JP3563129B2 - 有機光導電体ベルト用パッケージ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、有機光導電体(OPC)ベルトを採用する電子写真式(EP)プリンタに関し、更に詳細には、ユーザが使用OPCベルトを新しいOPCベルトと、新しいまたは交換OPCベルトのいずれにも触れずに交換することができる、OPCベルト用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
オフィスに使用する目的のEPプリンタはOPC皮膜を使用したOPCベルトまたはドラムを採用している。いずれの場合でも、OPCの寿命は多様な疲労要因のため限られている。たとえば、OPCの充電可能層は作像レーザビームに連続してさらされるため時間とともに劣化する。更に詳しく述べれば、OPC層の電気的特性は時間にしたがって変化し、そのため得られる影像の品質が低下する。このようなOPC層は一般に疲労しやすい解放層をも備えている。このためOPCから紙シートへのトナーの移行があまり効率良くなく、OPCの上にかすが残り、これが以後のコピーに影響する。
【0003】
EPプリンタのコストが下がるにつれて、一度は保守代行者によって行なわれた保守作業が今や顧客に委ねられている。たとえば、OPC被覆ドラムを採用しているEPプリンタの多数はドラムをトナー供給源や他の駆動機構と共にユーザ交換可能なカートリッジにまとめている。このようなまとめによりEPプリンタの動作を更に確実にすることができるが、交換カートリッジは高価であり、且つドラムをその使用可能寿命が終わる前に交換しなければならない。
【0004】
OPCベルトを採用しているプリンタでは交換目的でユーザがベルトに触れることができる。このような或るプリンタでは、使いきったベルトがカートリッジに入っていて完全なカートリッジが交換される。他のプリンタでは、使いきったベルトを交換プロセスで手で取り扱う必要があるが、このためユーザは交換プロセス中自分自身にトナーを浴びることになる。更に、ユーザが交換ベルトを手で取り扱うとその機能を損なうことがある。
【0005】
【発明の目的】
したがって、プリンタのOPCベルトを交換する簡単で手や周囲を汚さない方法がとれる交換OPCベルト用の改良されたパッケージを提供するのが本発明の目的である。
【0006】
本発明の他の目的は、ユーザが使いきったベルトを手で取り扱わずに取り外すことができる交換OPCベルト用の改良されたパッケージを提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、廉価で且つプリンタの他の機構の交換を必要とせずにベルトを交換することができる交換OPCベルト用の改良されたパッケージを提供することである。
【0008】
【発明の概要】
OPCベルトはこれを移動させるのに平行駆動ローラを採用しているEPプリンタに使用するようになっている。OPCベルト用パッケージは駆動ローラ上の使用済みOPCベルト上に挿入し得る形状をなす外部パッケージ部材を備えている。外部パッケージ部材は一旦それを使用済みベルト上に挿入されると使用OPCベルトに係合するくわえ爪を備えている。くわえ爪は外部パッケージ部材が駆動ローラとの係合から引き出されるとき使用OPCベルトとの係合を保持している。使用済みOPCベルトはしたがって駆動ローラから取り外されるが、外部パッケージ部材内に設置されたままになっている。内部パッケージ部材は外部パッケージ部材内に嵌合する形状をなし、交換OPCベルトを保持する。内部パッケージ部材は駆動ローラ上に差し込んで交換OPCベルトをその上に設置することができる。内部パッケージ部材は駆動ローラを移動して交換OPCベルトに張力を与えた状態で、駆動ローラとの係合から解放される大きさになっている。
【0009】
【実施例の説明】
図1を参照すると、側面ドアー(図示せず)を開いた後のEPプリンタの概略側面図が示されている。EPプリンタはトナーを現像器モジュール12に供給するためのトナー溜め10を備えている。OPCベルト14が駆動ローラ16および18の上に張られている。駆動ローラ16と18との間の距離はユーザがレバー機構(図示せず)を作動させることにより変えることができる。レバー機構を作動させると駆動ローラが互いに一層近ずくように引かれ、それによりOPCベルト14の張力が解放される。この緩め操作によりOPCベルト14を駆動ローラ16および18との係合から解除することができる。
【0010】
図2を参照すると、交換OPCベルトを保持するパッケージ20が示されている。パッケージ20は駆動ローラ16および18上に差し込み得る形状をなす外部パッケージ部材22を備えている(図1)。外部パッケージ部材22の内部に交換OPCベルトが入っている封止内部パッケージ部材がある。外部パッケージ部材22の一端26は閉じており、他の端はプルタブ30をユーザが作動させることにより取り外すことができるカバー28により封止されている。一対のフラップ32および34が外部パッケージ部材22の対向端から内側に弾力的に曲げられて延伸し、内部パッケージ部材24によりその曲がった位置に保持されている。
【0011】
図3に、内部パッケージ部材24が外部パッケージ部材22から部分的に取り出されて図示されている。一旦内部パッケージ部材24を外部パッケージ部材22から完全に取り出すと、外部パッケージ部材22を使用済みOPCベルト14を引き出すのに使用することができる。この機能を行なうには、外部パッケージ部材22を駆動ローラ16および18上に差し込み、フラップ32および34がOPCベルト14の最も内側の縁を越えるまでEPプリンタ内に押し込む。このとき、フラップ32および34の曲がり領域36および38は弾力的にその曲がった位置から下側に突出する位置まで回転する。フラップ32および34はしたがってOPCベルト14の上縁および下縁にそれぞれ係合し、くわえ爪として働いてOPCベルト14の取り外しを可能とする。
【0012】
駆動ローラ16および18の位置を制御するレバー機構をOPCベルト14を緩めるように操作すると取り外しが可能である。ユーザは次に外部パッケージ部材22を取り外し、フラップ32および34にOPCベルト14の上および下の最も内側の縁をともに掴ませる。これにより、外部パッケージ部材が取り外されるにつれて、OPCベルト14が駆動ローラ16および18から取り外される。
【0013】
図4Aに、使用済みOPCベルト14を取り外した直後の外部パッケージ部材22を示してある。フラップ部材32および34はOPCベルト14の縁と係合したままである。図4Bは線A−Aに沿って取った図4Aの断面図を示し、外部パッケージ部材22の内部の使用済みOPCベルト14の位置を示している。
【0014】
図5に示すとおり、内部パッケージ部材24はリップトップカバー40により封止されている。ユーザがプルタブ42を作動させるとリップトップカバー40を取り外すことができ、それにより交換OPCベルト44が露出する。図6ではOPCベルト44を部分的に取り外して示してある。
【0015】
交換OPCベルト44は(ローラ16および18がその緩んだ位置にあるとき)内部パッケージ部材24を差し込むことにより駆動ローラ16および18の上に設置されている。内部パッケージ部材24を完全に差し込んで、レバー機構を動作させ、駆動ローラ16および18がOPCベルト44に張力与えるまで動かす。内部パッケージ部材24の内部寸法はローラ16および18が張られているときOPCベルト44とパッケージの内面との間になお隙間が残るようになっている。これにより内部パッケージ部材24を取り外すことができ、OPCベルト44が所定位置に残る。
【0016】
上の説明は本発明を例示したにすぎないことを理解すべきである。当業者は本発明から逸脱することなく各種の代案および修正案を考えることができる。たとえば、本発明をEPプリンタに適用する場合を説明してきたが、本発明を交換可能OPCベルトを使用するどんな機械にも同等に適用することができる。そこで、以下に実施態様の幾つかを示す。
【0017】
(実施態様1)
有機光導電体(OPC)ベルト(44)をかけるための、対向した、平行な、駆動ローラ(16、18)を有するプリンタに使用する有機光導電体(OPC)ベルト(44)用パッケージ(20)であって、前記駆動ローラ(16、18)に設置されているOPCベルト(14)に嵌合してこれを取り巻く形状をなし、且つ、OPCベルト( 14 )が緩められているとき、外部パッケージ部材(22)をユーザが前記駆動ローラ(16、18)から引き出すと、前記OPCベルト(44)も前記駆動ローラ(16、18)から引き出されるように前記OPCベルト(14)と係合するベルト把握手段(32、34)を備えている外部パッケージ部材(22)、および前記外部パッケージ部材(22)にはまりこんで交換OPCベルト(44)を保持する形状をなし、更に前記駆動ローラ(16、18)の位置を緩めるように調整しているとき前記交換OPCベルト(44)を前記駆動ローラ(16、18)の上に設置するように前記駆動ローラ(16、18)に嵌合する形状をなす内部パッケージ部材(24)、から構成されているパッケージ(20)。
【0018】
(実施態様2)
前記ベルト把握手段(32、34)は前記外部パッケージ部材(22)が前記駆動ローラ(16、18)の上の前記OPCベルト(14)を完全に取り巻いているときにかぎり前記OPCベルト(14)に係合する実施態様1に記載のパッケージ(20)。
(実施態様3)前記OPCベルト(14)は、前記駆動ローラ(16、18)に係合しているとき、プリンタの奥側の最内部の縁とプリンタのドア側の最外部の縁とを見せ、前記最外部の縁は前記駆動ローラ(16、18)を取り巻くように前記外部パッケージ部材(22)を差し込み得るプリンタの開口に最も近く、前記ベルト把握手段は前記OPCベルト( 14 )の前記最内部の縁と係合する実施態様2に記載のパッケージ(20)。
【0019】
(実施態様4)
前記外部パッケージ部材(22)は前記OPCベルト(14)および駆動ローラ(16、18)に組み付けられ、前記OPCベルト( 14 )および駆動ローラ( 16 、 18 )の上を移動することができる開口端を備えており、前記ベルト把握手段(32、34)は前記内部パッケージ部材(24)が設置された取り付け領域(36)において前記開口端で前記パッケージ部材(22)の壁に接続され、前記内部パッケージ部材( 24 )によって弾力で曲げられた位置に保持されている対向フラップを備えており、前記駆動ローラ( 16 、 18 )への各取り付け領域(36)は前記フラップを隣接壁から弾力的に偏らせて曲がった位置から突出する位置に回転して前記OPCベルト( 14 )に係合させている実施態様3に記載のパッケージ(20)。
(実施態様5)
前記内部パッケージ部材(24)および、この内部パッケージ部材(24)に入っている交換OPCベルト(44)は、前記駆動ローラ(16、18)が互いに接近しているとき前記駆動ローラ(16、18)と組み合うように設置されており、前記内部パッケージ部材(24)は前記駆動ローラ(16、18)を前記交換OPCベルト( 44 )に張力を与えるまで動かして前記交換OPCベルト(44)を取付けた状態で把握しているとき前記駆動ローラ(16、18)との係合から解放しうる実施態様1に記載のパッケージ(20)。
【0020】
(実施態様6)
前記内部パッケージ部材(24)および外部パッケージ部材(22)は共に自立式の扁平な円筒形状を示す実施態様1に記載のパッケージ(20)。
(実施態様7)前記内部パッケージ部材(24)および外部パッケージ部材(22)は共に取り外し可能のカバー(28、40)を備えており、このカバーを取り外したときいずれかのパッケージが前記駆動ローラ(16、18)およびその上に設置されているOPCベルト(14)を内部で受けることができるようにする開口を前記内部パッケージ部材( 24 )および外部パッケージ部材( 22 )に形成している実施態様6に記載のパッケージ(20)。
【0021】
【発明の効果】
したがってユーザは、ベルトに触れることなく使用済みOPCベルト14を取り外すして外部パッケージに収納することができる。使用済みOPCベルトの付いている外部パッケージ部材22をその後捨てることができる。また、内部パッケージを挿入するだけで交換OPCベルトを装填することができ、この場合もOPCベルトに直接ユーザが触れる必要はない。一旦内部パッケージ部材24を取り外すと、それも捨てることができる。内部および外部のパッケージ部材22および24は自立式であり、モールドプラスチックまたはプラスチックの端部と厚紙壁部材との組合せとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】OPCベルトを採用しているEPプリンタ機構の概略側面図である。
【図2】本発明を実施したOPCパッケージの斜視図である。
【図3】外部パッケージ部材から取り外されている内部パッケージ部材を示す図2のパッケージの斜視図である。
【図4A】使用OPCベルトが取り外されて内部に設置されているときの外部パッケージ部材を示す図である。
【図4B】線A−Aに沿って取った図4Aの外部パッケージ部材の断面図である。
【図5】本発明を実施した内部パッケージ部材の斜視図である。
【図6】すでに開いてあり且つ交換OPCベルトを部分的に取り出した状態にある図5の内部パッケージ部材の斜視図である。
【符号の説明】
14 OPCベルト
16、18 駆動ローラ
20 パッケージ
22 外部パッケージ部材
24 内部パッケージ部材
28 カバー
32、34 ベルト把握手段
40 カバー
44 OPCベルト
Claims (7)
- 有機光導電体(OPC)ベルト(44)をかけるための、平行に対向している駆動ローラ(16、18)を有するプリンタに使用する有機光導電体ベルト用パッケージであって、
前記駆動ローラ(16、18)に設置されているOPCベルト(14)に嵌合してこれを取り巻く形状をした外部パッケージ部材(22)と、この外部パッケージ部材(22)内に入れられており、かつ内部に、交換OPCベルト(44)を保持した内部パッケージ部材(24)とから構成され、
上記内部パッケージ部材(24)を取り出した外部パッケージ部材(22)を、上記プリンタ内の駆動ローラ(16、18)上に差込み、外部パッケージ部材(22)を引き出すときに駆動ローラ(16、18)上の緩められたOPCベルト(14)に係合して、使用済みOPCベルト(14)を取り外す、ベルト把握手段(32、34)を上記外部パッケージ部材(22)に設け、
位置調整された上記駆動ローラ(16、18)上に内部パッケージ部材(24)を差し込んで、交換用OPCベルト(44)を上記駆動ローラ(16、18)上に設置するとともに、上記駆動ローラ(16、18)の位置を調整して交換用OPCベルト(44)に張力を与え、交換用OPCベルト(44)を所定位置に残したまま内部パッケージ部材(24)を取り外すようにしたことを特徴とする有機光導電体ベルト用パッケージ。 - 前記ベルト把握手段(32、34)は、前記外部パッケージ部材(22)が前記駆動ローラ(16、18)の上の前記OPCベルト(14)に嵌合して前記OPCベルト(14)を完全に取り巻いているときにかぎり前記OPCベルト(14)に係合する請求項1に記載の有機光導電体ベルト用パッケージ。
- 前記OPCベルト(14)は、前記駆動ローラ(16、18)に係合しているとき、プリンタの奥側の最内部の縁とプリンタのドア側の最外部の縁とが表れ、前記最外部の縁は、前記駆動ローラ(16、18)を取り巻くように前記外部パッケージ部材(22)を差し込み得る開口に最も近く、前記ベルト把握手段(32、34)は、前記OPCベルト(14)の最内部の縁と係合する請求項2に記載の有機光導電体ベルト用パッケージ。
- 前記外部パッケージ部材(22)は、前記OPCベルト(14)および駆動ローラ(16、18)に組みつけられる開口を備えており、前記ベルト把握手段(32、34)は、内部パッケージ部材(24)が設置された取付け領域(36)において前記開口端で前記パッケージ部材(22)の壁に接続され、前記内部パッケージ(24)によって弾力で曲げられた位置に保持されている対向フラップを備えており、前記駆動ローラ(16、18)への取り付け領域(36)では前記フラップを曲がった位置から突出する位置に回転して前記OPCベルト(14)に係合させる請求項3に記載の有機光導電体ベルト用パッケージ。
- 前記内部パッケージ部材(24)および内部パッケージ部材(24)に入っている交換OPCベルト(44)は、前記駆動ローラ(16、18)が互いに接近しているとき、前記駆動ローラ(16、18)と組み合うように設置されており、前記内部パッケージ部材(24)は、前記駆動ローラ(16、18)を前記交換OPCベルト(44)に張力を与えるまで動かして前記交換OPCベルト(44)を取付けた状態で、前記駆動ローラ(16、18)との係合から解放しうる請求項1に記載の有機光導電体ベルト用パッケージ。
- 前記内部パッケージ部材(24)および外部パッケージ部材(22)は共に、自立式の扁平な円筒形状に形成されている請求項1に記載の有機光導電体ベルト用パッケージ。
- 前記内部パッケージ部材(24)および外部パッケージ部材(22)は共に取り外し可能のカバー(28、40)を備えており、このカバーを取り外したときいずれかのパッケージが前記駆動ローラ(16、18)およびその上に設置されているOPCベルト(14)を内部で受けることができるようにする開口を前記内部パッケージ部 材(24)および外部パッケージ部材(22)に形成している請求項6に記載の有機光導電体ベルト用パッケージ。
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