JP3561173B2 - 非接触型センサ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触型センサに関し、特に単電源駆動でしかも非接触で電圧又は電流を測定するときの測定範囲を正負の被測定電流の大きさにより、別々に設定できる非接触型センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
ホール素子を用いた高精度測定のサーボ式電流センサは、正・負の電流を測定する場合、通常、両電源で駆動しているが、サーボ式電流センサを単電源で駆動する場合には、図3に示すような単電源電流センサが用いられている。
【0003】
この単電源電流センサは、図3に示すように、単電源であるサブバッテリ+Bの電力によって、単電源電流センサの各回路が動作する。コイル5は、磁心7に図示しないメインバッテリーからの電線を一次巻線5aとして通し、電流バッファ15からの出力線である2次巻線5bを磁心7に所定回数巻回している。また、磁心7に形成されたギャップにはホール素子9が配置されている。
【0004】
このホール素子9は、正負の被測定電流が一次巻線5aに流れることで、コイル5に発生する磁束密度に比例した電圧を出力端子に発生し、抵抗R1,抵抗R2を介して差動増幅器13に出力する。
【0005】
差動増幅回路13は、ホール素子9からの出力を入力し、その出力を増幅して電流バッファ15に出力する。電流バッファ15は、NPNのトランジスタTR1とPNPのトランジスタTR2とからなり、それぞれのベースは、差動増幅回路13の出力に接続され、それぞれのエミッタは、コイル5の二次巻線5b側の他方に接続されている。
【0006】
また、二次巻線5bには検出抵抗Rが接続され、この検出抵抗Rの両端電圧を出力電圧Voutとする。コンパレータ17は、検出抵抗Rの両端電圧を入力し、被測定電流が正方向の電流のときに“L”レベルを出力し、負方向の電流のときに“H”レベルを出力する。バッファ19は、コンパレータ17からの“L”レベルにより、“L”レベルをNPNのトランジスタTR3のベース及びPNPのトランジスタTR4のベースに出力する。
【0007】
バッファ19は、コンパレータ17からの“H”レベルにより、“H”レベルをNPNのトランジスタTR3のベース及びPNPのトランジスタTR4のベースに出力する。トランジスタTR3,TR4は、零電圧または電源電圧の基準電圧を得るための基準電圧制御回路を構成する。
【0008】
次に、このように構成された従来の単電源駆動の電流センサの動作を説明する。まず、負荷の変動に伴って、図示しないメインバッテリから一次巻線5aに放電電流が流れる。この放電電流によって、コイル5のコア内に磁束が発生し、ホール素子9の出力には磁束に対応する電圧が得られる。
【0009】
この電圧は差動増幅回路13によって、0V〜+Bの範囲で増幅されて電流バッファ15に出力され、電流バッファ15のトランジスタTR1がオン状態となって、コイル5に発生した磁束に応じた電流が二次巻線5b、検出抵抗Rに向かって流れる(正方向の電流)。
【0010】
ここで、正方向の電流を測定した場合の出力電流をIとすると、検出抵抗Rの電圧降下により、コンパレータ17の出力は、“L”レベルとなるので、バッファ19の出力も“L”レベルとなり、トランジスタTR4がオンして、トランジスタTR4のエミッタの電圧、すなわち、基準電圧Vrefは、ほぼ零となる。
【0011】
また、負方向の電流が流れた場合には、出力電流は、正方向の電流の向きとは逆向きとなるので、コンパレータ17の出力は、“H”レベルとなり、バッファ19の出力も“H”レベルとなり、トランジスタTR3がオンして、基準電圧Vrefは、ほぼ電源電圧+Bとなる。出力電圧Voutは、
Vout=I×R
で表される。
【0012】
また、測定範囲は、出力電圧Voutが飽和しないように、検出抵抗Rを選択して調整する。また、出力電圧Voutの分解能を大きく取るためにも、検出抵抗Rは、大きな値に選ぶのがよい。
【0013】
このように、放電時または充電時に検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧との範囲の測定範囲が得られることになる。すなわち、単電源で駆動する場合でも、充電又は放電に応じて、基準電圧を容易に変化させることにより、測定範囲を両電源で駆動したときと同程度に確保することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電気自動車は、放電電流(正方向の電流)に対して、充電電流(負方向の電流)は、数分の1程度しか流れない。このような場合、放電電流の測定範囲に合わせて検出抵抗を選択すると、充電電流側は測定範囲の数分の1程度の検出しかしない。
【0015】
また、充電電流の測定範囲に合わせて検出抵抗を選択して、放電電流を測定する場合には、測定範囲を超えてしまう。
【0016】
本発明は、正の電流を測定する場合と負の電流を測定する場合とで、検出抵抗の値を変えることにより、正負個々の測定範囲を設定して、センサ能力を有効に使用することができる非接触型センサを提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために以下の構成とした。請求項1の発明は、磁心に巻回されたコイルの一次巻線に流れる被測定電流に応じて前記コイル内に磁束を発生し、前記磁心のギャップ内に配置したホール素子の出力を電流バッファと前記コイルの二次巻線とを介して検出抵抗の他端に出力し、発生した磁束の方向に応じた正方向の電流または負方向の電流を前記コイルの二次巻線を介して前記検出抵抗に流し、前記検出抵抗の両端電圧を出力電圧として検出する非接触型センサであって、前記検出抵抗の一端に印加される電圧を前記二次巻線を流れる前記正方向の電流または前記負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更する基準電圧制御回路を備え、前記検出抵抗は、前記正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第1の検出抵抗と、前記負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第2の検出抵抗とからなり、さらに、第1のダイオードを前記第1の検出抵抗に直列に接続した第1の直列回路と、前記第1のダイオードの極性と逆極性となるように配置された第2のダイオードを前記第2の検出抵抗に直列に接続した第2の直列回路とを設け、前記第1の直列回路と前記第2の直列回路とを並列に接続したことを特徴とする。
【0018】
請求項1の発明によれば、コイル内に発生した磁束の方向に応じた電流がコイルの二次巻線を介して検出抵抗に流れると、基準電圧制御回路は、検出抵抗の一端に印加される電圧を二次巻線を流れる正方向の電流または負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更するため、放電時と充電時には、検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧の範囲の測定範囲が得られる。また、正方向の電流測定時には正方向の電流が第1の直列回路の第1のダイオード及び第1の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には負方向の電流が第2の直列回路の第2のダイオード及び第2の検出抵抗を流れ、第2の検出抵抗が負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0022】
請求項2の発明は、磁心に巻回されたコイルの一次巻線に流れる被測定電流に応じて前記コイル内に磁束を発生し、前記磁心のギャップ内に配置したホール素子の出力を電流バッファと前記コイルの二次巻線とを介して検出抵抗の他端に出力し、発生した磁束の方向に応じた正方向の電流または負方向の電流を前記コイルの二次巻線を介して前記検出抵抗に流し、前記検出抵抗の両端電圧を出力電圧として検出する非接触型センサであって、前記検出抵抗の一端に印加される電圧を前記二次巻線を流れる前記正方向の電流または前記負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更する基準電圧制御回路を備え、前記正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第1の検出抵抗と、この第1の検出抵抗に直列に接続された第2の検出抵抗と、この第2の検出抵抗と並列に接続され且つ前記正方向の電流が流れるときにオンするダイオードとを有し、さらに、前記第1の検出抵抗の抵抗値と前記第2の検出抵抗の抵抗値との合計抵抗値が前記負方向の電流測定範囲に応じた値に設定されてなることを特徴とする。
【0023】
請求項2の発明によれば、正方向の電流測定時には正方向の電流がダイオード及び第1の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には負方向の電流が第1の検出抵抗及び第2の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗の抵抗値と第2の検出抵抗の抵抗値との合計抵抗値が負方向の電流測定範囲に応じた値になっているため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0024】
請求項3の発明の前記基準電圧制御回路は、前記検出抵抗の両端の電圧差に基づき、前記検出抵抗の一端に印加される電圧を前記アース電圧又は前記単電源電圧に変更することを特徴とする。
【0025】
請求項3の発明によれば、基準電圧制御回路は、検出抵抗の両端の電圧差に基づき、検出抵抗の一端に印加される電圧をアース電圧又は単電源電圧に変更するため、放電時と充電時には、検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧の範囲の測定範囲が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非接触型センサのいくつかの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
<第1実施の形態>
本発明の非接触型センサの第1実施の形態を説明する。ここでは、非接触センサとして単電源電流センサに適用する。図1は第1実施の形態の単電源電流センサの概略構成図である。
【0028】
図1において、コイル5の二次巻線にはコンパレータ17の反転入力端子(−)が接続され、このコンパレータ17の反転入力端子と非反転入力端子(+)との間には、第1のダイオードD1とこの第1のダイオードD1に直列に接続された第1の検出抵抗R3が接続されている。この第1のダイオードD1と第1の検出抵抗R3とで第1の直列回路を構成する。
【0029】
また、コンパレータ17の反転入力端子と非反転入力端子(+)との間には、第2のダイオードD2とこの第2のダイオードD2に直列に接続された第2の検出抵抗R4が接続されている。第2のダイオードD2と第2の検出抵抗R4とで第2の直列回路を構成する。並列に接続された第1の直列回路及び第2の直列回路の電圧を出力電圧Voutとして取り出すようになっている。
【0030】
ここで、第1のダイオードD1は、正方向の電流(放電電流)I1の測定時にオンとなり、第2のダイオードD2は、負方向の電流(充電電流)I2測定時にオンとなるように極性が配置されている。
【0031】
コンパレータ17は、並列に接続された第1の直列回路及び第2の直列回路の両端電圧を入力し、被測定電流が正方向の電流のときに“L”レベルを出力し、負方向の電流のときに“H”レベルを出力する。バッファ19は、コンパレータ17からの“L”レベルにより、“L”レベルをNPNのトランジスタTR3のベース及びPNPのトランジスタTR4のベースに出力する。
【0032】
バッファ19は、コンパレータ17からの“H”レベルにより、“H”レベルをNPNのトランジスタTR3のベース及びPNPのトランジスタTR4のベースに出力する。
【0033】
トランジスタTR3,TR4は、零電圧または電源電圧の基準電圧を得るための基準電圧制御回路を構成する。基準電圧制御回路は、第1の検出抵抗R3及び第2の検出抵抗R4の一端に印加される電圧を二次巻線5bを流れる正方向の電流または負方向の電流に応じて、アース電圧又は電源電圧に変更する。
【0034】
第1の検出抵抗R3は、正方向の電流測定時に正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値が選択されている。第2の検出抵抗R4は、負方向の電流測定時に負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値が選択されている。
【0035】
なお、図1に示すその他の構成において、図3に示す部分と同一部分は、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0036】
次にこのように構成された第1実施の形態の単電源電流センサの動作を説明する。
【0037】
まず、負荷の変動に伴って、図示しないメインバッテリから一次巻線5aに放電電流が流れる。この放電電流によって、コイル5のコア内に磁束が発生し、ホール素子9の出力には磁束に対応する電圧が得られる。
【0038】
この電圧は差動増幅回路13によって、0V〜+Bの範囲で増幅されて電流バッファ15に出力され、電流バッファ15のトランジスタTR1がオン状態となって、コイル5に発生した磁束に応じた電流が二次巻線5b、検出抵抗Rに向かって流れる(正方向の電流)。
【0039】
ここで、正方向の電流測定時には、二次巻線5bから電流I1が第1のダイオードD1を通り、第1の検出抵抗R3に流れる。このため、第1の検出抵抗R3の電圧降下により、コンパレータ17の出力は、“L”レベルとなるので、バッファ19の出力も“L”レベルとなり、トランジスタTR4がオンして、トランジスタTR4のエミッタの電圧、すなわち、基準電圧Vrefは、ほぼ零となる。
【0040】
このとき、出力電圧Voutは、
Vout=I1×R3
で表される。
【0041】
また、負方向の電流測定時には、出力電流I2は、第2の検出抵抗R4、第2のダイオードD2、二次巻き線5bと流れる。このため、コンパレータ17の出力は、“H”レベルとなり、バッファ19の出力も“H”レベルとなり、トランジスタTR3がオンして、基準電圧Vrefは、ほぼ電源電圧+Bとなる。このとき、出力電圧Voutは、
Vout=−I2×R4
で表される。
【0042】
ここで、被測定電流の絶対値が同じであれば、電流I1と電流I2との絶対値も同じになる。また、正方向の電流(放電電流)に対して、負方向の電流(充電電流)は、例えば1/5である。このため、正方向の電流の測定範囲に対して、負方向の電流の測定範囲が1/5で済む。
【0043】
このため、正方向の電流の測定範囲に合わせて第1の検出抵抗R3を選択すれば、選択した第1の検出抵抗R3に対して、第2の検出抵抗R4は、
R4=5×R3
となる。
【0044】
これにより、負方向の電流の測定範囲は、正方向の電流測定範囲に対して1/5となるが、出力電圧の分解能は、5倍となる。これにより、負方向の電流を測定した場合でも、センサの能力を有効に使用することができる。
【0045】
このように、検出抵抗の一端に印加される電圧を二次巻線を流れる正方向の電流または負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更するため、放電時と充電時には、検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧の範囲の測定範囲が得られる。
【0046】
また、正方向の電流測定時には、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には、第2の検出抵抗が負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0047】
このように、正負の被測定電流の大きさに応じて、測定範囲を個々に設定する。すなわち、正の電流を測定する場合と負の電流を測定する場合とで、検出抵抗の値を変えることにより、正負個々の測定範囲を設定して、センサ能力を有効に使用することができる。
【0048】
<第2実施の形態>
次に、本発明の非接触型センサの第2実施の形態を説明する。ここでは、非接触センサとして単電源電流センサに適用する。図2は第2実施の形態の単電源電流センサの概略構成図である。
【0049】
コンパレータ17の反転入力端子と非反転入力端子(+)との間には、正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第3の検出抵抗R6及びこの第3の検出抵抗R6に直列に接続された第4の検出抵抗R5が接続されている。
【0050】
第4の検出抵抗R5には並列に第3のダイオードD3が接続されており、この第3のダイオードD3は、正方向の電流が流れるときにオンするようになっている。
【0051】
また、直列に接続された第3の検出抵抗R6及び第4の検出抵抗R5の両端電圧を出力電圧Voutとして取り出すようになっている。第3の検出抵抗R6の抵抗値と第4の検出抵抗R5の抵抗値との合計抵抗値が負方向の電流測定範囲に応じた値に設定されてなる。
【0052】
なお、図2に示すその他の構成において、図3に示す部分と同一部分は、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0053】
このように構成された第2実施の形態の単電源電流センサによれば、正方向の電流測定時には正方向の電流I1が第3のダイオードD3及び第3の検出抵抗R6を流れ、第3の検出抵抗R6が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0054】
また、負方向の電流測定時には負方向の電流I2が第3の検出抵抗R6及び第4の検出抵抗R5を流れ、第3の検出抵抗R6の抵抗値と第4の検出抵抗R5の抵抗値との合計抵抗値が負方向の電流測定範囲に応じた値になっているため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0055】
従って、第2実施の形態の単電源電流センサにおいても、第1実施の形態の単電源電流センサの効果と同様に効果が得られるものとなる。
【0056】
なお、本発明は前述した第1実施の形態及び第2実施の形態の非接触型センサに限定されるものではない。第1実施の形態及び第2実施の形態では、電流検出型のセンサを例示したが、本発明は、単電源駆動型の電圧センサに適用してもよい。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、正方向の電流測定時には正方向の電流が第1の直列回路の第1のダイオード及び第1の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には負方向の電流が第2の直列回路の第2のダイオード及び第2の検出抵抗を流れ、第2の検出抵抗が負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0059】
請求項2の発明によれば、正方向の電流測定時には正方向の電流がダイオード及び第1の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には負方向の電流が第1の検出抵抗及び第2の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗の抵抗値と第2の検出抵抗の抵抗値との合計抵抗値が負方向の電流測定範囲に応じた値になっているため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0060】
請求項3の発明によれば、基準電圧制御回路は、検出抵抗の両端の電圧差に基づき、検出抵抗の一端に印加される電圧をアース電圧又は単電源電圧に変更するため、放電時と充電時には、検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧の範囲の測定範囲が得られるため、単電源で各回路を駆動していても、両電源駆動で各回路を駆動したときと同様な測定範囲が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態の単電源電流センサの概略構成図である。
【図2】第2実施の形態の単電源電流センサの概略構成図である。
【図3】従来の単電源電流センサの概略構成図である。
【符号の説明】
5 コイル
7 磁心
5a 一次巻線
5b 二次巻線
9 ホール素子
13 差動増幅回路
15 電流バッファ
17 コンパレータ
19 バッファ
R3 第1の検出抵抗
R4 第2の検出抵抗
R5 第4の検出抵抗
R6 第3の検出抵抗
TR1,TR2,TR3,TR4 トランジスタ
D1 第1のダイオード
D2 第2のダイオード
D3 第3のダイオード
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触型センサに関し、特に単電源駆動でしかも非接触で電圧又は電流を測定するときの測定範囲を正負の被測定電流の大きさにより、別々に設定できる非接触型センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
ホール素子を用いた高精度測定のサーボ式電流センサは、正・負の電流を測定する場合、通常、両電源で駆動しているが、サーボ式電流センサを単電源で駆動する場合には、図3に示すような単電源電流センサが用いられている。
【0003】
この単電源電流センサは、図3に示すように、単電源であるサブバッテリ+Bの電力によって、単電源電流センサの各回路が動作する。コイル5は、磁心7に図示しないメインバッテリーからの電線を一次巻線5aとして通し、電流バッファ15からの出力線である2次巻線5bを磁心7に所定回数巻回している。また、磁心7に形成されたギャップにはホール素子9が配置されている。
【0004】
このホール素子9は、正負の被測定電流が一次巻線5aに流れることで、コイル5に発生する磁束密度に比例した電圧を出力端子に発生し、抵抗R1,抵抗R2を介して差動増幅器13に出力する。
【0005】
差動増幅回路13は、ホール素子9からの出力を入力し、その出力を増幅して電流バッファ15に出力する。電流バッファ15は、NPNのトランジスタTR1とPNPのトランジスタTR2とからなり、それぞれのベースは、差動増幅回路13の出力に接続され、それぞれのエミッタは、コイル5の二次巻線5b側の他方に接続されている。
【0006】
また、二次巻線5bには検出抵抗Rが接続され、この検出抵抗Rの両端電圧を出力電圧Voutとする。コンパレータ17は、検出抵抗Rの両端電圧を入力し、被測定電流が正方向の電流のときに“L”レベルを出力し、負方向の電流のときに“H”レベルを出力する。バッファ19は、コンパレータ17からの“L”レベルにより、“L”レベルをNPNのトランジスタTR3のベース及びPNPのトランジスタTR4のベースに出力する。
【0007】
バッファ19は、コンパレータ17からの“H”レベルにより、“H”レベルをNPNのトランジスタTR3のベース及びPNPのトランジスタTR4のベースに出力する。トランジスタTR3,TR4は、零電圧または電源電圧の基準電圧を得るための基準電圧制御回路を構成する。
【0008】
次に、このように構成された従来の単電源駆動の電流センサの動作を説明する。まず、負荷の変動に伴って、図示しないメインバッテリから一次巻線5aに放電電流が流れる。この放電電流によって、コイル5のコア内に磁束が発生し、ホール素子9の出力には磁束に対応する電圧が得られる。
【0009】
この電圧は差動増幅回路13によって、0V〜+Bの範囲で増幅されて電流バッファ15に出力され、電流バッファ15のトランジスタTR1がオン状態となって、コイル5に発生した磁束に応じた電流が二次巻線5b、検出抵抗Rに向かって流れる(正方向の電流)。
【0010】
ここで、正方向の電流を測定した場合の出力電流をIとすると、検出抵抗Rの電圧降下により、コンパレータ17の出力は、“L”レベルとなるので、バッファ19の出力も“L”レベルとなり、トランジスタTR4がオンして、トランジスタTR4のエミッタの電圧、すなわち、基準電圧Vrefは、ほぼ零となる。
【0011】
また、負方向の電流が流れた場合には、出力電流は、正方向の電流の向きとは逆向きとなるので、コンパレータ17の出力は、“H”レベルとなり、バッファ19の出力も“H”レベルとなり、トランジスタTR3がオンして、基準電圧Vrefは、ほぼ電源電圧+Bとなる。出力電圧Voutは、
Vout=I×R
で表される。
【0012】
また、測定範囲は、出力電圧Voutが飽和しないように、検出抵抗Rを選択して調整する。また、出力電圧Voutの分解能を大きく取るためにも、検出抵抗Rは、大きな値に選ぶのがよい。
【0013】
このように、放電時または充電時に検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧との範囲の測定範囲が得られることになる。すなわち、単電源で駆動する場合でも、充電又は放電に応じて、基準電圧を容易に変化させることにより、測定範囲を両電源で駆動したときと同程度に確保することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電気自動車は、放電電流(正方向の電流)に対して、充電電流(負方向の電流)は、数分の1程度しか流れない。このような場合、放電電流の測定範囲に合わせて検出抵抗を選択すると、充電電流側は測定範囲の数分の1程度の検出しかしない。
【0015】
また、充電電流の測定範囲に合わせて検出抵抗を選択して、放電電流を測定する場合には、測定範囲を超えてしまう。
【0016】
本発明は、正の電流を測定する場合と負の電流を測定する場合とで、検出抵抗の値を変えることにより、正負個々の測定範囲を設定して、センサ能力を有効に使用することができる非接触型センサを提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために以下の構成とした。請求項1の発明は、磁心に巻回されたコイルの一次巻線に流れる被測定電流に応じて前記コイル内に磁束を発生し、前記磁心のギャップ内に配置したホール素子の出力を電流バッファと前記コイルの二次巻線とを介して検出抵抗の他端に出力し、発生した磁束の方向に応じた正方向の電流または負方向の電流を前記コイルの二次巻線を介して前記検出抵抗に流し、前記検出抵抗の両端電圧を出力電圧として検出する非接触型センサであって、前記検出抵抗の一端に印加される電圧を前記二次巻線を流れる前記正方向の電流または前記負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更する基準電圧制御回路を備え、前記検出抵抗は、前記正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第1の検出抵抗と、前記負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第2の検出抵抗とからなり、さらに、第1のダイオードを前記第1の検出抵抗に直列に接続した第1の直列回路と、前記第1のダイオードの極性と逆極性となるように配置された第2のダイオードを前記第2の検出抵抗に直列に接続した第2の直列回路とを設け、前記第1の直列回路と前記第2の直列回路とを並列に接続したことを特徴とする。
【0018】
請求項1の発明によれば、コイル内に発生した磁束の方向に応じた電流がコイルの二次巻線を介して検出抵抗に流れると、基準電圧制御回路は、検出抵抗の一端に印加される電圧を二次巻線を流れる正方向の電流または負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更するため、放電時と充電時には、検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧の範囲の測定範囲が得られる。また、正方向の電流測定時には正方向の電流が第1の直列回路の第1のダイオード及び第1の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には負方向の電流が第2の直列回路の第2のダイオード及び第2の検出抵抗を流れ、第2の検出抵抗が負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0022】
請求項2の発明は、磁心に巻回されたコイルの一次巻線に流れる被測定電流に応じて前記コイル内に磁束を発生し、前記磁心のギャップ内に配置したホール素子の出力を電流バッファと前記コイルの二次巻線とを介して検出抵抗の他端に出力し、発生した磁束の方向に応じた正方向の電流または負方向の電流を前記コイルの二次巻線を介して前記検出抵抗に流し、前記検出抵抗の両端電圧を出力電圧として検出する非接触型センサであって、前記検出抵抗の一端に印加される電圧を前記二次巻線を流れる前記正方向の電流または前記負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更する基準電圧制御回路を備え、前記正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第1の検出抵抗と、この第1の検出抵抗に直列に接続された第2の検出抵抗と、この第2の検出抵抗と並列に接続され且つ前記正方向の電流が流れるときにオンするダイオードとを有し、さらに、前記第1の検出抵抗の抵抗値と前記第2の検出抵抗の抵抗値との合計抵抗値が前記負方向の電流測定範囲に応じた値に設定されてなることを特徴とする。
【0023】
請求項2の発明によれば、正方向の電流測定時には正方向の電流がダイオード及び第1の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には負方向の電流が第1の検出抵抗及び第2の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗の抵抗値と第2の検出抵抗の抵抗値との合計抵抗値が負方向の電流測定範囲に応じた値になっているため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0024】
請求項3の発明の前記基準電圧制御回路は、前記検出抵抗の両端の電圧差に基づき、前記検出抵抗の一端に印加される電圧を前記アース電圧又は前記単電源電圧に変更することを特徴とする。
【0025】
請求項3の発明によれば、基準電圧制御回路は、検出抵抗の両端の電圧差に基づき、検出抵抗の一端に印加される電圧をアース電圧又は単電源電圧に変更するため、放電時と充電時には、検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧の範囲の測定範囲が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非接触型センサのいくつかの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
<第1実施の形態>
本発明の非接触型センサの第1実施の形態を説明する。ここでは、非接触センサとして単電源電流センサに適用する。図1は第1実施の形態の単電源電流センサの概略構成図である。
【0028】
図1において、コイル5の二次巻線にはコンパレータ17の反転入力端子(−)が接続され、このコンパレータ17の反転入力端子と非反転入力端子(+)との間には、第1のダイオードD1とこの第1のダイオードD1に直列に接続された第1の検出抵抗R3が接続されている。この第1のダイオードD1と第1の検出抵抗R3とで第1の直列回路を構成する。
【0029】
また、コンパレータ17の反転入力端子と非反転入力端子(+)との間には、第2のダイオードD2とこの第2のダイオードD2に直列に接続された第2の検出抵抗R4が接続されている。第2のダイオードD2と第2の検出抵抗R4とで第2の直列回路を構成する。並列に接続された第1の直列回路及び第2の直列回路の電圧を出力電圧Voutとして取り出すようになっている。
【0030】
ここで、第1のダイオードD1は、正方向の電流(放電電流)I1の測定時にオンとなり、第2のダイオードD2は、負方向の電流(充電電流)I2測定時にオンとなるように極性が配置されている。
【0031】
コンパレータ17は、並列に接続された第1の直列回路及び第2の直列回路の両端電圧を入力し、被測定電流が正方向の電流のときに“L”レベルを出力し、負方向の電流のときに“H”レベルを出力する。バッファ19は、コンパレータ17からの“L”レベルにより、“L”レベルをNPNのトランジスタTR3のベース及びPNPのトランジスタTR4のベースに出力する。
【0032】
バッファ19は、コンパレータ17からの“H”レベルにより、“H”レベルをNPNのトランジスタTR3のベース及びPNPのトランジスタTR4のベースに出力する。
【0033】
トランジスタTR3,TR4は、零電圧または電源電圧の基準電圧を得るための基準電圧制御回路を構成する。基準電圧制御回路は、第1の検出抵抗R3及び第2の検出抵抗R4の一端に印加される電圧を二次巻線5bを流れる正方向の電流または負方向の電流に応じて、アース電圧又は電源電圧に変更する。
【0034】
第1の検出抵抗R3は、正方向の電流測定時に正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値が選択されている。第2の検出抵抗R4は、負方向の電流測定時に負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値が選択されている。
【0035】
なお、図1に示すその他の構成において、図3に示す部分と同一部分は、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0036】
次にこのように構成された第1実施の形態の単電源電流センサの動作を説明する。
【0037】
まず、負荷の変動に伴って、図示しないメインバッテリから一次巻線5aに放電電流が流れる。この放電電流によって、コイル5のコア内に磁束が発生し、ホール素子9の出力には磁束に対応する電圧が得られる。
【0038】
この電圧は差動増幅回路13によって、0V〜+Bの範囲で増幅されて電流バッファ15に出力され、電流バッファ15のトランジスタTR1がオン状態となって、コイル5に発生した磁束に応じた電流が二次巻線5b、検出抵抗Rに向かって流れる(正方向の電流)。
【0039】
ここで、正方向の電流測定時には、二次巻線5bから電流I1が第1のダイオードD1を通り、第1の検出抵抗R3に流れる。このため、第1の検出抵抗R3の電圧降下により、コンパレータ17の出力は、“L”レベルとなるので、バッファ19の出力も“L”レベルとなり、トランジスタTR4がオンして、トランジスタTR4のエミッタの電圧、すなわち、基準電圧Vrefは、ほぼ零となる。
【0040】
このとき、出力電圧Voutは、
Vout=I1×R3
で表される。
【0041】
また、負方向の電流測定時には、出力電流I2は、第2の検出抵抗R4、第2のダイオードD2、二次巻き線5bと流れる。このため、コンパレータ17の出力は、“H”レベルとなり、バッファ19の出力も“H”レベルとなり、トランジスタTR3がオンして、基準電圧Vrefは、ほぼ電源電圧+Bとなる。このとき、出力電圧Voutは、
Vout=−I2×R4
で表される。
【0042】
ここで、被測定電流の絶対値が同じであれば、電流I1と電流I2との絶対値も同じになる。また、正方向の電流(放電電流)に対して、負方向の電流(充電電流)は、例えば1/5である。このため、正方向の電流の測定範囲に対して、負方向の電流の測定範囲が1/5で済む。
【0043】
このため、正方向の電流の測定範囲に合わせて第1の検出抵抗R3を選択すれば、選択した第1の検出抵抗R3に対して、第2の検出抵抗R4は、
R4=5×R3
となる。
【0044】
これにより、負方向の電流の測定範囲は、正方向の電流測定範囲に対して1/5となるが、出力電圧の分解能は、5倍となる。これにより、負方向の電流を測定した場合でも、センサの能力を有効に使用することができる。
【0045】
このように、検出抵抗の一端に印加される電圧を二次巻線を流れる正方向の電流または負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更するため、放電時と充電時には、検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧の範囲の測定範囲が得られる。
【0046】
また、正方向の電流測定時には、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には、第2の検出抵抗が負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0047】
このように、正負の被測定電流の大きさに応じて、測定範囲を個々に設定する。すなわち、正の電流を測定する場合と負の電流を測定する場合とで、検出抵抗の値を変えることにより、正負個々の測定範囲を設定して、センサ能力を有効に使用することができる。
【0048】
<第2実施の形態>
次に、本発明の非接触型センサの第2実施の形態を説明する。ここでは、非接触センサとして単電源電流センサに適用する。図2は第2実施の形態の単電源電流センサの概略構成図である。
【0049】
コンパレータ17の反転入力端子と非反転入力端子(+)との間には、正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第3の検出抵抗R6及びこの第3の検出抵抗R6に直列に接続された第4の検出抵抗R5が接続されている。
【0050】
第4の検出抵抗R5には並列に第3のダイオードD3が接続されており、この第3のダイオードD3は、正方向の電流が流れるときにオンするようになっている。
【0051】
また、直列に接続された第3の検出抵抗R6及び第4の検出抵抗R5の両端電圧を出力電圧Voutとして取り出すようになっている。第3の検出抵抗R6の抵抗値と第4の検出抵抗R5の抵抗値との合計抵抗値が負方向の電流測定範囲に応じた値に設定されてなる。
【0052】
なお、図2に示すその他の構成において、図3に示す部分と同一部分は、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0053】
このように構成された第2実施の形態の単電源電流センサによれば、正方向の電流測定時には正方向の電流I1が第3のダイオードD3及び第3の検出抵抗R6を流れ、第3の検出抵抗R6が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0054】
また、負方向の電流測定時には負方向の電流I2が第3の検出抵抗R6及び第4の検出抵抗R5を流れ、第3の検出抵抗R6の抵抗値と第4の検出抵抗R5の抵抗値との合計抵抗値が負方向の電流測定範囲に応じた値になっているため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0055】
従って、第2実施の形態の単電源電流センサにおいても、第1実施の形態の単電源電流センサの効果と同様に効果が得られるものとなる。
【0056】
なお、本発明は前述した第1実施の形態及び第2実施の形態の非接触型センサに限定されるものではない。第1実施の形態及び第2実施の形態では、電流検出型のセンサを例示したが、本発明は、単電源駆動型の電圧センサに適用してもよい。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、正方向の電流測定時には正方向の電流が第1の直列回路の第1のダイオード及び第1の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には負方向の電流が第2の直列回路の第2のダイオード及び第2の検出抵抗を流れ、第2の検出抵抗が負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0059】
請求項2の発明によれば、正方向の電流測定時には正方向の電流がダイオード及び第1の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗が正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有するため、正方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。また、負方向の電流測定時には負方向の電流が第1の検出抵抗及び第2の検出抵抗を流れ、第1の検出抵抗の抵抗値と第2の検出抵抗の抵抗値との合計抵抗値が負方向の電流測定範囲に応じた値になっているため、負方向の電流測定が測定範囲内で確実に行える。
【0060】
請求項3の発明によれば、基準電圧制御回路は、検出抵抗の両端の電圧差に基づき、検出抵抗の一端に印加される電圧をアース電圧又は単電源電圧に変更するため、放電時と充電時には、検出抵抗の両端を測定すると、アース電圧と単電源電圧の範囲の測定範囲が得られるため、単電源で各回路を駆動していても、両電源駆動で各回路を駆動したときと同様な測定範囲が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態の単電源電流センサの概略構成図である。
【図2】第2実施の形態の単電源電流センサの概略構成図である。
【図3】従来の単電源電流センサの概略構成図である。
【符号の説明】
5 コイル
7 磁心
5a 一次巻線
5b 二次巻線
9 ホール素子
13 差動増幅回路
15 電流バッファ
17 コンパレータ
19 バッファ
R3 第1の検出抵抗
R4 第2の検出抵抗
R5 第4の検出抵抗
R6 第3の検出抵抗
TR1,TR2,TR3,TR4 トランジスタ
D1 第1のダイオード
D2 第2のダイオード
D3 第3のダイオード
Claims (3)
- 磁心に巻回されたコイルの一次巻線に流れる被測定電流に応じて前記コイル内に磁束を発生し、前記磁心のギャップ内に配置したホール素子の出力を電流バッファと前記コイルの二次巻線とを介して検出抵抗の他端に出力し、発生した磁束の方向に応じた正方向の電流または負方向の電流を前記コイルの二次巻線を介して前記検出抵抗に流し、前記検出抵抗の両端電圧を出力電圧として検出する非接触型センサであって、
前記検出抵抗の一端に印加される電圧を前記二次巻線を流れる前記正方向の電流または前記負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更する基準電圧制御回路を備え、
前記検出抵抗は、前記正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第1の検出抵抗と、前記負方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第2の検出抵抗とからなり、
さらに、第1のダイオードを前記第1の検出抵抗に直列に接続した第1の直列回路と、前記第1のダイオードの極性と逆極性となるように配置された第2のダイオードを前記第2の検出抵抗に直列に接続した第2の直列回路とを設け、前記第1の直列回路と前記第2の直列回路とを並列に接続したことを特徴とする非接触型センサ。 - 磁心に巻回されたコイルの一次巻線に流れる被測定電流に応じて前記コイル内に磁束を発生し、前記磁心のギャップ内に配置したホール素子の出力を電流バッファと前記コイルの二次巻線とを介して検出抵抗の他端に出力し、発生した磁束の方向に応じた正方向の電流または負方向の電流を前記コイルの二次巻線を介して前記検出抵抗に流し、前記検出抵抗の両端電圧を出力電圧として検出する非接触型センサであって、
前記検出抵抗の一端に印加される電圧を前記二次巻線を流れる前記正方向の電流または前記負方向の電流に応じて、アース電圧又は単電源電圧に変更する基準電圧制御回路を備え、
前記正方向の電流測定範囲に応じた抵抗値を有する第1の検出抵抗と、
この第1の検出抵抗に直列に接続された第2の検出抵抗と、
この第2の検出抵抗と並列に接続され且つ前記正方向の電流が流れるときにオンするダイオードとを有し、
さらに、前記第1の検出抵抗の抵抗値と前記第2の検出抵抗の抵抗値との合計抵抗値が前記負方向の電流測定範囲に応じた値に設定されてなることを特徴とする非接触型センサ。 - 前記基準電圧制御回路は、前記検出抵抗の両端の電圧差に基づき、前記検出抵抗の一端に印加される電圧を前記アース電圧又は前記単電源電圧に変更することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の非接触型センサ。
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