JP3561408B2 - 漏電遮断器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は交流電路の漏電電流を零相変流器を介して検出して、その漏電電流のレベルにより交流電路を遮断または漏電警報出力し、かつ漏電電流のレベルを計測表示する漏電遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、例えば特開平7−6682号公報に示された従来の漏電電流の計測表示器を備えた漏電遮断器の構成を示すブロック図である。
図において、1は交流電路、2は交流電路1を開閉する開閉接点、3は交流電路1の漏電電流を検出する第一の零相変流器、4は漏電検出回路であり、第一の零相変流器3の出力レベルを判定する。5は交流電路1の漏電電流を検出する第二の零相変流器、6は第二の零相変流器5の出力を増幅する増幅器、7は増幅器6の出力を電流計駆動回路8で更に増幅して漏電電流のレベルを表示する電流計である。
【0003】
上記のような漏電遮断器において、交流電路1に地絡、漏電等が生ずると、第一の零相変流器3には漏電電流に比例した二次電流が誘起される。漏電検出回路4ではこの二次電流を図示しない負担抵抗により電圧変換して、漏電電流の出力レベルを判定して、出力レベルが所定レベル以上のとき引外し装置(図示なし)を介して開閉接点2を開離して交流電路1を遮断する。また、第二の零相変流器5にも漏電電流に比例した二次電流が誘起され、増幅器6では図示しない負担抵抗により二次電流に比例した電圧に変換して、電流計駆動回路8を介して電流計7に交流電路1の漏電電流値を表示させる。
【0004】
図5は、特開平5−252646号公報に示された他の従来例の漏電遮断器の構成を示すブロック図である。図において、1〜4、7は上記従来例のものと同様である。9、10は第一の零相変流器3の二次側に直列接続された負担抵抗である。漏電検出回路4はこの負担抵抗9、10の両端の電圧を検出して漏電電流の出力レベルを判定している。そして電流計7は負担抵抗9側のみの電圧を検出して図示されていない増幅回路を介して漏電電流を計測表示する。11は漏電検出回路4での漏電電流の出力レベルが所定値以上と判定したとき外部への漏電検出を出力する漏電リレーである。動作については上記の従来例のものと略同様であり説明を省略する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平7−6682号公報のものは、交流電路1の安全確保のために所定レベル以上の漏電により交流電路1を遮断する漏電検出回路4用の零相変流器3と、漏電電流値を表示するための零相変流器5とを同一筐体内に収納するため、筐体内のスペース占有が多大となる。また、コスト的にも高価となる。そして、零相変流器3、5は個々に特性が異なるため漏電検出回路4により判別される漏電電流と、電流計7に表示される電流値とに差異がでてしまうという不具合が発生する。
【0006】
また、特開平5−252646号公報においては、漏電電流値表示のため、零相変流器3の出力側に複数の検出用の負担抵抗9、10を直列接続して、その分圧された電圧を処理して漏電電流を計測する方法が開示されている。しかし、この従来例では、図6に示すように、漏電検出回路4の感度電流を切り換えるためにスイッチ12を介して、負担抵抗9、10に並列に調節抵抗20を接続しようとすると、合成抵抗値が変化してしまうため、感度を切り換えるたびに漏電電流値に対する出力電圧が変化してしまう。つまり、同じ漏電電流が流れていても感度電流の設定を変えてしまうと、出力の値も変わってしまうという不具合が発生し、電流計7での漏電電流の計測が正確に行えないという課題があった。
【0007】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、1個の零相変流器の出力で漏電検出と漏電電流表示を行い、漏電検出回路の感度電流の設定を変えても漏電電流表示の精度が保たれる漏電遮断器の検出回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明に係る漏電遮断器は、交流電路の漏電電流を検出する零相変流器と、この零相変流器の二次コイルに対し第一の負担抵抗と第二の負担抵抗との直列抵抗体を接続した漏洩電流回路と、上記第一の負担抵抗の降下電圧に応じて漏洩電流が所定レベル以上か否かを判定し、その判定結果により漏洩検出信号を出力する漏電検出回路と、上記第二の負担抵抗の降下電圧から漏電電流を計測表示する漏電電流計測回路とを備えたものである。
【0009】
(2)また、上記(1)において、
第一の負担抵抗に並列接続される抵抗体と、この抵抗体の抵抗値を可変する手段とを有して漏電検出回路の感度を調節する感度調整手段を備えたものである。
【0010】
(3)また、上記(1)または(2)において、
上記漏電遮断器内に供給される電源が交流電路からの供給電源である場合、
漏電電流計測回路で計測した漏電電流を記憶するメモリと、上記漏洩電流計測回路に供給する別の電源を備え、漏洩遮断器のトリップ動作により上記供給電源が遮断されても上記漏洩電流計測回路は上記別電源を用いて上記メモリからトリップ直前の漏洩電流値を読み出し表示可能としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の漏電遮断器の検出回路の構成を示すブロック図である。
図において、1〜3、7〜10は上記従来例のものと同様である。12は感度電流切換え装置であり、負担抵抗9に並列接続される調節抵抗9a、9bを選択して漏電検出回路13の感度を調節する。13は差動増幅器からなる漏電検出回路であり、負担抵抗9の降下電圧を検出して漏電電流の出力レベルを判定して、出力レベルが所定レベル以上のとき引外し装置14を介して開閉接点2を開離して交流電路1を遮断する。
【0012】
15は差動増幅器からなる電流計測回路、16は電流計測回路15の出力を電流計駆動回路8へ電気的に絶縁して伝達するホトカプラである。17は電流計7および電流計駆動回路8の駆動電源、18は漏電電流値を記憶するRAM等の記憶装置である。
【0013】
漏電電流の出力レベルが所定値を超えた際の交流電路1遮断動作は、上記従来例と同様であり説明を省略する。
漏電電流計測においては、電流計測回路15の出力をホトカプラ16を介して伝達するようにしているので、電流計駆動回路8および電流計7は遮断器の交流電路1から絶縁される。これにより交流電路1から編成される電流計測回路15とは別の駆動電源17で動作できるようになり、引外し装置14の作動により交流電路1が遮断されても、電流計7、電流計駆動回路8および記憶装置18は作動可能である。
【0014】
記憶装置18は引外し装置14の作動により交流電路1が遮断された漏電電流値を記憶させておき、遮断器のトリップ時直前の漏電電流値を表示し続けることができる。
なお、駆動電源17はトリップ前、トリップ後に拘わらず常に電流計駆動回路8に電源を供給するようにしているが、トリップ信号に応じてトリップ後のみ供給するようにしてもよい。
【0015】
上記の漏電遮断器の検出回路では、零相変流器3の二次電流を直列接続された負担抵抗9、10に通じ、負担抵抗9の電圧を漏電検出回路13が検出し、負担抵抗10の電圧を電流計測回路15が検出する。負担抵抗9、10が直列接続されているので漏電検出回路13および電流計測回路15は同一の二次電流を検出対象としているので、双方間に誤差は生じない。
【0016】
また、漏電検出回路13の感度電流調節のため感度電流切換え装置12により一方の負担抵抗9に調節抵抗9aまたは9bを並列接続した場合、一方の負担抵抗9と調節抵抗9aまたは9bの並列接続による並列抵抗体の合成抵抗値は一方の負担抵抗9の抵抗値よりも低下し、従って各負担抵抗9、10の分圧比も変動して感度調節の影響を受けるが、一方の負担抵抗9と調節抵抗9aまたは9bとの並列抵抗体に対し他方の負担抵抗10が直列に接続されているので、一方の負担抵抗9に調節抵抗9aまたは9bを並列接続することによる全体のインピーダンスの変化率は小さくなり、従って、電流計側の電流計測回路15の他方の負担抵抗10に通ずる電流値は変動はするものの、その程度が少ないため、許容精度内での漏電電流の計測が可能となる。
【0017】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2の漏洩電流を計測表示する回路の要部を示す図である。20は交流電路1により供給される漏電遮断器内の各種回路動作用の電源で、この電源20と駆動電源17との出力をダイオード21により突き合わせて電流計駆動回路8に供給する。
【0018】
漏電遮断器のトリップにより上記電源20が遮断されても、電流計駆動回路8は駆動電源17から電源が供給され、記憶装置18のトリップ直前の漏洩電流値を読み出し電流計7で表示することができる。
【0019】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3の漏洩電流を計測表示する回路の要部を示す図で、実施の形態2の変形例である。
実施の形態2の記憶装置18でRAMを用いた場合は、常に電源を供給しないと電源断で記憶内容が消去されるが、図3のようにフラッシュメモリ23を用いることにより電源断でも記憶内容が保持でき、トリップ直前の漏洩電流値を読み出すことが可能となる。
【0020】
また、スイッチ22を設け、トリップ時に漏電電流値の表示が必要なときのみスイッチ22をONして、フラッシュメモリ23のトリップ直前の漏洩電流値を読み出し表示するようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、第一の負担抵抗と第二の負担抵抗を直列接続してそれぞれの降下電圧に応じて漏電電流の検出と漏電電流の計測をするようにしたので、零相変流器の二次コイルは一つでよく、従って、漏洩電流の検出と計測との電流値の差異は生じない。
【0022】
また、感度調節用の調節抵抗を第一の負担抵抗に並列に接続しても第二の負担抵抗による電圧降下の値の変動は少ないので、所定精度内での漏洩電流の計測が可能となる。
【0023】
また、トリップ動作により電源が供給されなくても、メモリしたトリップ直前の漏洩電流値を別電源を用いて読み出して表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による漏電遮断器の検出回路のブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態2による漏電遮断器の検出回路の要部の回路図である。
【図3】この発明の実施の形態2による他の漏電遮断器の検出回路の要部の回路図である。
【図4】従来の漏電電流の計測表示器を備えた漏電遮断器のブロック図である。
【図5】他の従来例を示す漏電遮断器のブロック図である。
【図6】図5の検出回路の課題を説明する回路図である。
【符号の説明】
1 交流電路 2 開閉接点
3,5 零相変流器 7 電流計
8 電流計駆動回路 9 第一の負担抵抗
10 第二の負担抵抗 9a、9b 調節抵抗
12 感度電流切換え装置 13 漏電検出回路
14引外し装置 15 電流計測回路
16 ホトカプラ 17 駆動電源
18 記憶装置
Claims (3)
- 交流電路の漏電電流を検出する零相変流器と、
この零相変流器の二次コイルに対し第一の負担抵抗と第二の負担抵抗との直列抵抗体を接続した漏洩電流回路と、
上記第一の負担抵抗の降下電圧に応じて漏洩電流が所定レベル以上か否かを判定し、その判定結果により漏洩検出信号を出力する漏電検出回路と、
上記第二の負担抵抗の降下電圧から漏電電流を計測表示する漏電電流計測回路とを備えたことを特徴とする漏電遮断器。 - 請求項1記載の漏電遮断器において、
第一の負担抵抗に並列接続される抵抗体と、この抵抗体の抵抗値を可変する手段とを有して漏電検出回路の感度を調節する感度調整手段を備えたことを特徴とする漏電遮断器。 - 請求項1または請求項2記載の漏電遮断器において、
上記漏電遮断器内に供給される電源が交流電路からの供給電源である場合、
漏電電流計測回路で計測した漏電電流を記憶するメモリと、上記漏洩電流計測回路に供給する別の電源を備え、
漏洩遮断器のトリップ動作により上記供給電源が遮断されても上記漏洩電流計測回路は上記別電源を用いて上記メモリからトリップ直前の漏洩電流値を読み出し表示可能としたことを特徴とする漏電遮断器。
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ID=13704380
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JP07994298A Expired - Lifetime JP3561408B2 (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | 漏電遮断器 |
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Cited By (1)
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1998
- 1998-03-26 JP JP07994298A patent/JP3561408B2/ja not_active Expired - Lifetime
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