JP3560425B2 - 制振機構の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建物等の構造物の風や地震による振動を抑制するアクティブ方式の制振装置のコントローラの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物等の制振装置として、建物の上層階に制振用の可動マスを備え、このマスと建物とを油圧シリンダで連結しておき、地震などの揺れに対して、その振動波と逆位相に油圧シリンダを伸縮作動させてマスを駆動し、建物の振動を減衰して揺れを小さくするアクティブ方式の制振装置が、例えば特開平2−266139号公報に開示されている。
【0003】
この場合、建物の揺れが大きくなると、これに対応してマスを大きく変位させることになるが、振動が一定以上になるとシリンダがストロークエンドに達し、これにより生じる衝撃で建物への衝撃振動を誘発することがある。そこで、この従来装置では制振装置のコントローラに最適フィードバック理論を適用し、建物に過大な振動が入力された場合でもシリンダがストロークエンドに達しないようにするため、次のようにしている。
【0004】
一つは、マスの変位がシリンダのストロークエンドに近づくにしたがい、状態フィードバックゲインベクトルをマスの変位と速度に応じて減衰率を低くする方向へ連続的に変化させる可変フィードバック機能であり、もう一つは、マスの変位と速度に応じて振動の減衰率を強弱2段階に切換える2段(段階的)マップレギュレータ機能である。
【0005】
また、これとは別に特開平7−293038号公報には、上記したコントローラの最適フィードバック理論にカルマンフィルタ理論を併合することにより、設計時に無視した建物モデルの高次モードに起因する振動及び作動油の圧縮性あるいはサーボ弁の応答性に起因しての発振を抑制し、同時に風などの長周期外乱によるマスの有効ストロークの減少を抑制しながらも、製造コストの増大を抑制したコントローラが提案されている。
【0006】
いま、これを説明すると、図4において、1は構造物(建物)、2は制振用のマス(可動マス)で、マス2は建物1の上層階において水平方向に自由に移動可能に構成される。マス2は建物1に連結した油圧シリンダ3により、建物1に入力する振動の大きさ、方向に応じて逆位相に駆動される。油圧シリンダ3はサーボ弁4により図示しない油圧源からの作動油が給排され、マス2を水平面で駆動する。サーボ弁4の作動を制御するためにコントローラ10が備えられる。コントローラ10には建物1の振動特性を検出するために速度センサ7からの信号と、マス2の変位を検出する変位センサ8から信号が入力する。コントローラ10は建物1の振動を打ち消すように、これと逆位相の特性をもって油圧シリンダ3を伸縮動作させるようにサーボ弁4に指令信号を出力する。
【0007】
図5はコントローラ10を連続時間系の制御系で構成したときの制御要素のブロック図である。
【0008】
【数1】
Figure 0003560425
【0009】
なお、Kは制御対象Aから最適制御理論により計算されるフィードバックゲイン行列、Lは同じくと外乱条件からカルマンフィルタ理論により計算されるフィルタゲイン行列である。
【0010】
また、図6はコントローラに実装するために、図5を双一次変換で離散時間系で構成した制御要素のブロック図である。
【0011】
【数2】
Figure 0003560425
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、先の公開による可変フィードバック及び2段マップレギュレータ機能を、後の公開の最適フィードバック理論にカルマンフィルタ理論を併合させた併合系で実現するには、状態フィードバックゲインベクトルを非線形に変化できるように、独立したマトリクス形式で構成する必要がある。
【0013】
しかし、連続時間系での制御系をコントローラに実装するために、双一次変換で離散時間近似させた併合系の構成では、状態フィードバックゲインベクトルが独立に陽に現れないため、可変フィードバック及び2段マップレギュレータ機能を実現することができない。したがってこの場合、制御中の可動マスの位置や速度にかかわらず一定の状態フィードバックゲインベクトルを用いるために、過大振動の入力時にシリンダがストロークエンドに達するのを防止することができなかった。
【0014】
本発明はコントローラへの入力に制御入力を追加することより、最適レギュレータの実装式とカルマンフィルタの実装式とを分離し、可変フィードバック、段階的マップレギュレータ機能を実現し、過大振動の入力時にシリンダがストロークエンドに達しないないようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、構造物に入力する振動方向に運動可能な制振用マスと、構造物に連結されていてこの制振用マスを駆動するシリンダと、構造物の振動に関する状態変数の状態量を求める状態量検出手段と、この検出された状態量に基づいて所定の状態量を推定するカルマンフィルタ及び、カルマンフィルタで推定された状態量と最適フィードバックゲインベクトルによって制御入力を演算する最適レギュレータにより構成されるコントローラと、この制御入力に基づいてシリンダの駆動を制御する制御手段とを備えた制振機構の制御装置において、前記コントローラ入力として前記検出された状態量に加えて前記制御入力を入力するようにして、最適レギュレータの状態量フィードバックゲインベクトルを独立的に構成した。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、前記最適レギュレータの制御則における状態量フィードバックゲインベクトルに、制振用マス変位がシリンダストロークエンド方向に向かうにしたがって減衰率の低い係数に連続的に切換える可変フィードバック機能を付加した。
【0017】
第3の発明は、第1の発明において、前記最適レギュレータの制御則における状態量フィードバックゲインベクトルを、制振用マスの変位と速度に応じて複数段の減衰率のフィードバック係数に切換える複数段マップレギュレータ機能を付加した。
【0018】
【作用・効果】
第1の発明においては、コントローラ入力として検出された状態量に加えて、最適レギュレータにより演算される制御手段に対する制御入力を追加するので、最適レギュレータの状態量フィードバックゲインベクトルを独立的に変化させられ、このためフィードバックゲインベクトルを制振用マスの情報に応じて可変にすることが可能で、制振用マスの振動状況に応じてアクチュエータによる減衰特性を自由に変えることができ、最適な制振作用を発揮することができる。
【0019】
第2の発明では、制振用マス変位がシリンダストロークエンド方向に向かうにしたがって減衰率の低い係数に連続的に切換えるので、ストロークの途中から減衰力が連続的に変化していき、シリンダのストロークエンドに達するのを確実に防止することができ、そのときの衝撃を回避できる。
【0020】
第3の発明では、制振用マスの変位と速度に応じて減衰率を段階的に切換えることができ、制振用マスのストロークがそれほどでなくても速度の大きいときは、そのままストロークエンドに達する恐れがあるので、そのようなときには早めに減衰率を切換えることにより、ストロークエンドに達することのないように制御することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図にしたがって説明する。図1は、図4におけるコントローラの部分の制御ブロック図である。
【0022】
この制振機構用のコントローラは、制御則にカルマンフィルタと最適レギュレータを併用したものであり、図1は制御系を連続時間系で構成したものを示している。
【0023】
この制御系を構成する制御要素は以下のように表される。
【0024】
【数3】
Figure 0003560425
【0025】
ここで、コントローラのモデル式を説明する。制御対象をモデル化するにあたり、前述した図4において、建物1、制振用マス2、シリンダ3、サーボ弁4などからなる制御対象モデルは、建物変位xs、シリンダストロークy、サーボ弁指令電流iとして、Ap,Bp,Cp(定数行列)を用いると次のように表現される。
【0026】
【数4】
Figure 0003560425
【0027】
ここで、図5において、フィードバックゲイン行列KはAc1,Cc1の2つにブロックに表れているが、図1においてはフィードバックゲイン行列Kは1つのブロックに集約されている。この図5から図1への変換過程を示すと次のようになる。まず、図5は式(3)で表すことができる。
【0028】
【数5】
Figure 0003560425
【0029】
したがって、式(7)(8)をブロック図にすると、図1のようになり、式(8)の最適レギュレータが計算した制御入力uを式(7)のカルマンフィルタが再び入力することにより、図1が得られる。
【0030】
このようにして、コントローラの入力に制振用マスの変位及び建物の振動速度に加えて制御入力uを追加することで、最適レギュレータ部分のブロックKが独立に存在するため、このKを制振用マスの情報、例えば変位や速度などに応じて可変とすることができる。
【0031】
次に、図2は、制御系の構成を、図1で示す連続時間系から双一次変換などの離散化手法により離散時間近似させた離散時間系で構成した場合のブロック図である。
【0032】
その制御系を構成する制御要素は次のとおりである。
【0033】
【数6】
Figure 0003560425
【0034】
ここで、このコントローラの実装式を示す。
【0035】
【数7】
Figure 0003560425
【0036】
このようにしてコントローラを離散時間系で構成しても、最適レギュレータ部分のブロックKが独立に存在する構成とすることができる。ただし、この場合、制御入力uは1サンプル前に対応する前回の値u[k−1]を取り扱うことになる。したがって、この離散時間系にあっても、Kが独立することにより、制振用マスの情報によって最適レギュレータの状態フィードバックゲインベクトルKを動的に変化させることが可能となる。
【0037】
この結果、例えば、制振用マス変位がシリンダストロークエンド方向に向かうにしたがって減衰率の低い係数に連続的に切換える、可変フィードバック機能とすることにより、ストロークの途中から減衰力が連続的に変化していき、シリンダのストロークエンドに達するのを防止することが可能となり、これによりストロークエンドに達したときに発生する衝撃を確実に回避できる。
【0038】
また、制振用マスの変位と速度に応じて減衰率を段階的に切換える、段階的マップレギュレータ機能を付与し、例えば、制振用マスのストロークがそれほどでなくても速度の大きいときは、そのままストロークエンドに達する恐れがあるので、そのようなときには早めに減衰率を切換えることにより、ストロークエンドに達することのないように制御することが可能となる。
【0039】
次に図3の実施形態を説明すると、これは連続時間系で構成されたコントローラ(図1)を、δ演算子を用いて離散時間近似させたときの制御系のブロック図である。
【0040】
このときの制御要素については以下のとおりである。
【0041】
【数8】
Figure 0003560425
【0042】
ここでも図2と同じようなコントローラの構成を実現でき、つまり、コントローラへの入力信号に前回の制御量の情報を追加することで、最適レギュレータの実装式とカルマンフィルタの実装式とを分離し、可変フィードバック機能と段階的マップレギュレータ機能を付与し、シリンダがストロークエンドに達することのないように制御することができる。なお、この場合には制御演算精度の一層の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のコントローラのブロック図である。
【図2】同じく第2の実施形態のコントローラのブロック図である。
【図3】同じく第3の実施形態のコントローラのブロック図である。
【図4】従来の制振機構の全体的構成を示すブロック図である。
【図5】同じくそのコントローラのブロック図である。
【図6】同じく他のコントローラのブロック図である。
【符号の説明】
1 建物
2 制振用マス
3 油圧シリンダ
4 サーボ弁
7 速度センサ
8 変位センサ
10 コントローラ

Claims (3)

  1. 構造物に入力する振動方向に運動可能な制振用マスと、構造物に連結されていてこの制振用マスを駆動するシリンダと、構造物の振動に関する状態変数の状態量を求める状態量検出手段と、この検出された状態量に基づいて所定の状態量を推定するカルマンフィルタ及び、カルマンフィルタで推定された状態量と最適フィードバックゲインベクトルによって制御入力を演算する最適レギュレータにより構成されるコントローラと、この制御入力に基づいてシリンダの駆動を制御する制御手段とを備えた制振機構の制御装置において、前記コントローラ入力として前記検出された状態量に加えて前記制御入力を入力するようにして、最適レギュレータの状態量フィードバックゲインベクトルを独立的に構成したことを特徴とする制振機構の制御装置。
  2. 前記最適レギュレータの制御則における状態量フィードバックゲインベクトルに、制振用マス変位がシリンダストロークエンド方向に向かうにしたがって減衰率の低い係数に連続的に切換える可変フィードバック機能を付加した請求項1に記載の制振機構の制御装置。
  3. 前記最適レギュレータの制御則における状態量フィードバックゲインベクトルを、制振用マスの変位と速度に応じて複数段の減衰率のフィードバック係数に切換える複数段マップレギュレータ機能を付加した請求項1に記載の制振機構の制御装置。
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