
々をアグキストロドン・コントルトリックス・コントル
トリックス(Agkistrodon contortrix contortrix)
からのプロテインC活性化因子(ACC−C;ニューメキシ
コ大学のW.Kisielから入手;Kisielら、J.Biol.Chem.26
2:12607−12613(1987)を参照のこと)と混合した。
不活性化に対する抵抗性をアッセイするために、各タ
ンパク質の溶液(TBS[50mM Tris pH7.5,150mM NaCl]
+15mM EDTA中50μg/m)200μを60ngのACC−Cおよ
び5μのBSA(50mg/m)と混合した。この混合物を3
7℃で90分間インキュベートした。各活性プロテインC
の20μ試料を5μのBSA(50mg/m)およびTBS中1m
g/mのα−1−抗トリプシン(Sigma Chemical Compan
y,St.Louis,MO)0,20,40または80μと混合して105μ
最終反応容量にした。この混合物を37℃で18.5時間イ
ンキュベートし、次いで各試料20μを80μの1mM色
素生成基質(#336 Spectrozyme PCa;American diagnos
ticaから入手)と混合し、室温で約10分間インキュベー
トした。発色を405nmで測定した。
図5に示した結果は、活性ヒトプロテインCはα−1
−抗トリプシンにより容易に不活性化されたが、ウシお
よびウシ−ヒトハイブリッドは不活性化に抵抗性であっ
たことを示す。
実施例III ヒト血漿による不活性化に対するハイブリッドプロテイ
ンCの抵抗性 ヒト血漿によるウシ−ヒトプロテインCおよびヒトプ
ロテインC(PC962)の不活性化を調べた。実験は実施
例IIに概説したものと実質的に同じようにして行った
が、次の変更を伴った。
各7.5μgまたはBSA対照を100μのTBS/BSA中で375n
gのACC−Cと共に37℃で90分間インキュベートすること
により、ウシ−ヒトハイブリッドプロテインCおよびPC
962ヒトプロテインCを活性化した。活性化したプロテ
インCの20μ試料を96ウエルのミクロタイタープレー
トのウエルに添加し、次いで0,5,10または20μのクエ
ン酸塩加ヒト血漿を各ウエルに加えた。試料の量をTBS/
BSAで100μに調整し、プレートを37℃で一晩(16時
間)インキュベートした。各試料から20μ(二重反復
において)を取り、それらに80μの色素生成基質(0.
75mM)を添加した。室温で約10分間インキュベートした
後、405nmでの吸光度を測定した。
図6に示した結果は、タンパク質をヒト血漿に暴露す
ると、ヒトプロテインCの活性がハイブリッドプロテイ
ンCのものよりもじっと速く減少したことを示す。血漿
の非存在下では活性ハイブリッドプロテインCは活性ヒ
トプロテインCよりも約3倍大きい色素生成活性を有す
るらしい。更にハイブリッドプロテインCはヒトプロテ
インCよりも約4倍長い半減期を有するらしい。
次いでヒト血漿によるハイブリッドおよびヒトプロテ
インC分子の不活性化の速度を比較した。実質的には上
述の通りに、ただし10μのTBS/BSA中で37.5ngのACC−
Cにより37℃で一晩(18時間)活性化した。7.5μgのP
C962またはハイブリッドプロテインCを使って行った。
各々から10μ試料を取り、190μのTBS/BSAに添加し
た。混合物を氷上に置き、次いで250μのクエン塩酸
加ヒト血漿を各々に加え、37℃でインキュベートした。
0,105,185および240分目に試料(20μ)を取り、80μ
の色素生成基質に添加し、そして上記と同様にして40
5nmでの吸光度を測定した。
図7に示した結果は、ヒト血漿中でのハイブリッドプ
ロテインCの半減期がヒト活性プロテインCのものの約
3倍であったことを示唆する。ハイブリッドプロテイン
Cおよびヒト活性プロテインCのヒト血漿中での抗凝固
活性はほぼ同等であった。このことは、ウシ−ヒトハイ
ブリッドプロテインCが、患者に投与するのにより少量
またはより少ない頻度のプロテインCが必要であり、そ
れによって患者に対する治療の費用および不便さが減る
であろうという点で、ヒトの処置において特に有用であ
ろう。
実施例IV ハイブリッドプロテインCの抗凝固活性 実施例Iの活性ハイブリッドプロテインC分子の抗凝
固活性をAPTTアッセイにおいて生来のヒトAPCのものと
比較した。2μgの単離したハイブリッドプロテインC
または組換えPC962を100μのTBS中で50ngのACC−Cと
混合した。この混合物を37℃で1時間インキュベート
し、次いで100μの正常ヒト血漿および100μのActi
n FS(Dade,Miami,FL)と混合した。生じた混合物を37
℃で100秒間インキュベートし、次いでTBS中の活性プロ
テインC 100μを添加した。更に37℃で100秒間インキ
ュベートした後、各試料に100μの1M CaCl2を加え、
凝固時間を測定した。表IIに示した結果は、ハイブリッ
ドプロテインCが生来のヒトプロテインCのものに匹敵
するヒト血漿中の抗凝固活性を有することを示す。
実施例V ヒト重鎖中のウシ配列置換 A.チモーゲンプロテインCにおける置換 実質的にはヒト重鎖を有しそして本来のヒト活性プロ
テインCと比較するとヒト血漿中での安定性の増加およ
び半減期の増加を有するプロテインC分子を作製するた
めに、ウシプロテインCの配列により対応するヒト重鎖
の配列を置き換えた。
ヒト重鎖の1つの変更は、ウシ重鎖アミノ酸Gln−Glu
−Ala−Gly−Trp〔アミノ酸19〜23;ナンバリングはFost
erら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:4766−4770(1984)
(参考として本明細書に組み込まれる)に従っており、
図8に示した通りである〕によるヒト重鎖中のアミノ酸
Lys−Met−Thr−Arg−Arg(アミノ酸17〜21;ナンバリン
グはFosterら、前掲に従い、図8に示した通りである)
の置換である。置換アミノ酸をコードするために、合成
オリゴヌクレオチドZC2451(5′CTC ATT GAT GGG CAG
GAG GCT GGA TGG GGA GAC AGC CC 3′)を使って部位特
異的突然変異誘発を行った。pDC/PM962(実施例I)の
プロテインC Sst I断片をベクターM13mp10〔Messing,Me
th.Enzymol.101:20−77(1983);これは参考として本
明細書に組み込まれる〕中にクローニングした。上述し
たようにして一本鎖鋳型DNAを調製し、本質的にはZolle
rおよびSmith,DNA 3:479−488(1984)(参考として本
明細書に組み込まれる)に記載された通りに、オリゴヌ
クレオチドZC2451とオリゴヌクレオチドZC550を使った
2プライマー法を用いて、部位特異的突然変異誘発せし
めた。陽性のクローンを選択し、配列決定して突然変異
誘発を確かめた。複製可能型DNAからPst I−Sst I断片
として変異配列を回収した。この断片を4部分連結にお
いて、プラスミドPC962/ZMB−4からの〜592bp Eco R I
−Pst I断片(5′プロテインCコード配列を含む)、
プラスミドPC962/ZMB−4からの〜700bp Sst I−Eco R
I断片(3′プロテインCコード配列を含む)、およびE
co R Iで消化されホスファターゼ処理されたZMB−4と
連結せしめた。制限酵素消化により正しい挿入断片の方
向についてプラスミドをスクリーニングした。正しいプ
ラスミドを選択し、該プラスミドを用いて実施例Iに記
載の通りにリン酸カルシウム共沈法によりtk- ts13 BHK
細胞(ATCC CRL 1632)をトランスフェクトせしめた。
プロテインCを産生するトランスフェクタントを、トラ
ンスフェクション後2〜3日目に500nMメトトレキセー
トで選択し、そして細胞順化培地を調製した。上述した
通りに細胞上清から変異プロテインCを精製した。α−
1−抗トリプシンおよびヒト血漿因子による不活性化に
対する変異プロテインCの感受性を後述の通りアッセイ
した。
本明細書に記載のその他の置換と別々にまたは合同し
て行われるヒト重鎖のもう1つの変更は、合成オリゴヌ
クレオチドZC2452(5′GCT GGG GCT ACA GAG ACG AGA
CCA AGA GAA ACC GC 3′)を使ったウシアミノ酸Arg−A
sp−Glu−Thr(重鎖残基148〜151)によるヒト重鎖アミ
ノ酸His−Ser−Ser−Arg−Glu−Lys−Glu−Ala(ヒト重
鎖残基146〜153)の置換である。pDX/PC962(実施例
I)のSst I−Eco R I断片をベクターm13mp10中にクロ
ーニングした。上述したように一本鎖鋳型DNAを調製
し、2プライマー法を用いてZC2452を使って部位特異的
突然変異誘発せしめた。陽性のクローンを選択し、配列
決定して置換を確かめた。ファージの複製可能型DNAか
ら変異誘発されたSst I−Eco R I断片を再単離し、該断
片を4部分連結において、プラスミドPC962/ZMB−4か
らの〜330bp Eco R I−Sal I断片(5′プロテインC配
列を含む)、プラスミドPC962/ZMB−4からの〜730bp S
al I−Sst I断片(プロテインC配列の中央部分を含
む)、およびEco R Iで消化されホスファターゼ処理さ
れたZMB−4と連結せしめた。制限酵素消化により正し
い挿入断片の方向についてプラスミドをスクリーニング
し、正しい構成物を選択した。上記と同様にトランスフ
ェクションを行い、そして成功したトランスフェクタン
トの順化培地から変更部位を含むプロテインCを収穫し
た。次いで後述の通り不活性化に対する重鎖変更プロテ
インCの感受性を未変更のプロテインCのものと比較す
る。
ウシ配列Tyr−Asn−Ala−Cys−Val−His−Ala−Met−
Glu−Asn−Lys(重鎖アミノ酸169〜179)によるヒト重
鎖配列His−Asn−Glu−Cys−Ser−Glu−Val−Met−Ser
−Asn−Met(ヒト重鎖残基171〜181)の置換は、不活性
化に対するプロテインC分子の抵抗性の増加を提供する
ために使った。pPD/PC962の、Sst I−Eco R I断片をベ
クターM13mp10中にクローニングし、一本鎖鋳型DNAを調
製し、上述の2プライマー法を用いて合成オリゴヌクレ
オチドZC3044(5′CCC GTG GTC CCG TAC AAT GCA TGT
GTC CAT GCC ATG GAA AAC AAG GTG TCT GAG AAC ATG CT
G 3′)を使って部位特異的突然変異誘発せしめた。上
述した通りに陽性クローンを選択し、配列決定して変異
誘発を確かめた。1つの陽性クローンからの複製可能型
(RF)DNAをSst IとEco R Iで消化し、そして700bpのバ
ンドを回収した。
3044変異体用の発現ベクターを作製するために、前記
700bp断片を、Eco R Iで消化され子ウシ腸アルカリホス
ファターゼ処理されたZem229R、PC229/962からの335 bp
Eco R I−Sal IプロテインC断片、およびPC229/962か
らの730 bp Sal I−Sst IプロテインC断片と連結せし
めた。Bgl II,Eco R I,Pst IおよびAva IIでの消化によ
り正しい構成物を同定し、PC3044/Zem229Rと命名した。
PC3044/Zem229Rを用いてBHK570細胞をトランスフェク
トせしめた。2日後、細胞を1μMメトトレキセート中
に分配した。2週間の増殖後、ヒトプロテインCの重鎖
に対するモノクローナル抗体とペルオキシダーゼ接合ウ
サギ抗マウス第二抗体を使ったイムノフィルターアッセ
イにより細胞をスクリーニングした。ECL基質(Amersha
m)を使って陽性クローンを検出した。個々の陽性クロ
ーンを採取し、増殖させ、順化培地を集めた。カルシウ
ム依存性モノクローナル抗体PCL−2を使って該培地か
ら変異タンパク質を精製し、後述のようにアッセイし
た。
部位特異的突然変異誘発を使って、ヒト重鎖残基251
〜262(Arg−Asp−Lys−Glu−Ala−Pro−Gln−Lys−Ser
−Trp−Ala−Pro)をウシプロテインC重鎖のアミノ酸
残基249〜260(Lys−Ala−Gln−Glu−Ala−Pro−Leu−G
lu−Ser−Gln−Pro−Val)により置換する。まず、pDX/
PC962のSst I−Eco R IプロテインC断片をベクターM13
mp10中にクローニングし、合成オリゴヌクレオチドZC24
54(5′GGG CAC ATC AAA GCT CAG GAG GCC CCT CTT GA
G AGC CAG GTG CCT TAG CGA CCC 3′)を使って上述の
2プライマー法を用いて部位特異的突然変異誘発にかけ
た。陽性クローンを選択し、配列決定して変異誘発を確
かめ、そしてRF DNAから変異Sst I−Eco R I断片を単
離した。該変異断片を使ってプロテインCのチモーゲン
形態のための発現ベクターを作製した。該ベクターは、
変異RF断片、PC962/ZMB−4からの〜592 bp Eco R I−P
st I断片、PC962/ZMB−4からの〜460 bp Pst I−Sst I
断片、およびEco R Iで消化されホスファターゼ処理さ
れたZMB−4を連結せしめることにより作製した。次い
で得られたベクターを用いて上述した通りにtk-ts13 BH
K細胞をトランスフェクトせしめた。成功したトランス
フェクタントを同定し、培養し、細胞順化培地からタン
パク質を精製し、そしてα−1−抗トリプシンに対する
抵抗性についてアッセイした。結果は、2454変異体構成
物がヒト活性プロテインCに比べてα−1−抗トリプシ
ンに対する抵抗性の増加を示さなかったことを指摘す
る。
B.タンパク質の特徴づけ 上記に概説した通りに、ヒトプロテインC(PC96
2)、ヒト−ウシハイブリッド(LMH)2451,2452および3
044を、α−1−抗トリプシンおよびヒト血漿に対する
抵抗性について試験した。タンパク質をACC−C中で37
℃にて3時間インキュベートし(プロテインC:ACC−C
100:1の比を使って)、それらを活性化した。ほぼ等
しい色素生成活性(PC962に対して標準化される)を与
えるようにタンパク質濃度を調整した。
140μの反応液量を使って140μg/mのBSAおよび80
0ngの活性プロテインCおよび0〜80μgのα−1−抗
トリプシン(ATT)を含むTBS(pH7.4)中で、ATTに対す
る抵抗性を測定した。混合物を37℃で16時間インキュベ
ートし、次いで20μ試料を各試験管から取り出し、ミ
クロタイタープレート中の80μの1mM Spectrozyme PC
a(American Diagnostica)に添加した。約20分後、反
応混合物のA405を読んだ。α−1−抗トリプシン濃度に
対する相対的色素生成活性のプロットを図9に示す。96
2(野生型ヒトプロテインC)、変異体2452および変異
体3044に比べると、変異体2451を50%阻害するのに約3
倍のα−1−抗トリプシンが必要であった。ハイブリッ
ドLMHは本質的に全く阻害されなかった。
ヒト血漿中でのプロテインCの不活性化についての時
間推移を測定し、野生型と比較した。50μの活性プロ
テインC(27μg/m)を200μの貯留クエン酸塩加ヒ
ト血漿に添加した。混合物を37℃でインキュベートし
た。0,30,75,120および300分後に50μ試料を取って氷
上に置いた。各時点の試料からの20μをミクロタイタ
ープレート中の80μの1mM Spectrozyme PCaに添加し
た。数分後A405を読んだ。結果を図10に示す。PC2451は
ハイブリッドLMHと同様であり、2452や野生型よりも抵
抗性であった変異体3044よりも不活性化に対する抵抗性
が実質的に大きかった。
ヒト血漿中での不活性化の時間推移実験をヒトハイブ
リッドLMH、野生型PC962および変異体PC2451において繰
り返した。該アッセイは上記と本質的に同じであるが、
0,15,30および60分の時点で試料を取り、即座に5mM EDT
Aを含む氷冷TBS60μ中に希釈した。20μの4mM Spec
trozyme PCaを添加し、数分後A405を読んだ。図11に示
される結果は、変異体PC2451とハイブリッドLMHの両者
がヒト野生型プロテインCよりも不活性化に対して実質
的に大きい抵抗性を有することを確証した。
C.活性プロテインCにおける置換 野生型プロテインC配列の突然変異誘発により、開裂
部位配列Arg−Arg−Lys−Argを有する活性プロテインC
前駆体をコードするDNA配列を作製した。生じた配列(1
058と命名)はPC962をコードする配列に類似している
が、活性化ペプチドをコードする部分を欠いた。1058タ
ンパク質の軽鎖と重鎖との間の接合部のアミノ酸配列は
表Iに示されている。
プラスミドP594中に存在するプロテインC配列を単一
突然変異誘発において変更せしめ、活性化ペプチドコド
ンを削除しそしてプロセシング部位にArg−Argコドンを
挿入した。変異誘発は、M13ファージベクター中にクロ
ーニングされたp594からの870 bp Sst I断片上で、オリ
ゴヌクレオチドZC1058(5′CGC AGT CAC CTG AGA AGA
AAA CGA CTC ATT GAT GGG 3′)とZC550(5′TCC CAG
TCA CGA CGT 3′)を使って標準法に従って行った。
軽鎖(アミノ酸1〜149)と重鎖との間にリンカー配
列Lys−Lys−Arg−Ala−Asn−Ser−Arg−Arg−Lys−Arg
を有する活性プロテインC前駆体をコードするDNA配列
を作製した。この構成物をPC2274と命名した(表I)。
PC2274配列を作製するために、PC1058 Sst I断片をM1
3mp10に挿入し、そしてオリゴヌクレオチドZC2274
(5′GAG AAG AAG CGC GCC AAC TCC AGA AGA AAA CGA
CT 3′)を使って標準法に従って突然変異誘発せしめ
た。変異誘発されたRF DNAをPst IとSst Iで消化し、〜
430bp断片を回収した。
PC2274 RFからの〜430 bp Pst I−Sst I断片、ZC2454
で変異誘発されたSst I−Eco R I断片(実施例V.A)、P
C962/ZMB−4からの〜592bp Eco R I−Pst I断片、およ
びEcoR Iで消化されホスファターゼ処理されたZMB−4
を連結せしめることにより、活性プロテインC発現ベク
ターを作製した。所望の挿入断片方向を有するベクター
を制限酵素消化により同定し、これを使って上述の通り
にtk-ts13 BHK細胞をトランスフェクトせしめた。
上記の結果から、ヒトプロテインCの活性を実質的に
有する一方でα−1−抗トリプシンおよびヒト血漿によ
る不活性化に対する抵抗性を有する組成物が提供される
ことは明白である。それらの結果は、変更されたプロテ
インC分子が、血漿から精製されるかまたは組換え手段
により製造されるヒトプロテインC調製物に比べた時、
ヒト血漿中での増加された安定性を有し、従って増加さ
れた半減期を有する治療または予防用組成物として使用
できるという点で、特に励みになる。本発明の組成物に
より付与される利点の中でも特に、低用量で且つ低頻度
の投与の効能、簡便性および経済性がある。
今まで理解の明確化の目的で本発明を説明および例に
より幾分詳細に記載してきたが、添付の請求の範囲内で
幾つかの変更および改良を実施できることは明らかであ
ろう。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 15/09 C12N 15/00 A (72)発明者 ホリー,リチャード ディー. アメリカ合衆国,ワシントン 98177, シアトル,ノースウエスト,テンス ア ベニュ 12539 (56)参考文献 特開 昭61−205487(JP,A) 特開 昭64−85096(JP,A) J.Biol.Chem.,volu me 242,No.24(1989)p.14298 −1430 Proc.Natl.Acad.Sc i.U.S.A.,volume 81 (1984)p.5653− (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/64 ZNA C12N 15/09 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) CA MEDLINE GenBank

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軽鎖およびヒト様重鎖を含んで成る組換え
    チモーゲンプロテインC分子であって、前記重鎖が図8
    のヒトプロテインC重鎖配列中に1または複数のアミノ
    酸置換を含み、前記プロテインC分子は活性化されると
    ヒト血漿因子V aおよびVIII aを不活性化することがで
    き、そして天然の活性ヒトプロテインCに比べてヒト血
    漿またはα−1−抗トリプシンに対する増加した抵抗性
    を有することを特徴とする分子。
  2. 【請求項2】軽鎖およびヒト様重鎖を含んで成る組換え
    活性プロテインC分子であって、前記重鎖が図8のヒト
    プロテインC重鎖配列中に1または複数のアミノ酸置換
    を含み、前記活性プロテインC分子はヒト血漿因子V a
    及びVIII aを不活性化することができ、そして天然の活
    性ヒトプロテインCに比べてヒト血漿またはα−1−抗
    トリプシンに不活性化に対する増加した抵抗性を有する
    ことを特徴とする分子。
  3. 【請求項3】前記軽鎖が実質的にヒトプロテインC軽鎖
    である、請求項1又は2に記載の活性プロテインC分
    子。
  4. 【請求項4】前記ヒト重鎖配列中の1または複数のアミ
    ノ酸置換がウシ重鎖配列に相当する、請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の活性プロテインC分子。
  5. 【請求項5】前記ウシ重鎖配列のうちの少なくとも1つ
    がアミノ酸19〜23のGln−Glu−Ala−Gly−Trp;アミノ酸
    148〜151のArg−Asp−Glu−Thr;アミノ酸169〜179のTyr
    −Asn−Ala−Cys−Val−His−Ala−Met−Glu−Asn−Ly
    s;またはアミノ酸249〜260のLys−Ala−Gln−Glu−Ala
    −Pro−Leu−Glu−Ser−Gln−Pro−Valであり、そして
    それぞれヒト重鎖アミノ酸17〜21のLys−Met−Thr−Arg
    −Arg;アミノ酸146〜153のHis−Ser−Ser−Arg−Glu−L
    ys−Glu−Ala;アミノ酸171〜181のHis−Asn−Glu−Cys
    −Ser−Glu−Val−Met−Ser−Asn−Met;またはアミノ酸
    251〜262のArg−Asp−Lys−Glu−Ala−Pro−Gln−Lys−
    Ser−Trp−Ala−Proが置換されており、ここでアミノ酸
    番号は図8のものに相当する、請求項4に記載の活性プ
    ロテインC分子。
  6. 【請求項6】前記ヒト血漿による不活性化に対する増加
    した抵抗性がヒトプロテインCのものより少なくとも2
    倍大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分子。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロ
    テインC分子を含んで成る、プロテインC欠損症の予防
    又は治療剤。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロ
    テインC分子を含んで成る、フィブリン溶解促進剤。
  9. 【請求項9】請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロ
    テインC分子を含んで成る、深静脈血栓症の予防又は治
    療剤。
  10. 【請求項10】請求項1〜6のいずれか1項に記載のプ
    ロテインC分子を含んで成る、肺動脈塞栓症の予防又は
    治療剤。
  11. 【請求項11】請求項1〜6のいずれか1項に記載のプ
    ロテインC分子をコードするポリヌクレオチド分子。
  12. 【請求項12】ビタミンK依存性血漿タンパク質のプレ
    ープロペプチド及びgla領域、gla領域を欠くヒトプロテ
    インC軽鎖、1または複数の開裂部位を含むペプチド、
    並びにヒト様プロテインC重鎖をそれぞれコードする作
    用可能に連結された4つの配列コード領域を含んで成る
    ポリヌクレオチド分子であって、 前記重鎖は、図8のヒトプロテインc重鎖配列中に1ま
    たは複数のアミノ酸置換を含み、 前記ポリヌクレオチド分子は、活性化後に生物学的に活
    性なプロテインC分子をコードしており、このプロテイ
    ンC分子は天然の活性ヒトプロテインCに比べてヒト血
    漿またはα−1−抗トリプシンに対する増加した抵抗性
    を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド分子。
  13. 【請求項13】前記1または複数の開裂部位を含むペプ
    チドが R1−R2−R3−R4−X−R5−R6−R7−R8を含んで成り、こ
    こでR1〜R8の各々はLysまたはArgであり、そしてXはペ
    プチド結合または1〜12アミノ酸のスペーサーペプチド
    である、請求項12に記載のポリヌクレオチド分子。
  14. 【請求項14】前記1または複数の開裂部位を含むペプ
    チドが (R1−R2−R3−R4を含んで成り、ここでR1,R2,R3
    よびR4の各々はLysまたはArgであり、そしてnは0,1,2
    または3である、請求項12に記載のポリヌクレオチド分
    子。
  15. 【請求項15】請求項12〜14のいずれか1項に記載のポ
    リヌクレオチド分子によりトランスフェクトされた哺乳
    動物細胞系。
  16. 【請求項16】請求項1〜6のいずれか1項に記載のプ
    ロテインC分子の製造方法であって、該プロテインC分
    子をコードするDNA及びこれに作用可能に連結されたプ
    ロモーターを含んで成る発現ベクターにより形質転換さ
    れた宿主細胞を、該タンパク質の発現を許容する培地中
    で培養することを含んで成る方法。
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