JP3562360B2 - 走行履歴記憶装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両運転者が過去に記憶しておいた走行記録を閲覧するための走行履歴記憶装置に関し、特に、一時的に経由した地点を認識可能な状態で記憶する走行履歴記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行履歴記憶装置としては、例えば特願平10−157841号記載の「ナビゲーション装置」が既に出願されている。
これは、車両に設けられているイグニッションスイッチのON/OFF操作に連動して車両始動時と停止時における自車位置とそのときの日時とを走行履歴データとして記憶媒体に記憶するものである。このようなナビゲーション装置に、周知のデータベース検索手法を適用した場合、「Aを出発してBに着くまで平均どの位の時間がかかったか」、「〜時頃Aを出発した場合、一番良く行っている目的地はどこか」等、過去に記録しておいた走行履歴データを照会することができる。
【0003】
また、このような走行履歴記憶装置では、運転もしくは待機中の任意の時点で利用者による記録指示に応じて、その時間と場所を出発から到着に至る間の経由情報として記録できるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の走行履歴記憶装置にあっては、「出発」、「経由」、「到着」という事象判断を車両の始動・運転(待機)・停止のみで行っているため、例えば自宅から会社に向かう途中でコンビニエンスストアに立寄るために車両を停止したような場合、走行履歴データとしては「自宅〜コンビニエンスストア」、「コンビニエンスストア〜会社」という2行程に分割されて記憶されることになる。この結果、コンビニエンスストアに立寄ったことで走行履歴データが2行程に分離されてしまう。
【0005】
ところが、履歴閲覧時には走行履歴データが1行程毎に分離されて表示されるので、コンビニエンスストアに立寄るという利用者の運転実感と合致せず、適切な記録照会ができないといった問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としは、立寄った経由地を含む2行程を1行程として見なせ、運転実感と合致する適切な記録照会を行うことができる走行履歴記憶装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、車両が始動してから停止するまでの1行程の間での自車位置と出発時間および到着時間ならびに経由情報を走行履歴データとして獲得する履歴獲得手段と、この獲得された走行履歴データを記憶する記憶手段と、利用者による指示を入力する指示入力手段と、この指示に応じて記憶手段から走行履歴データを読み出し、履歴閲覧情報を生成する履歴閲覧手段と、生成された履歴閲覧情報を表示する表示手段とを備えた走行履歴記憶装置において、連続する2行程の間で、第1の行程での到着時間と第2の行程での出発時間との時間差が所定時間以内であるという条件が成立する場合には、停止した経由地を含む当該2行程を1行程として見なして走行履歴データを更新するように前記履歴獲得手段に指示する経由地判断手段を備えることを要旨とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記経由地判断手段は、前記条件に従って連続する複数の素行程が1行程と見なされる場合に、該素行程の到着地点のいずれかが第1の素行程の出発地点と同一であるときには、第1の素行程から当該同一地点を到着地点とする素行程までと、該素行程以降の素行程とを別行程として見なすことを要旨とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記経由地判断手段は、前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、この連続する2素行程の第1の素行程の到着時間と第2の素行程の出発時間との時間差が最も長くなるような連続する2素行程を選択し、前記複数の素行程群の最初の素行程から該選択された2素行程の第1の素行程までと、該選択された2素行程の第2の素行程から前記複数の素行程群の最後の素行程までを、各々異なる2行程として見なすことを要旨とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、前記経由地判断手段は、前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、該素行程群を1行程と見なすか、各素行程間のどこで区切って何個の異なる行程と見なすかを前記指示入力手段からの指示に応じて決定することを要旨とする。
【0011】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、自車両の位置を検出するようにしておき、車両が始動してから停止するまでの1行程の間での自車位置と出発時間および到着時間を走行履歴データとして獲得して記憶しておく。ここで、連続する2行程の間で、第1の行程での到着時間と第2の行程での出発時間との時間差が所定時間以内であるという条件が成立する場合には、停止した経由地を含む当該2行程を1行程として見なして走行履歴データを更新することで、立寄った経由地を含む2行程を1行程として見なせ、運転実感と合致する適切な記録照会を行うことができる。
【0012】
請求項2記載の本発明によれば、前記条件に従って連続する複数の素行程が1行程と見なされる場合に、該素行程の到着地点のいずれかが第1の素行程の出発地点と同一であるときには、第1の素行程から当該同一地点を到着地点とする素行程までと、該素行程以降の素行程とを別行程として見なすことで、比較的停止時間の長い地点を経由地と見なし、この経由地における停止時間が例外的に短い場合であってもこれを行程の区切りとすることができ、経由地を発着点とする行程の形に整理された走行履歴データを記憶することができる。
【0013】
請求項3記載の本発明によれば、前記経由地判断手段は、前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、この連続する2素行程の第1の素行程の到着時間と第2の素行程の出発時間との時間差が最も長くなるような連続する2素行程を選択し、前記複数の素行程群の最初の素行程から該選択された2素行程の第1の素行程までと、該選択された2素行程の第2の素行程から前記複数の素行程群の最後の素行程までを、各々異なる2行程として見なすことで、経由地からこの経由地に戻るような一連の走行履歴データにおいて、途中の各停止時間が所定時間より短い場合であっても、これを経由地を出発した行程と到着した行程の2つに分割して記憶することができる。
【0014】
請求項4記載の本発明によれば、前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、該素行程群を1行程と見なすか、各素行程間のどこで区切って何個の異なる行程と見なすかを利用者による指示に応じて決定することで、経由地からこの経由地に戻る一連の走行履歴データにおいて、途中の各停止時間が所定時間より短い場合、利用者の指示に応じた行程に分割して記憶することができる。
【0015】
さらに、このように記憶された走行履歴データは、経由地点や行動拠点に対する利用者の認識に合致しているため、利用者に視認しやすい履歴閲覧情報に生成して照会、閲覧することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る走行履歴記憶装置1のシステム構成を示す図である。
【0017】
自車位置検出部3は、GPSセンサや車速センサ、ジャイロセンサ等により、自車両の現在位置を例えば緯度・経度等の形式で検出して出力する。
履歴獲得部5は、車両の始動から停止までを1行程と見なし、その間の自車位置と出発時間および到着時間を走行履歴データとして記憶部7に記憶させる。記憶部7は、データ更新が可能な記録媒体を有し、走行履歴データを記憶しておく。
【0018】
経由地判断部9は、各行程での出発時間や到着時間等の条件から経由地を判断する。履歴閲覧部11は、入力部15を介して利用者により指示された走行履歴データを検索し、この走行履歴データから入力部15を介して利用者により指示された形式の履歴閲覧情報を生成する。
【0019】
入力部15は、操作ボタン、キーボード、表示部13と一体化されたタッチパネル、音声入力装置等からなり、利用者の指示を入力する。表示部13は、液晶モニタやCRT等からなり履歴閲覧情報等を表示する。
なお、履歴獲得部5、経由地判断部9及び履歴閲覧部11は、CPU、内部メモリ等からなるコンピュータ17でもよく、内部メモリに記憶されている制御プログラムに従って各種処理を実行する。
【0020】
次に、図2を参照して記憶部7に記憶されている走行履歴データの記憶形態について説明する。
この例では、履歴獲得部5は、車両の始動・停止のたびごとにその時間と場所とを出発時間、出発地、到着時間、到着地とし、これらを「行程」と呼ぶ1単位にまとめて記憶部7の走行履歴テーブル上に記憶している。
【0021】
ただし場所については、自車位置検出部3より得られる各時点での自車位置座標に対し、別に定めた記憶部7上の地点データから履歴獲得部5が相当する地点を選択し、そのID番号を出発地、到着地として記憶部7に記録することとする。この地点データは、各地点ごとに重複なく付加されたID番号に対応付けて、その名称や具体的な位置座標を保持する。
【0022】
また、本実施の形態では、車両を一旦停止し再び始動したという経緯を走行履歴データとして記録する際、後述する経由地判断部9での処理によって所定の条件を満たすと判断された場合には、ある行程の到着情報と次の行程の出発情報としてではなく、「経由」という1事象ととらえて記録することとする。以下、個々の行程に対して出発してから到着するまでの間に発生した経由事象の数を経由数と呼ぶことにする。走行履歴テーブル上には経由数が記録され、さらに経由数が1以上の場合には、具体的な経由情報を与える経由情報テーブルの相当箇所へのポインタも記述されている。経由情報テーブルには、各経由事象ごとにその経由地と到達時間、停止時間および移動先が記憶される。
【0023】
なお、経由地とは、その経由事象が発生した場所であり、出発地や到着値同様地点データのID番号が記憶される。到達時間とは、経由事象が発生した時間であり、停止時間は発生してから終了するまでの時間間隔を指す。また、移動先は経由事象の終了した場所であり、通常は発生場所と同一であるため具体的な位置情報は記述しない。しかし、例えばフェリーを利用した移動のように、車両を搭載して運搬する場合もあるため、このような場合に限り、経由事象の終了場所を発生場所と同様地点データのID番号を記憶することにする。
【0024】
同一行程中に発生した複数の経由事象は、その発生順に経由情報テーブルの連続領域に記憶される。この場合、走行履歴テーブル上の経由情報参照ポインタは、その先頭の経由情報を指す。同時に経由数も記録されているから、各行程に対応づけられる経由情報は経由情報テーブル上のどこからどこまでに記録されているかは容易に判断できる。
【0025】
なお、本発明はこのような場合にのみ限定するものではなく、走行履歴データの記憶形態としては、等価の情報を他の表現形式で記憶するものであってもよく、例えば各行程において出発から到着に至る時々刻々の車両位置情報を走行軌跡として併せて記憶し、さらに他の情報を付加してもよい。
【0026】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、このような経由情報を含む走行履歴データを取得する処理について説明する。なお、以下、記述を簡素化するために、走行履歴テーブル上に記憶されたi番目の行程をDi 、その構成要素である出発時間、出発地、到着時間、到着地、経由数、経由情報参照ポインタをそれぞれTsi ,Psi ,Tgi ,Pgi,Ni ,Rfi と表記する。
【0027】
まず、ステップS301では、履歴獲得部5が車両の始動・停止等の事象に合わせて位置と時間に関する情報を取得する。履歴獲得部5では、例えば車両のイグニッションスイッチのON/OFF操作と連動させて、エンジンを始動したときを出発とし、エンジンを停止したときを到着としてもよいし、あるいは、エンジンを始動してから最初に車両が走行し始めたときを出発としてもよい。
【0028】
また、本発明は、到着事象発生から出発事象発生までの経過時間に基づいて経由事象を判定するようにしているが、本発明はこのような場合にのみ限定されることなく、例えば車両ドアの開閉や利用者の指示入力等に基づいて、その時点での自車位置と時間を与えられた経由事象として取得するようにしてもよい。ただし、時間の経過に沿って見た場合、一旦出発情報を取得したらその後に到着情報を取得するまでは再度の出発事象は決して発生しないという条件、および、到着情報取得後に発生する事象は必ず出発事象であるという条件を保証する必要がある。従って、履歴獲得部5は、出発、経由、到着のいずれかを示す事象モードとともに、その事象が発生した時間tと場所pを取得するものとする。ただし、場所pについては、自車位置検出部3より得られる位置座標そのものではなく、地点データ中の1地点を示すID番号に変換されているものとする。
【0029】
次に、ステップS302では、前記事象モードに基づいて履歴獲得部5が以降の処理の振り分けを決定し、経由地判断部9に処理を移す。まず、事象モードが到着の場合はステップS303以降の処理を実行する。
【0030】
ステップS303に示す処理実行前の走行履歴テーブルは、図6上部に示すような状態になっている。すなわち、テーブル上の最新の行程Di はその到着時間Tgi および到着地Pgi が空欄のままになっており、現在着目すべき行程を示す行程ポインタSpDはこの不完全な行程Di を指している。
【0031】
本実施の形態では、到着情報が取得された場合は、無条件に到着情報として記録し、引き続き出発情報が取得された時点で経由事象の発生と見なされるときには既に記録されているデータも含めて更新する。このような処理により、例えば車両を停止してシステムへの主電源の供給が断たれた後も、バックアップ電源による実行負荷を最小限に抑えることができる。
【0032】
そこで、ステップS303では、取得された時間t,場所pを到着時間Tgi 、到着地Pgi に書込んで行程Di を完成する。この後、ステップS304では、行程ポインタSpDを次の記録先である行程Di+1 に進め、処理を終える。この段階の走行履歴テーブルの様子を図6下部に示す。
【0033】
次に、事象モードが出発の場合について説明する。この場合、行程ポインタSpDは、図7上部に示すように、新規記録先である行程Di+1 を指しているものとする。
【0034】
まず、ステップS305では、直前の行程Di についてその出発地Psi と到着地Pgi が同じであるかを調べる。もし同じ場合、次のステップS306での判断に関わらず、行程Di 以降引き続く走行履歴データは行程Di とは別行程としなければならない。さらに、行程Di 自体を複数行程に分割する可能性もあるので、ステップS310以降の処理に進む。出発地Psi と到着地Pgi が同じではない場合にはステップS306に進み、今回取得された出発時間tと直前の到着時間Tgi の時間差を、経由判断指標T0と比較する。
【0035】
本実施の形態では、到着情報を取得した後に一定時間以内に引き続き出発情報が取得された場合、これら2つの情報を互いに別行程に属するものとしてではなく、1行程に含まれる経由情報として記録する。そこでその判断基準となる基準時間差を、車両の利用形態に合わせてT0として予め与えておく。例えば1時間前後の仮眠休憩をとりながら貨物を長距離輸送するような車両では、基準時間差T0を2時間と定めることにより仮眠休憩を経由事象として扱えるようになる。また、30分程度の顧客先訪問を繰り返すような営業車の場合は、基準時間差T0を15分と定めて各訪問先が経由情報として記録されることを避けることも可能である。
【0036】
出発時間tと到着時間Tgi との時間差が与えられた基準時間差T0以上である場合、今回得た出発情報はDi とは別の新たな行程情報として記録する。
【0037】
そこで、ステップS307に進み、行程Di+1 の出発時間Tsi+1 、出発地Psi+1 にt,pを書込む。また経由数Ni+1 には初期値0をセットして処理を終える行程Di+1 の到着情報は空欄のままなので、行程ポインタSpDは行程Di+1 を指したまま変わらないものとし、図7下部のようになる。
【0038】
ステップS306において行程Di の到着時間から今回取得された時間まで基準時間差T0以上経過していないと判断された場合はステップS308に進み、行程Di の到着情報を経由情報に変更して記録し直す。
【0039】
ここで、図4に示すフローチャートを参照してこの処理について説明する。
【0040】
まず、ステップS401,S402では、着目している行程Di の経由数Niを調べ、経由数Niが0の場合は経由情報ポインタSpVを行程Di の行程情報参照ポインタRfi に書込む。SpVは経由情報テーブルの空き領域を管理するポインタであり、新しく経由情報を書込むときの書込み先として、空き領域の先頭アドレスを指している。
【0041】
経由数Ni が0でない場合は、経由情報参照ポインタRfi は既に経由情報を書込まれたアドレスを参照しており、経由情報ポインタSpVはそこから経由数Ni 進んだ位置を示しているはずである。
【0042】
次に、ステップS403では、行程Di の到着情報と今回の取得情報とに基づいて、経由情報ポインタSpVの示す空き領域に経由情報を書込む。すなわち、経由地Pv、到達時間Tvには、行程Di の到着地Pgi 、到着時間Tgi を記録し、また停止時間ΔTvには今回取得時間tと行程Di の到着時間Tgi との差を記録する。
【0043】
さらに、ステップS404,S405では、今回の取得位置pが行程Di の到着地Pgi と異なっている場合に限り、経由情報の移動先Pv*に取得位置pを書込む。こうして経由情報が完成すると、ステップS406で行程Di の経由数Ni を1インクリメントし、ステップS407では、経由情報ポインタSpVを次の空き領域に進める。また行程Di の到着情報は経由情報に変更されたため、ステップS408では、到着地Pgi 、到着時間Tgi を消去しておく。
【0044】
再び図3に戻り、次のステップS309の処理に移る。前段の処理で行程Di の到着情報が消去されたため、次の走行履歴データは再び行程Di に書込まなければならない。そこで本ステップでは、新規記録先の行程Di+1 を示していた行程ポインタSpDを行程Di に戻す。
【0045】
ステップS308に示す処理実行前とステップS309に示す処理実行後とで、走行履歴データがどのように書替えられるかを、行程Di が経由情報を持っていなかった場合を図8に、既に経由情報を持っていた場合を図9にそれぞれ示す。
【0046】
次に、ステップS305では、直前の行程Di の出発地Psi と到着地Pgi が同一であるかを判断する。ここで、出発地Psi と到着地Pgi とが同一の場合にはステップS310に進む。ステップS310では、行程Di をk個の行程に分割する。このサブルーチン処理を図5に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0047】
まず、ステップS501では、行程Di の経由数Ni を調べ、経由数Niが0の場合は分割不可能であるためステップS502に進み、分割数kを1として処理を終える。それ以外はステップS503に進み、さらに自動分割が設定されているか否かによって処理を分ける。
【0048】
本実施の形態では、出発地と到着地が同一であって途中経由地での停止時間が全て基準時間差T0に満たないような走行履歴データが得られた場合、これを最も長く停止していた経由地で自動的に2行程に分けるか、あるいは利用者の指示に従って分割するか、2つのモードを選べるものとする。以下、記述を簡素化するため、行程Di に含まれるNi 個の経由情報について、そのj番目の経由情報をVj 、その構成要素である経由地、到着時間、停止時間、移動先をそれぞれPvj 、Tvj 、ΔTvj 、Pv*j と表記し、
【数1】
Vj =<Pvj,Tvj,ΔTvj,Pv*j >
等と表すことにする。
【0049】
まず、自動分割モードの場合について、ステップS504に示す処理から説明する。
【0050】
ここでは、Ni 個の停止時間ΔTvj (j=1,…,Nj )の中から最も大きい値ΔTvd を選択し、これを擁する経由情報を
【数2】
Vd =<Pvd,Tvd,ΔTvd,Pv*d >
とする。なお、このdを分割位置と呼ぶことにする。
【0051】
次に、ステップS505では、分割対象である行程Di の到着時間Tgi 、到着地Pgi を分割後の第2行程となる行程Di+1 の到着時間Tgi+1 、到着地Pgi+1 にコピーする。
【0052】
そして、ステップS506では、第1行程Di の到着情報として、経由情報Vd の到着時間Tvd 、経由地Pvd を与える。また、第2行程の出発時間Tsi+1 、出発地Psi+1 にはそれぞれTvd +ΔTvd 、Pv*d を与える。ただし、移動先Pv*d は経由地と同じ場合には与えられていないので、この場合は出発地Psi+1 に経由地Pvd を与える。
【0053】
続いて、ステップS507では、行程Di 、Di+1 の経由数を更新する。行程Di+1 には分割位置dより後ろの経由情報Vd+1 からVNiまでが与えられるので、その個数Ni+1 はNi−dとなる。また、行程Di には分割位置dより前に、経由情報V1 〜Vd−1 が与えられるので、個数Ni をd−1に更新する。
【0054】
さらに、ステップS508〜S511では、各行程の経由情報参照ポインタを更新する。経由情報参照ポインタRfiは分割前はV1 を指しているが、行程Diの係数Ni が0の場合にはこれを消去する。
【0055】
一方、経由情報参照ポインタRfi+1 は分割前には与えられていないが、個数Ni+1 が0でない場合には、参照先として経由情報Vd+1 を与える。こうして行程Di 、Di+1 の情報が確定した場合には、ステップS512では分割数kを2として分割処理を終える。
【0056】
次に、図5を参照して、与えられた行程Di を利用者の指示に従って任意数に分割する処理について説明する。
【0057】
本実施の形態では、現在の経由情報をリスト形式で利用者に示し、利用者が1つだけ指定した分割位置に従って行程を2分割し、第1行程は確定として第2行程の経由情報から再び分割位置を指定する、という2分割の処理を繰り返すものとする。なお、他の方法として例えば複数の分割位置を一度に指定させてもよい。
【0058】
まず、ステップS513では、繰り返し処理のための初期値を設定する。すなわち、分割対象となる行程を示す対象行程番号xは、行程Di の識別番号iを初期値とする。経由情報ヘッドhは各繰り返し時点での分割候補となる経由情報に対し、その先頭Vj の識別番号jを保持するものであり、初期値は1である。また、分割前の行程Di の経由数Ni は繰り返しの過程で書替えられてしまうので、これを定数mに保持しておく。
【0059】
初期設定を終えた後に、ステップS514に進み、利用者に対して分割位置dの入力を促す。なお、分割位置はヘッダhから最終経由情報mまでの間でなければならない。
【0060】
図10に表示部13に表示される入力画面例を示す。経由点リストAには各経由情報に基づいて、その地点名称と到達した時間および再出発した時間が示されており、利用者はこの中の1つを選択することができる。選択された経由点は、図10に示すように、反転表示される。
【0061】
この表示状態で分割ボタンBが押下されると、システムに対し分割位置dが指示される。一方、終了ボタンCを押下した場合は分割位置は指定されず、システムに対して以降分割せず分割処理を終了する旨が指示される。
【0062】
続くステップS515では、利用者により終了ボタンCが押され分割終了指示があったか否かを判断し、分割位置が指定されている場合には繰り返し処理(S516〜S522)に進む。この繰り返し処理は、初回の処理は自動分割処理におけるステップS505〜S511と同様である。
【0063】
対象行程Dxを2行程Dx 、Dx+1 に分割した後、ステップS523では、各パラメータを更新する。すなわち、対象行程番号xを1つインクリメントして対象行程を1つ進め、また、ヘッダhは行程Dx+1 で参照する経由情報Vd+1 の識別番号d+1に更新する。
【0064】
このようにして、利用者が分割終了を指示するまで分割処理を繰り返し、分割終了指示があった場合はステップS524に進む。また、分割位置dにmを指定しDx+1 の経由点が0となった場合は、これ以上は分割できない。このときステップS523ではヘッダhにはm+1が与えられるため、この時点でステップS514、S515に戻らずに直接ステップS524に進むこととしてもよい。
【0065】
ステップS524では、分割数kを設定する。すなわち、繰り返しのたびに分割された行程は1つずつ増え、また、ステップS523において対象行程番号xも同様に増えるため、対象行程番号xの初期値に対する増分が増えた行程の数を示している。そこでこれに元の行程を1加えて、対象行程番号x−i+1を分割数kに与える。1回も分割せずに利用者が終了を指示した場合は、k=1となる。
【0066】
なお、以上の分割処理において自動分割の場合であっても、利用者の指示による場合であっても、分割位置として指定された経由情報Vd の内容は分割された各行程の到着および出発情報として改めて記録される。また、分割後のどの行程の参照ポインタRfi によっても経由情報Vd が直接参照されることはなく、また、参照ポインタRfi から経由数Ni 以内の範囲に入ることもない。従って、記憶領域を節約するために、分割後は各Vd を消去しVd+1 以降を1つずつ空き領域に詰めていくようにしてもよい。図2に示した例では、このようにして不要な経由情報がテーブルから消去されている。
【0067】
以上のようにして、図5に示す分割処理を終えた後に、再び図3に戻って、次にステップS311に示す処理に進む。分割処理によって当初の行程Di は、Di 〜Di+k−1 のk個に分割されているはずである。
【0068】
従って、次に走行履歴データを書込むべき走行履歴テーブルの位置は行程Di+k であり、ステップS311では、行程ポインタSpDを行程Di+k に進める。そして、ステップS312では、行程Di+k の出発時間Tsi+k 、出発地Psi+k に、今回取得された出発情報t、pを書込み、さらに経由数Ni+k に初期値0を設定して処理を終える。図11には、行程の分割処理の前後での走行履歴データの変化の様子を示した。
【0069】
また、ステップS302において、事象モードが経由である場合は、到着である場合と同じく行程ポインタSpDは到着時間Tgi 、到着地Pgi が空欄の行程Di を指している。この場合の経由情報を作成するためのステップS313での処理は、図4に示す処理のようになる。
【0070】
すなわち、まず、行程Di の経由数が0である場合には、参照ポインタRfi に経由情報テーブルの空き領域アドレスSpVを設定する。そして空き領域アドレスSpVが示す空き領域に経由情報を書込む。この場合、経由地Pv、到達時間Tvには、取得情報p,iがそのまま書込まれる。また、この経由事象はわずかの時間しか車両を停止しなかったものとして、停止時間ΔTvは0とし、移動先Pv*も記録無しとする。この後、行程Di の経由数Ni を1インクリメントし、空き領域を示す経由情報ポインタSpVを1つ進める。行程Di の到着時間Tgi 、到着地Pgi は空欄のまま残され、従って、行程ポインタSpDも行程Di を指したまま処理を終える。図12には、この処理の前後での走行履歴データの変化の様子を示す。
【0071】
以上のような処理に従って記憶される走行履歴データの具体例を図2を参照して説明する。
この例では、経由判断の基準時間T0を2時間に設定したものとする。図に示されている最初の行程は、98年9月4日の7時42分に自宅を出て9時7分に会社に着いたことを示す。次に、20時16分に会社を出たときは、前回行程の到着時間9時7分から充分時間が経過しているため、これは別行程と見なされる。
【0072】
時間の経過に沿って走行履歴データを追っていくと、次に車両を停止するのは「文化堂書店」で、時間は20時39分である。ここで、一旦は会社からこの書店までの行程として記録されるものの、それから24分後に書店を出ている。これは基準時間差T0より短いので、この書店への立ち寄りは経由情報と見なされ、結局その後自宅に到着した時間をもって、会社から自宅までの行程として記録される。この行程には、途中1箇所だけ文化堂書店を経由したことも自動的に記録することができる。
【0073】
翌9月5日は7時44分に自宅を出て7時47分にコンビニエンスストアαに着き、5分後には再び自宅へ向かっている。この走行履歴データは自宅に到着した時点で、自宅からコンビニエンスストアαを経由して自宅に向かう1行程として一旦記録されるが、出発地と到着地が同じなので自動分割モードを設定している場合には自動的に分割される。この場合は、ただ1箇所の経由点であるコンビニエンスストアで分割されて「自宅→コンビニエンスストアα」、「コンビニエンスストアα→自宅」の2行程が記録される。
【0074】
その後、8時41分に再び自宅を出発するまでは46分しか経っていないが、先の行程分割により7時55分自宅着までの行程は確定しているため、この先は別行程となる。最初の出発地となる自宅のように、いくつかの素行程が基準時間差T0より短い時間で連続している場合、少なくともそれ以前の行程での当着時間から所定の時間をおいて出発しているので、この利用者の行動拠点の1つであると推測される。行動の継続を意味する経由地を停止時間に基づいて判断する場合、このように推測された行動拠点は停止時間の長短によらず行程の区切りとしてとらえられ、さらに、拠点から拠点への行程も適当に分割することによって、一連の走行履歴データを「拠点を出発した行程」、「拠点に到着した行程」という形にまとめて記憶できることが理解できる。
【0075】
最後に、まとめられた走行履歴データの照会・閲覧について説明する。
【0076】
走行履歴データは、全ての走行記録を時間情報とともに保持しており、周知のデータベース検索手法を適用して様々な観点から走行履歴データを閲覧することが可能となる。
【0077】
例えば「先月1ケ月間の貨物輸送先」を調べるには、図13に示すように、入力画面から出発時間と出発地を条件入力部Dに入力する。グラフ表示ボタンEを押下すると、履歴閲覧部5が与えられた条件を満足する行程を走行履歴テーブルから選び、その到着地を地点IDごとに集計して、図14(a)に示すような到着地頻度グラフを表示する。この際、上述したような経由地の判断処理を行わなかった場合、図14(a)に示すように、途中の休憩場所も検索結果として表示することになる。
【0078】
しかし、経由地の判断基準となる基準時間差T0を適切に設定すれば、集配拠点から輸送先までの行程の形に整理された記録が残されるため、図14(b)に示すように所望の結果を得ることができる。
【0079】
また、「自宅から会社に行くまでの所要時間」を調べる場合は、図15に示すような入力画面で出発地、到着地を入力して表示指示を行った場合、履歴閲覧部5は記憶部7から走行履歴データを検索して図16に示すような画面で個々の行程の詳細と平均所要時間を表示することができる。
【0080】
経由地判断がされていない場合には、検索される行程は自宅から直接会社に行ったもののみとなり、行程の事例数も限られてしまうが、経由地を考慮することによって、多様な観点から所要時間を調べることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る走行履歴記憶装置1のシステム構成を示す図である。
【図2】走行履歴データの記憶形態の一例を示す図である。
【図3】経由地判断処理を含む走行履歴データの取得手続きを示すフローチャートである。
【図4】到着記録を経由記録に変更する手続きを示すフローチャートである。
【図5】1行程として記録された走行履歴データを分割する手続きを示すフローチャートである。
【図6】走行履歴データに到着情報を記録する様子を説明する図である。
【図7】走行履歴データに出発情報を記録する様子を説明する図である。
【図8】経由情報を持たない行程の到着情報を経由情報に変更する様子を説明する図である。
【図9】経由情報を持っている行程の到着情報を経由情報に変更する様子を説明する図である。
【図10】行程の分割位置を指示するインタフェ−ス画面の表示例である。
【図11】直前の行程を2分割してから出発情報を記録する様子を説明する図である。
【図12】走行履歴データに経由情報を記録する様子を説明する図である。
【図13】走行履歴データの到着地頻度分析を指示するインタフェース画面の表示例である。
【図14】到着地頻度分析の結果の表示例である。
【図15】走行履歴データの所要時間分析を指示するインタフェース画面の表示例である。
【図16】所要時間分析の結果の表示例である。
【符号の説明】
3 自車位置検出部
5 履歴獲得部
7 記憶部
9 経由地判断部
11 履歴閲覧部
13 表示部
15 入力部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両運転者が過去に記憶しておいた走行記録を閲覧するための走行履歴記憶装置に関し、特に、一時的に経由した地点を認識可能な状態で記憶する走行履歴記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行履歴記憶装置としては、例えば特願平10−157841号記載の「ナビゲーション装置」が既に出願されている。
これは、車両に設けられているイグニッションスイッチのON/OFF操作に連動して車両始動時と停止時における自車位置とそのときの日時とを走行履歴データとして記憶媒体に記憶するものである。このようなナビゲーション装置に、周知のデータベース検索手法を適用した場合、「Aを出発してBに着くまで平均どの位の時間がかかったか」、「〜時頃Aを出発した場合、一番良く行っている目的地はどこか」等、過去に記録しておいた走行履歴データを照会することができる。
【0003】
また、このような走行履歴記憶装置では、運転もしくは待機中の任意の時点で利用者による記録指示に応じて、その時間と場所を出発から到着に至る間の経由情報として記録できるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の走行履歴記憶装置にあっては、「出発」、「経由」、「到着」という事象判断を車両の始動・運転(待機)・停止のみで行っているため、例えば自宅から会社に向かう途中でコンビニエンスストアに立寄るために車両を停止したような場合、走行履歴データとしては「自宅〜コンビニエンスストア」、「コンビニエンスストア〜会社」という2行程に分割されて記憶されることになる。この結果、コンビニエンスストアに立寄ったことで走行履歴データが2行程に分離されてしまう。
【0005】
ところが、履歴閲覧時には走行履歴データが1行程毎に分離されて表示されるので、コンビニエンスストアに立寄るという利用者の運転実感と合致せず、適切な記録照会ができないといった問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としは、立寄った経由地を含む2行程を1行程として見なせ、運転実感と合致する適切な記録照会を行うことができる走行履歴記憶装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、車両が始動してから停止するまでの1行程の間での自車位置と出発時間および到着時間ならびに経由情報を走行履歴データとして獲得する履歴獲得手段と、この獲得された走行履歴データを記憶する記憶手段と、利用者による指示を入力する指示入力手段と、この指示に応じて記憶手段から走行履歴データを読み出し、履歴閲覧情報を生成する履歴閲覧手段と、生成された履歴閲覧情報を表示する表示手段とを備えた走行履歴記憶装置において、連続する2行程の間で、第1の行程での到着時間と第2の行程での出発時間との時間差が所定時間以内であるという条件が成立する場合には、停止した経由地を含む当該2行程を1行程として見なして走行履歴データを更新するように前記履歴獲得手段に指示する経由地判断手段を備えることを要旨とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記経由地判断手段は、前記条件に従って連続する複数の素行程が1行程と見なされる場合に、該素行程の到着地点のいずれかが第1の素行程の出発地点と同一であるときには、第1の素行程から当該同一地点を到着地点とする素行程までと、該素行程以降の素行程とを別行程として見なすことを要旨とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記経由地判断手段は、前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、この連続する2素行程の第1の素行程の到着時間と第2の素行程の出発時間との時間差が最も長くなるような連続する2素行程を選択し、前記複数の素行程群の最初の素行程から該選択された2素行程の第1の素行程までと、該選択された2素行程の第2の素行程から前記複数の素行程群の最後の素行程までを、各々異なる2行程として見なすことを要旨とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、前記経由地判断手段は、前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、該素行程群を1行程と見なすか、各素行程間のどこで区切って何個の異なる行程と見なすかを前記指示入力手段からの指示に応じて決定することを要旨とする。
【0011】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、自車両の位置を検出するようにしておき、車両が始動してから停止するまでの1行程の間での自車位置と出発時間および到着時間を走行履歴データとして獲得して記憶しておく。ここで、連続する2行程の間で、第1の行程での到着時間と第2の行程での出発時間との時間差が所定時間以内であるという条件が成立する場合には、停止した経由地を含む当該2行程を1行程として見なして走行履歴データを更新することで、立寄った経由地を含む2行程を1行程として見なせ、運転実感と合致する適切な記録照会を行うことができる。
【0012】
請求項2記載の本発明によれば、前記条件に従って連続する複数の素行程が1行程と見なされる場合に、該素行程の到着地点のいずれかが第1の素行程の出発地点と同一であるときには、第1の素行程から当該同一地点を到着地点とする素行程までと、該素行程以降の素行程とを別行程として見なすことで、比較的停止時間の長い地点を経由地と見なし、この経由地における停止時間が例外的に短い場合であってもこれを行程の区切りとすることができ、経由地を発着点とする行程の形に整理された走行履歴データを記憶することができる。
【0013】
請求項3記載の本発明によれば、前記経由地判断手段は、前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、この連続する2素行程の第1の素行程の到着時間と第2の素行程の出発時間との時間差が最も長くなるような連続する2素行程を選択し、前記複数の素行程群の最初の素行程から該選択された2素行程の第1の素行程までと、該選択された2素行程の第2の素行程から前記複数の素行程群の最後の素行程までを、各々異なる2行程として見なすことで、経由地からこの経由地に戻るような一連の走行履歴データにおいて、途中の各停止時間が所定時間より短い場合であっても、これを経由地を出発した行程と到着した行程の2つに分割して記憶することができる。
【0014】
請求項4記載の本発明によれば、前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、該素行程群を1行程と見なすか、各素行程間のどこで区切って何個の異なる行程と見なすかを利用者による指示に応じて決定することで、経由地からこの経由地に戻る一連の走行履歴データにおいて、途中の各停止時間が所定時間より短い場合、利用者の指示に応じた行程に分割して記憶することができる。
【0015】
さらに、このように記憶された走行履歴データは、経由地点や行動拠点に対する利用者の認識に合致しているため、利用者に視認しやすい履歴閲覧情報に生成して照会、閲覧することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る走行履歴記憶装置1のシステム構成を示す図である。
【0017】
自車位置検出部3は、GPSセンサや車速センサ、ジャイロセンサ等により、自車両の現在位置を例えば緯度・経度等の形式で検出して出力する。
履歴獲得部5は、車両の始動から停止までを1行程と見なし、その間の自車位置と出発時間および到着時間を走行履歴データとして記憶部7に記憶させる。記憶部7は、データ更新が可能な記録媒体を有し、走行履歴データを記憶しておく。
【0018】
経由地判断部9は、各行程での出発時間や到着時間等の条件から経由地を判断する。履歴閲覧部11は、入力部15を介して利用者により指示された走行履歴データを検索し、この走行履歴データから入力部15を介して利用者により指示された形式の履歴閲覧情報を生成する。
【0019】
入力部15は、操作ボタン、キーボード、表示部13と一体化されたタッチパネル、音声入力装置等からなり、利用者の指示を入力する。表示部13は、液晶モニタやCRT等からなり履歴閲覧情報等を表示する。
なお、履歴獲得部5、経由地判断部9及び履歴閲覧部11は、CPU、内部メモリ等からなるコンピュータ17でもよく、内部メモリに記憶されている制御プログラムに従って各種処理を実行する。
【0020】
次に、図2を参照して記憶部7に記憶されている走行履歴データの記憶形態について説明する。
この例では、履歴獲得部5は、車両の始動・停止のたびごとにその時間と場所とを出発時間、出発地、到着時間、到着地とし、これらを「行程」と呼ぶ1単位にまとめて記憶部7の走行履歴テーブル上に記憶している。
【0021】
ただし場所については、自車位置検出部3より得られる各時点での自車位置座標に対し、別に定めた記憶部7上の地点データから履歴獲得部5が相当する地点を選択し、そのID番号を出発地、到着地として記憶部7に記録することとする。この地点データは、各地点ごとに重複なく付加されたID番号に対応付けて、その名称や具体的な位置座標を保持する。
【0022】
また、本実施の形態では、車両を一旦停止し再び始動したという経緯を走行履歴データとして記録する際、後述する経由地判断部9での処理によって所定の条件を満たすと判断された場合には、ある行程の到着情報と次の行程の出発情報としてではなく、「経由」という1事象ととらえて記録することとする。以下、個々の行程に対して出発してから到着するまでの間に発生した経由事象の数を経由数と呼ぶことにする。走行履歴テーブル上には経由数が記録され、さらに経由数が1以上の場合には、具体的な経由情報を与える経由情報テーブルの相当箇所へのポインタも記述されている。経由情報テーブルには、各経由事象ごとにその経由地と到達時間、停止時間および移動先が記憶される。
【0023】
なお、経由地とは、その経由事象が発生した場所であり、出発地や到着値同様地点データのID番号が記憶される。到達時間とは、経由事象が発生した時間であり、停止時間は発生してから終了するまでの時間間隔を指す。また、移動先は経由事象の終了した場所であり、通常は発生場所と同一であるため具体的な位置情報は記述しない。しかし、例えばフェリーを利用した移動のように、車両を搭載して運搬する場合もあるため、このような場合に限り、経由事象の終了場所を発生場所と同様地点データのID番号を記憶することにする。
【0024】
同一行程中に発生した複数の経由事象は、その発生順に経由情報テーブルの連続領域に記憶される。この場合、走行履歴テーブル上の経由情報参照ポインタは、その先頭の経由情報を指す。同時に経由数も記録されているから、各行程に対応づけられる経由情報は経由情報テーブル上のどこからどこまでに記録されているかは容易に判断できる。
【0025】
なお、本発明はこのような場合にのみ限定するものではなく、走行履歴データの記憶形態としては、等価の情報を他の表現形式で記憶するものであってもよく、例えば各行程において出発から到着に至る時々刻々の車両位置情報を走行軌跡として併せて記憶し、さらに他の情報を付加してもよい。
【0026】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、このような経由情報を含む走行履歴データを取得する処理について説明する。なお、以下、記述を簡素化するために、走行履歴テーブル上に記憶されたi番目の行程をDi 、その構成要素である出発時間、出発地、到着時間、到着地、経由数、経由情報参照ポインタをそれぞれTsi ,Psi ,Tgi ,Pgi,Ni ,Rfi と表記する。
【0027】
まず、ステップS301では、履歴獲得部5が車両の始動・停止等の事象に合わせて位置と時間に関する情報を取得する。履歴獲得部5では、例えば車両のイグニッションスイッチのON/OFF操作と連動させて、エンジンを始動したときを出発とし、エンジンを停止したときを到着としてもよいし、あるいは、エンジンを始動してから最初に車両が走行し始めたときを出発としてもよい。
【0028】
また、本発明は、到着事象発生から出発事象発生までの経過時間に基づいて経由事象を判定するようにしているが、本発明はこのような場合にのみ限定されることなく、例えば車両ドアの開閉や利用者の指示入力等に基づいて、その時点での自車位置と時間を与えられた経由事象として取得するようにしてもよい。ただし、時間の経過に沿って見た場合、一旦出発情報を取得したらその後に到着情報を取得するまでは再度の出発事象は決して発生しないという条件、および、到着情報取得後に発生する事象は必ず出発事象であるという条件を保証する必要がある。従って、履歴獲得部5は、出発、経由、到着のいずれかを示す事象モードとともに、その事象が発生した時間tと場所pを取得するものとする。ただし、場所pについては、自車位置検出部3より得られる位置座標そのものではなく、地点データ中の1地点を示すID番号に変換されているものとする。
【0029】
次に、ステップS302では、前記事象モードに基づいて履歴獲得部5が以降の処理の振り分けを決定し、経由地判断部9に処理を移す。まず、事象モードが到着の場合はステップS303以降の処理を実行する。
【0030】
ステップS303に示す処理実行前の走行履歴テーブルは、図6上部に示すような状態になっている。すなわち、テーブル上の最新の行程Di はその到着時間Tgi および到着地Pgi が空欄のままになっており、現在着目すべき行程を示す行程ポインタSpDはこの不完全な行程Di を指している。
【0031】
本実施の形態では、到着情報が取得された場合は、無条件に到着情報として記録し、引き続き出発情報が取得された時点で経由事象の発生と見なされるときには既に記録されているデータも含めて更新する。このような処理により、例えば車両を停止してシステムへの主電源の供給が断たれた後も、バックアップ電源による実行負荷を最小限に抑えることができる。
【0032】
そこで、ステップS303では、取得された時間t,場所pを到着時間Tgi 、到着地Pgi に書込んで行程Di を完成する。この後、ステップS304では、行程ポインタSpDを次の記録先である行程Di+1 に進め、処理を終える。この段階の走行履歴テーブルの様子を図6下部に示す。
【0033】
次に、事象モードが出発の場合について説明する。この場合、行程ポインタSpDは、図7上部に示すように、新規記録先である行程Di+1 を指しているものとする。
【0034】
まず、ステップS305では、直前の行程Di についてその出発地Psi と到着地Pgi が同じであるかを調べる。もし同じ場合、次のステップS306での判断に関わらず、行程Di 以降引き続く走行履歴データは行程Di とは別行程としなければならない。さらに、行程Di 自体を複数行程に分割する可能性もあるので、ステップS310以降の処理に進む。出発地Psi と到着地Pgi が同じではない場合にはステップS306に進み、今回取得された出発時間tと直前の到着時間Tgi の時間差を、経由判断指標T0と比較する。
【0035】
本実施の形態では、到着情報を取得した後に一定時間以内に引き続き出発情報が取得された場合、これら2つの情報を互いに別行程に属するものとしてではなく、1行程に含まれる経由情報として記録する。そこでその判断基準となる基準時間差を、車両の利用形態に合わせてT0として予め与えておく。例えば1時間前後の仮眠休憩をとりながら貨物を長距離輸送するような車両では、基準時間差T0を2時間と定めることにより仮眠休憩を経由事象として扱えるようになる。また、30分程度の顧客先訪問を繰り返すような営業車の場合は、基準時間差T0を15分と定めて各訪問先が経由情報として記録されることを避けることも可能である。
【0036】
出発時間tと到着時間Tgi との時間差が与えられた基準時間差T0以上である場合、今回得た出発情報はDi とは別の新たな行程情報として記録する。
【0037】
そこで、ステップS307に進み、行程Di+1 の出発時間Tsi+1 、出発地Psi+1 にt,pを書込む。また経由数Ni+1 には初期値0をセットして処理を終える行程Di+1 の到着情報は空欄のままなので、行程ポインタSpDは行程Di+1 を指したまま変わらないものとし、図7下部のようになる。
【0038】
ステップS306において行程Di の到着時間から今回取得された時間まで基準時間差T0以上経過していないと判断された場合はステップS308に進み、行程Di の到着情報を経由情報に変更して記録し直す。
【0039】
ここで、図4に示すフローチャートを参照してこの処理について説明する。
【0040】
まず、ステップS401,S402では、着目している行程Di の経由数Niを調べ、経由数Niが0の場合は経由情報ポインタSpVを行程Di の行程情報参照ポインタRfi に書込む。SpVは経由情報テーブルの空き領域を管理するポインタであり、新しく経由情報を書込むときの書込み先として、空き領域の先頭アドレスを指している。
【0041】
経由数Ni が0でない場合は、経由情報参照ポインタRfi は既に経由情報を書込まれたアドレスを参照しており、経由情報ポインタSpVはそこから経由数Ni 進んだ位置を示しているはずである。
【0042】
次に、ステップS403では、行程Di の到着情報と今回の取得情報とに基づいて、経由情報ポインタSpVの示す空き領域に経由情報を書込む。すなわち、経由地Pv、到達時間Tvには、行程Di の到着地Pgi 、到着時間Tgi を記録し、また停止時間ΔTvには今回取得時間tと行程Di の到着時間Tgi との差を記録する。
【0043】
さらに、ステップS404,S405では、今回の取得位置pが行程Di の到着地Pgi と異なっている場合に限り、経由情報の移動先Pv*に取得位置pを書込む。こうして経由情報が完成すると、ステップS406で行程Di の経由数Ni を1インクリメントし、ステップS407では、経由情報ポインタSpVを次の空き領域に進める。また行程Di の到着情報は経由情報に変更されたため、ステップS408では、到着地Pgi 、到着時間Tgi を消去しておく。
【0044】
再び図3に戻り、次のステップS309の処理に移る。前段の処理で行程Di の到着情報が消去されたため、次の走行履歴データは再び行程Di に書込まなければならない。そこで本ステップでは、新規記録先の行程Di+1 を示していた行程ポインタSpDを行程Di に戻す。
【0045】
ステップS308に示す処理実行前とステップS309に示す処理実行後とで、走行履歴データがどのように書替えられるかを、行程Di が経由情報を持っていなかった場合を図8に、既に経由情報を持っていた場合を図9にそれぞれ示す。
【0046】
次に、ステップS305では、直前の行程Di の出発地Psi と到着地Pgi が同一であるかを判断する。ここで、出発地Psi と到着地Pgi とが同一の場合にはステップS310に進む。ステップS310では、行程Di をk個の行程に分割する。このサブルーチン処理を図5に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0047】
まず、ステップS501では、行程Di の経由数Ni を調べ、経由数Niが0の場合は分割不可能であるためステップS502に進み、分割数kを1として処理を終える。それ以外はステップS503に進み、さらに自動分割が設定されているか否かによって処理を分ける。
【0048】
本実施の形態では、出発地と到着地が同一であって途中経由地での停止時間が全て基準時間差T0に満たないような走行履歴データが得られた場合、これを最も長く停止していた経由地で自動的に2行程に分けるか、あるいは利用者の指示に従って分割するか、2つのモードを選べるものとする。以下、記述を簡素化するため、行程Di に含まれるNi 個の経由情報について、そのj番目の経由情報をVj 、その構成要素である経由地、到着時間、停止時間、移動先をそれぞれPvj 、Tvj 、ΔTvj 、Pv*j と表記し、
【数1】
Vj =<Pvj,Tvj,ΔTvj,Pv*j >
等と表すことにする。
【0049】
まず、自動分割モードの場合について、ステップS504に示す処理から説明する。
【0050】
ここでは、Ni 個の停止時間ΔTvj (j=1,…,Nj )の中から最も大きい値ΔTvd を選択し、これを擁する経由情報を
【数2】
Vd =<Pvd,Tvd,ΔTvd,Pv*d >
とする。なお、このdを分割位置と呼ぶことにする。
【0051】
次に、ステップS505では、分割対象である行程Di の到着時間Tgi 、到着地Pgi を分割後の第2行程となる行程Di+1 の到着時間Tgi+1 、到着地Pgi+1 にコピーする。
【0052】
そして、ステップS506では、第1行程Di の到着情報として、経由情報Vd の到着時間Tvd 、経由地Pvd を与える。また、第2行程の出発時間Tsi+1 、出発地Psi+1 にはそれぞれTvd +ΔTvd 、Pv*d を与える。ただし、移動先Pv*d は経由地と同じ場合には与えられていないので、この場合は出発地Psi+1 に経由地Pvd を与える。
【0053】
続いて、ステップS507では、行程Di 、Di+1 の経由数を更新する。行程Di+1 には分割位置dより後ろの経由情報Vd+1 からVNiまでが与えられるので、その個数Ni+1 はNi−dとなる。また、行程Di には分割位置dより前に、経由情報V1 〜Vd−1 が与えられるので、個数Ni をd−1に更新する。
【0054】
さらに、ステップS508〜S511では、各行程の経由情報参照ポインタを更新する。経由情報参照ポインタRfiは分割前はV1 を指しているが、行程Diの係数Ni が0の場合にはこれを消去する。
【0055】
一方、経由情報参照ポインタRfi+1 は分割前には与えられていないが、個数Ni+1 が0でない場合には、参照先として経由情報Vd+1 を与える。こうして行程Di 、Di+1 の情報が確定した場合には、ステップS512では分割数kを2として分割処理を終える。
【0056】
次に、図5を参照して、与えられた行程Di を利用者の指示に従って任意数に分割する処理について説明する。
【0057】
本実施の形態では、現在の経由情報をリスト形式で利用者に示し、利用者が1つだけ指定した分割位置に従って行程を2分割し、第1行程は確定として第2行程の経由情報から再び分割位置を指定する、という2分割の処理を繰り返すものとする。なお、他の方法として例えば複数の分割位置を一度に指定させてもよい。
【0058】
まず、ステップS513では、繰り返し処理のための初期値を設定する。すなわち、分割対象となる行程を示す対象行程番号xは、行程Di の識別番号iを初期値とする。経由情報ヘッドhは各繰り返し時点での分割候補となる経由情報に対し、その先頭Vj の識別番号jを保持するものであり、初期値は1である。また、分割前の行程Di の経由数Ni は繰り返しの過程で書替えられてしまうので、これを定数mに保持しておく。
【0059】
初期設定を終えた後に、ステップS514に進み、利用者に対して分割位置dの入力を促す。なお、分割位置はヘッダhから最終経由情報mまでの間でなければならない。
【0060】
図10に表示部13に表示される入力画面例を示す。経由点リストAには各経由情報に基づいて、その地点名称と到達した時間および再出発した時間が示されており、利用者はこの中の1つを選択することができる。選択された経由点は、図10に示すように、反転表示される。
【0061】
この表示状態で分割ボタンBが押下されると、システムに対し分割位置dが指示される。一方、終了ボタンCを押下した場合は分割位置は指定されず、システムに対して以降分割せず分割処理を終了する旨が指示される。
【0062】
続くステップS515では、利用者により終了ボタンCが押され分割終了指示があったか否かを判断し、分割位置が指定されている場合には繰り返し処理(S516〜S522)に進む。この繰り返し処理は、初回の処理は自動分割処理におけるステップS505〜S511と同様である。
【0063】
対象行程Dxを2行程Dx 、Dx+1 に分割した後、ステップS523では、各パラメータを更新する。すなわち、対象行程番号xを1つインクリメントして対象行程を1つ進め、また、ヘッダhは行程Dx+1 で参照する経由情報Vd+1 の識別番号d+1に更新する。
【0064】
このようにして、利用者が分割終了を指示するまで分割処理を繰り返し、分割終了指示があった場合はステップS524に進む。また、分割位置dにmを指定しDx+1 の経由点が0となった場合は、これ以上は分割できない。このときステップS523ではヘッダhにはm+1が与えられるため、この時点でステップS514、S515に戻らずに直接ステップS524に進むこととしてもよい。
【0065】
ステップS524では、分割数kを設定する。すなわち、繰り返しのたびに分割された行程は1つずつ増え、また、ステップS523において対象行程番号xも同様に増えるため、対象行程番号xの初期値に対する増分が増えた行程の数を示している。そこでこれに元の行程を1加えて、対象行程番号x−i+1を分割数kに与える。1回も分割せずに利用者が終了を指示した場合は、k=1となる。
【0066】
なお、以上の分割処理において自動分割の場合であっても、利用者の指示による場合であっても、分割位置として指定された経由情報Vd の内容は分割された各行程の到着および出発情報として改めて記録される。また、分割後のどの行程の参照ポインタRfi によっても経由情報Vd が直接参照されることはなく、また、参照ポインタRfi から経由数Ni 以内の範囲に入ることもない。従って、記憶領域を節約するために、分割後は各Vd を消去しVd+1 以降を1つずつ空き領域に詰めていくようにしてもよい。図2に示した例では、このようにして不要な経由情報がテーブルから消去されている。
【0067】
以上のようにして、図5に示す分割処理を終えた後に、再び図3に戻って、次にステップS311に示す処理に進む。分割処理によって当初の行程Di は、Di 〜Di+k−1 のk個に分割されているはずである。
【0068】
従って、次に走行履歴データを書込むべき走行履歴テーブルの位置は行程Di+k であり、ステップS311では、行程ポインタSpDを行程Di+k に進める。そして、ステップS312では、行程Di+k の出発時間Tsi+k 、出発地Psi+k に、今回取得された出発情報t、pを書込み、さらに経由数Ni+k に初期値0を設定して処理を終える。図11には、行程の分割処理の前後での走行履歴データの変化の様子を示した。
【0069】
また、ステップS302において、事象モードが経由である場合は、到着である場合と同じく行程ポインタSpDは到着時間Tgi 、到着地Pgi が空欄の行程Di を指している。この場合の経由情報を作成するためのステップS313での処理は、図4に示す処理のようになる。
【0070】
すなわち、まず、行程Di の経由数が0である場合には、参照ポインタRfi に経由情報テーブルの空き領域アドレスSpVを設定する。そして空き領域アドレスSpVが示す空き領域に経由情報を書込む。この場合、経由地Pv、到達時間Tvには、取得情報p,iがそのまま書込まれる。また、この経由事象はわずかの時間しか車両を停止しなかったものとして、停止時間ΔTvは0とし、移動先Pv*も記録無しとする。この後、行程Di の経由数Ni を1インクリメントし、空き領域を示す経由情報ポインタSpVを1つ進める。行程Di の到着時間Tgi 、到着地Pgi は空欄のまま残され、従って、行程ポインタSpDも行程Di を指したまま処理を終える。図12には、この処理の前後での走行履歴データの変化の様子を示す。
【0071】
以上のような処理に従って記憶される走行履歴データの具体例を図2を参照して説明する。
この例では、経由判断の基準時間T0を2時間に設定したものとする。図に示されている最初の行程は、98年9月4日の7時42分に自宅を出て9時7分に会社に着いたことを示す。次に、20時16分に会社を出たときは、前回行程の到着時間9時7分から充分時間が経過しているため、これは別行程と見なされる。
【0072】
時間の経過に沿って走行履歴データを追っていくと、次に車両を停止するのは「文化堂書店」で、時間は20時39分である。ここで、一旦は会社からこの書店までの行程として記録されるものの、それから24分後に書店を出ている。これは基準時間差T0より短いので、この書店への立ち寄りは経由情報と見なされ、結局その後自宅に到着した時間をもって、会社から自宅までの行程として記録される。この行程には、途中1箇所だけ文化堂書店を経由したことも自動的に記録することができる。
【0073】
翌9月5日は7時44分に自宅を出て7時47分にコンビニエンスストアαに着き、5分後には再び自宅へ向かっている。この走行履歴データは自宅に到着した時点で、自宅からコンビニエンスストアαを経由して自宅に向かう1行程として一旦記録されるが、出発地と到着地が同じなので自動分割モードを設定している場合には自動的に分割される。この場合は、ただ1箇所の経由点であるコンビニエンスストアで分割されて「自宅→コンビニエンスストアα」、「コンビニエンスストアα→自宅」の2行程が記録される。
【0074】
その後、8時41分に再び自宅を出発するまでは46分しか経っていないが、先の行程分割により7時55分自宅着までの行程は確定しているため、この先は別行程となる。最初の出発地となる自宅のように、いくつかの素行程が基準時間差T0より短い時間で連続している場合、少なくともそれ以前の行程での当着時間から所定の時間をおいて出発しているので、この利用者の行動拠点の1つであると推測される。行動の継続を意味する経由地を停止時間に基づいて判断する場合、このように推測された行動拠点は停止時間の長短によらず行程の区切りとしてとらえられ、さらに、拠点から拠点への行程も適当に分割することによって、一連の走行履歴データを「拠点を出発した行程」、「拠点に到着した行程」という形にまとめて記憶できることが理解できる。
【0075】
最後に、まとめられた走行履歴データの照会・閲覧について説明する。
【0076】
走行履歴データは、全ての走行記録を時間情報とともに保持しており、周知のデータベース検索手法を適用して様々な観点から走行履歴データを閲覧することが可能となる。
【0077】
例えば「先月1ケ月間の貨物輸送先」を調べるには、図13に示すように、入力画面から出発時間と出発地を条件入力部Dに入力する。グラフ表示ボタンEを押下すると、履歴閲覧部5が与えられた条件を満足する行程を走行履歴テーブルから選び、その到着地を地点IDごとに集計して、図14(a)に示すような到着地頻度グラフを表示する。この際、上述したような経由地の判断処理を行わなかった場合、図14(a)に示すように、途中の休憩場所も検索結果として表示することになる。
【0078】
しかし、経由地の判断基準となる基準時間差T0を適切に設定すれば、集配拠点から輸送先までの行程の形に整理された記録が残されるため、図14(b)に示すように所望の結果を得ることができる。
【0079】
また、「自宅から会社に行くまでの所要時間」を調べる場合は、図15に示すような入力画面で出発地、到着地を入力して表示指示を行った場合、履歴閲覧部5は記憶部7から走行履歴データを検索して図16に示すような画面で個々の行程の詳細と平均所要時間を表示することができる。
【0080】
経由地判断がされていない場合には、検索される行程は自宅から直接会社に行ったもののみとなり、行程の事例数も限られてしまうが、経由地を考慮することによって、多様な観点から所要時間を調べることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る走行履歴記憶装置1のシステム構成を示す図である。
【図2】走行履歴データの記憶形態の一例を示す図である。
【図3】経由地判断処理を含む走行履歴データの取得手続きを示すフローチャートである。
【図4】到着記録を経由記録に変更する手続きを示すフローチャートである。
【図5】1行程として記録された走行履歴データを分割する手続きを示すフローチャートである。
【図6】走行履歴データに到着情報を記録する様子を説明する図である。
【図7】走行履歴データに出発情報を記録する様子を説明する図である。
【図8】経由情報を持たない行程の到着情報を経由情報に変更する様子を説明する図である。
【図9】経由情報を持っている行程の到着情報を経由情報に変更する様子を説明する図である。
【図10】行程の分割位置を指示するインタフェ−ス画面の表示例である。
【図11】直前の行程を2分割してから出発情報を記録する様子を説明する図である。
【図12】走行履歴データに経由情報を記録する様子を説明する図である。
【図13】走行履歴データの到着地頻度分析を指示するインタフェース画面の表示例である。
【図14】到着地頻度分析の結果の表示例である。
【図15】走行履歴データの所要時間分析を指示するインタフェース画面の表示例である。
【図16】所要時間分析の結果の表示例である。
【符号の説明】
3 自車位置検出部
5 履歴獲得部
7 記憶部
9 経由地判断部
11 履歴閲覧部
13 表示部
15 入力部
Claims (4)
- 自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、
車両が始動してから停止するまでの1行程の間での自車位置と出発時間および到着時間ならびに経由情報を走行履歴データとして獲得する履歴獲得手段と、
この獲得された走行履歴データを記憶する記憶手段と、
利用者による指示を入力する指示入力手段と、
この指示に応じて記憶手段から走行履歴データを読み出し、履歴閲覧情報を生成する履歴閲覧手段と、
生成された履歴閲覧情報を表示する表示手段とを備えた走行履歴記憶装置において、
連続する2行程の間で、第1の行程での到着時間と第2の行程での出発時間との時間差が所定時間以内であるという条件が成立する場合には、停止した経由地を含む当該2行程を1行程として見なして走行履歴データを更新するように前記履歴獲得手段に指示する経由地判断手段を備えることを特徴とする走行履歴記憶装置。 - 前記経由地判断手段は、
前記条件に従って連続する複数の素行程が1行程と見なされる場合に、該素行程の到着地点のいずれかが第1の素行程の出発地点と同一であるときには、第1の素行程から当該同一地点を到着地点とする素行程までと、該素行程以降の素行程とを別行程として見なすことを特徴とする請求項1記載の走行履歴記憶装置。 - 前記経由地判断手段は、
前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、この連続する2素行程の第1の素行程の到着時間と第2の素行程の出発時間との時間差が最も長くなるような連続する2素行程を選択し、
前記複数の素行程群の最初の素行程から該選択された2素行程の第1の素行程までと、該選択された2素行程の第2の素行程から前記複数の素行程群の最後の素行程までを、各々異なる2行程として見なすことを特徴とする請求項2記載の走行履歴記憶装置。 - 前記経由地判断手段は、
前記条件に従って最初の素行程の出発地点と最後の素行程の到着地点とが同一となる連続する複数の素行程群が得られた場合は、該素行程群を1行程と見なすか、各素行程間のどこで区切って何個の異なる行程と見なすかを前記指示入力手段からの指示に応じて決定することを特徴とする請求項2記載の走行履歴記憶装置。
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