JP3563611B2

JP3563611B2 - 粉末洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP3563611B2
Application number: JP26123598A
Authority: JP
Inventors: 篤史田中; 克彦笠井; 秀次田方
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1998-09-16
Filing date: 1998-09-16
Publication date: 2004-09-08
Anticipated expiration: 2018-09-16
Also published as: JP2000087096A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は非イオン性界面活性剤を主成分とする粉末洗浄剤組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開平２−２４５１００号公報には、陰イオン性界面活性剤を主成分とする洗浄組成物に「Ｌｉｐｏｌａｓｅ」（Ｎｏｖｏ社、登録商標）を含む洗浄剤が、また特開平２−５０４１６５号公報には、炭素数１０以上の脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドのアルキレンオキサイドの平均５モル未満の付加物から選択される非イオン性界面活性剤を含有させた、陰イオン性界面活性剤を主成分とするリパーゼ含有洗剤組成物が記載されている。
【０００３】
しかしながら、これら洗浄剤組成物は陰イオン性界面活性剤を主成分とするため皮脂汚れに対する洗浄力の点で不十分であった。
【０００４】
本発明の課題は、皮脂汚れに対し優れた洗浄効果を示し、且つリパーゼ活性に悪影響を及ぼさない洗浄剤組成物の提供である。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の成分（ａ）〜（ｅ）を含有し、且つ成分（ａ）と成分（ｃ）の重量比が（ａ）：（ｃ）＝１０：１〜１：１である粉末洗浄剤組成物を提供する。
（ａ）アルキル基の平均炭素数が１０〜２０で、エチレンオキサイド平均付加モル数が５〜１５のポリオキシエチレンアルキルエーテル５〜３５重量％
（ｂ）（ａ）成分１ｇ当りの脂肪分解活性が０．１〜５００ＬＵ／ｇであるリパーゼ
（ｃ）陰イオン性界面活性剤１〜３５重量％
（ｄ）アルカリ剤５〜３５重量％
（ｅ）下記一般式（Ｉ）で表わされる構造単位からなる重合体又は該重合体の末端を化学的に修飾した重合体０．１〜２０重量％
【０００６】
【化２】

【０００７】
（式中、Ｍはアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン及びアルキル基からなる群から選ばれる。）
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオキシエチレンアルキルエーテル〔（ａ）成分〕は、アルキル基の平均炭素数が１０〜２０、好ましくは１２〜１８、特に好ましくは１２〜１４で、エチレンオキサイド平均付加モル数５〜１５、好ましくは６〜１２、特に好ましくは６〜１０のポリオキシエチレンアルキルエーテルである。また該ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、洗浄力向上の点で０〜３モル付加物が３５重量％以下、好ましくは２５重量％以下のものを併用することができる。（ａ）成分の含有量は、洗浄力の点で組成物中に５〜３５重量％、好ましくは、１２〜３０重量％である。その他に本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド、アルキルアミンオキサイド等の非イオン性界面活性剤を併用することができる。
【０００９】
本発明のリパーゼ〔（ｂ）成分〕は一般に粒状物の形で供給されるが、その酵素活性がアルカリ性、特にｐＨ８〜１１において最適作用をするリパーゼが好ましい。該リパーゼとしては、Ｈｕｍｉｃｏｌａ由来リパーゼのＬｉｐｏｌａｓｅ１００Ｔ［ノボ（Ｎｏｖｅ）社製］、Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ由来リパーゼのＬＩＰＯＭＡＸ［ギスト（ＧＩＳＴ）社製］、及びＬＵＭＡＦＡＳＴ２０００Ｇ［ジェンコア（ＧＥＮＥＮＣＯＲ）社製］等が挙げられる。本発明では特にＨｕｍｉｃｏｌａ由来リパーゼのＬｉｐｏｌａｓｅ１００Ｔ［ノボ（Ｎｏｖｅ）社製］が好ましい。
【００１０】
本発明において、（ｂ）成分の含有量は洗浄力の点で、（ａ）成分１ｇ当りの脂肪分解活性が０．１〜５００ＬＵである。ここで、（ａ）成分１ｇ当りの脂肪分解活性は、リパーゼの比活性Ｐ（ＬＵ／ｇ）と、（ａ）成分の含有量ｒ（重量％）に対するリパーゼの含有量ｑ（重量％）との比との積で表される。尚、比活性Ｐの測定法方は、特開平８−１７６５９０号公報記載の方法を用いた。
【００１１】
本発明の陰イオン性界面活性剤〔（ｃ）成分〕としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルフォン酸塩、アルカンスルフォン酸塩、脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はエステル、アミノ酸型界面活性剤、Ｎ−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキル又はアルケニル酸性リン酸エステル、アルキル又はアルケニルリン酸エステル又その塩等が挙げられる。特に、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩が好ましい。対イオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン等が挙げられる。
【００１２】
（ｃ）成分の含有量は皮脂汚れに対する洗浄力の点で組成物中１〜３５重量％、好ましくは３〜１５重量％である。
【００１３】
本発明において、（ａ）成分と（ｃ）成分の重量比は（ａ）：（ｃ）＝１０：１〜１：１、好ましくは３：１〜１．２：１である。
【００１４】
本発明のアルカリ剤〔（ｄ）成分〕としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属珪酸塩が挙げられる。アルカリ剤の含有量は、洗浄力の点で組成物中に５〜３５重量％、好ましくは５〜２５重量％であるが、本発明の粉末洗浄剤組成物の０．１重量％濃度の水溶液のｐＨが９．０を超える量、特にｐＨ１０．０〜１０．６となるような量で配合されることが好ましい。
【００１５】
本発明の（ｅ）成分は、前記一般式（Ｉ）で表わされる構造単位からなる重合体又は該重合体の末端を化学的に修飾した重合体である。式（Ｉ）中のＭはアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン、アルキル基、特に１〜４個の炭素原子を有するアルキル基である。また、該重合体の末端を化学的に修飾する基としては、特公昭６２−３７０４４号公報１２欄１２〜２８行記載の基が挙げられる。
【００１６】
本発明の（ｅ）成分の重合体は、一般式（Ｉ）で表わされる構造単位からなる重合体を少なくとも５０重量％含有することが望ましい。また、本発明の重合体（ｅ）の重量平均分子量は洗浄性の点で４０００〜２００００が好ましく、特に好ましくは５０００〜１５０００である。（ｅ）成分の含有量は０．１〜３０重量％である。
【００１７】
次に（ｅ）成分の製造方法としては、例えばグリオキシルアルデヒドのエステルと重合開始剤とを重合条件下に混合する方法、更に得られた重合体の末端を化学的に修飾する方法等が挙げられる。また、上記グリオキシル酸アルデヒドのエステルと重合し得る共単量体の一種以上を共重合させてもよい。適当な共単量体としては例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピハロヒドリンエポキシサクシネート等のエポキシ化合物や、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド等が挙げられる。特にエチレンオキサイド、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドが好ましい。
【００１８】
本発明の粉末洗浄剤組成物には、更に平均一次粒径０．１〜１０μｍの結晶性アルミノ珪酸塩、例えばＡ型、及びＸ型ゼオライトを、全組成物中に１０〜６０重量％、好ましくは２０〜６０重量％、特に好ましくは３０〜５０重量％含有することが望ましい。
【００１９】
その他の成分として、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム等の漂白剤、珪酸マグネシウム等の過酸化物の安定化剤、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の再汚染防止剤、非晶質シリカ等の多孔性吸油担体、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ等の酵素、亜硫酸塩等、蛍光染料、色素、ケーキング防止剤、可溶化剤、香料等が必要に応じて配合される。
【００２０】
【実施例】
（Ｉ）皮脂汚れ汚染布の作製
１０×１０ｃｍ木綿布に、綿実油６０％、コレステロール１０％、オレイン酸１０％、パルミチン酸１０％及び固体パラフィン１０％よりなるモデル皮脂汚れ２ｇを均一に塗布して皮脂汚れ汚染布を作製する。
【００２１】
（ＩＩ）洗浄条件、洗浄方法及び評価方法
表１に記載の配合成分からなる粉末洗浄剤組成物を４°ＤＨ硬水に溶解し、０．０８％水溶液（ｐＨ１０．６）を調製する。上記汚染布５枚を洗剤水溶液に添加し、３０℃、１時間静置後、ターゴトメーターにて１００ｒｐｍ、３０℃、１０分間攪拌洗浄する。流水下で濯いだ後、アイロンプレス処理を行った。
【００２２】
次いで、洗浄前の原布及び洗浄前後の汚染布の４６０ｎｍにおける反射率を自記色彩計（島津製作所（株））にて測定し、次式から洗浄率（％）を算出した。
洗浄率（％）＝〔（洗浄後の反射率−洗浄前の反射率）／（原布の反射率−洗浄前の反射率）〕×１００
表１には５枚の汚染布についての平均値を示した。
【００２３】
【表１】

【００２４】
注）
・ＡＥ：ポリオキシエチレン（６モル）アルキル(C₁₂)エーテル
・リパーゼ：脂肪分解活性300LU／ｇの粒状物
・ＬＡＳ：直鎖アルキル(C₁₂)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩
・ＳＦＥ：α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩
・ＡＳ：アルキル(C₁₂)硫酸エステルナトリウム塩
・ＰＡＣ：一般式(I)で表される構造単位からなる重合体（重量平均分子量10000、一般式(I)中のMはナトリウム）
・ＡＭ：アクリル酸マレイン酸（モル比７／３）共重合体のナトリウム塩、平均分子量70000
・ゼオライト：結晶性アルミノ珪酸塩、M₂O・Al₂O₃・2SiO₂・２H₂O、平均粒子径２μｍ、イオン交換容量290CaCO₃mg／ｇ
・共通成分：蛍光成分0.5 重量％と、サビナーゼ12.0T type W（ノボノルディスク社製）、KAC 500G（花王株式会社製）、タ−マミル60T （ノボノルディスク社製）を２：１：１で混合した酵素成分2.0％と芒硝であり、芒硝で組成物全体の量が100重量％になるように調整した。
【００２５】
【発明の効果】
本発明によれば、リパーゼの活性に影響を及ぼすことなく皮脂汚れに対する洗浄力が顕著に向上された粉末洗浄組成物が得られる。

Claims

次の成分(a)〜(e)を含有し、且つ成分(a)と成分(c)の重量比が(a)：(c)＝10：１〜１：１である粉末洗浄剤組成物。
(a) アルキル基の平均炭素数が10〜20で、エチレンオキサイド平均付加モル数が５〜15のポリオキシエチレンアルキルエーテル５〜35重量％
(b) (a)成分１ｇ当りの脂肪分解活性が 0.1〜500LU／ｇであるリパーゼ
(c) 陰イオン性界面活性剤１〜35重量％
(d) アルカリ剤５〜35重量％
(e) 下記一般式(I)で表わされる構造単位からなる、重量平均分子量 5000 〜 15000 の重合体又は該重合体の末端を化学的に修飾した重合体 0.1〜20重量％

（式中、Mはアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン及びアルキル基からなる群から選ばれる。）
アクリル酸マレイン酸共重合体のナトリウム塩を含有する請求項１記載の粉末洗浄剤組成物。