JP3559742B2 - シート・トラック - Google Patents
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Description
【発明の関係する分野】
この発明は、乗り物シート、特に、自動車シートに適するシート・トラックに関する。
【0002】
【背景技術】
通常、自動車シートに組み込まれるシート・トラックにおいて、可動レールが左右のフロント・ローラおよび左右のリア・ローラで固定レールに往復移動可能にはめ合わせられるシート・トラックでは、フランジ付きの細長いリンフォース・プレートがそのフロント・ローラおよびリア・ローラの間で長さ方向に伸長されてその可動レールのウェブの下端に溶接され、そして、その可動レールにロックかみ込み強度を確保する。その可動レールが溶接歪によって変形されると、その可動レールが大荷重を受けながらその固定レールに移動される際、その可動レールのその変形がその固定レールに擦れて操作力が大きくなる不具合があった。
【0003】
【発明の課題】
この発明の課題は、可動レールに溶接されるリンフォース・プレートを省き、そして、その溶接に伴う熱影響からその可動レールを解放できてその可動レールを補強し、そして、その可動レールに寸法精度およびロックかみ込み強度を確保でき、そして、大荷重がかかる際、固定レールにその可動レールを確実にロック可能にするところのシート・トラックの提供にある。
【0004】
【課題に相応する手段およびそれの作用】
この発明は、固定レールが、横断面溝形に作られ、そして、フロント・フロア・ブラケットおよびリア・フロア・ブラケットでフロアに固定的に取り付けられ、そして、可動レールが、左右のフロント・ローラおよびリア・ローラの間で長さ方向に伸長され、ウェブの下端に折り曲げられてそのウェブの一方の面に突き出されるレール・リンフォース・フランジを備え、そして、そのフロント・ローラおよびリラ・ローらでその固定レールに往復移動可能にはめ合わせられ、そして、そのレール・リンフォース・フランジでその可動レールを補強してその可動レールに寸法精度およびロックかみ込み強度を確保する。
【0005】
【具体例の説明】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明のシート・トラックを説明するに、図1ないし図3は、乗用車のフロント・シートに組み込まれるところのこの発明のシート・トラックの具体例10を部分的に示し、そのシート・トラック10は、スライド機構およびロック機構で組み立てられ、そして、そのスライド機構では、左右の固定レール11,11が、横断面溝形に作られ、そして、フロント・フロア・ブラケット13およびリア・フロア・ブラケット14でその乗用車のフロアに通常に据え付けられ、また、左右の可動レール12,12が、左右のフロント・ローラ24,24および左右のリア・ローラ25,25および25,25の間で長さ方向に伸長され、ウェブ15の下端に折り曲げられてそのウェブ15の一方の面に突き出されるレール・リンフォース・フランジ19を備え、そのフロント・ローラ24,24およびリア・ローラ25,25および25,25でその対応する固定レール11,11に往復移動可能にはめ合わせられ、そして、その固定レール11,11上に適宜に移動された位置においてそのロック機構でその固定レール11,11にロックされる。
【0006】
その固定レール11,11は、所定の板厚で所定の形状・寸法に切断された細長い鋼板からリップ付きの通常の横断面溝形にプレス加工され、そして、前端にそのフロント・フロア・ブラケット13を、後端側にそのリア・フロア・ブラケット14をそれぞれ通常に溶接する。
【0007】
その可動レール12,12は、所定の板厚で所定の形状・寸法に切断された細長い鋼板からプレス加工され、そして、そのレール・リンフォース・フランジ19に加えて通常のフロント・シート・フランジ16、リア・シート・フランジ17およびラッチ・サポート・フランジ18を備える。
【0008】
そのフロント・シート・フランジ16およびリア・シート・フランジ17は、そのウェブ15の前端および後端でそのウェブ15の上端に折り曲げられてそのウェブ15のその一方の面に突き出され、そして、フロント・マウント・ボルト20およびリア・マウント・ボルト21が溶接され、また、そのラッチ・サポート・フランジ18は、そのウェブ15の長さ方向の中間でそのウェブ15のその上端に折り曲げられてそのウェブ15の両面に突き出され、そして、ラッチ・ガイド・スロット22が穴明される。そのレール・リンフォース・フランジ19は、そのラッチ・サポート・フランジ18のそのラッチ・ガイド・スロット22にそのロック機構のラッチ30を摺動可能に案内するラッチ・ガイド23を備え、そして、そのラッチ・サポート・フランジ18に対応する位置でそのラッチ30をまたぐ形状でそのウェブ15の下端に折り曲げられてそのウェブ15のその一方の面に突き出される。
【0009】
さらに、その可動レール12では、その左右のフロント・ローラ24,24が、フロント・ローラ・ピン26でそのウェブ15の前端に、その左右のリア・ローラ25,25および25,25が、リア・ローラ・ピン27,27でそのウェブ15の後端にそれぞれ回転可能に支持される。
【0010】
一方、そのロック機構は、小穴列28、ラッチ30、ロック・レバー32、ロック・スプリング33及び操作レバー(図示せず)などで通常に組み立てられる。その小穴列28は、その固定レール11の中間から後端側に長さ方向に所定の間隔を置いて列状に穴明けされる多数の小穴29であり、また、そのラッチ30は、その小穴列28のその小穴29にかみ合う間隔で複数の歯31を先端に列状に切り欠き、そのロック・レバー32は、また、そのフロント・シート・フランジ16とそのラッチ・サポート・フランジ18との間のその可動レール12のそのウェブ15にピン34で揺動可能に支持され、そして、その小穴列28のその小穴29にかみ合わせるようにそのラッチ30を操作する。そのロック・スプリング33は、そのピン34のまわりに巻き付けられてそのピン34に支持され、そして、そのロック・レバー32に一端を、そのラッチ・サポート・フランジ18に他端をそれぞれ引っ掛けて常態ではそのラッチ30をその小穴列28にかみ合わせ、そして、その固定レール11にその可動レール12を動けなくする。その操作レバーは、プュシュ・プル・ケーブル(図示せず)でそのラッチ30に連結されてその小穴列28のその小穴29から外すようにそのラッチ30を操作する。
【0011】
また、このシート・トラック10において、35,35は樹脂のブッシング、そして、36は樹脂のスリーブである。
【0012】
したがって、その可動レール12は、リンフォース・プレートを溶接することを省いてそのレール・リンフォース・フランジ19で補強され、溶接による熱影響から解放され、溶接歪による変形を避け、寸法精度およびロックかみ込み強度を確保でき、そして、大荷重を受ける際、その固定レール11に確実にロックされ、また、その可動レール12がその固定レール11に移動される際にもその可動レール12がその固定レール11に擦れて操作力を大きくせずにその固定レール11に円滑に移動される。勿論、そのレール・リンフォース・フランジ19が先端にリップを曲げ加工すると、その可動レール12は、リップ付きのそのレール・リンフォース・フランジ19でさらに補強される。
【0013】
図4および図5は、改良されて乗用車のフロント・シートに組み込まれるところのこの発明のシート・トラックの具体例40を部分的に示し、そして、このシート・トラック40は、その前述されたシート・トラック10に比べて複数のレール・リンフォース・フランジ19,42,43を備えて可動レール41をさらに補強し、そして、その可動レール41にロックかみ込み強度を確保する。
【0014】
その可動レール41は、左右のフロント・ローラ24,24および左右のリア・ローラ25,25および25,25の間で長さ方向に適宜の間隔を置いて伸長され、ウェブ15の下端に折り曲げられてそのウェブ15の両面に千鳥状に突き出されるその複数のレール・リンフォース・フランジ19,42,43を備えてその複数のレール・リンフォース・フランジ19,42,43で補強され、そして、そのフロント・ローラ24,24およびリア・ローラ25,25および25,25で固定レール11に往復移動可能にはめ合わせられる。勿論、そのレール・リンフォース・フランジ19,42,43が先端にリップを曲げ加工すると、その可動レール41は、リップ付きのそのレール・リンフォース・フランジ19,42,43でさらに補強される。また、このシート・トラック40は、その前述されたシート・トラック10に同じところは同符号を付してそれらの説明は省く。
【0015】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【0016】
【発明の便益】
上述から理解されるように、この発明のシート・トラックは、固定レールが、横断面溝形に作られ、そして、フロント・フロア・ブラケットおよびリア・フロア・ブラケットでフロアに固定的に取り付けられ、そして、可動レールが、左右のフロント・ロアーラおよび左右のリア・ローラの間で長さ方向に伸長され、ウェブの下端に折り曲げられてそのウェブの一方の面に突き出されるレール・リンフォース・フランジを備え、そして、そのフロント・ローラおよびリア・ローラでその固定レールに往復移動可能にはめ合わせられるので、この発明のシート・トラックでは、その可動レールにリンフォース・プレートを溶接することが省かれてその可動レールがそのレール・リンフォース・フランジで補強され、溶接による熱影響から解放され、溶接歪による変形を避け、寸法精度およびロックかみ込み強度を確保でき、そして、大荷重を受ける際にもその固定レールに確実にロックされ、また、その可動レールがその固定レールに移動される際、その可動レールがその固定レールに擦れず、そして、操作力を大きくせずにその固定レールに円滑に移動可能になり、その結果、自動車シートにとって非常に有用で実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用車のフロント・シートに組み込まれるところのこの発明のシート・トラックの具体例を部分的に示した分解斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿って示した断面図である。
【図3】ラッチを示した斜視図である。
【図4】改良されて乗用車のフロント・シートに組み込まれるところのこの発明のシート・トラックの具体例を部分的に示した分解斜視図である。
【図5】図4の5−5線に沿って示した断面図である。
【符号の説明】
11 固定レール
12 可動レール
13 フロント・フロア・ブラケット
14 リア・フロア・ブラケット
15 ウェブ
19 レール・リンフォース・フランジ
24 フロント・ローラ
25 リア・ローラ
Claims (1)
- 固定レールが、鋼板から横断面溝形に成形され、そして、フロントおよびリア・フロア・ブラケットでフロアに固定的に取り付けられ、そして、可動レールが、鋼板から成形され、そして、ウェブの前および後端でそのウェブの上端に折り曲げられてそのウェブの一方の面に突き出されるフロントおよびリア・シート・フランジ、そのウェブの長さ方向の中間でそのウェブのその上端に折り曲げられ、そのウェブの両面に突き出されてラッチ・ガイド・スロットを有し、そして、そのラッチ・ガイド・スロットにロック機構のラッチをはめ合わせ可能にするラッチ・サポート・フランジ、そのラッチ・サポート・フランジに対応する位置においてそのロック機構のそのラッチをまたぐ形状でそのウェブの下端に折り曲げられてそのウェブの一方の面に突き出され、そして、先端にリップを有するリップ付きレール・リンフォース・フランジ、そのリップ付きレール・リンフォース・フランジの前後においてそのウェブのその下端に折り曲げられてそのウェブの他方の面に突き出され、そして、先端にリップを有する複数のリップ付きレール・リンフォース・フランジ、およびそのラッチ・サポート・フランジに向かい合うそのリップ付きレール・リンフォース・フランジにおいてラッチ・サポート・フランジのそのラッチ・ガイド・スロットに対応して形成され、そして、そのラッチ・ガイド・スロットにそのロック機構のそのラッチを摺動可能に案内するラッチ・ガイドを備え、そして、そのウェブのその前および後端に左右のフロントおよびリア・ローラを取り付けてその左右のフロントおよびリア・ローラでその固定レールに往復移動可能にはめ合わせられるところのシート・トラック。
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