JP3561024B2 - 自動ドア装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は自動ドア装置に係り、さらに詳しく言えば、通行体の有無を検出する高周波発振型の近接スイッチと、周囲部に金属部材が設けられたドアとを併用する自動ドア装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オフィスビルや倉庫等の建物において、人や貨物等の通行体が出入りする出入口には、多くの場合、通行体の通行を円滑にするために自動ドア装置が設けられている。
自動ドア装置は、出入口に接近する通行体の有無を通行体検出手段により検出し、通行体検出手段の検出信号に基づいて制御部がドアの開閉を制御する。
通行体検出手段としては、例えば踏圧検知式マットセンサ,光電センサ,超音波センサ,高周波発振型の近接センサ等が知られている。
【0003】
踏圧検知式マットセンサは簡便に設置できる点では便利であるが、床面上に設置されるため、通行体が通行する上での障害となりやすく、また、自動ドア装置の外観性を阻害する場合がある。
また、光電センサや超音波センサは、自動ドア装置の外観性を阻害することなく設置可能であるが、センサの監視エリアが広すぎると出入口を出入りするつもりがない通行体が出入口近傍を通過しただけでドアが開放してしまい、センサの監視エリアが狭すぎると通行体が出入口直前まで接近しないとドアが開放せず、それぞれセンサの監視エリアの設定が難しいという問題がある。
これらに対し、高周波発振型の近接スイッチは、ドア近傍の床面下に埋設されるため、通行体が通行する上での障害とならない点や自動ドア装置の外観性を阻害しない点等が評価されて、自動ドア装置の通行体検出手段として多用されている。
【0004】
図8には、自動ドア装置70に採用された高周波発振型の近接スイッチ71が示されている。
近接スイッチ71は、壁面に形成された出入口72の直前の床面73に埋設配置され、高周波を発振する発振回路74を備えている。
発振回路74は、当該発振回路74を構成する一対の検知板76,76が電気絶縁性のプレート75を介して水平、かつ、並行に配置されている。
このような近接スイッチ71は、通行体である人77や貨物(図示せず)等が出入口72に接近すると、通行体容量の影響により発振状態が変化する。すなわち、近接スイッチ71は、通行体の接近を発振出力信号の変化として検出するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近接スイッチ71は、前述したように高周波を発振するため、人77や貨物等の通行体を検出するだけでなく、当該近接スイッチ71の近傍に配置された金属部材等にも反応し、この金属部材を出入口72に接近する通行体として誤検出する虞れがある。このような金属部材としては、図8に示す自動ドア装置70のドア78を構成する補強フレーム(框)79が挙げられる。
【0006】
ドア78は強化ガラス製とされ、その周囲部に略枠形状に形成された金属製の補強フレーム(框)79が設けられている。
このようなドア78の近傍に近接スイッチ71を配置すると、ドア78を閉鎖する際、近接スイッチ71が補強フレーム79を通行体として誤検出するため、ドア78が再び開放する。ところが、ドア78が再び開放し、補強フレーム79が近接スイッチ71から遠ざかると、近接スイッチ71の発振出力信号が初期状態に復帰するため、再度ドア78が閉鎖を開始し、以後、前述のようにドア78が寸動開閉を無制限に繰り返す、いわゆる引っかけ現象が生じる。
【0007】
このようなドアの引っかけ現象は、例えば近接スイッチ71上にマット等を敷設した場合にも生ずる。
すなわち、ドア78直前に敷設されるマットは、ゴム製であれば導電体のカーボンを含み、布製であれば導電体の水分を含んでいる。そして、通行体の通行によりマットに位置ずれが生ずると、近接スイッチ71の発振状態が変化し、通行体として誤検出する虞れがあった。
【0008】
したがって、周囲部に補強フレーム79が設けられたドア78と近接スイッチ71とを併用する自動ドア装置70では、近接スイッチ71が補強フレーム79に反応しないようにするために、近接スイッチ71をドア78から所定距離離間して配置する必要がある。
しかしながら、このような自動ドア装置70では、近接スイッチ71とドア78との間に通行体(人77,貨物)を検出できない不感知領域が生ずるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、その目的は、高周波発振型の近接スイッチと、この近接スイッチに検出される金属部材が設けられたドアとを併用してもドア近傍に不感知領域が生ずることがないとともに、ドアを閉鎖する際にドアの引っかけ現象を無制限に繰り返すことのない自動ドア装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載した発明は、壁面に形成された出入口を開閉するドアと、前記ドアを開放位置あるいは閉鎖位置に移動させるためのドア移動手段と、前記ドアが前記開放位置から前記閉鎖位置に向かって移動を開始したときに閉鎖開始信号を出力し、かつ、前記ドアが前記閉鎖位置に移動を完了したときに閉鎖完了信号を出力するドア位置検出手段と、前記ドア近傍に埋設配置されるとともに高周波を発振する検知板を含む発振回路を備え、前記出入口に接近する通行体を発振出力信号の変化として検出する近接スイッチと、前記閉鎖開始信号,前記閉鎖完了信号および前記発振出力信号に基づいて前記ドア移動手段および前記近接スイッチを制御する制御部とを有し、前記ドアには前記通行体と同じく前記近接スイッチにより検出される金属部材が設けられている自動ドア装置において、前記近接スイッチが前記通行体を検出していないときの第1の検出値が前記通行体を検出して初期しきい値を超える第2の検出値となって前記ドアが前記開放状態となり、前記通行体が通過または退避した後、前記近接スイッチが前記金属部材を検出しないようにするために、前記制御部は少なくとも前記ドアが前記閉鎖位置に移動完了するまで、前記閉鎖開始信号により前記初期しきい値をドア閉鎖用しきい値に調整するしきい値調整を行うことを特徴としている。
【0011】
このような自動ドア装置におけるドアとしては、片引きや引き分け等の引き戸形式,あるいは扉形式,折り戸形式等が採用でき、自動ドア装置の設置個所に応じて適宜選択すればよい。また、金属部材が設けられたドアとしては、例えば周囲部に金属製の補強フレームが設けられた強化ガラス製のドアや、あるいは全面金属製のドア等が採用でき、従来の自動ドア装置に採用されたドアの大半が含まれる。
さらに、ドア移動手段としては、モータ,プーリ,無端ベルト等による従来の自動ドア装置における公知の構造を採用すればよく、あるいは油圧,空圧等のシリンダを用いた構造等を採用してもよい。
【0012】
また、ドア位置検出手段としては、リミットスイッチ等を採用すればよく、ドアが開放位置から閉鎖位置に向かって移動する閉鎖動作を開始したこと、およびドアが閉鎖位置に移動完了したことを検出できるように適宜配置しておけばよい。
そして、しきい値調整は、ドア位置検出手段が閉鎖開始信号を出力した後に開始し、ドア位置検出手段が閉鎖完了信号を出力するまで、あるいはドアが閉鎖位置に移動完了することが確実に予想されるような所定時間が経過するまで継続するように設定しておけばよい。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載した発明は、前記通行体が通過または退避して前記第2の検出値が前記第1の検出値に復帰したときに前記しきい値を初期しきい値に復帰させて前記閉鎖開始信号を有効とすることを特徴としている。
この場合、通行体が出入口を支障なく通過したときや、あるいは通行体が出入口を通過せずに引き返したとき等に対応し、例えば一定時間ドアの開放状態を維持するオープンタイマのタイムアップ後にしきい値調整を行うように設定しておけばよい。
【0014】
さらに、本発明の請求項3に記載した発明は、前記制御部は前記第2の検出値を所定時間毎に読み取り、前回読取値と今回読取値との変動値が所定値以内である場合にタイムカウントを開始し、かつ、前記タイムカウントのタイムアップ前に前記変動値が所定値以上となった場合に前記タイムカウントをクリアする限定静止タイマを有し、前記限定静止タイマがタイムアップした後に前記近接スイッチが初期感度を回復するように前記初期しきい値を感度回復用しきい値に変更するとともに、前記閉鎖開始信号を無効として前記ドアを寸動開閉させ、前記寸動開閉が所定回数に達してから前記閉鎖開始信号を有効として前記感度回復用しきい値を前記ドア閉鎖用しきい値に調整するしきい値調整を行うことを特徴としている。
【0015】
この場合、限定静止タイマは、人等の通行体が例えば体を動かしているときにはタイムカウントを開始しないように設定しておけばよい。
さらに、閉鎖開始信号を有効とする寸動開閉の回数上限は、あらかじめ制御部に設定しておけばよい。
そして、ドア閉鎖用しきい値は、例えばドア位置検出手段の出力信号がドアの閉鎖状態を示した後、あるいはドアが閉鎖位置に移動完了することが予想されるような所定時間が経過した後に感度回復用しきい値に復帰させればよい。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載した発明は、前記制御部は前記ドア閉鎖用しきい値が前記感度回復用しきい値に復帰した後、前記感度回復用しきい値を新たな初期しきい値として再設定するしきい値再設定手段を有することを特徴としている。
さらに、本発明の請求項5に記載した発明は、前記制御部は前記第1の検出値を所定時間毎に読み取り、前回読取値と今回読取値との変動値が所定値以内である場合に今回読取値に対応するように前記初期しきい値を変更させ、前記近接スイッチの前記初期感度を保持する自己補正手段を有することを特徴としている。
この自己補正手段としては、第1の検出値、すなわち近接スイッチが通行体を検出していないときの近接スイッチの発振出力信号についてのみ有効となるように設定しておけばよい。
【0017】
そして、本発明の請求項6に記載した発明は、前記近接スイッチは前記通行体が人であるときに前記人と前記検知板とが協働して前記金属部材を過大検出することを特徴としている。
また、本発明の請求項7に記載した発明は、前記近接スイッチは前記ドアに対して所定距離離間して配置された第1近接スイッチと、前記ドアと前記第1近接スイッチとの間に配置された第2近接スイッチとを備え、前記制御部は前記閉鎖開始信号による前記しきい値調整を前記第2近接スイッチに対してのみ行うことを特徴としている。
この近接スイッチとしては、金属部材の影響を受ける範囲に第2近接スイッチを配置すればよい。
【0018】
【作用】
このような本発明の請求項1に記載した発明においては、ドアを閉鎖する際に近接スイッチのしきい値が調整されるため、近接スイッチが金属部材に反応しても第1の検出値がしきい値を超えることはない。
したがって、金属部材が設けられたドア近傍に不感知領域が生じないように高周波発振型の近接スイッチを配置しても、ドアを閉鎖する際に従来より懸念されていた引っかけ現象が生じないことになる。
【0019】
さらに、本発明の請求項2に記載した発明においては、第2の検出値が第1の検出値に復帰したときに閉鎖開始信号が有効となるため、制御部は例えば通行体が出入口を支障なく通過した後や、あるいは通行体が出入口を通過せずに引き返した後にドアを閉鎖できることになる。
この際、制御部は、例えばオープンタイマのタイムアップ後にしきい値調整を行うように設定しておけば、通行体が出入口の表側(室外側)に配置された近接スイッチから出入口の裏側(室内側)に配置された近接スイッチに移動するまでドアを開放状態に維持できることになる。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載した発明においては、近接スイッチ上に通行体が静止すると所定時間経過後に初期しきい値が感度回復用しきい値に変更されるため、ドアの閉鎖を開始する。しかしながら、制御部は閉鎖開始信号を無効としてしきい値調整を行わないため、近接スイッチが金属部材を検出し、これにより引っかけ現象と呼ばれるドアの寸動開閉を開始する。
この際、通行体が人であればドアの寸動開閉に促されて近接スイッチ上から退避するが、通行体が貨物であればドアの寸動開閉が所定回数に達しても近接スイッチ上から退避することはない。
【0021】
寸動開閉が所定回数に達する前に人が近接スイッチ上から退避すると、第2の検出値が第1の検出値に復帰する。この際、感度回復用しきい値が初期しきい値に復帰するため、次回の寸動開閉を行うときにはに閉鎖開始信号が有効となる。すなわち、初期しきい値がドア閉鎖用しきい値にしきい値調整されるため、近接スイッチが金属部材を検出してもドアが寸動開閉を起こすことはなく、これによりドアが閉鎖位置に移動完了する。
一方、近接スイッチ上から退避しない貨物等の通行体に対しては、ドアの寸動開閉が所定回数に達すると、制御部が閉鎖開始信号を有効として感度回復用しきい値をドア閉鎖用しきい値に調整し、これによりドアが閉鎖位置に移動完了する。
【0022】
したがって、本発明の請求項3に記載した発明においては、近接スイッチ上に通行体が静止している場合、引っかけ現象と呼ばれる寸動開閉を利用して通行体に対して近接スイッチ上からの退避を促し、かつ、寸動開閉が所定回数に達すると、通行体が人ではないという前提の基にドアを閉鎖できることになる。
【0023】
そして、本発明の請求項4に記載した発明においては、近接スイッチ上に通行体が位置している状態を定常状態として再設定するため、近接スイッチは初期感度を回復でき、新たに出入口に接近する通行体を検出できることになる。
また、本発明の請求項5に記載した発明においては、例えば降雨,降雪あるいは気温昇降等の環境変化により緩やかに変動する第1の検出値に初期しきい値を追従させることにより、環境変化によるドア開放を防止できることになる。
【0024】
さらに、本発明の請求項6に記載した発明においては、近接スイッチが金属部材を過大検出するため、検知板単独で金属部材を検出する場合に比較して、第1の検出値が第2の検出値に変わるタイミングが早くなる。したがって、通行体が人の場合には、ドアの寸動開閉がドアの開放位置近傍において行われることになり、ドアが人に接触する虞れがないことになる。
【0025】
そして、本発明の請求項7に記載した発明においては、閉鎖開始信号によるしきい値調整が第2近接スイッチに対してのみ行われるため、ドアが閉鎖する際、近接スイッチの検出感度は第2の近接スイッチのみが低下することになる。
したがって、ドアが閉鎖する際に、新たに別の通行体が出入口に接近しても、第1の近接スイッチにより通行体を検出して速やかにドアを再開放できることになる。
以上により前記目的が達成される。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る一実施例が示されている。本実施例の自動ドア装置10は、オフィスビルにおける人P1や貨物P2等の通行体Pが出入りする出入口11に設置されている。
この自動ドア装置10は、建物の壁面12に形成された出入口11を開閉する一対のドア13,13と、これらのドア13,13を移動させるためのドア移動手段14と、ドア13,13の位置を検出するドア位置検出手段15と、ドア13,13近傍に埋設配置される近接スイッチ30と、近接スイッチ30の発振出力信号およびドア位置検出手段15の出力信号に基づいてドア移動手段14および近接スイッチ30を制御する制御部16とにより構成されている。
【0027】
ドア13,13は強化ガラスにより縦長方形の板状に形成され、強化ガラスの周囲部に金属部材である略枠形状の補強フレーム13Aが設けられている。補強フレーム13Aはドア13,13の開閉に伴って、近接スイッチ30に検出される金属製とされている。
これらのドア13,13は引き分け引き戸形式に配置され、それぞれ対向する側端面が出入口11の中央において相互当接する閉鎖位置(図の状態の位置)から出入口11が完全に開放する開放位置までの範囲で移動可能とされている。
【0028】
ドア移動手段14は、各ドア13,13に対して個別に設けられている。これらのドア移動手段14は、一対のプーリ17と、各プーリ17間に掛け渡される無端状のベルト18と、一方のプーリ17を回転駆動するモータ19とから構成されている。ベルト18は、その一部分が戸車部材20を介してドア13の補強フレーム13Aに連結されている。戸車部材20は、図示しない案内レールに沿ってドア13,13を案内するために、各補強フレーム13Aにそれぞれ一対設けられている。
このようなドア移動手段14は、モータ19を正転・逆転させることにより、ドア13,13を閉鎖位置から開放位置にわたって移動可能としている。
【0029】
ドア位置検出手段15は、第1リミットスイッチ15Aと第2リミットスイッチ15Bとから構成されている。
第1リミットスイッチ15Aはドア13,13が閉鎖位置に移動完了すると閉鎖完了信号を出力し、第2リミットスイッチ15Bはドア13,13が開放位置から閉鎖位置に向かって移動を開始したときに閉鎖開始信号を出力する。
なお、図1において、位置検出手段15は、ドア13,13に対して個別に設けられているが、ドア13,13が一本のベルトにより連結されている場合には、一方のドア13に対してのみ設けておいてもよい。
【0030】
近接スイッチ30は、ドア13,13に対して所定距離離間して配置された第1近接スイッチ31と、ドア13,13と第1近接スイッチ31との間に配置された第2近接スイッチ32とを備えている。
これらの第1近接スイッチ31および第2近接スイッチ32は、従来の自動ドア装置に採用されている高周波発振型の近接スイッチと同様な構造を有するとともに一体的に形成され、出入口11に接近する通行体Pを通行体容量の影響による発振状態の変化として検出し、発振出力信号F1,F2を出力するようになっている。
【0031】
ここで、第1近接スイッチ31,第2近接スイッチ32が通行体Pを検出せず、初期しきい値を超えない発振出力信号F1,F2を第1の検出値と呼称する。
一方、第1近接スイッチ31,第2近接スイッチ32が通行体Pを検出し、初期しきい値を超える発振出力信号F1,F2を第2の検出値と呼称する。
以上のような近接スイッチ30は、ドア13,13を挟む出入口11の表側(図中手前側)における床面下と、出入口11の裏側における床面下とにそれぞれ第1近接スイッチ31および第2近接スイッチ32が埋設配置されている(出入口11の表側のみ図示)。
【0032】
近接スイッチ30の直上には、マットP3が敷設されている。マットP3は、カーボンを含むゴム製とされ、近接スイッチ30の直上に固定されることなく、任意個所に敷設されている。
【0033】
制御部16にはCPU(中央処理ユニット)が用いられ、ドア位置検出手段15から得られる閉鎖開始信号,閉鎖完了信号と、近接スイッチ30から得られる発振出力信号F1,F2とに基づいてドア移動手段14および近接スイッチ30を制御し、かつ、ドア13,13を開閉する。この制御部16は、発振出力信号F1,F2を個別に読み取り、かつ、第1近接スイッチ31と第2近接スイッチ32とを個別に制御している。
【0034】
具体的には、制御部16は、第1近接スイッチ31あるいは第2近接スイッチ32の発振出力信号が第2の検出値となったときにドア13,13を開放する。そして、制御部16は、第2の検出値が第1の検出値に復帰した後、オープンタイマのタイムカウントを開始し、オープンタイマのタイムアップ後にドア13,13を閉鎖する。
ドア13,13を閉鎖するにあたっては、第2近接スイッチ32が補強フレーム13Aを検出しないように、リミットスイッチ15Bが出力する閉鎖開始信号を基に、制御部16が初期しきい値をドア閉鎖用しきい値に調整するしきい値調整を行うため、引っかけ現象と呼ばれる寸動開閉が生じることはない。このしきい値調整は、リミットスイッチ15Aが閉鎖完了信号を出力するまで継続される。
【0035】
なお、ドア13,13は、オープンタイマにより開放状態が一定時間維持されるため、通行体Pが出入口11の表側に配置された第2近接スイッチ32から出入口11の裏側に配置された第2近接スイッチ(図示せず)に移動する間に閉鎖することはない。
【0036】
このような制御部16は、自己補正手段を有している。自己補正手段は、第1の検出値を所定時間毎に読み取り、前回読取値と今回読取値との変動値が所定値以内である場合、今回読取値に対応するように初期しきい値を変更し、これにより第1近接スイッチ31および第2近接スイッチ32における初期感度(初期状態の検出感度)が保持される。
したがって、本実施例の自動ドア装置10は、図2に示すように、例えば降雨,降雪あるいは気温昇降等の環境変化により第1の検出値が変動しても、その変動値が所定値以内であればドア13,13が開放することはない。
【0037】
さらに、制御部16は、限定静止タイマを有している。限定静止タイマは、第2の検出値を所定時間毎に読み取り、前回読取値と今回読取値との変動値が所定値以内である場合にタイムカウントを開始する。
具体的には、限定静止タイマは、第1近接スイッチ31上あるいは第2近接スイッチ32上において人P1が例えば体を動かしているときにタイムカウントを開始せず、第1近接スイッチ31あるいは第2近接スイッチ32の上において人P1が静止したとき、あるいは自ら動くことのない貨物P2が放置されたとき、にタイムカウントを開始するように設定されている。
そして、この限定静止タイマは、タイムカウントのタイムアップ前に変動値が所定値以上となった場合、タイムカウントをクリアし、通行体Pが再び静止するまでタイムカウントを開始しない。
なお、限定静止タイマは、通行体Pの通行等によりマットP3が位置ずれしたときにもタイムカウントを開始する。
【0038】
また、制御部16は、前述した限定静止タイマがタイムアップした後、第1近接スイッチ31あるいは第2近接スイッチ32が初期感度を回復するように初期しきい値を感度回復用しきい値に変更するようになっている。そして、制御部16は、リミットスイッチ15Bが出力する閉鎖開始信号を無効とし、第2近接スイッチ32にしきい値調整を行うことなくドア13,13の閉鎖を開始する。
このため、第2近接スイッチ32はドア13,13の補強フレーム13Aを検出し、引っかけ現象と呼ばれるドア13,13の寸動開閉を発生させる。
ここで、本実施例の制御部16は、ドア13,13の寸動開閉を4回行うように設定されている。
また、制御部16は、ドア13,13の寸動開閉の途中で第2の検出値が第1の検出値に復帰した場合、この復帰に追従して感度回復用しきい値を初期しきい値に復帰させるようになっている。
【0039】
第1近接スイッチ31上あるいは第2近接スイッチ32上に静止した通行体Pが人P1であれば、ドア13,13の寸動開閉に促され、ドア13,13の寸動開閉が4回目に達する前に近接スイッチ30上から退避するため、第2の検出値が第1の検出値に復帰する。
第2の検出値が第1の検出値に復帰すると、前述したように感度回復用しきい値が初期しきい値に復帰するため、次回の寸動開閉を行うときに閉鎖開始信号が有効となる。すなわち、初期しきい値がドア閉鎖用しきい値にしきい値調整されるため、第2近接スイッチ32が金属部材である補強フレーム13Aを検出しない。したがって、ドア13,13は、寸動開閉を起こすことがなく、閉鎖位置に移動完了する。
そして、ドア閉鎖用しきい値は、リミットスイッチ15Aが閉鎖完了信号を出力した後に初期しきい値に復帰する。
【0040】
なお、人P1が第2の近接スイッチ32上に静止している場合、第2の近接スイッチ32は、人P1と当該第2近接スイッチ32を構成する検知板とが協働して高周波を発振するため、検知板単独で高周波を発振する場合に比較して補強フレーム13Aを過大検出する。
すなわち、第2の近接スイッチ32は、第1の検出値が第2の検出値に変わる時期が検知板単独で補強フレーム13Aを検出する場合に比較して早くなる。このため、ドア13,13は、開放位置近傍において寸動開閉を行い、人に接触する虞れはない。
【0041】
一方、第1近接スイッチ31上あるいは第2近接スイッチ32上に静止した通行体Pが放置された貨物P2であれば、ドア13,13の寸動開閉により退避することがないため、ドア13,13の寸動開閉が4回目まで行われる。このような通行体Pとしては、貨物P2以外にも近接スイッチ30上から退避しない人P1、あるいは位置ずれを起こしたマットP3も含まれる。
制御部16は、ドア13,13の寸動開閉が所定回数に達してから(4回目に達してから)、閉鎖開始信号を有効として感度回復用しきい値をドア閉鎖用しきい値に調整するしきい値調整を行い、ドア13,13を閉鎖位置に移動させる。このしきい値調整は、リミットスイッチ15Aが閉鎖完了信号を出力するまで継続される。
【0042】
さらに、制御部16は、しきい値再設定手段を有している。しきい値再設定手段は、リミットスイッチ15Aが出力する閉鎖完了信号により、前述したドア閉鎖用しきい値が感度回復用しきい値に復帰すると、近接スイッチ30上に通行体Pが静止している状態を定常状態として、感度回復用しきい値を新たな初期しきい値として再設定するようになっている。
【0043】
次に、自動ドア装置10における各種の動作をタイムチャート図に表して説明する。
なお、以下に説明する各タイムチャート図は、便宜上、出入口11の表側に配置された近接スイッチ30(第1近接スイッチ31,第2近接スイッチ32)の動作のみを示している。そして、各タイムチャート図は、ドア13,13が閉鎖している状態から開始し、出入口11の表側に通行体Pが接近することによりドア13,13が開放し、再びドア13,13が閉鎖するまでを示している。
【0044】
図3には、通行体Pである人P1が第1近接スイッチ31上および第2近接スイッチ32上において静止することなく、出入口11を通過したときの自動ドア装置10の動作を示すタイムチャート図が示されている。
人P1が第1近接スイッチ31上を通過する間、第1近接スイッチ31の第1の検出値が初期しきい値を超える第2の検出値となるため、ドア13,13が閉鎖位置から開放位置に移動する。この際、第2近接スイッチ32は、ドア13,13の開放に伴って補強フレーム13Aを検出し、第1の検出値が瞬間的に初期しきい値を超える第2の検出値となる。
第1近接スイッチ31の第2の検出値は、人P1が第2近接スイッチ32上に移動すると第1の検出値に復帰する。
【0045】
人P1が第2近接スイッチ32上を通過する間、第2近接スイッチ32の第1の検出値が初期しきい値を超える第2の検出値となるため、ドア13,13を開放状態に維持させる。
そして、人P1が出入口11を通過し、第1近接スイッチ31および第2近接スイッチ32の発振出力信号F1,F2が第1の検出値に復帰すると、オープンタイマのタイムアップ後にリミットスイッチ15Bの閉鎖開始信号を有効として、第2近接スイッチ32の初期しきい値をドア閉鎖用しきい値に変更するしきい値調整を行う。
【0046】
したがって、ドア13,13を開放位置から閉鎖位置に向かって移動させても、補強フレーム13Aを検出する第2近接スイッチ32の第1の検出値がしきい値を超えることはない。すなわち、ドア13,13は、寸動開閉を起こすことなく閉鎖位置に移動を完了する。ドア閉鎖用しきい値は、リミットスイッチ15Aが閉鎖完了信号を出力した後、初期しきい値に復帰させる。
【0047】
図4には、通行体Pである貨物P2が第1近接スイッチ31上に放置されたときの自動ドア装置10の動作を示すタイムチャート図が示されている。
貨物P2が第1近接スイッチ31上に放置されると、第1近接スイッチ31の第1の検出値が初期しきい値を超える第2の検出値となるため、ドア13,13を開放させる。そして、貨物P2による第2の検出値は変動値が所定値以内であるため、限定静止タイマがタイムカウントを開始する。
【0048】
なお、限定静止タイマがタイムアップした後、第1近接スイッチ31の初期しきい値を感度回復用しきい値に変更させるが、第1近接スイッチ31の発振出力信号が第2の検出値であるため、制御部16はドア13,13の閉鎖に伴うリミットスイッチ15Bからの閉鎖開始信号を無効としてドア閉鎖用しきい値に変更するしきい値調整は行わない。
【0049】
次に、ドア13,13を開放位置から閉鎖位置に向かって移動させると、第2近接スイッチ32が補強フレーム13Aを検出する。
この際、第2近接スイッチ32にはしきい値調整を行っていないため、第2近接スイッチ32の第1の検出値が初期しきい値を超える第2の検出値となり、ドア13,13はオープンタイマを挟む寸動開閉を開始する。
【0050】
ドア13,13は、貨物P2が自ら第1近接スイッチ31から退避しないため、あらかじめ設定された所定回数(4回)まで寸動開閉を行う。そして、ドア13,13の寸動開閉が4回目に達すると、リミットスイッチ15Bの閉鎖開始信号を有効として第2近接スイッチ32の初期しきい値をドア閉鎖用しきい値に変更するしきい値調整を行い、ドア13,13を閉鎖位置に移動させる。そして、第2近接スイッチ32のドア閉鎖用しきい値がリミットスイッチ15Aの閉鎖完了信号により初期しきい値に復帰するとき、第1近接スイッチ31の感度回復用しきい値をしきい値再設定手段により新たな初期しきい値として再設定する。
【0051】
図5には、通行体Pである貨物P2が第1近接スイッチ31上を通過した後、第2近接スイッチ32上に放置されたときの自動ドア装置10の動作を示すタイムチャート図が示されている。
貨物P2が第1近接スイッチ31上を通過することによりドア13,13が開放し、次いで貨物P2が第2近接スイッチ32上に放置されると、貨物P2による第2の検出値は変動値が所定値以内であるため、限定静止タイマがタイムカウントを開始する。
なお、限定静止タイマがタイムアップした後、第2近接スイッチ32の初期しきい値を感度回復用しきい値に変更させるが、第2近接スイッチ32の発振出力信号が第2の検出値であるため、リミットスイッチ15Bの閉鎖開始信号を無効としてドア閉鎖用しきい値に変更するしきい値調整は行わない。
【0052】
次に、ドア13,13を開放位置から閉鎖位置に向かって移動させると、第2近接スイッチ32が補強フレーム13Aを検出する。
この際、第2近接スイッチ32にしきい値調整を行っていないため、第2近接スイッチ32の第2の検出値が感度回復用しきい値を超え、ドア13,13はオープンタイマを挟む寸動開閉を開始する。
【0053】
ドア13,13は、貨物P2が自ら第2近接スイッチ32から退避しないため、あらかじめ設定された所定回数(4回)まで寸動開閉を行う。そして、ドア13,13の寸動開閉が4回目に達すると、リミットスイッチ15Bの閉鎖開始信号を有効として第2近接スイッチ32の感度回復用しきい値をドア閉鎖用しきい値に変更するしきい値調整を行い、ドア13,13を閉鎖位置に移動させる。そして、第2近接スイッチ32のドア閉鎖用しきい値がリミットスイッチ15Aの閉鎖完了信号により感度回復用しきい値に復帰するとき、この感度回復用しきい値をしきい値再設定手段により新たな初期しきい値として再設定する。
【0054】
図6には、通行体Pである人P1が第1近接スイッチ31上を通過した後、第2近接スイッチ32上において静止した後に体を動かし、再び静止した後、第2近接スイッチ32から引き返した(退避した)ときの自動ドア装置10の動作を示すタイムチャート図が示されている。
人P1が第1近接スイッチ31上を通過することによりドア13,13が開放し、次いで人P1が第2近接スイッチ32上において静止すると、第2近接スイッチ32の第2の検出値は変動値が所定値以内であるため、限定静止タイマがタイムカウントを開始する。
【0055】
限定静止タイマがタイムアップする前に人P1が体を動かすと、第2近接スイッチ32の第2の検出値は変動値が所定値以上となるため、タイムカウントをクリアする。
そして、人P1が再び静止すると、限定静止タイマが再びタイムカウントを開始する。限定静止タイマがタイムアップする前に人P1が第2近接スイッチ32から近接スイッチ30外に引き返すと(退避)、第2近接スイッチ32の第2の検出値が第1の検出値に復帰する。すなわち、第1近接スイッチ31および第2近接スイッチ32の発振出力信号F1,F2が第1の検出値となるため、オープンタイマのタイムアップ後、第2近接スイッチ32の初期しきい値をドア閉鎖用しきい値に変更させてドア13,13を閉鎖させる。
【0056】
図7には、通行体Pである人P1が第1近接スイッチ31上を通過した後、第2近接スイッチ32上において静止し、寸動開閉に促されて第2近接スイッチ32上から退避したときの自動ドア装置10の動作を示すタイムチャート図が示されている。
人P1が第1近接スイッチ31上を通過することによりドア13,13が開放し、次いで人P1が第2近接スイッチ32上において静止すると、第2近接スイッチ32の第2の検出値は変動値が所定値以内であるため、限定静止タイマがタイムカウントを開始する。
【0057】
限定静止タイマがタイムアップした後、第2近接スイッチ32の初期しきい値を感度回復用しきい値に変更させるが、第2近接スイッチ32の発振出力信号が第2の検出値であるため、リミットスイッチ15Bの閉鎖開始信号を無効としてドア閉鎖用しきい値に変更するしきい値調整は行わない。
次に、ドア13,13を開放位置から閉鎖位置に向かって移動させると、第2近接スイッチ32が補強フレーム13Aを検出する。
この際、第2近接スイッチ32にしきい値調整を行っていないため、第2近接スイッチ32の第2の検出値が感度回復用しきい値を超え、ドア13,13はオープンタイマを挟む寸動開閉を開始する。
【0058】
なお、図を詳細に観察すると判るように、第2近接スイッチ32は、人P1と当該第2近接スイッチ32を構成する検知板とが協働して高周波を発振するため、検知板単独で高周波を発振する場合に比較して補強フレーム13Aを過大検出する。すなわち、第2の近接スイッチ32は、第1の検出値が第2の検出値に変わる時期が検知板単独で補強フレーム13Aを検出する場合に比較して早くなる。
このため、ドア13,13は、開放位置近傍において寸動開閉を行い、人に接触する虞れはない。
【0059】
ドア13,13の寸動開閉が2回目を終了したとき、人P1が第2近接スイッチ32上から退避すると、第2近接スイッチ32の第2の検出値が第1の検出値に復帰する。
第2の検出値が第1の検出値に復帰すると、これに追従して感度回復用しきい値も初期しきい値に復帰するため、次回(3回目)の寸動開閉を行うときに閉鎖開始信号が有効となる。すなわち、初期しきい値がドア閉鎖用しきい値にしきい値調整されるため、第2近接スイッチ32が金属部材である補強フレーム13Aを検出することはない。したがって、ドア13,13は、寸動開閉を起こすことはなく、閉鎖位置に移動完了する。
ドア閉鎖用しきい値は、リミットスイッチ15Aが閉鎖完了信号を出力した後に初期しきい値に復帰する。
【0060】
以上のような本実施例の自動ドア装置10によれば、金属部材である補強フレーム13Aが設けられたドア13,13の近傍に不感知領域が生じないように高周波発振型の近接スイッチ30を配置しても、ドア13,13を閉鎖する際に引っかけ現象と呼ばれる寸動開閉が生じない。
【0061】
また、前述したしきい値調整は、第2の検出値が第1の検出値に復帰したときに行われる。
したがって、本実施例の自動ドア装置10は、通行体Pが近接スイッチ30上に位置している間はドア13,13を閉鎖せず、通行体Pが出入口11を通過した後や通行体Pが出入口11を通過せずに引き返した後、すなわち通行体Pが近接スイッチ30から居なくなった後にドア13,13を閉鎖できる。
特に、本実施例では、オープンタイマのタイムアップ後にドア13,13を閉鎖するため、通行体Pが出入口11の表側(室外側)に配置された近接スイッチ30から出入口11の裏側(室内側)に配置された近接スイッチ30に移動するまでドア13,13の開放状態に維持できる。
【0062】
さらに、通行体Pが近接スイッチ30上に静止していると、ドア13,13を閉鎖するにあたって、引っかけ現象と呼ばれる寸動開閉を利用して通行体Pに対して近接スイッチ30上からの退避を促すことができる。
そして、制御部16は、しきい値再設定手段を有しているため、通行体Pが近接スイッチ30上に静止している状態でドア13,13を閉鎖した後、近接スイッチ30の初期感度を回復できる。
【0063】
また、制御部16は自己補正手段を有しているため、通行体Pが出入口11に接近していないにも関わらず、外部環境の変化によりドア13,13が開放することを防止できる。
さらに、第2近接スイッチ32上に静止した通行体Pが人P1であれば、ドア13,13が寸動開閉を開放位置近傍において行うため、ドア13,13が人P1に接触する虞れはない。
そして、近接スイッチ30は、ドア13,13を閉鎖するにあたって、検出感度の低下を第2近接スイッチ32に対してのみ行う。このため、ドア13,13を閉鎖する際、新たに別の通行体Pが出入口11に接近しても、検出感度が低下しない第1の近接スイッチ31により通行体Pを検出できる。
【0064】
なお、本発明は前述した本実施例に限定されるものではなく、本発明を達成できる範囲での改良,変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述した本実施例では、引き分け引き戸形式に配置された一対のドアが例示されていたが、片引き引き戸形式,扉形式,折り戸形式等のドアを採用してもよい。
また、ドア移動手段としては、モータ,プーリ,ワイヤ等による構造以外にも油圧,空圧等のシリンダを有する構造、あるいは磁気を利用した構造等を採用してもよい。
【0065】
さらに、ドア位置検出手段としてはリミットスイッチ以外の構造を採用してもよく、例えば光電スイッチによりドア位置を検出する構造や、モータ回転軸にエンコーダを取り付ける構造等を採用してもよい。
そして、前述した本実施例では、ドアが閉鎖位置に移動完了したことを検出するリミットスイッチによりしきい値調整を終了していたが、しきい値調整開始から所定時間が経過した後に自動的にしきい値調整を終了するようにしてもよい。この際、前記所定時間としては、ドアが開放位置から移動を開始し、かつ、ドアが閉鎖位置に移動完了することが確実に予想されるような時間に設定すればよい。
【0066】
また、本発明においてオープンタイマは必須要件ではなく、適宜省略してもよい。
しかし、本実施例のようにオープンタイマのタイムアップ後にドアを閉鎖すれば、出入口の表裏に配置された近接スイッチ間を通行体が移動する際にも所定時間ドアの開放状態を維持できる。
【0067】
さらに、前述した本実施例では、近接スイッチが第1近接スイッチと第2近接スイッチとを備えていたが、本発明は本実施例における第2近接スイッチだけでも効果を奏することができる。
しかしながら、本実施例によれば、ドアを閉鎖する際のしきい値調整は第2近接スイッチに対してのみ行われるため、すなわち第1近接スイッチは初期感度を保持しているため、出入口に接近する新たな通行体を検出できる。
【0068】
そして、本実施例では、第1近接スイッチと第2近接スイッチとを一体的に形成されていたが、あらかじめ別体として形成しておき、自動ドア装置の施工にあたって合体させてもよい。
しかし、本実施例のように、あらかじめ第1近接スイッチと第2近接スイッチとを一体的に形成しておけば、部品管理や施工管理および施工作業を容易に行えるという効果が得られる。
その他、本実施例で例示した各手段,各部材の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0069】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載した発明によれば、金属部材が設けられたドア近傍に高周波発振型の近接スイッチを隣接配置しても、ドア閉鎖時に引っかけ現象が生じない。
また、本発明の請求項2に記載した発明によれば、通行体が出入口を通過した後、あるいは通行体が出入口を通過せずに引き返した後にドアを閉鎖できる。
【0070】
さらに、本発明の請求項3に記載した発明によれば、近接スイッチ上に静止した通行体に対して引っかけ現象を利用して退避を促すことができる。
そして、本発明の請求項4に記載した発明によれば、通行体が近接スイッチ上に静止した状態でドアを閉鎖しても、近接スイッチの初期感度を回復できる。
【0071】
また、本発明の請求項5に記載した発明によれば、出入口に通行体が接近していないにも関わらず、外部環境の変化によりドアが開放することを防止できる。さらに、本発明の請求項6に記載した発明によれば、近接スイッチ上に静止した通行体が人の場合には、寸動開閉するドアが人に接触する虞れがない。
そして、本発明の請求項7に記載した発明によれば、ドアを閉鎖する際に、新たに別の通行体が出入口に接近しても、速やかにドアを再開放できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体斜視図である。
【図2】自己補正手段の作用を示すタイムチャート図である。
【図3】自動ドア装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図4】自動ドア装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図5】自動ドア装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図6】自動ドア装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図7】自動ドア装置の動作を示すタイムチャート図である。
【図8】高周波発振型の近接スイッチを示す模式断面図である。
【符号の説明】
10 自動ドア装置
11 出入口
12 壁面
13 ドア
13A 金属部材である補強フレーム
14 ドア移動手段
15 ドア位置検出手段
15A,15B ドア位置検出手段であるリミットスイッチ
16 制御部
30 近接スイッチ
31 第1近接スイッチ
32 第2近接スイッチ
F1 第1近接スイッチの発振出力信号
F2 第2近接スイッチの発振出力信号
P 通行体
P1 通行体である人
P2 通行体である貨物
P3 近接スイッチ上に固定されることなく配置されたマット

Claims (7)

  1. 壁面に形成された出入口を開閉するドアと、前記ドアを開放位置あるいは閉鎖位置に移動させるためのドア移動手段と、前記ドアが前記開放位置から前記閉鎖位置に向かって移動を開始したときに閉鎖開始信号を出力し、かつ、前記ドアが前記閉鎖位置に移動を完了したときに閉鎖完了信号を出力するドア位置検出手段と、前記ドア近傍に埋設配置されるとともに高周波を発振する検知板を含む発振回路を備え、前記出入口に接近する通行体を発振出力信号の変化として検出する近接スイッチと、前記閉鎖開始信号,前記閉鎖完了信号および前記発振出力信号に基づいて前記ドア移動手段および前記近接スイッチを制御する制御部とを有し、前記ドアには前記通行体と同じく前記近接スイッチにより検出される金属部材が設けられている自動ドア装置において、前記近接スイッチが前記通行体を検出していないときの第1の検出値が初期しきい値を超える第2の検出値となって前記ドアが前記開放状態となった後、前記近接スイッチが前記金属部材を検出しないようにするために、前記制御部は少なくとも前記ドアが前記閉鎖位置に移動完了するまで、前記閉鎖開始信号により前記初期しきい値をドア閉鎖用しきい値に調整するしきい値調整を行うことを特徴とする自動ドア装置。
  2. 前記第2の検出値が前記第1の検出値に復帰したときに前記しきい値を初期しきい値に復帰させて前記閉鎖開始信号を有効とすることを特徴とする請求項1に記載した自動ドア装置。
  3. 前記制御部は前記第2の検出値を所定時間毎に読み取り、前回読取値と今回読取値との変動値が所定値以内である場合にタイムカウントを開始し、かつ、前記タイムカウントのタイムアップ前に前記変動値が所定値以上となった場合に前記タイムカウントをクリアする限定静止タイマを有し、前記限定静止タイマがタイムアップした後に前記近接スイッチが初期感度を回復するように前記初期しきい値を感度回復用しきい値に変更するとともに、前記閉鎖開始信号を無効として前記ドアを寸動開閉させ、前記寸動開閉が所定回数に達してから前記閉鎖開始信号を有効として前記感度回復用しきい値を前記ドア閉鎖用しきい値に調整するしきい値調整を行うことを特徴とする請求項1に記載した自動ドア装置。
  4. 前記制御部は前記ドア閉鎖用しきい値が前記感度回復用しきい値に復帰した後、前記感度回復用しきい値を新たな初期しきい値として再設定するしきい値再設定手段を有することを特徴とする請求項3に記載した自動ドア装置。
  5. 前記制御部は前記第1の検出値を所定時間毎に読み取り、前回読取値と今回読取値との変動値が所定値以内である場合に今回読取値に対応するように前記初期しきい値を変更させ、前記近接スイッチの前記初期感度を保持する自己補正手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載した自動ドア装置。
  6. 前記近接スイッチは前記通行体が人であるときに前記人と前記検知板とが協働して前記金属部材を過大検出することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載した自動ドア装置。
  7. 前記近接スイッチは前記ドアに対して所定距離離間して配置された第1近接スイッチと、前記ドアと前記第1近接スイッチとの間に配置された第2近接スイッチとを備え、前記制御部は前記閉鎖開始信号による前記しきい値調整を前記第2近接スイッチに対してのみ行うことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載した自動ドア装置。
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