JP3561117B2 - 無線モジュール及び無線カード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触でデータ通信を行う薄型の電子機器に用いられる無線モジュール及びこれを備えた無線カードに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の薄型の電子機器として、例えば、無線カードに内臓されている無線モジュールは、一般に、絶縁材からなる基板と、基板上に設けられたアンテナと、基板上に実装されてアンテナに接続された電子部品、例えば、LSI、コンデンサと、を備えている。
【0003】
LSI、およびこのLSIとアンテナとを接続したリード線は、樹脂等の封止材によって覆われ封止されている。LSIの封止方法としては、
1)基板上のLSI実装部を型で覆い、その空間部に樹脂を流し込んで硬化させる方法(インジェクションモールド)
2)基板上のLSI実装部の外周に、印刷によって、又は他の部材を貼り付けることによってダムを形成し、このダムの内側に樹脂を流し込んで硬化させる方法
等が一般的に用いられている。
【0004】
無線モジュールのアンテナは、巻線アンテナ、あるいは、基板上に形成された配線パターンによって構成されている。そして、アンテナは、一般に、基板の外形に合わせた形状に形成されている。
【0005】
コンデンサとしては、基板上に実装されたチップコンデンサや、LSI内臓のコンデンサが用いられている。また、LSIの実装方法としてフェースダウン方式が用いられる場合、LSI表面には複数の接続パッドが均等に配置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した無線モジュールにおいて、インジェクションモールドによってLSIを封止する場合、流し込む樹脂が非常に高温であるため、基板として耐熱性に優れたものを使用する必要がある。また、モールド装置、封止型等の設備も必要となり、全体として製造コストが高くなってしまう。
【0007】
一方、ダムの中に封止材を流し込む方法において、ダムの形成方法として、基板上にダム材を接着する方法、基板上の所定位置にレジスト層を印刷する方法が用いられている。前者の方法では、基板の所定位置にダム材を接着する必要があり、量産性が低く、また、後者の方法では、無線モジュールをカード化する際、レジスト層は接着剤に対する接着性が悪いため、カード化後にレジスト層の部分でカードが剥がれてしまう恐れがある。
【0008】
アンテナとして巻線アンテナを用いた場合、カードの平坦性確保が困難となり、また、アンテナを基板の片面上のみに形成した場合、LSI配置の自由度が低くなってしまう。
【0009】
更に、従来の無線モジュールにおいて、共振用コンデンサは、LSI内臓のコンデンサ、あるいは、別途配設されたチップコンデンサが使用されている。前者の場合、LSIが大型化し機械的強度が低下するとともに、無線モジュール全体の大型化を招く。後者の場合、組立性が低下するとともに、無線モジュール総厚の増大を招く要因となる。
【0010】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的は、量産性に優れた安価で信頼性の高い無線モジュール、およびこれを備えた無線カードを提供することにある。
【0011】
また、この発明の目的は、電子部品の配置自由度が高く生産性に優れた無線モジュール、およびこれを備えた無線カードを提供することにある。
更に、この発明の他の目的は、機械的強度が向上し生産性に優れた無線モジュール、およびこれを備えた無線カードを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る他の無線モジュールは、互いに対向した第1および第2表面を有する基板と、上記基板上に形成された配線パターンにより構成され、データ通信を行うアンテナと、上記基板の第1表面上に実装され上記アンテナに接続された電子部品と、上記電子部品を覆って封止した封止材と、を備え、
上記アンテナは、上記基板の第1表面上に設けられた第1部分と、上記基板の第2表面上に設けられた第2部分と、を有し、上記第1および第2部分は上記基板に設けられた導通部を介して互いに接続されている
【0018】
また、上記導通部は、それぞれ上記基板の第1および第2表面間を導通する第1および第2導通部を有し、上記アンテナの第1部分は、上記第1導通部に導通した一端と上記電子部品に接続された他端と、を有し、上記アンテナの第2部分は、上記第1導通部を介して第1部分の一端に導通した一端と、上記第2導通部を介して上記電子部品に接続された他端と、を有し
上記第1および第2導通部の各々は、上記アンテナの第1部分に導通した第1パッドと、上記アンテナの第2部分に導通しているとともに上記基板を挟んで上記第1パッドに対向した第2パッドと、上記第2パッドの一部を上記基板を貫通して第1パッド側へクリンピングすることにより形成され第1および第2パッドを導通したスルーホールと、上記スルーホールから上記基板の第1表面側に突出した突起と、を備えたことを特徴としている。
【0019】
上記構成の無線モジュールによれば、アンテナを基板の両面に設けることにより、基板各面のアンテナ占有面積が低減し、電子部品の実装自由度が向上する。
【0020】
更に、この発明に係る無線カードは、所定の間隔をおいて対向した第1および第2シートと、これら第1および第2シート間に設けられた絶縁層と、を有するカード基体を備え、絶縁層内に上述した無線カードが配置され保持されている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る無線モジュールについて詳細に説明する。
図1に示すように、この発明の第1の実施の形態に係る無線モジュールMは、ほぼ矩形状の基板10を備え、この基板上には、アンテナ12、および電子部品としてのLSI14が設けられている。
【0022】
基板10は、絶縁材として、例えば、縦12〜13mm、横15〜16mm、厚さ0.025mmのポリエチレンテレフタレート(PET)により成形されている。基板10の表面(第1表面)10aおよび裏面(第2表面)10b上には、導体として、例えば、0.02mm厚のアルミ箔がそれぞれ形成され、これらのアルミ箔をパターニングすることにより所望の配線パターンが形成されている。
【0023】
そして、アンテナ12は、基板10の表面10a上の配線パターンによって構成された第1部分12aと、基板10の裏面10b上の配線パターンによって構成された第2部分12bと、備えている。
【0024】
第1部分12aは、基板表面10aの内側から外側に向かって複数回、例えば、5回コイル状に巻かれているとともに、基板10の周縁に隣接して延びている。第2部分12bは、第1部分と同一方向に巻回され、基板裏面10bの外側から内側に戻るように巻回されている。そして、第2部分12bも基板10の周縁に隣接して延び、第1部分12aと重なって配置されている。
【0025】
図2に模式的に示すように、第1および第2部分12a、12bの外側端同志は、基板10に形成された第1導通部16aを介して互いに導通している。詳細に述べると、第1導通部16aは、第1および第2部分12a、12bの外側端にそれぞれ形成され基板10を挟んで対向した接続パッド17a、17bと、これらの接続パッド同志を導通した複数、例えば、3つのスルーホール18と、を有している。
【0026】
LSI14は基板10の表面10a上に実装され、かつ、アンテナ12の第1部分12aの内側に配置されている。そして、LSI14の1つの電極14aは、アンテナ第1部分12aの内側端に設けられたパッド20に接続されている。
【0027】
また、アンテナ第2部分12bの内側端は、第2部分の内側において基板10に設けられた第2導通部16bを介して基板表面10a側へ導かれ、更に、LSI14の電極14bに接続されている。
【0028】
すなわち、第2導通部16bは、第1導通部16aと同様に、アンテナ第2部分12bの内側端に形成された接続パッド21と、接続パッド21に対向して基板表面10a上に形成された接続パッド23と、これら接続パッド21、23同志を導通した例えば、3つのスルーホール25と、を有している。そして、接続パッド23がLSI14の電極14bに接続されている。
【0029】
なお、LS14の電極14a、14bとパッド20、21とは、金属ワイヤ15を用いてワイヤボンディングにより接続されている。
基板10上に実装されたLSI14全体は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の封止材24によって覆われ封止されている。液状の封止材24をLSI14上にポッティングする場合、封止材は基板10の表面10a上を流れていくため、歯止めがないと不必要に広がってしまう。そこで、本実施の形態によれば、基板表面10a上に形成された配線パターンは、LSI14および第2導通部16bを囲むように形成された環状のダムパターン22を含んで構成されている。そして、このダムパターン22を封止材24の歯止め(ダム)として利用することにより、封止材24の不必要な広がりを規制している。これにより、封止材24は、図3に示すように、ダムパターン22で囲まれた領域、つまり、所望の封止領域Bのみに流れ、LSI14および第2導通部16bを封止している。
【0030】
また、本実施の形態において、ダムパターン22は、アンテナ第1部分12aと導通し、アンテナ12の一部を構成している。
一方、第1および第2導通部16a、16bのスルーホール18、25は、例えば、クリンピング接続方法によって形成されている。クリンピング接続方法は、導通部の互いに対向する一対の接続パッドの一方を、他方の接続パッド側へ部分的にクリンプすることにより、接続パッド同志を導通したスルーホールを形成する方法であり、基板10の一方の面側に突起が形成されてしまう。
【0031】
第2導通部16bを代表して説明すると、図4に示すように、本実施の形態においては、接続パッド21を接続パッド23側に向かって部分的にクリンプすることにより、各スルーホール25の一端に形成された突起25aが基板10の表面10a側、つまり、LSI14が実装されている表面側へ突出するように形成されている。この場合、導通部16a、16bの突起25aに基因する無線モジュールMの総厚増加を抑えることができる。また、封止材24が突起25aに歯止めされ、スルーホール25を通して基板裏面10b側へ流出することを防止できる。なお、無線モジュールMの総厚は約0.35mmに形成されている。
【0032】
上記のように構成された無線モジュールMは、外部のリード/ライターに対し、単体で非接触でデータ通信を行う機能を有している。そして、無線モジュールMをカードの内部に埋め込むことにより無線カードが構成され、また、単体で用いる場合は無線タグとして使用される。
【0033】
図5は、無線モジュールMを備えた無線カード30を示している。無線カード30は、無線モジュールMを保持したカード基体31を備え、このカード基体は、所定の間隔を置いて対向した矩形状の第1および第2シート32a、32bと、これらの化粧板間に充填された合成樹脂等からなる絶縁層34と、を有している。そして、無線モジュールMは、絶縁層34内に埋め込まれ封止されている。
【0034】
上述した第1の実施の形態に係る無線モジュールMによれば、アンテナ12は、基板10の両面にそれぞれ形成された第1および第2部分12a、12bに分けて構成されていることから、基板10の各面におけるアンテナの実装面積が低減し、その分、LSI14の配置の自由度を高めることができる。
【0035】
また、封止材24の歯止めとして機能するダムパターン22は、基板上に形成された配線パターンの一部で構成されているため、印刷や別部材を用いる場合に比較して製造コストの低減、生産性の向上を図ることができる。
【0036】
第1および第2導通部16a、16bは、スルーホール18、25の一端に形成される突起が、基板10のLSI14実装面側に突出するように構成されていることから、無線モジュールMの総厚を薄くすることが可能となる。また、これらの突起を封止材24の歯止めとして利用でき、封止材がスルーホール25を通して基板裏面10b側へ流出することを防止できる。
【0037】
更に、基板裏面10b側に形成されたアンテナ第2部分12aを基板表面10a側に導く第2導通部16bは、基板表面10aの封止領域B、つまり、ダムパターン22で囲まれた領域内に設けられていることから、アンテナ第2部分12aとLSI14との接続を容易に行うことができ、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0038】
図6はこの発明の第2の実施の形態に係る無線モジュールMを示すもので、本実施の形態によれば、ダムパターン22は、アンテナ第1部分12aと導通することなく、電気的に独立した配線パターンとして形成されている。また、アンテナ第1部分12aの内側端は、第3導通部16c、基板裏面10bに形成された接続配線パターン36、および封止領域B内に設けられた第4導通部16dを介して、LSI14の電極14aに接続されている。
【0039】
なお、第3および第4導通部16c、16dの構成は、前述した第1および第2導通部16a、16bと同一である。また、他の構成は前述した第1の実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0040】
上述した実施の形態においては、基板10上の配線パターンの一部によってダムパターンを形成する構成としたが、図7に示す第3の実施の形態によれば、封止領域Bを囲む幅0.5〜1.0mm程度の環状の溝40を基板10に形成し、封止材24のダムとしている。この溝40は、加熱したダム形成ツール41を基板表面10a側から基板10の所定位置に押し付け、基板10と配線パターンの一部とを変形させることにより形成されている。
【0041】
また、図8に示す第4の実施の形態によれば、加熱したダム形成ツール41を基板裏面10b側から基板10の所定位置に押し付け、基板10と配線パターンの一部とを基板表面10a側へ変形させることにより、封止領域Bを囲む幅0.5〜1.0mm程度の環状の凸状42を基板10に形成し、封止材24のダムとしている。
【0042】
図9に示す第5の実施の形態によれば、基板10の封止領域B全体を凹状に変形させて凹所44を形成し、この凹所内にLSI14を実装するとともに封止材24を充填している。凹所44は、加熱した凹所形成ツール46を基板表面10a側から基板10の所定位置に押し付け、基板10と配線パターンの一部とを変形させることにより形成されている。
【0043】
第3ないし第5の実施の形態において、他の構成は前述した第1の実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0044】
このように、基板10の一部を変形させて形成した溝40あるいは凸状42によって封止材24のダムを構成した場合、および封止領域を凹所によって形成した場合のいずれにおいてにも、印刷や別部材を用いる場合に比較して製造コストの低減、生産性の向上を図ることができる。その他、第3ないし第5の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
第1ないし第5の実施の形態において、LSI14はワイヤボンディングによりアンテナ12へ接続する構成としたが、図10に示す第6の実施の形態によれば、LSI14の電極14a、14b上にバンプ46を形成し、フェースダウン方式によりLSI14を基板表面10a上に実装している。バンプ46と基板10側のパッド20、23との接続は、例えば、異方性導電膜を用いている。
【0046】
一般に、フェイスダウン方式によりLSIを実装する場合、実装時の押下圧力がLSIに均等に作用するように、LSI表面の4つの角部にバンプを配置するが、本実施の形態によれば、電極14a、14b、およびバンプ46をLSI14の一端部にまとめて配置する構成としている。
【0047】
この場合、LSIの電極数が少なく、その分、LSIの面積を小さくなり、製造コストの低減および機械強度の向上を図ることができる。第6の実施の形態において、他の構成は前述した第1の実施の形態と同一であり、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
図11に示す第7の実施の形態によれば、無線モジュールMは、アンテナ12の内側において基板10上に形成されたシートコンデンサ50を備え、このシートコンデンサを共振用コンデンサとして用いている。
【0049】
詳細に述べると、基板表面10aには、ダムパターン22の一部を幅広にして矩形状の第1電極52aが形成され、基板裏面10bには、接続パッド21を延長することにより矩形状の第2電極52bが形成されている。第1および第2電極52a、52bは基板10を挟んで互いに対向して配置されている。そして、第1および第2電極52a、52b間に挟持された基板10を形成しているポリエチレンテレフタレートを誘電体として利用し、これら第1、第2電極52a、52b、および誘電体によりシートコンデンサ50を構成している。
【0050】
上記第7の実施の形態によれば、シートコンデンサ50を共振用コンデンサとして用いることにより、LSI14内部に共振用コンデンサを作り込む必要がなく、その分、LSI14を小さくし、製造コストの低減および機械的強度の向上を図ることができる。
【0051】
図12に示す第8の実施の形態によれば、アンテナ第1部分12aの内側端部をほぼ矩形状の第1電極52aとして形成し、同様に、アンテナ第2部分12bの内側端部を第1電極52aと対向したほぼ矩形状の第2電極52bとして形成している。そして、第1、第2電極52a、52b、および基板10により、シートコンデンサ50が構成されている。
【0052】
また、LSI14は、第1電極52a上に実装されている。この場合、LSI14の電極14a、14b上にバンプ46を形成し、フェースダウン方式によりLSI14を第1電極52a上に実装している。なお、LSI14の実装は、フェースダウン方式に限らず、ワイヤーボンディングを用いてもよい。
【0053】
上記第8の実施の形態によれば、第7の実施の形態と同様に、シートコンデンサ50を共振用コンデンサとして用いることにより、LSI14内部に共振用コンデンサを作り込む必要がなく、その分、LSI14を小さくし、製造コストの低減および機械的強度の向上を図ることができる。更に、本実施の形態によれば、第1電極52a上にLSI14を実装することにより、LSIの機械的強度を向上させることが可能となる。
【0054】
上述した第7および第8の実施の形態において、シートコンデンサ50は、アンテナ12の内側に限らず、外側に配置されていてもよい。また、第1ないし第8の実施の形態において、LSI14はアンテナ第1部分12aの内側に配置されているが、アンテナの外側、あるいは、アンテナ巻線間に配置してもよい。
【0055】
また、アンテナ12の第1、第2部分12a、12bの外形は、必ずしも基板10の外形に相似している必要はない。例えば、図13(a)に示すように、楕円形状の基板10に対して、アンテナ第1、第2部分12a、12bを丸形に巻回してもよく、あるいは、図13(b)に示すように、矩形状の基板10に対して、アンテナ第1、第2部分12a、12bを楕円形状に巻回してもよい。
【0056】
一般に、丸形アンテナは、角形アンテナに比較して通信安定性に優れているため、矩形状のICカードのモジュールにアンテナを形成する場合、角形アンテナではなく丸形アンテナを用いてもよい。
【0057】
その他、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、無線モジュール各部の材質は、上述した実施の形態に限らず、必要に応じて種々変更可能である。また、ダムパターン、ダム、封止領域は、矩形に限らず、他の形状としてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、アンテナを基板の片面だけではなく両面に設ける構成としたことから、電子部品の配置自由度が高く生産性に優れた無線モジュール、および無線カードを提供することができる。
【0060】
アンテナ第1部分と第2部分との導通部をダムの内側に設けることにより、アンテナと電子部品との接続性が向上し、生産性に優れた無線モジュール、および無線カードを提供することができる。
【0061】
また、導通部に形成される突起が基板の電子部品実装面側に突出する構成としたことから、薄型化および封止材の流出防止が可能な無線モジュール、および無線カードを提供することができる。
【0062】
更に、この発明によれば、基板自身、および基板表面に形成された電極を用いてシートコンデンサを形成する構成としたことから、電子部品の小型化を図り、機械的強度が向上し生産性に優れた無線モジュール、および無線カードを提供することができる。
【0063】
また、シートコンデンサの電極に重ねて電子部品を実装することにより、電子部品の機械的強度が向上した無線モジュール、および無線カードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る無線モジュールを示す平面図、側面図、底面図、断面図。
【図2】上記第1の実施の形態に係る無線モジュールのアンテナ、LSI、導通部を模式的に示す平面図。
【図3】上記無線モジュールの封止領域に封止材をポッティングした状態を示す図2に対応の平面図。
【図4】図3の線C−Cに沿った断面図。
【図5】上記無線モジュールを備えた無線カードの平面図および断面図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る無線モジュールのアンテナ、LSI、導通部を模式的に示す平面図。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る無線モジュールのアンテナ、LSI、導通部を模式的に示す平面図、断面図、およびダム形成ルールの断面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る無線モジュールの断面図。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る無線モジュールのアンテナ、LSI、導通部を模式的に示す平面図、断面図、およびダム形成ルールの断面図。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る無線モジュールのアンテナ、LSI、導通部を模式的に示す平面図、および断面図。
【図11】本発明の第7の実施の形態に係る無線モジュールのアンテナ、LSI、導通部、シートコンデンサを模式的に示す平面図、および断面図。
【図12】本発明の第8の実施の形態に係る無線モジュールのアンテナ、LSI、導通部、シートコンデンサを模式的に示す平面図、および断面図。
【図13】無線モジュールの基板形状とアンテナ形状との関係を示す無線モジュールの平面図。
【符号の説明】
10…基板
10a…表面
10b…裏面
12…アンテナ
12a…第1部分
12b…第2部分
14…LSI
16a…第1導電部
16b…第2導電部
18、25…スルーホール
22…ダムパターン
24…封止材
25a…突起
30…無線カード
32a…第1シート
32b…第2シート
34…絶縁層
40…溝
42…凸状
44…凹所
46…バンプ
50…シートコンデンサ
52a…第1電極
52b…第2電極
M…無線モジュール
B…封止領域

Claims (6)

  1. 互いに対向した第1および第2表面を有する基板と、
    上記基板上に形成された配線パターンにより構成され、データ通信を行うアンテナと、
    上記基板の第1表面上に実装され上記アンテナに接続された電子部品と、
    上記電子部品を覆って封止した封止材と、を備え、
    上記アンテナは、上記基板の第1表面上に設けられた第1部分と、上記基板の第2表面上に設けられた第2部分と、を有し、上記第1および第2部分は上記基板に設けられた導通部を介して互いに接続され
    上記導通部は、それぞれ上記基板の第1および第2表面間を導通する第1および第2導通部を有し、
    上記アンテナの第1部分は、上記第1導通部に導通した一端と上記電子部品に接続された他端と、を有し、上記アンテナの第2部分は、上記第1導通部を介して第1部分の一端に導通した一端と、上記第2導通部を介して上記電子部品に接続された他端と、を有し、
    上記第1および第2導通部の各々は、上記アンテナの第1部分に導通した第1パッドと、上記アンテナの第2部分に導通しているとともに上記基板を挟んで上記第1パッドに対向した第2パッドと、上記第2パッドの一部を上記基板を貫通して第1パッド側へクリンピングすることにより形成され第1および第2パッドを導通したスルーホールと、上記スルーホールから上記基板の第1表面側に突出した突起と、を備えていることを特徴とする無線モジュール。
  2. 上記第2導通部は、上記基板の第1表面の内、上記封止材により封止された封止領域に配置されていることを特徴とする請求項に記載の無線モジュール。
  3. 上記基板上に形成された配線パターンは、上記電子部品および第2導通部を囲むように形成されて上記封止材のダムを構成したダムパターンを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線モジュール。
  4. 上記基板は、基板を部分的に変形させることにより上記電子部品および第2導通部を囲むように形成されて上記封止材のダムを構成した環状の溝又は凸状を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線モジュール。
  5. 上記配線パターンは、上記基板の第1表面上に形成されているとともに上記電子部品に導通した第1電極と、上記基板の第2表面上に形成され上記基板を挟んで上記第1電極と対向しているとともに上記電子部品に導通し、上記第1電極および基板と共同してシートコンデンサを形成した第2電極と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の無線モジュール。
  6. 所定の間隔を置いて対向した第1および第2シートと、上記第1および第2シート間に設けられた絶縁層と、を有するカード基体と、
    上記絶縁層内に埋め込まれた無線モジュールと、を備え、
    上記無線モジュールは、互いに対向した第1および第2表面を有する基板と、上記基板上に形成された配線パターンにより構成され、データ通信を行うアンテナと、上記基板の第1表面上に実装され上記アンテナに接続された電子部品と、上記電子部品を覆って封止した封止材と、を備え、 上記アンテナは、上記基板の第1表面上に設けられた第1部分と、上記基板の第2表面上に設けられた第2部分と、を有し、上記第1および第2部分は上記基板に設けられた導通部を介して互いに接続され
    上記導通部は、それぞれ上記基板の第1および第2表面間を導通する第1および第2導通部を有し、
    上記アンテナの第1部分は、上記第1導通部に導通した一端と上記電子部品に接続された他端と、を有し、上記アンテナの第2部分は、上記第1導通部を介して第1部分の一端に導通した一端と、上記第2導通部を介して上記電子部品に接続された他端と、を有し、
    上記第1および第2導通部の各々は、上記アンテナの第1部分に導通した第1パッドと、上記アンテナの第2部分に導通しているとともに上記基板を挟んで上 記第1パッドに対向した第2パッドと、上記第2パッドの一部を上記基板を貫通して第1パッド側へクリンピングすることにより形成され第1および第2パッドを導通したスルーホールと、上記スルーホールから上記基板の第1表面側に突出した突起と、を備えていることを特徴とする無線カード。
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