JP3557736B2 - 経路探索装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばナビゲーションシステムなどへの採用に好適な経路探索装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ナビゲーションシステムでは、或る地点(スタートノード)から或る地点(ゴールノード)までの経路が複数存在する場合は、その中で最良の経路を探索し、ユーザーに提示する動作が行なわれる。
つまり、ユーザーが例えば現在位置などをスタートノードとして設定し、また目的地をゴールノードとして設定することで、目的地までの最良の経路がナビゲーションシステムのディスプレイで表示されるようにするものである。
最良の経路とは、例えば道路事情や距離、ユーザーの希望(例えば高速道路を使用するなど)等の条件から、最短時間もしくは最小距離でゴールノードに到達できる経路(以下、最短経路という)である。
【0003】
そして、最短経路を判別するために、各ノード間の道路について進行負担値(以下、コストいう)という値を設定している。このコストとは、或るノードとノードの間での進行につい設定される値であり、例えば距離、道路事情、高速道路か否かなどの条件で設定される。つまり、コストが小さい経路ほど好適な経路(距離が短い経路又は短時間で進行できる経路)とされるものである。
そして、スタートノードからゴールノードまでの経路として多数の経路が考えられる場合は、各経路について累計のコストを比較し、最もコストノ小さい経路を最短経路として判断するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際のユーザーのナビゲーションシステムの使用について考えてみると、単に最短経路を提示するだけでは不都合な場合が多い。
例えばユーザーが或る目的地に対してドライブする場合には、単にその目的に向かうことだけではなく、途中で或る場所に立ち寄りたい場合や、或る道路については、例えそれが最短経路の一部となる道路であっても、そこを通らないで迂回して目的地に向かいたいということも多々ある。
このような場合を考えると、目的地の最短経路を提示することだけでは実際上ナビゲーションとしてユーザーの役にたたなくなることがあるという問題が生ずる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような問題点に鑑みて、スタートノードからゴールノードまでの経路の探索処理において、途中の迂回地点、立寄地点を考慮できるようにし、例えばナビゲーションシステムにおいて好適な動作を実現することを目的とする。
【0006】
このため経路探索装置として指定手段と、探索演算手段について次のように構成する。
指定手段は、スタートノード及びゴールノードを指定するとともに、1又は複数の迂回ノードを指定することができるようにする。
探索演算手段は、指定手段によってスタートノードとゴールノード、及び迂回ノードが指定された場合に、迂回ノード到達後にその迂回ノードの直前ノードに戻る経路は探索対象経路とはしないようにして、スタートノードから、指定された各迂回ノードを経由してゴールノードに達する最良経路を探索するようにする。
【0007】
このように迂回ノードについては、迂回ノード到達後にその迂回ノードの直前ノードに戻る経路は探索対象としないことで、いわゆる迂回対象となる経路、つまり通りたくない経路が設定されることになり、この経路を外した状態で最良の経路を算出できる。
【0008】
また、経路探索装置として指定手段と、探索演算手段について次のように構成する。
指定手段は、スタートノード及びゴールノードを指定するとともに、1又は複数の立寄ノードを指定することができるようにする。
探索演算手段は、指定手段によってスタートノードとゴールノード、及び立寄ノードが指定された場合に、立寄ノード到達後にその立寄ノードの直前ノードに戻る経路も探索対象経路に含むようにしながら、スタートノードから、指定された各立寄ノードを経由してゴールノードに達する最良経路を探索する。
【0009】
このように立寄ノードについては、立寄ノード到達後にその直前ノードに戻る経路も探索対象と含むことで、立寄地点を考慮したうえでのゴールノードまでの最良の経路を算出できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7を用いて説明する。この場合本発明の経路探索装置はナビゲーションシステムにおけるコントローラ内に装備されるものとして説明する。
【0011】
図2はナビゲーションシステムとしてのブロック図を示すものである。
ナビゲーションコントローラ1はCPU,RAM,ROM及び各部とのインターフェース部を有するマイクロコンピュータにより構成される。
CD−ROMプレーヤ2は、ナビゲーションコントローラ1の制御に基づいてCD−ROMの再生動作を行なう部位である。CD−ROMプレーヤ2に装填されるCD−ROMには地図情報や地図上の各地点に対する名称などの付加情報が記録されている。CD−ROMから再生された情報はナビゲーションコントローラ1に供給される。
【0012】
GPS受信機3は、いわゆるGPS(グローバルポジショニングシステム:広域測位システム)による現在位置情報を得るための部位である。このGPS受信機3からは位置情報(緯度/経度)、絶対方位情報、速度情報が得られ、これらの情報はナビゲーションコントローラ1に入力される。
操作部4は、ユーザーがナビゲーションシステムを使用する際に各種の操作入力を行なう部位である。
例えばドライブに際して目的地までの好適な経路を知りたい場合には、現在位置(スタートノード)、目的地(ゴールノード)を入力する。さらに後述するように、ユーザーは操作部4から、途中で立ち寄りたい場所(立寄ノード)や、迂回したい道路の設定のための迂回地点(迂回ノード)を入力することができる。
【0013】
さらに画面表示のスクロールや縮尺変更、各種情報の提示などを求める操作を行なうことができる。
これらの操作部4からの操作情報はナビゲーションコントローラ1に入力される。ナビゲーションコントローラ1は入力された操作情報及び内部ROMに保持する動作プログラムに従って各部に対して所要の制御を行なうことになる。
【0014】
表示コントローラ5は、モニタ6における画像表示動作をコントロールする。即ちナビゲーションコントローラ1から供給される表示指令及び表示内容に基づいてモニタ6へ映像信号を供給し、モニタ6において画像表示を実行させる。
モニタ6は例えば液晶ディスプレイ装置などにより形成されている。
【0015】
このようなナビゲーションシステムでは、ナビゲーションコントローラ1はCD−ROMプレーヤ2によるCD−ROMの再生動作を実行させ、地図情報を得る。そして再生された地図情報を表示コントローラ5に供給し、モニタ6において地図画像の表示を実行させる。
【0016】
また現在位置はGPS受信機3からの緯度/経度情報により把握することができ、ナビゲーションコントローラ1はその現在位置情報を表示コントローラ5に供給する。すると表示コントローラ5はその位置に対応してモニタ6に表示された地図上で現在位置を示す画像が表示されるように映像信号を生成する。
さらにユーザーが操作部4を用いてモニタ6における地図画像の縮尺変更やスクロール表示などの要求を行なった場合は、ナビゲーションコントローラ1はその操作に基づいて表示コントローラ5を制御し、モニタ6において要求された画像表示を実行させることになる。
【0017】
また、ユーザーが目的地までの最短経路を知りたいとしてスタートノード、ゴールノードを入力した場合は、ナビゲーションコントローラ1は考えられる経路の中からコストが最小となる経路を判別し、その経路がモニタ6における地図画像上で表示されるようにする。
【0018】
さらにこの実施例では、ナビゲーションコントローラ1は単に最短経路を判別するのみではなく、ユーザーが迂回ノードや立寄ノードを入力することに応じて、迂回道路、立寄地点を考慮した上で、最適な経路を提示できるようにしている。以下、このためのナビゲーションコントローラ1の経路探索処理について説明する。
ナビゲーションコントローラ1による経路探索処理は図1に示される。
【0019】
この処理では、ユーザーにスタートノード及びゴールノードの入力を求め、入力に応じてスタートノード及びゴールノードを設定する。さらに、立寄ノードもしくは迂回ノードを入力した場合は、その立寄ノード、迂回ノードも処理に取り込む(F101)。
そして次に立寄ノード、迂回ノードの総数を変数Mとして保持する(F102)。
また変数n=1と設定する(F103)。
そして経路探索のための始点SSとしてスタートノードを代入する(F104)。
【0020】
ステップF105において変数M=0である場合とは、立寄ノード又は迂回ノードの入力がなかった場合である。つまり、ユーザーはスタートノードからゴールノードまで特に条件をつけずに最短経路が知りたいと思った場合に相当する。
このような場合はステップF115に進んで、経路探索のための終点EEとしてゴールノードを代入する。
そしてステップF116で、始点SSから終点EEまでの各種経路についてコストをもとめ、コスト最小の経路を最短経路とする。ステップF117では判別された最短経路をルートR(n)、つまりこの場合ルートR1として保持する。
このルートR1は、ステップF118においてモニタ6での表示処理に用いられることになる。
【0021】
一方、ステップF105において変数M=0でない場合とは、立寄ノード又は迂回ノードの入力があった場合である。
このようなときは、まずスタートノードから最初の立寄ノード又は迂回ノードまでの最短経路を探索する。つまりステップF107で最初の立寄ノード又は迂回ノードを終点EEとして、ステップF108で始点SSから終点EEまでの各種経路についてコストを求め、コスト最小の経路を最短経路とする。判別された最短経路はステップF109においてルートR(n)、つまりこの場合ルートR1として保持する。
【0022】
ここで、この時点での終点EEが立寄ノードではなく、迂回ノードと設定されたものであった場合は、ステップF110からF113に進み、そのルートR1において示される経路上で終点EE(迂回ノード)の直前ノードを直前ノードFFとする。そして、ステップF114で、以降の処理において、終点EE(迂回ノード)からの直前ノードFFへの経路は進行禁止、つまり探索対象経路から外すように処理を行なう。
【0023】
次に、ステップF111では変数nのインクリメントを行ない、またステップF112ではその時点で終点EEとされているノード(つまり最初の立寄ノード又は迂回ノード)を新たな始点SSとする。そしてステップF106に戻る。この時点で他に立寄ノード又は迂回ノードの設定がなければステップF106で肯定結果が出る。一方、他にも立寄ノード又は迂回ノードの設定があれば、否定結果が出る。
他に立寄ノード又は迂回ノードがあった場合は、その次の立寄ノード又は迂回ノードがステップF107で終点EEとされる。
そしてステップF108で始点SSから終点EEまでの各種経路についてコストを求め、コスト最小の経路を最短経路とする。判別された最短経路はステップF109においてルートR(n)、つまりこの場合ルートR2として保持する。
【0024】
このように立寄ノード又は迂回ノードが設定された場合は、各ノード間で順番に最短経路を探索していく。そして全ての立寄ノード又は迂回ノードまでについての経路がルートR1〜R(n)(なお、この時点でn=M)として判別された後、ステップF115に進み、ステップF116以降で、ルートR(n)において終点として示されるノードからゴールノードまでの最短経路が求められ、ルートR1〜R(M+1)として保持されている経路データにより、経路の表示が行なわれることになる。
【0025】
このような処理について具体例を上げて説明していく。
今、図3のような道路を考える。この場合、道路を構成する各地点としてノードNd1〜Nd11が存在する。
道路、つまりノード間としては距離などに応じてコストが設定されている。各道路のコストは図中( )内の数値として示す。例えばノードNd1〜Nd2の道路のコストは『9』であるとする。
【0026】
このような道路に対して、まず、ユーザーがノードNd1をスタートノード、ノードNd10をゴールノードとして設定し、迂回ノード、立寄ノードの設定は行なわなかったとする。
この場合図1の処理としては、ステップF104でノードNd1が始点SSとされ、またステップF115でノードNd10が終点EEとされる。
そしてステップF116で始点SSから終点EE、つまりノードNd1からノードNd10までの最短経路が求められる。
【0027】
図3からわかるように、ノードNd1からノードNd10までの経路としては、例えばノードNd9を経由する経路、ノードNd2,Nd7を経由する経路、ノードNd4,Nd5,Nd6,Nd11を経由する経路など、多様な経路が考えられるが、各経路についてコストをみてみると、図4に示すようなノードNd2,Nd7を経由する経路が最も小さいものであることがわかる。即ち、この経路のコストは、9+7+10で算出される『26』であり、例えばノードNd9を経由する経路のコスト『33』(=21+12)よりも小さい。他の経路も『26』よりは大きいコストとなっている。
従って、このノードNd2,Nd7を経由する経路が最短経路と判別され、ステップF117では、図4下部に示すように、Nd1→Nd2→Nd7→Nd10というデータが、ルートR1として保持される。
そしてステップF118では、図4のような経路を示す表示が行なわれることになる。
【0028】
次に、図3のような道路に対して、ユーザーがノードNd1をスタートノード、ノードNd10をゴールノードとして設定するとともに、ノードNd5を立寄ノードとして設定した場合を考える。
この場合図1の処理としては、まずステップF104でノードNd1が始点SSとされた後、ステップF105,F106 の時点で変数M=1となっているため、ステップF107に進み、第1の立寄ノード、即ちノードNd5が終点EEとされる。
【0029】
そしてステップF108で始点SSから終点EE、つまりノードNd1からノードNd5までの最短経路が求められる。
ノードNd1からノードNd5までの経路としては図5に示すようにノードNd2を経由する経路が最短経路と判別される。
そしてステップF109では、図5下部に示すように、Nd1→Nd2→Nd5というデータが、ルートR1として保持される。
【0030】
続いてステップF111で変数nがインクリメントされn=2とされた後、ステップF112で、それまで終点EEとされていたノードNd5が始点SSとされる。そしてステップF106では肯定結果が出るため、ステップF115でゴールノードNd10が終点EEとされる。
そしてステップF116で始点SSから終点EE、つまりノードNd5からノードNd10までの最短経路が求められる。
ノードNd5からノードNd10までの経路としてコスト最小となるのは、図5に示すように、ノードNd2,Nd7を経由する経路となる。
【0031】
従って、このノードNd2,Nd7を経由する経路が最短経路と判別され、ステップF117では、図5下部に示すように、Nd5→Nd2→Nd7→Nd10というデータが、ルートR2として保持される。
そしてステップF118では、図5のような経路、即ちルートR1,R2として保持された経路を示す表示が行なわれることになる。
このような表示により、ユーザーは、ノードNd1からノードNd10に向かう場合に、ノードNd5に立ち寄るという条件をつけたうえでの最短経路を知ることができるようになる。
【0032】
次に、図3のような道路に対して、ユーザーがノードNd1をスタートノード、ノードNd10をゴールノードとして設定するとともに、ノードNd5を迂回ノードとして設定した場合を考える。
ノードNd5を迂回ノードとして設定する場合とは、例えばユーザーがノードNd2〜Nd7間を通りたくないと思ったような場合である。つまり迂回ノードとしては、通りたくない道路から外れる地点(ノード)を指定すればよい。
【0033】
この場合図1の処理としては、まずステップF104でノードNd1が始点SSとされた後、ステップF105,F106 の時点で変数M=1となっているため、ステップF107に進み、第1の迂回ノード、即ちノードNd5が終点EEとされる。
そしてステップF108で始点SSから終点EE、つまりノードNd1からノードNd5までの最短経路が求められる。
ノードNd1からノードNd5までの経路としては図6に示すようにノードNd2を経由する経路が最短経路と判別される。
そしてステップF109では、図6下部に示すように、Nd1→Nd2→Nd5というデータが、ルートR1として保持される。
【0034】
ここで、終点EE、つまりノードNd5は迂回ノードであるため、ステップF110からF113に進み、ルートR1において終点EEの直前のノードであるノードNd2が直前ノードFFとされる。そしてステップF114では終点EEから直前ノードFF、つまりノードNd5からノードNd2に向かう経路を進行禁止経路として設定する。実際の処理としては、Nd5→Nd2という経路について最小コスト経路探索処理の対象から外すフラグをたてればよい。
【0035】
続いてステップF111で変数nがインクリメントされn=2とされた後、ステップF112で、それまで終点EEとされていたノードNd5が始点SSとされる。そしてステップF106では肯定結果が出るため、ステップF115でゴールノードNd10が終点EEとされる。
そしてステップF116で始点SSから終点EE、つまりノードNd5からノードNd10までの最短経路が求められる。
【0036】
ノードNd5からノードNd10までの経路としてコスト最小となるのは、実際にはノードNd2,Nd7を経由する経路となる。ところが、Nd5→Nd2という経路についてはステップF114の処理で最小コスト経路探索処理の対象から外されているため、このノードNd2を含む経路は例え最小コストであっても最短経路とは判断されない。
【0037】
即ちこのステップF116では、ノードNd5からノードNd10までの経路であって、しかもノードNd2を含まない経路の中で、コスト最小となる経路を判別する処理となる。
これに該当する経路は図6に示すように、ノードNd6,Nd7を経由する経路となる。
従って、このノードNd6,Nd7を経由する経路が最短経路と判別され、ステップF117では、図6下部に示すように、Nd5→Nd6→Nd7→Nd10というデータが、ルートR2として保持される。
【0038】
そしてステップF118では、図6のような経路、即ちルートR1,R2として保持された経路を示す表示が行なわれることになる。
このような表示により、ユーザーは、ノードNd1からノードNd10に向かう場合に、ノードNd2〜Nd7間を通らないという条件をつけたうえでの最短経路を知ることができるようになる。
【0039】
次に、図3のような道路に対して、ユーザーがノードNd1をスタートノード、ノードNd10をゴールノードとして設定するとともに、ノードNd5を迂回ノードとして設定し、さらにノードNd8を立寄ノードとして設定した場合を考える。
ノードNd5を迂回ノードとして設定する場合とは、上述のように例えばユーザーがノードNd2〜Nd7間を通りたくないと思ったような場合である。
【0040】
この場合図1の処理としては、まずステップF104でノードNd1が始点SSとされた後、ステップF105,F106 の時点で変数M=2となっているため、ステップF107に進み、第1の立寄または迂回ノード、即ちこの場合は迂回ノードNd5が終点EEとされる。
そしてステップF108で始点SSから終点EE、つまりノードNd1からノードNd5までの最短経路が求められる。
【0041】
ノードNd1からノードNd5までの経路としては図7に示すようにノードNd2を経由する経路が最短経路と判別される。
そしてステップF109では、図7下部に示すように、Nd1→Nd2→Nd5というデータが、ルートR1として保持される。
ここで、終点EE、つまりノードNd5は迂回ノードであるため、ステップF110からF113に進み、ルートR1において終点EEの直前のノードであるノードNd2が直前ノードFFとされる。そしてステップF114では終点EEから直前ノードFF、つまりノードNd5からノードNd2に向かう経路を進行禁止経路として設定する。
【0042】
続いてステップF111で変数nがインクリメントされn=2とされた後、ステップF112で、それまで終点EEとされていたノードNd5が始点SSとされる。
ステップF106では変数M=2であるので否定結果が出てステップF107に進み、第2の立寄または迂回ノード、即ちこの場合は立寄ノードNd8が終点EEとされる。
そしてステップF108で始点SSから終点EE、つまりノードNd5からノードNd8までの最短経路が求められる。
【0043】
ここでノードNd5からノードNd8までの経路としては、ノードNd2を経由する経路も存在するが、ノードNd5→Nd2という経路についてはステップF114の処理で最小コスト経路探索処理の対象から外されているため、このノードNd2を含む経路は例え最小コストであっても最短経路とは判断されない。
【0044】
即ちこのステップF108では、ノードNd5からノードNd8までの経路であって、しかもノードNd2を含まない経路の中で、コスト最小となる経路を判別する処理となる。
これに該当する経路は図7に示すように、ノードNd6,Nd7を経由する経路となる。
そしてステップF109では、図7下部に示すように、Nd1→Nd2→Nd5というデータが、ルートR2として保持されることになる。
【0045】
続いてステップF111で変数nがインクリメントされn=3とされた後、ステップF112で、それまで終点EEとされていたノードNd8が始点SSとされる。
ここでステップF106では変数M=2であるので肯定結果が出、従ってステップF115でゴールノードNd10が終点EEとされる。
そしてステップF116で始点SSから終点EE、つまりノードNd8からノードNd10までの最短経路が求められる。
ノードNd8からノードNd10までの経路としてコスト最小となるのは、図7に示すように、ノードNd7を経由する経路となる。
【0046】
従って、このノードNd7を経由する経路が最短経路と判別され、ステップF117では、図7下部に示すように、Nd8→Nd7→Nd10というデータが、ルートR3として保持される。
そしてステップF118では、図7のような経路、即ちルートR1,R2,R3として保持された経路を示す表示が行なわれることになる。
このような表示により、ユーザーは、ノードNd1からノードNd10に向かう場合に、ノードNd2〜Nd7間を通らないという条件、及びノードNd8に立ち寄るという条件をつけたうえでの最短経路を知ることができる。
【0047】
以上のように実施例として図1の経路探索処理を行なうナビゲーションシステムでは、単にスタートノードからゴールノードまでの最短経路を表示するだけでなく、ユーザーの事情として立寄地点や迂回地点を考慮したうえでの最短経路を表示することができ、実際の使用に適した非常に便利なものとすることができる。
【0048】
なお、実際の処理例としては図1にあげたもの以外でも各種考えられ、それらはスタートノード、ゴールノード、迂回ノード、立寄ノード等の指定入力方式や、使用するレジスタ(変数)などの都合により決められればよい。
また、迂回したい場所がある場合は、上述したように、その迂回したい区間から外れたノードを指定するという方式以外に、迂回したいノード間を直接入力するようにすることも考えられる。例えば図6の例でいえば、迂回対象区間としてノードNd2〜Nd7という区間を入力できるようにしてもよい。
【0049】
また、図1の処理では説明を省略したが、実際には迂回ノードの設定エラーなどにも対応できるようにするとよい。
例えば図3の道路に対してスタートノードNd10、ゴールノードNd1としたときに、迂回ノードNd3が入力されたとすると、これは設定ミスとなる。
或はスタートノードNd2、ゴールノードNd9としたときに、迂回ノードNd1,Nd3が入力されたとすると、これも設定ミスとなる。
このような不適切な設定入力が行なわれた場合はユーザーに対してエラー表示を行ない、設定やり直しを求めるようにすることが好適である。
【0050】
ところで、実施例では迂回及び立寄という観点で経路探索という処理について説明してきたが、ナビゲーションシステムを使用する際には、道路の渋滞状況に応じて最短経路が求められるようにすることが好適である。つまり、例え距離的には最短経路であっても渋滞により時間的には通行に長時間かかってしまう道路は、最短経路とすることが不適当である。
そこで、渋滞情報などに応じて道路のコストの値が増減されるようにすれば、より好適な最短経路判別が可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の経路探索装置では、迂回ノード、立寄ノードを考慮したうえで最適な経路を判別することができるため、ナビゲーションシステムなどにおいて実際に使用される際に、ユーザーにとって最も適切な情報を提示することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の経路探索処理のフローチャートである。
【図2】実施例のナビゲーションシステムのブロック図である。
【図3】経路探索を行なう道路例の説明図である。
【図4】実施例でのスタートノードからゴールノードまでの最短経路の説明図である。
【図5】実施例で立寄ノードを設定した場合のスタートノードからゴールノードまでの最短経路の説明図である。
【図6】実施例で迂回ノードを設定した場合のスタートノードからゴールノードまでの最短経路の説明図である。
【図7】実施例で迂回ノード及び立寄ノードを設定した場合のスタートノードからゴールノードまでの最短経路の説明図である。
【符号の説明】
1 ナビゲーションコントローラ
2 CD−ROMプレーヤ
3 GPS受信機
4 操作部
5 表示コントローラ
6 モニタ
Nd1〜Nd11 ノード
Claims (1)
- スタートノード及びゴールノードを指定するとともに、1又は複数の迂回ノードを指定することができる指定手段と、
前記指定手段によってスタートノードとゴールノード、及び迂回ノードが指定され、スタートノードとゴールノード間経路の各ノード間のコストを求めて経路探索を行う場合、スタートノードから迂回ノードのコストを求め、次に迂回ノードからゴールノードのコストを求める際に、迂回ノード到達後にその迂回ノードの直前ノードに戻る経路は探索対象経路とはしないようにして、スタートノードから、指定された各迂回ノードを経由してゴールノードに達する最良経路を探索することができる探索演算手段と、
を備えたことを特徴とする経路探索装置。
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-
1995
- 1995-07-14 JP JP20028095A patent/JP3557736B2/ja not_active Expired - Lifetime
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