JP3560163B2 - 二軸配向ポリエステルフイルム及びその製造方法 - Google Patents
二軸配向ポリエステルフイルム及びその製造方法 Download PDFInfo
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【産業上の利用分野】
本発明は平面性(つまり凹凸やたるみがないこと)が良く、厚み斑の少ない巾方向に均一な物理的、化学的性質を有する二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
包装及び工業用途、その他の用途に供せられている熱可塑性樹脂延伸フイルムの品質の中でも特に重要なものの1つにフイルムの平面性がある。これらの用途の熱可塑性樹脂延伸フイルムに対して、製造直後のフイルムの平面性の悪さは勿論のこと、保管時の経時的な平面性の悪化や使用時の使用条件下での平面性の悪さの発現等の問題が発生しないフイルムがこれまで望まれてきた。
【0003】
この平面性の改良の試みが行われてきている。例えば、2軸延伸したポリエステルフイルムの熱固定後の冷却時に再延伸する方法(特開昭50−146674号公報)や縦延伸後同時2軸を行う方法(特開昭49−5177号公報)などが試みられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術はいずれも効果は期待できるものの、必要なフイルムの特性を変更せざるを得なかったり、生産性を犠牲にせざるを得なかったり、あるいはその技術開発が極めて難しいため改良が不十分となり効果が少なくなるという問題があった。特に、このような問題はフイルムを薄膜化するに従って顕在化してきている。
【0005】
本発明はかかる問題を解決し、基本的なフイルム特性を変えることなく、また高生産性を維持しながら、凹凸やたるみがない平面性の良いフイルムの製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは平面性の良いフイルムとはどのようなフイルムかを鋭意研究に研究を重ねた結果、これまで誰も注目しなかったフイルムの縦延伸方向に対して±45°傾いた方向のフイルム物性、特に屈折率、初期弾性率および破断伸度がフイルムの平面性に大きな影響を及ぼすことを見いだし、本発明の二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法に至った。
【0007】
【0008】
【0009】
即ち、平面性の良好な、本発明の二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法は、
(1)縦方向に配向したポリエチレンテレフタレートフイルムを最高延伸温度が200℃以上融点未満の温度で且つ横方向に900〜20000%/分の延伸速度で3.5〜4.0倍に延伸した後、145℃〜該最高横延伸温度よりも30℃高い温度で熱固定することを特徴とする二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法、あるいは、
(2)縦方向に配向したポリエチレンテレフタレートフイルムを最高延伸温度が200℃以上融点未満の温度で且つ横方向に1800〜20000%/分の延伸速度で3.5〜4.0倍に延伸した後、220℃〜最高横延伸温度で、かつ900%/分〜該最高横延伸温度における延伸速度で更に横方向に延伸し、次いで220℃〜該最高横延伸温度よりも30℃高い温度で熱固定することを特徴とする二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法である。
【0010】
本発明に適用されるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレ−トフイルムとして成形され得る重合体であって、他の添加剤などが含有されたものであってもよい。
【0011】
本発明に適用される二軸配向ポリエステルフイルムとは、二軸に配向した単層体あるいは積層体のいずれであってもよく、厚さも特に限定されるものではないが、平均厚さが300μm以下、好ましくは50μm以下のものに適用するのが望ましい。
【0012】
次に、本発明の二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
Tダイより押し出されたポリエステルはチルロールによって急冷され、フイルム状に成形される。その未延伸のポリエステルフイルムはロール延伸機によって縦(ライン)方向に延伸され、ついでテンターのクリップによってその両端を把持されつつ、予熱ゾーンを通って横延伸ゾーンに入り横(巾)方向に延伸された後、熱固定、冷却された後、クリップから外されてテンターから出される。最後に、このフイルムの両端部の不要の部分がトリミングされた後、巻き機によって巻き取られる。
【0014】
上記の二軸配向ポリエステルフイルムは、縦方向に配向したポリエチレンテレフタレートフイルムを最高延伸温度が200℃以上融点未満の温度で且つ横方向に900〜20000%/分の延伸速度で3.5〜4.0倍に延伸した後、145℃〜該最高横延伸温度よりも30℃高い温度で熱固定することにより製造することができる。
【0015】
また、本発明の平面性のよい二軸配向ポリエステルフイルムは、縦方向に配向したポリエチレンテレフタレートフイルムを最高延伸温度が200℃以上融点未満の温度で且つ横方向に1800〜20000%/分の延伸速度で3.5〜4.0倍に延伸した後、220℃〜最高横延伸温度で、かつ900%/分〜該最高横延伸温度における延伸速度で更に横方向に延伸し、次いで220℃〜該最高横延伸温度よりも30℃高い温度で熱固定することによっても製造することができる。
【0016】
上記の方法は、本発明の二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法の一例を例示したにすぎず、上記の方法に必ずしも限定されるものではない。
【0017】
(実施例)
以下、いくつかの具体例をあげて説明する。
なお、本発明で得られたフイルムの評価で用いられる屈折率はその測定方法は特に限定しないが、例えば、アッベの屈折計などを用いて測定した値であり、初期弾性率および破断伸度はフイルムを引張試験機により得られた応力−歪みデ−タから求められた値である。また、平面性の評価は凹凸が非常に少なくて平面性の極めて高いガラス板上に1メートル四方のフイルムを広げて、該フイルム表面の凹凸の状況を目視で評価すると同時に、フイルムをニップロール間に挟んで、僅かな張力を掛けた状態で、フイルム表面の部分的な弛みの状況を観察して、これらの総合評価で判断した。
【0018】
実施例1
ポリエチレンテレフタレート樹脂を溶融してTダイより押し出し、チルロール上でフイルム状に成形した。ついで、そのフイルムをロール延伸機によって縦(ライン)方向に3.6倍延伸した後、テンターを用いて横(巾)方向にこの横延伸工程での最高温度が200℃の温度で、延伸速度が1800%/分で4.0倍まで延伸した後、230℃で熱固定して二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0019】
実施例2
実施例1において、横延伸工程での最高温度が220℃、その延伸速度が900%/分、熱固定温度が150℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0020】
実施例3
実施例1において、横延伸工程での最高温度が220℃、熱固定温度が150℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0021】
実施例4
実施例1において、横延伸工程での最高温度が240℃、その延伸速度が3600%/分、熱固定温度が145℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0022】
実施例5
実施例1において、横延伸工程での最高温度が240℃、その延伸速度が18000%/分、熱固定温度が220℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0023】
実施例6
実施例1において、横延伸工程での最高温度が240℃、その延伸速度が24000%/分、熱固定温度が220℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0024】
実施例7
実施例1において、横延伸工程での最高温度が240℃、熱固定温度が190℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0025】
実施例8
実施例1において、横延伸工程での最高温度が240℃、その延伸速度が3600%/分、熱固定温度が190℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0026】
実施例9
ポリエチレンテレフタレート樹脂を溶融してTダイより押し出し、チルロール上でフイルム状に成形した。 ついで、そのフイルムをロール延伸機によって縦(ライン)方向に3.6倍延伸した後、テンターを用いて横(巾)方向にこの横延伸工程での最高温度が240℃の温度で、延伸速度が1800%/分で4.0倍まで延伸した後、更に240℃の温度で、延伸速度が900%/分で4.4倍まで10%再延伸した後、220℃で熱固定して二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0027】
実施例10
実施例9において、横延伸工程内の最高温度位置での延伸速度が9000%/分で3.6倍まで延伸した後、更に220℃の温度で、延伸速度が6000%/分で4.5倍まで15%再延伸する以外は実施例9と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0028】
比較例1
実施例1において、横延伸工程での最高温度が110℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0029】
比較例2
実施例1において、横延伸工程での最高温度が240℃、その延伸倍率が3.0、熱固定温度が220℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0030】
比較例3
実施例1において、横延伸工程での最高温度が240℃、その延伸速度が36000%/分、その延伸倍率が3.0倍、240℃の再延伸工程(熱固定工程と同じ)で横方向に15%のリラックスを行い、熱固定工程の温度が240℃である以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
【0031】
【発明の効果】
比較例では、平面性は悪いが、本発明を満足する特性を有するフイルムの平面性はいずれも良好であることが判る。
【0032】
【表1】
Claims (2)
- 縦方向に配向したポリエチレンテレフタレートフイルムを最高延伸温度が200℃以上融点未満の温度で且つ横方向に900〜20000%/分の延伸速度で3.5〜4.0倍に延伸した後、145℃〜該最高横延伸温度よりも30℃高い温度で熱固定することを特徴とする二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法。
- 縦方向に配向したポリエチレンテレフタレートフイルムを最高延伸温度が200℃以上融点未満の温度で且つ横方向に1800〜20000%/分の延伸速度で3.5〜4.0倍に延伸した後、220℃〜最高横延伸温度で、かつ900%/分〜該最高横延伸温度における延伸速度で更に横方向に延伸し、次いで220℃〜該最高横延伸温度よりも30℃高い温度で熱固定することを特徴とする二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法。
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JP23722392A JP3560163B2 (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 二軸配向ポリエステルフイルム及びその製造方法 |
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Publications (2)
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JPH0687157A JPH0687157A (ja) | 1994-03-29 |
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1992
- 1992-09-04 JP JP23722392A patent/JP3560163B2/ja not_active Expired - Fee Related
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