JP3563486B2 - デオドラント剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は不快な体臭を効果的に消臭せしめることのできるデオドラント剤に関し、詳しくは、皮膚に適用したとき、デオドラント剤中に含まれる有効成分を皮膚上に持続的にとどめておくための成分として特定のポリシロキサンを含有する、消臭効果の持続性に優れたデオドラント剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
腋臭、足臭、汗臭等の体臭は不快な臭気であり、これを持つ者にとっては非常に大きな悩みである。
このような体臭を効果的に消臭するために、デオドラント剤が用いられている。
【0003】
デオドラント剤が高い消臭効果を得るためには、有効成分を皮膚上に保持しておくことが重要であるが、従来のパウダースプレー型やロールオン型のデオドラント剤は、水、アルコール、オイルなどに、デオドラント剤有効成分を溶解又は混和したものであったため、汗や皮脂により有効成分が流れやすく、感触的にもべたつき、拡散しやすいもので、デオドラント剤中の有効成分を皮膚上に長時間とどめておくことは困難であった。
【0004】
一方、スティック型のデオドラント剤は、パラフィンワックス、ワセリンなどの常温で固体或いは半固体状である化合物が有効成分の油剤として用いられているが、これらは有効成分を皮膚上に保持する効果においては優れているものの、感触に難があり、さらに、皮膚呼吸や水蒸気の蒸散を妨げ、特に夏期などの高温時には皮膚に悪影響を及ぼすという欠点があった。
【0005】
また、シリコーンオイルが、最近、デオドラント剤などを皮膚に塗布するための油剤として用いられるようになってきた(特開平5−255056号公報等)。これは、分子間力が極めて低いことから生じるすべり感といった感触の向上が主な理由である。また、シリコーンオイルはガスや水蒸気の透過性が高いため、上記のワックス類で生じた、皮膚呼吸、水蒸気の蒸散を妨げるといった問題が起こらないと考えられる。しかしながら、シリコーンオイルは表面張力が低いため、皮膚上で拡散しやすく、有効成分の持続性に乏しかった。
【0006】
更に、特開平5−194183号、特開平6−9367号公報などには長鎖アルキル基を有するポリシロキサンを用いてスキンケア剤に応用している例が開示されている。これらはアルキル基の結晶性を利用して、特開平5−194183号公報では複数のポリシロキサンを用いる混合物、特開平6−9367号公報では両末端にアルキル基を有するポリシロキサン単独で、乾燥皮膚からの水分の蒸散を抑える働きをするものであった。しかし、特に夏期の汗をかきやすい時期に使用されるデオドラント剤にこのような従来公報に記載されているポリシロキサンを用いると、融点が低く、体温付近でオイル状となり、感触もべたつく上に、高温時の有効成分の皮膚表面への保持の持続性が乏しくなるという問題があった。
【0007】
従って、本発明の課題は、皮膚に適用した際に、皮膚呼吸、水蒸気の蒸散を妨げず、有効成分を皮膚上に持続的にとどめておく性質を有する被膜を形成し、有効成分の飛散、流れ落ちを防止することのできる、消臭効果の持続性に優れたデオドラント剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定のポリシロキサンを含有するデオドラント剤が、上記課題を解決しうることを見い出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、長鎖アルキル基を有する、融点20℃以上のポリシロキサンを0.01〜99重量%含有することを特徴とするデオドラント剤を提供するものである。
【0009】
因みに、本発明に使用されるポリシロキサンは、シリコーンの高い水蒸気透過性をうまく利用し、有効成分を皮膚上に持続的にとどめておく性質を有するが、水分の蒸散を妨げないという点で上記従来公報の特開平5−194183号や、特開平6−9367号公報に開示されているポリシロキサンとは峻別される。
【0010】
本発明で用いられるポリシロキサンは、長鎖アルキル基を側鎖、あるいは両末端に有するものであり、融点が20℃以上のものであれば、そのアルキル鎖の炭素数や分子量には特に規定はない。融点が20℃未満であると皮膚に塗布した際、皮膚温によって溶解し、オイル状となり、流れ落ちやすく、べたつき、皮膚に残存しにくく、デオドラント剤の有効成分を皮膚上に持続的にとどめおくことができない。ここで「融点」とは、DSCの昇温測定における吸熱ピークの頂点をいう。
尚、本発明において、長鎖アルキル基とは、平均炭素数16以上のものをいい、平均炭素数30以上のものが好ましく、平均炭素数40〜70のものが更に好ましい。
【0011】
本発明で用いられるポリシロキサンの中で好ましいものは、融点60〜140 ℃で、長鎖アルキル基を分子両末端に有するものであり、下記式(I)で表される構造を有するポリシロキサンが特に好ましい。
【0012】
【化2】
Figure 0003563486
【0013】
(式中、n は、長鎖アルキル基の平均炭素数、即ち(n+1)が30以上となる数であり、m は0以上の数である。)
この場合において、m は0以上の数であれば特に限定されないが、好ましくは 100〜5,000 である。なぜなら、m が 100以上であると被膜の透湿性、柔軟性がさらに、良好となるためである。また、化合物の粘度による配合性も、5,000 以下が良好である。同様の理由により mは、さらに好ましくは 200〜5,000 である。
【0014】
本発明で用いられるポリシロキサンは、ケイ素−水素結合を有するポリジメチルシロキサンに白金等の触媒存在下、1−オレフィンを反応させることにより製造することができる。しかし、この合成法で上記一般式(I)で表されるような両末端に長鎖アルキル基を有するポリシロキサンを合成すると、高融点の長鎖アルキル変性ポリジメチルシロキサンは得られにくい。即ち、上記一般式(I)で表されるような両末端に長鎖アルキル基を有するポリシロキサンは、分子両末端に水素原子を有するポリシロキサンを原料とし、白金等の触媒存在下、1−オレフィンを反応させて得られるが、原料となる1−オレフィンの分子量に制限を受けるため、例えば融点60℃以上のような高融点の長鎖アルキル変性ポリジメチルシロキサンは得られにくい。また、高分子量1−オレフィンを用いれば、残存した1−オレフィン、触媒の除去も困難であるため、上記のような合成法は好ましくない。従って、上記一般式(I)で表されるような両末端に長鎖アルキル基を有するポリシロキサンは、本発明者らが見出し、既に特許出願した特願平6−69478 号明細書に記載の長鎖アルキル変性ポリシロキサンの合成法に従って合成するのが好ましい。即ち、エチレンのリビング重合の後に得られるリビングポリエチレンに環状シロキサンを反応させ、更に環状ポリジメチルシロキサン、末端にシラノール基を有する鎖状ポリジメチルシロキサンまたはこれらの混合物を触媒存在下、重合することにより、両末端に長鎖アルキル基を有するポリジメチルシロキサンを再現性よく合成できる。
【0015】
このようにして合成された両末端に長鎖アルキル基を有するポリシロキサンは、両末端に融点の高い結晶性アルキル基を有することで、気温の高い時期の流れ落ちに耐え、デオドラント剤の有効成分を皮膚上に長時間定着させることができる。また、両末端部分にのみ長鎖アルキル基を持つことから、ガスや水蒸気の透過性の高いシロキサン部分を、高い割合で分子中に持つことができ、皮膚呼吸、皮膚の乾燥を妨げないという特徴も有する。従って、本発明においては、このような両末端に長鎖アルキル基を有するポリシロキサンが特に好ましい。
【0016】
本発明に用いられる、長鎖アルキル基を有する融点20℃以上のポリシロキサン中の長鎖アルキル基部分の割合は合計で 0.5〜40重量%が好ましく、1〜40重量%が更に好ましい。この割合が、40重量%を超える場合、被膜の透湿性、柔軟性が悪化し、0.5 重量%未満であると特に高温時、皮脂などによって流れ落ちやすく、べたつき、皮膚に残存しにくくなる。
【0017】
本発明のデオドラント剤中の、長鎖アルキル基を有する融点20℃以上のポリシロキサンの配合量は、使用形態、配合形態によって異なるが、0.01〜99重量%の範囲であり、好ましくは1〜70重量%の範囲である。この配合量が0.01重量%未満ではデオドラント剤中に含まれる有効成分を皮膚上に持続的にとどめておくことができず、消臭効果の持続性が得られず、99重量%を超えると有効成分の配合量が少なくなり消臭効果が得られにくくなる。
【0018】
本発明のデオドラント剤は、公知の任意成分を配合することができ、それぞれの成分を持続的に皮膚上にとどめおき、高温時、発汗時などの苛酷な条件においても消臭効果を長時間にわたって持続することが可能である。配合成分の具体例としてはアルミニウムヒドロキシクロライド、フェノールスルホン酸亜鉛などの収斂剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロロカルバニリド、サニゾールなどの殺菌剤、タルク、ラウロイルリジン(アミホープ、味の素(株)製)、ナイロンパウダーなどの粉体などが挙げられる。
【0019】
また、本発明のデオドラント剤は、塩基性物質を含むことで体臭の原因となる有機酸を被膜中に捕捉し、高いデオドラント効果が得られる。塩基性物質の例としては酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などの無機物、キトサン等のアミノ基を有する有機化合物などが挙げられる。本発明のデオドラント剤中の塩基性物質の配合量は、消臭効果及び配合安定性を考慮すると、0.1 〜70重量%程度が好ましい。
【0020】
また、上記塩基性物質の代わりに、本発明者らの発明に係わる特願平6−62401 号明細書に記載されている、塩基及び酸物質を内部に捕捉できる、塩基性多糖と反応性ビニル基を有する有機酸又はその塩の重合体とからなる平均粒径50μm 以下の両性の多孔性微粒子を、本発明のデオドラント剤中に配合することで、高い消臭効果を極めて長時間持続させることができ、好ましい。この機構は明らかではないが、長鎖アルキル基を有する融点20℃以上の変性ポリシロキサンの形成する柔軟かつ疎水性の被膜中に両性の多孔性微粒子が分散し、油性である有機酸が被膜中に拡散し、両性の多孔性微粒子によって捕捉されるものと考えられる。この疎水性被膜は汗、外部からの水分に強く、透湿度も高いため、腋、足、首筋、胸といった常に高温多湿環境の部位への使用、夏期の水泳、運動時の使用に特に優れたデオドラント効果を示す。
この両性の多孔性微粒子はキトサンをはじめとするアミノ基を有する塩基性多糖とメタクリル酸をはじめとする反応性ビニル基を有する有機酸モノマーの水溶液を疎水性溶媒中で乳化あるいは懸濁重合することによって得られる。
【0021】
本発明のデオドラント剤中における両性の多孔性微粒子の配合量は、消臭効果及び配合安定性を考慮すると、0.1 〜70重量%程度が好ましい。
本発明のデオドラント剤は、他の成分として、界面活性剤、アルコール、水、その他油性原料などを配合することができるが、配合量、配合方法は本発明の効果を損なわない程度に定められる。
【0022】
本発明のデオドラント剤は、前述の長鎖アルキル基を有する融点20℃以上のポリシロキサン及びその他の成分を混合、攪拌することによって得られるが、場合によっては加熱溶解することも必要である。
本発明のデオドラント剤は、スティック、スプレー、ミストスプレー、ロールオン、クリーム、乳液などの形態で用いられる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって、なんら制限されるものではない。
【0024】
合成例1(両末端長鎖アルキル変性ポリシロキサンの合成例)
窒素置換した1リットルのオートクレーブに乾燥シクロヘキサン 400ml、テトラメチルエチレンジアミン3ml、n−ブチルリチウム (1.6mol/リットル)12.5ml(0.02mol)を仕込み、反応系の温度を30℃、エチレンガス導入圧力を2kg/cmに保ちながら、エチレンガスを 8.2リットル導入した。その後、エチレンガスを除去、窒素置換した。あらかじめ、1リットルのナスフラスコにオクタメチルシクロテトラシロキサン11.8g、乾燥シクロヘキサン10ml溶液を用意しておき、前述の重合混合物を窒素気流下、滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応させた後、反応混合物を2リットルのメタノールに投入した。1時間攪拌した後、減圧濾過にて生成した固体を集め、50℃のオーブンにて真空下に24時間乾燥し、白色ワックス状固体を得た。生成物の収量は12.0g、GPC分析(Waters社製、オルトジクロロベンゼン、 135℃、ポリエチレン標準サンプルで較正)の結果、数平均分子量は 610、分子量分布は1.03であった。
H−NMR分析 (Bruker社製、200MHz、クロロホルム−d、50℃、標準はTMSを用いた。) の結果、−0.05ppm(シングレット) にシリル基に結合しているメチル基、0.4ppm (トリプレット) にシリル基に結合しているメチレン基、0.8ppm (トリプレット) に開始末端メチル基、1.2ppm付近に主鎖のメチレン基のシグナルが観察された。各々のシグナルの積分比から、末端シラノール基導入率99%であることがわかった。また、シロキサンユニットの導入数はエチレン末端当り 1.4個であった。
【0025】
次にコンデンサを取付けた1リットルのセパラブルフラスコに、合成した末端シラノール基ポリエチレン12.0g、オクタメチルシクロテトラシロキサン88g、トルエン 100mlを入れ、トルエンが還流するまでオイルバス上で加熱した。全ての原料が均一に溶解したところで水酸化カリウム0.01gを加え、そのまま48時間還流を続けた。その後、1Nアルコール性塩酸溶液0.18mlを加え、十分に攪拌を行った。水を加え、pHが7であることを確認し、水によって生成した無機塩を抽出した。加熱したまま水洗を三度行い、コンデンサの代わりにディーンスターク管を取付け、完全に脱水するまでトルエン還流を行った。トルエンを留去し、ゴム状の白色ワックスを得た。生成物の収量は96gであった。
GPC分析(Waters社製、オルトジクロロベンゼン、 135℃、ポリスチレン換算)の結果、重量平均分子量は18600 、分子量分布は2.03であった。
【0026】
H−NMR分析 (Bruker社製、200MHz、クロロホルム−d、50℃、標準はTMSを用いた。) の結果、−0.05ppm(シングレット) にシリル基に結合しているメチル基、0.4ppm (トリプレット) にシリル基に結合しているメチレン基、0.8ppm (トリプレット) に開始末端メチル基、1.2ppm付近にポリエチレン鎖のメチレン基のシグナルが観察された。各々のシグナルの積分比から、ポリエチレン部分とシロキサン部分の重量比は10:90であることがわかった。
DSCの昇温測定から融点(吸熱ピークの頂点)は92℃であった。
【0027】
合成例2(側鎖アルキル変性ポリシロキサンの合成例)
コンデンサを取付けた1リットルのセパラブルフラスコに、メチルハイドロジェン変性ポリシロキサン(チッソ(株)製 PS120 Mw=2270) 79gとダイアレン18(三菱化成(株)製、1−オクタデセン)20g、トルエン 100mlを仕込み、塩化白金酸を白金換算で100ppm加え、80℃で24時間反応させた。エタノールを用いる再沈精製を2度行った後、やや褐色の柔らかいワックスを得た。収量は99g、融点は23℃であった。H−NMR分析、IR分析の結果、末端ハイドロジェン残存率は0%、オレフィンの残存率は1%であった。
【0028】
合成例3(両末端アルキル変性ポリシロキサンの合成例)
コンデンサを取付けた1リットルのセパラブルフラスコに、末端ハイドロジェン変性ポリシロキサン(チッソ(株)製 PS537, Mw=440)38gとダイアレン 208(三菱化成(株)製, C20−28以上のα−オレフィン混合物)74g、トルエン 100mlを仕込み、塩化白金酸を白金換算で100ppm加え、80℃で24時間反応させた。再沈精製後、やや褐色の柔らかいワックスを得た。収量は98g、融点は42℃であった。H−NMR分析、IR分析の結果、末端ハイドロジェン残存率は1%、オレフィンの残存率は8%であった。
【0029】
試験例1
上記合成例1〜3で得られた変性ポリシロキサン、或いは比較としてパラフィンワックス(融点68℃、日本精蝋製)を、ワックス成分として用い、表1の組成により懸濁液状組成物を調製した。これらの懸濁液状組成物を、なめし革に塗布し、37℃でなめし革で表面を摩擦したときの残存率の測定と表面の状態を観察した。また、セロハン膜の上に塗布し、透湿度(単位はg/m−24hr/10μm 、吸湿剤として塩化カルシウムを使用、25℃、65%RH下で測定した。)を測定した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003563486
【0031】
合成例4(両性多孔性微粒子の合成例)
市販のキトサン(甲陽ケミカル(株)製SK−10、脱アセチル化度85〜88%、重量平均分子量130000) 80gに水を加えて 900gとし、これにメタクリル酸34.6g(キトサンの単糖ユニットに対して等モル量)を加え、60℃で攪拌させながら溶解させ、キトサン/メタクリル酸水溶液を調製した。これに、過硫酸カリウム3gをイオン交換水 100gに溶かしたものを加え、常温で数分攪拌した。
【0032】
このキトサン溶液にソルビタンモノラウレートの 1.0重量%シクロヘキサン溶液を5/5の割合(容積比)で混合し、ホモジナイザーで高速攪拌(15000rpm) を行うことで、W/Oエマルションとした。
【0033】
次に、70℃2時間重合反応を行った後、常温に冷却し、5倍モル量(容積)のエタノール中に攪拌しながら滴下し、30分攪拌した後、凝集物をデカンテーションで取り除き、エタノールに浸漬/攪拌した後にヌッチェ濾過をする工程を3回繰り返し、真空乾燥を行うことにより微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒径は12μm 、形態は真球状、比表面積は50m/gであった。
【0034】
実施例1
合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロキサン、合成例4にて合成した両性多孔性微粒子を用いて、表2の組成によりデオドラントスティックを調製した。
【0035】
【表2】
Figure 0003563486
【0036】
実施例2, 3
合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロキサンの代わりに、合成例2にて合成した側鎖アルキル変性ポリシロキサン、合成例3にて合成した両末端アルキル変性ポリシロキサンを使用すること以外は実施例1と同様の製法により、デオドラントスティックを調製した。
【0037】
実施例4
合成例4にて合成した両性多孔性微粒子の代わりに、ナイロン粉体表面に微粒子酸化亜鉛を下記の方法で付着させたもの(以下ハイブリッド酸化亜鉛と言う)を使用すること以外は実施例1と同様の製法により、デオドラントスティックを調製した。
【0038】
<ハイブリッド酸化亜鉛の調製法>
比表面積75m/gの微粒子酸化亜鉛(FINEX−75, 堺化学社製)90gに対して、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(KF−9901)10gをエアーブレンダー(エアー温度50℃)を用いて混合した。次に、80℃で1時間一次加熱処理をし、引き続き105 ℃に昇温したのち、更に1時間加熱処理をした。次にこのシリコーン処理した微粒子酸化亜鉛6gと平均粒径6μm の6ナイロン粉体24gをハイブリダイザー(NHS−O)を用いて回転数12000rpm、2分間処理を行い、ハイブリッド酸化亜鉛を得た。
【0039】
比較例1
合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロキサンの代わりに、パラフィンワックス(融点68℃、日本精蝋製)を使用すること以外は実施例1と同様の製法により、デオドラントスティックを調製した。
【0040】
試験例2
実施例1〜4及び比較例1で調製したデオドラントスティックについて下記の方法により消臭効果の試験を行った。結果を表3に示す。
<試験方法>
健常な男性(20〜40歳) から腋あるいは足の臭いの強い人を、専門パネラー4人の評価により選び、試験を行った。午前9時にパネラー4人により官能評価を行い、評価後各例で調製したデオドラントスティックを左右いずれかの局部に適量塗布し、塗布直後と1時間後、8時間後に評価を行った、また、比較のために合成例4にて合成した両性多孔性微粒子及びハイブリッド酸化亜鉛のみについても同様に評価を行った。評価は下記の6段階評価を用い、専門パネラー4名が行った。また、8時間後に塗布面外観の観察を行った。
評価基準
0:臭わない
1:微かに臭う
2:臭うが弱い
3:はっきりと臭う
4:強く臭う
5:非常に強く臭う
【0041】
【表3】
Figure 0003563486
【0042】
実施例5
合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロキサン、合成例4にて合成した両性多孔性微粒子を用いて、以下の表4の組成の原液を調製し、この原液を10重量%、LPGガスを90重量%用いてスプレー缶に充填して、デオドラントスプレーを調製した。
【0043】
【表4】
Figure 0003563486
【0044】
実施例6, 7
合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロキサンの代わりに、合成例2にて合成した側鎖アルキル変性ポリシロキサン、合成例3にて合成した両末端アルキル変性ポリシロキサンを使用すること以外は実施例5と同様の製法により、デオドラントスプレーを調製した。
【0045】
実施例8
合成例4にて合成した両性多孔性微粒子の代わりに、実施例4記載のハイブリッド酸化亜鉛を使用すること以外は実施例5と同様の製法により、デオドラントスプレーを調製した。
【0046】
比較例2
合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロキサンの代わりに、パラフィンワックス(融点68℃、日本精蝋製)を使用すること以外は実施例5と同様の製法により、デオドラントスプレーを調製した。
【0047】
試験例3
実施例5〜8及び比較例2で調製したデオドラントスプレーについて消臭効果の試験を行った。試験方法は試験例2と同様である。試験結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
Figure 0003563486

Claims (4)

  1. 式(I)で表される、両末端に長鎖アルキル基を有する、融点60 140 のポリシロキサンを0.01〜99重量%含有することを特徴とするデオドラント剤。
    Figure 0003563486
    (式中、 n は長鎖アルキル基の平均炭素数、即ち( n +1)が 40 70 となる数であり、 m 100 5,000 の数である。)
  2. ポリシロキサン中の長鎖アルキル基部分の割合が合計で 0.5〜40重量%であることを特徴とする請求項記載のデオドラント剤。
  3. 金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のデオドラント剤。
  4. 塩基性多糖と、反応性ビニル基を有する有機酸又はその塩の重合体とからなる平均粒径50μm 以下の両性の多孔性微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のデオドラント剤。
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