JP3153236B2 - 端が切り取られた軽鎖を有する組換えプロテインc - Google Patents

端が切り取られた軽鎖を有する組換えプロテインc

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は一般的には血漿タンパク質およびそのタンパ
ク質をコードするDNA配列に関し、より詳しくはヒト活
性プロテインCと実質的に同じ構造および生物活性を有
するタンパク質の発現に関する。
発明の背景 プロテインCは、生体内での血液凝固の調節およびフ
ィブリン溶解活性の発生において重要な役割を果たすセ
リンプロテアーゼのチモーゲン、即ち前駆体である。そ
れは一本鎖ポリペプチドとして肝臓で合成され、該ペプ
チドが相当なプロセシングを受け、ジスルフィドによっ
て結合した重鎖(Mr=40,000)と軽鎖(Mr=21,000)と
から成る二本鎖分子になる。循環している二本鎖中間体
は、重鎖のアミノ末端からの12残基ペプチド(活性化ペ
プチドとして知られている)の除去を含むタンパク質分
解プロセシングにより、「活性プロテインC」(APC)
として知られる該分子の生物活性形態に変換される。こ
の開裂反応は、生体内では内皮細胞補因子であるトロン
ボモジュリンによって増強される(EsmonおよびOwen,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2249−2252,1981)。
プロテインCは、それぞれグルタミン酸とアスパラギ
ン酸残基の翻訳後修飾により形成される。γ−カルボキ
シグルタミン酸(Gla)約9残基とβ−ヒドロキシアス
パラギン酸1当量を含むビタミンK依存性糖タンパク質
である。プロテインC中の特定のγ−カルボキシグルタ
ミン酸残基の翻訳後形成はビタミンKを必要とする。そ
れらの異常アミノ酸残基がカルシウムイオンに結合し、
プロテインCの生物活性に必要とされる該タンパク質と
リン脂質との相互作用を招くと思われる。
他のビタミンK依存性血漿タンパク質、例えば第VII
因子、第IX因子および第X因子の凝固促進作用とは異な
り、活性プロテインC(APC)は限定タンパク質分解に
よる第V a因子および第VIII a因子の不活性化を通して
凝固過程の調節因子として働く。プロテインCによる第
V a因子および第VIII a因子の不活性化は、酸性リン脂
質とカルシウムイオンの存在に依存する。プロテインS
が第V a因子のAPC触媒タンパク質分解を促進することに
よりこの活性を調節すると報告されている(Walker,J.B
iol.Chem.255:5521−5524,1980)。
プロテインCはまた、組織型プラスミノーゲン活性化
因子の作用にも関係している(KisielおよびFujikawa,B
ehring Inst.Mitt.73:29−42,1983)。イヌへのウシAPC
の注入はプラスミノーゲン活性化因子の活性の増加を引
き起こす(CompおよびEsmon,J.Clin.Invest.68:1221−1
228,1981)。他の研究(Sakataら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 82:1121−1125,1985)は、培養した内皮細胞への
APCの添加が、ウロキナーゼ関連と組織型の両方のプラ
スミノーゲン活性化因子の活性増加を反映する。順化培
地中のフィブリン溶解活性の迅速な用量依存性増加を引
き起こすことを示した。APC処理は抗活性化因子活性の
用量依存性減少ももたらす。
世界の或る地域では、約16,000の1の人がプロテイン
C欠損を示すと見積もられている。プロテインC欠損は
再発性血栓症に関連付けられており(Broekmansら、new
Eng.J.Med.309:340−344,1983およびSeligsohnら、New
Eng.J.Med.310:559−562,1984)、遺伝的障害または外
傷、例えば負傷、肝疾患または手術によって起こり得
る。プロテインC欠損は一般に経口抗凝固物質を使って
治療される。プロテインC含有正常血漿の注入により有
益な効果が得られている(GardinerおよびGriffin,Brow
n,Grune & Stratton編,Prog.in Hematology 13:265−2
78,1983,NYを参照のこと)。加えて、プロテインCは血
栓症、例えば静脈血栓症を治療するのに有用である(Sm
ithら、PCT公開公報No.WO 85/00521)。
活性プロテインCは血栓症の治療用のチモーゲンより
も好ましいことがある。活性プロテインCの利用はプロ
テインCの生体内活性化の必要を回避し、従ってより迅
速に作用する治療薬を提供する。
最後に、外因性活性プロテインCがグラム陰性敗血症
の凝固障害および致死作用を防止することが示されてい
る(Taylorら、J.Clin.Invest.79:918−925,1987)。ヒ
ヒを使った研究から得られたデータは、活性プロテイン
Cが敗血症に対して保護する本来の役割を果たすことを
示唆している。
プロテインCは、凝固因子濃縮物(Marlarら、Blood
59:1067−1072,1982)または血漿(Kisiel,J.Clin.Inve
st.64:761−769,1979)から精製しそして試験管内で活
性化することができるが、出発材料の入手可能性が限定
されていることおよび血漿中のプロテインCの濃度が低
いことにより、それは複雑で且つ費用のかかる方法であ
る。更に、ヒト血液から誘導される生成物の療法作用
は、例えば、肝炎ウイルス、シトメガロウイルスまたは
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による病気の伝染の危険
がある。それらの理由から、遺伝子操作技術によりヒト
プロテインCおよびヒト活性プロテインCを製造するこ
とが好ましい。
ヒトプロテインCの大部分をコードするクローン化cD
NAはFosterおよびDavie(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:4
766−4770,1984)により開示されている。Fosterら(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA82:4673−4677,1985)は、ヒトプ
ロテインC遺伝子のヌクレオチド配列およびヒトプロテ
インCの仮の構造を開示している。彼らは、ヒトプロテ
インCの軽鎖が、FernlundおよびStenflo(J.Biol.Che
m.257:1217−12179,1982)により報告されたウシプロテ
インCのアミノ酸配列との類推によって、155アミノ酸
を含むことを示唆している。Murrayら(ヨーロッパ特許
公開公報215,548)は、組換えプロテインCおよび活性
プロテインCの製造方法を開示している。Bangら(米国
特許4,775,624)は、カルボキシ末端配列Met−Glu−Lys
−Lys−Arg−Ser−His−Leuを有する155アミノ酸の活性
軽鎖を有する組換えプロテインCの製造方法を開示して
いる。
発明の開示 簡単に言えば、本発明は、活性プロテインC前駆体を
コードするDNA分子を提供し、ここで該DNA分子はトラン
スフェクトされた哺乳動物細胞により発現させて重鎖と
軽鎖を有する活性プロテインを生産することができ、前
記軽鎖は本質的にはアミノ酸番号1のアラニンから、ア
ミノ酸番号149のグルタミン酸、アミノ酸番号150のリジ
ン、アミノ酸番号151のリジンまたはアミノ酸番号152の
アルギニンのいずれか1つのアミノ酸までの図1のアミ
ノ酸配列から成る。一態様では、該分子はアミノ酸配列
プレ−プロ−L−X1−Hをコードし、ここでプレ−プロ
はプロテインCのプレ−プロペプチドであるか、または
ビタミンK依存性血漿タンパク質、例えばプロテイン
S、第VII因子、第IX因子、第X因子もしくはプロトロ
ンビンのプレ−プロペプチドにより完全にもしくは部分
的に置き換えられ;Lは、図1に記載のようなアミノ酸番
号1のアラニンから、アミノ酸番号149のグルタミン
酸、アミノ酸番号150のリジン、アミノ酸番号151のリジ
ンまたはアミノ酸番号152のアルギニンのいずれか1つ
のアミノ酸までの活性プロテインCの軽鎖であり;X
1は、リジンおよびアルギニンから成る群から選択され
た3〜10個のアミノ酸残基の配列であり;そしてHは活
性プロテインCの重鎖である。
別の態様では、該分子はアミノ酸配列プレ−プロ−L
−R1−R2−R3−X2−(R4−(R5−R6−R7−R8
Hをコードし、ここでプレ−プロはプロテインC、プロ
テインS、第VII因子、第IX因子、第X因子およびプロ
トロンビンから成る群から選択されたタンパク質のプレ
−プロペプチドであり;Lは、アミノ酸番号1のアラニン
から、アミノ酸番号149のグルタミン酸、アミノ酸番号1
50のリジン、アミノ酸番号151のリジンまたはアミノ酸
番号152のアルギニンのいずれか1つのアミノ酸までの
活性プロテインCの軽鎖であり;R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7
およびR8は、リジンおよびアルギニンから成る群から選
択されたアミノ酸残基であり;X2はペプチド結合または
1〜12アミノ酸のスペーサーペプチドであり;n,m=0,1,
2または3;そしてHは活性プロテインCの重鎖である。
更なる態様では、該分子はアミノ酸配列プレ−プロ−
L−R1−R2−R3−X2−(R4−R5−R6−R7−Hをコー
ドし、ここでプレ−プロはプロテインCのプレ−プロペ
プチドであるか、またはプロテインS、第VII因子、第I
X因子、第X因子およびプロトロンビンから成る群から
選択されたタンパク質のプレ−プロペプチドにより完全
にもしくは部分的に置き換えられ;Lは、アミノ酸番号1
のアラニンから、アミノ酸番号149のグルタミン酸、ア
ミノ酸番号150のリジン、アミノ酸番号151のリジンまた
はアミノ酸番号152のアルギニンのいずれか1つのアミ
ノ酸までの活性プロテインCの軽鎖であり;X2は3また
は4のアミノ酸残基の配列であって、そのうちの少なく
とも2個または3個が非酸性アミノ酸残基であり;n=0,
1,2または3;R1〜R7はLysまたはArgであり;そしてHは
活性プロテインCの重鎖である。
更に別の態様では、該分子はアミノ酸配列プレ−プロ
−L−R1−R2−R3−R4−X3−R5−R6−R7−R8−Hをコー
ドし、ここでプレ−プロはプロテインC、プロテイン
S、第VII因子、第IX因子、第X因子およびプロトロン
ビンから成る群から選択されたタンパク質のプレ−プロ
ペプチドであり;Lは、アミノ酸番号1のアラニンから、
アミノ酸番号149はグルタミン酸、アミノ酸番号150のリ
ジン、アミノ酸番号151のリジンまたはアミノ酸番号152
のアルギニンのいずれか1つのアミノ酸までの活性プロ
テインCの軽鎖であり;R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7およびR8
は、リジンおよびアルギニンから成る群から選択された
アミノ酸残基であり;X3は4個の非酸性アミノ酸残基の
配列であり;そしてHは活性プロテインCの重鎖であ
る。X3は好ましくはAsn−Ile−Leu−Asnである。
本発明の別の観点によれば、上述した活性プロテイン
C前駆体をコードするDNA分子に作用可能に連結された
転写プロモーターを含んで成るDNA構成物によりトラン
スフェクトされた培養哺乳動物細胞が提供される。該細
胞を更にトランスフェクトせしめ、サッカロミセス・セ
レビシェー(Saccharomyces cerevisiae)KEX2遺伝子を
発現させることもできる。
関連の観点によれば、本発明は活性プロテインCの調
製方法であって、培養哺乳動物細胞を、転写プロモータ
ー、転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列に作
用可能に連結された上述の活性プロテインC前駆体をコ
ードするDNA分子を含む発現ベクターによりトランスフ
ェクトせしめることを含んで成り、ここで、前記細胞に
よる前記DNA配列の発現時に、前記細胞により前記前駆
体がプロセシングされて活性プロテインCを生産する方
法を提供する。
上述したように、前記細胞を更にトランスフェクトせ
しめ、サッカロミセス・セレビシェー(Saccharomyces
cerevisiae)KEX2遺伝子を発現させることもできる。
本発明は更に、重鎖と軽鎖を有する組換え活性プロテ
インCであって、前記軽鎖が図1のアミノ酸番号1のア
ラニンから、アミノ酸番号149のグルタミン酸、アミノ
酸番号150のリジン、アミノ酸番号151のリジンまたはア
ミノ酸番号152のアルギニンのいずれか1つのアミノ酸
までのアミノ酸配列から本質的に成る組換え活性プロテ
インCを提供する。
本発明の上記のおよび他の観点は下記の詳細な説明お
よび添付図面への参照によって明らかになるであろう。
図面の簡単な説明 図1は、完全はプロテインC cDNAのヌクレオチド配列
およびヒトプロテインCの推定アミノ酸配列を示す。矢
印は活性化ペプチドと重鎖の接合点を示す。活性プロテ
インCの重鎖はアミノ酸番号170のロイシンからアミノ
酸番号419のプロリンまでである。
図2はベクターpD3の作製を示す。使用した記号は、
0−1:アデノウイルス5 0−1マップユニツト配列;E:SV
40エンハンサー;MLP:アデノウイルス2主要後期プロモ
ーター;L1−3:アデノウイルス2 3分節系リーダー;
5′:5′スプライス部位;3′:3′スプライス部位;p
(A);ポリアデニル化シグナル;DHFR:ジヒドロ葉酸レ
ダクターゼ遺伝子。
図3はベクターpDXの作製を示す。使用した記号は図
2に示した通りである。
図4は発現ベクターpDX/PC962およびPC229/962を示
す。
図5は、本発明の幾つかの態様に従って調製したプロ
テインCの凝固活性を示す。
図6は、S.セレビシュー(S.cerevisiae)KEX2遺伝子
を含むプラスミドの作製を示す。
図7は、プラスミドpZMB−1およびpZMB−2を示す。
使用した記号は図2に記載の通りであり、更にneo:ネオ
マイシン耐性遺伝子;SV40 term:SV40ターミネーター;SV
40 prom:SV40プロモーターを含む。
発明実施の最良形態 本発明を記載する前に、以後に使用する幾つかの用語
の定義を示すことがそれの理解に役立つであろう。
生物活性:生物学的環境中(即ち生体内またはそれの
試験管内複写物)の分子により行われる機能または一連
の機能。タンパク質の生物活性は触媒活性とエフェクタ
ー活性とに分類することができる。ビタミンK依存性血
漿タンパク質の触媒活性は、基質の活性化または不活性
化を引き起こす別の血漿タンパク質の特異的タンパク質
分解的開裂を含む。エフェクター活性は、カルシウム、
リン脂質もしくは他の小分子への、タンパク質のような
巨大分子への、または細胞への生物活性分子の特異的結
合を包含する。エフェクター活性は、生理的条件下では
しばしば触媒活性を増強するかまたは触媒活性に不可欠
である。
活性プロテインCについては、生物活性はその抗凝固
性とフィブリン溶解性により特徴づけられる。活性プロ
テインCは、酸性リン脂質とカルシウムの存在下で第V
a因子と第VIII a因子を不活性化する。プロテインSは
この機能の調節に関与すると思われる(Walker、前
掲)。活性化プロテインCは、プラスミノーゲン活性化
因子阻害剤のレベルの低下により媒介されると思われる
フィブリン溶解も増強する(Van Hinsberghら、Blood 6
5:444−451,1985)。活性プロテインCの触媒活性は重
鎖にある。プロテインCと実質的に同じ生物活性を有す
るタンパク質は、活性化されるまでこの活性を本質的に
持たないだろう。
活性プロテインC:上記に定義したような活性プロテイ
ンCの活性を有するタンパク質。該タンパク質は、触媒
としての重鎖と、カルシウム結合性gla領域を含むエフ
ェクターとしての軽鎖とを含むだろう。軽鎖は、生来の
ヒトプロテインCの149−152アミノ酸軽鎖であることが
でき、またはそのエフェクター活性を実質的に変えない
ようなアミノ酸置換、欠失もしくは付加を含むこともで
きる。プロテインCの重鎖は活性化ペプチドを含まな
い。
プレ−プロペプチド:幾つかのタンパク質のアミノ末
端に存在し、通常は分泌経路を通した輸送の間にタンパ
ク質から開裂されるアミノ酸配列。プレ−プロペプチド
は、疎水性アミノ酸のコアの存在により特徴付けられ
る、細胞の分泌経路中にタンパク質を差し向ける配列
(シグナルペプチド)を含んで成る。プレ−プロペプチ
ドはプロセシングシグナルを含んで成ることもできる。
本明細書で使用する時、「プレ−プロペプチド」なる用
語は、天然に存在するプレ−プロペプチドの機能的部分
を意味することもできる。
発現ベクター:特に、タンパク質の発現を促進するプロ
モーターおよび他の配列、例えば転写ターミネーターや
ポリアデニル化シグナルと一緒に、着目のタンパク質を
コードするDNA配列を含むDNA分子。発現ベクターは更
に、自己複製または宿主ゲノム中への組み込みのいずれ
かによる宿主細胞中での複製に備える遺伝情報も含む。
組換えDNAによく使われる発現ベクターの例はプラスミ
ドおよびある種のウイルスであるが、両方の要素を含ん
でもよい。発現ベクターは選択マーカーを含むこともで
きる。
培養哺乳動物細胞:哺乳動物から単離されており、試験
管内で増殖させることができる細胞。
DNA構成物:そうでなかったら天然には存在しないよう
に配置された配列を含む人間の介入を経て作製されたDN
A分子、またはそのような分子のクローン。
上述したように、プロテインCは最初は一本鎖ポリペ
プチドとして生産され、これが広範囲なプロセシングを
受けて活性プロテインCを生じる。このプロセシングに
は、軽鎖のアミノ末端領域中の特異的γ−カルボキシグ
ルタミン酸残基の形成、アスパラギン酸残基のβ−ヒド
ロキシル化およびタンパク質分解的開裂が含まれる。
同じく上述したように、ヒト活性プロテインCは155
アミノ酸残基から成る軽鎖を含むと思われる(Foster
ら、前掲;Bangら、前掲)。しかしながら、本発明者ら
は、ヒト血漿から精製した活性プロテインCの軽鎖が不
均一であり、149個から152個までのいずれかのアミノ酸
残基から成る活性種を含むことを知った。本発明者ら
は、培養哺乳動物細胞中にトランスフェクトすると、14
9〜152アミノ酸軽鎖を有する活性プロテインCを生じる
ように発現される一定の新規DNA分子を作製した。この1
49〜152アミノ酸軽鎖のカルボキシ末端残基は、グルタ
ミン酸、リジンまたはアルギニンである。
本発明は、タンパク質を発現させるために培養哺乳動
物細胞を使うことにより、γ−カルボキシル化されてお
りそしてヒト活性プロテインCの生物活性を有するタン
パク質を生産する方法を提供する。それらの方法は、活
性プロテインC前駆体のタンパク質分解的開裂を指令す
る新規開裂部位の利用に一部頼っている。それらの前駆
体は、アミノ酸配列プレ−プロ−L−X1−Hを有するこ
とができ、ここでプレ−プロはビタミンK依存性血漿タ
ンパク質のプレ−プロペプチドであり;Lは、図1に示さ
れるようなアミノ酸番号1のアラニンから、アミノ酸番
号149のグルタミン酸、アミノ酸番号150のリジン、アミ
ノ酸番号151のリジンまたはアミノ酸番号152のアルギニ
ンのいずれか1つのアミノ酸までの活性プロテインCの
軽鎖であり;X1は、リジンおよびアルギニンから成る群
から選択された3〜10個のアミノ酸残基の配列であり;
そしてHは活性プロテインCの重鎖である。ビタミンK
依存性血漿タンパク質は、γ−カルボキシル化されたグ
ルタミン酸残基を含む血漿タンパク質であって、それら
としては、第VII因子、第IX因子、第X因子、プロトロ
ンビン、プロテインCおよびプロテインSが挙げられ
る。或る好ましい態様では、Xは配列Lys−Lys−Argも
しくは配列Lys−Arg−Lys−Arg、または配列Lys−Lys−
Arg−Arg,Lys−Lys−Arg−Lys−Arg,Lys−Lys−Arg−Ar
g−Arg−Lys−Arg,Lys−Lys−Arg−Lys−Lys−Lys−Arg
−Arg−Lys−Arg,Lys−Lys−Arg−Lys−Lys−Lys−Lys
−Lys−Lys−ArgおよびLys−Lys−Arg−Arg−Arg−Arg
−Arg−Arg−Lys−Argのいずれか1つである。
活性プロテインC前駆体の第二グループは、アミノ酸
配列プレ−プロ−L−R1−R2−R3−X2−(R4
(R5−R6−R7−R8−Hを有し、ここでプレ−プロは
プロテインC、プロテインS、第VII因子、第IX因子、
第X因子およびプロトロンビンから成る群から選択され
たタンパク質のプレ−プロペプチドであり;Lは、アミノ
酸番号1のアラニンから、アミノ酸番号149のグルタミ
ン酸、アミノ酸番号150のリジン、アミノ酸番号151のリ
ジンまたはアミノ酸番号152のアルギニンのいずれか1
つのアミノ酸までの活性プロテインCの軽鎖であり;R1,
R2,R3,R4,R5,R6,R7およびR8は、リジンおよびアルギニ
ンから成る群から選択されたアミノ酸残基であり、;X2
はペプチド結合または1〜12アミノ酸のスペーサーペプ
チドであり;n,m=0,1,2または3;そしてHは活性プロテ
インCの重鎖である。
活性プロテインC前駆体の第四グループは、アミノ酸
配列プレ−プロ−L−R1−R2−R3−R4−X3−R5−R6−R7
−R8−Hを有し、ここでプレ−プロはプロテインC、プ
ロテインS、第VII因子、第IX因子、第X因子およびプ
ロトロンビンから成る群から選択されたタンパク質のプ
レ−プロペプチドであり:Lは、アミノ酸番号1のアラニ
ンから、アミノ酸番号149のグルタミン酸、アミノ酸番
号150のリジン、アミノ酸番号151のリジンまたはアミノ
酸番号152のアルギニンのいずれか1つのアミノ酸まで
の活性プロテインCの軽鎖であり;R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
7およびR8は、リジンおよびアルギニンから成る群から
選択されたアミノ酸残基であり;X3は4個の非酸性アミ
ノ酸残基の配列であり;そしてHは活性プロテインCの
重鎖である。非酸性アミノ酸の特に好ましい配列はAsn
−Ile−Leu−Asnである。
本発明は、プロテインCアミノ末端部分(gla領域)
が、第VII因子、第IX因子、第X因子、プロトロンビン
およびプロテインSから成る群から選択されたビタミン
K依存性血漿タンパク質のgla領域で置換されているヒ
ト活性プロテインC類似体のグループも提供する。ビタ
ミンK依存性血漿タンパク質のアミノ末端部分は、それ
ぞれのカルシウム結合活性の少なくとも一部の原因であ
る。この機能の相同性の結果として、それらの分子のgl
a領域は互いに置き換えることができ、生じたキメラタ
ンパク質は触媒領域に特異的な活性をなお保持している
ことが発見された。例えば、米国特許第4,789,950号に
記載されたように、第IX因子のアミノ末端gla領域をア
ミノ酸38のところで第VII因子に連結し、第VII因子の活
性を有するタンパク質を製造することができる。第VII
因子、第IX因子、第X因子、プロトロンビンおよびプロ
テインSは、プロテインCとのアミノ末端配列相同性を
共有する。この相同性領域はほぼ35〜45個のアミノ酸残
基に及び、C末端境界は一般にそれぞれの遺伝子中のエ
キソン−イントロン境界と一致する。ヒトプロテインC
のgla領域は、図1に示されるような成熟軽鎖のアミノ
酸番号1から約アミノ酸番号37までである。それらのタ
ンパク質のいずれかの遺伝子の5′コード領域を含んで
成るクローン化配列を、プロテインC遺伝子の対応する
配列と置き換えることができる。活性プロテインC類似
体は、アミノ酸番号149のグルタミン酸、アミノ酸番号1
50のリジン、アミノ酸番号151のリジンまたはアミノ酸
番号152のアルギニンのいずれか1つで終わる活性プロ
テインCのgla領域欠損軽鎖に作用可能に連結されたgla
領域を含むハイブリッド軽鎖から本質的に成る。ここ
で、前記ハイブリッド軽鎖は活性プロテインCの重鎖に
ジスルフィド結合している。それらの類似体は、プレ−
プロ−Gla−L−X−HをコードするDNA配列によりコー
ドされ、ここで、プレ−プロおよびGlaは、それぞれビ
タミンK依存性血漿タンパク質のプレ−プロペプチドお
よびgla領域であり;Lは、アミノ酸番号149のグルタミン
酸、アミノ酸番号150のリジン、アミノ酸番号151のリジ
ンまたはアミノ酸番号152のアルギニンのいずれか1つ
で終わる活性プロテインCのgla領域欠損軽鎖であり;X
は、リジンおよびアルギニンから成る群から選択された
3〜10個のアミノ酸の配列であり;そしてHは活性化プ
ロテインCの重鎖である。あるいは、Xは配列プレ−プ
ロ−L−R1−R2−R3−Ala−Asn−Ser−R4−R5−R6−R7
−Hを有し、ここで、プレ−プロはプロテインC、プロ
テインS、第VII因子、第IX因子、第X因子およびプロ
トロンビンから成る群から選択されたタンパク質のプレ
−プロペプチドであり:Lは、アミノ酸番号1のアラニン
から、アミノ酸番号149のグルタミン酸までの活性プロ
テインCの軽鎖であり;R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は、
リジンおよびアルギニンから成る群から選択されたアミ
ノ酸残基であり;そしてHは活性プロテインCの重鎖で
ある。別の態様では、それらの類似体はプレ−プロ−Gl
a−L−R1−R2−R3−X−(R4−R5−R6−R7−Hを
コードし、ここでプレ−プロはプロテインCのプレ−プ
ロペプチドであるか、またはプロテインS、第VII因
子、第IX因子、第X因子およびプロトロンビンから成る
群から選択されたタンパク質のプレ−プロペプチドによ
り完全にもしくは部分的に置き換えられ:Lは、アミノ酸
番号1のアラニンから、アミノ酸番号149のグルタミン
酸、アミノ酸番号150のリジン、アミノ酸番号151のリジ
ンまたはアミノ酸番号152のアルギニンのいずれか1つ
のアミノ酸までの活性プロテインCの軽鎖であり;Xは3
または4アミノ酸残基の配列であって、そのうちの少な
くとも2個または3個が非酸性アミノ酸残基であり;nは
0,1,2または3であり;R1〜R8はLysまたはArgであり;そ
してHは活性プロテインCの重鎖である。別の態様で
は、それらの類似体はプレ−プロ−Gla−L−R1−R2−R
3−R4−X−R5−R6−R7−R8−HをコードするDNA配列に
よりコードされ、ここでR1〜R7はLysまたはArgであり、
そしてXは4個の非酸性アミノ酸残基の配列、好ましく
はAsn−Ile−Leu−Asnである。活性プロテインC前駆体
のプレ−プロ配列とgla領域が同一タンパク質に由来す
るのが好ましい。
プロテインCをコードするクローン化DNA配列は記載
されている(FosterおよびDavie,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 81:4766−4770,1984;Fosterら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 82:4673−4677,1985;およびBangら、米国特許第
4,775,624号)。一般に、cDNA配列は介在配列を欠くた
め、本発明を実施するのに好ましい。プロテインCをコ
ードする相補的DNAは、標準的実験手順に従って肝細胞
から調製したライブラリーから得ることができる。しか
しながら、安定なDNA配列をゲノムクローンから得るこ
ともでき、または常法に従って新たに合成することもで
きることは理解されるだろう。合成ヌクレオチド配列を
製造する技術は当業界で公知である。例えば、一セット
の重複するオリゴヌクレオチドを合成し、二つ一組にし
てアリーリングせしめ、重複する接着末端を有する二本
鎖断片を得ることができる。次いでそれらの断片を必要
であれば連結せしめ、完全なコード配列を与える。ゲノ
ム配列を使う時には、イントロンを除去することが一般
に望ましい。もし部分的クローンが得られたら、エンド
ヌクレアーゼ開裂、連結およびループアウト突然変異誘
発といった技術を使って、それらを正しい読み枠におい
て連結して全長クローンを生成することが必要である。
上述したように、的確な翻訳後プロセシング(例えば
グルタミン酸残基のγカルボキシル化)および宿主細胞
からの分泌を獲得するために、コード配列は更にタンパ
ク質のアミノ末端にプレ−プロペプチドをコードするだ
ろう。プレ−プロペプチドはプロテインCのものである
か、または別のビタミンK依存性血漿タンパク質、例え
ば第VII因子、第IX因子、第X因子、プロトロンビンも
しくはプロテインSのプレ−プロペプチドにより全体的
にもしくは部分的に置き換えられてもよい。
次いで、クローン化DNA配列は、本発明の活性プロテ
インC前駆体をコードするように修飾される。修飾は部
位特異的突然変異誘発によって達成することができる。
部位特異的突然変異誘発の技術は当業界で公知であり、
そして例えばZollerおよびSmith(DNA :479−488、1
984)により記載されている。あるいは、プロテインC
配列を酵素的に開裂せしめて、生来の活性ペプチド配列
と隣接軽鎖アミノ酸を除去し、そして重鎖と生来の軽鎖
をコードする配列を開裂部位を含む合成リンカーペプチ
ドと結合せしめることができる。
活性化プロテインC前駆体をコードするDNA配列は適
当な発現ベクター中に挿入され、次いで培養哺乳動物細
胞をトランスフェクトせしめるのに使われる。本発明を
実施するのに使われる発現ベクターは、クローン化遺伝
子またはcDNAの転写を指令することができるプロモータ
ーを含むだろう。好ましいプロモーターはウイルス性プ
ロモーターと細胞性プロモーターの両方を包含する。こ
の点で有用であるウイルス性プロモーターとしては、SV
40プロモーター(Subramaniら、Mol.Cell.Biol.:854
−864,1981)およびCMVプロモーター(Boshartら、Cell
41:521−530,1985)が挙げられる。特に好ましいウイ
ルス性プロモーターは、アデノウイルス2由来の主要後
期プロモーター(KaufmanおよびSharp,Mol.Cell Biol.
:1304−1319,1982)である。細胞性プロモーターとし
ては、マウスκ遺伝子プロモーター(Bergmanら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 81:7041−7045,1983)およびマウス
VHプロモーター(Lohら、Cell 33:85−93,1983)が挙げ
られる。特に好ましい細胞性プロモーターはメタロチオ
ネインIプロモーター(Palmiterら、Science 222:809
−814,1983)である。発現ベクターは、プロモーターの
下流であって且つプロテインC配列の挿入部位より上流
にまたはプロテインC配列それ自体の内部に、一組のRN
Aスプライス部位を含むこともできる。好ましいRNAスプ
ライス部位は、アデノウイルスおよび/または免疫グロ
ブリン遺伝子から得ることができる。発現ベクター中に
一般に含まれるのは、挿入部位の下流に置かれる転写終
結およびポリアデニル化シグナルである。特に好ましい
ポリアデニル化シグナルとしては、SV40由来の初期また
は後期ポリアデニル化シグナル(KaufmanおよびSharp,
前掲)アデノウイルス5 E1b量異由来のポリアデニル化
シグナル、ヒト成長ホルモン遺伝子ターミネーター(De
Noteら、Nuc.Acids Res.:3719−3730,1981)およびプ
ロテインC遺伝子ポリアデニル化シグナルか挙げられ
る。発現ベクターは、プロモーターとRNAスプライス部
位との間に置かれる非コードウイルスリーダー配列、例
えばアデノウイルス2の3分節系リーダー、並びにエン
ハンサー配列、例えばSV40エンハンサーおよびアデノウ
イルスVA RNAをコードする配列が挙げられる。
クローン化DNA配列は、次いで例えばリン酸カルシウ
ム媒介トランスフェクション(Wiglerら、Cell 14:725
−732,1978;CorsaroおよびPearson,Somatic Cell Genet
icsy :603−616,1981;GrahamおよびVan der Eb,Viro
logy 52:456−467,1973)またはエレクトロポレーショ
ン(Neumannら、EMBO J.:841−845,1982)により、培
養哺乳類細胞に導入される。DNAを組み込んだ細胞を同
定するために、通常、選択可能な表現型を付与する遺伝
子(選択マーカー)が着目の遺伝子またはcDNAと一緒に
細胞に導入される。好ましい選択マーカーとしては、ネ
オマイシン、ヒグロマイシンおよびメトトレキセートと
いった薬剤に対する耐性を付与する遺伝子が挙げられ
る。選択マーカーは増幅可能な選択マーカーであっても
よい。好ましい増幅可能な選択マーカーはDHFR遺伝子で
ある。内因性DHFR遺伝子を有する細胞(例えば293細
胞)を使った時、Wallら(Gene 81:139−149,1989)の
選択方法を用いて形質転換体を選択し、クローン化配列
を増幅せしめることができる。選択マーカーはThilly
(Mammalian Cell Technology,Butterworth Publisher
s,Stoneham,MA)により概説されており、選択マーカー
の選択は当業者の技術水準の十分範囲内である。
選択マーカーは、別々のプラスミド上において着目の
遺伝子と同時に導入することができ、またはそれらを同
一プラスミド上において導入することもできる。同一プ
ラスミド上の場合、選択マーカーと着目の遺伝子は異な
るプロモーターの支配下にあっても同一プロモーターの
支配下にあってもよい。後者の配置は2シストロンメッ
セージを生じる。このタイプの構成物は当業界で既知で
ある(例えば、LevinsonおよびSimonsen,米国特許第4,7
13,339号並びに米国特許出願第07/226,173号)。細胞に
導入される混合物に「キャリヤーDNA」として知られる
追加のDNAを加えることも有利である。
細胞がDNAを取り込んだ後、それらを培養して活性プ
ロテインCを生産せしめる。細胞は、標準法に従って、
哺乳動物細胞の増殖に必要な栄養素を含む増殖培地中で
培養される。様々な適当な培地が当業界で知られてお
り、一般に炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミン、
ミネラルおよび増殖因子を含有する。活性プロテインC
の生産のためには、培地は通常約0.1μg/ml、約5μg/m
lの濃度のビタミンKを含むだろう。次いで薬剤選択を
適用して、安定な様式で選択マーカーを発現している細
胞の増殖について選択を行う。増幅可能な選択マーカー
によりトランスフェクトされている細胞に対しては、薬
剤濃度を増加させてクローン化配列のコピー数の増加に
ついて選択し、それによって発現レベルを増加させるこ
とができる。次いで安定にトランスフェクトされた細胞
のクローンを、活性プロテインCの発現についてスクリ
ーニングする。
本発明において使用される好ましい培養哺乳動物細胞
としては、COS−1(ATCC CRL 1650)、BHAおよび293
(ATCC CRL 1573;Grahamら、J.Gen.Virol.36:59−72,19
77)細胞系が挙げられる。好ましいBHK細胞系はtk-ts13
BHK細胞系(WaechterおよびBaserga,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 79:1106−1110,1982)であり、これはメリーラ
ンド州ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・
コレクション(ATCC)に寄託されている。tk-BHK細胞系
は受託番号CRL 1632のもとにATCCから入手することもで
きる。更に、多数の他の細胞系を本発明において利用す
ることができ、そのようなものとしてRat Hep I(ATCC
CRL 1600)、Rat Hep II(ATCC CRL 1548)、TCMK(ATC
C CCL 139)、ヒト肺(ATCC CCL 75.1)、ヒト肺癌(AT
CC HTB−52)、Hep G2(ATCC HB 8065)、NCTC 1469(A
TCC CCL 9.1)、CHO(ATCC CCL 61)およびDUKX細胞(U
rlaubおよびChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216−
4220,1980)が挙げられる。
本発明の活性プロテインC前駆体は、宿主細胞の分泌
経路中でタンパク質分解的開裂およびリンカーペプチド
の除去により活性化される。生来の活性化ペプチドと軽
鎖のC末端の3〜6個のアミノ酸を欠くタンパク質であ
っても、遺伝子操作された宿主細胞により適切にプロセ
シングされて活性プロテインCの分泌を引き起こすこと
がわかった。
活性プロテインC前駆体から二本鎖形態へのプロセシ
ングは、宿主細胞を改変することにより増強することが
できる。2以上の塩基性アミノ酸(即ち、リジンとアル
ギニン残基)の配列の後ろでの開裂によるプロセシング
は、宿主細胞へのサッカロミセス・セレビシェー(Sacc
haromyces cerevisiae)KEX2遺伝子の導入によって増強
することができる。KEX2遺伝子は、二塩基性アミノ酸配
列の後ろで切断するエンドペプチダーゼをコードする
(Fullerら、Microbiology,1986,Leive編,273−278,198
6)。
本発明に従って生産されるヒト活性プロテインCは、
培地を収得することによって宿主細胞から単離される。
単離されたタンパク質は、タンパク質化学の常用技術を
使って、例えばプロテインC抗体カラム上でのアフィニ
ティークロマトグラフィーにより、精製することができ
る。Wakabayashiら(J.Biol.Chem. 261:11097−11108,
1986)により記載されたようなカルシウム依存性モノク
ローナル抗体の利用が特に好ましい。常用の化学的精製
手段、例えば高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)に
より、カラム溶出液の更なる精製を行うこともできる。
本発明の活性プロテインCは、通常は生理学的に許容
される担体または希釈剤と共に、局所または静脈内投与
用の医薬組成物において使用することができる。好まし
い担体および希釈剤としては、水、緩衝化された水、0.
4%食塩溶液、0.3%グリシン等が挙げられる。医薬組成
物は安定剤や補助剤を含んでもよい。それらの組成物は
常用の公知の滅菌技術により滅菌してもよい。得られた
水溶液は使用のため包装するか、または無菌条件下で濾
過して凍結乾燥することができる。凍結乾燥製剤は使用
前に無菌の水溶液と混合すればよい。該組成物は、適当
な生理的条件に必要な場合、医薬上許容される補助物
質、例えばpH調節剤、緩衝剤、張度(浸透圧)調節剤
等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等を更に含むこ
とができる。それらの組成物中のプロテインCの濃度は
広範囲で異なることができ、即ち約0.5重量%ほどの低
濃度から、15または20重量%ほどの高濃度までに及び、
これは選ばれた特定の投与形式に従って、主に液量、粘
度等により選択されるだろう。
静注入用の典型的医薬組成物は、250mlの無菌リンガ
ー溶液と10mgのプロテインCを含有するように作製する
ことができる。非経口投与可能な化合物を調製するため
の実際の方法は、当業者にとって既知であるかまたは例
えばRemington's Pharmaceutical Sciences,第16版,Mac
k Publishing Company,Easton,PA(1982)(これは参
考として本明細書に組み込まれる)により詳細に記載さ
れている。
プロテインCを含有する医薬組成物は予防的および/
または治療的処置のために投与することができる。治療
的適用では、組成物は病気とその合併症を治癒するかま
たは少なくとも部分的に緩和するのに十分な量で投与さ
れる。この用途に有効な量は病気または負傷の重さおよ
び患者の一般状態に依存するであろうが、通常は1日あ
たりプロテインC約1mg〜約300mgの範囲である。1日あ
たりプロテインC約5mg〜約25mgの用量がより普通に使
われるであろう。本発明の物質は一般に重い病気または
負傷状態、即ち生命にかかわる状態または潜在的に生命
にかかわる状態において使うことができることを念頭に
置かなければならない。そのような場合、実質的過剰の
それらのプロテインC組成物を投与することが可能であ
り、治療する医師によって望ましいと感じられることも
ある。
予防的適用では、ハイブリッドプロテインCを含む組
成物は、患者自身の抗凝血能力またはフィブリン溶解能
力を増強するために、負傷もしくは病気状態にかかりや
すいかまたはその危険がある患者に投与される。この用
途では、正確な量は患者の健康状態および内在性プロテ
インCの通常レベルに依存するが、通常は体重70kgあた
り約0.5mg〜約250mg、特に体重70kgあたり約1mg〜約25m
gの範囲である。
次の実施例は例示の目的で与えられ、限定目的ではな
い。
実施例 制限エンドヌクレアーゼおよびその他のDNA修飾酵素
(例えばT4ポリヌクレオチドキナーゼ、子ウシアルカリ
ホスファターゼ、DNAポリメラーゼI〔クレノウ断
片〕、T4ポリヌクレオチドリガーゼ)はBethesda Resea
rch Laboratories(BRL)とNew England Biolabsから入
手し、そして特記しない限り製造業者により指示される
通りに使用した。
オリゴヌクレオチドは、Applied Biosystems Model 3
80A DNA合成装置上で合成し、変性ゲル上でのポリアク
リルアミドゲル電気泳動によって精製した。大腸菌(E.
coli)細胞はManiatisら(Molecular Cloning:A Labora
tory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1982)に
より記載された通りに形質転換せしめた。M13およびpUC
クローニングベクター並びに宿主株はBRLから入手し
た。
実施例1−ヒトプロテインCをコードするDNA配列のク
ローニング FosterおよびDavie(前掲)により記載されたように
してヒトプロテインCの一部分をコードするcDNAを調製
した。簡単に言えば、常法によりヒト肝臓mRNAからλgt
11 cDNAライブラリーを作製した。ヒトプロテインCに
対する125I−標識アフィニティー精製抗体を使ってクロ
ーンをスクリーニングし、プレートリゼート法(Maniat
isら、前掲)により陽性クローンからファージを調製
し、そして塩化セシウム勾配によってバンド沈降せしめ
た。Eco R Iを使ってcDNA挿入断片を取り出し、プラス
ミドpUC9(vieiraおよびMessing,Gene 19:259−268,19
82)中にサブクローニングした。制限断片をファージベ
クターM13mp10とΜ13mp11(Messing,Meth.in Enzymolog
y 101:20−77,1983)中にサクブローニングし、ジデオ
キシ法(Sangerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463
−5467,1977)により配列決定した。ヒトプロテインC
の既知部分配列(Kisielら,前掲,1979)と一致するDNA
を含み、そして軽鎖のアミノ酸64で始まり重鎖を経て
3′非コード領域に及ぶプロテインCをコードするクロ
ーンを選択した。このクローンをλHC1375と命名した。
アミノ酸24からプロテインCをコードする第二のcDNAク
ローンも同定した。大きい方のクローンからの挿入断片
をpUC9中にサブクローニングし、得られたプラスミドを
pHCk6Lと命名した。このクローンは、重鎖コード領域、
終結コドンおよび3′非コード領域を含むプロテインC
の主要部分をコードする。
λHC1375からのcDNA挿入断片をα−32P dNTPsを使っ
てニックトランスレーションせしめ、該断片を用いて、
Woo(Meth.Enzymol.68:381−395,1979)により変更され
たBentonおよびDabisのプラークハイブリダイゼーショ
ン法(Science 196:181−182,1977)を使ってファージ
λCharon 4A(Maniatisら、Cell 15:687−702,1978)
中のヒトゲノムライブラリーを探査した。陽性クローン
を単離し、プラーク精製した(Fosterら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 82:4673−4677,1985、これは参考として本
明細書に組み込まれる)。陽性クローンから調製したフ
ァージDNA(Silhavyら、Experiments with Gene Fusio
n,Cold Spring Harbor Laboratory,1984中)をEco R I
またはBgl IIで消化し、ゲノム挿入断片を精製し、pUC9
中にサブクローニングした。このゲノム挿入断片の制限
断片をM13ベクター中にサブクローニングし、そして配
列決定してそれらの同一性を確かめ、遺伝子全体のDNA
配列を確立した。
pHCλ6LのcDNA挿入断片をニックトランスレーション
せしめ、該断片を用いてファージλCharon 4Aライブラ
リーを探査した。該cDNAの5′末端と3′末端から作っ
たプローブにハイブリダイズする1つのゲノムクローン
が同定された。このファージクローンをEco R Iで消化
し、プロテインC遺伝子の5′末端に相当する4.4kb断
片をpUC9中にサブクローニングした。得られた組換えプ
ラスミドをpHCR4.4と命名した。完全DNA配列分析は、pH
CR4.4中に挿入断片が1263塩基対(bp)のイントロンに
より隔てられた70bpと167bpの2つのエクソンを含んで
成ることを明らかにした。第一のエクソンはアミノ酸−
42〜−19をコードし;第二のエクソンはアミノ酸−19〜
−37をコードする。配列分析によって完全なプロテイン
C遺伝子のDNA配列が確証された。
プロテインCのプレ−プロペプチドのアミノ酸−42〜
−19に相当するエクソンを含むゲノム断片を単離し、ニ
ックトランスレーションし、そしてHep G2細胞からのmR
NAを使ってGublerおよびHoffmanの技術(Gene 25:263
−269,1983)により作製したcDNAライブラリーをスクリ
ーニングするのに使った。この細胞系はヒト肝細胞に由
来し、プロテインCを合成することが以前に示されてい
る(FairおよびBahnak,Blood 64:194−204,1984)。フ
ァージλgt11のEco R I部位に挿入されたcDNAを含んで
成る10個の陽性クローンが同定された。これをプロテイ
ンC遺伝子の5′非コード領域に相当するオリゴヌクレ
オチドプローブを使ってスクリーニングした。1つのク
ローンがこのプローブで陽性であったので、その全ヌク
レオチド配列を決定した。該cDNAは70bpの5′非翻訳配
列、ヒトプレ−プロプロテインCの全コード配列、およ
び2番目のポリアデニル化部位に相当する全3′非コー
ド領域を含んだ(図1)。
実施例2−プロテインCの発現 A.ベクターpDXの作製 ベクターpDXは、図2および3に記載のようにしてpDH
FR III(BerknerおよびSparp,Nuc.Acids Res.13:841−8
57,1985)から誘導した。
10μgのプラスミドを100μlの制限緩衝液A(10mM
Tris pH8,10mM MgCl2,6mM NaCl,7mMβ−MSH)中で37℃
にて10分間5単位のPst Iで消化することにより、pDHFR
III中のDHFR配列のすぐ上流のPst I部位をBcl I部位に
変換した。DNAをフェノール抽出し、エタノール沈澱せ
しめ、そして10mM dCTPと16単位のT4 DNAポリメラーゼ
を含む40μlのポリメラーゼ緩衝液(50mM Tris pH8,7m
M MgCl2,7mMβ−MSH)中に再懸濁し、12℃で60分間イン
キュベートした。エタノール(EtOH)沈澱後、該DNA
を、400単位のT4ポリヌクレオチドリガーゼを含む14μ
lのリガーゼ緩衝液(10mM Tris pH8,10mM MgCl2,1mM D
TT,1.4mM ATP)中で2.5μgのリン酸化されたBcl Iリン
カーに12℃で12時間連結せしめた。フェノール抽出とエ
タノール沈澱後、DNAを120μlの制限緩衝液B(75mM K
Cl,6mM Tris,pH7.5,10mM MgCl2,1mM DTT)に再懸濁し、
80単位のBcl Iで50℃にて60分間消化し、次いでアガロ
ース上で電気泳動した。III型プラスミドDNA(10μg)
をゲルから単離し、50単位のT4ポリヌクレオチドリガー
ゼを含む緩衝液C10μl中で120℃にて2時間連結せし
め、これを用いて大腸菌HB101を形質転換せしめた。迅
速DNA調製分析により陽性コロニーを同定し、陽性コロ
ニーから調製したプラスミドDNA(pDHFR′と命名)を用
いてdam-大腸菌を形質転換せしめた。
次いでpDHFR′(15μg)とpSV40(pML−1のBam H I
部位中にクローニングされたBam H I消化SV40 DNAを含
む)(25μg)を100μlの制限緩衝液B中で25単位のB
cl Iで50℃にて60分間消化した後、50単位のBam H Iを
添加し、37℃で60分間更にインキュベートすることによ
り、プラスミドpD2′を作製した。DNA断片をアガロース
ゲル電気泳動により回収し、4.9kbのpDHFR′断片と0.2k
bのSV40断片を単離した。それらの断片(pDHFR′DNA200
ng,SV40 DNA100ng)を、100単位のT4ポリヌクレオチド
リガーゼを含む10μlのリガーゼ緩衝液中で120℃にて
4時間インキュベートし、得られた構成物(pD2′)を
用いて大腸菌RR1を形質転換せしめた。
pBR322領域中の「毒物」配列(LuskyおよびBotchan,N
ature 293:79−81,1981)を削除することによりプラス
ミドpD2′を変形した。pD2′(6.6μg)とpML−1(Lu
skyおよびBotchan,前掲)(4μg)を各々10単位のEco
R IとNru Iと共に50μlの制限緩衝液A中で37℃にて
2時間インキュベートし、次いでアガロースゲル電気泳
動した。1.7kbのpD2′断片と1.8kbのpML−1断片を単離
し、100単位のT4ポリヌクレオチドリガーゼを含む20μ
lのリカーゼ緩衝液中で12℃にて2時間一緒に連結せし
め(各50ng)、連結生成物を用いて大腸菌HB101を形質
転換せしめた。所望の構成物(pD2と命名)を含むコロ
ニーを迅速調製分析により同定した。次いで10μgのpD
2を50μlの制限緩衝液A中で各20単位のEco R IとBgl
IIにより37℃にて2時間消化した。DNAをアガロース上
で電気泳動し、pML−1、3′スプライス部位およびポ
リ(A)配列を含む所望の2.8kb断片を単離した。
プラスミドpDHFR IIIを変形し、Sac II(Sst II)部
位をHind III部位またはKpn II部位のいずれかに変換し
た。まず、10μgのpDHFR IIIを20単位のSst IIで37℃
にて2時間消化した後、フェノール抽出し、エタノール
沈澱せしめた。再懸濁したDNAを、10mM dCTPと16単位の
T4 DNAポリメラーゼを含むポリメラーゼ緩衝液100μl
中で12℃にて60分間インキュベートし、フェノール抽出
し、透析し、そしてエタノール沈澱せしめた。DNA(5
μg)を、400単位のT4リガーゼを含む20μlの緩衝液
C中で、50ngのリン酸化されたHind IIIまたはKpn Iリ
ンカーと12℃にて10時間連結せしめ、フェノール抽出
し、そしてエタノール沈澱せしめた。得られたプラスミ
ドを50μlの制限緩衝液A中に再懸濁した後、適宜50単
位のHind IIIまたはKpn Iで消化し、アガロース上で電
気泳動した。ゲルから単離したDNA(250μg)を、400
単位のT4 DNAリガーゼを含む30μlのリガーゼ緩衝液中
で連結せしめ、この連結生成物を用いて大腸菌RR1を形
質転換した。得られたプラスミドをpDHFR III(Hind II
I)およびpDHFR III(Kpn I)と命名した。次いでBgl I
IとKpn Iでの消化後アガロースゲル電気泳動によりpDHF
R III(Kpn I)から700bpのKpn I−Bgl II断片を精製し
た。
pDHFR III(Hind III)中にSV40エンハンサーを挿入
した。50μgのSV40 DNAを120μlの制限緩衝液A中で5
0単位のHind IIIと共に37℃で2時間インキュベート
し、Hind III SV40断片(5089−968bp)をゲル精製し
た。プラスミドpDHFR III(Hind III)(10μg)を250
ngの子ウシ腸ホスファターゼにより37℃にて1時間処理
し、フェノール抽出し、エタノール沈澱せしめた。この
直鎖状プラスミド(50g)を、200単位のT4ポリヌクレオ
チドリガーゼを使って16μlのリガーゼ緩衝液中で12℃
にて3時間250ngのSV40−Hind III断片と連結せしめ、
この連結生成物を用いて大腸菌HB101を形質転換せしめ
た。このプラスミドから700塩基対のEco R I−Kpn I断
片を単離した。
次いでプラスミドpD3を作製した。700bpのKpn I−Bgl
II断片と700bpのEco R I−Kpn I断片(各50ng)を、20
0単位のT4ポリヌクレオチドリガーゼを使って12℃で4
時間、2.8kbのpML−1、3′スプライス部位およびポリ
(A)配列断片10ngと連結せしめ、次いでこの連結生成
物を用いて大腸菌RR1を形質転換せしめた。迅速調製分
析により陽性コロニーを検出し、pD3(図2)の大量生
産を行った。
同様にしてベクターpD3′を作製した。ただし、SV40
ポリアデニル化シグナル(即ち、SV40 Bam H I[2533b
p]〜Bcl I[2770bp]断片)を後ろ向きに挿入した。即
ち、pD3′は遺伝子挿入部位としてBam H I部位を含む
(図3)。
次いで図3に示されるようにpD3とpD3′からベクター
pDXを作製した。Eco R I開裂、S1ヌクレアーゼとのイン
キュベーション、次いでBcl Iリンカーとの連結によ
り、pD3′中のEco R I部位をBcl I部位に変換した。陽
性と同定されたコロニーからDNAを調製し、変更された
制限部位を含む1.9kbのXho I−Pst I断片をアガロース
ゲル電気泳動により単離した。第二の変更として、発現
ベクター中に遺伝子を挿入するためとユニークEco R I
部位を作るために、Bcl Iで消化したpD3を、リン酸化さ
れたEco R I−Bcl Iアダプター(オリゴヌクレオチドZC
525:5′GGA ATT CT 3′;およびZC526:5′GAT CAG AAT
TCC 3′から作製)と連結せしめた。陽性コロニーを制
限エンドヌクレアーゼ分析により同定し、このコロニー
からのDNAを使って、変更制限部位を含む2.3kbのXho I
−Pst I断片を単離した。上記の2断片を一緒にT4 DNA
リガーゼと共にインキュベートし、大腸菌HB101中に形
質転換せしめ、制限分析によって陽性のコロニーを同定
した。プラスミドDNAを単離し、pDXと命名した(図
3)。このプラスミドは、外来遺伝子の挿入のためのユ
ニークEco R I部位を含む。
B.cDNA発現 プロテインC cDNAをEco R I断片としてpDX中に挿入し
た。制限分析により組換えプラスミドをスクリーニング
し、プロモーター要素に関して正しい方向でプロテイン
C挿入断片を有するものを同定し、正しいクローンから
プラスミドDNA(pDX/PCと命名)を調製した。
pDX/PC中のcDNA挿入断片は5′非コード領域中にATG
コドンを含むので(図1参照)、トランスフェクション
と発現実験の前に該cDNAにおいて欠失変異誘発を行っ
た。オリゴヌクレオチド指令突然変異誘発の標準手順に
従って3塩基対の欠失を行った。変異cDNAを含むpDX型
ベクターをp594と命名した。
プラスミドp594を用いて、リン酸カルシウム沈澱法に
よりCOS−1(ATCC CRL 1650)、tk-ts13 BHKおよび293
細胞をトランスフェクトせしめた。4時間後、新鮮な培
地(5μg/mlのビタミンKが補足されている)を添加し
た。適当な時間(通常は48または72時間目)に、培地を
収得し、細胞を回収して細胞溶解せしめた。
cDNAクローンの最初の同定に使ったものと同じアフィ
ニティー精製ポリクローナル抗体、および/またはプロ
テインCの重鎖に対して向けられたモノクローナル抗体
を使って、エンザイムリンクドイムノソルベントアッセ
イ(ELISA)により、培地中に分泌されたプロテインC
をアッセイした。ヒトプロテインCに対するアフィニテ
ィー精製抗体(0.1M Na2CO3,pH9.6中100μg/ml)を96ウ
エルミクロタイタープレートの各ウエルに添加し、該プ
レートを4℃で一晩インキュベートした。0.05%Tween
−20を含むPBS(5mMリン酸緩衝液,pH7.5,0.15M NaCl)
でウエルを3回洗浄して未結合抗体を除去した後、PBS
中の1%ウシ血清アルブミン,0.05%Tween 20 100μl
と共に4℃で一晩インキュベートした。プレートをPBS
で数回すすぎ、風乾し、4℃で保存した。試料をアッセ
イするためには、上記のコーティングされたウエル中で
各試料100μlを37℃にて1時間インキュベートし、ウ
エルをPBS中0.05%Tween−20ですすいだ。次いで該プレ
ートを、1%ウシ血清アルブミンと0.05%Tween−20を
含むPBS中で、プロテインCに対するビオチン接合ヒツ
ジポリクローナル抗体(30ng/ml)と共に37℃にて1時
間インキュベートした。次いでウエルをPBSで洗浄した
後、1%ウシ血清アルブミンと0.05%Tween−20を含むP
BS中のアビジン接合アルカリホスファターゼと共に37℃
で1時間インキュベートした。ウエルをPBSですすぎ、1
00μlのホスファターゼ基質(Sigma104;0.3mM MgCl2
含む10%ジエタノールアミンpH9.8中600μg/ml)の添加
により、アルカリホスファターゼ活性を測定した。ミク
ロタイタープレートリーダー上で405nmでの吸光度を読
んだ。COS−1および293細胞のアッセイ結果を表1に与
える。
組換えタンパク質のγ−カルボキシル化の程度を評価
するために、培地の試料をクエン酸バリウム沈澱にかけ
た。このクエン酸バリウム沈澱は、血漿からγ−カルボ
キシル化タンパク質のみを選択的に沈澱させる方法であ
る(Bajajら、J.Biol.Chem.256:253−259,1981)。プロ
テインC抗原性物質の70%以上のクエン酸バリウムで沈
澱させることができた。
血液凝固を延長する能力を測定することにより抗凝固
活性について組換えプロテインCをアッセイした。透析
した培地試料をProtac C(American Diagnostica)で処
理し、プロテインCを活性化した。活性化された試料を
試験管内凝固アッセイ(Sugoら、J.Biol.Chem.260:1045
3,1985)にかけた。簡単に言えば、正常貯留ヒト血漿、
ウサギ脳セファリン(TBS[50mM Tris pH7.5,150mM NaC
l]中10mg/ml)およびカオリン懸濁液(TBS中5mg/ml)
各50μlを、シリコン処理したガラス管中で混合した。
37℃で2分間プレインキュベートした後、TBS中に希釈
した活性プロテインC試料100μlを添加し、37℃で更
に2分間インキュベーションを続けた。次いで50μlの
25mM CaCl2の添加によって凝固を開始し、凝固時間を記
録した。組換え物質の活性は、血漿プロテインCのもの
と本質的に同じであることが示された。
トランスフェクトされたtk-ts13 BHKおよび293細胞に
より生産されたプロテインCをウエスタンブロッティン
グにより更に分析した。培地試料を変性ゲル上で電気泳
動し、ブロットを作製し、プロテインCに対する放射能
標識抗体で探査した。結果は、BHK細胞からのプロテイ
ンCの約20%が二本鎖形態であり、一方293細胞からの
プロテインCの約90%が二本鎖形態にプロセシングされ
ることを示した。 表1 COS−1および293細胞中での プロテインCの一時的発現と分泌 細胞 プラスミド 培地中のプロテインC ng/ml COS−1 なし 0 COS−1 p594 10 293 なし 0 293 p594 50 実施例3−プロテインCプロセシング部位の変更 A.部位特異的突然変異誘発 一本鎖プロテインCから二本鎖形態へのプロセシング
を増加させるために、2つの追加のアルギニン残基を該
タンパク質に導入し、4つの塩基性アミノ酸から成る開
裂部位を生ぜしめた。PC962と命名された得られたプロ
テインC変異前駆体は、軽鎖と重鎖の間の開裂部位に配
列Ser−His−Leu−Arg−Arg−Lys−Arg−Aspを含む(表
2;野生型(594)プロテインCをコードする配列に追加
されたアミノ酸は太字で示され、アミノ酸間の空白は単
に軽鎖と重鎖配列を整列させるために使った)。Arg−A
sp結合におけるプロセシングが二本鎖プロテインC分子
をもたらす。
変異原性オリゴヌクレオチドZC962(5′AGT CAC CTG
AGA AGA AAA CGA GAC A3′)とオリゴヌクレオチドZC5
50(5′TCC CAG TCA CGA CGT 3′)を使った部位特異
的突然変異誘発(本質的にはZollerおよびSmith,DNA 3:
479−488,1984により記載されている)によってクロー
ン化cDNAを変更することにより、変異体分子を作製し
た。プラスミドp594をSst Iで消化し、約870bpの断片を
M13mp11中にクローニングし、一本鎖鋳型DNAを単離し
た。突然変異誘発後、正しいクローンを配列決定により
同定した。複製可能型DNAを単離し、Sst Iで消化し、そ
して変異断片を回収した。この変異断片を2部分連結に
おいてSst I切断p594と連結せしめた。所望の方向で挿
入されたSst I断片を有するクローンを制限酵素マッピ
ングにより同定した。得られた発現ベクターをpDX/PC96
2と命名した(図4)。
B.プロテインCの発現および特徴づけ プラスミドpDX/PC962をpSV2−DHFR(Subramaniら、Mo
l.Cell Biol.:854−864,1981)と共にリン酸カルボキ
シル沈澱法(本質的にはGrahamおよびvan der Eb,前掲
により記載されている)によりtk-ts BHK細胞中に同時
トランスフェクトせしめた。トランスフェクトされた細
胞を、10%ウシ胎児血清、1×PSN抗生物質混合物(Gib
co 600−5640)、2.0mM L−グルタミン酸およびビタミ
ンK(5μg/ml)を含むダルベッコ改良イーグル培地
(DMEM)中で増殖させた。250nMのメトトレキセート(M
TX)中で14日間細胞を選別し、得られたコロニーをイム
ノフィルターアッセイ(McCrackenおよびBrown.BioTech
niques,82−87,3月/4月,1984)によりスクリーニングし
た。プレートをPBSまたは無血清培地(DMEM+1×PSN抗
生物質混合物、5μg/mlのビタミンK)で洗浄した。該
細胞の上にテフロンTMメッシュ(Spectrum Medical Ind
us−tries,Los Angeles,CA)を載せた。ニトロセルロー
スフィルターを適宜PBSまたは無血清培地で湿らせ、前
記メッシュの上に載せた。37℃で4時間のインキュベー
ション後、フィルターを取り出してフィルター緩衝液
(50mM Tris,pH7.4,5mM EDTA,0.05%NP−40,150mM NaC
l,0.25%ゼラチン)中に室温で30分間浸した。振盪しな
がら、フィルターをビオチン標識ヒツジ抗プロテインC
ポリクローナル抗体(フィルター緩衝液中1μg/ml)中
で室温で1時間インキュベートした。次いで同緩衝液で
フィルターを洗浄した後、アビジン接合西洋ワサビペル
オキシダーゼ(Boehringer−Mannheim)(フィルター緩
衝液中に1:1000希釈したもの)中で振盪しながら室温で
1時間インキュベートした。フィルターを50mM Tris−H
Cl,pH7.4,5mM EDTA,1M NaCl,0.25%ゼラチン,0.5%サル
コシル,0.05%NP−40中で、次にH2O中で洗浄した。洗浄
したフィルターを発色試薬(50mM Tris,pH7.4,150mM Na
Cl中HRP発色試薬[Bio−Rad]60mg、メタノール20ml、H
2O2100μl)中でインキュベートした。フィルターをH2
Oに移すことにより反応を停止させた。最も強く反応す
るコロニー6つをシリンダークローニングにより取り、
10cmプレート中で個々に増殖させた。培養物がほぼ周密
になった時、プロテインC生産レベルをELISAにより測
定した。結果を表3に示す。
クローンBHK/962−1を大量培養において増殖させ、
そしてCNBr−活性化セファロース4B4(Pharmacia Inc.,
Piscataway,NJ)2gにヒトプロテインCに対するポリク
ローナルヒツジ抗体7mgを結合することにより調製した
カラム上でのアフィニティークロマトグラフィーによっ
て、数百ミクログラムのプロテインCを精製した。細胞
培養培地をカラムに適用し、カラムを100mlのTBSで洗浄
した。3M KSCNを含むTBSまたはpH11.5緩衝液(25mMリン
酸カリウム,pH11.5,0.2M NaCl,2%Tween−80,0.5%Na
N3)を使ってプロテインCを溶出せしめた。ウエスタン
ブロット分析は、生来の配列によりトランスフェクトさ
せたtk-ts13 BHK細胞から得られたプロテインCの約20
%が二本鎖形態であったのに比べて、変異型プロテイン
Cの約95%が二本鎖形態であったことを証明した。
BHKにより生産されたPC962タンパク質を、アミド分解
活性と抗凝固活性の両方を示す形態に活性化され得る能
力についてアッセイした。アフィニティー精製したタン
パク質試料をTBSに対して徹底的に透析し、次いで0.1容
の1単位/mlのProtac c(American Diagnostica)と共
に37℃で1時間インキュベートすることにより活性化し
た。この活性化混合物のアリコートをミクロタイターウ
エル中の1mMプロテインC基質(Spectrozyme PCa,Ameri
can Diagnostica)100μに添加し、ミクロタイタープ
レートリーダーを使ってA405の経時変化を測定すること
により、アミド分解活性を測定した。活性プロテインC
の抗凝固活性はSugoら(前掲)により記載された通りに
アッセイした。アフィニティー精製PC962タンパク質
は、アミド分解活性と抗凝固活性の両方において完全に
活性であると証明された。pH11.5緩衝液を用いた抗体カ
ラムからの溶出は、3M KSCN溶出を使って得られたもの
よりも高い活性を有するタンパク質を与えることがわか
った。
プロテインCのカルシウム誘発高次構造に特異的なモ
ノクローナル抗体カラムを使って、PC962変異タンパク
質を発現する安定なtk-ts13 BHK細胞クローンまたは野
生型プロテインCを発現する安定な293細胞クローン(p
594トランスフェクト細胞)からミリグラム量のプロテ
インCを精製した。細胞培養培地を5mM CaCl2の存在下
でカラムに適用し、10mM EDTAを含むTBSを用いてプロテ
インCをカラムから溶出せしめた。この精製方法の使用
によって、変性条件に暴露することなく完全に活性なプ
ロテインCの精製が可能であった。精製したプロテイン
CをSDS/PAGE次いで銀染色により分析すると、>95%純
粋であることが示された。
PC962 cDNAをプラスミドZem229に挿入することによ
り、PC229/962と称する第二のプラスミドを作製した。Z
em229は、マウスメタロチオネイン−IプロモーターとS
V40転写ターミネーターとの間に外来DNAの挿入のための
ユニークBam H I部位を含むpUC18由来の発現ベクターで
ある。Zem229は、SV40初期プロモーター、マウスジヒド
ロ葉酸レダクターゼ遺伝子およびSV40ターミネーターを
含んで成る発現単位も含む。pDX/PC962由来のPC962 cDN
Aを含むEco R I断片を、Eco R I−Bam H Iオリゴヌクレ
オチドアダプターを使って、Bam H Iで切断されホスフ
ァターゼ処理されているZem229に連結せしめた。得られ
たベクターはPC229/962であり、図4に示す。
プラスミドPC229/962を用いてリン酸カルシウム法に
よりtk-ts13 BHK細胞をトランスフェクトせしめた。該
細胞を5%ウシ胎児血清を5μg/mlのビタミンKを含む
DMEM中で培養した。このトランスフェションからの48時
間の一時的発現レベルは約25ng/mlであった。2日後、
トランスフェクト細胞を1μM MTXを含む選択培地に分
け、更に14日間培養した。このトランスフェクションに
よる3枚のプレート(各々約200個のコロニーを含む)
をイムノフィルターアッセイによりスクリーニングし、
そして最も強く反応する24個のコロニーをシリンダーク
ローニングにより採集した。24個のコロニーを個々に10
cmプレート中で増殖させ、それらのプロテインC生産レ
ベルを測定した。1.1〜2.3pg/細胞/日のプロテインC
を生産するコロニーを安定なプロテインC生産細胞系の
作製に使った。SDS/PAGEと銀染色によるその後の分析
は、変異タンパク質が本質的に完全に二鎖にプロセシン
グされることを示した。N末端配列分析は、組換え野生
型およびBHK/PC962タンパク質の軽鎖と重鎖が正しくプ
ロセシングされたことを示した。加えて、tk-ts13 BHK
細胞からのPC962は完全なアミド分解活性を示した。
実施例4−活性プロテインCの発現 A.pDX/PC1058の作製および発現 野生型プロテインC配列の突然変異誘発により開裂部
位配列Arg−Arg−Lys−Argを有する活性化プロテインC
前駆体をコードするDNA配列を作製した。生じた配列(1
058と命名)はPC962をコードするものに類似しているが
活性化ペプチドをコードする部分を欠く。1058タンパク
質の軽鎖と重鎖の接合点のアミノ酸配列を表2に与え
る。
プラスミドp594中に存在するプロテインC配列を単一
突然変異誘発により変異せしめ、活性化ペプチドコドン
を除去しそしてプロセシング部位にArg−Argコドンを挿
入した。この突然変異誘発は、実施例3.A.に記載したの
と本質的に同じようにして、オリゴヌクレオチドZC1058
(5′CGC AGT CAT CTG AGA AGA AAA CGA CTC ATT GAT
GGG 3′)とZC550を使って、p594から870bp Sst I断片
上において行った。
変異誘発された配列を用いて発現ベクターpDX/PC1058
を作製し(pDX/PC962と同様にして)、そして実施例3.
B.に記載の通りに該ベクターをtk-ts13 BHK細胞中に同
時トランスフェクトせしめた。ポリクローナル抗体カラ
ム上でpH11.5緩衝液で溶出せしめることによりタンパク
質を精製した。
PC1058タンパク質の活性を活性血漿プロテインCおよ
び活性PC962の活性と比較した。血漿プロテインCおよ
びPC962(5μg/ml)を1/10容のProtac C(American Di
agnostica)での2時間の処理により活性化した。活性
プロテインCを含む試料50μとヒト血漿50μとを混
合しそして該混合物を37℃で150秒間インキュベートす
ることにより、抗凝固活性をアッセイした。該混合物に
50μの活性化セファロプラスチン(American Scienti
fic Products,McGraw Park,IL)を添加し、37℃で300秒
間インキュベートした。100μの20mM CaCl2を添加
し、凝固時間を記録した。図5に与えられたデータは、
PC1058タンパク質が活性な抗凝血物質であることを示
す。
形質転換されたkex2変異細胞を適当なテスター細胞の
層上でのα−因子阻止円の生成についてスクリーニング
することにより、酵母ゲノムライブラリーからサッカロ
ミセス・セレビシェー(Saccharomyces cerevisiae)KE
X2遺伝子を単離した。報告されたkex2変異体の全ての欠
損(接合、α−因子生産、キラー毒素の成熟および同型
接合二倍体株における胞子形成)を補完する1つのクロ
ーンを得た。クローン化遺伝子を酵母GAL1プロモーター
の支配下にpUCベクター中でサブクローニングした。得
られたp1515と命名されたプラスミドは、受託番号67569
のもとにアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクショ
ンに寄託された。図6に示されるように、p1515をHind
IIIで消化し、2.1kb断片を回収した。この断片をHind I
IIで切断されたpUC18に連結せしめ、プラスミドpUC18/K
EX2を作製した。次いで、このプラスミドをHind IIIで
部分消化しBam H Iで完全消化することによりpUC18/KEX
2からKEX2断片(2.1kb)を単離した。次にKEX2配列の残
りをp1515のBam H I+Hind III消化物から0.43kb断片と
して単離した。2つのKEX2断片をベクターZem228および
Zem229のBam H I部位中に連結せしめた。(Zem228はZem
229と類似しているがDHFR遺伝子の代わりにネオマイシ
ン耐性遺伝子を含む。Zem228では、挿入された遺伝子は
メタロチオネイン−1プロモーターとSV40ターミネータ
ーの支配下にあり、抗生物質G418を使って該ベクターを
選択することができる。)得られたプラスミドをそれぞ
れKEX2/Zem228およびKEX2/Zem229と命名した。
高プロテインC生産性のpDX/PC1058トランスフェクト
tk-ts13 BHKクローン(pDX/PC1058−3//BHK)を選択
し、リン酸カルシウム法によりKEX2/Zem228でトランス
フェクトせしめた。トランスフェクト細胞を500μg/ml
のG418と250nMのメトトレキセートにより選択した。
KEX2−1058//BHKと命名した選択されたクローンを、
1%ウシ胎児血清と5μg/mlのビタミンKを含むシステ
イン不含有DMEM(Gibco)中で35S−システインにより24
時間短期標識した。培地を収集し、そしてプロテインC
に対するモノクローナル抗体を用いた免疫沈澱により一
本鎖および二本鎖プロテインCの存在についてアッセイ
した。250μの培地を10μgの抗体と混合し、混合物
を37℃で1時間インキュベートした。100μのStaph A
細胞懸濁液(Pharmacia,Piscataway,NJ)を添加し、37
℃で1時間インキュベートした。遠心により細胞をペレ
ット化し、該ペレットを1%β−メルカプトエタノール
含有ゲル緩衝液60μ中に再懸濁した。この懸濁液を10
0℃に3分間加熱し、次いでSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル上で電気泳動した。オートラジオグラフィーによりタ
ンパク質を可視化した。KEX2−1058//BHKクローンは、
二本鎖形態への約100%の該タンパク質の開裂を示し
た。
N末端配列分析により完全に配列決定されたペプチド
を遊離せしめる軽鎖のユニークメチオニン残基のところ
でのCNBr開裂を使って、KEX2−1058活性プロテインCの
軽鎖のカルボキシ末端配列を決定した。1%ウシ胎児血
清、250nMメトトレキセート、500μg/mlのG418および5
μg/mlのビタミンKが補足されたDMEM中で増殖させたKE
X2−1058//BHK細胞からのアフィニティー精製プロテイ
ンCを、0.2M Tris−HCl,pH8.3中のCys1残基当たり10倍
モル過剰のジチオトレイトール(DTT)、および0.6Mの
最終濃度のグアニジン−HClの添加により還元した。混
合物を65℃で4〜6時間インキュベートした。還元され
たタンパク質にヨード酢酸pH7.0またはヨード酢酸アミ
ドをDTTのモル濃度の4倍モル過剰において添加し、混
合物を37℃で30分間インキュベートした。この溶液を0.
1M NH4HCO3,pH8.5に対して22℃で24時間透析した。透析
した溶液をHPLC Poly−Fカラム(DuPont)に適用し、
軽鎖を単離した。遮光下で室温にて窒素下でメチオニン
1残基当たり500倍モル比過剰のCNBrを70%ギ酸中の精
製軽鎖に30時間添加した。CNBr消化物をAmerican Biosy
stems Inc.470型シークエネーター(American Biosyste
ms Inc.,Marine−on−St,Croix,MN)に適用した。驚く
べきことに、得られた配列分析はKEX2−1058タンパク質
のC末端配列がGluで終わることを示し、このことはタ
ンパク質の軽鎖がアミノ酸149で終わることを指摘す
る。血漿の活性プロテインCも分析した。すると149〜1
52残基の軽鎖を含むことがわかった。
B.KEX2トランスフェクト細胞中でのpPC1962/ZMB−2か
らの活性プロテインCの発現 アミノ酸153−169を除去するためにプロテインCのコ
ード配列を変更し、アミノ酸152と170との間に軽鎖−重
鎖接合部を有する活性プロテインC前駆体を生ぜしめ
た。その後の軽鎖のC末端からの塩基性アミノ酸残基の
タンパク質分解的開裂により、アミノ酸149−152で終わ
る軽鎖が得られるだろう。この活性プロテインC前駆体
の接合部配列を1962と命名し、これを表2に与える。
M13mp10のSst I部位に正しい方向でp594のSst I断片
を含んで成る鋳型において、オリゴヌクレオチド指令突
然変異誘発を行った。一本鎖鋳型DNAを594/mp10ファー
ジクローンから調製した。オリゴヌクレオチド指令突然
変異誘発は合成オリゴヌクレオチドZC1962(5′GAG AA
G AAG CGC CTC ATT GAT GGG3′)およびZC550を使って
前記鋳型上で行った。陽性ファージクローンを配列決定
した突然変異誘発を確かめた。陽性ファージクローンを
1962と命名した。
ファージクローン1962から複数可能型DNAを調製し、S
st IとPst Iで消化して約0.4kbの変異断片を単離した。
プラスミドPC229/962をEco R IとPst Iで消化し、592bp
のプロテインC断片を単離した。PC1869/229R(p594と
同様であるがArgコドン〔残基157〕がLysコドンにより
置換されているプロテインCコード配列がZem229RのEco
R I部位中に挿入されたプラスミド。Zem229Rは、Eco R
Iでの部分消化、DNAポリメラーゼI〔クレノウ断片〕
とdNTPsを使って平滑末端化、再連結、Bam H Iでの消
化、およびBam H I−Eco R Iアダプターとの連結により
Zem229から誘導された。)から700bpのSst I−Eco R I
プロテインC断片を得た。プラスミドpZMB−2(図7)
をEco R I消化により直鎖状にした。(プラスミドpZMB
−2はZem229Rに類似しているがSV40エンハンサー、ア
デノウイルス2主要後期プロモーター、アデノウイルス
2三分節系リーダー、並びにSst I−Hind IIIアダプタ
ーを使ってMT−1プロモーターの代わりに置換された
5′および3′スプライス部位を含む)。ファージクロ
ーン1962からの約0.4kb Pst I−Sst I断片、PC1869/229
Rからの700bp Sst I−Eco R I断片、PC229/962からの59
2bp Pst I−Eco R I断片および線状化されたpZMB−2を
4部分連結において連結せしめた。正しい方向で挿入断
片を有するプラスミドをpPC1962/ZMB−2と命名した。
プラスミドpPC1962/ZMB−2を用いてリン酸カルシウ
ム共沈法によりtk-ts13 BHK細胞をトランスフェクトせ
しめた。トランスフェクト細胞を、10%ウシ胎児血清、
1×PSN抗生物質混合物(Gibco)、2.0mM L−グルタミ
ン酸および5μg/mlのビタミンKを含むDMEM中で増殖さ
せた。細胞を500nMメトトレキセート中で15日間選択
し、生じたコロニーをイムノフィルターアッセイ(実施
例3.B.)によりスクリーニングした。最も強く反応する
コロニーをシリンダークローニングにより採取し、個別
に10cmプレート中で増殖させた。
高プロテインC生産性のpC1962/ZMB−2トランスフェ
クタントをKEX2/ZMB−1によりトランスフェクトせしめ
た。(KEX2/ZMB−1は、ユニークBam H I部位において
ベクターZMB−1に挿入されたKEX2コード配列を含んで
成る。KEX2配列は、KEX2/Zem228の作製について上述し
た通りにプラスミドpUC18/KEX2とp1515から得た。図7
に記載のZMB−1は、ZMB−2と類似しているが選択マー
カーとしてネオマイシン耐性遺伝子を含む。)同時トラ
ンスフェクトされた細胞を選択し、培地試料を収集し
た。pPC1962/ZMB−2,KEX2/ZMB−1同時トランスフェク
ト細胞からの培地試料中に活性プロテインCが検出され
た。
C.pPC2043/ZYB−2の作製 活性化ペプチドをコードする配列が除去されておりそ
して生来のプロテインCのアミノ酸コドン150と151との
間にArgコドンが挿入されている活性プロテインC前駆
体配列を作製した。コードされるタンパク質の軽鎖−重
鎖接合部のところのアミノ酸配列(2043と命名)と表2
に示す。軽鎖からC末端塩基性アミノ酸残基を除去する
プロセシングは、軽鎖の149〜152アミノ酸形態を与え
る。
Zem228RとpDX(Hagenら、米国特許第4,784,950号)か
ら発現ベクターZMB−3を作製した。プラスミドZem228R
は、Eco R Iでの部分消化、DNAポリメラーゼI〔クレノ
ウ断片〕とdNTPsを使った平滑末端化、再連結、Bam H I
での消化、およびBam H I−Eco R Iアダプターとの連結
によりZem228から誘導された。プラスミドZem228RをHin
d IIIとEco R Iで消化し、SV40とMT−1プロモーターを
含む520bp断片を除去した。Zem228Rの大断片をpDXの〜1
100bp Hind III−Eco R I断片(SV40プロモーター/エ
ンハンサー、アデノウイルス主要後期プロモータ、およ
び一組のスプライスシグナルを含む)と連結せしめた。
得られたベクターをZMB−3と命名した。
ファージクローン1962から一本鎖鋳型DNAを調製し、
合成オリゴヌクレオチドZC2043(5′AGC CGG ATG GAG
AAG AGG AAG CGC CTC ATT GC 3′)とZC550を使って部
位特異的試験管内突然変異誘発にかけた。陽性クローン
を配列決定した突然変異誘発を確かめた。確認したファ
ージクローンから複製可能型DNAを調製し、Sal IとSst
Iで消化して約0.4kbの変異断片を単離した。この断片を
活性化プロテインCの5′コード配列(PC962配列から
のEco R I−Sal I断片)、3′活性プロテインC配列
(PC962からの969bp Sst I−Eco R I断片)およびEco R
Iで消化されたZMB−3と連結せしめた。正しい方向で
挿入断片を含むプラスミドをpPC2043/ZMB−3と命名し
た。
プラスミドpPC2043/ZMB−3を用いてtk-ts13 BHK細胞
(ATCC CRL 1632)をトランスフェクトせしめた。トラ
ンスフェクト細胞をG418により選択した。陽性クローン
をKEX2/Zem229によりトランスフェクトせしめ、トラン
スフェクタントをG418とメトトレキセートにより選択し
た。陽性クローンをAPCの生産について分析すると、該
タンパク質の70%までが二本鎖型において生産されるこ
とがわかった。
D.2274の作製および発現 軽鎖(アミノ酸1−149)と重鎖との間にリンカー配
列Lys−Lys−Arg−Ala−Asn−Ser−Arg−Arg−Lys−Arg
を有する活性プロテインC前駆体をコードするDNA配列
を作製した。この構成物をPC2274と命名した(表2)。
Zem229RとpDX(Hagenら、米国特許第4,784,950号)か
ら発現ベクターZMB−4を作製した。Zem229RをHind III
とEco R Iで消化し、SV40とMT−1プロモーターを含む5
20bp断片を除去した。Zem229Rの大断片をpDXの〜1100bp
Hind III−Eco R I断片(SV40プロモーター/エンハン
サー、アデノウイルス主要後期プロモーター、および一
組のスプライスシグナルを含む)と連結せしめた。
PC2274配列を作製するために、PC1058 DNAのSst I断
片をM13mp10中に挿入し、標準法に従ってオリゴヌクレ
オチドZC2274(5′GAG AAG AAG CGC GCC AAC TCC AGA
AGA AAA CGA CT 3′)を用いて突然変異誘発せしめた。
変異配列を複製可能型DNAから378bpのPst I−Sst I断片
として単離した。この断片を活性プロテインCの5′コ
ード配列(ZMB−4中のPC962配列からの592bpのEco R I
−Pst I断片)、3′活性プロテインC配列(ZMB−4中
のPC962配列からの696bpのSst I−Eco R I断片)および
Eco R Iで消化され子ウシ腸アルカリホスファターゼで
処理されているZMB−4と連結せしめた。生じたベクタ
ーを用いてtk-ts13 BHK細胞(ATCC CRL 1632)をトラン
スフェクトせしめた。トランスフェクト細胞を1μMメ
トトレキセート中で選択した。
実施例5−9111,9112および9113の作製と発現 軽鎖(アミノ酸1−149)と重鎖との間にリンカー配
列Lys−Lys−Arg−Arg−Arg−Lys−Arg,Lys−Lys−Arg
−Lys−Arg,およびLys−Lys−Arg−Argを有する活性プ
ロテインC前駆体をコードするDNA配列を作製した。こ
れらの構成物をそれぞれPC9111,PC9112およびPC9113と
命名した(表2)。
ZMB−3から発現ベクターTZM−2を作製した。まず、
KEX2/ZMB−3からKEX2転写単位を切り出し、アダプター
DNAを使ってベクターZMB−3のNde I部位中に連結せし
めた。プラスミドpPC2043/ZMB−3からプラスミドpPC20
43/TZM−2を誘導した。
プレ−プロペプチド(図1のアミノ酸−29〜−41)を
コードするpPC2043/ZMB−3中のDNA配列領域を、第VII
因子のプレプロペプチドの一部をコードする合成DNA
(5′GTC TCC CAG GCC CTC AGG CTC CTC TGC CTT CTG
CTT GGG CTT 3′)により置き換えた。
PC9111,9112および9113配列を作製するために、PC227
4 DNAのSst I断片をM13mp10に挿入し、標準法に従って
下記のオリゴヌクレオチドを使って突然変異誘発せしめ
た。
変異配列を複数可能型DNAからSst I断片として単離し
た。プラスミドpPC2043/TZM−2中の対応するSac I断片
をそれらの断片により置き換えた。正しい方向で挿入断
片を含むプラスミドをそれぞれpPC9111/TZM−2,pPC9112
/TZM−2およびpPC9113/TZM−2と命名した。
プラスミドpPC9111/TZM−2を用いて293細胞をトラン
スフェクトせしめた。トランスフェクト細胞をG418によ
り選択した。陽性クローンをAPC生産について分析する
と、該タンパク質の90%までが二本鎖形態で生産される
ことがわかった。
上記の説明から、本発明の特定の態様を例示の目的で
記載してきたが、発明の精神および範囲から逸脱するこ
となく様々な変更を行い得ることは認識されよう。従っ
て、本発明は添付の請求の範囲による以外は限定されな
い。
フロントページの続き (72)発明者 フォスター,ドナルド シー. アメリカ合衆国,ワシントン 98155, シアトル,ノース イースト ワンハン ドレッドエイティファースト ストリー ト 3002 (72)発明者 ホーリー,リチャード ディー. アメリカ合衆国,ワシントン 98177, シアトル,テンス アベニュ ノースウ エスト 12539 (72)発明者 クマー,アナー アショク アメリカ合衆国,ニュージャージー 08822,フレミントン,ステイシー ロ ード ナンバー 12 (72)発明者 鈴木 雅彦 東京都日野市神明4―18―26 第2伊藤 ハイツ103 (72)発明者 若林 健司 東京都日野市多摩平3―18―4 帝人多 摩アパート122 (56)参考文献 特開 昭64−85096(JP,A) 欧州特許出願公開319944(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12N 5/10 C12P 21/02 C07K 14/46 - 14/825 C07K 19/00 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性化ヒトプロテインC前駆体をコードす
    るDNA分子であって、前記分子はアミノ酸配列プレ−プ
    ロ−L−X1−Hをコードし、ここでプレ−プロはプロテ
    インCのプレ−プロペプチドであるか、またはプロテイ
    ンS、第VII因子、第IX因子、第X因子およびプロトロ
    ンビンから成る群から選択されたタンパク質のプレ−プ
    ロペプチドにより完全にもしくは部分的に置き換えら
    れ;Lは、アミノ酸番号1のアラニンから、アミノ酸番号
    149のグルタミン酸、アミノ酸番号150のリジン、アミノ
    酸番号151のリジンまたはアミノ酸番号152のアルギニン
    のいずれか1つまでの活性化ヒトプロテインCの軽鎖で
    あり;X1は、リジンおよびアルギニンから成る群から選
    択された3〜10個のアミノ酸残基の配列であり;そして
    Hはアミノ酸番号170のロイシンから始まる活性化ヒト
    プロテインCの重鎖である、DNA分子。
  2. 【請求項2】X1がLys−Lys−Arg,Lys−Arg−Lys−Arg,L
    ys−Lys−Arg−Arg,Lys−Lys−Arg−Lys−Arg,Lys−Lys
    −Arg−Arg−Arg−Lys−Arg,Lys−Lys−Arg−Lys−Lys
    −Lys−Arg−Arg−Lys−Arg,Lys−Lys−Arg−Lys−Lys
    −Lys−Lys−Lys−Lys−ArgおよびLys−Lys−Arg−Arg
    −Arg−Arg−Arg−Arg−Lys−Argから成る群から選択さ
    れたアミノ酸配列である、請求項1に記載のDNA分子。
  3. 【請求項3】活性化ヒトプロテインC前駆体をコードす
    るDNA分子であって、前記分子はアミノ酸配列プレ−プ
    ロ−L−R1−R2−R3−X2−(R4−R5−R6−R7−Hを
    コードし、ここでプレ−プロはプロテインCのプレ−プ
    ロペプチドであるか、またはプロテインS、第VII因
    子、第IX因子、第X因子およびプロトロンビンから成る
    群から選択されたタンパク質のプレ−プロペプチドによ
    り完全にもしくは部分的に置き換えられ;Lは、アミノ酸
    番号1のアラニンから、アミノ酸番号149のグルタミン
    酸、アミノ酸番号150のリジン、アミノ酸番号151のリジ
    ンまたはアミノ酸番号152のアルギニンのいずれか1つ
    までの活性化ヒトプロテインCの軽鎖であり;X2はAla−
    Asn−Ser,Ser−Asn−Ala,Thr−Asn−Ile,Thr−Leu−Gl
    u,Ile−Leu−Asn,Lys−Thr−Leu,Leu−Ser−Thr,Glu−P
    ro−Gln−LeuおよびAsn−Ile−Leu−Asnから成る群から
    選択されたアミノ酸配列であり;nは0,1,2または3であ
    り;R1〜R7はLysまたはArgであり;そしてHは活性化ヒ
    トプロテインCの重鎖である、DNA分子。
  4. 【請求項4】R1がリジンであり、R2がリジンであり、R3
    がアルギニンであり、(R4がアルギニンであり、R5
    がアルギニンであり、R6はリジンであり、そしてR7がア
    ルギニンである、請求項3に記載のDNA分子。
  5. 【請求項5】活性化ヒトプロテインC前駆体をコードす
    るDNA分子であって、前記分子はアミノ酸配列プレ−プ
    ロ−L−R1−R2−R3−R4−X3−R5−R6−R7−R8−Hをコ
    ードし、ここでプレ−プロはプロテインC、プロテイン
    S、第VII因子、第IX因子、第X因子およびプロトロン
    ビンから成る群から選択されたタンパク質のプレ−プロ
    ペプチドであり;Lは、アミノ酸番号1のアラニンから、
    アミノ酸番号149のグルタミン酸、アミノ酸番号150のリ
    ジン、アミノ酸番号151のリジンまたはアミノ酸番号152
    のアルギニンのいずれか1つまでの活性化ヒトプロテイ
    ンCの軽鎖であり;R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7およびR8は、
    リジンおよびアルギニンから成る群から選択されたアミ
    ノ酸残基であり;X3は4個の非酸性アミノ酸残基の配列
    であり;そしてHは活性化ヒトプロテインCの重鎖であ
    る、DNA分子。
  6. 【請求項6】X3がAsn−Ile−Leu−Asnである、請求項5
    に記載のDNA分子。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性
    化ヒトプロテインC前駆体をコードするDNA分子に作用
    可能に連結された転写プロモーター、転写ターミネータ
    ーおよびポリアデニル化シグナルを含んで成る発現ベク
    ターによりトランスフェクトされた培養哺乳動物細胞。
  8. 【請求項8】前記細胞がサッカロミセス・セレビシェー
    (Saccharomyces cerevisiae)KEX2遺伝子を発現させる
    ために更にトランスフェクトされる、請求項7に記載の
    培養哺乳動物細胞。
  9. 【請求項9】前記哺乳動物細胞がベビーハムスター腎臓
    細胞または293細胞である、請求項7に記載の培養哺乳
    動物細胞。
  10. 【請求項10】活性化ヒトプロテインCの生産方法であ
    って、 転写プロモーター、転写ターミネーターおよびポリアデ
    ニル化シグナルに作用可能に連結された請求項1〜6の
    いずれか一項に記載の活性化ヒトプロテインC前駆体を
    コードするDNA分子を含んで成る発現ベクターを用いて
    培養哺乳動物細胞をトランスフェクトせしめ; 前記トランスフェクト細胞を培養し;そして 前記細胞により生産されプロセシングされた活性化ヒト
    プロテインCを単離する、 ことを含んで成る方法。
  11. 【請求項11】前記哺乳動物細胞がベビーハムスター腎
    臓細胞または293細胞である、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記細胞がサッカロミセス・セレビジェ
    ー(Saccharomyces cerevisiae)KEX2遺伝子を発現させ
    るために更にトランスフェクトされる、請求項10に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】前記細胞がビタミンKの存在下で培養さ
    れる、請求項10に記載の方法。
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