JP2010257655A - 電子式の配線用遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 遮断理由を示す情報を表示し、異常個所の発見を容易にし、復旧を的確に行う。
【解決手段】 電源回路19はCPU17の動作電圧を主接点14より2次側の配線路13から取得する。CPU17は、電流センサ15の出力に基づいて配線路13の通電異常を監視し、温度センサ16の出力に基づいてケースの内部温度を監視し、電圧センサ線20から入力した電圧に基づいて電源回路19の降圧機能を監視し、各部の異常を判定したときに、駆動回路12を介してトリップコイル11に動作指令を出力する。動作指令を出力する直前に、CPU17は遮断理由を示す情報を不揮発性記憶素子からなる記憶部25に書き込む。操作ハンドルによって主接点14が閉じられた直後に、CPU17は遮断理由情報を記憶部25から読み出して表示部6に表示させる。
【選択図】 図2
【解決手段】 電源回路19はCPU17の動作電圧を主接点14より2次側の配線路13から取得する。CPU17は、電流センサ15の出力に基づいて配線路13の通電異常を監視し、温度センサ16の出力に基づいてケースの内部温度を監視し、電圧センサ線20から入力した電圧に基づいて電源回路19の降圧機能を監視し、各部の異常を判定したときに、駆動回路12を介してトリップコイル11に動作指令を出力する。動作指令を出力する直前に、CPU17は遮断理由を示す情報を不揮発性記憶素子からなる記憶部25に書き込む。操作ハンドルによって主接点14が閉じられた直後に、CPU17は遮断理由情報を記憶部25から読み出して表示部6に表示させる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、配線路を含む複数個所の異常を表示する機能を備えた電子式の配線用遮断器に関する。
従来、配線路に流れる電流をセンサで検出し、センサの出力に基づいてCPUが通電異常を判定し、遮断機構と表示部を動作させる配線用遮断器が知られている。例えば、特許文献1に記載された配線用遮断器は、配線路に流れる負荷電流を変流器で検出し、CPUが負荷電流値と基準値とを比較し、負荷電流値が基準値を超えたときに過電流を判定し、トリップコイルと事前警報出力部を同時に動作させるように構成されている。
ところが、通常、保安上の理由でCPUの動作電圧を主接点より2次側の配線路から取得しているので、主接点が開くとCPUが停電状態となり、表示部が機能を停止してしまう。このため、通電異常に加えて電源回路や機内温度の異常を表示しようとする場合に、ユーザーが遮断理由を確認できず、異常箇所の発見に手間取ったり、異常要因を放置したまま電源を再投入したりするなど、復旧作業が不的確になるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、遮断理由を示す情報を表示し、異常個所の確認を容易にし、復旧を的確に行うことができる配線用遮断器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、配線路を含む複数個所の状態をセンサで検出し、センサの出力に基づいてCPUが異常を判定し、遮断機構に動作指令を出力する配線用遮断器において、次のような構成を採用したことを特徴とする。
(1)CPUが、遮断機構に動作指令を出力する前に、遮断理由を示す情報を記憶部に書き込み、操作ハンドルによって主接点が閉じられた後に、遮断理由情報を記憶部から読み出して表示部に表示させることを特徴とする配線用遮断器。
(2)CPUの動作電圧を主接点より2次側の配線路から取得する電源回路を備え、記憶部に不揮発性記憶素子を用いたことを特徴とする配線用遮断器。
(3)センサが、配線路に流れる電流を検出する電流センサと、電源回路の電圧を検出する電圧センサと、遮断器ケースの内部温度を検出する温度センサとを含み、表示部が、遮断理由情報として配線路の通電異常と、電源回路の異常と、内部温度の異常とを選択的に表示することを特徴とする配線用遮断器。
上記(1)の配線用遮断器によれば、電源を再投入するときに、遮断理由を示す情報が表示部に直ちに表示されるので、ユーザーは異常箇所を容易に確認でき、異常要因を取り除いて、配線路を的確に復旧できるという効果がある。
上記(2)の配線用遮断器によれば、記憶部に不揮発性記憶素子を用いたので、主接点が開いた停電状態で、遮断理由情報を記憶部に保持し、電源再投入時に確実に表示できるという効果がある。
上記(3)の配線用遮断器によれば、表示部が遮断理由情報として、配線路の通電異常と電源回路の異常と内部温度の異常とを選択的に表示するので、異常個所の識別が容易になるという効果がある。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この配線用遮断器1は、ケース2の両端に電源側端子3と負荷側端子4を装備している。ケース2の前面には、主接点を手動で開閉する操作ハンドル5と、遮断理由情報を表示する表示部6とが配設されている。
表示部6は、2つのLEDランプ7の点消灯を組み合わせ、配線路の通電異常と、電源回路の異常と、内部温度の異常とを選択的に表示するように構成されている。ただし、表示部6はLEDランプ7に限定されず、液晶パネルを用いてもよく、遮断理由情報を文字やマーク等で表示することも可能である。
図2に示すように、ケース2の内部には、トリップコイル11とその駆動回路12が設けられ、両者によって配線路(単相3線式配線路を例示)13の主接点14を開く遮断機構が構成されている。配線路13上には、3本の電線(X,Y,N)に流れる負荷電流を別々に検出する電流センサ15が設けられている。
内部温度を検出する温度センサ16は、主接点14等の発熱しやすい機器の近くに設置され、機内温度を示す信号をCPU17に出力する。CPU17は給電線18を介して電源回路19に接続され、電源回路19が主接点14より2次側の配線路13から取得した電圧を所定レベルまで降圧し、動作電圧としてCPU17に供給する。
また、CPU17と電源回路19は電圧センサ線20で接続され、電圧センサ線20が電源回路19の降圧用中間電圧をCPU17に伝送する。CPU17には、A/D変換部21、制御プログラム22、データ記憶部23、演算制御部24が設けられ、演算制御部24にトリップコイル駆動回路12、表示部6、記憶部25が接続されている。
A/D変換部21は、電流センサ15、温度センサ16、電圧センサ線20からのアナログ信号をデジタル信号に変換して演算制御部24に送信する。演算制御部24は、制御プログラム22に従って、異常判定に用いる基準値や許容値等のパラメータをデータ記憶部23から読み出し、配線路13に流れる電流、ケース2内の温度、電源回路19の降圧機能を監視し、異常を判定したときに、トリップコイル11に動作指令を出力する。
また、演算制御部24は、動作指令を出力する直前に、通電異常と電源回路異常と温度異常のうちから選択した一つの遮断理由情報を記憶部25に書き込む。そして、操作ハンドル5によって主接点14が閉じられた直後に、演算制御部24が遮断理由情報を記憶部25から読み出して表示部6に所定時間表示させる。記憶部25には、遮断理由情報を停電状態で保持できるように、不揮発性記憶素子が用いられている。
次に、配線用遮断器1の動作を図3〜図6に基づいて説明する。図3に示すように、配線路13に電源が投入されると、CPU17は制御プログラム22中のメイン処理を実行する。ここでは、まず、システムを初期化し(S1)、その直後に、記憶部25から遮断理由情報を読み出す(S2)。次に、表示タイマを始動し(S3)、遮断理由情報の表示時間を計測する(S4)。
そして、タイマが終了するまでの数秒間、遮断理由情報を表示部6のLEDランプ7で表示し(S5)、タイマが終了した時点で、LEDランプ7を消灯して表示をリセットする(S6)。続いて、CPU17は本来の任務である動作状態監視処理を実行する(S7)。この実施形態の配線用遮断器1では、動作状態監視処理に過電流監視処理と電源回路監視処理と内部温度監視処理とが含まれている。
図4に示すように、過電流監視処理では、電流センサ15の出力に基づいて負荷電流のベクトル合成和を演算し(S11)、負荷電流値を定格電流値と比較し、過電流の発生を監視する(S12)。あるいは、X,N,Y各線の実効電流値を定格電流値と比較して、過電流の発生を監視する。過電流が発生していないときは、過電流応答時限を0にリセットし(S13)、過電流が発生しているときに、その継続時間を過電流応答時限と比較する(S14)。そして、過電流が応答時限を超えて流れた時点で、配線路13の通電異常を判定し、これを遮断理由情報として記憶部25に書き込む(S15)。その後、トリップコイル11に動作指令を出力し、主接点14を開いて配線路13を遮断する(S16)。
図5に示すように、電源回路監視処理では、電源回路19から電圧センサ線20を介して降圧用中間電圧を入力し(S21)、その上限値および下限値を許容値と比較して、電源回路20の降圧機能を監視する(S22)。そして、降圧機能が不適正である場合に、電源回路19の異常を判定し、これを遮断理由情報として記憶部25に書き込み(S23)、トリップコイル11に動作指令を出力して、主接点14を開放する(S24)。
図6に示すように、内部温度監視処理では、温度センサ16の出力に基づいて内部温度を検出し(S31)、検出値を基準値と比較して、ケース2内の温度上昇を監視する(S22)。そして、内部温度が基準値を超えたときに、温度異常を判定し、これを遮断理由情報として記憶部25に書き込み(S33)、トリップコイル11に動作指令を出力して、主接点14を開放する(S34)。
この実施形態の電子式配線用遮断器1によれば、トリップ指令が出る直前に、遮断理由情報が不揮発性の記憶部25に書き込まれるので、主接点14が開いた停電状態で遮断理由情報を失う心配がない。一方、電源の再投入にあたり、ユーザーが主接点14を閉じると、図3に示すメイン処理において、遮断理由情報が記憶部25から直ちに読み出され、通電異常、電源回路異常または温度異常を示す情報がLEDランプ7によって表示される。したがって、ユーザーは異常個所を容易に識別でき、異常要因を速やかに取り除き、配線路13を的確に復旧することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するように、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
(a)本発明を単相2線式または3相3線式配線用遮断器に適用すること。
(b)配線路上に零相変流器を設け、漏電による通電異常を遮断理由情報として表示すること。
(c)配線路上に瞬時遮断機構を設け、短絡電流による通電異常を遮断理由情報として表示すること。
(d)単相3線式配線路を構成する3本の電線の電圧を検出し、誤結線や中性線の欠損による電圧異常を遮断理由情報として表示すること。
(a)本発明を単相2線式または3相3線式配線用遮断器に適用すること。
(b)配線路上に零相変流器を設け、漏電による通電異常を遮断理由情報として表示すること。
(c)配線路上に瞬時遮断機構を設け、短絡電流による通電異常を遮断理由情報として表示すること。
(d)単相3線式配線路を構成する3本の電線の電圧を検出し、誤結線や中性線の欠損による電圧異常を遮断理由情報として表示すること。
1 配線用遮断器
2 ケース
5 操作ハンドル
6 表示部
11 トリップコイル
13 配線路
14 主接点
15 電流センサ
16 温度センサ
17 CPU
19 電源回路
20 電圧センサ線
25 記憶部
2 ケース
5 操作ハンドル
6 表示部
11 トリップコイル
13 配線路
14 主接点
15 電流センサ
16 温度センサ
17 CPU
19 電源回路
20 電圧センサ線
25 記憶部
Claims (3)
- 配線路を含む複数個所の状態をセンサで検出し、センサの出力に基づいてCPUが異常を判定し、遮断機構に動作指令を出力する配線用遮断器において、
前記CPUが、遮断機構に動作指令を出力する前に、遮断理由を示す情報を記憶部に書き込み、操作ハンドルによって主接点が閉じられた後に、前記遮断理由情報を記憶部から読み出して表示部に表示させることを特徴とする配線用遮断器。 - 前記CPUの動作電圧を主接点より2次側の配線路から取得する電源回路を備え、前記記憶部に不揮発性記憶素子を用いた請求項1記載の配線用遮断器。
- 前記センサが、配線路に流れる電流を検出する電流センサと、電源回路の電圧を検出する電圧センサと、遮断器ケースの内部温度を検出する温度センサとを含み、前記表示部が、遮断理由情報として配線路の通電異常と、電源回路の異常と、内部温度の異常とを選択的に表示する請求項2記載の配線用遮断器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009104403A JP2010257655A (ja) | 2009-04-22 | 2009-04-22 | 電子式の配線用遮断器 |
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Family
ID=43318373
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2010257655A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102832598A (zh) * | 2011-06-15 | 2012-12-19 | 上海电科电器科技有限公司 | 智能监控模块 |
Citations (4)
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JPH05288576A (ja) * | 1992-04-09 | 1993-11-02 | Hioki Ee Corp | 電源監視レコーダ |
JPH11285140A (ja) * | 1998-03-26 | 1999-10-15 | Mitsubishi Electric Corp | 漏電遮断器 |
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2009
- 2009-04-22 JP JP2009104403A patent/JP2010257655A/ja active Pending
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20120306 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20130604 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20131008 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |