JPH08295619A - デオドラント剤 - Google Patents

デオドラント剤

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JPH08295619A
JPH08295619A JP11575395A JP11575395A JPH08295619A JP H08295619 A JPH08295619 A JP H08295619A JP 11575395 A JP11575395 A JP 11575395A JP 11575395 A JP11575395 A JP 11575395A JP H08295619 A JPH08295619 A JP H08295619A
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deodorant
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康志 伊藤
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元一 中村
Yoshihiro Hasebe
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Yasuhisa Fukumoto
泰久 福本
Makoto Furukawa
真 古川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚に適用した際に、皮膚呼吸、水蒸気の蒸
散を妨げず、有効成分を皮膚上に持続的にとどめておく
性質を有する被膜を形成し、有効成分の飛散、流れ落ち
を防止することのできる、消臭効果の持続性に優れたデ
オドラント剤の提供。 【構成】 長鎖アルキル基を有する融点20℃以上のポリ
シロキサン、特に長鎖アルキル基を分子両末端に有する
融点60〜140 ℃のポリシロキサンを0.01〜99重量%含有
するデオドラント剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不快な体臭を効果的に消
臭せしめることのできるデオドラント剤に関し、詳しく
は、皮膚に適用したとき、デオドラント剤中に含まれる
有効成分を皮膚上に持続的にとどめておくための成分と
して特定のポリシロキサンを含有する、消臭効果の持続
性に優れたデオドラント剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】腋臭、
足臭、汗臭等の体臭は不快な臭気であり、これを持つ者
にとっては非常に大きな悩みである。このような体臭を
効果的に消臭するために、デオドラント剤が用いられて
いる。
【0003】デオドラント剤が高い消臭効果を得るため
には、有効成分を皮膚上に保持しておくことが重要であ
るが、従来のパウダースプレー型やロールオン型のデオ
ドラント剤は、水、アルコール、オイルなどに、デオド
ラント剤有効成分を溶解又は混和したものであったた
め、汗や皮脂により有効成分が流れやすく、感触的にも
べたつき、拡散しやすいもので、デオドラント剤中の有
効成分を皮膚上に長時間とどめておくことは困難であっ
た。
【0004】一方、スティック型のデオドラント剤は、
パラフィンワックス、ワセリンなどの常温で固体或いは
半固体状である化合物が有効成分の油剤として用いられ
ているが、これらは有効成分を皮膚上に保持する効果に
おいては優れているものの、感触に難があり、さらに、
皮膚呼吸や水蒸気の蒸散を妨げ、特に夏期などの高温時
には皮膚に悪影響を及ぼすという欠点があった。
【0005】また、シリコーンオイルが、最近、デオド
ラント剤などを皮膚に塗布するための油剤として用いら
れるようになってきた(特開平5−255056号公報等)。
これは、分子間力が極めて低いことから生じるすべり感
といった感触の向上が主な理由である。また、シリコー
ンオイルはガスや水蒸気の透過性が高いため、上記のワ
ックス類で生じた、皮膚呼吸、水蒸気の蒸散を妨げると
いった問題が起こらないと考えられる。しかしながら、
シリコーンオイルは表面張力が低いため、皮膚上で拡散
しやすく、有効成分の持続性に乏しかった。
【0006】更に、特開平5−194183号、特開平6−93
67号公報などには長鎖アルキル基を有するポリシロキサ
ンを用いてスキンケア剤に応用している例が開示されて
いる。これらはアルキル基の結晶性を利用して、特開平
5−194183号公報では複数のポリシロキサンを用いる混
合物、特開平6−9367号公報では両末端にアルキル基を
有するポリシロキサン単独で、乾燥皮膚からの水分の蒸
散を抑える働きをするものであった。しかし、特に夏期
の汗をかきやすい時期に使用されるデオドラント剤にこ
のような従来公報に記載されているポリシロキサンを用
いると、融点が低く、体温付近でオイル状となり、感触
もべたつく上に、高温時の有効成分の皮膚表面への保持
の持続性が乏しくなるという問題があった。
【0007】従って、本発明の課題は、皮膚に適用した
際に、皮膚呼吸、水蒸気の蒸散を妨げず、有効成分を皮
膚上に持続的にとどめておく性質を有する被膜を形成
し、有効成分の飛散、流れ落ちを防止することのでき
る、消臭効果の持続性に優れたデオドラント剤を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、特定のポリシロキサ
ンを含有するデオドラント剤が、上記課題を解決しうる
ことを見い出し、本発明を完成するに到った。即ち、本
発明は、長鎖アルキル基を有する、融点20℃以上のポリ
シロキサンを0.01〜99重量%含有することを特徴とする
デオドラント剤を提供するものである。
【0009】因みに、本発明に使用されるポリシロキサ
ンは、シリコーンの高い水蒸気透過性をうまく利用し、
有効成分を皮膚上に持続的にとどめておく性質を有する
が、水分の蒸散を妨げないという点で上記従来公報の特
開平5−194183号や、特開平6−9367号公報に開示され
ているポリシロキサンとは峻別される。
【0010】本発明で用いられるポリシロキサンは、長
鎖アルキル基を側鎖、あるいは両末端に有するものであ
り、融点が20℃以上のものであれば、そのアルキル鎖の
炭素数や分子量には特に規定はない。融点が20℃未満で
あると皮膚に塗布した際、皮膚温によって溶解し、オイ
ル状となり、流れ落ちやすく、べたつき、皮膚に残存し
にくく、デオドラント剤の有効成分を皮膚上に持続的に
とどめおくことができない。ここで「融点」とは、DS
Cの昇温測定における吸熱ピークの頂点をいう。尚、本
発明において、長鎖アルキル基とは、平均炭素数16以上
のものをいい、平均炭素数30以上のものが好ましく、平
均炭素数40〜70のものが更に好ましい。
【0011】本発明で用いられるポリシロキサンの中で
好ましいものは、融点60〜140 ℃で、長鎖アルキル基を
分子両末端に有するものであり、下記式(I)で表され
る構造を有するポリシロキサンが特に好ましい。
【0012】
【化2】
【0013】(式中、n は、長鎖アルキル基の平均炭素
数、即ち(n+1)が30以上となる数であり、m は0以上
の数である。) この場合において、m は0以上の数であれば特に限定さ
れないが、好ましくは100〜5,000 である。なぜなら、m
が 100以上であると被膜の透湿性、柔軟性がさらに、
良好となるためである。また、化合物の粘度による配合
性も、5,000 以下が良好である。同様の理由により m
は、さらに好ましくは 200〜5,000 である。
【0014】本発明で用いられるポリシロキサンは、ケ
イ素−水素結合を有するポリジメチルシロキサンに白金
等の触媒存在下、1−オレフィンを反応させることによ
り製造することができる。しかし、この合成法で上記一
般式(I)で表されるような両末端に長鎖アルキル基を
有するポリシロキサンを合成すると、高融点の長鎖アル
キル変性ポリジメチルシロキサンは得られにくい。即
ち、上記一般式(I)で表されるような両末端に長鎖ア
ルキル基を有するポリシロキサンは、分子両末端に水素
原子を有するポリシロキサンを原料とし、白金等の触媒
存在下、1−オレフィンを反応させて得られるが、原料
となる1−オレフィンの分子量に制限を受けるため、例
えば融点60℃以上のような高融点の長鎖アルキル変性ポ
リジメチルシロキサンは得られにくい。また、高分子量
1−オレフィンを用いれば、残存した1−オレフィン、
触媒の除去も困難であるため、上記のような合成法は好
ましくない。従って、上記一般式(I)で表されるよう
な両末端に長鎖アルキル基を有するポリシロキサンは、
本発明者らが見出し、既に特許出願した特願平6−6947
8 号明細書に記載の長鎖アルキル変性ポリシロキサンの
合成法に従って合成するのが好ましい。即ち、エチレン
のリビング重合の後に得られるリビングポリエチレンに
環状シロキサンを反応させ、更に環状ポリジメチルシロ
キサン、末端にシラノール基を有する鎖状ポリジメチル
シロキサンまたはこれらの混合物を触媒存在下、重合す
ることにより、両末端に長鎖アルキル基を有するポリジ
メチルシロキサンを再現性よく合成できる。
【0015】このようにして合成された両末端に長鎖ア
ルキル基を有するポリシロキサンは、両末端に融点の高
い結晶性アルキル基を有することで、気温の高い時期の
流れ落ちに耐え、デオドラント剤の有効成分を皮膚上に
長時間定着させることができる。また、両末端部分にの
み長鎖アルキル基を持つことから、ガスや水蒸気の透過
性の高いシロキサン部分を、高い割合で分子中に持つこ
とができ、皮膚呼吸、皮膚の乾燥を妨げないという特徴
も有する。従って、本発明においては、このような両末
端に長鎖アルキル基を有するポリシロキサンが特に好ま
しい。
【0016】本発明に用いられる、長鎖アルキル基を有
する融点20℃以上のポリシロキサン中の長鎖アルキル基
部分の割合は合計で 0.5〜40重量%が好ましく、1〜40
重量%が更に好ましい。この割合が、40重量%を超える
場合、被膜の透湿性、柔軟性が悪化し、0.5 重量%未満
であると特に高温時、皮脂などによって流れ落ちやす
く、べたつき、皮膚に残存しにくくなる。
【0017】本発明のデオドラント剤中の、長鎖アルキ
ル基を有する融点20℃以上のポリシロキサンの配合量
は、使用形態、配合形態によって異なるが、0.01〜99重
量%の範囲であり、好ましくは1〜70重量%の範囲であ
る。この配合量が0.01重量%未満ではデオドラント剤中
に含まれる有効成分を皮膚上に持続的にとどめておくこ
とができず、消臭効果の持続性が得られず、99重量%を
超えると有効成分の配合量が少なくなり消臭効果が得ら
れにくくなる。
【0018】本発明のデオドラント剤は、公知の任意成
分を配合することができ、それぞれの成分を持続的に皮
膚上にとどめおき、高温時、発汗時などの苛酷な条件に
おいても消臭効果を長時間にわたって持続することが可
能である。配合成分の具体例としてはアルミニウムヒド
ロキシクロライド、フェノールスルホン酸亜鉛などの収
斂剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロロカル
バニリド、サニゾールなどの殺菌剤、タルク、ラウロイ
ルリジン(アミホープ、味の素(株)製)、ナイロンパ
ウダーなどの粉体などが挙げられる。
【0019】また、本発明のデオドラント剤は、塩基性
物質を含むことで体臭の原因となる有機酸を被膜中に捕
捉し、高いデオドラント効果が得られる。塩基性物質の
例としては酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化
物などの無機物、キトサン等のアミノ基を有する有機化
合物などが挙げられる。本発明のデオドラント剤中の塩
基性物質の配合量は、消臭効果及び配合安定性を考慮す
ると、0.1 〜70重量%程度が好ましい。
【0020】また、上記塩基性物質の代わりに、本発明
者らの発明に係わる特願平6−62401 号明細書に記載さ
れている、塩基及び酸物質を内部に捕捉できる、塩基性
多糖と反応性ビニル基を有する有機酸又はその塩の重合
体とからなる平均粒径50μm以下の両性の多孔性微粒子
を、本発明のデオドラント剤中に配合することで、高い
消臭効果を極めて長時間持続させることができ、好まし
い。この機構は明らかではないが、長鎖アルキル基を有
する融点20℃以上の変性ポリシロキサンの形成する柔軟
かつ疎水性の被膜中に両性の多孔性微粒子が分散し、油
性である有機酸が被膜中に拡散し、両性の多孔性微粒子
によって捕捉されるものと考えられる。この疎水性被膜
は汗、外部からの水分に強く、透湿度も高いため、腋、
足、首筋、胸といった常に高温多湿環境の部位への使
用、夏期の水泳、運動時の使用に特に優れたデオドラン
ト効果を示す。この両性の多孔性微粒子はキトサンをは
じめとするアミノ基を有する塩基性多糖とメタクリル酸
をはじめとする反応性ビニル基を有する有機酸モノマー
の水溶液を疎水性溶媒中で乳化あるいは懸濁重合するこ
とによって得られる。
【0021】本発明のデオドラント剤中における両性の
多孔性微粒子の配合量は、消臭効果及び配合安定性を考
慮すると、0.1 〜70重量%程度が好ましい。本発明のデ
オドラント剤は、他の成分として、界面活性剤、アルコ
ール、水、その他油性原料などを配合することができる
が、配合量、配合方法は本発明の効果を損なわない程度
に定められる。
【0022】本発明のデオドラント剤は、前述の長鎖ア
ルキル基を有する融点20℃以上のポリシロキサン及びそ
の他の成分を混合、攪拌することによって得られるが、
場合によっては加熱溶解することも必要である。本発明
のデオドラント剤は、スティック、スプレー、ミストス
プレー、ロールオン、クリーム、乳液などの形態で用い
られる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって、なんら制
限されるものではない。
【0024】合成例1(両末端長鎖アルキル変性ポリシ
ロキサンの合成例) 窒素置換した1リットルのオートクレーブに乾燥シクロ
ヘキサン 400ml、テトラメチルエチレンジアミン3ml、
n−ブチルリチウム (1.6mol/リットル)12.5ml(0.02m
ol)を仕込み、反応系の温度を30℃、エチレンガス導入
圧力を2kg/cm2に保ちながら、エチレンガスを 8.2リ
ットル導入した。その後、エチレンガスを除去、窒素置
換した。あらかじめ、1リットルのナスフラスコにオク
タメチルシクロテトラシロキサン11.8g、乾燥シクロヘ
キサン10ml溶液を用意しておき、前述の重合混合物を窒
素気流下、滴下した。滴下終了後、30℃で1時間反応さ
せた後、反応混合物を2リットルのメタノールに投入し
た。1時間攪拌した後、減圧濾過にて生成した固体を集
め、50℃のオーブンにて真空下に24時間乾燥し、白色ワ
ックス状固体を得た。生成物の収量は12.0g、GPC分
析(Waters社製、オルトジクロロベンゼン、 135℃、ポ
リエチレン標準サンプルで較正)の結果、数平均分子量
は 610、分子量分布は1.03であった。1H-NMR分析 (Bruk
er社製、200MHz、クロロホルム−d、50℃、標準はTM
Sを用いた。) の結果、−0.05ppm(シングレット) にシ
リル基に結合しているメチル基、0.4ppm (トリプレッ
ト) にシリル基に結合しているメチレン基、0.8ppm (ト
リプレット) に開始末端メチル基、1.2ppm付近に主鎖の
メチレン基のシグナルが観察された。各々のシグナルの
積分比から、末端シラノール基導入率99%であることが
わかった。また、シロキサンユニットの導入数はエチレ
ン末端当り 1.4個であった。
【0025】次にコンデンサを取付けた1リットルのセ
パラブルフラスコに、合成した末端シラノール基ポリエ
チレン12.0g、オクタメチルシクロテトラシロキサン88
g、トルエン 100mlを入れ、トルエンが還流するまでオ
イルバス上で加熱した。全ての原料が均一に溶解したと
ころで水酸化カリウム0.01gを加え、そのまま48時間還
流を続けた。その後、1Nアルコール性塩酸溶液0.18ml
を加え、十分に攪拌を行った。水を加え、pHが7である
ことを確認し、水によって生成した無機塩を抽出した。
加熱したまま水洗を三度行い、コンデンサの代わりにデ
ィーンスターク管を取付け、完全に脱水するまでトルエ
ン還流を行った。トルエンを留去し、ゴム状の白色ワッ
クスを得た。生成物の収量は96gであった。GPC分析
(Waters社製、オルトジクロロベンゼン、 135℃、ポリ
スチレン換算)の結果、重量平均分子量は18600 、分子
量分布は2.03であった。
【0026】1H-NMR分析 (Bruker社製、200MHz、クロロ
ホルム−d、50℃、標準はTMSを用いた。) の結果、
−0.05ppm(シングレット) にシリル基に結合しているメ
チル基、0.4ppm (トリプレット) にシリル基に結合して
いるメチレン基、0.8ppm (トリプレット) に開始末端メ
チル基、1.2ppm付近にポリエチレン鎖のメチレン基のシ
グナルが観察された。各々のシグナルの積分比から、ポ
リエチレン部分とシロキサン部分の重量比は10:90であ
ることがわかった。DSCの昇温測定から融点(吸熱ピ
ークの頂点)は92℃であった。
【0027】合成例2(側鎖アルキル変性ポリシロキサ
ンの合成例) コンデンサを取付けた1リットルのセパラブルフラスコ
に、メチルハイドロジェン変性ポリシロキサン(チッソ
(株)製 PS120 Mw=2270) 79gとダイアレン18(三菱
化成(株)製、1−オクタデセン)20g、トルエン 100
mlを仕込み、塩化白金酸を白金換算で100ppm加え、80℃
で24時間反応させた。エタノールを用いる再沈精製を2
度行った後、やや褐色の柔らかいワックスを得た。収量
は99g、融点は23℃であった。1H-NMR分析、IR分析の結
果、末端ハイドロジェン残存率は0%、オレフィンの残
存率は1%であった。
【0028】合成例3(両末端アルキル変性ポリシロキ
サンの合成例) コンデンサを取付けた1リットルのセパラブルフラスコ
に、末端ハイドロジェン変性ポリシロキサン(チッソ
(株)製 PS537, Mw=440)38gとダイアレン 208
(三菱化成(株)製, C20−28以上のα−オレフ
ィン混合物)74g、トルエン 100mlを仕込み、塩化白金
酸を白金換算で100ppm加え、80℃で24時間反応させた。
再沈精製後、やや褐色の柔らかいワックスを得た。収量
は98g、融点は42℃であった。1H-NMR分析、IR分析の結
果、末端ハイドロジェン残存率は1%、オレフィンの残
存率は8%であった。
【0029】試験例1 上記合成例1〜3で得られた変性ポリシロキサン、或い
は比較としてパラフィンワックス(融点68℃、日本精蝋
製)を、ワックス成分として用い、表1の組成により懸
濁液状組成物を調製した。これらの懸濁液状組成物を、
なめし革に塗布し、37℃でなめし革で表面を摩擦したと
きの残存率の測定と表面の状態を観察した。また、セロ
ハン膜の上に塗布し、透湿度(単位はg/m2−24hr/10
μm 、吸湿剤として塩化カルシウムを使用、25℃、65%
RH下で測定した。)を測定した。その結果を表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】合成例4(両性多孔性微粒子の合成例) 市販のキトサン(甲陽ケミカル(株)製SK−10、脱アセ
チル化度85〜88%、重量平均分子量130000) 80gに水を
加えて 900gとし、これにメタクリル酸34.6g(キトサ
ンの単糖ユニットに対して等モル量)を加え、60℃で攪
拌させながら溶解させ、キトサン/メタクリル酸水溶液
を調製した。これに、過硫酸カリウム3gをイオン交換
水 100gに溶かしたものを加え、常温で数分攪拌した。
【0032】このキトサン溶液にソルビタンモノラウレ
ートの 1.0重量%シクロヘキサン溶液を5/5の割合
(容積比)で混合し、ホモジナイザーで高速攪拌(15
000rpm)を行うことで、W/Oエマルションとし
た。
【0033】次に、70℃2時間重合反応を行った後、
常温に冷却し、5倍モル量(容積)のエタノール中に攪
拌しながら滴下し、30分攪拌した後、凝集物をデカンテ
ーションで取り除き、エタノールに浸漬/攪拌した後に
ヌッチェ濾過をする工程を3回繰り返し、真空乾燥を行
うことにより微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒径
は12μm 、形態は真球状、比表面積は50m2/gであっ
た。
【0034】実施例1 合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロ
キサン、合成例4にて合成した両性多孔性微粒子を用い
て、表2の組成によりデオドラントスティックを調製し
た。
【0035】
【表2】
【0036】実施例2, 3 合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロ
キサンの代わりに、合成例2にて合成した側鎖アルキル
変性ポリシロキサン、合成例3にて合成した両末端アル
キル変性ポリシロキサンを使用すること以外は実施例1
と同様の製法により、デオドラントスティックを調製し
た。
【0037】実施例4 合成例4にて合成した両性多孔性微粒子の代わりに、ナ
イロン粉体表面に微粒子酸化亜鉛を下記の方法で付着さ
せたもの(以下ハイブリッド酸化亜鉛と言う)を使用す
ること以外は実施例1と同様の製法により、デオドラン
トスティックを調製した。
【0038】<ハイブリッド酸化亜鉛の調製法>比表面
積75m2/gの微粒子酸化亜鉛(FINEX-75, 堺化学社
製)90gに対して、メチルハイドロジェンシロキサン・
ジメチルシロキサン共重合体(KF-9901)10gをエアーブ
レンダー(エアー温度50℃)を用いて混合した。次に、
80℃で1時間一次加熱処理をし、引き続き105 ℃に昇温
したのち、更に1時間加熱処理をした。次にこのシリコ
ーン処理した微粒子酸化亜鉛6gと平均粒径6μm の6
ナイロン粉体24gをハイブリダイザー(NHS-O)を用いて
回転数12000rpm、2分間処理を行い、ハイブリッド酸化
亜鉛を得た。
【0039】比較例1 合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロ
キサンの代わりに、パラフィンワックス(融点68℃、日
本精蝋製)を使用すること以外は実施例1と同様の製法
により、デオドラントスティックを調製した。
【0040】試験例2 実施例1〜4及び比較例1で調製したデオドラントステ
ィックについて下記の方法により消臭効果の試験を行っ
た。結果を表3に示す。 <試験方法>健常な男性(20〜40歳) から腋あるいは足
の臭いの強い人を、専門パネラー4人の評価により選
び、試験を行った。午前9時にパネラー4人により官能
評価を行い、評価後各例で調製したデオドラントスティ
ックを左右いずれかの局部に適量塗布し、塗布直後と1
時間後、8時間後に評価を行った、また、比較のために
合成例4にて合成した両性多孔性微粒子及びハイブリッ
ド酸化亜鉛のみについても同様に評価を行った。評価は
下記の6段階評価を用い、専門パネラー4名が行った。
また、8時間後に塗布面外観の観察を行った。評価基準 0:臭わない 1:微かに臭う 2:臭うが弱い 3:はっきりと臭う 4:強く臭う 5:非常に強く臭う
【0041】
【表3】
【0042】実施例5 合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロ
キサン、合成例4にて合成した両性多孔性微粒子を用い
て、以下の表4の組成の原液を調製し、この原液を10重
量%、LPGガスを90重量%用いてスプレー缶に充填し
て、デオドラントスプレーを調製した。
【0043】
【表4】
【0044】実施例6, 7 合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロ
キサンの代わりに、合成例2にて合成した側鎖アルキル
変性ポリシロキサン、合成例3にて合成した両末端アル
キル変性ポリシロキサンを使用すること以外は実施例5
と同様の製法により、デオドラントスプレーを調製し
た。
【0045】実施例8 合成例4にて合成した両性多孔性微粒子の代わりに、実
施例4記載のハイブリッド酸化亜鉛を使用すること以外
は実施例5と同様の製法により、デオドラントスプレー
を調製した。
【0046】比較例2 合成例1にて合成した両末端長鎖アルキル変性ポリシロ
キサンの代わりに、パラフィンワックス(融点68℃、日
本精蝋製)を使用すること以外は実施例5と同様の製法
により、デオドラントスプレーを調製した。
【0047】試験例3 実施例5〜8及び比較例2で調製したデオドラントスプ
レーについて消臭効果の試験を行った。試験方法は試験
例2と同様である。試験結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 泰久 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 古川 真 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長鎖アルキル基を有する、融点20℃以上
    のポリシロキサンを0.01〜99重量%含有することを特徴
    とするデオドラント剤。
  2. 【請求項2】 ポリシロキサンが、融点60〜140 ℃であ
    り、長鎖アルキル基を分子両末端に有することを特徴と
    する請求項1記載のデオドラント剤。
  3. 【請求項3】 ポリシロキサン中の長鎖アルキル基部分
    の割合が合計で 0.5〜40重量%であることを特徴とする
    請求項1又は2記載のデオドラント剤。
  4. 【請求項4】 ポリシロキサンが式(I)で表される化
    合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載のデオド
    ラント剤。 【化1】 (式中、n は長鎖アルキル基の平均炭素数、即ち( n+
    1)が30以上となる数であり、m は0以上の数であ
    る。)
  5. 【請求項5】 式(I)における mが 100〜 5,000の数
    である請求項4記載のデオドラント剤。
  6. 【請求項6】 塩基性物質を含有することを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のデオドラント剤。
  7. 【請求項7】 塩基性多糖と、反応性ビニル基を有する
    有機酸又はその塩の重合体とからなる平均粒径50μm 以
    下の両性の多孔性微粒子を含有することを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか一項に記載のデオドラント剤。
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JP2014070043A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Mandom Corp デオドラント剤
JP2016216514A (ja) * 2016-09-28 2016-12-22 株式会社マンダム デオドラント剤
JP2016216515A (ja) * 2016-09-28 2016-12-22 株式会社マンダム デオドラント剤

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