JP3560811B2 - 電気光変換装置の劣化診断方法及び電気光変換装置の劣化診断装置 - Google Patents

電気光変換装置の劣化診断方法及び電気光変換装置の劣化診断装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光変換装置の劣化診断方法及び電気光変換装置の劣化診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無接点制御装置とゲートアンプとを分離し、その間を光ファイバによって接続してゲート指令を送信する構成の電気車制御装置は、図8に示すような回路構成である。図8に示す電気車制御装置は、主回路又は補助回路1に変圧器(図示せず)、自己消弧形のスイッチング素子で構成されるコンバータやインバータのような電力変換回路(図示せず)、この電力変換回路のスイッチング素子をオン/オフ制御するゲートアンプ2を含んでいる。ゲートアンプ2は光ゲート指令信号を受信して電気ゲート指令信号に変換するゲート指令受信部21と、当該ゲート指令受信部21が受信した光ゲート指令信号のH,L反転信号(光ゲート指令信号が“H”の時には“L”、逆に光ゲート指令信号が“L”の時には“H”となる信号)を光フィードバック信号として出力するフィードバック信号送信部22とを有している。
【0003】
このゲートアンプ2と切離されている無接点制御装置3は、光ゲート指令信号を送信するゲート指令送信部31と、ゲートアンプ2からの光フィードバック信号を受信するフィードバック信号受信部32とを有している。そしてゲートアンプ2のゲート指令受信部21と無接点制御装置3のゲート指令送信部31との間は光ゲート指令信号を伝送するための下り側光ファイバ41で接続され、またゲートアンプ2のフィードバック信号送信部22と無接点制御装置3のフィードバック信号受信部32との間は光フィードバック信号を伝送するための上り側光ファイバ42で接続されている。
【0004】
このような従来の電気車制御装置では、無接点制御装置3においてゲート指令を生成し、これをゲート指令送信部31において電気−光変換を行い、光ゲート指令信号にして下り側光ファイバ41を通じてゲートアンプ2内のゲート指令受信部21に送信し、ゲート指令受信部21が受信した光ゲート指令信号を電気ゲート指令信号に変換し、この電気ゲート指令信号によって電力変換回路のスイッチング素子をオン/オフ制御し、電力変換を行う。
【0005】
そしてゲートアンプ2のフィードバック信号送信部22は、ゲート指令受信部21の受信したゲート指令信号とはH,L反転したフィードバック信号を生成し、電気−光変換して光フィードバック信号にして上り側光ファイバ42に送り出し、無接点制御装置3側のフィードバック信号受信部32に受信させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の電気車制御装置では、上り、下りの光ファイバ41,42や光信号の送、受信部21,22の劣化診断に多大の労力と時間を必要とする問題点があった。それは、次の理由による。
【0007】
交流き電、交流負荷の主回路の場合、電力変換回路のスイッチング素子の数は、例えば、コンバータ側で1相4個ずつで、2相であれば8個、またインバータ側では3相で3×4=12個あり、合計20個のスイッチング素子それぞれをゲートアンプ2それぞれによってオン/オフ制御するため、当該電気光変換装置も20個必要となる。そして各電気光変換装置のゲートアンプ2に採用されているゲート指令受信部21にはフォトダイオードのような受光デバイスが用いられ、またフィードバック信号送信部22にはLEDのような発光デバイスが用いられるが、これらの素子や光ファイバは劣化するので、保守点検作業時に1個ずつ劣化診断を行わなければならない。そのために、1編成の電気車制御装置すべてについて劣化診断をしようとすれば、主回路の搭載数×20だけ行う必要がある。しかも、電気車には同様の構成の電気車制御装置が補助電源用の補助回路にも採用されているので、補助回路に対しても同様の劣化診断作業が必要とされ、劣化診断作業だけでも多大の時間と労力が必要となる。
【0008】
しかも、従来は電気車制御装置を車体の底部に設置しているため、劣化診断作業時には、車庫において保守点検作業者が地下ピットに入って不自然な姿勢で作業する必要があり、労力負担をさらに大きくしている。
【0009】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、光ファイバや光信号の送受信部の劣化診断作業がしやすい構造の電気車制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明はまた、光ファイバや光信号の送受信部の劣化診断作業に要する労力や時間を低減できる電気光変換装置の劣化診断方法及び劣化診断装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の電気光変換装置の劣化診断方法は、電力変換回路と、当該電力変換回路のスイッチング素子をオン/オフ制御するゲートアンプとを含み、前記ゲートアンプが光ゲート指令信号を受信して電気ゲート指令信号に変換するゲート指令受信部と、当該ゲート指令受信部が受信した光ゲート指令信号のH,L反転信号を光フィードバック信号として出力するフィードバック信号送信部とを有する主回路又は補助回路、前記光ゲート指令信号を送信するゲート指令送信部と、前記光フィードバック信号を受信するフィードバック信号受信部とを有する無接点制御装置、前記主回路又は補助回路と前記無接点制御装置との間に設けられ、前記ゲート指令送信部からの光ゲート指令信号を前記ゲート指令受信部への伝送、及び、前記フィードバック信号送信部からの光フィードバック信号を前記フィードバック信号受信部への伝送を行う光ファイバを備えて成る電気車制御装置において、前記フィードバック信号送信部に対する電源電圧を劣化判定のために設定されている規定値まで低下させた状態で、前記フィードバック信号受信部が前記ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部から前記光ファイバを通して“H”レベルの光フィードバック信号を受信するかどうかを見て、前記ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部及び前記光ファイバの劣化診断を行うものである。
【0014】
請求項1の発明の電気光変換装置の劣化診断方法では、主回路又は補助回路部分に手を触れずに当該主回路又は補助回路に含まれるゲートアンプ内のフィードバック信号送信部と光ファイバの劣化診断を行うことができる。
【0015】
請求項2の発明の電気光変換装置の劣化診断方法は、電力変換回路と、当該電力変換回路のスイッチング素子をオン/オフ制御するゲートアンプとを含み、前記ゲートアンプが光ゲート指令信号を受信して電気ゲート指令信号に変換するゲート指令受信部と、当該ゲート指令受信部が受信した光ゲート指令信号のH,L反転信号を光フィードバック信号として出力するフィードバック信号送信部とを有する主回路又は補助回路、前記光ゲート指令信号を送信するゲート指令送信部と、前記光フィードバック信号を受信するフィードバック信号受信部とを有する無接点制御装置、前記主回路又は補助回路と前記無接点制御装置との間に設けられた、前記ゲート指令送信部からの光ゲート指令信号を前記ゲート指令受信部に伝送する下り側光ファイバ、及び、前記主回路又は補助回路と前記無接点制御装置との間に設けられた、前記フィードバック信号送信部からの光フィードバック信号を前記フィードバック信号受信部に伝送する上り側光ファイバを備えて成る電気車制御装置において、請求項1の劣化診断方法に基づき、前記ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部及び上り側光ファイバが正常であることを確認した後、前記下り側光ファイバを通して前記ゲート指令受信部に“H”レベル信号を、その光量を劣化判定のために設定されている規定値まで上昇させた状態でテスト信号として送信し、前記無接点制御装置のフィードバック信号受信部が前記ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部から前記上り側光ファイバを通して“L”レベルの光フィードバック信号を受信するかどうかを見て、前記ゲートアンプ内のゲート指令受信部及び前記下り側光ファイバの劣化診断を行うものである。
【0016】
請求項2の発明の電気光変換装置の劣化診断方法では、主回路又は補助回路部分に手を触れずに当該主回路又は補助回路に含まれるゲートアンプ内のゲート指令受信部及び下り側光ファイバの劣化診断を行うことができる。
【0018】
請求項の発明の電気光変換装置の劣化診断装置は、ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部に対する電源を接続し、その電圧を高低制御するゲート電源制御部と、無接点制御装置内のゲート指令送信部に対してテスト信号の送信を指示するテスト信号送信制御部と、前記無接点制御装置内のゲート指令送信部と前記ゲートアンプ内のゲート指令受信部との間に接続されている光ファイバの前記ゲート指令送信部側端を接続し、光量を大小変化させて当該光ファイバに送り出す光量制御部と、前記無接点制御装置内のフィードバック信号受信部が受信するフィードバック信号状態に基づき、前記光ファイバ、前記ゲートアンプ内のゲート指令受信部及びフィードバック信号送信部の劣化状態を判断する異常判定部とを備えたものである。
【0019】
請求項の発明の電気光変換装置の劣化診断装置では、ゲート電源制御部をゲートアンプ内のフィードバック信号送信部に対する電源に接続して、その電圧を高低制御しながら、テスト信号送信制御部によって無接点制御装置内のゲート指令送信部に対してテスト信号の送信を指示し、異常判定部によって無接点制御装置内のフィードバック信号受信部が受信するフィードバック信号のH,Lレベル状態を調べることによって、請求項1の発明の劣化診断方法を使用した劣化診断を実施することができる。
【0020】
また光量制御部に無接点制御装置内のゲート指令送信部とゲートアンプ内のゲート指令受信部との間に接続されている光ファイバのゲート指令送信部側端を接続し、光量を大小変化させて当該光ファイバに送り出しながら、無接点制御装置内のフィードバック信号受信部が受信するフィードバック信号のH,Lレベル状態を調べることによって、請求項2の発明の劣化診断方法を使用した劣化診断を実施することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は電気光変換装置の劣化診断システムを示しており、図8に示した従来例と同様の回路構成の主回路又は補助回路1、これに含まれるゲートアンプ2、主回路又は補助回路1のゲートアンプ2から分離された無接点制御装置3、及び、これらの分離されたゲートアンプ2と無接点制御装置3との間を接続する下り側光ファイバ41、上り側光ファイバ42によって電気車制御装置が構成されており、本発明の特徴である劣化診断装置5が無接点制御装置3に接続されている。なお、ゲートアンプ2のゲート指令受信部21の電源23、フィードバック信号送信部22の電源24それぞれは、予め、このゲートアンプ2から分離されて無接点制御装置3の近くにおいて高低調整できる配線にし、劣化診断装置5のゲート電源制御部51によって高低制御するようにしてある。
【0022】
劣化診断装置5は、前述のゲート電源制御部51、無接点制御装置3のゲート指令送信部31に対してテスト信号を送信させるテスト信号送信制御部52、フィードバック信号受信部32の受信する光フィードバック信号に基づいてゲートアンプ2及び光ファイバ4の劣化を診断する異常判定部53、下り側光ファイバ41を接続することによって、ゲート指令受信部21に送信する光信号の光量を可変制御する光量制御部54を備えている。
【0023】
電気車制御装置全体の機械的な構造は図2に示すもので、車両60の底部に電気車制御装置全体を収容する筐体61が取り付けられている。そしてこの筐体61内には、主回路又は補助回路1が点検作業時に車両60の側部からは容易に手が届かないような奥まった位置に設置されており、これとは分離して、無接点制御装置3が作業者にとって車両60の側部から容易に手の届く場所に設置されている。そして主回路又は補助回路1と無接点制御装置3との間は、光ファイバ4(下り側光ファイバ41、上り側光ファイバ42を1本の双方向光ファイバによって構成したもの)によって接続されている。
【0024】
次に、上記の構成の劣化診断システムを用いて行う電気光変換装置の劣化診断方法について説明する。
【0025】
まず発光デバイスの特性について説明する。ゲート指令送信部31とフィードバック信号送信部22に用いられているLEDのような発光デバイスは、図9の特性図に示すように、電源電圧にほぼ比例した光出力を持つ。これに対して、劣化が進むと同じ電源電圧に対する光出力が低下してくる。そのため、同じ光量の光信号を送信するためには電源電圧を上昇させる必要があり、逆に電源電圧を一定にする場合には当該光信号を受信する受光デバイスのゲインを上昇させる制御が必要である。しかしながら、劣化がさらに進むと受光デバイスが確実に受信できる光出力を出すことができなくなり、光信号の送受信が不安定となるため、例えば、基準電圧で正常品の最低光出力に対して、例えば、50〜30%まで低下すると劣化と判断し、交換しなければならない。
【0026】
同じように光ファイバも劣化があり、また断線も発生し得るので、その状態を診断する必要がある。
【0027】
一方、フォトダイオードのような受光デバイスも劣化があり、同じ光量の光信号に対しても劣化が起こっていれば十分な電流値の光電変換ができなくなり、ゲート指令の受信に用いることができなくなる。
【0028】
そこで、劣化診断装置5を無接点制御装置3に接続し、次の2つの場合に分けてゲートアンプ2側のゲート指令受信部21、フィードバック信号送信部22、下り側光ファイバ41及び上り側光ファイバ42の劣化診断を実施する。なお、この劣化診断に先立って、無接点制御装置3側の機器の劣化診断は従来と同様に行い、正常であることが確認されているものとする。(この無接点制御装置3側の劣化診断は当該装置が床下に配置される場合には車側側に、車内に配置される場合には通路側に配置されるなど、作業しやすい場所に設置されているので、容易に行うことができる。)
【0029】
1.フィードバック信号送信部22及び上り側光ファイバ42の劣化診断
図3に示すように、ゲートアンプ2の機器が正常である場合、無接点制御装置3のゲート指令送信部31から下り側光ファイバ41を通してゲートアンプ2のゲート指令受信部21に送られてくるゲート指令の“H”、“L”信号に対して、ゲートアンプ2のフィードバック信号送信部22は上り側光ファイバ42を通して無接点制御装置3のフィードバック信号受信部32にこのゲート指令とは反転した“L”、“H”のフィードバック信号を返す。
【0030】
したがって、ゲート指令送信部21からゲート指令として“H”信号を送信したときに、フィードバック信号受信部22がフィードバック信号として“H”信号を受信したり、ゲート指令として“L”信号を送信したときにフィードバック信号として“L”信号を受信すればゲートアンプ2のフィードバック信号送信部22と上り側光ファイバ42のいずれかに劣化、断線その他の異常が発生していると診断することができる。つまり、無接点制御装置3側の送受信信号状態を見て当該装置から離れて奥まった場所に設置されているゲートアンプ2のフィードバック信号送信部22とこれに接続されている上り側光ファイバ42の劣化診断ができることになる。
【0031】
そこで、劣化診断装置5を用いて、そのゲート電源制御部51を無接点制御装置3に予め設けられているゲートアンプ2側の電源コネクタ(図示せず)に接続し、ゲートアンプ2の受信部電源23、送信部電源24それぞれの電圧を同時に又は個別に変化させ得る状態にして、次のようにして劣化診断を行う。
【0032】
図9に示したように、LEDのような発光デバイスは、同じ電圧の電源であっても劣化によって光出力(発光量)が低下する。そこで、基準電圧の電源を印加した状態で基準値以上の発光量が得られなくなれば、その発光デバイスが劣化したものと判断する。
【0033】
つまり、図4において曲線A2で示す正常品の発光デバイスの場合には、規定値電圧よりもかなり低い電圧であってもフィードバック信号受信部32が“H”信号と判定する閾値以上の強度の光出力で発光することができる(曲線A4)。しかしながら、発光デバイスが劣化すれば、曲線A3で示すように、規定値電圧よりも高い電圧であってもフィードバック信号受信部32が“L”信号と判定する閾値以下の光出力でしか発光できなくなる(A5部分)。
【0034】
そこで、図5のフローチャートに示すように、最初にゲートアンプ2側の電源電圧を通常の値に維持した状態で、テスト信号送信制御部52の制御によって無接点制御装置3内のゲート指令送信部31の出力を“L”状態に保持し、フィードバック信号受信部32がフィードバック信号として“H”状態の信号を受信するかどうか判断する。ここで“L”状態の信号を受信すれば既に異常が発生していると判断して劣化診断を終了する(ステップS1,S5)。
【0035】
しかしながら通常は、通常電圧値ではフィードバック信号受信部32はフィードバック信号として“H”状態の信号を受信するはずであり(ステップS1でYESに分岐)、この状態で、ゲート電源電圧制御部51の制御によってゲート電源電圧A1を規定電圧値まで低下させる(ステップS2)。
【0036】
ゲートアンプ2内のフィードバック信号送信部22の光出力は劣化によって同じ電圧の電源に対して低下してくるが、ゲート電源電圧A1を規定値まで低下させたときにも、フィードバック信号受信部32がフィードバック信号送信部22から送られてくるフィードバック信号を“H”状態であると判定すれば、異常判定部53はフィードバック信号送信部53と上り側光ファイバ42のいずれにも異常なしと判定する(ステップS3,S4)。
【0037】
しかしながら、ゲート電源電圧A1を規定値まで低下させたときに、フィードバック信号受信部32がフィードバック信号送信部22から送られてくるフィードバック信号を“L”状態になったと判定すれば、異常判定部53はフィードバック信号送信部53と上り側光ファイバ42のいずれかに異常ありと判定する(ステップS3,S5)。
【0038】
このようにして、車側から容易に手の届く場所に設置されている無接点制御装置3側での操作だけで車両の奥まった場所に設置されている主回路又は補助回路1のゲートアンプ2内のフィードバック信号送信部22と上り側光ファイバ42との劣化診断を行う。
【0039】
2.ゲート指令信号受信部21及び下り側光ファイバ41の劣化診断
フォトダイオードのような受光デバイスは、劣化すれば同じ受光量に対しても光電変換出力が低下し、“H”レベル電気信号を出力できなくなる。このような受光デバイスで成るゲート指令受信部21に対して、図6に示すようにその受光量を十分低い値から徐々に上昇させて行くと、正常品B2であれば規定光量の受光量B1よりも十分低い受光量の段階からゲート指令を“H”状態として検出して“H”ゲート指令信号を出力するようになり、この結果、ゲート指令受信部21とはH,L反転したフィードバック信号を出力するフィードバック信号送信部22はこれに対応して規定光量よりも十分低い段階で“H”状態から“L”状態に切り替えてフィードバック信号を出力するようになる(曲線B4)。
【0040】
ところが、受光デバイスでありゲート指令受信部21の劣化が進めば、曲線B3に示すように規定光量まで受光量が上昇してきてもまだ“H”レベル電気信号を出力することができない、つまり、ゲート指令として“L”状態を維持したままであり、フィードバック信号送信部22はゲート指令が“L”であるとしてそれとはH,L反転した“H”信号をフィードバック信号として無接点制御装置3側のフィードバック信号受信部32に送信し続ける。そして受光量が規定光量を大きく超えたときにようやく、“H”レベル信号を出力し、これに対するフィードバック信号として“L”レベル信号を無接点制御装置3側に返すようになるのである(B5部分)。
【0041】
そこで、図1に破線で示すように、下り側光ファイバ41のゲート指令送信部41側の端部を劣化診断装置5の光量制御部54に接続した状態にして、この光量制御部54によって規定光量よりも十分低い光量、つまり、正常品であってもゲート指令受信部21が“L”レベル信号しか出力できないような光量、あるいは光量ゼロにして、フィードバック信号受信部32が“H”レベル信号を受信しているかどうかを確認する。なお、この2.の劣化診断は、1.の劣化診断によってゲートアンプ2内のフィードバック信号送信部22と上り側光ファイバ42とが正常であると判定した後に実施するものとする。
【0042】
この状態から、図7のフローチャートに示す劣化診断を開始し、光量制御部54によって規定光量まで上げたゲート指令B1を下り側光ファイバ41を通してゲート指令受信部21に送信する(ステップS11)。
【0043】
これに対して、下り側光ファイバ41とゲート指令受信部21が共に正常であれば、ゲート指令受信部21は受信したゲート指令に対して“H”レベル電気信号に変換して出力するようになり、ゲートアンプ2内のフィードバック信号送信部22は逆に“L”状態のフィードバック信号を生成して無接点制御装置3側のフィードバック信号受信部32に送信するようになる。このフィードバック信号受信部32のフィードバック信号のH,L状態変化を見て、異常判定部53は下り側光ファイバ41とゲート指令受信部21が正常であると判定する(ステップS12,S13)。
【0044】
しかしながら、下り側光ファイバ41に異常が発生し、又はゲート指令受信部21の劣化が進んでいて、光量B1を規定光量まで上昇させてもゲート指令受信部21が“H”レベル電気信号を出力しなければ、フィードバック信号送信部22は“H”レベル信号をフィードバック信号として引続きフィードバック信号受信部32に送信し続けることになる。したがって、光量制御部54の出力する光量が規定光量まで上昇したのに、フィードバック信号受信部32が“H”レベルのフィードバック信号を受信している場合には、異常判定部53はゲート指令受信部21と下り側光ファイバ41のいずれかに異常ありと判定する(ステップS12,S14)。
【0045】
このようにして、車側から容易に手の届く場所に設置されている無接点制御装置3側での操作だけで車両の奥まった場所に設置されている主回路又は補助回路1のゲートアンプ2内のゲート指令受信部21と下り側光ファイバ41との劣化診断が行えることになる。
【0046】
なお、上記の2.の劣化診断では、光量制御部54によってゲート指令受信部21に対するゲート指令の光量を調整するようにしたが、これに代えて、無接点制御装置3内のゲート指令送信部31の電源電圧を可変することによりゲート指令の光量を調整することもできる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1の発明の電気光変換装置の劣化診断方法によれば、主回路又は補助回路に含まれるゲートアンプ部分から無接点制御装置を分離し、無接点制御装置は電気車にあって作業がしやすい場所、例えば、車体の側部あるいは2階建て車両の場合には点検通路に面する場所に設置した構成の電気車制御装置に対してその主回路又は補助回路部分に手を触れずに当該主回路又は補助回路に含まれるゲートアンプ内のフィードバック信号送信部及び光ファイバの劣化診断を行うことができ、作業者の劣化診断に要する労力、時間を格段に低減することができる。
【0049】
請求項2の発明の電気光変換装置の劣化診断方法によれば、主回路又は補助回路に含まれるゲートアンプ部分から無接点制御装置を分離し、無接点制御装置は電気車にあって作業がしやすい場所、例えば、車体の側部あるいは2階建て車両の場合には点検通路に面する場所に設置した構成の電気車制御装置に対してその主回路又は補助回路部分に手を触れずに当該主回路又は補助回路に含まれるゲートアンプ内のゲート指令受信部及び下り側光ファイバの劣化診断を行うことができ、請求項1の発明の劣化診断方法と組合わせることによって、主回路又は補助回路部分に手を触れずに当該主回路又は補助回路に含まれるゲートアンプ内のゲート指令受信部、フィードバック信号送信部、下り側光ファイバ及び上り側光ファイバの全体の劣化診断を行うことができ、作業者の劣化診断に要する労力、時間を格段に低減することができる。
【0051】
請求項の発明の電気光変換装置の劣化診断装置によれば、ゲート電源制御部をゲートアンプ内のフィードバック信号送信部に対する電源に接続して、その電圧を高低制御しながら、テスト信号送信制御部によって無接点制御装置内のゲート指令送信部に対してテスト信号の送信を指示し、異常判定部によって無接点制御装置内のフィードバック信号受信部が受信するフィードバック信号のH,Lレベル状態を調べることによって、請求項1の発明の劣化診断方法を使用した劣化診断を実施することができ、また光量制御部に無接点制御装置内のゲート指令送信部とゲートアンプ内のゲート指令受信部との間に接続されている光ファイバのゲート指令送信部側端を接続し、光量を大小変化させて当該光ファイバに送り出しながら、無接点制御装置内のフィードバック信号受信部が受信するフィードバック信号のH,Lレベル状態を調べることによって、請求項2の発明の劣化診断方法を使用した劣化診断を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気光変換装置の劣化診断を行う劣化診断システムのブロック図。
【図2】本発明の電気車制御装置の車体に対する設置状態を示す平面図。
【図3】上記の電気車制御装置における無接点制御装置とゲートアンプ部分のゲート指令、フィードバック信号の正常時、異常時それぞれにおける信号レベルの組合せを示す表。
【図4】上記の劣化診断システムによるフィードバック信号送信部と上り側光ファイバの正常時、異常時の特性を示す説明図。
【図5】上記の劣化診断システムによるフィードバック信号送信部と上り側光ファイバの劣化診断手順を示すフローチャート。
【図6】上記の劣化診断システムによるゲート指令受信部と下り側光ファイバの正常時、異常時の特性を示す説明図。
【図7】上記の劣化診断システムによるゲート指令受信部と下り側光ファイバの劣化診断手順を示すフローチャート。
【図8】従来の電気車制御装置のブロック図。
【図9】一般的な発光デバイスの電源電圧特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1 主回路又は補助回路
2 ゲートアンプ
3 無接点制御装置
4 光ファイバ
5 劣化診断装置
21 ゲート指令受信部
22 フィードバック信号送信部
23 受信部電源
24 送信部電源
31 ゲート指令送信部
32 フィードバック信号受信部
41 下り側光ファイバ
42 上り側光ファイバ
51 ゲート電源制御部
52 テスト信号送信制御部
53 異常判定部
54 光量制御部
60 車体
61 筐体

Claims (3)

  1. 電力変換回路と、当該電力変換回路のスイッチング素子をオン/オフ制御するゲートアンプとを含み、前記ゲートアンプが光ゲート指令信号を受信して電気ゲート指令信号に変換するゲート指令受信部と、当該ゲート指令受信部が受信した光ゲート指令信号のH,L反転信号を光フィードバック信号として出力するフィードバック信号送信部とを有する主回路又は補助回路、
    前記光ゲート指令信号を送信するゲート指令送信部と、前記光フィードバック信号を受信するフィードバック信号受信部とを有する無接点制御装置、
    前記主回路又は補助回路と前記無接点制御装置との間に設けられ、前記ゲート指令送信部からの光ゲート指令信号を前記ゲート指令受信部への伝送、及び、前記フィードバック信号送信部からの光フィードバック信号を前記フィードバック信号受信部への伝送を行う光ファイバを備えて成る電気車制御装置において、
    前記フィードバック信号送信部に対する電源電圧を劣化判定のために設定されている規定値まで低下させた状態で、前記フィードバック信号受信部が前記ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部から前記光ファイバを通して“H”レベルの光フィードバック信号を受信するかどうかを見て、前記ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部及び前記光ファイバの劣化診断を行う電気光変換装置の劣化診断方法。
  2. 電力変換回路と、当該電力変換回路のスイッチング素子をオン/オフ制御するゲートアンプとを含み、前記ゲートアンプが光ゲート指令信号を受信して電気ゲート指令信号に変換するゲート指令受信部と、当該ゲート指令受信部が受信した光ゲート指令信号のH,L反転信号を光フィードバック信号として出力するフィードバック信号送信部とを有する主回路又は補助回路、
    前記光ゲート指令信号を送信するゲート指令送信部と、前記光フィードバック信号を受信するフィードバック信号受信部とを有する無接点制御装置、
    前記主回路又は補助回路と前記無接点制御装置との間に設けられた、前記ゲート指令送信部からの光ゲート指令信号を前記ゲート指令受信部に伝送する下り側光ファイバ、及び、
    前記主回路又は補助回路と前記無接点制御装置との間に設けられた、前記フィードバック信号送信部からの光フィードバック信号を前記フィードバック信号受信部に伝送する上り側光ファイバを備えて成る電気車制御装置において、
    請求項1の劣化診断方法に基づき、前記ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部及び上り側光ファイバが正常であることを確認した後、
    前記下り側光ファイバを通して前記ゲート指令受信部に“H”レベル信号を、その光量を劣化判定のために設定されている規定値まで上昇させた状態でテスト信号として送信し、前記無接点制御装置のフィードバック信号受信部が前記ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部から前記上り側光ファイバを通して“L”レベルの光フィードバック信号を受信するかどうかを見て、前記ゲートアンプ内のゲート指令受信部及び前記下り側光ファイバの劣化診断を行う電気光変換装置の劣化診断方法。
  3. ゲートアンプ内のフィードバック信号送信部に対する電源を接続し、その電圧を高低制御するゲート電源制御部と、
    無接点制御装置内のゲート指令送信部に対してテスト信号の送信を指示するテスト信号送信制御部と、
    前記無接点制御装置内のゲート指令送信部と前記ゲートアンプ内のゲート指令受信部との間に接続されている光ファイバの前記ゲート指令送信部側端を接続し、光量を大小変化させて当該光ファイバに送り出す光量制御部と、
    前記無接点制御装置内のフィードバック信号受信部が受信するフィードバック信号状態に基づき、前記光ファイバ、前記ゲートアンプ内のゲート指令受信部及びフィードバック信号送信部の劣化状態を判断する異常判定部とを備えて成る電気光変換装置の劣化診断装置。
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