JP3562482B2 - ガスバリアー性の付与された樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はガスバリアー性の付与された樹脂成形品の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、樹脂成形品の使用時において、これが多少変形したり、延伸されたりしても、樹脂成形品のガスバリアー性が低下しない樹脂成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品等の包装において、外部からの酸素が透過しないようにすれば、内容物の酸化が抑制され、その品質を長期に保つことができることが知られている。そのため、最近、Si、Al、Zn、Zr等の無機物の酸化物の薄膜(厚さ300〜
3000Å)を、蒸着等の方法で、ナイロン、PET、ケン化EVA等の樹脂成形品の表面に形成させることにより、成形品に高いガスバリアー性を付与させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、樹脂のような有機材料の上に、上記のような無機酸化物からなる薄膜を形成させても、樹脂成形品と薄膜との密着力が弱く、取り扱い上に制約があるものであった。
すなわち、例えば樹脂フィルム上に蒸着された無機酸化物からなる薄膜は、樹脂フィルムと弾性率や伸びが異なるため、樹脂フィルムの温度変化による寸法変化に追従できず、そのためクラック等のミクロな破壊が薄膜におこり、無機酸化物薄膜が蒸着されたフィルムのガスバリアー性が低下していた。
本発明は、上記のような課題を解決し、樹脂成形品の使用時において、これが多少変形したり、延伸されたりしても、付与されたガスバリアー性が低下しない樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、上記のような従来の課題を解決することができた。
すなわち本発明は、樹脂成形品の表面に、酸化ケイ素の薄膜を形成し、その上に樹脂の水および/またはアルコール溶液あるいは水性エマルジョンをコーティングし、続いて乾燥することを特徴とする、ガスバリアー性の付与された樹脂成形品の製造方法を提供するものである。
【0005】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、樹脂成形品に無機酸化物として酸化ケイ素をコーティングし、その上に樹脂の水および/またはアルコール溶液あるいは水性エマルジョンをさらにコーティングし、乾燥させることにより、樹脂成形品が寸法変化しても、ガスバリアー性薄膜にミクロな破壊が起こらず、実用上満足なガスバリアー性を維持する樹脂成形品を提供するものである。
本発明に使用できる樹脂成形品の素材は、とくに限定されるものではない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
これらの樹脂成形品の形状は、様々な形態であることができる。例えば、フィルム、容器等が挙げられる。
【0006】
樹脂成形品にガスバリアー性薄膜を形成させる方法は、以下のようにして行う。まず、樹脂成形品の表面に酸化ケイ素(SiOx)をコーティングする。このコーティングは、物理蒸着、化学蒸着等の公知のコーティング法を使用できる。コーティング膜の物性上、xは1.5〜2.0、膜厚は300〜3000Åが好ましい。この範囲において、コーティング膜の透明さ、ガスバリアー性、生産性が優れている。
【0007】
続いて、コーティングされたSiOxの上に、樹脂の水溶液、アルコール溶液、水とアルコールの混合溶液、または水性エマルジョンをさらにコーティングし、続いて乾燥する。本発明に使用する樹脂としては、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、SBRラテックス、ポリ酢酸ビニル等を挙げることができる。これらの樹脂を水溶液、アルコール溶液または水性分散体とする。これは、選択された樹脂の性質により、いずれかの形態をとることになり、そのときに応じて最適な形態を選択すればよい。アルコールとしては、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコールが使用される。このコーティング皮膜の膜厚は、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmがよい。
【0008】
【作用】
本発明は、SiOxの上にコーティングされた樹脂層が、樹脂成形品に外部応力が加わり変形した時に生じやすい酸化ケイ素皮膜に生じるミクロな破壊(マイクロクラック)の広がりを押え、クラック部位をコーティング皮膜で保護することにより、樹脂成形品のガスバリアー性の低下を防ぐものと考えられる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1
肉厚が12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(酸素透過率:
100cc/m2・atm・24時間(JISZ1707−75)に真空蒸着装置を用い、
SiO2を電子線で蒸発させ、前記フィルム上にSiO1.5の薄膜(1500Å)を形成させた(酸素透過率2.0cc/m2・atm・24時間)。
次いで水60重量部、およびメタクリル酸(25重量%)とメタクリル酸ブチル(75重量%)との共重合体のアンモニウム塩水溶液(40重量%濃度、イソプロピルアルコール10重量%含有)40重量部の混合物を、前記酸化ケイ素薄膜上にコーティングし、1分間、100℃で熱風乾燥し、1μmの皮膜を形成させてガスバリアー性フィルムを得た。
このようにして得られた樹脂成形品の断面図を図1に示す。
【0010】
比較例1
実施例1で、酸化ケイ素薄膜上にコーティングしていない酸化ケイ素薄膜フィルムそのものである。
比較例2
実施例1での基材フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムそのものである。
上記実施例および比較例の各フィルムをゲルボテスター(名立計器社製品)で10回繰り返し変形させた後、JIS Z 1707−75に従って酸素透過率を測定した。また、変形させる前の酸素透過率(初期酸素透過率)も測定した。その結果を表−1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【発明の効果】
本発明によって、樹脂成形品の使用時において、これが多少変形しても、樹脂成形品のガスバリアー性が低下しない樹脂成形品の製造方法を提供することができ、これによって、各種の使用条件で、内容物を保護する包装材料として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によって作製した樹脂成形品の断面図である。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレートフィルム
2 酸化ケイ素薄膜
3 樹脂混合物皮膜
Claims (3)
- 樹脂成形品の表面に、酸化ケイ素の薄膜を形成し、その上に樹脂の水および/またはアルコール溶液あるいは水性エマルジョンをコーティングし、続いて乾燥することを特徴とする、ガスバリアー性の付与された樹脂成形品の製造方法。
- 乾燥したコーティング皮膜の膜厚が0.1〜10μmであることを特徴とする、請求項1のガスバリアー性の付与された樹脂成形品の製造方法。
- コーテイングに用いる樹脂が、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、SBRラテックス、ポリ酢酸ビニルのいずれかであることを特徴とする、請求項1又は2のガスバリアー性の付与された樹脂成形品の製造方法。
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JP2001104147A JP3562482B2 (ja) | 2001-04-03 | 2001-04-03 | ガスバリアー性の付与された樹脂成形品の製造方法 |
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2001
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