JP3558465B2 - バイク用フレームのシートレール構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイク用フレームのシートレール構造に関する。より詳しくは、2人乗りのダブルシートを支持する2本のシートレールを設けたバイク用フレームのシートレール構造に関する。なお、ダブルシートとは、バイク運転者のライダー用シートの後部にタンデムライダー用のシートが分離しないで連続して一体に形成された2人乗り用のシートをいう。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車や鞍状型の三輪車等のバイクには、2人のライダーが搭乗できるタンデム型のバイクがある。このタンデム型バイク用のフレームには、その後部にダブルシートを支持する2本のシートレールが設けられている。
【0003】
従来のこの種のバイク用フレームのシートレール構造を、図7および図9に示す。図7に示すバイク用フレームのシートレール構造は、2本の丸形メインパイプからなるメインレール20がフレームの後方に延び、そのメインレール20によりダブルシート21が支持されている。この場合、メインレール20は、ダブルシート21のタンデムライダーの荷重を直接支持するため、シート後部で上方に曲げられかつ、両レール間はシート幅に対応した間隔に形成される。
【0004】
また、図9に示すバイク用フレームのシートレール構造は、2本の丸形メインパイプからなるメインレール22がフレームの後方に延び、そのメインレール22間の後部上方に突出してダブルシート23のタンデム側の荷重を受けるクロスメンバ24,25が前後に設けられ、このクロスメンバ24,25を設けたメインレール22によりダブルシート23のタンデムライダーの荷重が支持されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7の構造では、2本のメインレール20のみでダブルシート21の荷重を受けて支持するため、図8に示すように強度上パイプ径が太くなり、左右の2本のメインレール20間の間隔内幅L2が狭くなる。従って、この2本のメインレール20間が狭いことにより、ダブルシート21下のスペースに雨具等の備品を収納する場合、備品を上から挿入し難く、そのスペースを有効に利用できなかった。
【0006】
一方、図9の構造では、ダブルシート23のタンデム側の荷重を受けるため、2本のメインレール22上の前後に所定間隔で2つのクロスメンバ24,25が設けられる。そのために、これら前後の2つのクロスメンバ24,25間の間隔内幅L3が狭くなる。従って、これら2本のクロスメンバ24,25間の間隔が狭いことにより、前記同様にダブルシート23下のスペースに雨具等の備品が挿入し難く、備品収納スペースとして有効に利用できなかった。
【0007】
また、前者の場合には、通常スタンディングハンドルとして手で持ち上げるメインレール20の後部が上方に曲げられているため、メインレール20をスタンディングハンドルとして使うことができず、スタンディングハンドル用の別の部材を設ける必要があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みなされたものであって、ダブルシート下のタンデム側スペースを物品収納スペースとして有効利用でき、またスタンディングハンドルとして使うことができるバイク用フレームのシートレール構造の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、ダブルシートを支持する2本のシートレールを設けたバイク用フレームのシートレール構造において、前記2本のシートレール上に、ダブルシートのタンデム側を支持する小径パイプからなるサブレールをシートレール軸方向に沿ってそれぞれ設けたことを特徴とするバイク用フレームのシートレール構造を提供する。
【0010】
この構成によれば、2本のシートレール上に、ダブルシートのタンデム側を支持する小径パイプからなるサブレールをシートレール軸方向に沿って設けたため、このサブレールによりダブルシートのタンデム側の荷重を受けて支持することができるともに、その左右のサブレール間の間隔内幅が小径パイプを用いることにより広くなってダブルシート下のタンデム側スペースが物品収納スペースとして有効に利用できる。
【0011】
また、シートレールを上方に折り曲げる必要がないため、シートレールが下方に位置し、手でシートレール後部を掴んで持ち上げる操作がしやすくなってスタンディングハンドルとして使用可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
好ましい実施の形態では、前記2本のサブレールは、ダブルシートのタンデム側の荷重を受けるように該サブレールの中央部が上方かつ内方に突出していることを特徴としている。従って、サブレールを設けた2本のシートレールにより、タンデムライダーの荷重をサブレールにより確実に受けてこれを確実に支持できる。
【0013】
【実施例】
図1〜図2は、ヘッドパイプに2本のダウンチューブが配置されたダブルクレードル(ゆりかご)形フレームに適用した本発明のバイク用フレームを示し、図1は側面図、図2は平面図である。ヘッドパイプ1は円筒体からなり、ハンドルのステアリング軸が回転可能に装着される。このヘッドパイプ1の上部には、燃料タンク(図示せず)を保持する2本の丸形メインパイプからなるタンクレール2が設けられている。一方、ヘッドパイプ1の下部には、エンジン(図示せず)を保持する2本の丸形メインパイプからなるダウンチューブ3が設けられる。前記タンクレール2とダウンチューブ3は、それぞれパイプ後端でリヤアームブラケット4により結合されている。また、リヤアームブラケット4には、ピボットを保持するピボット孔5が形成されている。このピボット孔5に後輪を支持するリヤアームが装着される。
【0014】
前記タンクレール2の後端側には、ダブルシート10を支持する後方に延びる長い丸形パイプからなる2本のシートレール6が設けられている。また、シートレール6と前記リヤアームブラケット4の間には、シートレール6を補強するバックステー8が設けられ、シートレール6を支持補強している。前記2本のシートレール6は、前方側6aがライダーの脚をまたがらせるため幅狭に形成され、後方のタンデム側6bが横方向のスペースを確保するために幅広に形成され、またその後端6cは若干上方に折り曲げられている。
【0015】
その2本のシートレール6のタンデム側6b上には、ダブルシート10のタンデム側10bを支持する小径パイプからなるサブレール7がそれぞれ設けられている。この2本のサブレール7は、ダブルシート10のタンデム側10bの荷重を受けるようにその中央部が上方かつ内方に突出してシートレール軸方向に沿ってそれぞれ設けられている。2本のサブレール7の後端はクロスメンバ7aで連結される。従って、2本のサブレール7によりダブルシート10のタンデム側10bの荷重を支持し、前方側10aに対し後方側10bが高く段違いになったダブルシート10全体をサブレール7を設けたシートレール6により確実に支持し、保持している。
【0016】
また、ダブルシート10の後方側10bを支持する2本のサブレール7は、小径パイプから構成されているため、図3に示すようにサブレール7間の左右の間隔内幅L1が広くなって雨具等の備品がその上方から挿入しやすくなり、ダブルシート10下のタンデム側スペースが物入れとして有効に利用できる。
【0017】
図3において、サブレール7はダブルシート10の底板11を直接支持している。これらのサブレール7およびシートレール6は左右のサイドカバー41で覆われ、このサイドカバー41とリヤフェンダー42で囲まれた空間43が物品収納スペースとして利用される。
【0018】
さらに、シートレール6上に突出してサブレール7が設けられているため、シートレール6の通常スタンディングハンドルとして用いられる部分(バックステー8の後端接合部付近)が上方に折り曲げられないため、このシートレールを掴んで車体を持ち上げる操作がしやすくなり、シートレール自体をスタンディングハンドルとして使える。
【0019】
前記ダブルシート10にはシートロック機構が備わる。このシートロック機構は、車体の左側中央側面に、図示しないがキー孔が形成されており、そのキー孔にキーを挿入し操作することにより、キー孔がある操作部からワイヤを介してそのワイヤ先端に取付けられたロック爪が進退可能になってシートボトム底面側に穿設されたロック孔に係合自在に設けられいる。ダブルシート10を車体フレームに装着することにより、ロック爪が弾発的にロック孔内に自動的に進入してロックされる。ロック解除の場合には、キーの操作により、ロック爪をロック孔から外してロックを解除する。
【0020】
図4は、ダブルシートにU字ロックとロック本体からなる図6に示すようなバイク用盗難防止用のロック装置を格納できるようにした構造の例を示したものである。ダブルシート10を保持するシートボトム(底板)11には、タンデム側(後側)10bの後部の左右に配置したU字状保持部12とタンデム側10bの前部の中央に配置したC字断面の受け具13からなるU字ロック格納部Aと、このU字ロック格納部A内のU字ロックの中間部に設けたロック本体格納部Bとを有している。このU字状保持部12およびC字断面の受け具13は、ともに樹脂モールド成型により、シートボトム11と一体に形成されている。
【0021】
ロック本体格納部Bは前記左右のU字状保持部12よりも僅か前方の中央位置に配置した支持金具16と、その支持金具16に取付けられたゴムバンド17と、前記C字受け具13よりも僅か前方に設けたピン18に係止するゴムバンド17の先端に取付けたフック19aを有する撮み19により構成されている。これにより、ダブルシート10の下部に設けた前記U字状保持部12とC字受け具13からなるU字ロック格納部Aに、U字ロック14が格納され、またこのU字ロック格納部の内側で、支持金具16とゴムバンド17とロックピン18とフック19aを有する撮み19からなるロック本体格納部Bには、ロック本体15が格納される。
【0022】
U字ロック14のダブルシート10への格納は、まず前記キーの操作により、ダブルシート10のロックを開錠して、バイク用フレームからダブルシート10を取り外し、ダブルシート10の下部に設けたU字ロック格納部Aの左右2ケ所のU字状保持部12に2本のU字ロック14の先端側(開放側)14aをC1で示す状態で前方側から(図の左側から)挿着し、次にU字ロック14の底部側(連結部側)14bを上方に上げてC2で示す状態にし、さらに略水平になったU字ロック14を前方に移動するC3で示す状態にしてU字ロック14の底部側14bをC字受け具13に係止することにより格納する。
【0023】
また、ロック装置のロック本体15のダブルシート10への格納は、前記U字ロック14を格納した後、そのU字ロック14の内側にロック本体15を位置させて、ロック本体格納部Bのフック19aを有する撮み19を摘んでフック19aをダブルシート10側に設けられたピン18に係止することにより、ゴムバンド17の抑え力で支持し格納する。これによって、U字ロック14およびロック本体15がダブルシート10の下部に確実に固定され格納される。
【0024】
このようにU字ロック装置を底板に保持したダブルシート10は、U字ロックの開放側両先端14aがシート後方に突出するため、車体フレームに対しそのまま上から装着しようとすれば、フレーム後端のクロスメンバ7a(図1、図2参照)が邪魔して装着できない。従って、シートを装着するときには、まずU字ロックの突出端部をクロスメンバ7aの下を通してからシートを後方にスライドさせるようにしてフレーム(クロスメンバ7a)の下面にシート側に設けたフック(後述の図5の51)を係止させる。その後、前述のシートロックによりシートを車体フレームにロックする。
【0025】
U字ロック14およびロック本体15をダブルシート10の下部から取り外す時には、シートロックを外してバイク用フレームからダブルシート10を取り外した状態で前記操作の逆操作を行うことにより、簡単に取り外すことができる。そして、U字ロック14およびロック本体15からなるバイク用盗難防止用のロック装置を用いてバイクの車輪と例えば鉄柱の間をこのロック装置でロックすることにより、盗難が防止される。
【0026】
図5は、上記実施例のシート後部側の構成配置図である。ダブルシート10の後部シートボトム11にフックブラケット51がボルト締めにより固定される。このフックブラケット51は、左右のサブレール7間にわたって連結固定されたクロスメンバ7aの下側に進入し、その下面に係合して上方への離脱を防止する。また、車体中央部のシート下部には、シートロック機構52が備わる。このシートロック機構は、前述のように、ロック爪とロック孔(いずれも図示しない)からなり、シートをフレームに装着することにより、自動的に弾発的にロック爪がロック孔内に進入してロックされ、ロック解除のときには、車体中央部左側の側面に設けたキー孔52aにキーを差込んで回転し、ワイヤを介してロック爪をロック孔から引き抜くことによりロックが解除される。
【0027】
ダブルシート10のタンデムライダー側の後部はテールカバー53で覆われる。このテールカバー53の内側にはテールランプ54およびその下側にリヤフェンダ55が装着される。このテールカバー53で覆われた車体後部に、前述のように、クロスメンバ7aの下側を通してダブルシート10の後方に突出するU字ロック14の後端部が収まる。
【0028】
上記実施例は、ヘッドパイプに2本のダウンチューブを平行に配置したダブルクレードル形バイク用フレームの例を示したが、本発明はダブルクレードル形である必要はなく、一本のダウンチューブが途中で2本に分岐するセミダブルクレードル形バイク用フレームにも適用できる。要するに、本発明は、フレーム後方に延びる2本のシートレールが設けられたタンデム型バイク用フレームであれば、その他のバイク用フレームに利用できる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、2本のシートレール上に、ダブルシートのタンデム側を支持する小径パイプからなるサブレールをシートレール軸方向に沿って設けたため、このサブレールによりダブルシートのタンデム側の荷重を受けて支持することができるともに、その左右のサブレール間の間隔内幅が小径パイプを用いることにより広くなってダブルシート下のタンデム側スペースが物品収納スペースとして有効に利用できる。
【0030】
また、サブレールを設けた2本のシートレールにより、ダブルシートの荷重を確実に受けて確実に支持できる。しかも、シートレールのスタンディングハンドル位置が上方に曲げられていないため、この部分のシートレールを手で掴んで車体を持ち上げる操作がしやすくなってシートレール自体をスタンディングハンドルとして使用可能となり、スタンディングハンドル用としての別部品が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したバイク用フレームの側面図。
【図2】図1のバイク用フレームの平面図。
【図3】図1のA−A矢視図。
【図4】本発明のバイク用フレームで支持したダブルシートにバイク用盗難防止用のU字ロック装置を格納した例の要部断面図。
【図5】図1の実施例のシート後部の構成配置図。
【図6】図4のU字ロック装置の分解斜視図。
【図7】従来のバイク用フレームの例の要部断面図。
【図8】図7のシートレールの断面図。
【図9】従来のバイク用フレームの他の例の要部断面図。
【符号の説明】
6:シートレール、7:サブレール、10:ダブルシート、
10a:ダブルシートの前側、10b:ダブルシートの後側。
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイク用フレームのシートレール構造に関する。より詳しくは、2人乗りのダブルシートを支持する2本のシートレールを設けたバイク用フレームのシートレール構造に関する。なお、ダブルシートとは、バイク運転者のライダー用シートの後部にタンデムライダー用のシートが分離しないで連続して一体に形成された2人乗り用のシートをいう。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車や鞍状型の三輪車等のバイクには、2人のライダーが搭乗できるタンデム型のバイクがある。このタンデム型バイク用のフレームには、その後部にダブルシートを支持する2本のシートレールが設けられている。
【0003】
従来のこの種のバイク用フレームのシートレール構造を、図7および図9に示す。図7に示すバイク用フレームのシートレール構造は、2本の丸形メインパイプからなるメインレール20がフレームの後方に延び、そのメインレール20によりダブルシート21が支持されている。この場合、メインレール20は、ダブルシート21のタンデムライダーの荷重を直接支持するため、シート後部で上方に曲げられかつ、両レール間はシート幅に対応した間隔に形成される。
【0004】
また、図9に示すバイク用フレームのシートレール構造は、2本の丸形メインパイプからなるメインレール22がフレームの後方に延び、そのメインレール22間の後部上方に突出してダブルシート23のタンデム側の荷重を受けるクロスメンバ24,25が前後に設けられ、このクロスメンバ24,25を設けたメインレール22によりダブルシート23のタンデムライダーの荷重が支持されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7の構造では、2本のメインレール20のみでダブルシート21の荷重を受けて支持するため、図8に示すように強度上パイプ径が太くなり、左右の2本のメインレール20間の間隔内幅L2が狭くなる。従って、この2本のメインレール20間が狭いことにより、ダブルシート21下のスペースに雨具等の備品を収納する場合、備品を上から挿入し難く、そのスペースを有効に利用できなかった。
【0006】
一方、図9の構造では、ダブルシート23のタンデム側の荷重を受けるため、2本のメインレール22上の前後に所定間隔で2つのクロスメンバ24,25が設けられる。そのために、これら前後の2つのクロスメンバ24,25間の間隔内幅L3が狭くなる。従って、これら2本のクロスメンバ24,25間の間隔が狭いことにより、前記同様にダブルシート23下のスペースに雨具等の備品が挿入し難く、備品収納スペースとして有効に利用できなかった。
【0007】
また、前者の場合には、通常スタンディングハンドルとして手で持ち上げるメインレール20の後部が上方に曲げられているため、メインレール20をスタンディングハンドルとして使うことができず、スタンディングハンドル用の別の部材を設ける必要があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みなされたものであって、ダブルシート下のタンデム側スペースを物品収納スペースとして有効利用でき、またスタンディングハンドルとして使うことができるバイク用フレームのシートレール構造の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、ダブルシートを支持する2本のシートレールを設けたバイク用フレームのシートレール構造において、前記2本のシートレール上に、ダブルシートのタンデム側を支持する小径パイプからなるサブレールをシートレール軸方向に沿ってそれぞれ設けたことを特徴とするバイク用フレームのシートレール構造を提供する。
【0010】
この構成によれば、2本のシートレール上に、ダブルシートのタンデム側を支持する小径パイプからなるサブレールをシートレール軸方向に沿って設けたため、このサブレールによりダブルシートのタンデム側の荷重を受けて支持することができるともに、その左右のサブレール間の間隔内幅が小径パイプを用いることにより広くなってダブルシート下のタンデム側スペースが物品収納スペースとして有効に利用できる。
【0011】
また、シートレールを上方に折り曲げる必要がないため、シートレールが下方に位置し、手でシートレール後部を掴んで持ち上げる操作がしやすくなってスタンディングハンドルとして使用可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
好ましい実施の形態では、前記2本のサブレールは、ダブルシートのタンデム側の荷重を受けるように該サブレールの中央部が上方かつ内方に突出していることを特徴としている。従って、サブレールを設けた2本のシートレールにより、タンデムライダーの荷重をサブレールにより確実に受けてこれを確実に支持できる。
【0013】
【実施例】
図1〜図2は、ヘッドパイプに2本のダウンチューブが配置されたダブルクレードル(ゆりかご)形フレームに適用した本発明のバイク用フレームを示し、図1は側面図、図2は平面図である。ヘッドパイプ1は円筒体からなり、ハンドルのステアリング軸が回転可能に装着される。このヘッドパイプ1の上部には、燃料タンク(図示せず)を保持する2本の丸形メインパイプからなるタンクレール2が設けられている。一方、ヘッドパイプ1の下部には、エンジン(図示せず)を保持する2本の丸形メインパイプからなるダウンチューブ3が設けられる。前記タンクレール2とダウンチューブ3は、それぞれパイプ後端でリヤアームブラケット4により結合されている。また、リヤアームブラケット4には、ピボットを保持するピボット孔5が形成されている。このピボット孔5に後輪を支持するリヤアームが装着される。
【0014】
前記タンクレール2の後端側には、ダブルシート10を支持する後方に延びる長い丸形パイプからなる2本のシートレール6が設けられている。また、シートレール6と前記リヤアームブラケット4の間には、シートレール6を補強するバックステー8が設けられ、シートレール6を支持補強している。前記2本のシートレール6は、前方側6aがライダーの脚をまたがらせるため幅狭に形成され、後方のタンデム側6bが横方向のスペースを確保するために幅広に形成され、またその後端6cは若干上方に折り曲げられている。
【0015】
その2本のシートレール6のタンデム側6b上には、ダブルシート10のタンデム側10bを支持する小径パイプからなるサブレール7がそれぞれ設けられている。この2本のサブレール7は、ダブルシート10のタンデム側10bの荷重を受けるようにその中央部が上方かつ内方に突出してシートレール軸方向に沿ってそれぞれ設けられている。2本のサブレール7の後端はクロスメンバ7aで連結される。従って、2本のサブレール7によりダブルシート10のタンデム側10bの荷重を支持し、前方側10aに対し後方側10bが高く段違いになったダブルシート10全体をサブレール7を設けたシートレール6により確実に支持し、保持している。
【0016】
また、ダブルシート10の後方側10bを支持する2本のサブレール7は、小径パイプから構成されているため、図3に示すようにサブレール7間の左右の間隔内幅L1が広くなって雨具等の備品がその上方から挿入しやすくなり、ダブルシート10下のタンデム側スペースが物入れとして有効に利用できる。
【0017】
図3において、サブレール7はダブルシート10の底板11を直接支持している。これらのサブレール7およびシートレール6は左右のサイドカバー41で覆われ、このサイドカバー41とリヤフェンダー42で囲まれた空間43が物品収納スペースとして利用される。
【0018】
さらに、シートレール6上に突出してサブレール7が設けられているため、シートレール6の通常スタンディングハンドルとして用いられる部分(バックステー8の後端接合部付近)が上方に折り曲げられないため、このシートレールを掴んで車体を持ち上げる操作がしやすくなり、シートレール自体をスタンディングハンドルとして使える。
【0019】
前記ダブルシート10にはシートロック機構が備わる。このシートロック機構は、車体の左側中央側面に、図示しないがキー孔が形成されており、そのキー孔にキーを挿入し操作することにより、キー孔がある操作部からワイヤを介してそのワイヤ先端に取付けられたロック爪が進退可能になってシートボトム底面側に穿設されたロック孔に係合自在に設けられいる。ダブルシート10を車体フレームに装着することにより、ロック爪が弾発的にロック孔内に自動的に進入してロックされる。ロック解除の場合には、キーの操作により、ロック爪をロック孔から外してロックを解除する。
【0020】
図4は、ダブルシートにU字ロックとロック本体からなる図6に示すようなバイク用盗難防止用のロック装置を格納できるようにした構造の例を示したものである。ダブルシート10を保持するシートボトム(底板)11には、タンデム側(後側)10bの後部の左右に配置したU字状保持部12とタンデム側10bの前部の中央に配置したC字断面の受け具13からなるU字ロック格納部Aと、このU字ロック格納部A内のU字ロックの中間部に設けたロック本体格納部Bとを有している。このU字状保持部12およびC字断面の受け具13は、ともに樹脂モールド成型により、シートボトム11と一体に形成されている。
【0021】
ロック本体格納部Bは前記左右のU字状保持部12よりも僅か前方の中央位置に配置した支持金具16と、その支持金具16に取付けられたゴムバンド17と、前記C字受け具13よりも僅か前方に設けたピン18に係止するゴムバンド17の先端に取付けたフック19aを有する撮み19により構成されている。これにより、ダブルシート10の下部に設けた前記U字状保持部12とC字受け具13からなるU字ロック格納部Aに、U字ロック14が格納され、またこのU字ロック格納部の内側で、支持金具16とゴムバンド17とロックピン18とフック19aを有する撮み19からなるロック本体格納部Bには、ロック本体15が格納される。
【0022】
U字ロック14のダブルシート10への格納は、まず前記キーの操作により、ダブルシート10のロックを開錠して、バイク用フレームからダブルシート10を取り外し、ダブルシート10の下部に設けたU字ロック格納部Aの左右2ケ所のU字状保持部12に2本のU字ロック14の先端側(開放側)14aをC1で示す状態で前方側から(図の左側から)挿着し、次にU字ロック14の底部側(連結部側)14bを上方に上げてC2で示す状態にし、さらに略水平になったU字ロック14を前方に移動するC3で示す状態にしてU字ロック14の底部側14bをC字受け具13に係止することにより格納する。
【0023】
また、ロック装置のロック本体15のダブルシート10への格納は、前記U字ロック14を格納した後、そのU字ロック14の内側にロック本体15を位置させて、ロック本体格納部Bのフック19aを有する撮み19を摘んでフック19aをダブルシート10側に設けられたピン18に係止することにより、ゴムバンド17の抑え力で支持し格納する。これによって、U字ロック14およびロック本体15がダブルシート10の下部に確実に固定され格納される。
【0024】
このようにU字ロック装置を底板に保持したダブルシート10は、U字ロックの開放側両先端14aがシート後方に突出するため、車体フレームに対しそのまま上から装着しようとすれば、フレーム後端のクロスメンバ7a(図1、図2参照)が邪魔して装着できない。従って、シートを装着するときには、まずU字ロックの突出端部をクロスメンバ7aの下を通してからシートを後方にスライドさせるようにしてフレーム(クロスメンバ7a)の下面にシート側に設けたフック(後述の図5の51)を係止させる。その後、前述のシートロックによりシートを車体フレームにロックする。
【0025】
U字ロック14およびロック本体15をダブルシート10の下部から取り外す時には、シートロックを外してバイク用フレームからダブルシート10を取り外した状態で前記操作の逆操作を行うことにより、簡単に取り外すことができる。そして、U字ロック14およびロック本体15からなるバイク用盗難防止用のロック装置を用いてバイクの車輪と例えば鉄柱の間をこのロック装置でロックすることにより、盗難が防止される。
【0026】
図5は、上記実施例のシート後部側の構成配置図である。ダブルシート10の後部シートボトム11にフックブラケット51がボルト締めにより固定される。このフックブラケット51は、左右のサブレール7間にわたって連結固定されたクロスメンバ7aの下側に進入し、その下面に係合して上方への離脱を防止する。また、車体中央部のシート下部には、シートロック機構52が備わる。このシートロック機構は、前述のように、ロック爪とロック孔(いずれも図示しない)からなり、シートをフレームに装着することにより、自動的に弾発的にロック爪がロック孔内に進入してロックされ、ロック解除のときには、車体中央部左側の側面に設けたキー孔52aにキーを差込んで回転し、ワイヤを介してロック爪をロック孔から引き抜くことによりロックが解除される。
【0027】
ダブルシート10のタンデムライダー側の後部はテールカバー53で覆われる。このテールカバー53の内側にはテールランプ54およびその下側にリヤフェンダ55が装着される。このテールカバー53で覆われた車体後部に、前述のように、クロスメンバ7aの下側を通してダブルシート10の後方に突出するU字ロック14の後端部が収まる。
【0028】
上記実施例は、ヘッドパイプに2本のダウンチューブを平行に配置したダブルクレードル形バイク用フレームの例を示したが、本発明はダブルクレードル形である必要はなく、一本のダウンチューブが途中で2本に分岐するセミダブルクレードル形バイク用フレームにも適用できる。要するに、本発明は、フレーム後方に延びる2本のシートレールが設けられたタンデム型バイク用フレームであれば、その他のバイク用フレームに利用できる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、2本のシートレール上に、ダブルシートのタンデム側を支持する小径パイプからなるサブレールをシートレール軸方向に沿って設けたため、このサブレールによりダブルシートのタンデム側の荷重を受けて支持することができるともに、その左右のサブレール間の間隔内幅が小径パイプを用いることにより広くなってダブルシート下のタンデム側スペースが物品収納スペースとして有効に利用できる。
【0030】
また、サブレールを設けた2本のシートレールにより、ダブルシートの荷重を確実に受けて確実に支持できる。しかも、シートレールのスタンディングハンドル位置が上方に曲げられていないため、この部分のシートレールを手で掴んで車体を持ち上げる操作がしやすくなってシートレール自体をスタンディングハンドルとして使用可能となり、スタンディングハンドル用としての別部品が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したバイク用フレームの側面図。
【図2】図1のバイク用フレームの平面図。
【図3】図1のA−A矢視図。
【図4】本発明のバイク用フレームで支持したダブルシートにバイク用盗難防止用のU字ロック装置を格納した例の要部断面図。
【図5】図1の実施例のシート後部の構成配置図。
【図6】図4のU字ロック装置の分解斜視図。
【図7】従来のバイク用フレームの例の要部断面図。
【図8】図7のシートレールの断面図。
【図9】従来のバイク用フレームの他の例の要部断面図。
【符号の説明】
6:シートレール、7:サブレール、10:ダブルシート、
10a:ダブルシートの前側、10b:ダブルシートの後側。
Claims (2)
- ダブルシートを支持する2本のシートレールを設けたバイク用フレームのシートレール構造において、
前記2本のシートレール上に、ダブルシートのタンデム側を支持する小径パイプからなるサブレールをシートレール軸方向に沿ってそれぞれ設けたことを特徴とするバイク用フレームのシートレール構造。 - 前記2本のサブレールは、ダブルシートのタンデム側の荷重を受けるように該サブレールの中央部が上方かつ内方に突出していることを特徴とする請求項1に記載のバイク用フレームのシートレール構造。
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