JP2007244938A - バリア性積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂基材表面に、液相析出法(LPD法)により酸化ケイ素膜からなるアンダーコート層を形成する。液相析出法の反応液を、シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸を用いて調製する。これにより、熱可塑性樹脂基材表面に密着性に優れたゾル−ゲル法による有機−無機複合薄膜を形成することができる。
【選択図】なし
Description
反応時間が10時間未満であると酸化ケイ素膜の形成が不十分となる場合がある。一方、60時間を越えても特に反応性に変化が認められず、60時間以内で十分に濡れ性の向上した酸化ケイ素膜(アンダーコート層)を形成できるため、60時間を越えて反応を継続する利益はない。
熱可塑性樹脂基材としてPETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:東洋紡エステルフィルム、品番:E5001、厚さ:50μm)を用い、当該PET基板上に液相析出法によりSiOx膜(アンダーコート層)を形成した。液相析出法による処理は以下の通りである。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸1mL、0.5Mホウ酸水溶液1mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:50倍、ホウ酸の最終濃度:10mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸1mL、0.5Mホウ酸水溶液5mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:50倍、ホウ酸の最終濃度:50mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸3mL、0.5Mホウ酸水溶液1mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:17倍、ホウ酸の最終濃度:10mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸3mL、0.5Mホウ酸水溶液5mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:17倍、ホウ酸の最終濃度:50mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸5mL、0.5Mホウ酸水溶液1mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:10倍、ホウ酸の最終濃度:10mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸5mL、0.5Mホウ酸水溶液5mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:10倍、ホウ酸の最終濃度:50mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸1mL、0.5Mホウ酸水溶液20mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:50倍、ホウ酸の最終濃度:200mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸10mL、0.5Mホウ酸水溶液1mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:5倍、ホウ酸の最終濃度:10mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸10mL、0.5Mホウ酸水溶液5mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:5倍、ホウ酸の最終濃度:50mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸20mL、0.5Mホウ酸水溶液1mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:2.5倍、ホウ酸の最終濃度:10mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸20mL、0.5Mホウ酸水溶液5mLを混合し、その混合溶液を蒸留水で希釈し全量50mLとしたものを反応溶液とした(シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸の希釈倍率:2.5倍、ホウ酸の最終濃度:50mM)以外は、実施例1と同様にしてSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルムを得た。
実施例1と同一のPETフィルムを表面処理を施さずに用いた。
コロナ処理済みPETフィルムを購入して使用した(東洋紡績(株)製、商品名:東洋紡エステルフィルム、品番:E5101、厚さ:50μm)。
実施例1と同一のPETフィルムの表面に、RFスパッタリング装置((株)アルバック、SH−S100)を用いてSiOxNy(酸窒化ケイ素)膜を形成した。ターゲットにはSiを用い、RF電力は300Wとした。製膜時には窒素ガスを流量100sccmで通気し、チャンバー内のガス圧を1×10−2Torrとした。製膜時間は1分間とした。
実施例1〜7および比較例1〜5で得られたSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルム表面の様子を以下のように評価した。
○:製膜後フィルムは白濁することもなく透明のままで、水滴を滴下するとフィルム全体に水がすっと広がり、濡れ性が向上。反応溶液は反応前後で特に変化はない。
△:製膜後フィルム上へゲル状物質が付着する。ゲル状物質を水洗により取り除くとフィルム上に一部白濁している部分が見られる。反応溶液中にはゲル状物質が生成する。
×:製膜後フィルム上へゲル状物質が付着する。ゲル状物質を水洗により取り除くとフィルム上に一部白濁している部分が見られる。反応溶液中にも多量のゲル状物質が生成する。
結果を表1に示した。
自動接触角表面分析装置(ASTProducts Inc.製 VCA Optima XE)を用いて、実施例2、比較例6、比較例7および比較例8のPETフィルムについて、フィルム表面の水の接触角を測定した。結果を表2に示した。
実施例2で得られたSiOx膜(アンダーコート層)を備えたPETフィルム、および、比較例7のコロナ処理を施したPETフィルムの表面に、ゾル−ゲル法により有機−無機複合膜を形成した。手順を以下に示す。
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂基材の表面に、液相析出法により酸化ケイ素膜を形成するアンダーコート層形成工程;および
当該酸化ケイ素膜の表面にゾル−ゲル法により有機−無機複合膜を形成するバリアコート層形成工程
を包含するバリア性積層体の製造方法であって、
液相析出法に用いられる反応液が、シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸を用いて調製されることを特徴とするバリア性積層体の製造方法。 - 上記シリカゲル飽和ケイフッ化水素酸が、濃度が20wt%〜45wt%のケイフッ化水素酸にシリカゲルを溶解飽和させたものであることを特徴とする請求項1に記載のバリア性積層体の製造方法。
- 上記液相析出法に用いられる反応液が、最終濃度5mM〜50mMのホウ酸を含有することを特徴とする請求項1に記載のバリア性積層体の製造方法。
- 上記液相析出法に用いられる反応液が、最終濃度50mM〜900mMのケイフッ化水素酸および最終濃度5mM〜50mMのホウ酸を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
- 上記アンダーコート層形成工程において、反応液の温度を20℃〜60℃に維持して熱可塑性樹脂基材を浸漬することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
- 上記アンダーコート層形成工程において、反応液に熱可塑性樹脂基材を浸漬する時間が10時間〜60時間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
- 上記バリアコート層形成工程においてゾル−ゲル法により形成される有機−無機複合膜が、アルコキシシランまたはその加水分解物とポリビニルアルコールまたはエチレン・ビニルアルコールコポリマーまたはこれらの混合物とを含有する塗工組成物を重縮合してなる複合ポリマー膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2009098305A (ja) * | 2007-10-15 | 2009-05-07 | Hoya Corp | 光学膜の形成方法及びこれを有する光学素子 |
JP5518490B2 (ja) * | 2008-01-30 | 2014-06-11 | Hoya株式会社 | 基板製造方法 |
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US8658243B2 (en) | 2007-10-15 | 2014-02-25 | Ricoh Imaging Company, Ltd. | Method for forming optical coating and optical element having such coating |
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